(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記メッセージが第1のカテゴリに対応すると判定するステップは、前記メッセージの送信者の電子メール・アドレス若しくは前記メッセージの送信者についての評価、前記送信者からの通信が一方向の通信であるか否か、前記送信者からの通信が周期的であるか否か、前記メッセージの受信者がメッセージを読むか否か、または前記メッセージを受信してからユーザがそのメッセージに対して対話処理を行うまでに経過した時間の長さに少なくとも部分的に基づく、
請求項3記載の方法。
前記メッセージが第1のカテゴリに対応すると判定するステップは、前記メッセージが該メッセージに返信することを禁止する旨のテキストを含んでいるか否か、又は前記メッセージが該メッセージを受信することに関する購読の中止を要求するオプションを含んでいるか否かに少なくとも部分的に基づく、
請求項3記載の方法。
前記メッセージが第1のカテゴリに対応すると前記判定するステップは、前記メッセージがニュース・レターであるか否かを表すメッセージ内のパターンを推定するのに使用されるコンテンツ学習機能に少なくとも部分的に基づく、
請求項3記載の方法。
前記の調査は、前記メッセージが、トランザクション、旅行関連文書、ソーシャル・ネットワーク、電子カード、出会い系サイトメッセージ、金融関連ニュース、未成年に相応しくない記事、受信したメッセージの種別若しくは受信者に基づくターゲット広告のうちの一つ以上に関係しているかを判定するために実行される、
請求項1記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<要旨>
ユーザは多種多様な異なるメッセージにアクセスする手段を有している。しかしながら、これらのメッセージの中の幾つかは、ユーザによっての重要度が様々に異なる。例えば、ユーザは「グレー・メール」と呼ばれるメッセージを受信することがあるが、それらもメッセージは、例えば、ニュースレターやイベント案内メール等のように他のユーザは別として一部のユーザにとっては殆ど興味が無い内容のものである場合もある。結果的に、このような「グレー・メール」は、例えば、親しい個人同士の間のメッセージ交換などのようにユーザ自身にとって興味が有る可能性がもっと高い他のメッセージを円滑にやり取りすることの妨げになる場合がある。
本明細書においては、メッセージの管理と分類のための技法が記述される。本発明に係る一つ以上の実施例においては、受信したメッセージに対して後続の処理や操作を行うことを支援するために使用することが可能となるよう、メッセージが該当するカテゴリに分類されることが可能である。例えば、ネットワーク・サービス(電子メール・サービスなど)はメッセージを調べた結果に基づいてメッセージを該当するカテゴリに分類することが可能である。例えば、メッセージ中に購読停止の機能を備えた特徴部分が存在することに基づいて、そのようなメッセージをニュース・レターのカテゴリに分類することが可能である。続いて、クライアント・デバイスのためのユーザ・インターフェースを構成設定する際に、そのようなカテゴリを表すデータとメッセージの内容を活用することが可能である。
例えば、メッセージを該当するカテゴリの中にファイリングすることができるように、複数のカテゴリを表しているユーザ・インターフェースをクライアント・デバイスは画面出力することが可能である。当該ユーザ・インターフェースはさらに、特定のカテゴリのために記述されたルールをサポートすることも可能であり、そのようなルールは、例えば、特定の送信元から送信され、特定のカテゴリに分類されるべきメッセージをどのように取り扱うべきかに関するルールであったりする。さらに、以下のセクションにおいてより具体的に後述するように、上記以外の他の機能がさらにサポートされ得る。
加えて、今度はクライアント・デバイスの方から逆にネットワーク・サービスに対してフィードバック情報が提供され得る。当該フィードバック情報は例えば、メッセージとユーザとの間の相互作用、特定のカテゴリに分類されたメッセージなどを記述することが可能であり、フィードバック情報内のそのような記述は、メッセージがどのように分類されるべきであるかを調整するために使用することが可能である。例えば、ユーザは、「ニュース・レター」のカテゴリに分類されていた特定のメッセージを「親しい個人間のやり取り」のカテゴリ(例えば、通常の電子メールに該当するカテゴリ)に再度分類し直すことが可能である。続いて、上記のようにメッセージを再度分類し直した結果は、後続の処理(例えば、上述したメッセージ分類処理を実行するために使用される一つ以上もモデルを調整する等の処理)に使用されるためにネットワーク・サービスに送信されることが可能である。加えて、多種多様なその他の具体例を想定することも可能であり、そのような他の具体例に関するさらに具体的な検討は、本明細書中の以下のセクションにおいて後述する。
【0010】
以下の説明において、まず本明細書で説明する技術を使用することができる例示的環境について説明する。次いで、例示的環境および他の環境で実行することができる例示的手順について説明する。したがって、例示的手順の性能は、例示的環境に限定されず、例示的環境は、例示的手順の性能に限定されない。
<例示的環境>
図1は、本明細書で説明する技術を使用するために動作可能である例示的な実装態様の実装基盤となる環境100の図である。図示した環境100は、ネットワーク106を介してクライアント・デバイス104に通信可能に結合されたサービス・プロバイダ102を含む。サービス・プロバイダ102およびクライアント・デバイス104は、多種多様なコンピューティング・デバイスを使用して実現することができる。
【0011】
例えば、コンピューティング・デバイスは、デスクトップ型コンピュータ、移動局、娯楽用途向け情報機器、表示デバイスに通信可能に結合されたセット・トップ・ボックス、無線電話、ゲーム機、およびサーバなどの、ネットワーク106上で通信することが可能なコンピュータとして構成されてもよい。したがって、コンピューティング・デバイスは、充分な容量のメモリおよび充分なプロセッサ・リソースを有するフル・リソース・デバイス(例えば、サーバ機器、パーソナル・コンピュータ、ゲーム機)から、限られたメモリおよび/または限られたプロセッシング・リソースしか有さない低リソース・デバイス(例えば、従来型のセット・トップ・ボックス、携帯型ゲーム機)にまでおよぶことができる。さらに、単一のコンピューティング・デバイス(例えば、サービス・プロバイダ102に関するサーバ)が示されるが、コンピューティング・デバイスは、処理を実行するために、ビジネス用途で利用される複数のサーバ(例えば、サーバ・ファーム)、遠隔制御およびセット・トップ・ボックスの組み合わせ、ならびにジェスチャーを取得するように構成された画像取得デバイスおよびゲーム機などの、複数の異なるデバイスで表すことができる。
【0012】
