特許第6242795号(P6242795)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6242795ネムノキ抽出物の新規な美容的使用およびそれに応じた局所組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6242795
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】ネムノキ抽出物の新規な美容的使用およびそれに応じた局所組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/9789 20170101AFI20171127BHJP
   A61K 36/48 20060101ALI20171127BHJP
   A61P 17/16 20060101ALI20171127BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20171127BHJP
   A61K 31/704 20060101ALI20171127BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   A61K8/9789
   A61K36/48
   A61P17/16
   A61Q19/00
   A61K31/704
   A61K45/00
【請求項の数】13
【全頁数】55
(21)【出願番号】特願2014-532534(P2014-532534)
(86)(22)【出願日】2012年9月27日
(65)【公表番号】特表2015-509072(P2015-509072A)
(43)【公表日】2015年3月26日
(86)【国際出願番号】IB2012055137
(87)【国際公開番号】WO2013046137
(87)【国際公開日】20130404
【審査請求日】2015年7月17日
(31)【優先権主張番号】11/58598
(32)【優先日】2011年9月27日
(33)【優先権主張国】FR
(31)【優先権主張番号】61/564,977
(32)【優先日】2011年11月30日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503432445
【氏名又は名称】セダーマ
(74)【代理人】
【識別番号】100107641
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 耕一
(72)【発明者】
【氏名】フルニアル,アルノー
(72)【発明者】
【氏名】グリゾ,クレール−マリー
(72)【発明者】
【氏名】モンドン,フィリップ
【審査官】 岩下 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−235548(JP,A)
【文献】 特開2009−242296(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/119423(WO,A1)
【文献】 特開2000−247829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/9789
A61K 31/704
A61K 36/48
A61K 45/00
A61P 17/16
A61Q 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
糖化ストレスによるメラトニン合成の低下抑制剤を製造するための、ネムノキ抽出物の使用。
【請求項2】
前記抽出物が、花および/または種子の抽出物である請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記抽出物が、生理学的に許容可能な、賦形剤またはマトリックスで希釈されている請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
前記抽出物が、含水グリコールマトリックスで希釈されている請求項3に記載の使用。
【請求項5】
前記抽出物が、美白活性成分、抗発赤活性成分、抗シミ活性成分、鎮静活性成分、敏感肌または反応肌の処置のための活性成分、UV日焼け止め活性成分、湿潤活性成分、保湿活性成分、角質除去活性成分、平滑活性成分、調色活性成分、アンチエイジング活性成分、抗シワ活性成分、機械特性および弾性を向上させる活性成分、光沢活性成分、解毒活性成分、抗発毛活性成分、スキンバリアに作用する活性成分、抗にきび活性成分、皮脂分泌に作用する活性成分、艶消し活性成分、抗炎症活性成分、抗酸化活性成分、抗ラジカル活性成分、抗糖化活性成分、目の輪郭(目の下のたるみおよび目の周りのくま)活性成分、血液循環促進活性成分、10以下のアミノ酸を含むペプチド類、ならびにビタミン類活性成分から選択される、1種以上の追加の活性成分と組み合わされている請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
前記追加の活性成分が、ダルトサイドである請求項5に記載の使用。
【請求項7】
前記ダルトサイドが、ツクシメナモミ抽出物である請求項6に記載の使用。
【請求項8】
生理学的に許容可能な媒体中に、ネムノキ抽出物およびダルトサイドを含む、皮膚の光沢の損失、目の下のたるみ、及び、目の周りのくま、からなる群から選択される、皮膚の疲労のサインを美容的局所処置するための組成物。
【請求項9】
前記ネムノキ抽出物が、花および/または種子の抽出物である請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記ダルトサイドが、ツクシメナモミ抽出物である請求項8または9に記載の組成物。
【請求項11】
美白活性成分、抗発赤活性成分、抗シミ活性成分、鎮静活性成分、敏感肌または反応肌の処置のための活性成分、UV日焼け止め活性成分、湿潤活性成分、保湿活性成分、角質除去活性成分、平滑活性成分、調色活性成分、アンチエイジング活性成分、抗シワ活性成分、機械特性および弾性を向上させる活性成分、光沢活性成分、解毒活性成分、抗発毛活性成分、スキンバリアに作用する活性成分、抗にきび活性成分、皮脂分泌に作用する活性成分、艶消し活性成分、抗炎症活性成分、抗酸化活性成分、抗ラジカル活性成分、抗糖化活性成分、目の輪郭(目の下のたるみおよび目の周りのくま)活性成分、血液循環促進活性成分、10以下のアミノ酸を含むペプチド類、ならびにビタミン類活性成分から選択される、1種以上の追加の活性成分を含む請求項8〜10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
目の周りのくままたは目の下のたるみの美容的処置のための請求項8〜11のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項13】
皮膚の光沢の損失の美容的処置のための、請求項8〜11のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネムノキ(Albizia Julibrissin)抽出物の新規な美容的局所使用、およびそれに応じた局所組成物に関する。
【0002】
本発明は特に、外観および/または一般的症状を向上させるために、哺乳類、動物又はヒトの、頭皮を含めた皮膚、粘膜、および付属器官(例、体毛、睫毛、眉毛、爪、毛髪等)を処置するための製品を製造および/または使用する、化粧品産業および皮膚薬剤産業に関わる。
【背景技術】
【0003】
これらの産業では、新製品に対する需要が高まっており、特に、植物由来の新規な活性成分が求められている。これは、当該活性成分が、組み合わせの効能を有し、刺激やアレルギーのリスクを抑え、副作用を低減し、生分解性を有するためであり、ラベル付け/保証の機会があって、継続的な開発および/またはフェアトレードアプローチに適しているためである。
【0004】
本発明は、この要求に応じることを目的とする。
【0005】
ネムノキは、シルクツリー(silk tree)またはコンスタンチノープルのミモザ(Mimosa of Constantinople)としても知られており、ネムノキ科の落葉性の樹木である。ネムノキは、東アジアおよび南アメリカに原生するが、人間によってほとんどすべての大陸に広められた。
【0006】
化粧品において、ネムノキ抽出物がこれまでに提案されている。
【0007】
特開2009−242296号公報は、メラニン生成作用を抑制し、コラーゲン生成を促進することが可能なネムノキ抽出物を開示している。
【0008】
韓国特許公開第2010−0090530号公報は、ネムノキ樹皮抽出物のメタロプロテイナーゼ抑制活性を開示している。
【0009】
韓国特許公開第2002−0080657号公報は、ネムノキの皮抽出物の抗ラジカル活性について開示している。
【0010】
特許第4342519号明細書は、ネムノキ抽出物をチロシナーゼの活性を抑制するために使用することを開示している。
【0011】
特開2000−143488号公報は、ネムノキ抽出物の皮膚または毛髪の保湿特性について開示している。
【0012】
特許第2048515号明細書は、ネムノキ抽出物を、毛髪の脱毛を抑制し、かつ育毛を促進するために、ヘア製品に使用することを開示している。
【0013】
特開2010−235548号公報は、ネムノキ抽出物からなる剤であって当該剤を、肌を白くし、毛髪を修復し、抗酸化作用を発揮し、老化、肥満、炎症などの病気を治療するために、化粧品、食品および/または飲料に使用することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2009−242296号公報
【特許文献2】韓国特許公開第2010−0090530号公報
【特許文献3】韓国特許公開第2002−0080657号公報
【特許文献4】特許第4342519号明細書
【特許文献5】特開2000−143488号公報
【特許文献6】特許第2048515号明細書
【特許文献7】特開2010−235548号公報
【発明の概要】
【0015】
本発明の主題は、糖化の美容的局所処置のためのネムノキ抽出物の使用である。
【0016】
人体は、エネルギーを生産するために、糖、すなわちグルコースを必要とする。しかしながら、グルコースは、この有益な目的のために人体全体で用いられることはない。吸収された糖の残余は、タンパク質、核酸、または脂質のアミノ基と非酵素的に反応し、終末糖化産物(AGE産物)を生成する。
【0017】
AGE生成は、いくつかの連続した段階を含む。初期段階では、グルコース等の還元糖のアルデヒド基が、シッフ塩基として知られるタンパク質アミンと不安定な結合を形成し、当該結合の急速な転移が起こってアマドリ(Amadori)化合物を生成するが、これは最終状態ではない。このアマドリ生成物が、酸化、縮合、脱水の多くの連続した反応を受け、中間試薬(例、アルデヒド類)を形成し、組織内に経時的に蓄積される複雑な終末糖化産物(AGEs)の蓄積に至る。
【0018】
アマドリ化合物の段階では、糖は、脱プロトン化することができ、数種の高反応性分子:グリオキサール(GO)またはそのメチルグリオキサール誘導体(MGO)、3−デオキシグルコソン(3−DG)またはフルクトサミン類、を形成することができる。グリオキサールおよび3−DGは、次いで、遊離タンパク質アミン類に結合し、カルボキシメチル−リシン(CML)、カルボキシメチル−アルギニン(CMA)、カルボキシメチル−システイン(CMC)およびこれらのエチル体相当物、ピラリン、メチルグリオキサール−リシンダイマーなどの種々のAGEsを産生し得る。
【0019】
これらの同じ反応性の化学形態の形成は、グルコースの自己酸化の結果としても起こりえるものであり、グリオキサール、メチルグリオキサールおよび3−デオキシグルコソン型の高反応性の脱カルボニル化されたグリコトキシン類になり、上述のようにこれらの分子は、AGEs合成を引き起こす。
【0020】
また、リボースやキシロースなどの他の糖類は、より少量存在するのであるが、グルコースおよびフルクトースよりもはるかに反応性が高く、in vitroでの毒性が示されたAGEsを産生する。
【0021】
これら種々の副反応により、多くの(糖化)変性タンパク質が生成し、当該変性タンパク質の、機能的、酵素的および構造的特性は、重大な結果とともに細胞または有機体の良好な機能を損なう。さらに、核酸がグリコトキシンへ結合すると、細胞に有害となり得る突然変異を引き起こす。
【0022】
皮膚に関し、角質層に関する限り、AGEsは真皮のみならず表皮内でも見つかっている。タンパク質が長寿命である場合には、器官はさらにいっそう影響を受ける。よって、15年の半減期を有する真皮のコラーゲンは、20歳において80歳よりも、カルボキシメチル−リシン(CML)、N−カルボキシエチル−リシン(CEL)およびペントシジンに3倍富んでいる。コラーゲンの特性は、エラスチン、フィブロネクチンおよびラミニンと共に変化し、真皮の細胞外マトリックスの機械的特性および弾性特性を変化させ、柔軟性を失ってより固くなるが、よりたるみ、反応性が低くなる。
【0023】
糖化は、長寿命のタンパク質のみに影響するわけではない。ビメンチンは、コラーゲンよりずっと短い寿命を有する細胞間タンパク質である。ビメンチンは、細胞骨格の中間径フィラメントに必須の成分である。ビメンチンは、治癒、運動、収縮の際の皮膚線維芽細胞の多くの機能に関与する。ビメンチンに蓄積されたMGOから形成されたAGEsは、それを凝集させ、細胞の収縮能を低下させ、コラーゲン繊維を破壊する。
【0024】
細胞内でミトコンドリアタンパク質は、直接および間接的に、エネルギー生産に使用されないグルコースによって攻撃を受ける。これらのタンパク質は糖化され、ATP合成収率を下げ、エネルギー生産を不全にする。このプロセスは、皮膚を含め身体各部の全部分において起こる。
【0025】
細胞はまた代謝のセンサー、またはエネルギー生産の調節を可能にするプローブを有する。AMPK(AMP-Activated Protein Kinase)は、それらのうちの一つである。これは、ATPの新合成(neosynthesis)を促進することによって減少したATPに応答する。酵素の活性部位は糖化に非常に影響を受けやすいことが知られている。つまりこうして、調節機能を失い得る。
【0026】
また、AGEsは、マトリックスタンパク質の糖化/変性によって血管透過性を変化させる。発生する微小炎症反応は、次いで流量の減少や血液成分の血管外への漏出をもたらし、その周囲に液体や老廃物を蓄積させる。これは、目の周りのくまを形成し、場合により目の下のたるみを形成する。
