特許第6242801号(P6242801)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6242801骨ブローチ及び骨ブローチを製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6242801
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】骨ブローチ及び骨ブローチを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/16 20060101AFI20171127BHJP
   A61B 17/56 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   A61B17/16
   A61B17/56
【請求項の数】17
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-543970(P2014-543970)
(86)(22)【出願日】2012年11月29日
(65)【公表番号】特表2015-502794(P2015-502794A)
(43)【公表日】2015年1月29日
(86)【国際出願番号】GB2012052947
(87)【国際公開番号】WO2013079944
(87)【国際公開日】20130606
【審査請求日】2015年11月13日
(31)【優先権主張番号】1120642.2
(32)【優先日】2011年12月1日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500353989
【氏名又は名称】デピュー インターナショナル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ヤング・ダンカン
【審査官】 宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06168599(US,B1)
【文献】 特表2011−521718(JP,A)
【文献】 特表2007−534356(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0276393(US,A1)
【文献】 米国特許第06120508(US,A)
【文献】 米国特許第05006121(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00 − 17/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに隣接配置された複数の平面部材を含む骨ブローチであって、前記平面部材それぞれが、少なくとも1つの他の平面部材に結合され、前記複数の平面部材の少なくとも一部はその外周部に少なくとも1つの切削輪郭を画定し、前記複数の平面部材が、
互いに平行な平面部分を有する第1の平面部材の第1グループと、
前記第1の平面部材の前記平面部分に対して角をなす平面部分を有する少なくとも1つの第2の平面部材と、を含み、
前記第1の平面部材のそれぞれが、少なくとも1つの開口部を有し、前記第2の平面部材が、前記第1の平面部材の前記開口部と係合させるための少なくとも1つの突起部を有し、
それぞれの前記第1の平面部材の前記開口部が整列するように、隣接する前記第1の平面部材を互いに接触して配置することにより、整合された開口部が形成され、前記第2の平面部材が、前記整合された開口部と係合する大きさの突起部を備える、骨ブローチ。
【請求項2】
前記第2の平面部材は第2グループの平面部材の1つであり、前記第2の平面部材は、組み立てられたブローチにおいて互いに平行な平面部分を有しており、前記第2の平面部材の前記平面部分は前記第1の平面部材の前記平面部分に対して角をなす、請求項1に記載の骨ブローチ。
【請求項3】
前記第2の平面部材が、前記第1の平面部材の前記平面部分に対して垂直な平面部分を有する、請求項2に記載の骨ブローチ。
【請求項4】
更に、追加の平面部材を有しており、前記第1の平面部材、前記追加の平面部材、および前記第2の平面部材が、互いに組み合わせられるように構成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の骨ブローチ。
【請求項5】
前記整合された開口部が、前記第1の平面部材の前記平面部分に垂直な方向に前記第1の平面部材を通って延びる、請求項に記載の骨ブローチ。
【請求項6】
前記第2の平面部材が、前記整合された開口部を通ってそこから延びる大きさの突起部を備え、前記整合された開口部から延びる前記突起部の少なくとも一部分が少なくとも1つの切削輪郭を画定する、請求項に記載の骨ブローチ。
【請求項7】
前記複数の平面部材が、金属又は金属合金を含み、点溶接によって連結される、請求項1〜のいずれか一項に記載の骨ブローチ。
【請求項8】
前記複数の平面部材の少なくとも1つが、前記第1の平面部材の前記開口部よりも大きい大開口部を有する、請求項のいずれか一項に記載の骨ブローチ。
【請求項9】
骨ブローチを製造する方法であって、
(a)複数の平面部材を準備することであって、前記複数の平面部材の少なくとも一部が外周部で少なくとも1つの切削輪郭を画定する、複数の平面部材を準備することと、
(b)前記複数の平面部材を、
互いに平行な平面部分を有する第1のグループの第1の平面部材、及び
前記第1の平面部材の前記平面部分に対して角をなす平面部分を有する少なくとも1つの第2の平面部材、に配列することと、