コンピューティング・デバイスはまた、コンピューティング・デバイスのハードウェアに、動作を実行させる構成要素(例えば、ソフトウェア)、例えば、プロセッサ、および機能ブロックなどを含むことができる。例えば、コンピューティング・デバイスは、コンピューティング・デバイス(より具体的には、コンピューティング・デバイスのハードウェア)に動作を実行させる命令コードを保持するよう構成することが可能なコンピュータ読取り可能媒体を含むことができる。したがって、命令コードは、所望の動作を実行するようハードウェアを設定するために機能し、このようにして、所望の機能を実行するようなハードウェアの変形をもたらす。命令コードは、コンピュータ読取り可能媒体によって、様々な異なる構成部品を通じて、コンピューティング・デバイスに提供することができる。
【0013】
コンピュータ読取り可能媒体のそのような構成の1つに、信号搬送媒体があり、したがって、命令を、コンピューティング・デバイスのハードウェアに、ネットワーク106を介するなどして(例えば、搬送波として)伝送するよう構成される。コンピュータ読取り可能媒体はまた、コンピュータ読取り可能記憶媒体として構成することができ、その場合、信号搬送媒体ではない。コンピュータ読取り可能記憶媒体の例には、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)、光学ディスク、フラッシュ・メモリ、ハードディスク・メモリ、ならびに、磁気的、光学的および他の技術を使用して、命令および他のデータを格納可能な他のメモリ・デバイスがある。
【0014】
ネットワーク106は、インターネットとして図示されているが、ネットワークは、多種多様な構成を想定することができる。例えば、ネットワーク106は、広域ネットワーク(WAN)、構内ネットワーク(LAN)、無線ネットワーク、公衆電話ネットワーク、およびインターネットなどを含んでもよい。さらに、単一のネットワーク106が示されているが、ネットワーク106は、複数のネットワークを含むよう構成されてもよい。
【0015】
クライアント・デバイス104は、さらに、通信モジュール108を含むものとして図示される。通信モジュール108は、ネットワーク106を介して、サービス・プロバイダ102などと通信するための、クライアント・デバイス104の機能を表す。例えば、通信モジュール108は、ブラウザ機能を組み込んで、ネットワーク106を自在に移動することができ、ネットワーク・アクセス機能などを有する専用アプリケーションとして構成されるなどとしてもよい。
【0016】
サービス・プロバイダ102は、ネットワーク106を介して1つまたは複数のネットワーク・サービスへのアクセスを提供および管理するための機能を表す、サービス管理モジュール110を含むものとして図示される。サービス管理モジュール110は、例えば、直接的に(例えば、料金として)、定額制で、および1つまたは複数の広告を包含することにより間接的に、などにより、サービスの提供に対する料金収入を集めるための課金技術を組み込むことができる。
【0017】
サービスの一例が、メッセージ管理モジュール112を包含して示される。メッセージ管理モジュール112は、1つまたは複数のメッセージ114の通信を管理するためのサービス・プロバイダ102の機能を表す。メッセージ114は、例えば、ユーザ・アカウントを介して別のユーザと通信するためのクライアント・デバイス104とメッセージ管理モジュール112との間における相互通信を通じて形成されてもよい。
【0018】
メッセージ114はまた、サービス・プロバイダ102と関連したユーザ・アカウントを介して通信されるメッセージであって、サービス・プロバイダ102によって受信されたメッセージを表すこともできる。サービス・プロバイダ102は、例えば、さらに別のサービス・プロバイダからメッセージ114を受信することができ、個々のユーザ・アカウントと関連付けて受信したメッセージ114を格納することができる。次いで、ユーザは、サービス・プロバイダ102のユーザ・アカウントにアクセスして、クライアント・デバイス104の通信モジュール108を使用することなどによって、メッセージ114へのアクセス権を取得することができる。電子メール、SMS、MMS、インスタント・メッセージ、および、通信技術に関する以下のセクションで説明するようなネットワーク106を介して電気的に通信することが可能な他のメッセージなどの、様々な異なるメッセージ114を、サービス・プロバイダ102によって管理することができる。ネットワーク・サービスの一部としてメッセージ管理モジュール112による分析が実行されるので、当該モジュールは、多数のユーザに対して送信された複数のメッセージに関する大域的なビューを取得することが可能であり、そのような大域的なビューは、例えば、Webマーケティング・キャンペーンの検出などのように単一のアカウントにおいては解決困難な状況を検出するために使用され得る。
【0019】
しかしながら、メッセージ管理モジュール112の機能は、サービス・プロバイダ102による実装態様に限定されない。したがって、メッセージ管理モジュールは、クライアント・デバイス104にとってローカルである記憶部120内のメッセージ118を管理するためのメッセージ管理モジュール116を包含するよう図示されたクライアント・デバイス104自体などによって、サード・パーティー製の構成要素などの、様々な異なる構成要素によって実現することができる。したがって、メッセージ管理モジュール112の動作は、サービス・プロバイダ102に関する説明箇所において説明したが、この動作は、上述した動作態様だけに限定されず、環境100および他の環境全体にわたって分散配置された態様で動作することもできる。
【0020】
メッセージ管理モジュール112は、様々な方法で、メッセージ114を管理することができる。例えば、メッセージ管理モジュール112は、メッセージ114を各カテゴリに分類するために使用することができる機能を表示することができる。カテゴリは、その場合、クライアント・デバイス104によるメッセージ114を介したユーザ相互間における通信機能を改善するために活用することができ、それに関するさらに具体的な内容は
図2に関連する以下の説明において後述される。
【0021】
一般に、本明細書で説明するいずれの機能も、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア(例えば、ロジックが固定された論理回路)、手動操作による処理、またはそれらの実装態様の組み合わせを使用して実現することができる。本明細書で使用する「モジュール」および「機能」という用語は、一般に、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせを意味する。ソフトウェア実装態様の場合、モジュール、機能、または論理は、命令コード、ならびにハードウェア(例えば、1つもしくは複数のプロセッサ)および/または機能ブロックによって指定される動作を実行するハードウェアを意味する。
【0022】
図1に示したクライアント・デバイス104がサービス・プロバイダ102によって分類されたメッセージを受信する様子を示している例示的実装形態におけるシステム200を示す。上述した「グレー・メール」中のかなりの部分には、メールを受信した典型的なユーザにとって望ましくないメッセージが含まれている可能性がある。上述したとおり、「グレー・メール」は、複数の異なるユーザにとってメッセージ内容の重要度が様々に異なるメッセージであると考えられる。加えて、典型的な場合として、「グレー・メール」は、例えば、迷惑メールの配信をブロックする等のように、スパム・フィルタリング処理のために実行される従来式の確定的な処理動作を使用して対処することが出来ない。