【0027】
よってAGEsは、主要な細胞機能障害源であり、その漸進的な蓄積は、組織や細胞の特性や性能を低減させる(柔軟性の低下、運動性の低下、応答性の低下、エネルギー生産量の低下)。すべての機能が損なわれる。
【0028】
さらに、細胞は、グリオキサラーゼ−1および−2と呼ばれる酵素システムに基づいた、糖化に対する能動的な防御メカニズムを有し、これは、メチルグリオキサールと、他種の反応性アルデヒドを、GSHの介在によって解毒する。糖化生成物は、グリオキサラーゼ活性を減少する傾向にある。
【0029】
上述のように、糖化は、急激な効果であって、それによって引き起こされるであろう結果は、種々の器官においてほんの数日の高血糖の後に、定量化することができる。グリコトキシン類は、細胞能力を低下させてエネルギーを生産し、高分子を変性させる。グリコトキシン類の効果も、経時的に累積する。効果は、付加ストレスに対する細胞応答性を低下させ、身体の疲労と類似して理解される、一種の「細胞の疲労」をもたらす。細胞(または身体)が若い場合、その回復能力は極大であり、よって迅速に回復する。日々の疲労の蓄積は、この能力を低下させ、グリコトキシン類の有害な効果を増幅する。
【0030】
一時的な疲労が、通常になり、慢性化する。これらのサインは、顔に現れ得る。つまり、目の周りのくまや目の下のたるみ、さえない顔色、やつれた顔立ち、反応が弱い肌、疲労肌である。細胞や組織において代謝が損なわれている。
【0031】
従って、グリコトキシン類の日々の効果を低減させることにより、特に、身体の別の部分で生産される分子であるメラトニンを、特に皮膚において保護することにより、細胞疲労に対抗することが、達成すべき目的である。メラトニンは、睡眠の調節効果と、特に細胞のエネルギー生産能力を保護することによる保護効果を有する。メラトニンレベルは、グリコトキシン類によって減少され得るものであり、メラトニンレベルを維持することは、細胞の回復能を保護する上で直接の利益となる。
【0032】
したがって、これらの生化学的プロセスの皮膚に与えるインパクトは、我々は細胞レベルで効果を見られるのだが、重要である。糖化は、光沢がなく疲れた外観のさえない肌やたるんだ肌、例えば、目の周りのくまや目の下のたるみの出現や、色調や柔軟性のなさをもたらす。
【0033】
本出願人は、本発明のネムノキ抽出物が、糖化に対抗する2つの明白で補足的な効果を発揮することを示す。
− 第1に、糖化の実施を防止するための糖化に対する予防効果;
− 第2に、糖化が始まった状況においてマイナスの結果を抑制し、糖化産物がネムノキ抽出物により中和または解毒され、特に光沢や柔軟性を失った疲労肌に修復効果をもたらす、本発明により「脱糖化」効果もしくは「脱糖化」の効果または解毒効果と呼ばれる修復効果。
【0034】
よって、本発明によれば、ネムノキ抽出物は、特に次のことに用いることができる。
− 皮膚の疲労(疲労肌)の治療;および/または
− (頭皮を含め)皮膚とその付属器官の解毒;および/または
− 皮膚とその付属器官の外観の輝きや光沢の向上ならびに皮膚の柔軟性の低下の処置;および/または
− 目の輪郭、特に目の周りのくまおよび目の下のたるみの処置。
【0035】
皮膚の分子、特にタンパク質の糖化についてネムノキ抽出物の活性を実証するin vivoおよびin vitro試験について以下説明する。
【0036】
特にAGE-Reader(商標)(DiagnOptics Technologies)をAGEs蓄積の非侵襲性測定用の医療機器として用いた。
【0037】
本発明によれば、「抽出物」とは、通常の抽出技術により、またはin vitroの植物細胞培養により得られる抽出物のことをいう。
【0038】
例えば、使用可能な通常の技術としては、浸漬、単純煮出、浸出、還流下抽出、超臨界流体抽出、超音波またはマイクロ波抽出、向流技術の使用が挙げられる。抽出溶媒は、水、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、PEG−6(カプリル酸/カプリン酸)グリセリド類、ポリエチレングリコール、メチル化および/またはエチル化ジグリコールエーテル類、環状ポリオール類、エトキシ化またはプロポキシ化ジグリコール類、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール)、あるいはこれらの任意の混合物から選択することができる。
【0039】
本発明はまた、in vitroの植物培養により得られた抽出物を含む。未分化細胞もしくは脱分化細胞の培養、組織もしくは器官の培養、またはin vitroの体細胞胚形成によるもしくは栄養繁殖による微細繁殖を含む種々の技術がある。
【0040】
in vitroの植物培養によって抽出物を得ることにより、農工業への道(耕地での植物培養およびそれに続く工場での抽出)が開かれるという利点がある。つまり、得られた材料は、毒性物質(除草剤等)を含まず、再生産性が向上しており、生物学的多様性が保たれる、などである。
【0041】
本発明によれば、気生を含み、葉、花、種子、根などの植物の全部分を用いることができる。
【0042】
本発明によれば、好ましくは、後述のように植物の、花および/または種子から得られるネムノキ抽出物である。
【0043】
本発明によれば、ネムノキ抽出物は、ピュアな形態で、または生理学的に許容可能な、賦形剤もしくはマトリックスに希釈された形態で用いることができる。
【0044】
抽出物は、好ましくは、生理学的に許容可能な、賦形剤またはマトリックスに希釈された形態で用いられ、特に、含水グリコール(hydroglycolic)マトリックスに希釈された形態で用いられる。
【0045】
本発明はまた、生理学的に許容可能な媒体中に、糖化に作用する活性成分として、有効量のネムノキ抽出物を含有する局所組成物を包含する。上述のように、ネムノキ抽出物は、顕著なタンパク質の脱糖化効果と皮膚の解毒作用を有する。
【0046】
局所塗布は、美容的および/または皮膚薬的であってよい。
【0047】
他の有利な特徴によれば、ネムノキ抽出物は、好ましくは、より幅広いの美容特性を与えるための、1種以上の追加の活性成分と組み合わせて用いることができる。追加の活性成分は、例えば、美白剤、抗発赤剤(anti-redness)、抗シミのための活性剤、鎮静剤、敏感肌、反応肌の処置のための活性剤、UV日焼け止め剤、湿潤剤、保湿剤、角質除去剤、平滑剤、調色剤、アンチエイジング剤、抗シワ剤、抗小ジワ剤、機械特性および弾性を向上させる活性剤、顔色の光沢を向上させる活性剤、解毒剤、抗発毛活性剤、スキンバリアに作用する活性剤、抗にきび活性剤、皮脂分泌に作用する活性剤、艶消し剤、統合剤、抗炎症剤、抗酸化剤、抗ラジカル剤、抗糖化活性剤、活性を補強するための目の輪郭(目の周りのくまおよび目の下のたるみ)のための活性剤、血液循環促進剤、ペプチド類、ビタミン類などから選択することができる。これらの活性成分は、植物抽出物、または植物培養もしくは発酵により得られる産物などの植物材料から得ることができる。
【0048】
驚くべきことに本発明者らは、ダルトサイド(Darutoside)と組み合わせた本発明におけるネムノキ抽出物が、顔を処置、より具体的には、目の輪郭を処置するのに特に適していることを見出した。ダルトサイドは、目の輪郭全体の処置に対し(予防的および治療的に)本発明によるネムノキの抗糖化活性を強化および補完する。
【0049】
ダルトサイドは、ダルチゲノール(Darutigenol)の糖形態であり、以下の式を有する。
【0050】
【化1】
【0051】
ダルトサイドは、任意の供給源から、特に、半化学合成、化学合成、酵素により、バイオテクノロジーの多くの手法の1つにより、植物抽出により、または工業的に使用される最終製品を合理的なコストで得るために使用される他の方法により、得ることができる。
【0052】
一実施態様によれば、抽出は植物性であり、ダルトサイドは、「ホーリーハーブ(holy herb)」や「セントポールズワート(St. Paul’s wort)」として知られる植物であるツクシメナモミ(Siegesbeckia Orientalis)から抽出され、ツクシメナモミは、インドに原生し、様々な熱帯の国、特にマダガスカルに広まっている。ツクシメナモミは、鎮静や瘢痕形成の薬効のある植物として知られている。ツクシメナモミからダルトサイドを得る方法は、仏国特許第2285142号明細書に開示されている。
【0053】
ダルトサイドはまた、滴定量のダルトサイドを含むツクシメナモミ抽出物の形態で存在し得る。
【0054】
ダルトサイドは種々の公知の市販の化粧料成分で処方されている。例えば、
− Darutoside(商標)、Sedermaより販売。ツクシメナモミから抽出される分子ダルトサイドと関連し、アシアチコシドに富むセンテラ・アジアティカ(Centella Asiatica)からの抽出物。アシアチコシドは、抗炎症特性と皮膚の細胞外マトリックスの再構築特性を有し、当該成分は、ストレッチマークの処置用になると言われている。
− Chromocare(商標)、Sedermaより販売。ダルトサイドに富むツクシメナモミ抽出物と関連し、オリドニンに富むラブドシア・ルベッセンス(Rabdosia rubescens)抽出物。オリドニンは、酸化ストレスに対抗し、発色団の老化(コラーゲンの分解、炎症、メラミン刺激)に有益な効果を発揮する。
【0055】
本発明によれば、生理的に許容可能な媒体中にネムノキ抽出物およびダルトサイドを含む組成物が提案される。
【0056】
ネムノキ抽出物は、本発明による上記した抽出物である。
【0057】
明細書において後述するin vitro試験では、本発明によるネムノキ抽出物とダルトサイドの組み合わせにより得られた活性および相乗効果が示されている。特に、次のことが示された。
− 老化関連遺伝子(gerontogenic gene)の増加;
− エラスチンの非酵素糖化における相乗作用;
− メタロプロテイナーゼMMP1ポストストレスの抑制活性;
− コラーゲンIおよびエラスチンの増加。
【0058】
明細書においてまた後述するin vivo試験では、ネムノキ抽出物とダルトサイドの組み合わせによる、目の輪郭の視認可能な広範囲の疲労、すなわち小ジワおよびシワ、まぶた、目の周りのくま、目の下のたるみについて美容上の効果を示す。
【0059】
他の追加の活性成分は、好ましくは、ビタミンB3化合物、ナイアシンアミドまたはトコフェノール様の化合物、レチノールなどのレチノイド化合物、ヘキサミジン、α−リポ酸、レスベラトロール、DHEA、ペプチド類、特に、N−アセチル−Tyr−Arg−O−ヘキサデシルエステル、Pal−VGVAPG(SEQ ID NO:1)、Pal−KTTKS(SEQ ID NO:2)、Pal−GHK、Pal−KMO2KおよびPal−GQPR(SEQ ID NO:3)から選ぶことができる。これらは、局所化粧料または皮膚薬用組成物に従来用いられている活性成分である。
【0060】
本発明は、次の記載により、いっそう理解される。
【発明を実施するための形態】
【0061】
組成物の作製
本発明における「生理的に許容可能な媒体」との表現は、水溶液、含水アルコール溶液、油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョン、ミクロエマルジョン、水性ゲル、無水ゲル、セラム、ベシクル分散液または粉体を意味するが、これらに限定されるものではない。
【0062】
「生理的に許容可能な」とは、その組成物が、粘膜、付属器官(爪、毛髪、体毛)、頭皮、哺乳類の皮膚、特にヒトの皮膚と接触して、毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応等のリスクなく、局所または経皮使用に適していることを意味する。
【0063】
「生理的に許容可能な媒体」は、いわゆる組成物の賦形剤を形成する。
【0064】
本発明の使用にあたり、ネムノキ抽出物、またはダルトサイドが存在する場合にはダルトサイドの有効量、すなわち投与量は、年齢、患者の皮膚の状態、疾患や状態の重症度、投与形態などの種々の要因に依存する。有効量とは、所望の効果を達成するのに十分な、無毒な量を意味する。
【0065】
本発明の、抗糖化および目の輪郭への使用にあたり、有効量で存在すべき、ネムノキ抽出物または存在する場合にはダルトサイドは、組成物の全重量に基づいて、通常、0.00001%〜90%、より具体的には、0.0001%〜25%、さらに具体的には0.001%〜10%の範囲の量で存在する。当業者は、所望の効果に応じて抽出物の量を調整することができる。
【0066】
ここで用いるすべての百分率およびすべての割合は、組成物全体の重量に対するものであり、すべての測定は特に断りのない限り、25℃で行われる。
【0067】
組成物の賦形剤の選択は、ネムノキおよび存在する場合にはダルトサイドの材料の制約(安定性、溶解性など)に従ってなされ、必要に応じさらに、組成物の意図される投与形態に応じてなされる。
【0068】
ネムノキ抽出物および存在する場合にはダルトサイドは、水溶液により組成物に組み込まれてもよく、あるいは、一般的な生理的に許容可能な可溶化剤により、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコール、またはこれらの任意の組み合わせに溶解されてもよく、これらに限られない。また、乳化剤により抽出物を可溶化させてもよい。粉体媒体もまた用いることができる。
【0069】
本発明に適応される組成物は、通常、局所組成物、口腔組成物、および注射組成物を作製するために当業者に周知の常法により、作製することができる。当該方法は、成分の混合物を1以上の工程で、加熱してもしくは加熱せずに、または冷却してもしくは冷却せずに均一な状態にすること等を含んでいてもよい。
【0070】