(c)前記複数の平面部材を1つに連結することと、を含み、
前記準備するステップが、
前記第1の平面部材のそれぞれに少なくとも1つの開口部を形成することと、
前記第2の平面部材に少なくとも1つの突起部を形成することと、を含み、
前記配列するステップが、前記第1の平面部材の前記開口部を前記第2の平面部材の前記突起部と係合させることを含み、
前記配列するステップが、
それぞれの前記第1の平面部材の前記開口部が整列するように、隣接する前記第1の平面部材を互いに接触して配置することにより、整合された開口部を形成することと、
前記整合された開口部を前記第2の平面部材の前記突起部と係合させることと、を含む、方法。
【請求項10】
前記準備するステップが、材料シートから切削すること又はエッチングすることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記準備するステップが、前記複数の平面部材を同じ材料シートから切削又はエッチングすることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の平面部材が第2グループの平面部材のうちの1つであり、前記第2の平面部材が、組み立てられたブローチにおいて互いに平行な平面部分を有しており、前記第2の平面部材の前記平面部分は前記第1の平面部材の前記平面部分に対して角をなす、請求項11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の平面部材の前記平面部分が、前記第1の平面部材の前記平面部分に対して垂直となるように前記配列するステップで配列される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記配列するステップが、前記第1の平面部材及び前記第2の平面部材を組み合わせることを含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記配列するステップが、前記整合された開口部が前記第1の平面部材の前記平面部分に垂直な方向に前記第1の平面部材を通って延びるように、前記第1の平面部材のそれぞれを配置することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項16】
前記配列するステップが、前記突起部が前記整合された開口部から延びて少なくとも1つの切削輪郭を画定するように、前記第2の平面部材の前記突起部を前記整合された開口部と係合させることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の平面部材が、金属又は金属合金を含み、前記連結することが点溶接を含む、請求項16のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプラントを受支するための準備として骨の内部に穴を設けるための骨ブローチに関する。また、本発明は、骨ブローチを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
骨ブローチは、インプラントを受支する大きさの窩洞を形成するために、骨、例えば大腿骨の内部に窩洞を設けるための手術で使用される。1片の金属又は金属合金の機械加工によって骨ブローチを製造することは周知である。製造原価は比較的高いが、骨ブローチは、インプラントに密に合致する所望の輪郭でもって確実に製造することができる。このようにして製造される骨ブローチは、外科医には既知であり、信頼されている。骨ブローチが高価であるということは、繰り返し使われるということであり、使用の都度除染/殺菌しなければならないことを意味する。
【0003】
インプラントに必要な開口部の最終的な大きさに応じて、連続的にサイズを大きくする複数のブローチが必要であってもよい。最後のブローチがインプラントのサイズに一致するまで、各ブローチは開口部をそれぞれわずかだけ拡大させる。例えば、大腿骨に小さなインプラント用の開口部を空ける場合、2つのブローチが必要かもしれない。中程度のサイズの大腿骨インプラントでは、4つのブローチが必要かもしれない。大きなサイズの大腿骨インプラントでは、7つのブローチが必要かもしれない。
【0004】
使い捨ての器具を提供して、使用後における除染及び殺菌コストを回避することより経済的となるように、骨ブローチのコストの低減は望ましいことであろうと思われる。
【0005】
米国特許第5,006,121号には、長軸方向支持マンドレルを含む骨ブローチが開示されている。ブローチの輪郭は、プレートの積み重ね物がブローチの形を画定するようにマンドレル上に積み重ね物として積み重ねた複数のブローチプレートによって画定される。これらのブローチプレートは、マンドレルの縦軸に垂直な平面を画定するように積み重ねられる。使用時、ブローチは縦軸に沿って往復運動する。
【0006】
米国特許第5,006,121号開示の構造は、輪郭あつらえ方式でブローチを製造することが可能である。しかしながら、器具の軸線に垂直にブローチプレートが配列されているため、使用中にプレートが互いにあるいはマンドレルから分離され得るリスクがある。使用時、軸線沿い力がプレートに対して垂直に作用し、時々プレートを隣接のプレートから切り離すことが可能なかなりの力を及ぼすことがある。この欠点はこの文献の中で認められていて、ブローチプレート間の結合が破損したならば、骨の内部からのそれらのプレートを取り出すことができるようにすることが望ましいと記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