【0023】
従って、システム200は、メッセージを分類し、フィルタリングし、管理するための技法が組み込まれたシステムとして図示されている。例えば、システム200は、メッセージ分類器202を含むことが可能であり、メッセージ分類器202は、メッセージ204の内容を調べてメッセージ204を分類する機能を表すものである。システム200はさらに、メッセージ204’と関連付けられたカテゴリ206のラベルを記憶し、読み出すための仕組みを含んでおり、当該仕組みは、メッセージ・ストレージ208として図示されている。例えば、メッセージ204’は、メッセージ204’との間の相互作用を管理するのに使用されることが可能な一つ以上のカテゴリと関係付けられることが可能である。
【0024】
システム200はさらに、メッセージを保存したり、画面表示したり、ソート処理したり、メッセージの購読手続をしたり、メッセージにラベルを付けたりする処理動作を制御するためのユーザ設定可能な機能やインターフェースの組をサポートするように構成され得る。加えて、システム200は、クライアント・デバイス104のユーザからのフィードバック情報210を活用することが可能であり、そのようなフィードバック情報の活用により、例えば、メッセージ分類器202が実行するメッセージ分類動作態様を自動的に更新するための機械学習に基づくトレーニング機能をサポートすることができる。
【0025】
例えば、メッセージ管理モジュール112は、例えば、他のネットワーク・サービスからメッセージ204を受信したり、サービス・プロバイダ102のさらに別のユーザから受信した入力内容を介して(すなわち、さらに別のユーザとサービス・プロバイダ102との間の対話処理を介してメッセージを作成することにより)メッセージ204を受信したりするなどして、メッセージ204を受信することが可能である。
【0026】
続いて、メッセージ分類器202は、メッセージ204と関連するカテゴリがもし有れば、メッセージ204を当該カテゴリに分類するために使用することが可能である。例えば、メッセージ分類器202は、機械学習に基づくメッセージ分類モデルを利用することが可能であり、例えば、そのような分類モデルでは、所定の閾値に基づいてメッセージ240が所与のカテゴリに所属すべきであるか否かが学習される。本実施例においては、多種多様な異なるカテゴリをサポートすることが可能であり、そのようなカテゴリには、ニュース・レター、旅行関係文書、ソーシャル・ネットワーク関連、電子カード、出会い系サイトのメッセージ、金融関連ニュース、未成年に相応しくない記事、メッセージ・トランザクション、受信したメッセージの種別に応じて配信されてきた広告等のカテゴリが含まれる。さらに、単一のメッセージを複数の異なるカテゴリに分類することが可能であることが理解されよう。
【0027】
ニュース・レターに関しては、例えば、(メッセージ管理モジュール112、メッセージ管理モジュール116または上述したシステム内の他の場所において実装される)メッセージ分類器202は、まず最初に人間の手で「ニュース・レター」のカテゴリと「ニュース・レターではない」カテゴリとに分類されたメッセージ群を使用して分類方法を学習させられることが可能である。続いて、上述した2種類のラベル付けされたメッセージ群同士を区別し、人間により分類判断の結果を再現可能な2値分類モデルが生成され得る。分類モデルが分類すべきカテゴリを正確に識別することが出来る精度は「捕捉率」と呼ばれ、分類結果が誤りである比率は、例えば、否定的誤認識(FN:False Negative)および肯定的誤認識(FP:False Positive)などの評価指標によって測定されることが可能である。否定的誤認識は、メッセージ分類器202により使用されるモデルが本来なら「ニュース・レター」であるメッセージを「ニュース・レターではない」とラベル付けしてしまう事象に対応し、肯定的誤認識はこれとは逆に、「ニュース・レターではない」カテゴリに分類されるべきメッセージを誤って「ニュース・レター」とラベル付けしてしまう事象に対応する。
【0028】
メッセージ分類器202の中に組み込まれている上記分類モデルは、様々なカテゴリを表している可能性がある特徴を識別するためにメッセージ204を調べた結果に基づいて
、このような判定処理を実行している。加えて、メッセージ分類器202は、複数の異なる分類モデルからの出力結果を(例えば入札による決定やその他の技法を使用して)最終的な分類判定結果に合成することもまた可能である。従って、相互に関連しない複数の特徴セットにそれぞれ基づいて学習させられた複数の個別的な分類モデルを使用することにより、メッセージ分類器202の分類精度を改善することが可能となる。
【0029】
例えば、「ニュース・レター」のカテゴリに関しては、メッセージ分類器202は多種多様な異なる特徴に着目することが可能である。これらの特徴は、メッセージ204が「返信するな」という警告表示を含んでいるか否か、メッセージ204のヘッダー情報内における設定内容を介して「購読中止」機能を備える特徴がメッセージ204に含まれているか否か、メッセージ204自体の本文の中に「購読中止」機能を備える特徴を表しているテキストやリンクが含まれているか否か等の特徴を含んでいる。メッセージ分類器202は、そのような特徴を送信元の電子メール・アドレスと当該送信元の対応する社会的評価であるとして分類判定の際に考慮することがさらに可能である。
【0030】
「ニュース・レター」を表す何らかのパターンを学習により推定するなどして、コンテンツに基づく学習を分類モデルにさらに取り入れることも可能である。例えば、「ニュース・レター」を表している特性は、メッセージ内に多くのリンクが含まれていることや、メッセージ204の本文の中に組み込まれている特有の書式や、単語や語句の特有の配置や、片方向の通信特性や、宛先指定されている受信者の個数や、受信者からの興味の度合い(未読メッセージのパーセンテージの高さなど)、購読中止機能を備えている特徴を含んでいるかや、個人別に特化されたメッセージ内容ではないことなどを含むことが可能である。「ニュース・レター」のカテゴリ自体およびその他のカテゴリの両者に関して、メッセージ分類判定基準についての多種多様なその他の具体例をさらに考えつくことも出来るだろう。例えば、確認コードを介して受信確認メッセージを識別したり、トランザクション情報を介した受信メッセージを識別したり、およびユーザ状態更新表示を含むことを介したソーシャル・ネットワークからのメッセージを識別したりするために、上述した特徴を使用することが可能である。
【0031】