本発明のネムノキ抽出物および存在する場合にはダルトサイドを含んでいてもよい種々のガレヌスの形態は、あらゆる形態であってよく、すなわち、クリーム、ローション、乳液、クリーム軟膏、ジェル、エマルジョン、分散液、溶液、懸濁液、クレンザー、ファンデーション、無水調合品(特にリップバームのスティック、ボディオイルおよびバスオイル)、シャワーおよびバスジェル、シャンプー、ヘアケアローション、スキンケア用またはヘア用の乳液またはクリーム、クレンジング・ローションまたは乳液、日焼け止め・ローション、乳液またはクリーム、人工日焼け・ローション、乳液またはクリーム、プレシェービング、シェービングまたはアフターシェービング・クリーム、フォーム、ジェルまたはローション、メイクアップ、リップスティック、マスカラ、ネイルポリッシュ、スキンエッセンス、セラム、粘着剤、吸収剤、経皮パッチ、皮膚軟化剤・パウダー、ローション、乳液またはクリーム、スプレー、ボディオイルおよびバスオイル、ファンデーションベース、軟膏、エマルジョン、コロイド、コンパクトサスペンジョン、コンパクト固形物、ペンシル、スプレー可能な剤形、ブラッシャブル(brushable)、頬紅、赤色顔料、アイライナー、リップライナー、リップグロス、フェイスパウダー、ボディパウダー、スタイリングジェル、スタイリングムース、ネイルコンディショニング、リップバーム、スキンコンディショナー、湿潤剤、ラッカー、石鹸、エクスフォリアント(exfoliant)、収斂剤、脱毛剤、パーマネントウェーブ溶液、フケ防止製剤、スティックを含む制汗剤または発汗抑制組成物、ロールオンデオドラント、芳香剤、鼻用スプレーなどであってよい。これらの組成物は、唇を着色するためのリップスティックや、ひびわれを防止するためのリップスティックの形態であってよく、目用のメイクアップ、アイシャドー、顔用のファンデーションであってよい。本発明の組成物は、化粧品、パーソナルケア製品、薬剤を含み得る。加圧ガスを含むフォームまたはエアロゾル形態の組成物も考えられる。本発明による組成物はまた、例えば歯磨きペーストのような口腔用の使用も可能である。このとき、組成物は、口腔用組成物に慣用されている補助剤や添加剤を含んでいていてもよく、補助剤や添加剤は、界面活性剤、増粘剤、保湿剤、シリカなどの研磨剤、フッ化物、特にフッ化ナトリウムなどの種々の活性成分、およびサッカリンナトリウムなどの任意の甘味料を含む。
【0071】
本発明によればネムノキ抽出物および存在する場合にはダルトサイドは、個々にまたは予備混合物として、または個々に賦形され、あるいはベクター内の予備混合物として、溶液、分散液、エマルジョン、ペースト、パウダーの形態であってもよく、ベクターとしては、例えば、マクロ−、ミクロ−またはナノカプセル、マクロ−、ミクロ−またはナノスフェア、リポソーム類、オレオソーム類、カイロミクロン類、マクロ−、ミクロ−またはナノ粒子、マクロ−、ミクロ−またはナノスポンジ、ミクロ−またはナノエマルジョンなどが挙げられ、有機ポリマー粉体、タルク、ベントナイト、胞子、外膜、他の無機もしくは有機支持体上に吸着していてもよい。
【0072】
本発明によればネムノキ抽出物および存在する場合にはダルトサイドは、いかなる形態で使用されていてもよく、皮膚と接触が意図される、布地、天然繊維、合成繊維、ウール、日中用または夜用の衣服または下着に用いられる材料、ハンカチ、クロスを処理するために、マクロ−、ミクロ−およびナノ粒子、またはマクロ−、ミクロ−およびナノカプセルに、結合しまたは組み込まれた形態あるいは内部に吸収または表面に吸着された形態で使用されてもよく、その結果、皮膚/布地接触を介して美容効果を発揮することができ、継続した局所デリバリーが可能になる。
【0073】
美容的処置方法
本発明はまた、皮膚タンパク質の糖化を処置するための美容的局所処置方法を提案するものであり、当該方法は、上記したネムノキ抽出物を含む有効量の組成物を皮膚の必要としている対象に局所塗布することを含む。
【0074】
「局所処置」とは、塗布される場所、すなわち皮膚、粘膜、皮膚の付属器官に作用することを意図した塗布を意味する。
【0075】
本発明による方法は、特に次のことに適用することができる。
− 光沢と柔軟性を失った疲労肌(皮膚の疲労)を処置すること、および/または
− (頭皮を含む)皮膚とその付属器官を解毒すること、および/または
− 皮膚とその付属器官の外観の輝きを改善し、皮膚の柔軟性の喪失を処置すること、および/または
− 目の輪郭、特に目の周りのくまおよび目の下のたるみを処置すること。
【0076】
当該方法の他の特徴によれば、有利には、上述のようにネムノキ抽出物がダルトサイドと組み合わされ、よって、当該方法は特に目の輪郭について特に疲労肌の処置に適用でき、これは、目の周りのくまおよび目の下のたるみ、シワ、小ジワへの相乗作用とまぶたへの作用のためである。
【0077】
皮膚、粘膜、および付属器官の外観と全般的な状態の改善は、毎日など定期的な局所塗布により得ることができる。
【0078】
施術者は、ネムノキ抽出物を含有する組成物を含む美容局所処置を評価するであろう。当該処置は、例えば、組成物を塗布するのに通常使用される方法により、本発明の組成物を局所的に塗布することによって行われる。局所組成物は、好ましくは、少なくとも一週間の間、1日に1度塗布されるが、2、4、8または12週間の間塗布されてもよい。局所組成物は、好ましくは、顔または首に塗布されるが、美的改善が要求される任意の皮膚の部分に塗布することができる。当該任意の部分においては、組成物は、処置すべき肌の領域に留まり、好ましくは、皮膚から除去されたり洗い流されたりしない。一つの指針として、顔の美容的な処置について、クリームの欧州における標準投与量は、2.72mg/cm2/日/人である。
【0079】
またなお、ここで用いるように、処置するまたは処置との用語は、老化を含め、皮膚科的効果の、低減、改善、進行、軽減、除去を含み包含する。本発明の組成物および方法は、顔、額、唇、首、襟足、腕、手、胴体、脚、膝、足、胸、背中、臀部などを含め、皮膚の多くの領域において制限なく、皮膚の状態を処置するのに適している。
【0080】
本発明の主要な利点の一つは、局所的で非侵襲性の塗布方法によって、局所選択的に「穏やかな」処置ができることが必要なまたは望まれるいかなる場合でも、それを可能にすることにある。例えば、抗シワ使用の場合、シリンジまたはミクロカニューレを用いて極局所的に塗布されてもよい。
【0081】
しかしながらまた、皮下に注射することを意図した本発明の組成物も考えられる。
【0082】
他の特定の特徴によれば、本発明の美容的処置方法は、ルミノセラピー、熱、またはアロマセラピー処置などの皮膚を対象とした1以上の他の処置方法と組み合わせることができる。
【0083】
本発明によれば、複数の区画やキットを含む装置が上記の方法の適用に提案されるが、制限されない例として、装置は、本発明のネムノキ抽出物を含む組成物を含む第1の区画と、ダルトサイドのような他の活性成分および/または賦形剤を含有する組成物の第2の区画を含み、この場合の第1および第2の区画に含まれた組成物は、特に上記した処置方法の1つにおいて、時間的に、同時、別々または段階的な使用のための組み合わせ組成物となる。
【0084】
追加の成分
CTFA International cosmetic ingredient dictionary & handbook(13th Edition、2010年)(the Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association, Inc., Washington, D.C.出版)は、スキンケア産業に従来用いられている多様な美容成分および薬学成分を制限なく記載しており、当該成分は、本発明の組成物の追加の成分/化合物として使用することができる。これらの成分の分類の例は、治癒剤、肌アンチエイジング剤、抗シワ剤、抗萎縮剤、肌保湿剤、肌平滑剤、抗細菌剤、抗寄生虫剤、抗真菌剤、殺真菌剤、静真菌剤、殺菌剤、静菌剤、抗菌剤、抗炎症剤、抗痒疹剤、麻酔剤、抗ウイルス剤、角質溶解剤、フリーラジカルスカベンジャー、抗脂漏症剤、抗フケ剤、肌の分化、増殖または色素沈着調整剤、透過促進剤、落屑剤、メラニン合成促進または抑制剤、ホワイトニング、色素除去または美白剤、副色素剤、セルフタンニング剤、NO−シンターゼ抑制剤、抗酸化剤、大気汚染に対するフリーラジカルスカベンジャーおよび/または剤、反応性カルボニル種スカベンジャー、抗糖化剤、拘縮剤、皮膚または表皮分子の合成を促進するおよび/または当該分子の分解の抑制もしくは防止能のある剤、例えば、コラーゲン合成促進剤、エラスチン合成促進剤、デコリン合成促進剤、ラミニン合成促進剤、デフェンシン合成促進剤、シャペロン合成促進剤、アクアポリン合成促進剤、ヒアルロン酸合成促進剤、フィブロネクチン合成促進剤、サーチュイン合成促進剤、脂質および角質層成分(セラミド類、脂肪酸など)の合成促進剤、コラーゲン分解抑制剤、エラスチン分解抑制剤、線維芽細胞増殖促進剤、ケラチン生成細胞増殖促進剤、脂肪細胞増殖促進剤、メラニン細胞増殖促進剤、ケラチン生成細胞分化促進剤、脂肪細胞分化促進剤、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、グリコサミノグリカン合成促進剤、DNA修復剤、DNA保護剤、かゆみ止め剤、敏感肌の処置および/またはケア用剤、安定剤、抗ストレッチマーク剤、収斂剤、皮脂生成調整剤、皮膚緩和剤、治癒補助剤、上皮再形成促進剤、上皮再形成共補助剤、サイトカイン増殖ファクター、鎮静剤、抗炎症剤、毛細管循環および/または微小循環作用剤、血管形成促進剤、血管透過抑制剤、細胞代謝作用剤、皮膚−表皮結合改善可能化剤、育毛剤、育毛抑制または遅延剤、筋弛緩剤、抗汚染および/または抗フリーラジカル剤、脂肪分解促進剤、痩身剤、抗セルライト剤、微小循環作用剤、細胞エネルギー代謝作用剤、洗浄剤、ヘアコンディショニング剤、ヘアスタイリング剤、育毛促進剤、日焼け止め剤、総合日焼け止め剤、メイクアップ剤、洗剤、薬製品、乳化剤、皮膚軟化剤、有機溶媒、防腐剤、消臭剤、生理学的に許容可能なキャリア、界面活性剤、研磨剤、吸収剤、美容成分、例えば、香料、色素、染料、着色剤、天然着色剤、エッセンシャルオイル、タッチ剤、美容収斂剤、抗にきび剤、抗凝固剤、消泡剤、抗酸化剤、バインダー、生物添加剤、酵素、酵素阻害剤、酵素誘導剤、コエンザイム、キレート剤、植物抽出物、植物誘導体、エッセンシャルオイル、海洋抽出物、バイオ発酵またはバイオテクノロジー法より得られる剤、ミネラル塩、細胞抽出物、日焼け止め(紫外線A波および/またはB波に対して活性な、天然またはミネラルの光保護剤)、セラミド類、ペプチド類、バッファ類、ボリュマイズ剤、キレート剤、化学添加剤、着色剤、美容殺生物剤、変性剤、医用収斂剤、外用鎮痛剤、造膜特性と組成物の持続性を増幅する例えばポリマーなどの造膜剤、第4級誘導体、持続性向上剤、乳白剤、pH調整剤および調節剤(例、トリエタノールアミン)、推進剤、還元剤、金属イオン封鎖剤、脱色および/または美白剤、スキンコンディショニング剤(例、混合型、閉塞型の保湿剤)、水分保持剤、アルファヒドロキシ酸類、ベータヒドロキシ酸類、湿潤剤、表皮加水分解酵素、治癒および/または鎮静剤、スキントリートメント剤、抗シワ剤、目の下のたるみ軽減または処置剤、角質除去剤、増粘剤、柔軟剤、ゲル化ポリマー、ビタミン類およびその誘導体、湿潤剤、ピーリング剤、鎮痛剤、肌の治療剤、リグナン類、保存剤(例、フェノキシエタノールおよびパラベン)、アンチUV、細胞毒性薬、抗腫瘍剤、粘度調整剤、非揮発性溶剤、パール化剤、制汗剤、脱毛剤、ワクチン、香水、皮膚再構築剤(例、ツクシメナモミ(Siegesbeckia Orientalis)抽出物)、賦形剤、チャージ、ミネラル類、抗マイコバクテリウム剤、抗アレルギー剤、H1またはH2抗ヒスタミン剤、抗刺激剤、免疫システム刺激剤、免疫システム阻害剤、防虫剤、潤滑剤、色素または染料、色素沈着減少剤、保存料、光安定剤、およびこれらの混合物が挙げられる。しかしながら、組成物の他の成分、特に本発明の活性成分と生理的および化学的に適合可能である限り特に制限はない。また、これらの追加の成分の性質は、本発明の活性物質の利益を享受できないように変えるべきものではない。これらの追加の成分は、合成品でも植物抽出物などの天然品であってもよく、バイオ発酵法により得られるものであってもよい。その他の例は、CTFA Cosmetic Ingredient Handbookに見られる。
【0085】
追加の活性成分/化合物は、糖アミン類、グルコサミン、D−グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、N−アセチル−D−グルコサミン、マンノサミン、N−アセチルマンノサミン、ガラクトサミン、N−アセチルガラクトサミン、ビタミンB3およびその誘導体、ナイアシンアミド、デヒドロ酢酸ナトリウム、デヒドロ酢酸およびその塩、フィトステロール類、サリチル酸化合物類、ヘキサミジン類、ジアルカノイルヒドロキシプロリン化合物類、大豆抽出物およびその誘導体、エクオル、イソフラボン類、フラボノイド類、フィタントリオール、ファルネソール、ゲラニオール、ビサボロール、ペプチド類およびその誘導体、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−およびヘキサペプチド類およびその誘導体、KTTKS(SEQ ID NO:4)、Pal−KTTKS(SEQ ID NO:2)、カルノシン、N−アシルアミノ酸化合物類、レチノイド類、レチニルプロピオネート、レチノール、レチニルパルミテート、レチニルアセテート、レチナール、レチノイン酸、水溶性ビタミン類、アスコルビン酸塩類、ビタミンC、アスコルビルグルコシド、アスコルビルパルミテート、アスコルビルリン酸マグネシウム、アスコルビルリン酸ナトリウム、ビタミンBならびにその塩および誘導体、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、プロビタミン類ならびにその塩および誘導体、ビタミンKおよびその誘導体、パントテン酸およびその誘導体、パントテニルエチルエーテル、パンテノールおよびその誘導体、デクスパンテノール、ビオチン、アミノ酸ならびにその塩および誘導体、水溶性アミノ酸、アスパラギン、アラニン、インドール、グルタミン酸、非水溶性ビタミン類、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンDおよびモノ−、ジ−、トリ−テルペノイド化合物、ベータイオノール、セドロール、およびこれらの誘導体、非水溶性アミノ酸、チロシン、トリプタミン、粒子材料、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、アラントイン、トコフェロールニコチン酸エステル、トコフェロール、トコフェロールエステル類、パルミトイル−Gly−His−Lys(Pal−GHK)、植物ステロール、ヒドロキシ酸、グリコール酸、乳酸、ラクトビオン酸、ケト酸、ピルビン酸、フィチン酸、リゾホスファチジン酸、スチルベン類、ケイ皮酸エステル類、レスベラトロール、キネチン、ゼアチン、ジメチルアミノエタノール、天然ペプチド類、大豆ペプチド類、糖酸類の塩、グルコン酸マンガン、グルコン酸亜鉛、ピロクトンオラミン、3,4,4’−トリクロロカルバニリド、トリクロカーバン、ピリチオン亜鉛、ハイドロキノン、コウジ酸、アスコルビン酸、アスコルビルリン酸マグネシウム、アスコルビルグルコシド、ピリドキシン、アロエベラ、テルペンアルコール類、アラントイン、ビサボロール、グリチルリチン酸二カリウム、グリセロール酸、ソルビトール酸、ペンタエリスリトール酸、ピロリドン酸、およびこれらの塩、ジヒドロキシアセトン、エリトルロース、グリセルアルデヒド、テトラアルデヒド、丁子油、メントール、樟脳、ユーカリ油、オイゲノール、メンチル乳酸、マンサク蒸留物、エイコセン−ビニルピロリドン共重合体、ヨードプロピルブチルカルバメート、ポリサッカライド、必須脂肪酸、サリチル酸塩、グリチルリチン酸、カルチノイド類、セラミド類、プソイドセラミド類、脂質錯体、シアバターなどの天然由来の一般的な油、アプリコット油、オナガー油、プルーン油、ヤシ油、モノイ油、ハイドロキノン、HEPES、プロシステイン、O−オクタノイル−6−D−マルトース、メチルグリシン二酢酸二ナトリウム、ステロイド、例えば、ジオスゲニン、DHEA、DHEAもしくはデヒドロエピアンドロステロンの誘導体、および/または前駆体または化学的もしくは生物学的誘導体、N−エチルオキシカルボニル−4−パラ−アミノフェノール、ブルーベリー抽出物、植物ホルモン、イーストサッカロマイセス・セレヴィシエ抽出物、藻類抽出物、大豆、ハウチワマメ、トウモロコシおよび/または豆類抽出物、アルベリンおよびその塩、特にアルベリンシトレート、ナギイカダ抽出物、トチノキ抽出物、オクタデセンジオイック酸、類似体、誘導体、およびこれらの混合物、メタロプロテイナーゼ阻害剤からなる群より選ぶことができる。