手術用に使い捨ての骨ブローチを提供できるように、比較的安価に製造することが可能な骨ブローチを提供することは望ましいことであろうと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、少なくとも第1グループと第2グループに分割される複数の実質的平面部材を含む骨ブローチを提供する。各グループ内の実質的平面部材によって画定される平面は互いに、かつ第1グループに対して角をなす第2グループによって画定される平面(複数可)に対して互いに平行である。これにより、上記米国特許第5,006,121号に開示される構造と比較して、使用時のプレート同士の分離のリスクが低減される。
【0009】
従って、本発明は、互いに隣接配置された複数の実質的平面部材を含む骨ブローチを提供する。各実質的平面部材は、少なくとも1つの他の実質的平面部材に結合され、実質的平面部材の少なくとも一部はその外周部に少なくとも1つの切削輪郭を画定する。複数の実質的平面部材は、互いに実質的に平行な平面を画定する第1グループの実質的平面部材と、第1グループの実質的平面部材によって画定される平面に対して角をなす平面を画定する、少なくとも1つの更なる実質的平面部材と、を含む。切削輪郭は、実質的平面部材の深さにわたって、1つ以上のカッティングエッジ及び/又は他の形状構造を含み得る。切削輪郭は、縦軸沿いの方向に用いることができる。いくつかの構造においては、骨ブローチは、切削輪郭を画定しない平面部材を更に含み得る。
【0010】
更なる実質的平面部材は、しばしば、組み立てた状態のブローチで互いに実質的に平行な平面を画定する第2グループの平面部材の1つであり、この第2グループの平面部材によって画定される平面は第1グループによって画定される平面に対して角をなすことが好ましい。
【0011】
第1グループの各プレートは、しばしば、その外周部に1つ以上の切削輪郭を画定することが好ましい。更なる実質的平面部材又は第2グループの一部若しくはすべての各プレートは、しばしば、その外周部に1つ以上の切削輪郭を画定することが好ましい。
【0012】
このような構造によれば、製造し易く、安価で、使用時に平面部材が骨中に残置されるリスクが最小限に抑えられる骨ブローチが得られる。更なる長所は、米国特許第5,006,121号に開示されるプレート積み重ね物構造及び従来技術の機械加工骨ブローチよりも、歯輪郭の可能な範囲が広いということである。
【0013】
実質的平面部材のグループ化によって、それらの平面部材を、骨ブローチによって骨中に形成することが必要な開口部の容積及び形状に大まかに対応する器具の容積及び形状を画定する積み重ね物の形に成形することが可能になる。
【0014】
いくつかの実施形態においては、第1グループ、又は第2グループ、あるいは第1グループと第2グループとの両方の実質的平面部材によって画定される平面も器具の縦軸と平行であってもよい。このことは、器具により設けられる所望の輪郭に応じる。所望の輪郭に特定可能な縦軸がある場合、骨又は両方のグループの実質的平面部材の平面を軸線と平行に配列すると、特に好都合である。しかしながら、他の実施形態においては、使用時に円弧状パスに沿って移動することを意図した器具のように、特定可能な縦軸を持つ輪郭はないかもしれない。その場合は、実質的平面部材の平面を縦軸と平行に配列することは好都合でも可能でもないかもしれない。
【0015】
好ましくは、更なる実質的平面部材によって画定される平面は、第1グル−プの実質的平面部材によって画定される平面に実質的に垂直である。これによって、より強い構造を得ることができる。
【0016】
同様に、第2グループの実質的平面部材によって画定される平面は、第1グループの実質的平面部材によって画定される平面に実質的に垂直な平面を画定することが好ましい場合もある。これによって、より強い構造を得ることができる。
【0017】
一実施形態においては、第1グループを、内側横方向のカッティングエッジが得られるように整列させ、第2グループを、内側横方向のカッティングエッジに垂直なカッティングエッジが得られるように整列させることができる。
【0018】
好ましくは、第1グループの実質的平面部材及び更なる実質的平面部材又は第2グループの実質的平面部材は、連動する積み重ね物を形成する。これらの連動する積み重ね物は、第1グループの実質的平面部材を更なる実質的平面部材又は第2グループの実質的平面部材と連動させることができる。これにより、構造強度が改善される。また、この構造により、更なる接着剤又は接合の必要を最小限に抑えて骨ブローチを構造することができ、構造費が更に低減される。
【0019】
好ましくは、第1グループの各実質的平面部材は、少なくとも1つの開口部を画定し、更なる実質的平面部材又は第2グループの各実質的平面部材は、第1グループの少なくとも1つの実質的平面部材の開口部に係合する少なくとも1つの突起部を画定する。この少なくとも1つの開口部は、好ましくは、それが画定する平面に垂直な方向に実質的平面部材中を通って延びる。これによって、連動する積み重ね物を簡単な構造で達成することが可能になる。
【0020】
一実施形態においては、第1グループの各実質的平面部材中の少なくとも1つの開口部を第1グループの直接隣接する実質的平面部材中の開口部と整合させ、これによって整合された開口部を形成し、更なる実質的平面部材又は第2グループの少なくとも1つの実質的平面部材は、上記整合された開口部と係合する大きさの突起部を含む。整合された開口部を設けることによって、単一の突起部を2枚以上のプレートと連動させることができて、構造全体をより強化し、第1グループ中の隣接プレート同士を一緒にロックすることができる。
