特許第6242811号(P6242811)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6242811新規なオクタヒドロピリドキナゾリン誘導体、それを含有する医薬組成物およびそれらの用途
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6242811
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】新規なオクタヒドロピリドキナゾリン誘導体、それを含有する医薬組成物およびそれらの用途
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20171127BHJP
   C12N 15/09 20060101ALN20171127BHJP
【FI】
   C07D471/04 116
   !C12N15/00 AZNA
【請求項の数】9
【全頁数】71
(21)【出願番号】特願2014-552013(P2014-552013)
(86)(22)【出願日】2013年12月6日
(86)【国際出願番号】JP2013082777
(87)【国際公開番号】WO2014092006
(87)【国際公開日】20140619
【審査請求日】2016年11月25日
(31)【優先権主張番号】特願2012-269182(P2012-269182)
(32)【優先日】2012年12月10日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000104560
【氏名又は名称】キッセイ薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100151231
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 伸子
(74)【代理人】
【識別番号】100196807
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 雅人
(72)【発明者】
【氏名】西村 俊洋
(72)【発明者】
【氏名】上野 康徳
(72)【発明者】
【氏名】河西 潔
(72)【発明者】
【氏名】吉田 正子
【審査官】 東 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/124649(WO,A1)
【文献】 特開昭62−298589(JP,A)
【文献】 特開昭60−72891(JP,A)
【文献】 特開昭48−26799(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】
〔式中、
は、以下のa)〜c):
a)C1−6アルキル基、
b)ハロC1−6アルキル基、又は
c)C2−6アルケニル基であり;
は、水素原子、又はC1−6アルキル基であり;
及びRは、それぞれ独立して、以下のa)〜g):
a)水素原子、
b)C1−6アルキル基、
c)シクロアルキル基、
d)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、及びヒドロキシC1−6アルキル基からなる群から選択される1〜5個の基で環が置換されるアラルキル基、
e)非置換もしくは以下からなる群:C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、及びC1−6アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で環が置換されるヘテロアリールC1−6アルキル基、
f)C1−6アルコキシC1−6アルキル基、又は
g)R1011N−C1−6アルキル基を表すか、
或いはR及びRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、
a)非置換又は1〜2個のC1−6アルキル基若しくはフェニル基で置換された環状アミノ基、又は
b)ベンゾ縮合環状アミノ基を形成し;
及びRは、それぞれ独立して、水素原子、又はC1−7アシル基であり;
は、以下のa)〜e):
a)水素原子、
b)ハロゲン原子、
c)C1−6アルキル基、
d)アミノ基、又は
e)水酸基であり;
10及びR11は、それぞれ独立して、以下のa)〜f):
a)水素原子、
b)C1−6アルキル基、
c)シクロアルキル基、
d)C1−6アルコキシC1−6アルキル基、
e)フェニル基、又は
f)アラルキル基を表すか、
或いはR10及びR11が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、
a)非置換又は1〜2個のハロゲン原子、C1−6アルキル基若しくはフェニル基で置換された環状アミノ基、又は
b)ベンゾ縮合環状アミノ基を形成する〕
で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩。
【請求項2】
、R及びRが水素原子である、請求項1記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩。
【請求項3】
がC1−6アルキル基である、請求項2記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩。
【請求項4】
が水素原子である、請求項3記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩。
【請求項5】
が、以下のa)〜c):
a)水素原子、
b)C1−6アルキル基、又は
c)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、及びヒドロキシC1−6アルキル基からなる群から選択される1〜5個の基で環が置換されるアラルキル基であり、
が、以下のa)〜f):
a)C1−6アルキル基、
b)シクロアルキル基、
c)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、及びヒドロキシC1−6アルキル基からなる群から選択される1〜5個の基で環が置換されるアラルキル基、
d)非置換もしくは以下からなる群:C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、及びC1−6アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で環が置換されるヘテロアリールC1−6アルキル基、
e)C1−6アルコキシC1−6アルキル基、又は
f)R1011N−C1−6アルキル基を表すか、或いは
及びRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、
a)非置換又は1〜2個のC1−6アルキル基若しくはフェニル基で置換された環状アミノ基、又は
b)ベンゾ縮合環状アミノ基を形成する、請求項4記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩。
【請求項6】
が、以下のa)〜b):
a)C1−6アルキル基、又は
b)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、及びヒドロキシC1−6アルキル基からなる群から選択される1〜5個の基で環が置換されるアラルキル基であり、
が、R1011N−C1−6アルキル基を表すか、或いは
及びRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、非置換又は1〜2個のC1−6アルキル基若しくはフェニル基で置換された環状アミノ基を形成する、請求項5記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩。
【請求項7】
一般式(II):
【化2】
〔式中、5a位、8位及び9a位の立体配置が相対配置で表される〕
で表される、請求項1記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩。
【請求項8】
一般式(II):
【化3】
〔式中、5a位、8位及び9a位の立体配置が絶対配置で表される〕
で表される、請求項1記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩。
【請求項9】
以下からなる群:
3−[(5aR,8S,9aR)−2−アミノ−6−プロピル−5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン−8−イル]−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−エチル尿素;
3−[(5aR,8S,9aR)−2−アミノ−6−プロピル−5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン−8−イル]−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−プロピル尿素;
3−[(5aR,8S,9aR)−2−アミノ−6−プロピル−5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン−8−イル]−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−(2−メチルプロピル)尿素;
3−[(5aR,8S,9aR)−2−アミノ−6−プロピル−5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン−8−イル]−1−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−1−メチル尿素;
3−[(5aR*,8S*,9aR*)−2−アミノ−6−プロピル−5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン−8−イル]−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−(2−フェニルエチル)尿素;及び
3−[(5aR*,8S*,9aR*)−2−アミノ−6−プロピル−5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン−8−イル]−1−エチル−1−[2−(ピペリジン−1−イル)エチル]尿素
から選択される化合物又はその薬理学的に許容される塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドパミンD受容体アゴニスト作用を有する新規なオクタヒドロピリドキナゾリン誘導体、それを含有する医薬組成物およびそれらの用途に関する。
【背景技術】
【0002】
パーキンソン病は中高年齢者に好発する進行性の神経変性疾患であり、高齢化社会の進展とともにその患者数が増加している。パーキンソン病は、安静時振戦、固縮、無動、姿勢反射障害などの協調性運動機能障害を主症状とする疾患であり、その病因は中脳黒質ドパミン性神経細胞の変性による線条体ドパミンの欠乏に起因すると考えられている。このようなことから、パーキンソン病の治療薬として、L−ドパ、ドパミンD受容体アゴニストなどが使用されている。
【0003】
L−ドパは、ドパミンの前駆物質であり、脳内でドパミンに代謝されて効果を示す薬剤であるが、血中半減期が非常に短い欠点を有する。そのため、L−ドパは、通常L−ドパの代謝酵素阻害剤である、末梢性芳香族L−アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤および/またはカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤とともに使用されている。
【0004】
ドパミンD受容体アゴニストは、線条体におけるドパミンD受容体を直接刺激することにより抗パーキンソン作用を発揮する。またドパミンD受容体アゴニストは、レストレスレッグス症候群、高プロラクチン血症等の治療に有用であることが知られている(例えば、非特許文献1及び2参照)。
【0005】
ドパミンD受容体アゴニストとして種々の麦角系及び非麦角系ドパミンD受容体アゴニストが知られている(例えば、麦角系ドパミンD受容体アゴニストについては特許文献1〜3、非麦角系ドパミンD受容体アゴニストについては特許文献4〜6を参照)。
【0006】
非麦角系ドパミンD受容体アゴニストは、麦角系ドパミンD受容体アゴニストに比べて短い血中半減期を有し、作用持続時間が短い欠点を有する(例えば、非特許文献3参照)。さらに非麦角系ドパミンD受容体アゴニストは、前兆のない突発性睡眠や傾眠等の副作用が認められ問題となっている。
【0007】
麦角系ドパミンD受容体アゴニストは、非麦角系ドパミンD受容体アゴニストに比べて持続的な有効性を示す。しかしながら最近、代表的な麦角系ドパミンD受容体アゴニストであるペルゴリドを高用量、長期間服用すると心臓弁膜症の発現リスクが高まることが報告されたことから、麦角系ドパミンD受容体アゴニストの投与に際しては、定期的な心エコー検査等の監視下での投与が必要とされている。心臓弁膜症の発症原因として5−HT2B受容体刺激作用による心臓弁膜細胞の増殖刺激によって心臓弁膜症が引き起こされるとの報告がされ、心臓弁膜症と5−HT2B受容体刺激作用との関連性が強く示唆されている(例えば、非特許文献4参照)。
このようなことから強力かつ持続的なドパミンD受容体アゴニスト作用を有し、5−HT2B受容体刺激作用の少ない新規なドパミンD受容体アゴニストが望まれている。
【0008】
オクタヒドロピリドキナゾリン誘導体として、以下の化合物が知られている(例えば、特許文献7参照)。
【化1】
〔式中、Rは、CHOH、CHOCH、又はCHSCHを表す〕
しかしながら特許文献7には、Rとして置換ウレイド基を有する化合物は教示も示唆もされていない。さらに特許文献7の化合物のドパミンD受容体刺激作用は後述する試験例に示すように十分ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第4,166,182号明細書
【特許文献2】米国特許第3,752,814号明細書
【特許文献3】米国特許第4,526,892号明細書
【特許文献4】米国特許第4,452,808号明細書
【特許文献5】米国特許第3,804,849号明細書
【特許文献6】米国特許第4,886,812号明細書
【特許文献7】欧州特許出願公開第250179号明細書
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】S. Happeら,「CNS Drugs」, 2004年, 18(1)巻, p.27-36
【非特許文献2】P. G. Crosignani, 「Eur. J. Obstetrics & Gynecology and Reproductive Biology」, 2006年, 125巻, p.152-164
【非特許文献3】A. Prikhojanら,「J. Neural Transm.」,2000年,107巻,p.1159-1164
【非特許文献4】V. Setolaら, 「Mol. Pharmacol.」, 2003年, 63巻,p.1223-1229