【0086】
さらに、当該組成物と組み合わせられる特に有益なスキンケアおよびヘアケア活性成分は、SEDERMA販売パンフレットおよびウェブサイトwww.sedarma.frに見ることができる。
【0087】
例えば、以下の市販活性剤をまた挙げることができる。ベタイン、グリセロール、Actimoist Bio 2(商標)(Active organics)、AquaCacteen(商標)(Mibelle AG Cosmetics)、Aquaphyline(商標)(Silab)、AquaregulK(商標)(Solabia)、Carciline(商標)(Greentech)、Codiavelane(商標)(Biotech Marine)、Dermaflux(商標)(Arch Chemicals, Inc)、Hydra'Flow(商標)(Sochibo)、Hydromoist L(商標)(Symrise)、RenovHyal(商標)(Soliance)、Seamoss(商標)(Biotech Marine)、Essenskin(商標)(Sederma)、Moist 24(商標)(Sederma)、Argireline(商標)(Lipotecのアセチルヘキサペプチド−3の商品名)、スピラントールまたはGatuline Expression(商標)の名で知られるアクメラ・オレラシア(Acmella oleracea)抽出物、Boswellin(商標)の名で知られるボスウェリア・セラータ(Boswellia serrata)抽出物、Deepaline PVB(商標)(Seppic)、Syn-AKE(商標)(Pentapharm)、Ameliox(商標)、Bioxilift(商標)(Silab)、Juvinity(商標)(Sederma)、Revidrate(商標)(Sederma)、Chronodyn(商標)(Sederma)、O.D.A.white(商標)(Sederma)、Idealift(商標)(Sederma)、Resistem(商標)(Sederma)、Widelash(商標)(Sederma)またはこれらの混合物。
【0088】
本発明の組成物と組み合わせることが可能な他の植物抽出物の中でも、より特に以下の抽出物を挙げることができる。ツタ、特にセイヨウキヅタ(Hedera Helix)、ブプレウルム・チネンシス(Bupleurum chinensis)、ブプレウルム・ファルカタム(Bupleurum Falcatum)、アルニカ(Arnica Montana L)、ローズマリー(Rosmarinus officinalis N)、マリーゴールド(Calendula officinalis)、セージ(Salvia officinalis L)、朝鮮人参(Panax ginseng)、イチョウ、セントジョーンズワート(Hyperycum Perforatum)、ナギイカダ(Ruscus aculeatus L)、セイヨウナツユキソウ(Filipendula ulmaria L)、ビッグフラワージャワティー(Orthosiphon Stamincus Benth)、藻類(Fucus Vesiculosus)、シラカバ(Betula alba)、緑茶、コーラナッツ(Cola Nipida)、セイヨウトチノキ、竹、ツボクサ(Centella asiatica)、ヒース、ヒバマタ、ヤナギ、ミミナグサ、エスシン、ソウジュツ、クリサンテルム・インジクム(chrysanthellum indicum)、アルメニアセア(Armeniacea)属の植物、アトラクチロディス・プラチコドン(Atractylodis Platicodon)、シノメニウム(Sinnomenum)、ファルビチジス(Pharbitidis)、フレミンギア(Flemingia)、コリウス(Coleus)、例えば、C.フォルスコリイ(C. Forskohlii)、C.ブルメイ(C. blumei)、C.エスキロリイ(C. esquirolii)、C.エスキロリイ(C. scutellaroides)、C.キサンタンタス(C. xanthantus)、およびC.バルバタス(C. Barbatus)、例えば、C.バルバタス(Coleus barbatus)の根の抽出物、バロタ(Ballote)の抽出物、グイオア(Guioa)、シノブ(Davallia)、テルミナリア(Terminalia)、バリングトニア(Barringtonia)、トレマ(Trema)、アンチロビア(antirobia)、セクロピア(cecropia)、アルガニア(argania)、ジオスコレア(dioscoreae)、例えば、ジオスコレア(Dioscorea opposita)またはメキシカン、アンミ(Ammi visnaga)抽出物、メナモミ(Siegesbeckia)、特に, ツクシメナモミ(Siegesbeckia orientalis)、ツツジ(Ericaceae)科の植物抽出物、特にコケモモ(Vaccinium angustifollium)またはクマコケモモ(Arctostaphylos uva ursi)抽出物, アロエベラ(aloe vera)、ステロールを含む植物(例、植物ステロール)、マンジスタ(アカネ(Rubia)属,、特にルビアコーディフォリア(Rubia Cordifolia)の植物抽出物)、および グッガル(コンミフォラ(Commiphora)属、特にグッグル(Commiphora Mukul)の植物抽出物)、コーラ抽出物、カモミール、ムラサキツメクサの抽出物、カヴァ抽出物(Kava Kava(商標)SEDERMA製)、オトメアゼナ(Bacopa monieri)抽出物(Bacocalmine(商標)SEDERMA製)およびムチヤギ抽出物、スペインカンゾウ(Glycyrrhiza glabra)、クワ、コバノブラシノキ(melaleuca)(ティーツリー)、ラレア・ディバリケータ(Larrea divaricata)、ラブドシア・ルベッセンス(Rabdosia rubescens)、ユーグレナ・グラシリス(Euglena gracilis)、フィブラウレア・レシサ・ヒルディネア(Fibraurea recisa Hirudinea)、シャラパルソルガム(Chaparral Sorghum)、ヒマワリ抽出物、エナンチアクロランタ(Enantia chlorantha)、ミトラカーパススケーパー(Mitracarpe of Spermacocea genus)、ブチュー・バロマス(Buchu barosma)、ヘンナL(Lawsonia inermis L)、ホウライシダL(Adiantium Capillus-Veneris L)、クサノオウ(Chelidonium majus)、ヘチマ(Luffa cylindrica)、ジャパニーズマンダリン(Citrus reticulata Blanco var. unshiu)、チャノキ(Camelia sinensis)、チガヤ(Imperata cylindrica)、ツノゲシ(Glaucium Flavum)、サイプレス(Cupressus Sempervirens)、ソロモンズシール(Polygonatum multiflorum)、ラブリー・ヘムスレイア(loveyly hemsleya)、セイヨウニワトコ(Sambucus Nigra)、アオイマメ(Phaseolus lunatus)、シマセンブリ(Centaurium)、オオウキモ(Macrocystis Pyrifera)、トゥルネラ・ディフサ(Turnera Diffusa)、ハナスゲ(Anemarrhena asphodeloides)、ヒメマツバボタン(Portulaca pilosa)、ホップ(Humulus lupulus)、コーヒーノキ(Coffea Arabica)、イェルバマテ(Ilex Paraguariensis)、ハナショウガ(Zingimber Zerumbet Smith)、グロブラリア・コルディフォリア(Globularia Cordifolia)、アオサ(Ulva Lactuca)。
【0089】
本発明の組成物は、ペプチドを含んでいてもよく、特に限定されないが、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−、およびヘキサペプチド類ならびにこれらの誘導体を含んでもよい。特定の実施形態によれば、組成物中の追加のペプチドの濃度は、1×10-7重量%から20重量%の範囲であり、1×10-6重量%から10重量%の範囲が好ましく、1×10-5重量%から5重量%の範囲が好ましい。
【0090】
本発明によれば、「ペプチド」との用語は、10以下のアミノ酸を含むペプチド類、それらの誘導体、異性体、および例えば金属イオン(例、銅、亜鉛、マンガン、マグネシウム等)などの他の種との錯体を表す。「ペプチド類」との用語は、天然ペプチド類および合成ペプチド類の両方を指す。「ペプチド類」は、自然界において見出されるおよび/または商業上入手可能なペプチド類を含む組成物をも指す。
【0091】
ここでの使用に適したジペプチドは、カルノシン(ベータ−AH)、YR、VW、NF、DF、KT、KC、CK、KP、KKまたはTTを含むが、これらに限定されない。ここでの使用に適したトリペプチドは、RKR、HGG、GHK、GKH、GGH、GHG、KFK、GKH、KPK、KMOK、KMO2KまたはKAvaKを含むが、これらに限定されない。ここでの使用に適したテトラペプチドは、RSRK(SEQ ID NO:5)、GQPR(SEQ ID NO:6)またはKTFK(SEQ ID NO:7)を含むが、これらに限定されない。適したペンタペプチドは、KTTKS(SEQ ID NO:4)を含むが、これに限定されない。適したヘキサペプチドはGKTTKS(SEQ ID NO:8)、VGVAPG(SEQ ID NO:9)を含むが、これらに限定されない。
【0092】
ここでの使用に適した他のペプチド類は、ペプチド類の親油性誘導体、好ましくはパルミトイル誘導体、および前記の金属錯体(例、トリペプチドHGGの銅錯体)を含むが、これらに限定されない。好ましいジペプチド誘導体は、N−パルミトイル−ベータ−Ala−His、N−アセチル−Tyr−Arg−ヘキサデシルエステル(Calmosensine(商標)、Idealift(商標)、Sederma製)を含む。好ましいトリペプチド誘導体は、N−パルミトイル−Gly−Lys−HisおよびN−Pal−Gly−His−Ly(Pal−GKH、Pal−GHK、Sederma製)、HGGの銅誘導体(Lamin(商標)Sigma製)、リポスポンディン(Lipospondin)(N−エライドイル−KFK)およびその保存的置換をした類似体、N−アセチル−RKR−NH2(ペプチド CK+)、N−Biot−GHK(Sederma製)、Pal−KMO2K(Sederma製)およびこれらの誘導体を含む。本発明の使用に適したテトラペプチド誘導体は、N−パルミトイル−GQPR(SEQ ID NO:3)(Sederma製)を含むが、これらに限定されない。ここでの使用に適したペンタペプチド誘導体は、N−パルミトイル−KTTKS(SEQ ID NO:2)(Matrixyl(商標)としてSedermaより入手可能)、N−パルミトイル−Tyr−Gly−Gly−Phe−X(SEQ ID NO:10)(XはMetまたはLeuまたはこれらの混合物である)を含むがこれらに限定されない。ここでの使用に適したヘキサペプチド誘導体は、N−パルミトイル−VGVAPG(SEQ ID NO:1)およびその誘導体を含むが、これらに限定されない。Pal−GHKおよびPal−GQPR(SEQ ID NO:3)(Matrixyl(商標)3000、Sederma)の混合物も使用可能である。
【0093】
トリペプチドまたは誘導体を含有する商業的に入手可能な好ましい組成物は、SedermaのBiopeptide-CL(商標)、Maxilip(商標)、Biobustyl(商標)、Procapil(商標)およびMatrixyl(商標)synthe’6(商標)を含む。テトラペプチド源の好ましい商業的に入手可能な組成物は、50〜500ppmのパルミトイル−GQPR(SEQ ID NO:3)および担体を含みSedermaによって提供されるRigin(商標)、Eyeliss(商標)、Matrixyl(商標)ReloadedおよびMatrixyl 3000(商標)を含む。
【0094】
追加活性成分と同様に、次の市販されているペプチド類が挙げられる。Vialox(商標)、Syn-ake(商標)またはSyn-Coll(商標)(Pentapharm)、Hydroxyprolisilane CN(商標)(Exsymol)、Argireline(商標)、Leuphasyl(商標)、Aldenine(商標)、Trylgen(商標)、Eyeseryl(商標)、Serilesine(商標)またはDecorinyl(商標)(Lipotec)、Collaxyl(商標)またはQuintescine(商標)(Vincience)、BONT-L-Peptide(商標)(lnfinitec Activos)、Cytokinol(商標)LS(Laboratoires Serobiologiques/Cognis)、Kollaren(商標)、IP2000(商標)またはMeliprene(商標)(lnstitut Europeen de Biologie Cellulaire)、Neutrazen(商標)(Innovations)、ECM-Protect(商標)(Atrium Innovations)、Timp-Peptide(商標)またはECM Moduline(商標)(lnfinitec Activos)。