続いて、カテゴリ206(一つ以上のカテゴリを代表する一つの例示的カテゴリ)に分類されるべきメッセージ204’は、クライアント・デバイス104が後でアクセスするために、メッセージ・ストレージ208の中に保持され、クライアント・デバイス104からの要求に応じるなどの形で、カテゴリに分類され通信されることが可能である。続いて、メッセージ204’が属するカテゴリ206に基づいて、クライアント・デバイス104によって画面出力されるユーザ・インターフェースが構成設定される。例えば、メッセージ管理モジュール112は、メッセージ204’からそれが属すべきカテゴリ206を識別することが可能であり、ここで説明した具体例においては、カテゴリ206は「ニュース・レター」のカテゴリであり、クライアント・デバイス104のユーザによる対話操作のために上述したカテゴリ206に関して画面表示出力される機能部を有する当該ユーザ・インターフェースが通信モジュール108によるアクセスのために構成設定される。
【0032】
そのような機能部を例示する一つの具体例においては、メッセージ204’と関連したカテゴリ206をユーザが閲覧したり修正したりすることを可能にするように当該ユーザ・インターフェースが構成設定されることが可能である。このような仕組みは、以下においてより具体的に後述されるフィードバック情報210をサポートするために使用されることがさらに可能である。例えば、
図3に示すように、「ニュース・レター」フォルダー内に保存されているニュース・レターの出力内容を含んでいるユーザ・インターフェースが画面出力される。「シカゴ・ベアーズ」に関するニュース・レターが選択操作されている様子が
図3に示されており、そのメッセージ内容に関連して使用することが可能な複数の選択項目を含んだメニューが画面出力される。上述したメニューに含まれる選択項目の一例としては、「Create rule」(ルールの作成)の選択項目があり、当該選択項目を選ぶことにより、カテゴリ毎に特有のルール(例えば、特定の送信元からのニュースだけを削除するなどを規定するルール)を作成することが可能である。従って、このルールは、上述したカテゴリ(例えば、「ニュース・レター」)内のメッセージを削除し、その他のカテゴリ内のその他のメッセージを削除せずに残すような設定内容とすることが可能である。
【0033】
上述した機能部のさらに別の具体例は、ユーザがメッセージを再度分類し直すことを可能にする選択項目「reclassify」として図示され、この選択項目は、上述したフィードバック情報210をサポートすることが可能である。そのような機能部のさらに別の具体例には、選択項目「move」および「find related」が含まれ、それらは、メッセージを別のフォルダーに移動させたり、関連するメッセージを見つけたりするために使用することが可能である。
【0034】
ユーザ・インターフェース300はさらに、送信元からのニュース・レターの今後の受信に関してユーザがニュース・レターの購読を解除することを可能にする機能部を含むことも可能である。例えば、ユーザは、「unsubscribe」(購読解除)の選択項目に対応する特徴を選択することが可能である。続いて、メッセージ管理モジュール112は、上述した送信元からのニュース・レターの今後の受信を停止する動作ステップを開始することが可能である。
【0035】
例えば、従来式の「購読解除」の仕組みは、典型的には、サービス・プロバイダ102との間のブラウザ・セッションおよび対応するユーザ体験を、ユーザが別のブラウザ・セッションへと切り替えさせた上で、購読解除の操作を完了するために、ユーザがサードパーティのWebサイトと対話処理することを必要としていた。しかしながら、本発明に係るメッセージ管理モジュール112は、きちんと管理されたユーザ体験を出力することが可能であり、その結果、メッセージ204’内に埋め込まれたメタデータを活用することにより、目に見えない形で上記のような機能が実行される。例えば、メッセージ管理モジュール112は、メッセージ内に含まれている一つ以上のリンクを使用して通信を試み、メッセージのヘッダー情報内に含まれる「購読解除」の機能に対して自動的に応答するなどの動作を実行する。
【0036】
上記のようなメタデータが利用可能ではない場合、通信モジュール108は、メッセージ管理モジュール112によって生成されたユーザ・インターフェース400を画面出力することが可能であり、その結果、
図4に示すとおり、今後のメッセージ受信に関して購読中止するために、ユーザは送信元と対話処理を行うことが可能である。このユーザ・インターフェース400においては、ユーザがメッセージの送信元と対話することが可能な対話手段となるポップアップ・ウィンドウが画面出力され、その結果、ユーザがニュース・レターの購読を中止したい旨をユーザ操作により確認することが可能となる。従って、この具体例においては、サービス・プロバイダ102との間における現在のブラウザ・セッション内でのナビゲーション操作状態からユーザが追い出されることがない。
【0037】
いずれの選択項目も利用可能ではない場合、メッセージ管理モジュール112は、送信元からの今後のメッセージ受信をブロックさせ、これは例えば、上述したルールをそのような動作を引き起こす設定内容とすることによって実現される。本発明に係る一つ以上の実装形態においては、上述した他の2種類の選択項目が利用可能である状況でさえもこのようなメッセージのブロック操作を実行することが可能であり、その結果、送信元が購読解除のリクエストを完全に反映した状態となるまでの間の中間状態において後続のメッセージが受信されることを防止することが可能となる。この事は、送信元が購読解除の機能を実際に実装しているかが疑わしい状況に対処することも可能である。
【0038】
これらの選択項目を選択することにより、当該送信元からの残りのメッセージ(例えば、
図4のユーザ・インターフェース400において示すとおり、ユーザ・アカウントを介して以前に受信したニュース・レターなど)をその他の選択項目が出力する内容から削除するようにすることも可能である。従って、この選択項目を選択する操作は、当該ユーザ・アカウントの受信ボックス内からこのメッセージや他のメッセージを一掃するために使用することが可能である。
【0039】
従って、これらの技法は、ユーザが充分に理解可能ではないかも知れない操作や、ユーザが最後まで実行することさえも可能ではないかも知れない操作をユーザが行うことを促す従来の仕組みを改善する技法である。これらの技法はさらに、ユーザが悪意ある団体に存在を知られる可能性を低減することが可能であり、例えば、送信元へのリンクを辿ることを許可すべきか、当該送信元と通信することなく、当該送信元からのメッセージを単にブロックするべきかを判断するために社会的評価に関する情報を利用することが可能である。例えば、これは、送信元のIPアドレス、送信元のID記録、DKIM、組み込みURLS等に基づくことが可能である。
【0040】
加えて、これらの技法はさらに、フィードバック機能をサポートすることも可能である。例えば、ユーザがメッセージに対して行った対話操作(メッセージを再度分類し直す操作、メッセージの別フォルダーへの移動、既読と未読の区別など)を記述するデータは、メッセージ分類器202によって活用されることが可能である。従って、この情報は、メッセージ分類器202の学習システムに対して利用可能な「信号」を提供することが可能であり、分類モデルの各々の検出特性を調整するために使用することが可能である。この情報は、特定の分類モデルを調整し、一のモデルと他のモデルとの間において相対的に与えられる重みを調整することを含むことが可能である。従って、メッセージ分類器202は、ユーザによる対話処理から学習し、その学習結果に従って自身の動作を調整することが可能である。