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、ドパミンD受容体に対して強力な刺激作用を有し、好ましくは5−HT2B受容体刺激作用の軽減された、新規な化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、一般式(I)で表される化合物が、驚くべきことに5−HT2B受容体刺激作用に比べて極めて強力なドパミンD受容体刺激作用を有することを見出し、当該知見に基づき本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明は、一般式(I):
【化2】
〔式中、
は、以下のa)〜c):
a)C1−6アルキル基、
b)ハロC1−6アルキル基、又は
c)C2−6アルケニル基であり;
は、水素原子、又はC1−6アルキル基であり;
及びRは、それぞれ独立して、以下のa)〜g):
a)水素原子、
b)C1−6アルキル基、
c)シクロアルキル基、
d)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、及びヒドロキシC1−6アルキル基からなる群から選択される1〜5個の基で環が置換されるアラルキル基、
e)非置換もしくは以下からなる群:C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、及びC1−6アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で環が置換されるヘテロアリールC1−6アルキル基、
f)C1−6アルコキシC1−6アルキル基、又は
g)R1011N−C1−6アルキル基を表すか、
或いはR及びRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、
a)非置換又は1〜2個のC1−6アルキル基若しくはフェニル基で置換された環状アミノ基、又は
b)ベンゾ縮合環状アミノ基を形成し;
及びRは、それぞれ独立して、水素原子、又はC1−7アシル基であり;
は、以下のa)〜e):
a)水素原子、
b)ハロゲン原子、
c)C1−6アルキル基、
d)アミノ基、又は
e)水酸基であり;
10及びR11は、それぞれ独立して、以下のa)〜f):
a)水素原子、
b)C1−6アルキル基、
c)シクロアルキル基、
d)C1−6アルコキシC1−6アルキル基、
e)フェニル基、又は
f)アラルキル基を表すか、
或いはR10及びR11が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、
a)非置換又は1〜2個のハロゲン原子、C1−6アルキル基若しくはフェニル基で置換された環状アミノ基、又は
b)ベンゾ縮合環状アミノ基を形成する〕で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩に関する。
【0014】
また、本発明は、一般式(I)で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩を含有する医薬組成物に関する。
【0015】
また、本発明は、一般式(I)で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩を含有するパーキンソン病、レストレスレッグス症候群又は高プロラクチン血症の治療又は予防剤に関する。
【0016】
また、本発明は、一般式(I)で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩を含有するドパミンD受容体アゴニストに関する。
【0017】
また、本発明は、一般式(I)で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩と、L−ドパ、ドパミンD受容体アゴニスト、抗コリン剤、アデノシンA2A受容体拮抗剤、NMDA受容体拮抗剤、モノアミンオキシダーゼB阻害剤、COMT阻害剤、芳香族L−アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤、ドロキシドパ、メレボドパ、スレオドプス、ゾニサミド及び塩酸アマンタジンから選択される少なくとも1種の抗パーキンソン病薬とを組み合わせてなる医薬に関する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の化合物はドパミンD受容体に対して強力な刺激作用を有する。また本発明の化合物は5−HT2B受容体に対して軽微な刺激作用しか有さず、高い安全性を有する。従って本発明の化合物はパーキンソン病、レストレスレッグス症候群又は高プロラクチン血症の治療又は予防剤として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
一般式(I)で表される化合物において、下記の用語は、特に断らない限り、以下の意味を有する。
【0020】
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。
【0021】
「C1−6アルキル基」とは、直鎖または分岐鎖状の炭素数1〜6のアルキル基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基などが挙げられる。
【0022】
「ハロC1−6アルキル基」とは、1〜3個の同種または異種のハロゲン原子で置換された、炭素数1〜6のアルキル基を意味し、例えば、フルオロメチル基、2−フルオロエチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、4,4,4−トリフルオロブチル基などが挙げられる。
【0023】
「ヒドロキシC1−6アルキル基」とは、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基を意味し、例えば、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシ−1,1−ジメチルメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基などが挙げられる。
【0024】
「C1−6アルコキシ基」とは、直鎖または分岐鎖状の炭素数1〜6のアルコキシ基を意味し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基などが挙げられる。
【0025】
「C1−7アシル基」とは、ホルミル基又は(C1−6アルキル)−C(O)−で表される基を意味し、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、バレリル基、イソバレリル基などが挙げられる。
【0026】
「シクロアルキル基」とは、3〜7員の飽和環状炭化水素を意味し、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基およびシクロヘプチル基が挙げられる。
【0027】
「アリール基」とは、C6−10芳香族炭化水素を意味し、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基が挙げられ、好適にはフェニル基である。
【0028】
「ヘテロアリール基」とは、1〜5個の炭素原子ならびにO、NおよびS原子からなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜6員の単環式芳香族複素環、あるいは1〜9個の炭素原子ならびにO、NおよびS原子からなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する8〜10員の二環式芳香族複素環を意味し、但し、これらの環は、隣接する酸素原子および/または硫黄原子を含まない。
単環式芳香族複素環としては、例えば、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジルおよびピリダジニルなどが挙げられ、好適にはチエニル、イミダゾリル、チアゾリル又はピリジルである。
二環式芳香族複素環としては、例えば、インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリルなどが挙げられる。これらの複素環の全ての位置異性体が考えられる(例えば、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジルなど)。
【0029】
「アラルキル基」とは、アリールC1−6アルキル基を意味し、例えば、ベンジル基、フェネチル基、1−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、4−フェニルブチル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。
【0030】
「ヘテロアリールC1−6アルキル基」としては、例えば、2−ピリジルメチル基、3−ピリジルメチル基、4−ピリジルメチル基、2−ピリジルエチル基、3−ピリジルエチル基、4−ピリジルエチル基、2−チエニルメチル基、イミダゾール−1−イルメチル基、2−イミダゾール−3−イルメチル基、2−イミダゾール−1−イルエチル基、3−イミダゾール−1−イルプロピル基、2−チアゾリルメチル基などが挙げられる。
【0031】
「C2−6アルケニル基」とは、少なくとも1個の二重結合を有する直鎖または分岐鎖状の炭素数2〜6の不飽和炭化水素基を意味し、例えば、CH=CHCH−、CH=CHCHCH−、CHCH=CHCH−などが挙げられる。
【0032】
「C1−6アルコキシC1−6アルキル基」としては、例えば、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、2−エトキシエチル基、3−エトキシプロピル基などが挙げられる。
【0033】
「環状アミノ基」としては、環内に−NH−、−O−または−S−を含んでもよい、5〜7員の飽和環状アミンを意味し、例えば、1−ピロリジル基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、モルホリノ基、チオモルホリノ基、[1,4]ジアゼパン−1−イル基などが挙げられる。
【0034】
「ベンゾ縮合環状アミノ基」としては、ベンゼン環と縮合した環状アミノ基を意味し、例えば、テトラヒドロイソキノリル基などが挙げられる。
【0035】
一般式(I)で表される化合物における環原子の位置番号は以下のように付される。
【化3】
【0036】
後述する表1から8に記載された参考例における環原子の位置番号は以下のように付される。
【化4】
【0037】
本明細書の化学名において、「*」印は不斉炭素原子の相対配置を表す。例えば、3−[(5aR,8S,9aR)−2−アミノ−6−プロピル−5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン−8−イル]−1,1−ジエチル尿素(化合物1−7)は、5a、8及び9a位の不斉炭素原子が相対配置であることを示す。
【0038】
本発明の一般式(I)で表される化合物において1つまたはそれ以上の不斉炭素原子が存在する場合、本発明は各々の不斉炭素原子がR配置の化合物、S配置の化合物、およびそれらの任意の組み合せの化合物のいずれも包含する。またそれらのラセミ化合物、ラセミ混合物、ラセミ固溶体、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物が本発明の範囲に含まれる。本発明の一般式(I)で表される化合物において幾何学異性が存在する場合、本発明はその幾何学異性体のいずれも包含する。本発明の一般式(I)で表される化合物においてアトロプ異性体が存在する場合、本発明はそのアトロプ異性体のいずれも包含する。さらに本発明の一般式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩には、水和物やエタノール等の医薬品として許容される溶媒との溶媒和物も含まれる。
【0039】
本発明の一般式(I)で表される化合物は、塩の形態で存在することができる。このような塩としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの鉱酸との酸付加塩、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、プロピオン酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、炭酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等の有機酸との酸付加塩、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等の無機塩基との塩、トリエチルアミン、ピペリジン、モルホリン、リジン等の有機塩基との塩を挙げることができる。
【0040】
本発明の一般式(I)で表される化合物のひとつの実施態様において、
は、好ましくはC1−6アルキル基であり;
は、好ましくは水素原子であり;
は、好ましくは以下のa)〜c):
a)水素原子、
b)C1−6アルキル基、又は
c)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、及びヒドロキシC1−6アルキル基からなる群から選択される1〜5個の基で環が置換されるアラルキル基であり、
さらに好ましくは、Rは、以下のa)〜b):
a)C1−6アルキル基、又は
b)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、及びヒドロキシC1−6アルキル基からなる群から選択される1〜5個の基で環が置換されるアラルキル基であり、
は、好ましくは以下のa)〜f):
a)C1−6アルキル基、
b)シクロアルキル基、
c)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、及びヒドロキシC1−6アルキル基からなる群から選択される1〜5個の基で環が置換されるアラルキル基、
d)非置換もしくは以下からなる群:C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、及びC1−6アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で環が置換されるヘテロアリールC1−6アルキル基、
e)C1−6アルコキシC1−6アルキル基、又は
f)R1011N−C1−6アルキル基を表し、
さらに好ましくは、Rは、R1011N−C1−6アルキル基を表し、或いは
及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、
a)非置換又は1〜2個のC1−6アルキル基若しくはフェニル基で置換された環状アミノ基、又は
b)ベンゾ縮合環状アミノ基を形成し、
或いは、さらに好ましくは、R及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、非置換又は1〜2個のC1−6アルキル基若しくはフェニル基で置換された環状アミノ基を形成し;
及びRは、好ましくは水素原子であり;或いは
は、好ましくは水素原子である。
【0041】
一般式(I)で表される化合物のひとつの実施態様において、
一般式(I)で表される化合物は、好ましくは一般式(II):
【化5】
〔式中、5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン環の5a位、8位及び9a位の立体配置が相対配置で表される〕で表される化合物であり、