【実施例】
【0095】
A)本発明に使用可能なネムノキ抽出物を得る例
例1の手順:ネムノキの種子の還流下における熱抽出を、アルコールまたはアルコール混合物、好ましくはエタノールを用いて行う。アルコールを除去した後、残渣を、グリセリン/水混合物より取得する。
【0096】
あるいは、抽出を、アルコール(類)/水混合物により行うことができる。
【0097】
例2の手順:ネムノキの花の還流下における水系熱抽出を行う。得られた抽出物をグリセロールと混合し、含水グリコール混合物を生成させる。
【0098】
得られたネムノキの含水グリコール抽出物を、HPLCクロマトグラフィーで特定したアルビジンで滴定する。抽出物は、直接ガレヌス製剤として使用することができ、または、さらに賦形剤で希釈して以下に説明する将来的なガレヌス製剤の「活性成分」を形成してもよい。
【0099】
B)「活性成分」の製剤化
活性成分は、生理学的に許容可能な媒体を形成するマトリックス中に溶解した、上記A)に従って得られる含水グリコールネムノキ抽出物を含む組成物である。当該活性成分は、クリーム、ジェルなどの化粧料製剤(以下のガレヌスの例を参照)を作製する化粧品産業を特に意図している。
【0100】
2%のアルビジンで滴定した上記A)で得られる有効量すなわち1%〜15%のネムノキ抽出物は、ジェル、水性バッファ、グリセリン、または生理的に許容可能な短鎖を有する任意のポリオールなどのあらゆる親水性マトリックスに、混合されてもよい。
【0101】
例えば、in vivo試験とガレヌスの記載では、グリセリン中7.5%濃度の含水グリコール抽出物が好ましく用いられた。当該抽出物は、肌に塗布可能な美容組成物中好ましくは1〜5%濃度で製剤化される活性成分である。
【0102】
本発明によれば、活性成分はまた、ダルトサイドと組み合わされたネムノキ抽出物を含む組成物であってもよい。
【0103】
2%のアルビジンで滴定した上記A)で得られる有効量、すなわち1%〜15%のネムノキ抽出物は、ジェル、水性バッファ、グリセリン、または生理的に許容可能な短鎖を有する任意のポリオールなどのあらゆる親水性マトリックス中において、有効量、すなわち0.01%〜1%のダルトサイドと混合されてもよい。
【0104】
in vivo試験に用いられた一例として、以下に示すガレヌル製剤の例として、ブチレングリコールマトリックス中に、2%で滴定された7.5%の含水グリコールネムノキ抽出物および0.05%のダルトサイド(ツクシメナモミから抽出;粉末状)を含む活性成分を調製した。当該活性成分は、肌に塗布可能な化粧料組成物において、好ましくは、1〜5%の濃度で製剤化される。
【0105】
C)in vitro試験:ネムノキ抽出物の抗糖化活性
in vitro試験での本発明のネムノキ抽出物の抗糖化活性を以下に示す。
【0106】
細胞培養について行われた試験について、2%のアルビジンを含む上記実施例A)により得られた含水グリコール抽出物を、細胞培地のタイプの水系賦形剤で0.006%に希釈して用いた。
【0107】
1.皮膚線維の質の向上
a.線維芽細胞中のカルボキシメチル−リシン(CML)の測定
原理と手順:CML、特定種のAGEsを、線維芽細胞により合成された特に皮膚タンパク質に一定時間蓄積させる。in vitroで培地の線維芽細胞において、糖化ストレスにより、この現象を促進することができる。
【0108】
500μMのメチルグリオキサール(MGO)を、融合性ヒト皮膚線維芽細胞(HDF)に塗布し、AGE生成を引き起こした。37℃、4日間のこの糖化接触の後、MGOをリンスして培地から除去し、ネムノキ抽出物を5日間塗布した。次いで、線維芽細胞から放出されたCMLのElisa測定のために、上澄みを除去した。細胞は、細胞層から平行に数えた。2つの独立した試験を行った。
【0109】
結果:ネムノキ抽出物は、細胞数の変化を起こさなかった。MGOでの処置により生存が44%減少し、CMLが124%増加した(コントロールと比較してp<0.01)。
【0110】
並行して、ネムノキ抽出物は、CMLを43%減少させた(MGO有りのコントロールと比較してp<0.05)。この試験は、糖化剤の作用の後にCMLを減少させるため、本発明による抽出物の脱糖化特性を目立たせる。
【0111】
【表1】
【0112】
b.外植片でのAGEsの減少
原理と手順:34歳の女性のヒト腹部皮膚外植片を生存培地中に溶解した糖化剤MGOと接触下に置いた。糖化フェーズの後、皮膚(n=5/試験)にネムノキ抽出物を含むクリームまたはプラセボクリーム(ガレヌスの段落の例1によるクリーム)を塗布した。局所塗布は、1日1回、4.5日間行った。蛍光抗AGE抗体でラべリングする前に、ミクロトームで切断して切片を得た。1試験あたり10枚の写真を撮影し、適宜ソフトウェア解析を行った。
【0113】
結果:結果は、AGEラべリングが、特に真皮、すなわち安定なマトリックスタンパク質(特にコラーゲン)に富んだ領域に位置していたことを示している。そこで、この領域において定量化を行った。
【0114】
【表2】
【0115】
外植片のMGOによる処置とそれに続くプラセボクリームの塗布によれば、ネムノキ抽出物を含むクレームが塗布された外植片と比較して23%大きなAGEラべリングとなった(p<0.01)。これは、脱糖化現象、つまり(コントロールを参照すれば)ネムノキ抽出物の存在が外植片から生成したAGEsの一部を除去するのに助力したことを示している。
【0116】
c.ビメンチンダメージの減少
原理と手順:コラーゲンなどの長半減期のタンパク質と同様に、短半減期のタンパク質をグリコトキシンで改変した。ビメンチンは、真皮の細胞の収縮および結合を組織する役割をすることを上記したが、当該テストで検討した。当該タンパク質はまた、CMLを形成するMGOに特に影響を受けやすいことが知られている。したがってその保護が重要である。
【0117】
上記(1b)と同じ外植片サンプルを用いて、蛍光抗ビメンチン抗体を用いてビメンチンをラべリングし、同じ方法で定量化した。
【0118】
結果:写真は、真皮の上部にビメンチンラべリングがあることを示した。そこで、当該領域について定量化を行った。
【0119】
【表3】
【0120】
糖化ストレスに対するネムノキ抽出物の有益な効果が明確に表れており、抽出物は、(コントロールを参照すれば)初期段階で糖化されたビメンチンの重要な部分を「脱糖化」したと考えられる。
【0121】
a.収縮能の改善
原理と手順:グリコトキシン類は、皮膚コラーゲンとエラスチンタンパク質の機械特性を変化させ、真皮の組織の解体と硬直を引き起こす。
【0122】
コラーゲンIおよびIIIならびにヒト皮膚線維芽細胞を含むゲルを作製した(n=4/試験)。重合後、ゲルをMGO±ネムノキ抽出物で5日間処置した。CCDカメラで収縮をモニターした。T0およびT5日におけるゲル表面の差異は、ゲル収縮の良い指標となる。
【0123】
結果:プラセボゲルのMGO処置は、収縮を78%減少させ、これは、生成したAGEsによるゲルの断裂と皮膚線維芽細胞の生存の減少に寄与し得る。ストレス試験を比較すると、ネムノキ抽出物は、コントロールと比べ68%収縮を改善している。
【0124】
【表4】
【0125】
2.呼吸能の改善
a.ATP不足状況での収縮能の改善
原理と手順:コラーゲンIおよびIIIならびにヒト皮膚線維芽細胞を含むゲルを作製した(n=4/試験)。重合後、ゲルに2DG(2−デオキシグルコース)、すなわち非活動的な(非糖化)グルコース類似体であってATP生成の可逆的阻害剤を与えた。これらの培地に、5日間、ネムノキ抽出物を与えた、または与えなかった。CCDカメラで収縮をモニターした。T0およびT5日におけるゲル表面の差異は、ゲル収縮の良い指標となる。
【0126】
結果:コントロールのゲルは予想通り収縮した。コントロール試験では、2DG処置は、ATP供給の減少によって、生存を変化させることなく75%収縮が減少している。ATPが欠乏しているにもかかわらず(2DG有り)、ネムノキ抽出物では、98%収縮が改善している(p<0.05;コントロールと比較)。よって抽出物は、ATP不足にもかかわらず細胞の収縮特性をより良く維持させる。
【0127】
【表5】
【0128】
b.「疲労」ストレス下における呼吸能の改善
原理と手順:以下の培養原理は、細胞の疲労と休息のフェーズを刺激することを意図するものである。HDFを16日間連続で、ネムノキ抽出物有りまたは無しで培養した。4日目および13日目に、細胞に、500μMのMGOで3日間疲労ストレスを与えた。すべての試験において、終点でATPを測定した(n=5/試験;2つの独立した試験)。
【0129】
結果:糖化処置なしにおいて、コントロール試験とネムノキ抽出物有りの試験では有意差はない。
【0130】
コントロール試験では、MGO処置(糖化ストレス)は非糖化試験と比べATP量が大きく減少している(−74%)。ネムノキ抽出物存在下の糖化処置の場合では、糖化コントロール試験と比べ、ATP合成は182%である。よって、ネムノキ抽出物は、糖化ストレスにもかかわらず、コントロールに比べ、細胞に高いレベルのATP合成を維持させることができる。
【0131】
【表6】
【0132】
c.AMPKエネルギーセンサーの維持
グリコトキシン類は、ミトコンドリアの機能的能力を、特にその呼吸酵素を変化させることにより減少させる。グリコトキシン類はまた、AMPおよびATPレベルの変動を検出する、AMP依存性キナーゼ(pAMPK)などの細胞内のセンサーをいくつか攻撃し、それにより必要に応じ細胞の呼吸の強度を制御する。速くて応答性のエネルギー生産は、この酵素が糖化されておらず、特性を完全なまま維持していることを必要とする。
【0133】
原理と手順:34歳の女性のヒト腹部皮膚外植片を生存培地中に溶解した糖化剤MGOと接触下に置いた。糖化フェーズの後、皮膚(n=5/試験)にネムノキ抽出物またはプラセボクリームを塗布した。局所塗布は、1日1回、4.5日間行われた。蛍光抗pAMPK抗体でラべリングする前に、皮膚片をミクロトームで切断した。1試験あたり10枚の写真を撮影し、適宜ソフトウェア解析を行った。
【0134】
結果:結果は、pAMPKラべリングが、特に表皮に位置していることを示し、この領域において定量化を行った。ネムノキ抽出物を含有するクリームの局所塗布は、コントロール試験と比べ、細胞にエネルギーセンサーAMPKをよりよく維持させていた。よって、抽出物は、初期段階に糖化された酵素の部分を「脱糖化」したと考えられる。
【0135】
【表7】
【0136】
3.グリコトキシン解毒システム
a.グリオキサラーゼ−1の維持
原理と手順:上記にみられるように、MGOおよびGOは、グリオキサラーゼ−1により生成されるとすぐに中和され得るものであり、グリオキサラーゼ−1は、グリコトキシンの生成を防止し、プロ糖化剤の合成の増幅を防止する。
【0137】
500μMのメチルグリオキサール(MGO)を、細胞外マトリックスでのグリコトキシン生成を引き起こすべく、融合性ヒト皮膚線維芽細胞に塗布した。37℃での糖化接触期間の後、MGOをリンスして培地から除去し、ネムノキ抽出物を5日間塗布した。次いで、細胞層を抽出し、残余のグリオキサラーゼ−1をウエスタンブロットにより定量化した。等量のタンパク質を用いて、比較を行った(BCAによるタンパク質アッセイ)。
【0138】
結果:糖化処置がないと、コントロール試験とネムノキ抽出物有りの試験では有意差はない。コントロール試験では、糖化処置が、56%のグリオキサラーゼ−1合成をもたらす(非糖化コントロールと比較してp<0.01)。ネムノキ抽出物有りの糖化処置についてさらに、糖化コントロール試験と比較してグリオキサラーゼが41%多い。本発明の抽出物は、培養の初期段階において糖化された酵素の重要な部分を脱糖化したと考えられる。
【0139】
b.プロテアソームの活性の維持
原理と手順:プロテアソームは、ダメージを受けたタンパク質、特に糖化ストレスによりダメージを受けたタンパク質の標準細胞量の浄化に寄与する細胞内タンパク質構造であり、よって有毒になり得る。プロテアソームは、ATP合成が低い場合には糖化により直接または間接的にグリコトキシンの影響を受けやすい。これはATP依存性のためである。
【0140】
血清アルブミン(BSA)をタンパク質モデルとして用いた。BSAを1週間MGOと接触させて糖化した。次いで、このグリコトキシン(糖化BSA)を6日間、ネムノキ抽出物有りまたは無しで培養した。
【0141】
2つの溶液のそれぞれを、糖化タンパク質によりプロテアソームの変性を誘導すべく、ヒト皮膚線維芽細胞と集密的に3日間接触させた。この接触に続きリンスした後、細胞を破壊し、プロテアソーム活性の決定を行った。
【0142】
結果:糖化処置がないと、ネムノキ抽出物は、プロテアソーム活性に影響を及ぼさない。これらの結果は、モデルグリコトキシン(BSA−AGE)が、細胞との接触によって細胞の浄化システムの活性を減少させ、プロテアソームを16%減少させることを示す(2つの独立した実験)。当該試験は、細胞外グリコトキシンが異なる代謝経路によって細胞の作用を調節できることを示している。ネムノキ抽出物と6日間接触させた同じBSA−AGE錯体は、毒性を失い、ヒト皮膚線維芽細胞においてプロテアソーム活性を減少させることができなくなる。グリコトキシンモデル(BSA−AGE)が、ネムノキ抽出物との6日間の接触により、解毒(脱糖化)されたと推測できる。
【0143】
【表8】
【0144】
c.AGE色素の生成の減少
原理と手順:MGOは、リポフスチンと呼ばれる他のグループの毒素の産生に間接的に関与する。当該色素は、皮膚断面において見られ、黄色である。種々のダメージのある細胞成分の集合体から形成されるというように不完全に特徴付けられる。プロテアソームの機能の低下は、MGOを蓄積させる。プロテアソームの糖化(故に変性)は、この有毒な色素の蓄積を促進する。
【0145】
上記2aと同じ疲労細胞ストレスを用い、2つの休息期間(±ネムノキ抽出物)と2つのストレス期間(500μMのMGOのミクロン±ネムノキ抽出物)を交互に繰り返した。2回目の糖化ストレス終了後、リポフスチンマーカー、ジチロシンの投与を細胞に行い、細胞数を減少させた。
【0146】