【0041】
本実施例においては、ニュース・レターを例にとって説明したが、これらの機能なより一般化可能な機能であり、上述したようなソーシャル・メディアの通知メッセージや受信確認のようなトランザクション的なメッセージなどの任意の種類のカテゴリ分類可能なコンテンツに対して適用可能なものである。メッセージの分類、管理、ユーザ・インターフェースおよびフィードバック機能に関するさらに具体的な検討については、以下の動作手順の説明に関して後述する。
<例示的手順>
以下の説明は、上記したシステムおよびデバイスを利用して実現することができるメッセージ技術について説明する。各手順の態様は、ハードウェア、ファームウェア、もしくはソフトウェア、またはそれらの組み合わせとして実装することができる。本手順は、1つまたは複数のデバイスによって実行される動作を明示する1組のブロックとして示され、各ブロックによる動作を実行するための実行順序は、必ずしも図に示される順序に限定されない。以下の説明の部分では、
図1の環境100、および
図2のシステム200を参照する。
図5は、メッセージを分類すべきカテゴリを判定するのに使用可能な特徴を抽出するためにメッセージが調べられる例示的な実装形態における動作手順500を図示する。メッセージに関する一つ以上の特徴を抽出するために、ユーザ・アカウントを介した配送のために、送信者から受信したメッセージが調べられる(ブロック502)。上述したとおり、特定のカテゴリへの属否を表すことが可能な多種多様な異なる特徴が抽出されることが可能である。ニュース・レターに関して言えば、購読解除の機能をメッセージが含んでいるか否かや転送機能や返信機能(例えば、標準的な個人間のメッセージ交換における機能)が除外されているか否か、メッセージへの返信を禁止する旨の指示の有無などに関して、または上述した機械学習の結果によって識別される特定のパターンに基づくなどして、そのような特徴が抽出される。
【0042】
続いて、抽出された特徴に基づいて、メッセージが一つ以上のカテゴリに対応しているか否かが判定され、ここで、当該カテゴリは、ユーザ・インターフェース内においてメッセージに適用される特徴を有効化するために使用可能である(ブロック504)。上述した具体例の説明を続けると、メッセージ204は、ニュース・レターのカテゴリに該当する旨をメッセージ管理モジュール112は判断することが可能である。続いて、メッセージ管理モジュール112は、そのカテゴリに特有の機能部を画面出力するユーザ・インターフェースを構成設定することが可能である。例えば、そのような機能は、標準的な個人間のメッセージ交換機能において利用可能な各種機能に追加する形で提供されることが可能であり、そのような機能は、例えば、購読解除する機能やこのメッセージを削除するオプションや今後のメッセージをブロックする機能や特定のカテゴリに関して送信元からの過去のメッセージを削除する機能を単一の選択操作により実行する機能や、メッセージがどのフォルダーに含まれているかとは無関係に、カテゴリ内の各メッセージを閲覧することを選択可能なオプションなどである。追加的な具体例については、以下のセクションと関連して後述する。
【0043】
図6は、メッセージの分類結果に基づいてユーザ・インターフェースが構成設定される例示的な実装形態における動作手順600を示す。まず、分類されるべきカテゴリを表すデータとメッセージが受信され、当該分類されるべきカテゴリは、メッセージを通信するための通信手段であるユーザ・アカウントを維持しているネットワーク・サービスがメッセージを調べた結果に基づいて、ネットワーク・サービスが分類した分類結果に従って決定される(ブロック602)。上述したとおり、特定のカテゴリへのメッセージの分類処理は、多種多様な特徴に基づいて実行され得る。
当該カテゴリに基づいてメッセージを画面表示するためのユーザ・インターフェースが構成設定される(ブロック604)。上述したとおり、メッセージ管理モジュール112によってメッセージは、該当するカテゴリ内に自動的にファイリングされることが可能となり、ユーザ操作による介入が不要となるので、その結果、ユーザの受信ボックスを一掃し、特定のカテゴリに基づく機能部を画面出力する等のことが可能となる。後続の図面を参照しながら以下において後述するとおり、メッセージとの間の相互作用は、フィードバック機能をサポートするためにも使用可能である。
【0044】
図7は、メッセージとの間における相互作用を監視した結果に基づいてフィードバック情報が提供される例示的な実装形態における動作手順を説明するフロー図である。ネットワーク・サービスが提供するユーザ・アカウントにアクセス可能となるように設定されたクライアント・デバイスに配送するための通信が形成され、当該通信は、分類されるべきカテゴリを表すデータとメッセージを含んでおり、当該分類されるべきカテゴリは、当該ネットワーク・サービスによりメッセージを調べた結果に基づいて、当該ネットワーク・サービスが分類した分類結果に従って決定される(ブロック702)。例えば、そのような通信は、通信モジュール108による出力内容に関してメッセージ204’のカテゴリ206に基づいて構成設定されるユーザ・インターフェースとして構成される。
【0045】
メッセージとの間の相互作用を記述するフィードバック情報がクライアント・デバイスから受信され、当該受信したフィードバック情報に基づいてネットワーク・サービスが分類を行うために使用可能な一つ以上の処理技術が調整される(ブロック704)。例えば、フィードバック情報は、ユーザがメッセージを再度分類し直したか否かに関して記述することによって、例えば、肯定的誤認識や否定的誤認識の問題などを解決することが可能である。当該フィードバック情報はさらに、ユーザによる対話操作内容が他のカテゴリと比較して特定の一のカテゴリをより強く表象しているか否かを記述することが可能である。例えば、メッセージがニュース・レターと受信確認のどちらにも該当する可能性があるとして分類された場合、ユーザがメッセージに対してどのような対話操作を行ったかに応じて受信確認に該当するとの判断が優先される場合がある。続いて、このフィードバック情報は、メッセージを分類するために使用される技術(分類モデルによって使用されるパラメータ類、モデル間の重み付けなど)を調整するために使用されることが可能である。その他の多種多様な具体例もまた考え付くことが可能である。
<通信技術>
以下の説明は、メッセージをクライアント・デバイス104に配信し、クライアント・デバイス104によってメッセージを伝送するために使用することができる通信技術のさらなる具体例を提供する。
<インスタント・メッセージング>
インスタント・メッセージングは、インスタント・メッセージング・セッション中に、ネットワークを介して、2人以上のユーザがメッセージを交換することを可能にする、一般的なテキスト式の通信ツールである。2人のユーザが同時に接続状態にある場合、例えば、インスタント・メッセージを、2人のユーザの間で、リアルタイムに交換することができる。したがって、インスタント・メッセージを利用して、2人のユーザが通常の声による会話を行う方法を模倣して、2人のユーザ間での文字による会話をサポートすることができる。