さらに好ましくは、一般式(I)で表される化合物は、一般式(II):
【化6】
〔式中、5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン環の5a位、8位及び9a位の立体配置が絶対配置で表される〕で表される化合物である。
【0042】
本発明の好ましい実施態様では、
、R及びRは水素原子である。
【0043】
本発明のさらに好ましい実施態様では、
がC1−6アルキル基であり、
、R及びRは水素原子である。
【0044】
本発明のなおさらに好ましい実施態様では、
はC1−6アルキル基であり、
は水素原子であり、
、R及びRは水素原子である。
【0045】
本発明のなおさらに好ましい実施態様では、
はC1−6アルキル基であり、
は水素原子であり、
は、以下のa)〜c):
a)水素原子、
b)C1−6アルキル基、又は
c)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、及びヒドロキシC1−6アルキル基からなる群から選択される1〜5個の基で環が置換されるアラルキル基であり、
は、以下のa)〜f):
a)C1−6アルキル基、
b)シクロアルキル基、
c)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、及びヒドロキシC1−6アルキル基からなる群から選択される1〜5個の基で環が置換されるアラルキル基、
d)非置換もしくは以下からなる群:C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、及びC1−6アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で環が置換されるヘテロアリールC1−6アルキル基、
e)C1−6アルコキシC1−6アルキル基、又は
f)R1011N−C1−6アルキル基を表すか、或いは
及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、
a)非置換又は1〜2個のC1−6アルキル基若しくはフェニル基で置換された環状アミノ基、又は
b)ベンゾ縮合環状アミノ基を形成し、
、R及びRは水素原子である。
【0046】
本発明のなおさらに好ましい実施態様では、
はC1−6アルキル基であり、
は水素原子であり、
は、以下のa)〜b):
a)C1−6アルキル基、又は
b)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、及びヒドロキシC1−6アルキル基からなる群から選択される1〜5個の基で環が置換されるアラルキル基であり、
は、R1011N−C1−6アルキル基を表すか、或いは
及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、非置換又は1〜2個のC1−6アルキル基若しくはフェニル基で置換された環状アミノ基を形成し、
、R及びRは水素原子である。
【0047】
本発明の好ましい実施態様の具体例は、以下からなる群から選択される化合物またはその薬理学的に許容される塩である:
3−[(5aR,8S,9aR)−2−アミノ−6−プロピル−5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン−8−イル]−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−エチル尿素(化合物1−1);
3−[(5aR,8S,9aR)−2−アミノ−6−プロピル−5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン−8−イル]−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−プロピル尿素(化合物1−2);
3−[(5aR,8S,9aR)−2−アミノ−6−プロピル−5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン−8−イル]−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−(2−メチルプロピル)尿素(化合物1−3);
3−[(5aR,8S,9aR)−2−アミノ−6−プロピル−5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン−8−イル]−1−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−1−メチル尿素(化合物1−4);
3−[(5aR,8S,9aR)−2−アミノ−6−プロピル−5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン−8−イル]−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−(2−フェニルエチル)尿素(化合物1−23);及び
3−[(5aR,8S,9aR)−2−アミノ−6−プロピル−5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン−8−イル]−1−エチル−1−[2−(ピペリジン−1−イル)エチル]尿素(化合物1−25)。
【0048】
本発明の一般式(I)で表される化合物は、スキーム1〜3に示す方法により製造することができる。
【0049】
【化7】
(式中、R、R、R、R、R及びRは前記と同義であり、Rは水素又はC1−6アルキルであり、R20はC1−6アルキルである。)
【0050】
工程1−1
エステル誘導体(X)とヒドラジン(XI)とを適切な溶媒中、縮合させることにより、カルボン酸ヒドラジド誘導体(XII)が得られる。本反応に用いられる溶媒としては、例えば1−プロパノール、2−ブタノールなどが挙げられる。その反応温度は通常、0℃〜110℃であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、1時間〜48時間である。
【0051】
工程1−2
カルボン酸ヒドラジド誘導体(XII)と亜硝酸ナトリウムとを適切な溶媒中、酸の存在下に反応させることにより、カルボン酸アジド誘導体が得られる。本反応に用いられる溶媒としては、例えば、水などが挙げられる。酸としては、例えば、塩酸などが挙げられる。その反応温度は通常、−20℃〜40℃であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、10分〜4時間である。
カルボン酸アジド誘導体を、不活性溶媒中、常法に従ってイソシアネート誘導体に変換後、塩基の存在下または非存在下にアミン(XIII)またはその塩と反応させることにより、ウレア誘導体(XIV)が得られる。本反応に用いられる不活性溶媒としては、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、およびそれらの混合溶媒などが挙げられる。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられる。その反応温度は通常、−10℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、30分〜24時間である。
【0052】
工程1−3
又、ウレア誘導体(XIV)は以下に示す方法によっても調製することができる。カルボン酸誘導体(XV)とジフェニルリン酸アジド(DPPA)とを、不活性溶媒中、塩基の存在下に反応させることにより、イソシアネート誘導体が得られる。本反応に用いられる不活性溶媒としては、例えば、トルエンなどが挙げられる。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、10分〜4時間である。
イソシアネート誘導体を、塩基の存在下または非存在下にアミン(XIII)またはその塩と反応させることにより、ウレア誘導体(XIV)が得られる。本反応に用いられる不活性溶媒としては、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、およびそれらの混合溶媒などが挙げられる。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられる。その反応温度は通常、−10℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、30分〜24時間である。
【0053】
工程1−4
6−オキソデカヒドロキノリン誘導体(XVI)は、ケタール誘導体(XIV)を適切な溶媒中、酸加水分解することにより得られる。本反応に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、水およびそれらの混合溶媒などが挙げられる。酸としては、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などが挙げられる。その反応温度は通常、−50℃〜100℃であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、10分〜24時間である。
【0054】
工程1−5
6−オキソデカヒドロキノリン誘導体(XVI)と化合物(XVII)または化合物(XVIII)とを、不活性溶媒中、反応させることにより、7−[(ジメチルアミノ)メチリデン]−6−オキソデカヒドロキノリン誘導体(XIX)が得られる。本反応に用いられる不活性溶媒としては、例えばトルエン、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。その反応温度は通常、0℃〜120℃であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、30分〜24時間である。
【0055】
工程1−6
7−[(ジメチルアミノ)メチリデン]−6−オキソデカヒドロキノリン誘導体誘導体(XIX)とグアニジン誘導体(XX)とを、不活性溶媒中、反応させることにより、オクタヒドロピリドキナゾリン誘導体(I)が得られる。本反応に用いられる不活性溶媒としては、例えばエタノールなどが挙げられる。その反応温度は通常、0℃〜180℃であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、1時間〜24時間である。
【0056】
【化8】
(式中、R及びR20は前記と同義である。)
【0057】
工程2−1
1,4−シクロヘキサンジオンモノエチレンケタール(XXI)、アミン(XXII)、および2−(ブロモメチル)アクリル酸エステル(XXIII)を、不活性溶媒中で縮合させることにより化合物(XXIV)が得られる。本反応に用いられる不活性溶媒としては、例えば、トルエン、ベンゼンなどが挙げられる。その反応温度は通常、−50℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、1時間〜24時間である。
【0058】
工程2−2
化合物(XXIV)を、適切な溶媒中、酸の存在下にシアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤を用いて還元させることにより、化合物(X)が得られる。本反応に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、酢酸エチル、1,4−ジオキサンおよびそれらの混合溶媒などが挙げられる。酸としては、例えば、硫酸、塩酸、酢酸などが挙げられる。その反応温度は通常、−50℃〜50℃であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、10分〜12時間である。
【0059】
【化9】
(式中、R及びR20は前記と同義であり、Bnはベンジルであり、R40はC1−5アルキルである。)
【0060】
工程3−1
1,4−シクロヘキサンジオンモノエチレンケタール(XXI)、ベンジルアミン、および2−(ブロモメチル)アクリル酸エステル(XXIII)を工程2−1と同様にして縮合させることにより、化合物(XXV)が得られる。
【0061】
工程3−2
化合物(XXV)を適切な溶媒中、アルカリ加水分解することにより、カルボン酸誘導体が得られる。本反応に用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、水、テトラヒドロフラン、およびそれらの混合溶媒などが挙げられる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどが挙げられる。その反応温度は通常、0℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、10分〜24時間である。
カルボン酸誘導体を、不活性溶媒中、塩基の存在下にベンジルブロミドとエステル化させることにより、化合物(XXVI)が得られる。本反応に用いられる不活性溶媒としては、例えば、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、およびそれらの混合溶媒などが挙げられる。塩基としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどが挙げられる。その反応温度は通常、−20℃〜100℃であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、1時間〜24時間である。
【0062】
工程3−3
化合物(XXVI)を工程2−2と同様にして還元することにより、化合物(XXVII)が得られる。
【0063】
工程3−4
化合物(XXVII)とアルデヒド(XXVIII)とを適切な溶媒中、水素雰囲気下、金属触媒の存在下に反応させることにより、カルボン酸誘導体(XV)が得られる。本反応に用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、およびそれらの混合溶媒などが挙げられる。金属触媒としては、例えば、パラジウム炭素、酸化白金などが挙げられる。その反応温度は通常、室温〜80℃であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、30分〜24時間である。
【0064】
工程3−5
化合物(XXVII)を、結晶化による光学分割法(例えば、優先晶出法、ジアステレオマー塩法、包接錯体法および優先富化など)、酵素反応法またはキラルカラムクロマトグラフィーを用いた直接光学分割法を実施することにより、光学活性化合物(XXVIIa)が得られる。
キラルカラムクロマトグラフィーを用いた直接光学分割法に用いられるキラルカラムとしては、例えば、キラルパック(登録商標)AY−Hカラム、AD−Hカラム、IAカラム、キラルセル(登録商標)OJ−Hカラム(株式会社ダイセル)などが挙げられる。溶出溶媒としては、ヘキサン、アセトニトリル、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ジエチルアミンおよびそれらの混合溶媒などが挙げられ、その溶出速度は0.5mL/min〜10mL/minである。溶出温度は通常、10℃〜60℃であり、検出波長は200nm〜270nmである。
【0065】
工程3−6
光学活性化合物(XXVIIa)とアルデヒド(XXVIII)とを工程3−4と同様にして反応させることにより、化合物(XVa)が得られる。