【0021】
好ましくは、整合された開口部は、第1グループの実質的平面部材によって画定される平面に垂直な方向に第1グループの実質的平面部材中を通って延びる。これによって、総じて直線状の突起部が整合された開口部と係合することが可能になるので、これにより組み立て易さが簡潔化される。
【0022】
任意形態として、更なる実質的平面部材又は第2グループの少なくとも1つの実質的平面部材は、整合された開口部を貫通して、そこから延びる大きさを持つ突起部を含み得る。開口部から延びる突起部の少なくとも一部分は、少なくとも1つの切削輪郭を画定する。このように、突起部はカッティングエッジを画定すると共に、第1グループのプレートを連動させる更なる目的をも果たすことができる。これによっても、第1グループの反対側にある更なる実質的平面部材又は第2グループの実質的平面部材の対向縁部にカッティングエッジを設けることが可能になる。
【0023】
好ましくは、第1グループ、及び存在する場合には第2グループの複数の実質的平面部材は、各々、複数の実質的平面部材の他の実質的平面部材に当接する。これによって、個々の部材間の間隙を最小にした中実な構造が得られる。
【0024】
有利な実施形態においては、複数の実質的平面部材は金属又は金属合金を含む。次に、個々の部材を実質的平面部材の積み重ね物のどちらかの側で点溶接することにより連結する。これによって、骨ブローチをコスト効率の良いやり方で製造することが可能になる。
【0025】
一実施形態においては、複数の実質的平面部材が少なくとも部分的に中空である固形構造を画定するように、複数の実質的平面部材の少なくとも1つが開口部を画定する。これによって、骨ブローチが従来技術のブローチより軽くなって、扱い易くなり、製造コスト及び運送コストが低減されるという効果が得られる。
【0026】
更なる実施形態においては、実質的平面部材を3つ以上のグループに分割して、その各グループが他のグループによって画定される平面に対して角をなす平行平面を画定するようにすることができる。第1グループ以外の1つ以上のグループは、各々1枚のプレート又は複数枚のプレートを含むことが可能である。
【0027】
他の態様において、本発明は、異なるサイズの少なくとも2つの骨ブローチのシステムを提供する。その少なくとも1つの骨ブローチは、上述の任意の特徴と共に又はそれらの特徴がなしで、上述されるように構造される。また、このシステムは、複数の実質的平面部材を含まない少なくとも1つの更なる骨ブローチを含む。例えば、この少なくとも1つの骨ブローチは、単一の材料塊を機械加工することにより製造することが可能である。前述のように構造された骨ブローチは、一般により安価に製造され、使い捨て可能でもあるが、機械加工した骨ブローチは再使用可能であってもよい。これは、使い捨ての骨ブローチの長所を再使用可能な骨ブローチに組み合わせることである。このことは複数の実質的平面部材を含まない骨ブローチがシステムで最大のサイズである場合に、それを最終仕上げに用いることが可能になり、特に好都合である。
【0028】
他の態様において、本発明は、骨ブローチを製造する方法を提供し、方法は、
(a)少なくとも一部が外周部で少なくとも1つの切削輪郭を画定する複数の実質的平面部材を作製することと、
(b)これら複数の実質的平面部材を、
互いに実質的に平行な平面を画定する第1グループの実質的平面部材と、
実質的平面部材の第1グループによって画定される平面に対して角をなす平面を画定する少なくとも1つの更なる実質的平面部材と、に配列することと、
(c)複数の実質的平面部材を1つに連結することと、を含む。
【0029】
これにより、使い捨ての器具が実現可能なように製造コストが低減される、費用対効果に優れた骨ブローチを製造する方法が可能になる。
【0030】
調製には、材料シートを切削すること又はエッチングすることを含み得る。レーザー切削、打抜き、ウォータージェット切削、針金接合、CNC機械加工、CNCパンチング及び直接金属レーザー焼結法を含めて、他の切削技術を使用することも可能であるが、現在は、化学エッチングを用いることが好ましい。一般的には、より低コストの切削技術がより望ましい。
【0031】
好ましくは、調製は、同じ材料シートから複数の実質的平面部材を切削すること又はエッチングすることを含む。これにより、同じ材料シートを用いて骨ブローチのすべての要素を形成するので、改善された品質管理が可能になる。このことはまた、各実質的平面部材の厚さの一様性を確実にする。
【0032】
更なる実質的平面部材は、しばしば、第2グループの平面部材、組み立てた状態のブローチで互いに実質的に平行な平面を画定する第2グループの平面部材、第1グループによって画定される平面に対して角をなす第2グループの平面部材によって画定される平面、の1つであることが好ましい。
【0033】
配列するステップは、更なる実質的平面部材又は第2グループの実質的平面部材は、第1グループの実質的平面部材によって画定される平面に実質的に垂直な平面を画定することが可能である。これにより、より強い構造を達成することが可能になる。
【0034】
いくつかの実施形態においては、第1グループの平面部材及び更なる実質的平面部材、又は第2グループの実質的平面部材は、連動する積み重ね物を形成してもよい。
【0035】