結果:結果は、MGOがジチロシン蓄積(+129%、p<0.01)を急増させることを示す。並行して、ネムノキ抽出物は、その生成を有意に制限した。
【0147】
ネムノキ抽出物は、ジチロシン生成を基本的に減少させる能力を有しており(本試験では検出できなかった)、ネムノキ抽出物の存在下MGO有りで観測されたジチロシンの量は、ネガティブコントロール(MGO無)よりも少ない。
【0148】
【表9】
【0149】
d.AGEsの血管新生効果の減少
原理と手順:AGEsは、血管の直の周辺環境中や血管中に生成され、目の周囲の下の暗い色の原因となる老廃物や流体の蓄積をもたらし得る。Het−CAMは、ごく初期の発達過程であって神経系がまだ十分に発達していない卵を使用する。元来の方法は、AGEが関係する血管新生の変化を評価するために、本発明者らによって開発された。
【0150】
BSAをMGOで糖化した。このフェーズの終わりに、グリコトキシン(糖化BSA)を1日間、ネムノキ抽出物と接触下にまたは非接触下においた。
【0151】
次いで2種の糖化溶液を卵の膜に塗布した。視認できなかった血管が、AGEsにより引き起こされた血管拡張の結果として、明確に視認できるようになった。血管への負の効果の減少を評価することにより、結果を採点した。
【0152】
結果
【0153】
【表10】
【0154】
BSA−AGEを卵の血管網に塗布した後、有害な効果が急速に発現し、血液漏れや血管網の発達に重大なダメージが見られる。
【0155】
ネムノキ抽出物で解毒(脱糖化)されたBSAの塗布では、投与量に大きく依存するダメージの減少がみられた:0.075%の抽出物で−55%(p<0.01)、0.225%の抽出物で−70%(p<0.01)。よって、ネムノキ抽出物は、グリコトキシンの有害なダメージから血管網を保護するために助力し、コントロールと比べ血液漏れを減らし、可能な血管新生を減らし、よって、暗い目の周りのくまの色を減少させる。
【0156】
e.線維芽細胞メラトニン合成の維持
原理と手順:上記のように、メラトニンは、しばしば細胞保護の利点が強調される。メチルグリオキサール(MGO)の存在下または非存在下でのヒト皮膚線維芽細胞(HDF)メラトニン合成の変化をモニターした。これにより、接触2時間後のストレスによるメラトニンの投与量依存性の減少を−20%まで実証した。
【0157】
第2の試験においては、HDFを本発明の抽出物と24時間接触させ、リンスした後、前記のようにMGOと接触させた。24時間後メラトニン合成をモニターした。
【0158】
結果
【0159】
【表11】
【0160】
MGOは、コントロールに比べてメラトニンを32%減産した(p<0.05)。本発明の抽出物は、維持に使用され、安定した状態のメラトニン濃度を保ち、メラトニンの喪失を防止した。
【0161】
D)in vitro試験:ネムノキ抽出物とダルトサイドの組み合わせの活性
1.3つの老化遺伝子の発現の増加
老化遺伝子との用語は、老化プロセス中に活性に変化を与えるあらゆる遺伝子、またはその機能により恒常性を維持する役割を果たす遺伝子を指す。
【0162】
a)FOXOs(フォークヘッド型転写因子クラスO)
フォークヘッド型転写因子クラスOは、酸化的ダメージの制御に関与する。脱アセチル化された場合、FOXOsタンパク質は、より活性化される。細胞ストレスはそのアセチル化をもたらし、活性の低下が起こる。サーチュイン(SIRT1)は、FOXOs経路の主要な活性化因子の1つである。
【0163】
ヒト皮膚線維芽細胞におけるFOXO3遺伝子の死滅は、老化表現型(ROS(反応性酸素種)のより多い産生およびより重要な個体数倍化時間)と類似している。
【0164】
b)セストリン(Sesns)
セストリンはストレス応答性のタンパク質である。セストリンは、酸化的ダメージを抑制し、直接抗酸化剤のように作用し、あるいは、自食作用インダクタのように、欠損したミトコンドリア、ROSプロデューサーを除去する。そのため、老化過程における生理学上のブレーキになると考えられている。
【0165】
SIPS(ストレス誘発早発老化)プロトコルを本発明の組み合わせの効果を試験するために用いた。
【0166】
ヒト皮膚線維芽細胞を3日間培養する。次いでさらに3日間、異なる濃度で試験された本発明の製品(試験製品)を与える、または与えない。細胞に、2時間酸化的ストレス(H2O2)を与える。細胞の単層を再び6時間試験製品と接触させる、またはさせない。次いで、RNAを抽出し、リアルタイムRT−RCRで3つの老化遺伝子の発現を定量化する。
【0167】
本発明の組み合わせで処置した細胞を、処置しなかった細胞と比較する。
【0168】
【表12】
【0169】
上記の結果は、処置しなかった細胞と比べ、本発明の組み合わせによって、3つの老化遺伝子の有意な誘発を示している。
【0170】
2.エラスチンの非酵素糖化
タンパク質と、フルクトースまたはグルコースのような還元糖との間で起こる非酵素的糖化は、自動的に起き、熱によって促進できる遅い反応である。本試験では、タンパク質は溶解性ウシエラスチンであり、還元糖はフルクトースである。これらを試験製品と共にまたは試験製品なしで50℃で9日間培養する。糖化により得られる最終製品を蛍光により定量化できる(λex=360nmおよびλem=460nm)
【0171】
【表13】
【0172】
上記の結果は、コントロールと比較してネムノキ抽出物があるとエラスチンの非酵素的糖化が減少することを示している(−23%;p<0.05)。一方、ダルトサイド単体では効果がなく、ネムノキ抽出物とダルトサイドの組み合わせは、相乗効果を示している(−31%;p<0.01)。
【0173】
3.メタロプロテイナーゼMMP1およびMMP2の阻害活性
ヒト皮膚線維芽細胞を集密するまで培養する。次いで細胞を24時間、試験製品と接触させる、またはさせない。次いで細胞に、試験製品有りまたは無しで煙草の煙抽出物でストレスを与える。試験製品有りまたは無しでの最終培養後、培地に存在するメタロプロテイナーゼMMP1およびMMP2を、ELISAにより測定し、細胞数に変換する(Houscht試薬により評価する)。
【0174】
【表14】
【0175】
これらの結果は、ストレス後のMMP増加を示している。処置された細胞では、本発明の組み合わせが、コントロールに比べて、ストレスに誘発されたMMPを減少させている。
【0176】
4.ヒト皮膚線維芽細胞のコラーゲンIの増加
ヒト皮膚線維芽細胞を24時間培養する。次いで細胞を6日間、試験製品と接触させる、または接触させない。細胞によって産生されたコラーゲンIを最終的に固定細胞層の免疫標識により定量化する。
【0177】
【表15】
【0178】
本発明の組み合わせは、コントロール細胞に比べて処置した細胞においてコラーゲンIの合成を促進している。
【0179】
E)ガレヌス製剤の実施例
本発明の活性成分:段落Bに従い作製されたネムノキ抽出物を含む組成物。
追加の化粧料活性成分を含むまたは含まない種々の製剤について以下に記載する。追加の化粧料活性成分は、各ケースにおいて、本発明の活性成分の活性をサポートおよび/または補助するものである。これらの成分は、その機能、塗布位置(身体、顔、首、胸、手など)、所望の最終効果、対象とする消費者に応じて、いかなる種類のものであってよい。
【0180】
【表16】
【0181】
手順:フェーズAを秤量し、撹拌することなく30分間合わせる。フェーズAをウォーターバスで75℃で加熱する。フェーズBを秤量し混合する。フェーズCを秤量し、ウォーターバスで75℃に加熱し、完全に混合する。フェーズBをフェーズAに添加する。十分に混合する。攪拌下、フェーズCをフェーズA+Bに注ぐ。完全に混合する。フェーズDを即座に添加する。フェーズEを添加し、完全に混合する。フェーズFを添加し、完全に混合する。
【0182】
【表17】
【0183】
手順:フェーズAを秤量し、ウォーターバスで85℃で加熱する。フェーズBを秤量し、ウォーターバスで85℃で加熱する。フェーズCを秤量する。エマルジョン形成の前に、フェーズCをフェーズAに添加し、完全に混合する。フェーズA+CをフェーズBに勢いよく攪拌しながらゆっくりと添加する。攪拌下完全に混合し冷却する。エマルジョンに約35℃でフェーズDを添加し、完全に混合する。
【0184】
この製剤に添加可能な追加成分の例:
Covi-Ox T90(商標):Cognisより販売されている抗酸化活性剤(トコフェロール)。例えば、フェーズBに0.1%添加することができる。
Crodarom Goji(商標):Crodaromより販売されている、抗酸化解毒保湿活性剤。例えば2.50%まで、フェーズCと同時にフェーズAに添加してもよい。
【0185】
【表18】
【0186】
手順:フェーズAを秤量し、プロペラ撹拌する。フェーズBを秤量し混合する。撹拌下フェーズBをフェーズAに添加し、30分間完全に均一化する。ウォーターバスで75℃でフェーズA+Bを加熱する。フェーズCを秤量し、ウォーターバスで75℃に加熱する。Staro撹拌下で、フェーズA+BにフェーズCを注ぎ、完全に混合する。フェーズDを秤量し均一にする。前のフェーズにフェーズDを約40℃で添加し、完全に混合する。35℃未満でフェーズEでpHを5.00〜5.50に調整し、完全に混合する。フェーズFを添加し、十分に混合する。フェーズGを添加し、十分に混合する。pHが5.50〜5.00にあることを確認する。
【0187】
この製剤に添加可能な追加成分の例:
Kelisoft(商標):Sedermaより販売されている抗発毛活性剤。3.00%まで製剤化の終わりフェーズGの前に添加することができる。
Calmosensine(商標):Sedermaより販売されている敏感肌の鎮静剤。3.00%まで製剤化の終わりフェーズGの前に添加することができる。
NG Seve de Bouleau(商標):Sedermaより販売されている調色保湿剤。3.00%まで製剤化の終わりフェーズGの前に添加することができる。
【0188】
【表19】
【0189】
手順:フェーズAを秤量し均一にする。フェーズBを秤量し、均一に混合する。フェーズBをプロペラ撹拌下フェーズAに添加する。合わせたままにする。フェーズCを秤量し、均一にする。フェーズCをフェーズA+Bに、強力に螺旋状に撹拌しながら添加する。通常のプロペラ撹拌下1時間放置し均一にする。フェーズDでpH5.50に調整する。プロペラ撹拌下均一にする。前のフェーズにフェーズEを加え、完全に混合する。フェーズFを加え、完全に混合する。
【0190】
この製剤に添加可能な追加成分の例:
EYELISS(商標):Sedermaより販売されている(特に目の周りのくまと目の下のたるみのための)目の輪郭活性剤。3.00%をフェーズEに添加してもよい。
【0191】
【表20】
【0192】
手順:フェーズAを秤量し、プロペラ撹拌する。フェーズBを秤量し、混合する。フェーズBをフェーズAにプロペラ撹拌しながらゆっくりと添加し、完全に混合する。撹拌することなく2時間ウォーターバスで80℃でフェーズA+Bを加熱する。即座に撹拌し、次いで撹拌下冷却する。フェーズCを前のフェーズに約40℃で添加する。35℃未満でフェーズDでpHを5.50に調整し、完全に混合する。ゆっくりと撹拌しながらフェーズEを加える。フェーズFを加え、完全に混合する。フェーズGを加え、完全に混合する。pHが5.0〜5.5であることを確認する。
【0193】
この製剤に添加可能な追加成分の例:
KOMBUCHKA(商標):Sedermaより販売されている肌の色の輝きに作用する活性剤。3.00%を製剤の終わりフェーズFの前に添加してもよい。
Novaplant Ginger Special(商標):Crodaromより販売されている血液循環向上活性剤。Crodateric CAB 30(Cocamidopopyl Betaine)で希釈した2.00%を、フェーズDの後に添加してもよい。
【0194】
【表21】
【0195】
手順:撹拌下フェーズAを分散する。Ultez10を水に振りかけ、30分間合わせる。フェーズCを完全に溶解するまで加熱する。フェーズAとフェーズBを混合する。フェーズCをフェーズ(B+A)に添加する。撹拌下フェーズDをフェーズ(A+B+C)に添加する。フェーズEを添加する。フェーズFで中和する。フェーズGを添加し混合する。
【0196】
この製剤に添加可能な追加成分の例:
RIGIN(商標):Sedermaより販売されている、肌の弾力と硬さを改善し、肌の水和と平滑性を増加させる活性剤。例えば、フェーズGに3重量%添加することができる。
MATRIXYL 3000(商標):Sedermaより販売されている、老化による肌のダメージを修復するのを助けるペプチド型抗シワ成分。フェーズGに3重量%添加することができる。
MATRIXYL synthe’6(商標):Sedermaより販売されている、老化による肌のダメージを修復するのを助けるペプチド型抗シワ成分。フェーズGに2重量%添加することができる。
【0197】
【表22】
【0198】
手順:フェーズAを秤量し、30分間合わせる。次いでフェーズAをウォーターバスで75℃で加熱する。フェーズBを溶解するまで加熱する。フェーズBをフェーズAに添加する。フェーズCをウォーターバスで75℃で加熱する。撹拌下フェーズCをフェーズ(A+B)に添加する。フェーズを完全に添加する。フェーズEで中和して55℃にする。フェーズF、次いでフェーズGを添加し、完全に均一にする。
【0199】
この製剤に添加可能な追加成分の例:
DERMAXYL(商標):Sedermaより販売されている、シワを平滑化しスキンバリアを修復するアンチエイジング活性剤。例えば、2重量%をフェーズ(A+B+C)に添加することができる。
レチノール、レスべラトロール、ナイアシンアミド:アンチエイジング活性剤、特に抗シワ剤。例えば、0.1%のレチノール、または0.5%のレスべラトロールをフェーズ(A+B+C)に添加してもよい。例えば、10%の水中のナイアシンアミドをフェーズFに添加することができる。
CHRONODYN(商標):Sedermaより販売されている、肌を調色し、肌を硬くし、疲労のサインを消す活性剤。例えば、3%をフェーズFに添加することができる。
VENUCEANE(商標):Sedermaより販売されている、光エイジング(シミ、シワ、乾燥など)の目に見えるサインを防止し、UVによるダメージから細胞構造を保護し、肌の一体性を強化する活性剤。例えば、3%をフェーズFに添加することができる。
【0200】
【表23】
【0201】
手順:フェーズAを秤量し、30分間合わせる。フェーズAをウォーターバスで75℃で加熱する。フェーズBを溶解するまで加熱する。フェーズBをフェーズAに添加する。フェーズCをウォーターバスで75℃で加熱する。撹拌下フェーズCをフェーズ(A+B)に添加する。フェーズをDを添加し完全に混合する。フェーズEで約55℃で中和し、十分に混合する。フェーズFおよびフェーズGを添加し、完全に混合する。