【0066】
上記に示したスキームは、本発明の化合物またはその製造中間体を製造するための方法のいくつかの例示であり、当業者には容易に理解され得るようにこれらのスキームの様々な改変が可能である。
【0067】
本発明の一般式(I)で表される化合物、および当該化合物を製造するために使用される中間体は、必要に応じて、当該分野の当業者には周知の単離・精製手段である溶媒抽出、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー、分取高速液体クロマトグラフィーなどの操作を行うことにより、単離・精製することができる。
【0068】
このようにして製造される本発明の化合物は、優れたドパミンD受容体刺激作用を有するのでドパミンD受容体が介在する種々の疾患の治療または予防薬として有用である。例えば、本発明の化合物は、パーキンソン病、レストレスレッグス症候群、高プロラクチン血症等の治療または予防薬として有用であり、特にパーキンソン病の治療または予防薬として有用である。
【0069】
また、本発明の化合物は、必要に応じて、他の抗パーキンソン病薬と組み合わせて使用してもよい。このような他の抗パーキンソン病薬としては、例えば、L−ドパ;ドパミンD受容体アゴニスト(カベルゴリン、メシル酸ブロモクリプチン、テルグリド、塩酸タリペキソール、塩酸ロピニロール、メシル酸ペルゴリド、塩酸プラミペキソール、ロチゴチン、アポモルフィンなど);抗コリン剤(例えば、プロフェナミン、塩酸トリヘキシフェニジル、塩酸マザチコール、ピペリデン、塩酸ピロヘプチン、塩酸メチキセンなど);アデノシンA2A受容体拮抗剤(例えば、イストラデフィリンなど);NMDA受容体拮抗剤(例えば、ブジピンなど);モノアミンオキシダーゼB阻害剤(例えば、塩酸セレギリン、メシル酸ラサギリン、メシル酸サフィナミドなど);COMT阻害剤(エンタカポンなど);芳香族L−アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤(カルビドパ、ベンセラジドなど);ドロキシドパ、メレボドパ、スレオドプス;ゾニサミド;塩酸アマンタジンなどが挙げられる。
【0070】
本発明の一般式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物は、用法に応じ種々の剤型のものが使用される。このような剤型としては、例えば、散剤、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップ剤、錠剤、カプセル剤、注射剤、液剤、軟膏剤、坐剤、貼付剤などを挙げることができ、経口または非経口的に投与される。
【0071】
本発明の一般式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩を含有する医薬組成物は、一般式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩及び少なくとも1つの医薬品添加物を用いて調製される。これらの医薬組成物は、その剤型に応じ製剤学的に公知の手法により、適切な賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、希釈剤、緩衝剤、等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤などの医薬品添加物と適宜混合または希釈・溶解することにより調製することができる。
【0072】
一般式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩の投与量は、患者の年齢、性別、体重、疾患および治療の程度等により適宜決定されるが、経口投与の場合、成人1日当たり、約0.1mg〜約300mgの範囲、好ましくは約0.5mg〜約30mgの範囲で、非経口投与の場合は、成人1日当たり約0.01mg〜約50mgの範囲、好ましくは約0.05mg〜約10mgの範囲で、一回または数回に分けて適宜投与することができる。
【0073】
本発明の一般式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩と、他の抗パーキンソン病薬とを組み合わせてなる医薬は、これらの有効成分を一緒に含有する製剤、またはこれらの有効成分の各々を別々に製剤化した製剤として投与することができる。別々に製剤化した場合、それらの製剤を別々にまたは同時に投与することができる。また、別々に製剤化した場合、それらの製剤を使用時に希釈剤などを用いて混合し、同時に投与することができる。
【0074】
本発明の一般式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩と、他の抗パーキンソン病薬とを組み合わせてなる医薬は、好ましくはパーキンソン病、レストレスレッグス症候群、高プロラクチン血症等の治療または予防薬として、特にパーキンソン病の治療または予防薬として使用される。
【0075】
本発明の一般式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩と、他の抗パーキンソン病薬とを組み合わせてなる医薬において、薬剤の配合比は、患者の年齢、性別、および体重、症状、投与時間、剤形、投与方法、薬剤の組み合わせなどにより、適宜選択することができる。
【0076】
本発明の内容を以下の参考例、実施例および試験例でさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
【実施例】
【0077】
参考例1−1
1'−プロピル−2',3',4',5',7',8'−ヘキサヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−カルボン酸エチル
2−(ブロモメチル)アクリル酸エチル(20.77g)およびトルエン(320mL)の混合物に、氷冷撹拌下にて1−プロピルアミン(22mL)およびトルエン(80mL)の混合物を滴下して、14分間撹拌した。この混合物に、同条件下にて1,4−シクロヘキサンジオンモノエチレンケタール(14.00g)およびトルエン(100mL)の混合物を加え、ディーン・スターク装置で4.5時間加熱還流した。室温に冷却し、不溶物を濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をアミノプロピルシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:0%−30%酢酸エチル/ヘキサン、グラジエント溶出)で精製して表題化合物(26.17g)を得た。構造式を表1に示した。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.86(3H, t, J=7.4Hz), 1.26(3H, t, J=7.1Hz), 1.35-1.60(2H, m), 1.70-1.90(2H, m), 1.90-2.05(1H, m), 2.10-2.40(5H, m), 2.65-2.90(3H, m), 2.90-3.05(1H, m), 3.15-3.25(1H, m), 3.90-4.05(4H, m), 4.14(2H, q, J=7.1Hz)
【0078】
1−プロピルアミンの代わりにベンジルアミンを用い参考例1−1と同様の方法により、参考例1−2を合成した。構造式を表1に示した。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:1.15-1.35(4H, m), 1.80-1.90(2H, m), 1.95-2.10(1H, m), 2.15-2.50(5H, m), 2.65-2.80(1H, m), 2.90-3.00(1H, m), 3.05-3.20(1H, m), 3.90-4.20(7H, m), 7.20-7.40(5H, m)
【0079】
参考例2−1
1'−ベンジル−2',3',4',5',7',8'−ヘキサヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−カルボン酸ベンジル
1'−ベンジル−2',3',4',5',7',8'−ヘキサヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−カルボン酸エチル(参考例1−2)(34.82g)およびエタノール(487mL)の混合物に、室温撹拌下、5mol/L水酸化ナトリウム水溶液(27.0mL)を加え、80℃にて1時間撹拌した。氷冷後、6mol/L塩酸(22.5mL)を加えて中和した。混合物を減圧下濃縮して1'−ベンジル−2',3',4',5',7',8'−ヘキサヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−カルボン酸を得た。
1'−ベンジル−2',3',4',5',7',8'−ヘキサヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−カルボン酸およびN,N−ジメチルホルムアミド(244mL)の混合物に、炭酸カリウム(21.54g)次いでベンジルブロミド(13.90mL)を加え、室温にて14時間撹拌した。反応液にジメチルアミン(12.09mL)を加え、室温にて1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。分取した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をアミノプロピルシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:0%−35%酢酸エチル/ヘキサン、グラジエント溶出)で精製して表題化合物(30.28g)を得た。構造式を表1に示した。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:1.75-1.90(2H, m), 2.00-2.15(1H, m), 2.15-2.55(5H, m), 2.70-2.85(1H, m), 2.95-3.05(1H, m), 3.10-3.20(1H, m), 3.90-4.05(5H, m), 4.10(1H, d, J=15.7Hz), 5.08(2H, dd, J=22.5, 12.5Hz), 7.20-7.40(10H, m)
【0080】
【表1】
【0081】
参考例3−1
(3'S,4'aR,8'aR)−1'−プロピルオクタヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−カルボン酸エチル
1'−プロピル−2',3',4',5',7',8'−ヘキサヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−カルボン酸エチル(参考例1−1)(11.87g)、テトラヒドロフラン(135mL)およびメタノール(45mL)の混合物に、氷冷撹拌下にて4mol/L塩化水素−ジオキサン溶液(10.1mL)、次いでシアノ水素化ホウ素ナトリウム(7.24g)を加え、1.5時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。分取した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をアミノプロピルシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:5%−40%酢酸エチル/ヘキサン、グラジエント溶出)で精製して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:0%−10%メタノール/酢酸エチル、グラジエント溶出)で精製して表題化合物(2.34g)を得た。構造式を表2に示した。
H-NMR(CDCl3)δ ppm: 0.83(3H, t, J=7.4Hz), 1.05-1.20(1H, m), 1.20-1.30(4H, m), 1.30-1.60(4H, m), 1.60-1.90(4H, m), 1.95-2.15(2H, m), 2.15-2.35(2H, m), 2.50-2.70(2H, m), 3.35-3.45(1H, m), 3.85-4.00(4H, m), 4.05-4.25(2H, m)
【0082】
1'−プロピル−2',3',4',5',7',8'−ヘキサヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−カルボン酸エチルの代わりに対応するエナミンを用い参考例3−1と同様の方法により、参考例3−2〜参考例3−3を合成した。これらを表2に示した。
【0083】
【表2】
表2における参考例3-1〜3-3の構造式は相対配置を示す。
【0084】
参考例3−2〜参考例3−3の物性値を以下に示した。
【0085】
参考例3−2
H-NMR(CDCl3)δ ppm:1.10-1.25(4H, m), 1.30(1H, t, J=12.9Hz), 1.35-1.65(2H, m), 1.65-1.75(1H, m), 1.75-1.85(2H, m), 1.90-2.20(4H, m), 2.45-2.55(1H, m), 3.04(1H, d, J=13.8Hz), 3.25-3.35(1H, m), 3.85-4.20(7H, m), 7.15-7.40(5H, m)
【0086】
参考例3−3
H-NMR(CDCl3)δ ppm:1.10-1.25(1H, m), 1.31(1H, t, J=12.8Hz), 1.35-1.65(2H, m), 1.65-1.75(1H, m), 1.75-1.90(2H, m), 1.95-2.25(4H, m), 2.55-2.65(1H, m), 3.10(1H, d, J=13.9Hz), 3.30-3.40(1H, m), 3.85-4.00(4H, m), 4.09(1H, d, J=13.9Hz), 4.95(1H, d, J=12.6Hz), 5.21(1H, d, H=12.6Hz), 7.10-7.35(10H, m)
【0087】
参考例4−1
(3'S,4'aR,8'aR)−1'−ベンジルオクタヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−カルボン酸ベンジル
(3'S,4'aR,8'aR)−1'−ベンジルオクタヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−カルボン酸ベンジル(参考例3−3)(36.0g)をキラルセル(登録商標)OJ−H(株式会社ダイセル)カラム(250mm×100mmI.D.)を用い、以下の条件:
溶媒系;メタノール:アセトニトリル:ジエチルアミン=90:10:0.05(V/V/V)
検出波長;215nm
流速;1.0mL/min
カラムオーブン温度;40℃
にてクロマトを繰り返し、第1溶出成分のピークを集め、濃縮することによって表題化合物(17.3g)を得た。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:1.10-1.25(1H, m), 1.31(1H, t, J=12.8Hz), 1.40-1.65(2H, m), 1.65-1.75(1H, m), 1.75-1.90(2H, m), 1.95-2.25(4H, m), 2.55-2.65(1H, m), 3.10(1H, d, J=13.9Hz), 3.30-3.40(1H, m), 3.85-4.00(4H, m), 4.09(1H, d, J=13.9Hz), 4.95(1H, d, J=12.6Hz), 5.22(1H, d, H=12.6Hz), 7.10-7.35(10H, m)