【0046】
インスタント・メッセージングは、典型的に、指定された既知のユーザ間での接続を容易にするクライアントに基づいて実施される。しばしば、これらの既知のユーザは、「仲間リスト」または「コンタクト・リスト」と関連づけることができる。インスタント・メッセージングはテキスト式であるが、インスタント・メッセージングは、オーディオおよび/またはビデオなどの追加の特徴を備えることができる。例えば、インスタント・メッセージング・セッション中、ユーザは、ウェブ・カメラもしくは他のビデオ・カメラを使用することによって、互いを見ることができ、ならびに/または、マイクロフォンおよびスピーカを使用して、互いに音声を聞くことができる。
【0047】
一実装態様において、インスタント・メッセージング(IM)モジュールは、複数のサービス・プロバイダの1つまたは複数の使用を通じて、互いと通信する。サービス・プロバイダは、例えば、IMモジュール間でインスタント・メッセージをルーティングするために実行可能である、IM管理モジュールを備えることができる。例えば、クライアントは、IMモジュールに、受信者に通信するためのインスタント・メッセージを形成させることができる。IMモジュールは、インスタント・メッセージをサービス・プロバイダに通信するために実行され、次いで、サービス・プロバイダは、IM管理モジュールを実行して、ネットワーク上でインスタント・メッセージを受信者に向けてルーティング処理する。受信者は、インスタント・メッセージを受信し、IMモジュールを実行して、インスタント・メッセージを表示する。
【0048】
クライアントはまた、(例えば、ピア・ツー・ピア・ネットワークを介して)互いに直接通信可能な態様で接続することができる。その場合、インスタント・メッセージは、サービス・プロバイダを利用することなく、通信される。
<SMS/MMS>
ショート・メッセージング・サービス(SMS)は、固定回線に接続されたデバイスもしくは携帯電話のデバイスと、固定式もしくはポータブル式の他のデバイスとの間で、ネットワークを介して、短いテキスト・メッセージの交換を可能にする通信ツールである。インスタント・メッセージングとは異なり、SMSメッセージは、送信者と受信者の両方が同時にオンラインでなくても伝送することができる。SMSメッセージは、格納および回送のための機構を提供することができる、ショート・メッセージ・サービス・センター(SMSC)に送信することができる。次いで、SMSCは、所期の受信者にSMSメッセージを送信するよう試みることができる。受信者に到達することができない場合、SMSCは、SMSメッセージを待ち状態にして、後でメッセージの送信を再試行することができる。しかしながら、いくつかのSMSCは、メッセージの伝送が1回しか試みられないようにするための「回送および忘却」のオプションを提供する場合がある。SMSメッセージの送信者および受信者の両者は、SMSメッセージを送信または受信するために使用されているデバイスと関連づけられた電話番号によって識別することができる。
【0049】
テキストに加えて、SMS技術は、短いテキスト・メッセージと一緒にマルチメディア・コンテンツの交換を可能にする、マルチメディア・メッセージング・サービス(MMS)を備えるよう機能的に拡張されてきた。マルチメディア・コンテンツは、デジタル写真およびビデオなどを含むことができる。SMSメッセージと同様に、MMSメッセージは、送信者と受信者とを、それぞれの電話番号により識別することができる。
【0050】
MMSメッセージは、SMSメッセージと同様のメッセージ交換サービスであるが、MMSメッセージは、SMSメッセージとは全く異なる方法で配信される。例えば、MMSメッセージ内のマルチメディア・コンテンツは、まず、多目的インターネット・メール拡張(MIME)電子メールと同様の方法で符号化される。続いて、符号化されたMMSメッセージは、キャリアのMMS格納/回送サーバである、マルチメディア・メッセージング・サービス・キャリア(MMSC)に回送される。所期の受信者が、異なるキャリアと関連づけられた場合、MMSCは、符号化されたメッセージを、インターネットを使用して、受信者のキャリアに回送することができる。
【0051】
MMSCがメッセージを受信すると、MMSCは、受信者のデバイスが、MMSメッセージを受信するよう構成されているかどうかを判断することができる。受信者のデバイスが、MMS可能である場合、コンテンツが抽出され、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)フロントエンドと共に一時保管サーバに送信される。次いで、MMSコンテンツのURL(ユニフォーム・リソース・ロケータ)を含むSMS制御メッセージが、受信者のデバイスに送信され、受信者デバイスのワイヤレス・アクセス・プロトコル(WAP)ブラウザを作動させ、URLからMMSコンテンツを開き、受信することができる。しかしながら、受信者デバイスがMMSメッセージをサポートしない場合、MMSCは、MMSコンテンツを受信者デバイスに送信する前に、MMSコンテンツを受信者デバイスにとって適切なフォーマットに修正することを試みることができる。
<電子メール>
電子メールは、一般に、emailまたはe−mailと称され、ネットワーク上で作成者と1人または複数の受信者とでデジタル・メッセージを交換するための通信ツールである。ユーザは、電子メール・メッセージをメール・サーバに送信する、自身の電子メール・プログラムにより、電子メール・メッセージを送信することができる。次いで、メール・サーバは、電子メール・メッセージを他のメール・サーバに、または、後に回送するために同じメール・サーバ上のメッセージ格納部に回送することができる。インスタント・メッセージまたはSMS/MMSメッセージと違い、電子メール・メッセージは、ユーザ名およびドメイン名を含むアドレスによって、送信者と受信者とを識別することができる。
【0052】
電子メール・メッセージは、エンベロープ部分、ヘッダ部分、および本文を備える。ヘッダ部分は、名前および値を有するフィールドを備えることができる。いくつかの例示的なフィールドには、From、To、CC、Subject、Date、および電子メール・メッセージについての他の情報がある。本文は、構造化されていないテキスト・データとして、電子メール・メッセージの基本的なコンテンツを含むことができ、署名ブロックも含むことができる。エンベロープ部分は、電子メール・メッセージの配信のための通信パラメータを格納するために使用される。
【0053】