調製ステップは、第1グループの各実質的平面部材に少なくとも1つの開口部を画定することと、更なる実質的平面部材又は第2グループの各実質的平面部材に少なくとも1つの突起部を画定することと、次に、実質的平面部材を配列することが、第1グループの少なくとも1つの実質的平面部材の開口部を突起部と係合させることと、を更に含むことができる。これにより、開口部が突起部と係合してグループを共に連結する、連動する積み重ね物を得ることが可能になる。
【0036】
配列するステップは、第1グループの各実質的平面部材の少なくとも1つにおける開口部を第1グループの直接隣接した実質的平面部材の開口部と整合させることにより整合された開口部を得ることと、整合された開口部を更なる実質的平面部材又は第2グループの少なくとも1つの実質的平面部材の突起部と係合させることと、を更に含み得る。これにより、突起部は、第1グループのいくつかの部材を共に連動して、それらが自ら画定する平面内で動かないようにすることができる。
【0037】
好ましくは、配列するステップは、整合された開口部が第1グループによって画定される平面に垂直な方向に第1グループ中を通って延びるように第1グループの直接隣接した実質的平面部材を整列させることを含む。これにより、第1グループの直線状の開口部に突起部を挿入することができるため、より容易な構造が可能になる。
【0038】
いくつかの実施形態においては、配列することは、第2グループの少なくとも1つの実質的平面部材の突起部を、突起部が開口部から延びてカッティングエッジを画定するように整合された開口部に係合させることを更に含む。これにより、第2グループの部材が、第1グループの平面部材の両側にカッティングエッジを画定することが可能になる。
【0039】
好ましくは、複数の実質的平面部材は各々、複数の実質的平面部材の中の他の平面部材と直接当接し、それによって中実な三次元構造を形成する。
【0040】
複数の実質的平面部材は、好ましくは、金属又は金属合金を含み、連結することは点溶接を含む。これにより、更なる接着剤又は溶接フラックスを用いる必要がないコスト効率の良い仕方で、構造を共に連結することができる。これにより、使用する材料は実質的平面部材自体の材料だけであるため、ブローチの生体適合性を改善することができる。
【0041】
本発明の他の態様においては、異なるサイズの少なくとも2つの骨ブローチのシステムを製造する方法であって、前述の方法によって各骨ブローチを製造すること(上述の任意形態の特徴の有無にかかわらない)を含み、実質的平面部材の少なくとも1つの部材の形状が少なくとも2つの骨ブローチにおいて同じである、方法を提供する。これにより、設計の再使用及び構造の簡潔化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
ここで、本発明の実施形態をもっぱら例示説明のために以下の添付図面を参照して説明する。
図1】本発明の一実施形態による骨ブローチの斜視図である。
図2図1の骨ブローチを形成するために使用する構成部品を単一の材料シート上に配列した状態を示す。
図3図1に示すような骨ブローチのいくつかの組み立て段階を示す。
図4図1に示すような骨ブローチのいくつかの組み立て段階を示す。
図5図1に示すような骨ブローチのいくつかの組み立て段階を示す。
図6図1に示すような骨ブローチのいくつかの組み立て段階を示す。
図7】一部中空の骨ブローチを製造するために図1に示す構成部品のうちの一部の設計の修正を示す。
図8図1の骨ブローチの部分分解図である。
図9図1の骨ブローチの設計に基づく拡大サイズの骨ブローチの部分分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
添付図面を参照して、図1は、本発明の第1の実施形態による骨ブローチ2の斜視図である。この後より詳細に説明するように、骨ブローチは、ブローチによって骨に設けることが必要な形状に対応する外輪郭を有する三次元構造を画定するよう互いに隣接配列された複数の実質的平面部材又はシート部材を含む。図1に示すように、骨ブローチ2は、インプラントを受支するための準備として大腿骨の内部に開口部を空けるためのものである。他の実施形態では、開口部を空けようとする骨、及びブローチで設けることが必要な窩洞の形状構造に応じて他の形状構造とすることが可能である。
【0044】
骨ブローチ2は、ブローチを構成するシート部材の端縁によって画定される複数の切削面4を備える。また、ブローチは、ブローチを把持するため、また使用時にブローチを操作するために使用することができるステム6を備える。
【0045】
骨ブローチ2は縦軸8を画定し、ブローチは窩洞を設けるためにこの軸に沿って骨に挿入され、骨から引き出される。(図示省略した他の実施形態においては、ブローチが湾曲パス又は円弧状パス沿いに使用されることがあるが、その場合は縦軸は画定されない。)骨ブローチ2を構成する複数のすべてのシート部材は、縦軸8と平行な平面を画定するように配列される。
【0046】
この実施形態においては、複数のシート部材を相互に垂直な平面を画定する2つのグループに分割することにより構造が強化される。これによって、連動型構成を設けることが可能となる。シート部材のグループへの分割及び連動型構成について、以下より詳細に説明する。
【0047】