[α]25=-53.393°(c=1.01, CHCl3)
【0088】
参考例5−1
(3'S,4'aR,8'aR)−1'−プロピルオクタヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−カルボン酸
(3'S,4'aR,8'aR)−1'−ベンジルオクタヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−カルボン酸ベンジル(参考例4−1)(3.20g)、テトラヒドロフラン(38mL)およびメタノール(38mL)の混合物に、室温撹拌下、プロピオンアルデヒド(1.65mL)次いで10%パラジウムカーボン粉末(0.64g)を加え、水素雰囲気下室温にて3時間撹拌した。この懸濁液をセライト(登録商標)層を通して濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣にトルエンを加え、減圧下濃縮して表題化合物(2.36g)を得た。構造式を表3に示した。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.92(3H, t, J=7.3Hz), 1.20-1.45(2H, m), 1.45-1.75(5H, m), 1.80-1.90(1H, m), 1.90-2.15(4H, m), 2.50-2.70(2H, m), 2.70-2.85(2H, m), 3.15-3.25(1H, m), 3.85-4.00(4H, m)
【0089】
参考例5−2
(3'S,4'aR,8'aR)−1'−プロピルオクタヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−カルボン酸
(3'S,4'aR,8'aR)−1'−ベンジルオクタヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−カルボン酸ベンジル(参考例3−3)(6.26g)、エタノール(297mL)の混合物に、室温撹拌下、プロピオンアルデヒド(10.72mL)次いで10%パラジウムカーボン粉末(1.23g)を加え、水素雰囲気下室温にて7時間撹拌した。この懸濁液をセライト(登録商標)層を通して濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をジエチルエーテルで粉砕し、表題化合物(3.75g)を得た。構造式を表3に示した。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.93(3H, t, J=7.4Hz), 1.25-1.45(2H, m), 1.45-1.75(5H, m), 1.80-1.90(1H, m), 1.90-2.15(4H, m), 2.50-2.70(2H, m), 2.70-2.85(2H, m), 3.15-3.25(1H, m), 3.85-4.00(4H, m)
【0090】
【表3】
表3における参考例5-1の構造式は絶対配置を示し、参考例5-2の構造式は相対配置を示す。
【0091】
参考例6−1
(3'S,4'aR,8'aR)−1'−プロピルオクタヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−カルボヒドラジド
(3'S,4'aR,8'aR)−1'−プロピルオクタヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−カルボン酸エチル(参考例3−1)(1.29g)および無水ヒドラジン(2.8mL)の混合物を、100℃にて24時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮した。残渣をアミノプロピルシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:0%−10%メタノール/酢酸エチル、グラジエント溶出)で精製して表題化合物(1.08g)を得た。構造式を表4に示した。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.88(3H, t, J=7.4Hz), 1.22-1.37(2H, m), 1.38-1.76(6H, m), 1.77-1.93(3H, m), 2.01-2.12(1H, m), 2.28-2.42(2H, m), 2.55-2.62(1H, m), 2.63-2.76(1H, m), 3.04-3.13(1H, m), 3.79-4.01(6H, m), 9.51-9.64(1H, m)
【0092】
(3'S,4'aR,8'aR)−1'−プロピルオクタヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−カルボン酸エチルの代わりに(3'S,4'aR,8'aR)−1'−ベンジルオクタヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−カルボン酸エチル(参考例3−2)を用い参考例6−1と同様の方法により、参考例6−2を合成した。構造式を表4に示した。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:1.25-1.40(2H, m), 1.50-1.70(3H, m), 1.70-1.95(4H, m), 2.05-2.20(1H, m), 2.20-2.40(1H, m), 2.45-2.55(1H, m), 2.90-3.05(2H, m), 3.65-3.85(2H, m), 3.85-4.00(4H, m), 4.20-4.30(1H, m), 7.20-7.40(5H, m), 9.10-9.25(1H, m)
【0093】
【表4】
表4における参考例6-1〜6-2の構造式は相対配置を示す。
【0094】
参考例7−1
3−[(3'S,4'aR,8'aR)−1'−プロピルオクタヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−イル]−1,1−ジエチル尿素
(3'S,4'aR,8'aR)−1'−プロピルオクタヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−カルボヒドラジド(参考例6−1)(573mg)および0.2mol/L塩酸(24mL)の混合物に、氷冷撹拌下にて亜硝酸ナトリウム(140mg)および水(2mL)の混合物を加え、1時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。分取した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、トルエン(10mL)を加え、酢酸エチルを減圧下留去し、アジ化(3'S,4'aR,8'aR)−1'−プロピルオクタヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−カルボニルのトルエン溶液を得た。
アジ化(3'S,4'aR,8'aR)−1'−プロピルオクタヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−カルボニルのトルエン溶液を1時間還流した。反応混合物にジエチルアミン(0.598mL)を加え、50℃にて40分間撹拌した。室温に冷却した後、水および酢酸エチルを加え、抽出した。分取した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:0%−15%メタノール/酢酸エチル,グラジエント溶出)で精製して表題化合物(412mg)を得た。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.85(3H, t, J=7.3Hz), 1.08-1.23(1H, m), 1.14(6H, t, J=7.2Hz), 1.27-1.87(10H, m), 2.00-2.12(1H, m), 2.19-2.31(1H, m), 2.33-2.40(1H, m), 2.58-2.70(1H, m), 2.75-2.85(1H, m), 3.26(4H, q, J=7.2Hz), 3.89-3.97(4H, m), 3.98-4.05(1H, m), 5.39(1H, d, J=8.0Hz)
【0095】
(3'S,4'aR,8'aR)−1'−プロピルオクタヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−カルボヒドラジドおよびジエチルアミンの代わりに対応するカルボヒドラジドおよびアミンを用い参考例7−1と同様の方法により、参考例7−2〜参考例7−27を合成した。これらを表5に示した。
【0096】
【表5】
表5における参考例7-1〜7-27の構造式は相対配置を示す。
【0097】
参考例7−2〜参考例7−27の物性値を以下に示した。
【0098】
参考例7−2
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.79(3H, t, J=7.5Hz), 1.11-1.23(1H, m), 1.23-1.42(4H, m), 1.48-1.67(3H, m), 1.70-1.85(3H, m), 1.94-2.05(1H, m), 2.17-2.29(1H, m), 2.30-2.41(1H, m), 2.49-2.62(1H, m), 2.71-2.81(1H, m), 2.89(3H, s), 3.90-3.98(4H, m), 3.99-4.06(1H, m), 4.34-4.63(2H, m), 5.47(1H, d, J=8.0Hz), 7.21-7.29(3H, m), 7.30-7.37(2H, m)
【0099】
参考例7−3
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.84(3H, t, J=7.4Hz), 1.12-1.23(1H, m), 1.27-1.47(4H, m), 1.51-1.86(6H, m), 2.00-2.10(1H, m), 2.23-2.33(1H, m), 2.34-2.41(1H, m), 2.57-2.69(1H, m), 2.75-2.83(1H, m), 2.90(6H, s), 3.89-4.03(5H, m), 5.41(1H, d, J=8.0Hz)
【0100】
参考例7−4
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.85(3H, t, J=7.3Hz), 0.94(3H, t, J=7.3Hz), 1.11-1.23(1H, m), 1.26-1.46(6H, m), 1.46-1.73(5H, m), 1.74-1.85(3H, m), 2.00-2.10(1H, m), 2.20-2.32(1H, m), 2.32-2.41(1H, m), 2.57-2.69(1H, m), 2.74-2.83(1H, m), 2.87(3H, s), 3.11-3.33(2H, m), 3.88-4.04(5H, m), 5.39(1H, d, J=8.0Hz)
【0101】
参考例7−5
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.84(3H, t, J=7.3Hz), 1.13-1.23(1H, m), 1.28-1.48(4H, m), 1.51-1.87(6H, m), 2.00-2.10(1H, m), 2.25-2.35(1H, m), 2.35-2.43(1H, m), 2.57-2.69(1H, m), 2.73-2.89(3H, m), 2.83(3H, s), 3.37-3.55(2H, m), 3.90-4.04(5H, m), 5.40(1H, d, J=8.3Hz), 7.17-7.36(5H, m)
【0102】
参考例7−6
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.85(3H, t, J=7.5Hz), 1.10-1.23(1H, m), 1.24-1.47(4H, m), 1.51-1.85(6H, m), 2.00-2.10(1H, m), 2.23-2.33(1H, m), 2.33-2.40(1H, m), 2.57-2.68(1H, m), 2.76-2.83(1H, m), 2.93(3H, s), 3.26-3.37(1H, m), 3.38(3H, s), 3.45-3.55(3H, m), 3.87-4.00(5H, m), 5.85(1H, d, J=8.3Hz)
【0103】
参考例7−7
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.83(3H, t, J=7.3Hz), 1.10-1.45(5H, m), 1.50-1.85(6H, m), 2.00-2.10(1H, m), 2.30-2.45(2H, m), 2.50-2.65(1H, m), 2.70-2.85(4H, m), 3.90-4.05(5H, m), 4.15-4.30(1H, m), 5.27(1H, d, J=8.3Hz)
【0104】
参考例7−8
MS(ESI, m/z):417(M+H)+
【0105】
参考例7−9
H-NMR(CDCl3)δ ppm::0.84(3H, t, J=7.3Hz), 1.12-1.23(1H, m), 1.27-1.46(4H, m), 1.50-1.62(2H, m), 1.62-1.85(6H, m), 1.99-2.10(1H, m), 2.24-2.34(1H, m), 2.34-2.42(1H, m), 2.56-2.68(1H, m), 2.75-2.84(1H, m), 2.88(3H, s), 3.23-3.45(4H, m), 3.34(3H, s), 3.89-4.04(5H, m), 5.49(1H, d, J=7.8Hz)
【0106】
参考例7−10
MS(ESI, m/z):352(M+H)+
【0107】
参考例7−11
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.83(3H, t, J=7.3Hz), 1.05(6H, t, J=7.2Hz), 1.13-1.47(5H, m), 1.50-1.88(6H, m), 1.98-2.09(1H, m), 2.31-2.45(2H, m), 2.49-2.64(7H, m), 2.74-2.83(1H, m), 2.90(3H, s), 3.13-3.43(2H, m), 3.86-4.02(5H, m), 6.11-6.31(1H, m)
【0108】
参考例7−12
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.85(3H, t, J=7.5Hz), 1.15-1.25(1H, m), 1.30-1.47(4H, m), 1.51-1.73(3H, m), 1.73-1.86(3H, m), 1.95-2.10(3H, m), 2.25-2.35(1H, m), 2.36-2.43(1H, m), 2.57-2.70(1H, m), 2.75-2.85(1H, m), 2.84(3H, s), 3.23-3.46(2H, m), 3.90-4.04(7H, m), 5.44(1H, d, J=8.0Hz), 6.96-7.00(1H, m), 7.03-7.09(1H, m), 7.51(1H, s)