電子メールは、プロトコルの通信制御プロトコル/インターネット・プロトコル(TCP/IP)プロトコル・ファミリーを使用して実装されるプロトコルの1つである。電子メールを送信するための例示的な一般的プロトコルは、シンプル・メール・トランスファー・プロトコル(SMTP)であり、一方、電子メールを受信するための例示的な一般的プロトコルは、ポスト・オフィス・プロトコル3(POP3)および/またはインターネット・メッセージ・アクセス・プロトコル(IMAP)を含む。TCP/IPは、インターネット、イントラネット、またはエクストラネットの通信規約または通信プロトコルとして使用することができる。電子メール・メッセージがネットワーク上で送信されるとき、TCPは、メッセージまたはファイルのアセンブリをより小さなパケット単位に分解してパケットを組み立てる処理動作を管理し、この処理動作は、メッセージの「パケット化」とも称される。これらのパケットは、インターネットなどのネットワーク上で伝送され、パケットを元のメッセージに再度組み立て直すTCP層によって受信される。IP層は、各パケットのアドレス部分を扱い、各パケットが正しい送信先に到達することを確実にする。
<ウェブ・サービス>
電子メッセージはまた、ウェブ・サービスを介して送信および受信することができる。ウェブ・サービスは、ネットワーク上で相互運用可能なマシン・ツー・マシン間における対話処理をサポートするよう設計されたソフトウェア・システムを備えることができる。ウェブ・サービスの実装態様は、ウェブ・ベースの電子メール・サービスおよび/またはウェブ・ベースのIMサービスを含む。ウェブ・ベースのサービスは、簡易オブジェクト・アクセス・プロトコル(SOAP)規格に従う、拡張マークアップ言語(XML)を含むことができる。他のウェブ・サービスは、応答メッセージの構造の定義に加えて、HTTPリクエスト・メッセージのセットを含むことができる、ウェブ・アプリケーション・プログラミング・インターフェース(WebAPI)を含むことができる。
【0054】
ウェブ・サービスは、いくつかの方法で使用することができる。いくつかの例示的な使用法は、リモート・プロシージャ・コール(RPC)、サービス指向アーキテクチャ(SOA)、およびリプレゼンテーショナル状態転送(REST)を含む。
<例示的システムおよびデバイス>
図8は、
図1を参照して説明したようなコンピューティング・デバイス102を含む例示的システム800を示す。例示的システム800は、パーソナル・コンピュータ(PC)、テレビジョン・デバイス、および/またはモバイル・デバイス上でアプリケーションを実行する場合、シームレスなユーザ体験のためのユビキタス環境を可能にする。ユーザがアプリケーションを利用していたり、ビデオ・ゲームをプレイしていたり、またはビデオを見ていたりしている間に、ユーザが使用するデバイスをあるデバイスから次のデバイスへと切り替えたとしても、サービスおよびアプリケーションは、ユーザに共通のユーザ体験を体験させるために、上述した3つすべてのデバイス環境で実質的に同様に動作する。
【0055】
例示的システム800において、複数のデバイスが、中心となるコンピューティング・デバイスを介して、相互接続される。中心となるコンピューティング・デバイスは、複数のデバイスに対してローカルなデバイスとすることができ、または、複数のデバイスから遠隔に設置することができる。一実施形態において、中心となるコンピューティング・デバイスは、ネットワーク、インターネット、または他のデータ通信リンクを通じて複数のデバイスに接続された1つまたは複数のサーバ・コンピュータのクラウドとしてもよい。一実施形態において、この相互接続アーキテクチャは、複数のデバイス間で機能を配信することを可能にして、複数のデバイスのユーザ同士の間において共通かつシームレスな体験を提供する。複数のデバイスのそれぞれは、異なる物理的要件および能力を有することができ、中心となるコンピューティング・デバイスは、プラットフォームを使用して、デバイスに適合して、さらにすべてのデバイスに共通する体験をデバイスに配信することを可能にする。一実施形態において、実装対象となるデバイスのクラスが作成され、体験は、デバイスの汎用クラスに適合される。デバイスのクラスは、物理的特徴、使用の種類、またはデバイスの他の共通特性によって定義してもよい。
【0056】
本発明に係る様々な実装態様において、コンピューティング・デバイス102は、コンピュータ802、モバイル804、およびテレビジョン806などの様々な異なる構成を使用すると仮定することができる。これら構成のそれぞれは、一般に異なる構成および性能を有する可能性があるデバイスを備え、したがって、コンピューティング・デバイス102は、異なるデバイス・クラスの1つまたは複数に従って構成することができる。例えば、コンピューティング・デバイス102は、パーソナル・コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、マルチスクリーン型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、およびノートブック型コンピュータなどを含むデバイスのコンピュータ802クラスとして実現することができる。
【0057】
コンピューティング・デバイス102はまた、携帯電話、ポータブル音楽プレイヤ、ポータブル型ゲーム機器、タブレット型コンピュータ、およびマルチスクリーン型コンピュータなどのモバイル・デバイスを含むデバイスのモバイル804クラスとして実現することができる。コンピューティング・デバイス102はまた、カジュアルな視聴環境における一般により大型なスクリーンを有するか、またはこれに接続されたデバイスを含むデバイスのテレビジョン806クラスとして実現することができる。これらのデバイスは、テレビジョン、セット・トップ・ボックス、およびゲーム機などを含む。本明細書で説明される技術は、コンピューティング・デバイス102のこれらの様々な構成によってサポートすることができ、本明細書説明される技術の具体例に限定されない。さらに、この機能はまた、以下に記載されるように、「クラウド上に」分散してもよい。
【0058】
クラウド808は、コンテンツ・サービス812のためのプラットフォーム810を含み、および/またはプラットフォーム710を表す。プラットフォーム810は、クラウド808のハードウェア・リソース(例えば、サーバ)およびソフトウェア・リソースの基礎をなす機能を抽出する。コンテンツ・サービス812は、コンピュータによる情報処理動作がコンピューティング・デバイス102から離れたサーバ上で実行される間、利用することが可能であるアプリケーションおよび/またはデータを含むことができる。コンテンツ・サービス812は、インターネット上の、および/または、セルラーもしくはWi−Fiネットワークなどの加入者ネットワークを介したサービスとして提供することができる。
【0059】
プラットフォーム810は、コンピューティング・デバイス102を他のコンピューティング・デバイスと接続するためのリソースおよび機能を抽出することができる。プラットフォーム810はまた、リソースのスケーリングを抽出して、プラットフォーム810を介して実現されるコンテンツ・サービス712に対して生じる要求に対応するスケールのレベルを提供するよう機能することができる。それに応じて、相互接続されたデバイスの実施形態において、本明細書で説明する機能に関する機能の実装態様は、システム800全体にわたって分散配置される形で実装されてもよい。例えば、本機能は、コンピューティング・デバイス102上で、およびクラウド808の機能を抽出するプラットフォーム710を介して、部分的に実現することができる。
【0060】
図9は、本明細書で説明する技術の実施形態を実現するために