図2は、材料シート10を示し、これから図1に示すような骨ブローチを構成する部品を調製することができる。これらの構成部品は、第1グループを形成する第1グループのシート部材12a...12kを含む。組み立てられた骨ブローチ2において、第1グループは、平行平面を画定し、このグループの他のシート部材のうちの1つに当接する。その上、この第1グループはすべて、少なくとも1つの完全に周囲を囲まれた開口部14を画定する。第1グループのシート部材と平行な平面内に配列されているが、完全に周囲を囲まれた開口部は画定しない更なる部材16が設けられている。また、構成部品には、第2グループを形成する平面部材18a...18cもある。組み立てられた骨ブローチ2においては、第2グループは、組み立てられた骨ブローチ2の第1グループの平面に垂直な平面に配列される。第2グループの各シート部材は、各部材によって画定される平面内に延びる少なくとも1つの突起部20を備える。
【0048】
個々のシート部材は、ステンレス鋼で製造することが好ましく、従って、シート10はステンレス鋼板である。好ましくは、他の厚さを用いることもできるが、シートの厚さは約2mmである。いくつかの代替実施形態においては、他の金属又は金属合金を含む他の材料を使用してもよい。図2に示すように、材料シート10のサイズは、A4用紙のサイズ(長さ297m×幅210mmm)に相当する。このように、図2には、完全な骨ブローチを形成するのに十分な部品をどのようにしてステンレス鋼板のA4用紙の半分より小さい面積で得ることができるかが描かれている。
【0049】
構成部品は、化学エッチング技術を用いて、ステンレス鋼板10のシートから切削することが好ましい。これは、化学エッチング用の金型費は安く、代替の治工具設備(異なる輪郭及びサイズのブローチ製作用の)を比較的簡単に製作することができるためである。また、エッチングは、より複雑な形状で、シートの平面上の異なる位置で変化する深さにすることが可能である。これにより、より複雑な輪郭のものを製造して、切削輪郭又はシート部材の連動を改善することが可能になり得る。また、この方法は、識別マークをシート部材上に付して、組み立てを支援し、使用時における骨ブローチの容易な識別を可能にすることができる。
【0050】
いくつかの代替実施形態においては、構成部品は、材料シート10から他の適切な方法を用いて切削することが可能である。これには、打抜き、レーザー切削及びウォータージェット切削がある。これらのうち、打抜きは、ブローチの各代替実施形態の形状構造用の治工具設備のコストから見てあまり好ましくない。
【0051】
ここで、個々のコンポーネント12a...12k、16及び18a...18cからの図1の骨ブローチ2の構造について図3〜6を参照して説明する。図3は、骨ブローチの構造における最初のステップを示す。第1グループのシート部材12はすべて、開口部14が隣接のシート部材12の開口部14と整合するよう互いに当接して配列されている。第2グループのシート部材18a〜18cは、第1グループのシート部材12によって画定される平面に垂直な平面を備えている。これらは、突起部20がシート部材12a〜12kの第1セットの整合された開口部14と係合することができるように配列される。
【0052】
図4は、組み立ての次のステージで、第2グループのシート部材18cが、突起部20が第1グループの整合された開口部14と係合するように、挿入された状態を示している。突起部20は、それらの遠端が反対側に突出して切削輪郭を画定するように、整合された開口部を通って延びる。突起部20によって画定される切削輪郭の反対側で、構成部品18c自体の端縁は、シート部材12のグループの端縁によって画定される切削輪郭に垂直な平面に1組の切歯を画定する。構造におけるこの点において、第2グループのシート部材18cが第1グループのシート部材12と連動して、突起部20が第1グループのシート部材中に画定された開口部14の大きさとぴったり適合していることにより、第1グループのシート部材12がそれらが画定する平面内で動くのを防ぐ。
【0053】
次に、図5に示すように、第2グループの残りのシート部材18a、18bが、シート部材18cと反対側から第1グループ12の整合された開口部に挿入される。これによって、シート部材12との更なる連動がもたらされる。同時に、第2グループのシート部材18a、18b、18cが、骨ブローチが大腿骨に開口部を空けるために用いられる場合における内側横方向側の切削輪郭を画定する。
【0054】
組み立ての最終ステップにおいては、シート部材16が、第1グループの要素12と当接させて置かれる。完全に囲まれていないシート部材15の開口部22を、第2グループの構成部品18a〜18cの突起部と係合させる。これにより、一組の連動プレートが設けられる。
【0055】
次に、プレートは、様々な点で点溶接することによって共に接合される。この実施形態においては、位置24、26、28及び30で4つのスポット溶接部が形成される。図6に矢印で示すように、点溶接は溶接部が必要な部位の両側に電極を当て、それらの電極間に電流を流すことによって行われる。電流は、金属中を流れて、金属の局所加熱を惹起する。この加熱は、その部位の金属を溶かしてプレートを共に溶接するのに十分である。
【0056】
点溶接は、ブローチの生体適合性に影響を及ぼす可能性がある別途の化学系接着剤の使用が回避されるので、この用途において特に効果的である。しかしながら、他のいくつかの実施形態においては、個々のシート部材は、例えば、各プレートと組み立てとの間に天然系接着剤又は他の形の接着剤を使用して、他の方法で結合することも可能である。使用することが可能な他の結合方法としては、ねじ、リベット、圧入又はスエージ加工のような機械的固定がある。卑金属の弾性を使用して、シート部材自体内にシート部材と契合して共に結合するクリップを画定することも可能である。
【0057】