【0109】
参考例7−13
MS(ESI, m/z):397(M+H)+
【0110】
参考例7−14
MS(ESI, m/z):459(M+H)+
【0111】
参考例7−15
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.83(3H, t, J=7.4Hz), 1.15-1.50(5H, m), 1.50-1.65(2H, m), 1.65-1.90(4H, m), 2.00-2.10(1H, m), 2.25(6H, s), 2.30-2.50(4H, m), 2.50-2.65(1H, m), 2.75-2.95(3H, m), 3.10-3.25(1H, m), 3.25-3.60(3H, m), 3.85-4.05(5H, m), 6.78(1H, br), 7.15-7.35(5H, m)
【0112】
参考例7−16
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.85(3H, t, J=7.3Hz), 1.10-1.25(4H, m), 1.25-1.85(14H, m), 2.00-2.10(1H, m), 2.15-2.40(10H, m), 2.55-2.70(1H, m), 2.75-2.85(1H, m), 3.15-3.30(4H, m), 3.85-4.05(5H, m), 5.41(1H, d, J=8.1Hz)
【0113】
参考例7−17
MS(ESI, m/z):437(M+H)+
【0114】
参考例7−18
MS(ESI, m/z):453(M+H)+
【0115】
参考例7−19
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.83(3H, t, J=7.3Hz), 1.05(6H, t, J=7.2Hz), 1.10-1.90(14H, m), 1.95-2.10(1H, m), 2.30-2.45(2H, m), 2.45-2.70(7H, m), 2.75-2.85(1H, m), 3.10-3.45(4H, m), 3.85-4.05(5H, m), 6.25-6.50(1H, m)
【0116】
参考例7−20
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.84(3H, t, J=7.3Hz), 1.10-1.85(15H, m), 2.00-2.10(1H, m), 2.25-2.70(15H, m), 2.75-2.85(1H, m), 3.20-3.45(4H, m), 3.85-4.05(5H, m), 5.52(1H, d, J=8.3Hz)
【0117】
参考例7−21
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.84(3H, t, J=7.2Hz), 1.02(6H, t, J=7.2Hz), 1.10-1.22(1H, m), 1.14(3H, t, J=7.2Hz), 1.23-1.50(4H, m), 1.50-1.90(8H, m), 2.00-2.10(1H, m), 2.20-2.33(1H, m), 2.33-2.48(3H, m), 2.48-2.71(5H, m), 2.76-2.86(1H, m), 3.10-3.40(4H, m), 3.85-3.96(4H, m), 3.96-4.05(1H, m), 5.44(1H, d, J=8.0Hz)
【0118】
参考例7−22
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.84(3H, t, J=7.2Hz), 1.14(3H, t, J=7.2Hz), 1.17-1.50(6H, m), 1.50-1.62(2H, m), 1.63-1.90(7H, m), 1.95-2.10(1H, m), 2.20-2.35(1H, m), 2.35-2.45(1H, m), 2.50-2.70(7H, m), 2.75-2.85(1H, m), 3.15-3.45(4H, m), 3.85-3.97(4H, m), 3.97-4.05(1H, m), 5.73(1H, d, J=8.0Hz)
【0119】
参考例7−23
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.83(3H, t, J=7.3Hz), 1.10(3H, t, J=7.2Hz), 1.15-1.25(1H, m), 1.25-1.50(4H, m), 1.50-1.65(2H, m), 1.65-1.85(4H, m), 2.00-2.10(1H, m), 2.20-2.45(2H, m), 2.55-2.70(1H, m), 2.75-2.85(1H, m), 3.00-3.10(2H, m), 3.15-3.30(2H, m), 3.50-3.70(2H, m), 3.85-4.05(5H, m), 5.53(1H, d, J=8.0Hz), 7.10-7.15(1H, m), 7.20-7.25(1H, m), 7.55-7.65(1H, m), 8.50-8.60(1H, m)
【0120】
参考例7−24
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.84(3H, t, J=7.2Hz), 1.13(3H, t, J=7.2Hz), 1.16-1.48(5H, m), 1.50-1.90(14H, m), 1.95-2.10(1H, m), 2.20-2.45(2H, m), 2.50-2.85(8H, m), 3.15-3.40(4H, m), 3.85-3.95(4H, m), 3.95-4.05(1H, m), 5.853(1H, d, J=8.0Hz)
【0121】
参考例7−25
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.82(3H, t, J=7.2Hz), 1.10-1.45(5H, m), 1.16(3H, t, J=6.8Hz), 1.45-1.85(6H, m), 1.90-2.10(1H, m), 2.20-2.34(1H, m), 2.34-2.42(1H, m), 2.50-2.62(1H, m), 2.64-2.94(7H, m), 3.19-3.55(4H, m), 3.70-3.75(2H, m), 3.85-4.05(5H, m), 5.765(1H, d, J=8.0Hz), 6.95-7.20(4H, m)
【0122】
参考例7−26
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.84(3H, t, J=7.5Hz), 1.10-1.50(5H, m), 1.50-1.95(8H, m), 2.00-2.10(1H, m), 2.25-2.45(2H, m), 2.55-2.75(3H, m), 2.75-2.85(5H, m), 2.90(3H, s), 3.25-3.45(2H, m), 3.70-3.85(4H, m), 3.85-4.05(5H, m), 5.69(1H, d, J=8.3Hz)
【0123】
参考例7−27
H-NMR(CDCl3)δ ppm:1.10(3H, t, J=7.2Hz), 1.15-1.40(2H, m), 1.40-1.95(7H, m), 2.10-2.50(10H, m), 2.70-2.80(1H, m), 3.05-3.40(5H, m), 3.85-4.05(5H, m), 4.05-4.20(1H, m), 6.05-6.30(1H, m), 7.15-7.35(5H, m)
【0124】
参考例8−1
3−[(3'S,4'aR,8'aR)−1'−プロピルオクタヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−イル]−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−エチル尿素
(3'S,4'aR,8'aR)−1'−プロピルオクタヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−カルボン酸(参考例5−1)(202mg)およびトルエン(3.6mL)の混合物に、室温撹拌下、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.194mL)、次いでジフェニルリン酸アジド(0.245mL)を加え、1時間還流した。室温に冷却後、反応混合物に[2−(ジメチルアミノ)エチル](エチル)アミン(0.191mL)を加え、3時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、塩化メチレンで抽出した。分取した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をアミノプロピルシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:25%−85%酢酸エチル/ヘキサン、グラジエント溶出)で精製して表題化合物(157mg)を得た。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.83(3H, t, J=7.4Hz), 1.05-1.50(8H, m), 1.50-1.85(6H, m), 1.95-2.10(1H, m), 2.20-2.50(11H, m), 2.75-2.85(1H, m), 3.15-3.40(4H, m), 3.85-4.05(5H, m), 6.55-6.75(1H, m)
【0125】
参考例8−7
3−[(3'S,4'aR,8'aR)−1'−プロピルオクタヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−イル]−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−(2−メチルプロピル)尿素
(3'S,4'aR,8'aR)−1'−プロピルオクタヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−カルボン酸(参考例5−2)(500mg)およびトルエン(8.8mL)の混合物に、室温撹拌下、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.480mL)、次いでジフェニルリン酸アジド(0.609mL)を加え、1時間還流した。室温に冷却後、反応混合物にジメチル({2−[(2−メチルプロピル)アミノ]エチル})アミン(458mg)を加え、同温度にて5時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、塩化メチレンで抽出した。分取した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をアミノプロピルシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:25%−70%酢酸エチル/ヘキサン、グラジエント溶出)で精製して表題化合物(404mg)を得た。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.84(3H, t, J=7.4Hz), 0.85-0.95(6H, m), 1.10-1.25(1H, m), 1.25-1.50(4H, m), 1.50-1.85(6H, m), 1.85-2.10(2H, m), 2.20-2.65(11H, m), 2.75-2.85(1H, m), 2.90-3.05(1H, m), 3.05-3.20(1H, m), 3.20-3.30(1H, m), 3.30-3.40(1H, m), 3.85-4.05(5H, m), 6.53(1H, br)
【0126】
[2−(ジメチルアミノ)エチル](エチル)アミンの代わりに対応するアミンを用い参考例8−1または参考例8−7と同様の方法により、参考例8−2〜参考例8−6、参考例8−8〜参考例8−22を合成した。これらを表6に示した。
【0127】

【表6】
表6における参考例8-1〜8-6の構造式は絶対配置を示し、参考例8-7〜8-22の構造式は相対配置を示す。
【0128】
参考例8−2〜参考例8−6、参考例8−8〜参考例8−22の物性値を以下に示した。
【0129】
参考例8−2
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.83(3H, t, J=7.4Hz), 0.89(3H, t, J=7.4Hz), 1.10-1.25(1H, m), 1.25-1.45(4H, m), 1.45-1.85(8H, m), 1.95-2.10(1H, m), 2.20-2.50(10H, m), 2.50-2.65(1H, m), 2.75-2.85(1H, m), 3.05-3.40(4H, m), 3.85-4.00(5H, m), 6.50-6.75(1H, m)
【0130】
参考例8−3
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.84(3H, t, J=7.4Hz), 0.85-0.95(6H, m), 1.10-1.25(1H, m), 1.25-1.50(4H, m), 1.50-1.65(2H, m), 1.65-1.85(4H, m), 1.85-2.10(2H, m), 2.25-2.65(11H, m), 2.75-2.85(1H, m), 2.90-3.05(1H, m), 3.05-3.20(1H, m), 3.20-3.30(1H, m), 3.30-3.40(1H, m), 3.85-4.05(5H, m), 6.54(1H, br)
【0131】
参考例8−4
H-NMR(CDCl3)δ ppm::0.83(3H, t, J=7.3Hz), 1.05(6H, t, J=7.2Hz), 1.10-1.25(1H, m), 1.25-1.50(4H, m), 1.50-1.85(6H, m), 1.95-2.10(1H, m), 2.30-2.45(2H, m), 2.45-2.65(7H, m), 2.75-2.85(1H, m), 2.90(3H, s), 3.10-3.25(1H, m), 3.30-3.45(1H, m), 3.85-4.05(5H, m), 6.10-6.30(1H, m)
【0132】
参考例8−5
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.85(3H, t, J=7.4Hz), 1.10-1.25(1H, m), 1.25-1.50(4H, m), 1.50-1.85(6H, m), 2.00-2.10(1H, m), 2.20-2.45(2H, m), 2.55-2.70(1H, m), 2.75-2.85(1H, m), 2.90(6H, s), 3.90-4.05(5H, m), 5.41(1H, d, J=7.9Hz)