図1、
図2、および
図8を参照して説明したような任意の種類のコンピューティング・デバイスとして実現することが可能な例示的デバイス900の様々な構成要素を示す。デバイス900は、デバイス・データ904(例えば、受信データ、受信中のデータ、一斉送信のためにスケジュールされたデータ、データのデータ・パケットなど)の有線通信および/または無線通信を可能にする通信デバイス902を含む。デバイス・データ904または他のデバイス・コンテンツは、デバイスの構成設定、デバイスに格納されたメディア・コンテンツ、および/またはデバイスのユーザと関連した情報を含むことができる。デバイス900に格納されたメディア・コンテンツは、任意の種類のオーディオ、ビデオ、および/または画像データを含むことができる。デバイス900は、ユーザ選択可能入力、メッセージ、音楽、テレビ・メディア・コンテンツ、録音されたビデオ・コンテンツ、ならびに任意のコンテンツおよび/またはデータ・ソースから受信した任意の他の種類のオーディオ、ビデオおよび/または画像データなどの、任意の種類のデータ、メディア・コンテンツ、および/または入力を受信することが可能な1つもしくは複数のデータ入力906を備える。
【0061】
デバイス900はまた、シリアル・インターフェースおよび/またはパラレル・インターフェース、無線インターフェース、任意の種類のネットワーク・インターフェース、モデムのうちの任意の1つもしくは複数として、ならびに任意の他の種類の通信インターフェースとして実現することが可能な通信インターフェース908を含む。通信インターフェース908は、デバイス900と、他の電子的デバイス、コンピューティング・デバイス、および通信デバイスが、デバイス900とデータを通信する通信ネットワークとの間の接続および/または通信のリンクを提供する。
【0062】
デバイス900は、様々なコンピュータ実行可能命令を処理して、デバイス900の動作を制御し、さらに、本明細書で説明する技術の実施形態を実現する、1つまたは複数のプロセッサ910(例えば、任意のマイクロプロセッサおよび制御回路など)を含む。あるいは、またはさらに、デバイス900は、一般に912で識別される処理回路および制御回路と関連して実現される、ハードウェア、ファームウェア、または固定論理回路の任意の1つもしくはこれらの組み合わせを用いて実現することができる。図示しないが、デバイス900は、デバイス内の様々な構成要素と結合するシステム・バスまたはデータ転送システムを含むことができる。システム・バスは、メモリ・バスもしくはメモリ・コントローラ、周辺機器接続バス、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)、および/または任意の様々なバス構造を利用するプロセッサ・バスもしくはローカル・バスなどの、様々なバス構造の任意の1つもしくはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0063】
デバイス900はまた、1つまたは複数のメモリ部品などの、コンピュータ読取り可能記憶媒体914を備え、その例には、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、不揮発性メモリ(例えば、リード・オンリー・メモリ(ROM)、フラッシュ・メモリ、EPROM、EEPROMなどのうちの任意の1つまたは複数)、およびディスク記憶デバイスがある。ディスク記憶デバイスは、ハードディスク装置、記録可能および/または書き換え可能コンパクト・ディスク(CD)、ならびに任意の種類のデジタル多用途ディスク(DVD)などの、任意の種類の磁気記憶デバイスまたは光学記憶デバイスとして実現することができる。デバイス900はまた、大容量記憶媒体デバイス916を備えることができる。
【0064】
コンピュータ読取り可能媒体914は、データ記憶機構を提供し、デバイス・データ904、様々なデバイス・アプリケーション918、ならびにデバイス900の動作態様に関連した任意の他の種類の情報および/またはデータを格納する。例えば、オペレーティング・システム920は、コンピュータ読取り可能記録媒体914上においてコンピュータ・アプリケーションとして保持され、プロセッサ910により実行することができる。デバイス・アプリケーション918は、デバイス・マネージャ(例えば、制御アプリケーション、ソフトウェア・アプリケーション、信号処理および制御モジュール、特定のデバイスにネイティブであるコード、特定のデバイスに対するハードウェア・アブストラクション層など)を含むことができる。デバイス・アプリケーション918はまた、本明細書で説明する技術の実施形態を実現するための任意のシステム構成要素またはモジュールを含む。この例において、デバイス・アプリケーション918は、ソフトウェア・モジュールおよび/またはコンピュータ・アプリケーションとして示した、インターフェース・アプリケーション922および入力/出力モジュール924を含む。入力/出力モジュール924は、タッチスクリーン、トラック・パッド、カメラ、およびマイクロフォンなどの入力を取得するよう構成され、デバイスとのインターフェースを提供するよう使用されるソフトウェアを表す。あるいは、またはさらに、インターフェース・アプリケーション922および入力/出力モジュール924は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせとして実現することができる。さらに、入力/出力モジュール924は、視覚的入力および音声入力をそれぞれ取得するための別々のデバイスなどの、複数の入力デバイスをサポートするよう構成してもよい。
【0065】
デバイス900はまた、オーディオ・データをオーディオ・システム928にもたらし、および/または、ビデオ・データを表示システム830にもたらす、オーディオおよび/またはビデオ入力−出力システム926を備える。オーディオ・システム928および/または表示システム930は、オーディオ、ビデオ、または画像データを処理、表示、および/または、その他の方法で表現する任意のデバイスを含むことができる。ビデオ信号およびオーディオ信号は、RF(無線周波数)リンク、S−ビデオ・リンク、複合ビデオ・リンク、コンポーネント・ビデオ・リンク、DVI(デジタル・ビデオ・インターフェース)、アナログ・オーディオ接続、または他の同様の通信リンクを介して、オーディオ・デバイスに、および/または表示デバイスに、デバイス900から通信することができる。一実施形態において、オーディオ・システム928および/または表示システム930は、デバイス900に対する外部要素として実現される。あるいは、オーディオ・システム928および/または表示システム930は、例示的デバイス900の一体型要素として実現される。
<結論>
本発明は、構造的特徴および/または方法論的処理動作に特有の言語で説明してきたが、本明細書に添付された特許請求の範囲で規定される本発明は、本明細書中に記載した特定の技術的特徴または処理動作に必ずしも限定されないことを理解すべきである。むしろ、そのような特定の技術的特徴および処理動作は、特許請求する本発明を実現するための単なる例示的形態として開示されるにすぎない。