従って、本発明はコスト効率が良く、製造が簡単な骨ブローチを最小限の材料及び製造コストで供給する。所望のブローチの形状に応じて、材料シートから切削される構成部品用のテンプレートを変えることができる。結果的に得られるブローチは、すべて骨ブローチの縦軸に実質的に平行であるため、使用時に互いに分離するリスクがない連動プレートを含む。
【0058】
上述のような骨ブローチは、様々なサイズで製造することが可能である。例えば、骨に必要とされる窩洞の最終サイズに応じて、連続的にサイズを大きくする複数の骨ブローチを提供することが可能である。使用時には、これらを順繰りに使用して、窩洞を漸進的に拡大する。
【0059】
図7は、図1に示す構造に基づく更なる実施形態からのシート部材36、38の例を示す。ここで、シート部材36、38の少なくとも一部は、より大きな周囲を囲まれた開口部40の大きさに合わせて修正されている。図7では、明瞭にするために、修正したシート部材だけ示されており、残りのシート部材は図1に示すものと同様である。
【0060】
より大きな周囲を囲まれた開口部40は、他のシート部材からの突起部を受支し、骨ブローチの構造を形成するのに必要であるよりも大きなスペースを提供する。その結果、最終構造には、外輪郭に間隙を設けることなく中空部分を含められる。これによって、骨ブローチ最終製品の材料費及び重量を低減することができる。
【0061】
図7に示すように、第1グループと第2グループとの両方のシート部材のうちの一部には、より大きな周囲を囲まれた開口部40が設けられている。別の実施形態においては、1つのグループのシート部材だけにより大きな周囲を囲まれた開口部を設けることが可能である。
【0062】
他の実施形態においては、異なるサイズの骨ブローチのシステムのうちの一部は、一部のシート部材の設計をシステムの他のものと共有することが可能である。例えば、より大きな骨ブローチが、より大きなサイズを画定する更なるシート部材を併用する際に、より小さなブローチと同じシート部材を使用することが可能である。この関係は、図8及び9に図式的に示してある。
【0063】
図8は、図1の骨ブローチの部分分解図である。図示されるように、骨ブローチは第1の部分42と第2の部分44とを含む。図9には、第1の部分42及び第2の部分44の設計を再利用し、単一の更なるシート部材46を挿入することによって、どのように大きなサイズの骨ブローチを形成することができるかが示されている。これにより、異なるサイズの骨ブローチの設計を簡潔化することが可能になる。
【0064】
図9に示すように、より小さなサイズの骨ブローチのすべてのシート部材を再使用して、より大きなサイズの骨ブローチを形成する。しかしながら、これは必須の形態ではなく、別の実施形態においては、全シート部材よりは少ないシート部材を再使用して、なおかつ構造及び設計の簡潔化という長所を得ることが可能である。
【0065】
本発明は、もっぱら本発明により製造された骨ブローチからなるシステムで使用できることが企図される。しかしながら、シート部材で作られていない骨ブローチ、例えば、従来の機械加工された骨ブローチ、又は直接金属焼結法、鋳造、MIM、若しくはプラスチック射出成形のような他のプロセスによって作製された骨ブローチを使用して、窩洞の最終形状を設ける場合には、より高品質の仕上げを提供できる可能性がある。その場合は、本発明は、前述のように形成された複数の骨ブローチと、機械加工により形成された単一の骨ブローチと、を含むシステムの一部を形成する。その場合、機械加工された最終ステップのブローチのコストがより高いということは、それを再使用可能な器具とすることが望ましいことを意味する。その一方、上記の本発明の方法によって形成された骨ブローチは、使い捨てを対象としたものである。従って、1つしかない高価な骨ブローチは、再使用して、使用後に除染/殺菌処理する必要があることから、器具設備コスト及び手術の後の除染/殺菌の必要が低減される。
【0066】
〔実施の態様〕
(1) 互いに隣接配置された複数の実質的平面部材を含む骨ブローチであって、前記実質的平面部材それぞれが、少なくとも1つの他の実質的平面部材に結合され、前記実質的平面部材の少なくとも一部はその外周部に少なくとも1つの切削輪郭を画定し、前記複数の実質的平面部材が、
互いに実質的に平行な平面を画定する第1グループの実質的平面部材と、
前記第1グループの実質的平面部材によって画定される前記平面に対して角をなす平面を画定する少なくとも1つの更なる実質的平面部材と、を含む、骨ブローチ。
(2) 前記更なる実質的平面部材は、組み立てた状態のブローチで互いに実質的に平行な平面を画定する第2グループの平面部材の1つであり、前記第2グループの平面部材によって画定される前記平面は前記第1グループによって画定される前記平面に対して角をなす、実施態様1に記載の骨ブローチ。
(3) 前記第2グループの実質的平面部材が、前記第1グループの実質的平面部材によって画定される前記平面に対して実質的に垂直な平面を画定する、実施態様2に記載の骨ブローチ。
(4) 前記第1グループの平面部材、及び前記更なる実質的平面部材又は前記第2グループの平面部材が、連動する積み重ね物を形成する、実施態様1〜3のいずれかに記載の骨ブローチ。
(5) 前記第1グループの各実質的平面部材が、少なくとも1つの開口部を画定し、前記更なる実質的平面部材又は前記第2グループの実質的平面部材が、前記第1グループの少なくとも1つの実質的平面部材の開口部と係合させるための少なくとも1つの突起部を画定する、実施態様1〜4のいずれかに記載の骨ブローチ。
【0067】