【0133】
参考例8−6
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.77(3H, t, J=7.4Hz), 1.05-1.45(5H, m), 1.46(3H, d, J=6.8Hz), 1.50-1.85(5H, m), 1.95-2.05(1H, m), 2.20-2.35(3H, m), 2.35-2.50(1H, m), 2.55-2.65(1H, m), 3.90-4.00(5H, m), 4.51(1H, d, J=6.5Hz), 4.70-4.80(1H, m), 5.20(1H, d, J=8.2Hz), 7.20-7.40(5H, m)
【0134】
参考例8−8
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.83(3H, t, J=7.3Hz), 0.89(3H, t, J=7.3Hz), 1.10-1.25(1H, m), 1.25-1.45(4H, m), 1.45-1.85(8H, m), 2.00-2.10(1H, m), 2.20-2.50(10H, m), 2.50-2.65(1H, m), 2.75-2.85(1H, m), 3.05-3.40(4H, m), 3.85-4.00(5H, m), 6.50-6.70(1H, m)
【0135】
参考例8−9
MS(ESI, m/z):366(M+H)+
【0136】
参考例8−10
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.84(3H, t, J=7.4Hz), 1.10-1.25(1H, m), 1.25-1.50(4H, m), 1.50-1.90'(6H, m), 2.00-2.10(1H, m), 2.25-2.35(1H, m), 2.35-2.45(1H, m), 2.55-2.70(1H, m), 2.75-2.90(6H, m), 3.35-3.50(1H, m), 3.50-3.60(1H, m), 3.85-4.05(5H, m), 5.41(1H, d, J=80Hz), 7.20-7.30(1H, m), 7.50-7.60(1H, m), 8.45-8.50(2H, m)
【0137】
参考例8−11
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.84(3H, t, J=7.4Hz), 1.10-1.25(1H, m), 1.25-1.50(4H, m), 1.50-1.90(6H, m), 2.00-2.10(1H, m), 2.25-2.35(1H, m), 2.35-2.45(1H, m), 2.55-2.70(1H, m), 2.70-2.90(6H, m), 3.40-3.60(2H, m), 3.90-4.05(5H, m), 5.40(1H, d, J=8.1Hz), 7.10-7.20(2H, m), 8.45-8.55(2H, m)
【0138】
参考例8−12
MS(ESI, m/z):414(M+H)+
【0139】
参考例8−13
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.82(3H, t, J=7.4Hz), 1.10-1.45(5H, m), 1.50-1.85(6H, m), 1.95-2.10(1H, m), 2.20-2.45(2H, m), 2.50-2.65(1H, m), 2.70-2.80(1H, m), 2.87(3H, s), 2.97(3H, s), 3.30-3.60(4H, m), 3.85-4.05(5H, m), 5.45(1H, d, J=8.3Hz), 6.65-6.80(3H, m), 7.20-7.30(2H, m)
【0140】
参考例8−14
MS(ESI, m/z):453(M+H)+
【0141】
参考例8−15
MS(ESI, m/z):441(M+H)+
【0142】
参考例8−16
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.83(3H, t, J=7.3Hz), 1.05-1.85(18H, m), 1.95-2.10(1H, m), 2.25-2.65(9H, m), 2.75-2.85(1H, m), 3.15-3.45(8H, m), 3.85-4.05(5H, m), 6.20-6.35(1H, m)
【0143】
参考例8−17
MS(ESI, m/z):411(M+H)+
【0144】
参考例8−18
MS(ESI, m/z):425(M+H)+
【0145】
参考例8−19
MS(ESI, m/z):411(M+H)+
【0146】
参考例8−20
MS(ESI, m/z):473(M+H)+
【0147】
参考例8−21
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.84(3H, t, J=7.4Hz), 1.10-1.25(4H, m), 1.25-1.50(4H, m), 1.50-1.65(2H, m), 1.65-1.85(4H, m), 1.85-1.95(2H, m), 2.00-2.10(1H, m), 2.25-2.45(2H, m), 2.55-2.90(8H, m), 3.15-3.40(4H, m), 3.65-3.85(4H, m), 3.85-4.05(5H, m), 5.78(1H, d, J=8.1Hz)
【0148】
参考例8−22
MS(ESI, m/z):473(M+H)+
【0149】
参考例9−1
3−[(3S,4aR,8aR)−6−オキソ−1−プロピルデカヒドロキノリン−3−イル]−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−エチル尿素
3−[(3'S,4'aR,8'aR)−1'−プロピルオクタヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−イル]−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−エチル尿素(参考例8−1)(157mg)に2mol/L塩酸(3.95mL)を加え、室温にて14時間撹拌した。反応混合物に炭酸カリウムを加えてアルカリ性にした。これに酢酸エチルを加えて抽出した。分取した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、表題化合物(130mg)を得た。
MS(ESI, m/z):353(M+H)+
【0150】
参考例9−7
3−[(3S,4aR,8aR)−6−オキソ−1−プロピルデカヒドロキノリン−3−イル]−1,1−ジエチル尿素
3−[(3'S,4'aR,8'aR)−1'−プロピルオクタヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−イル]−1,1−ジエチル尿素(参考例7−1)(221mg)に2mol/L塩酸(5.0mL)を加え、その混合物を室温にて1.5時間撹拌した。反応混合物に炭酸カリウムを加えてアルカリ性にした。これより塩化メチレン/2−プロパノール混合溶媒(塩化メチレン:2−プロパノール=3:1)にて抽出、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、表題化合物(202mg)を得た。
MS(ESI, m/z):310(M+H)+
【0151】
3−[(3'S,4'aR,8'aR)−1'−プロピルオクタヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−イル]−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−エチル尿素の代わりに対応するケタールを用い参考例9−1または参考例9−7と同様の方法により、参考例9−2〜参考例9−6、参考例9−8〜参考例9−49を合成した。これらを表7に示した。
【0152】
【表7】
表7における参考例9-1〜9-6の構造式は絶対配置を示し、参考例9-7〜9-49の構造式は相対配置を示す。
【0153】
参考例9−2〜参考例9−6、参考例9−8〜参考例9−49の物性値を以下に示した。
【0154】
参考例9−2
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.86(3H, t, J=7.4Hz), 0.89(3H, t, J=7.4Hz), 1.25-1.35(1H, m), 1.35-1.65(5H, m), 1.70-1.90(2H, m), 2.05-2.30(9H, m), 2.30-2.55(7H, m), 2.55-2.70(1H, m), 2.80-2.90(1H, m), 3.05-3.40(4H, m), 3.95-4.10(1H, m), 6.45-6.70(1H, m)
【0155】
参考例9−3
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.86(3H, t, J=7.3Hz), 0.89(6H, d, J=6.7Hz), 1.25-1.60(4H, m), 1.65-1.95(3H, m), 2.05-2.30(9H, m), 2.30-2.55(7H, m), 2.55-2.70(1H, m), 2.80-2.90(1H, m), 2.90-3.15(2H, m), 3.15-3.40(2H, m), 3.95-4.10(1H, m), 6.50(1H, br)
【0156】
参考例9−4
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.85(3H, t, J=7.3Hz), 1.03(6H, t, J=7.2Hz), 1.25-1.60(4H, m), 1.65-1.90(3H, m), 2.05-2.30(3H, m), 2.30-2.70(11H, m), 2.80-2.95(4H, m), 3.15-3.40(2H, m), 4.00-4.10(1H, m), 6.16(1H, brs)
【0157】
参考例9−5
MS(ESI, m/z):282(M+H)+
【0158】
参考例9−6
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.79(3H, t, J=7.4Hz), 1.15-1.55(7H, m), 1.60-1.85(2H, m), 2.00-2.25(3H, m), 2.25-2.50(6H, m), 2.55-2.70(1H, m), 3.90-4.05(1H, m), 4.54(1H, d, J=6.2Hz), 4.60-4.75(1H, m), 5.09(1H, d, J=8.0Hz), 7.20-7.40(5H, m)
【0159】
参考例9−8
MS(ESI, m/z):358(M+H)+
【0160】
参考例9−9
MS(ESI, m/z):282(M+H)+
【0161】
参考例9−10
MS(ESI, m/z):324(M+H)+
【0162】
参考例9−11
MS(ESI, m/z):372(M+H)+
【0163】
参考例9−12
MS(ESI, m/z):326(M+H)+
【0164】
参考例9−13
MS(ESI, m/z):268(M+H)+
【0165】
参考例9−14
MS(ESI, m/z):373(M+H)+
【0166】
参考例9−15
MS(ESI, m/z):340(M+H)+
【0167】
参考例9−16
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.60-0.85(4H, m), 0.87(3H, t, J=7.3Hz), 1.25-1.35(1H, m), 1.35-1.60(3H, m), 1.70-1.95(2H, m), 2.10-2.30(3H, m), 2.30-2.55(6H, m), 2.65-2.75(1H, m), 2.80-2.95(4H, m), 4.00-4.10(1H, m), 6.18(1H, d, J=8.2Hz)
【0168】
参考例9−17
MS(ESI, m/z):367(M+H)+
【0169】
参考例9−18
MS(ESI, m/z):376(M+H)+
【0170】
参考例9−19
MS(ESI, m/z):353(M+H)+
【0171】
参考例9−20
MS(ESI, m/z):415(M+H)+
【0172】
参考例9−21
MS(ESI, m/z):381(M+H)+
【0173】
参考例9−22
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.86(3H, t, J=7.4Hz), 0.89(3H, t, J=7.4Hz), 1.25-1.65(6H, m), 1.70-1.90(2H, m), 2.05-2.30(9H, m), 2.30-2.55(7H, m), 2.55-2.75(1H, m), 2.80-2.90(1H, m), 3.05-3.40(4H, m), 3.95-4.10(1H, m), 6.45-6.65(1H, m)
【0174】
参考例9−23
MS(ESI, m/z):429(M+H)+
【0175】
参考例9−24
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.87(3H, t, J=7.3Hz), 1.13(3H, t, J=7.1Hz), 1.20-1.35(1H, m), 1.35-1.65(7H, m), 1.70-1.85(1H, m), 1.85-1.95(1H, m), 2.05-2.30(11H, m), 2.30-2.50(5H, m), 2.60-2.75(1H, m), 2.80-2.90(1H, m), 3.10-3.35(4H, m), 4.00-4.10(1H, m), 5.29(1H, d, J=8.4Hz)
【0176】
参考例9−25
MS(ESI, m/z):393(M+H)+
【0177】
参考例9−26
MS(ESI, m/z):409(M+H)+
【0178】
参考例9−27
MS(ESI, m/z):381(M+H)+
【0179】
参考例9−28
MS(ESI, m/z):408(M+H)+
【0180】
参考例9−29
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.87(3H, t, J=7.2Hz), 1.00(6H, t, J=7.2Hz), 1.13(3H, t, J=7.6Hz), 1.20-1.35(1H, m), 1.35-1.60(3H, m), 1.60-1.95(5H, m), 2.05-2.30(3H, m), 2.30-2.60(10H, m), 2.60-2.75(1H, m), 2.80-2.95(1H, m), 3.10-3.35(4H, m), 4.00-4.10(1H, m), 5.37(1H, d, J=8.0Hz)
【0181】
参考例9−30
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.86(3H, t, J=7.2Hz), 1.13(3H, t, J=7.2Hz), 1.20-1.60(5H, m), 1.70-1.95(6H, m), 2.05-2.30(3H, m), 2.30-2.70(11H, m), 2.80-2.90(1H, m), 3.10-3.50(4H, m), 4.00-4.10(1H, m), 5.70-5.80(1H, m)