【0202】
この製剤に添加可能な追加成分の例:
JUVINITY(商標):Sedermaより販売されている、顔および「肩、胸元(decollete)」のエイジングサインを減少させ、シワを平滑化し、皮膚を再構築し高密度化する活性剤。例えば、2%をフェーズ(A+B+C)に添加することができる。
トコフェロール(ビタミンE)またはアルファリポ酸(ALA):抗酸化および抗ラジカル特性を有する活性剤。例えば、0.5重量%をフェーズ(A+B+C)に添加することができる。
O.D.A. white(商標):Sedermaより販売されている、メラニン合成を減少させることにより肌を明るくする活性剤。1%をフェーズ(A+B+C)に添加することができる。
Bio-Bustyl(商標):Sedermaより販売されている、バストに硬さと色調を与える広範囲の作用を有するペプチド類と細菌ろ過物を含む活性剤、3%をフェーズFに添加することができる。
【0203】
【表24】
【0204】
手順:フェーズA:カルボマーを水にふりかけ15分間放置する。フェーズBを混合する。フェーズBをフェーズAに注ぎ、均一にする。フェーズCを秤量し、混合し、撹拌下フェーズA+Bに添加する。1時間合わせる。即座に撹拌下、前のフェーズにフェーズDを添加する。フェーズEで中和する。撹拌を始める。次いでフェーズFを加える。少なくとも1時間撹拌下で混合し、次いでフェーズGを添加する。十分に混合する。
【0205】
この製剤に添加可能な追加成分の例:
LUMISPHERE(商標):Sedermaより販売されている、ポリメチルメタクリレートのマイクロカプセルでカプセル化されたジアセチルボルジン(DAB)および修飾二酸化チタンマンガン(TiO2Mn)の組み合わせの活性剤。TiO2Mnは、肌に統一感があり明るい艶を与える効果を有し、DABは、生理上の美白効果を有する。例えば、4%をフェーズFに添加することができる。
REVIDRATE(商標):Sedermaより販売されている、表皮の凝集と水和を特に改善する活性剤。例えば、2%をフェーズCに添加することができる。
EVERMAT(商標):Sedermaより販売されている、皮脂の分泌を減少させ、これにより油性肌の治療に加わる活性剤。例えば、4%をフェーズFに添加することができる。
HALOXYL(商標):Sedermaより販売されている、目のくまを再吸収することにより目の輪郭を改善する活性剤。例えば、3%をフェーズFに添加することができる。
【0206】
【表25】
【0207】
手順:フェーズAを秤量する。フェーズBを秤量し混合する。フェーズBを撹拌下30分間フェーズAに添加する。フェーズCを秤量し、均一な混合物が得られるまで混合する。撹拌下フェーズCをフェーズA+Bに添加する。フェーズDを前のフェーズに添加する。撹拌下フェーズEを添加し、十分に均一にする。フェーズFを秤量し、混合し、前のフェーズに添加し、完全に均一にする。
【0208】
この製剤に添加可能な追加成分の例:
EYELISS(商標):上記に同じ。例えば、3.00%をフェーズEに添加することができる。
Ac-Net(商標):Sedermaより販売されている、油質でにきびがちの肌の完全な治療を施す活性剤。例えば、3%をフェーズEに添加することができる。
EVERMAT(商標):上記に同じ。例えば、4%をフェーズEに添加することができる。
HYDRERGY(商標):Sedermaより販売されている、長期保湿剤であってATP合成を促進する活性剤。例えば、3%をフェーズEに添加することができる。
【0209】
【表26】
【0210】
【表27】
【0211】
手順:フェーズAを85℃に加熱する。フェーズBを混合し、85℃に加熱する。混合する。フェーズAを撹拌下ゆっくりとフェーズBに添加する(Staro、s=3000次いでs=1200)。80℃に予熱されたフェーズCを添加し、均一にする。フェーズDを約35℃で添加する。キャストする。
【0212】
F)本発明のネムノキ抽出物とダルトサイドの組み合わせのガレヌス製剤の具体的な実施例
本発明の活性成分:段落Bに従い作製されたネムノキ抽出物とダルトサイドを含む組成物。
追加の化粧料活性成分を含むまたは含まない種々の製剤について以下記載する。追加の化粧料活性成分は、各ケースにおいて、本発明の活性成分の活性をサポートおよび/または補助するものである。これらの成分は、その機能、塗布位置(身体、顔、首、胸、手など)、所望の最終効果、対象とする消費者に応じて、いかなる種類のものであってよい。
【0213】
【表28】
【0214】
手順:撹拌することなくフェーズAを水に振りかけ、1時間静置する。フェーズBを均一にし、フェーズAにプロペラ撹拌下30分間添加する。フェーズCをフェーズA+BにStaro撹拌下添加する。即座にStaro撹拌下フェーズDを前のフェーズに添加する。Staro撹拌下、フェーズEで中和する。フェーズFを混合し、Staro撹拌下、前のフェーズに添加する。フェーズGを前のフェーズに添加し、十分に均一にする。
【0215】
この製剤に添加可能な追加成分の例:
MATRIXYL 3000(商標):Sedermaより販売されている、老化による肌のダメージを修復するのを助力するペプチド型抗シワ成分。例えば、3重量%を製剤の終わりに添加することができる。
RESISTEM(商標):Sedermaより販売されている、グロブラリア・コルディフォリア(Globularia Cordifolia)の幹細胞培養により得られる植物抽出物であるアンチエイジング成分。プロエイジング剤のレベルを下げ、局所の微細炎症を低減し、肌の赤さを低減し、自然な皮膚成長を増大させる。例えば、3重量%を製剤の終わりに添加することができる。
【0216】
【表29】
【0217】
手順:フェーズAを水にふりかけ1時間撹拌することなく静置する。フェーズBを急速なプロペラ撹拌下水にふりかけ、30分間混合する。フェーズCを秤量し均一にする。フェーズCをプロペラ撹拌下フェーズBに添加する。30分放置する。フェーズAをブレード撹拌下フェーズB+Cに添加する。フェーズDをプロペラ撹拌下前のフェーズに添加し、次いでブレード撹拌する。前のフェーズをブレード撹拌下フェーズFで中和する。フェーズGを以前のフェーズに添加し、十分に混合する。
【0218】
この製剤に添加可能な追加成分の例:
IDEALIFT(商標):Sedermaより販売されている、肌のたるみに対抗し、重力への抵抗力を改善するリポペプチド系成分。4重量%を製剤の終わりに添加することができる。
【0219】
【表30】
【0220】
手順:フェーズAを秤量し、プロペラ撹拌下に置く。フェーズBを秤量し均一にする。フェーズBをフェーズAに添加し、十分に混合する。フェーズCを秤量し、十分に混合する。フェーズCをフェーズA+Bにプロペラ撹拌下添加する。即座にプロペラ撹拌下にフェーズDを添加する。フェーズEを添加し、ブレード撹拌下、均一にするために30分間放置する。
【0221】
この製剤に添加可能な追加成分の例:
RIGIN(商標):Sedermaより販売されている、肌の弾力および硬さを改善し、肌の水和と平滑性を向上させる活性剤。3重量%を製剤の終わりに添加することができる。
【0222】
【表31】
【0223】
手順:フェーズAを秤量し、プロペラ撹拌下に置く。フェーズBを秤量し均一にする。フェーズBをフェーズAに急速なプロペラ撹拌下添加する。フェーズCをフェーズA+Bに穏やかなプロペラ撹拌下添加する。フェーズDを穏やかなプロペラ撹拌下添加する。
【0224】
この製剤に添加可能な追加成分の例:
Birch SAP(商標):Sedermaより販売されている、カバノキ辺材の未加工の樹液に基づく肌調色保湿成分。3重量%を製剤の終わりに添加することができる。
【0225】
【表32】
【0226】
手順:フェーズAを秤量し、プロペラ撹拌下85℃のウォーターバスに置く。フェーズBを秤量し、均一にする。フェーズBをプロペラ撹拌下フェーズAに添加する。ブレード撹拌下1時間放置して均一にする。ウォーターバスから出し、ブレード撹拌下冷却する。70℃未満でフェーズCを添加する。フェーズDを添加する。フェーズEを添加する。パッチを型に入れ、室温で2時間冷却する。
【0227】
この製剤に添加可能な追加成分の例:
Wonderlight(商標):Sedermaより販売されている美白剤。3重量%をフェーズCの前に冷却前に製剤に添加することができる。
【0228】
【表33】
【0229】
手順:フェーズAを秤量し、プロペラ撹拌下に置く。フェーズBを秤量し均一にする。フェーズBをプロペラ撹拌下フェーズAに添加する。十分に混合する。フェーズCを秤量し均一にする。フェーズCをプロペラ撹拌下フェーズA+Bに添加する。十分に混合する。フェーズDを前のフェーズに添加し、十分に混合する。
【0230】
この製剤に添加可能な追加成分の例:
Skin Tightener(商標):Sedermaより販売されている、肌を引き締め平滑化するポリマンヌロン酸塩とプロラミンの組み合わせの成分。10%を製剤の終わりに添加することができる。
【0231】
G)ネムノキ抽出物の糖化活性のin vivo評価
本発明のネムノキ抽出物の糖化活性を、以下のin vivo試験より示す。
【0232】
実施例1で作製したクリームを試験に用いた。
【0233】
原理
顔に視認できるストレスサイン(疲労サイン)または正味同期間の糖化進行レベルを有する24人のボランティアパネルに効能試験を行った。
【0234】
加えて、14人のボランティアパネルについて、終末糖化産物(AGEs)の量を、接着ストリッピングによる測定により評価した。同じ特徴を有する20人のボランティアの第2のパネルについて、この状況が改善されるかを調査した。
【0235】
いくつかの補足的方法をこの研究で用いた。
・後述のAGE−Reader(商標)装置を用いたin vivoの自己蛍光測定による終末糖化産物量の解析。
・(ex vivo法により)前腕からの接着ストリッピングにおけるAGE量の測定。
・Reviscometer(登録商標)を用いた肌疲労と肌の緩みの解析。
・起床した際のボランティアによる自己記入式の擬似−毎日および毎週の顔の疲労の評価。
【0236】
手順
具体的な研究の試験対象患者基準
ストレスを受けた肌の研究における女性は、年齢による客観的な基準により選択し、彼女らは50〜70歳であり、また、顕著に高い糖化産物レベルを示すAGE−Reader(商標)測定結果から選択した。
【0237】
疲労サインと接着ストリップサンプルについて、ボランティアは、顔の疲労サイン(くま、やつれた顔の特徴、さえない顔色)と、前腕の過剰な緩みを見せる皮膚を有している必要があった。ボランティアは、十分な休養を取る時間がないと報告しているアクティブな人達である必要があった。ボランティアは、(プラセボのみを用いた)15日間の洗浄に従う必要があった。
【0238】
さらに、3つの試験全てが、ボランティアにテスト前3ヶ月およびテスト期間中、一定のホルモン状態(避妊、代用、治療処置に変化なし)にいさせる必要があった。
【0239】
ボランティアは、研究の間、与えられた化粧料のみを使用する必要があった。
【0240】
研究の種類と期間
研究は、以下について非侵襲性測定をシングルブラインドで行った。
・ストレスを受けた肌(平均60歳[53〜69歳の範囲])を有し、本発明のデイクリームおよびナイトクリームを利き手前腕に塗布した24人の被験者。反対の腕には、プラセボクリームを塗布した。
・疲労サイン(平均43.5歳[38〜50際の範囲])を有し、本発明のデイクリームおよびナイトクリームをそれぞれ一方の手の前腕に塗布した14人の被験者。反対の腕には、プラセボクリームを塗布した。
・疲労サイン(平均43歳[31〜50際の範囲])を有し、本発明のデイクリームおよびナイトクリームをそれぞれ顔および一方の手の前腕に塗布した20人の被験者。
【0241】
本発明のデイおよびナイトクリームは、2ヶ月の間1日1回マッサージするように塗布し、プラセボクリームは1日2回塗布した。
【0242】
研究は、以下のダイアグラムに要約される。
【0243】
【表34】
【0244】
Student t検定または必要に応じWilcoxonノンパラメトリック検定を用いて統計的研究を行った。各試験において1組のシリーズに対して両側検定を用いた。
【0245】
忍容性
医学的管理の下、臨床試験を行い、製品がボランティアに極度に良く忍容性であることが示された。
【0246】
1.AGE−Reader(商標)を用いた終末糖化産物量の解析
原理
AGE−Reader(商標)(DiagnOptics Technologies)は、AGEs蓄積の非侵襲性測定が可能な最初の医療機器である。ボランティアの皮膚に、蛍光官能基、特にAGEs中の官能基を励起する波長370±50nmの光を照射する。反射光は、直径50μmのファイバにより選択的に伝送され、分光光度測定される。ボランティアの皮膚の自己蛍光と種々のAGE量との相関を前記装置により決定することができる。
【0247】
実地では、ボランティアは装置に前腕を置き、測定は1cm2の窓を通して行われる。
【0248】
結果
【0249】
【表35】
【0250】
結果は、2ヶ月間の毎日のデイクリームおよび次いでナイトクリームの塗布後に、プラセボと比較して自己蛍光に有意差が見られたことを示している。
【0251】
−8.6%の低下は、終末糖化産物量の低下を反映している。非常に申し分なく、多くの割合のボランティアが、反応した(71%)。
【0252】
2.接着ストリッピングでのAGEsの研究(ex vivoでの研究)
原理
疲労肌の可視できるサインを有するボランティア(N=14)についての試験を行い、本発明のネムノキ抽出物で処置した外植片(in vitroセクション参照)および培養した細胞において、AGE−Reader(商標)にみられるAGEsの低下を確認した。
【0253】
AGE量は、2ヶ月間前腕に本発明のデイクリームおよびナイトクリームをそれぞれ塗布前後においてなされた接着ストリッピングについて測定した。
【0254】
接着ストリッピングは、除去され−80℃で保管された。ストリッピング中のタンパク質をバッファに抽出し、次いでホモジネートをポリアクリルアミドゲルに投入し、タンパク質を流し、ウエスタンブロットによる展開用ニトロセルロース膜に転写した。in vitroセクションで記載した抗AGE抗体をここでも用いた。ケラチンを示す約60kDaの主帯域の化学発光により、ブロットを展開させた。総タンパク質を規格化試験と並行して測定した。
【0255】