(6) 前記第1グループの各実質的平面部材の少なくとも1つの開口部が、前記第1グループの直接隣接した実質的平面部材の開口部と整合されることにより、整合された開口部を形成し、前記更なる実質的平面部材又は前記第2グループの少なくとも1つの実質的平面部材が、前記整合された開口部と係合する大きさの突起部を備える、実施態様5に記載の骨ブローチ。
(7) 前記整合された開口部が、前記第1グループの実質的平面部材によって画定される前記平面に垂直な方向に前記第1グループの実質的平面部材を通って延びる、実施態様6に記載の骨ブローチ。
(8) 前記更なる実質的平面部材又は前記第2グループの少なくとも1つの実質的平面部材が、前記整合された開口部を通ってそこから延びる大きさの突起部を備え、前記整合された開口部から延びる前記突起部の少なくとも一部分が少なくとも1つの切削輪郭を画定する、実施態様7に記載の骨ブローチ。
(9) 前記複数の実質的平面部材が、金属又は金属合金を含み、点溶接によって連結される、実施態様1〜8のいずれかに記載の骨ブローチ。
(10) 前記複数の実質的平面部材の少なくとも1つが、前記複数の実質的平面部材が少なくとも部分的に中空の中実形状を画定するように開口部を画定する、実施態様1〜9のいずれかに記載の骨ブローチ。
【0068】
(11) 異なるサイズの少なくとも2つの骨ブローチのシステムであって、実施態様1〜10のいずれかに記載の少なくとも1つの骨ブローチと、複数の実質的平面部材を含まない少なくとも1つの追加の骨ブローチと、を含む、システム。
(12) 骨ブローチを製造する方法であって、
(a)少なくとも一部が外周部で少なくとも1つの切削輪郭を画定する複数の実質的平面部材を作製することと、
(b)前記複数の実質的平面部材を、
互いに実質的に平行な平面を画定する第1のグループの実質的平面部材、及び
前記第1グループの実質的平面部材によって画定される前記平面に対して角をなす平面を画定する少なくとも1つの更なる実質的平面部材、に配列することと、
(c)前記複数の実質的平面部材を1つに連結することと、を含む、方法。
(13) 前記作製するステップが、材料シートから切削すること又はエッチングすることを含む、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記作製するステップが、前記複数の実質的平面部材を同じ材料シートから切削又はエッチングすることを含む、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記更なる実質的平面部材が第2グループの平面部材のうちの1つであり、前記第2グループの平面部材が、組み立てられたブローチにおいて互いに実質的に平行な平面を画定し、前記第2グループの平面部材によって画定される前記平面が、前記第1グループによって画定される前記平面に対して角をなす、実施態様12〜14のいずれかに記載の方法。
【0069】
(16) 前記第2グループの実質的平面部材が、平面を画定し、前記平面が、前記第1グループの実質的平面部材によって画定される前記平面に対して実質的に垂直となるように前記配列するステップで配列される、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記配列するステップが、前記第1グループ及び第2グループから、連動する積み重ね物を形成することを含む、実施態様15又は16に記載の方法。
(18) 前記作製するステップが、
前記第1グループの各実質的平面部材中に少なくとも1つの開口部を画定することと、
前記更なる実質的平面部材又は前記第2グループの各実質的平面部材に少なくとも1つの突起部を画定することと、を含み、
前記配列するステップが、前記第1グループの少なくとも1つの実質的平面部材中の開口部を前記更なる実質的平面部材又は前記第2グループの少なくとも1つの実質的平面部材の突起部と係合させることを含む、実施態様12〜17のいずれかに記載の方法。
(19) 前記配列するステップが、
前記第1グループの各実質的平面部材中の少なくとも1つの開口部を前記第1グループの直接隣接した実質的平面部材の開口部と整合させることによって、整合された開口部を形成することと、
前記整合された開口部を前記更なる実質的平面部材又は前記第2グループの少なくとも1つの実質的平面部材の突起部と係合させることと、を含む、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記配列するステップが、前記整合された開口部が前記第1グループによって画定される前記平面に垂直な方向に前記第1グループを通って延びるように、前記第1グループの直接隣接した実質的平面部材を整合させることを含む、実施態様19に記載の方法。
【0070】
(21) 前記配列するステップが、前記第2グループの少なくとも1つの実質的平面部材の突起部を、前記突起部が前記整合された開口部から延びて少なくとも1つの切削輪郭を画定するように前記整合された開口部と係合させることを含む、実施態様20に記載の方法。
(22) 前記複数の実質的平面部材が、金属又は金属合金を含み、前記連結することが点溶接を含む、実施態様12〜21のいずれかに記載の方法。
(23) 異なるサイズの少なくとも2つの骨ブローチのシステムを製造する方法であって、実施態様12〜22のいずれかに記載の方法によって各骨ブローチを製造することを含み、前記実質的平面部材の少なくとも1つの形状が、前記骨ブローチの少なくとも2つで同じである、方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9