結果
【0256】
【表36】
【0257】
結果は、AGEsがT0とT2ヶ月の間に増加し、ネムノキ抽出物を含む本発明のクリームの使用のおかげで増加が27%低かったことを示した。
【0258】
3.Reviscometer(登録商標)Principeを用いた疲労肌と緩みの解析
RV600Reviscometer(登録商標)(Courage & Khazaka)は、皮膚表面から音波が発せられてからの皮膚の音波伝搬時間を測定する。この指標は、共鳴伝達時間(RRT)として知られている。装置の皮膚プローブは、受信機から2mm離れた音波発生器からなる。音波は皮膚を0.5mm以上透過しないので、真皮の質を調査することが可能である。材料中の音伝達速度は、材料の密度と張力に依存する。音波は、優先的に、真比の線維により形成された「ワイヤ」に沿う。よってこれらの線維の状態は、直接音波伝達に影響する。
【0259】
プローブを軸の周りに徐々に回転させることにより、異なる伝搬時間をマップできる。疲労した肌は、密度が低く、線維が緊張しておらず、よって、伝搬時間が長くなる。さらに、色調の悪い疲労肌は、優先的な方向にシワを入れる(肌異方性)。これが、いくつかの測定軸に沿った伝搬時間を変化させる。
【0260】
Reviscometer(登録商標)RV600により得られたいくつかのパラメータは、肌の状態の特徴を示す。これらのパラメータのうち、次のパラメータを使用した。
・皮膚内の音の「遅さ」を反映し、皮膚の疲労を反映する最大共鳴伝達時間(RRTmax)。
・肌の異方性を示すRRTmax/RRTmin比、比の大きさはすべての方向に均一ではない肌の緩みを反映している。
【0261】
結果
【0262】
【表37】
【0263】
結果は、本発明のクリームの塗布によりボランティアの音波伝達の遅さが、1ヶ月で26.3%、2ヶ月で30.7%減少したことを示している。
【0264】
並行してRRTmax/RRTmin比より測定される緩みは、T0と比較してT1ヶ月で40.2%減少し、2ヶ月後、改善が見られた(−44%)。
【0265】
本発明のクリームの塗布後、遅さと緩みの減少に示されたように、こうして肌は活力を取り戻す。Reviscometer(登録商標)によるこれらの結果は、本発明のネムノキ抽出物を含有するクリームが、真皮の線維の密度および均一性を顕著に改善したことを示している。
【0266】
4.顔の疲労の自己評価
原理
顔の疲労の「そのままの」状態について情報を得るために、各ボランティアは、起床後鏡の前での実生活の状況での疲労について種々の基準で評価した。種々の疲労の基準および研究デザインを以下の表に示す。
【0267】
【表38】
【0268】
結果
全般的な疲労
【0269】
【表39】
【0270】
2日おきの全般的な顔の疲労のボランティアによる自己評価によれば、本発明のクリームを塗布している間中ずっと全般的な疲労は、規則的な絶え間のない減少を示した。
【0271】
20人のボランティアの平均スコアは、2.05(中程度の顔の疲労)から1.15(軽度の肌の疲労)にまで低くなった。
【0272】
これは、全般的な顔の疲労の印象が、T1ヶ月で36%、T2ヶ月で50%減少したことを示している。この減少は、10日目から明白に有意(p<0.01)になっていた。
【0273】
b.特定の指標
ボランティアにはまた、目の下のたるみ、目の周りのくま、やつれた顔の特徴およびさえない肌の色についてのより詳細なアンケートを行った。
【0274】
ボランティアによって行われた毎週の自己評価の結果より、全般的な顔の疲労の印象に重大な減少があることが十分に確認される。調査された4つの指標の全体的な大きさは、T1ヶ月から減少し、T2ヶ月目において、目立った追加の減少が見られた。
【0275】
【表40】
【0276】
「目の下のたるみ」の指標は、スコア30からスコア24に減少し(T1ヶ月、−20%)、さらにスコア19に減少した(T2ヶ月、−37%)。
【0277】
「目の周りのくま」の指標は、スコア33からスコア29に減少し(T1ヶ月、−12%)、さらにスコア20に減少した(T2ヶ月、−40%)。
【0278】
「やつれた顔の特徴」の指標は、スコア37からスコア29に減少し(T1ヶ月、−22%)、さらにスコア18に減少した(T2ヶ月、−51%)。
【0279】
「さえない顔色」の指標は、スコア22からスコア16に減少した(T2ヶ月、−27%)。
【0280】
2ヶ月の処置の後、ボランティアは、客観的な疲労のサインが軽度になった、または存在しないと報告した。
【0281】
H)ネムノキ抽出物とダルトサイドの組み合わせの糖化活性のin vivo評価
3つの独立した臨床試験を、製品の作用を示すために実施した。
1.シワとまぶた
2.目の周りのくま
3.目の外観
【0282】
パラグラフF)の実施例13のクリームをこれらの試験に用いた。
【0283】
1.シワとまぶたについての試験
原理
研究の目的は、56日間の1日2回の塗布後のまぶたの平滑さとシワの減少を実証することにあった。
【0284】
研究は、目じりにシワのある平均年齢60歳(40〜79歳)の22人の白色人種の女性のパネルについて行った。研究は、プラセボ対シングルブラインドで行った。ボランティアは、56日間1日2回、目の輪郭に本発明のクリームを塗布した。ブラセボクリームを反対側の目の輪郭に塗布した。
【0285】
種々の方法を、研究の各経過時(T0,T56j)に関連させた。
・目じりのシワの定量化のためのSilflo(商標)フィンガープリント
・まぶたのシワの定量化のためのFOITS法
・専門家のチームによる目じりのシワとまぶたのシワの定量化のためのPhoto bench
【0286】
結果
a.目じりのシワの定量化のためのSilflo(商標)フィンガープリント
各測定時において、Silflo(商標)シリコンポリマーにより、選択したサイト(目じりのシワ)について肌のネガ型の型をとる。次いで各型について、Quantirides Station(商標)(Monaderm)によりドロップシャドー法によって精査する。簡易的に、目じりのシワのネガ型の型には、接線照射(LEDランプ;35°)により光を当てる。各シワの背後にドロップシャドーができる。高解像度デジタルカメラ(1920×1440ピクセル)を用いて、イメージ収集を行う。イメージを256グレーレベルで記録し、次いで特殊なMountains Map(商標)ソフトウェアで解析し、起伏を定量化する。
【0287】
【表41】
【0288】
本発明のクリーム塗布の2ヶ月後、体積(−14%)、平均深さ(−9.5%)およびシワ開口角(+11.2%)に極めて有意な改善(p<0.01)が見られる。これらの改善はまた、プラセボクリームでほとんど起こらなかった変化から有意に差がある(p<0.05)。
【0289】
b.まぶたのシワの定量化のためのFOITS法
原理
FOITS (Fast Optical In vivo Topometry System)は、研究対象、ここではまぶたの縞投影解析に基づいている。使用する装置Dermatop(商標)(EOTech)は、プロジェクタとカメラを含む。これらの2つの機器が一体となって、三角測量の特定の角度を形成する。領域の起伏による縞模様の変形の検討が、起伏の3D再構築を可能にする。3DMountains Map(商標)ソフトウェア解析を、まぶたのシワのプロファイルを抽出するために使用する。シワの高さおよび表面の高さを計算した。
【0290】
結果
【0291】
【表42】
【0292】
本発明のクリーム塗布の2ヶ月後、20%のシワの高さの有意な減少がみられる(p<0.01)。この減少はまた、プラセボを塗布した箇所で見られたほとんどゼロの−1%の減少から、有意に差があった(p<0.05)。
【0293】
表面の落ち込みに関し、本発明のクリーム塗布の2ヶ月後、13%の有意な減少がある(p<0.05)。プラセボ側では、変化はない。製品とプラセボとの差異は有意ではなかったが、傾向のあるものであった(p=0.16)。
【0294】
C.専門家のチームによる目じりのシワとまぶたのシワの定量化のための写真ベンチ
原理
高解像度Nikon D70デジタルカメラ、特殊照明、およびボランティアの拘束システムからなる写真ベンチHeadScan(商標)(Orion concept)により規格化写真を実現した。自発的な位置、写真、および照明のセッティングを規格化し、何度も複製するよう制御した。この評価について、写真は、正確に色および起伏を見て、結果ができるだけ現実に近くなるように、拡散光にて撮影した。
【0295】
T0およびT56jでの目の周りの領域(目の輪郭)をともに6人の専門家に提示し、6人の専門家には、以下の意見に同意か、反対か、同意でも反対でもないかを言うよう依頼した。
1.まぶたのシワがより目立たない
2.皮膚が平滑に見える(小ジワやシワが減少している)
【0296】
結果
・「シワがより目立たず肌がより平滑になっているか」の質問の答えは、47%の回答が、製品に好意的なものであり、これに対して10.5%が好意的でないものである(p<01)。さらにプラセボとの比較では、47%の好意的な回答は、プラセボの塗布により得られた28%の好意的の回答よりも有意に多いことを示している。
・「肌がより平滑に見えるか(シワや小ジワが減少しているか)?」の質問の答えは、49%の回答が、製品に好意的なものであり、これに対してわずか4%が好意的でないものである(p<01)。さらにプラセボとの比較では、49%の好意的な回答は、プラセボの塗布により得られた30%の好意的の回答よりも有意に多いことを示している。
【0297】
2.目の周りのくまへのテスト
原理
本研究の目的は、28日間および56日間の1日2回の塗布後、目の周りのくまの減少を示すことにあった。
【0298】
研究は目の下にくまを有する平均年齢18歳の24人の白色人種の女性のパネルについて行った。研究は、プラセボ対シングルブラインドで行った。ボランティアは、28日間および56日間1日2回、目の輪郭に本発明のクリームを塗布した。ブラセボクリームを反対側の目の輪郭に塗布した。
【0299】
研究の異なる測定時間(T0、T28d、T56d)の規格化された写真を得るために、フォトベンチを用いた。次いで、くまの色を解析した。
【0300】
規格化された写真は、マクロレンズ(AF-S Micro Nikkor(商標) 60mm)を備えたプロフェッショナルカメラ(D300 Nikon(商標))のフラッシュ照明システム(R1C1 Nikon(商標))からなる写真システムより得た。
【0301】
目のくまを測定する場合、目の輪郭の領域に蓄積したヘモグロビンが色の変化を起こすと考えられる。この変化は、肌の色の赤色成分と青色成分の変化と関連している(紫色がくまに特徴的である)。
【0302】
そこで、参照スペースCIELab(商標)で動作可能なイメージ解析ソフトウェアを用いた。CIELab測色スペースは、3つの座標で色を定義する:
*:0(黒)から100(白)
*:100(赤)から−100(緑)
*:100(黄)から−100(青)
当該状況においては、+a*および−b*が減少することが予期された。
【0303】
目のくまの色の評価を、くまの領域を規定し、当該領域に近い領域(本ケースではこめかみ)と比較することにより行う。こうして赤色成分のΔaと青色成分のΔ−bを求める。
【0304】
結果
【0305】
【表43】
【0306】
本発明のクリームの30日塗布後、赤色成分が、プラセボを処置した側で+0.8%増加したの比べて、4.5%減少したのがわかる。本発明とプラセボのクリームの作用の差は、p<0.05と有意である。
【0307】
60日後、本発明のクリームの効果は、7.5%の減少(p<0.05)とより有意に増加している。一方で、プラセボを処置した側では3%悪化した。本発明のクリームとプラセボクリームとの間の効果の差は、p<0.01と非常に有意である。
【0308】
【表44】
【0309】
本発明のクリームの塗布後30日、青色成分は、プラセボを処置した側の1.9%の増加と比べて3.2%減少している。
【0310】
60日後、製品の効果は、8.2%の青色成分の有意の減少(p<0.05)を与え、一方で、プラセボを処置した側では、4.1%の悪化を示した。製品とプラセボとの間の効果の差は、p<0.05と有意である。
【0311】
3.目の外観の作用についての試験
原理:本発明のクリームの効能の研究は、ボランティアによって感知される目の外観(全体の疲労、目の周りのくま、目の下のたるみ、小ジワ)の改善を示すことにあった。評価は、28日間1日2回の塗布で2〜3日おきに行った。
【0312】
研究は、疲れた外観や、目の周りの小ジワ、目の下のたるみ、目の周りのくまという2〜3の特徴のうちの1つを有すると主張する平均年齢51歳(40〜60歳)の105人の白色人種の女性のパネルについて行った。ボランティアは、本発明のクリームを28日間1日2回目の周りに塗布した。
【0313】
評価は、朝、1日の最初の塗布の前に、自己評価アンケート式で行った。
【0314】
4つの質問をボランティアに尋ねた。
1.起床時の目の疲労をどのように採点しますか?(全体的)
2.小ジワの存在の重大さをどのように採点しますか?
3.目の下のたるみの重大さをどのように採点しますか?
4.目の周りのくまの重大さをどのように採点しますか?
回答(スコア)は:なし(0)、軽度(1)、中程度(2)、重度(3)であった。
【0315】
質問1は、毎月、水、金曜日に尋ねた(28日で13回の評価)。一方で、質問2、3および4は、週1回のみ尋ねた(28日で5回の評価)。
【0316】
【表45】
【0317】
結果を平均スコアとして表す。7、14、21、28日目の項目の平均値の減少を、%変化で表す。統計テストはt−Student検定である。
【0318】
上記の表の結果の解析から次のことが言える:
・本発明のクリームは起床時の、疲労した目の外観、目の周りのくま、たるみ、小ジワを改善する。28回の使用の後、参加者は、4つのリストした項目について平均42%〜46%の減少があったと評価した。当該減少は、p<0.01と統計的に有意なものであった。
・D0における目の外観と比較した目の外観の疲労の比較では、2日間の塗布から有意な減少(−9%、p<0.01、スコア2.7対2.28)が示され、D7において減少が−16%に達していることが示されている。
・D0における目の周りのくま、たるみ、小ジワの外観と比較した目の外観の比較では、7日間の塗布後に有意な減少(小ジワとたるみについて16%、p<0.01、目の周りのくまについて−22%、p<0.01)が示されている。
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]