【0182】
参考例9−31
MS(ESI, m/z):387(M+H)+
【0183】
参考例9−32
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.86(3H, t, J=7.6Hz), 1.12(3H, t, J=7.2Hz), 1.20-1.35(1H, m), 1.35-1.95(14H, m), 2.05-2.30(3H, m), 2.30-2.55(5H, m), 2.56-2.75(6H, m), 2.80-2.90(1H, m), 3.10-3.50(4H, m), 4.00-4.10(1H, m), 5.839(1H, d, J=7.6Hz)
【0184】
参考例9−33
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.84(3H, t, J=7.2Hz), 1.15(3H, t, J=7.2Hz), 1.20-1.50(4H, m), 1.65-1.90(2H, m), 2.00-2.24(3H, m), 2.24-2.41(4H, m), 2.43-2.61(2H, m), 2.63-2.73(2H, m), 2.75-2.94(5H, m), 3.20-3.55(4H, m), 3.65-3.80(2H, m), 4.00-4.10(1H, m), 5.80-5.95(1H, m), 6.95-7.05(1H, m), 7.05-7.20(3H, m)
【0185】
参考例9−34
MS(ESI, m/z):322(M+H)+
【0186】
参考例9−35
MS(ESI, m/z):373(M+H)+
【0187】
参考例9−36
MS(ESI, m/z):373(M+H)+
【0188】
参考例9−37
MS(ESI, m/z):370(M+H)+
【0189】
参考例9−38
MS(ESI, m/z):395(M+H)+
【0190】
参考例9−39
MS(ESI, m/z):401(M+H)+
【0191】
参考例9−40
MS(ESI, m/z):409(M+H)+
【0192】
参考例9−41
MS(ESI, m/z):397(M+H)+
【0193】
参考例9−42
MS(ESI, m/z):411(M+H)+
【0194】
参考例9−43
MS(ESI, m/z):367(M+H)+
【0195】
参考例9−44
MS(ESI, m/z):381(M+H)+
【0196】
参考例9−45
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.86(3H, t, J=7.4Hz), 1.13(3H, t, J=7.1Hz), 1.25-1.60(4H, m), 1.60-1.90(4H, m), 2.05-2.55(16H, m), 2.60-2.70(1H, m), 2.80-2.95(1H, m), 3.10-3.35(4H, m), 4.00-4.10(1H, m), 5.71(1H, d, J=7.6Hz)
【0197】
参考例9−46
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.87(3H, t, J=7.4Hz), 1.14(3H, t, J=7.2Hz), 1.25-1.60(4H, m), 1.70-2.05(6H, m), 2.05-2.30(3H, m), 2.30-2.75(12H, m), 2.80-2.90(1H, m), 3.15-3.45(4H, m), 4.00-4.10(1H, m), 5.54(1H, d,J=7.8Hz)
【0198】
参考例9−47
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.87(3H, t, J=7.4Hz), 1.14(3H, t, J=7.2Hz), 1.25-1.35(1H, m), 1.35-1.60(3H, m), 1.70-1.95(4H, m), 2.05-2.30(3H, m), 2.30-2.55(5H, m), 2.60-2.70(3H, m), 2.70-2.90(5H, m), 3.15-3.40(4H, m), 3.65-3.85(4H, m), 4.00-4.10(1H, m), 5.76(1H, d, J=7.6Hz)
【0199】
参考例9−48
MS(ESI, m/z):401(M+H)+
【0200】
参考例9−49
MS(ESI, m/z):429(M+H)+
【0201】
参考例10−1
3−[(3S,4aR,8aR)−7−[(ジメチルアミノ)メチリデン]−6−オキソ−1−プロピルデカヒドロキノリン−3−イル]−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−エチル尿素
3−[(3S,4aR,8aR)−6−オキソ−1−プロピルデカヒドロキノリン−3−イル]−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−エチル尿素(参考例9−1)(130mg)およびトルエン(1.2mL)の混合物に、室温撹拌下、tert−ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(0.092mL)を加え、40分間還流した。室温に冷却後、反応混合物を減圧下濃縮した。残渣を1,2−ジヒドロキシプロピルシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:0%−30%メタノール/酢酸エチル,グラジエント溶出)で精製して表題化合物(110mg)を得た。
MS(ESI, m/z):408(M+H)+
【0202】
参考例10−7
3−[(3S,4aR,8aR)−7−[(ジメチルアミノ)メチリデン]−6−オキソ−1−プロピルデカヒドロキノリン−3−イル]−1,1−ジエチル尿素
3−[(3S,4aR,8aR)−6−オキソ−1−プロピルデカヒドロキノリン−3−イル]−1,1−ジエチル尿素(参考例9−7)(193mg) およびトルエン(3.0mL)の混合物に、室温撹拌下、tert−ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(0.155mL)を加え、1時間還流した。反応混合物に更にtert−ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(0.077mL)を加え、同温度にて1時間還流した。室温に冷却後、反応混合物を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:0%−5%メタノール/酢酸エチル,グラジエント溶出)で精製して表題化合物(88mg)を得た。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.89(3H, t, J=7.4Hz), 1.11-1.18(7H, m), 1.34-1.57(2H, m), 1.72-1.87(1H, m), 1.90-2.17(3H, m), 2.24-2.48(4H, m), 2.59-2.74(1H, m), 2.79-2.91(1H, m), 3.12(6H, s), 3.18-3.35(5H, m), 3.98-4.12(1H, m), 5.38(1H, d, J=8.0Hz), 7.51(1H, s)
【0203】
3−[(3S,4aR,8aR)−6−オキソ−1−プロピルデカヒドロキノリン−3−イル]−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−エチル尿素の代わりに対応する6−オキソデカヒドロキノリンを用い参考例10−1または参考例10−7と同様の方法により、参考例10−2〜参考例10−6、参考例10−8〜参考例10−49を合成した。これらを表8に示した。
【0204】

【表8】
表8における参考例10-1〜10-6の構造式は絶対配置を示し、参考例10-7〜10-49の構造式は相対配置を示す。
【0205】
参考例10−2〜参考例10−6、参考例10−8〜参考例10−49の物性値を以下に示した。
【0206】
参考例10−2
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.80-0.95(6H, m), 1.10-1.25(1H, m), 1.35-1.65(4H, m), 1.70-2.15(6H, m), 2.20-2.50(11H, m), 2.55-2.70(1H, m), 2.80-2.90(1H, m), 3.05-3.30(9H, m), 3.30-3.45(1H, m), 3.95-4.05(1H, m), 6.15-6.40(1H, m), 7.50(1H, s)
【0207】
参考例10−3
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.80-0.95(9H, m), 1.10-1.25(1H, m), 1.35-1.55(2H, m), 1.65-2.15(5H, m), 2.20-2.50(12H, m), 2.55-2.70(1H, m), 2.80-2.90(1H, m), 2.90-3.30(10H, m), 3.30-3.45(1H, m), 3.95-4.05(1H, m), 6.10-6.30(1H, m), 7.50(1H, s)
【0208】
参考例10−4
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.87(3H, t, J=7.4Hz), 1.04(6H, t, J=7.3Hz), 1.10-1.25(1H, m), 1.35-1.55(2H, m), 1.70-2.05(3H, m), 2.05-2.15(1H, m), 2.25-2.50(4H, m), 2.50-2.70(7H, m), 2.80-2.90(1H, m), 2.90(3H, s), 3.11(6H, s), 3.15-3.40(3H, m), 4.00-4.10(1H, m), 5.90-6.05(1H, m), 7.50(1H, s)
【0209】
参考例10−5
MS(ESI, m/z):337(M+H)+
【0210】
参考例10−6
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.80(3H, t, J=7.3Hz), 1.05-1.45(3H, m), 1.46(3H, d, J=6.9Hz), 1.65-1.80(1H, m), 1.80-1.90(1H, m), 1.90-2.10(2H, m), 2.20-2.55(5H, m), 2.60-2.70(1H, m), 3.05-3.20(7H, m), 3.90-4.00(1H, m), 4.52(1H, d, J=6.2Hz), 4.65-4.80(1H, m), 5.16(1H, d, J=8.1Hz), 7.20-7.40(5H, m), 7.50(1H, s)
【0211】
参考例10−8
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.83(3H, t, J=7.3Hz), 1.05-1.18(1H, m), 1.28-1.56(3H, m), 1.87-2.05(3H, m), 2.07-2.17(1H, m), 2.21-2.32(2H, m), 2.35-2.42(1H, m), 2.51-2.65(1H, m), 2.74-2.83(1H, m), 2.95(3H, s), 3.04-3.09(1H, m), 3.11(6H, s), 3.98-4.08(1H, m), 4.36-4.59(2H, m), 5.42(1H, d, J=8.3Hz), 7.20-7.36(5H, m), 7.48(1H, s)
【0212】
参考例10−9
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.89(3H, t, J=7.3Hz), 1.11-1.22(1H, m), 1.37-1.53(2H, m), 1.72-2.14(4H, m), 2.28-2.48(4H, m), 2.60-2.74(1H, m), 2.80-2.89(1H, m), 2.90(6H, s), 3.12(6H, s), 3.16-3.25(1H, m), 4.00-4.08(1H, m), 5.41(1H, d, J=8.3Hz), 7.51(1H, s)
【0213】
参考例10−10
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.89(3H, t, J=7.3Hz), 0.93(3H, t, J=7.4Hz), 1.10-1.22(1H, m), 1.26-1.37(2H, m), 1.38-1.57(4H, m), 1.73-1.87(1H, m), 1.89-2.13(3H, m), 2.28-2.47(4H, m), 2.61-2.72(1H, m), 2.80-2.90(1H, m), 2.87(3H, s), 3.12(6H, s), 3.12-3.31(3H, m), 3.98-4.07(1H, m), 5.39(1H, d, J=8.0Hz), 7.51(1H, s)
【0214】
参考例10−11
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.88(3H, t, J=7.4Hz), 1.08-1.20(1H, m), 1.36-1.55(2H, m), 1.57-1.78(1H, m), 1.84-1.93(1H, m), 1.94-2.14(2H, m), 2.27-2.48(4H, m), 2.60-2.72(1H, m), 2.75-2.89(3H, m), 2.84(3H, s), 3.12(6H, s), 3.15-3.24(1H, m), 3.39-3.55(2H, m), 3.97-4.07(1H, m), 5.36(1H, d, J=8.0Hz), 7.14-7.33(5H, m), 7.51(1H, s)
【0215】
参考例10−12
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.88(3H, t, J=7.3Hz), 1.10-1.23(1H, m), 1.35-1.55(2H, m), 1.74-2.15(4H, m), 2.27-2.46(4H, m), 2.60-2.73(1H, m), 2.80-2.88(1H, m), 2.93(3H, s), 3.12(6H, s), 3.16-3.25(1H, m), 3.28-3.39(1H, m), 3.35(3H, s), 3.43-3.55(3H, m), 3.95-4.04(1H, m), 5.82(1H, d, J=8.1Hz), 7.51(1H, s)
【0216】
参考例10−13
MS(ESI, m/z):323(M+H)+
【0217】
参考例10−14
MS(ESI, m/z):428(M+H)+
【0218】
参考例10−15
MS(ESI, m/z):395(M+H)+
【0219】
参考例10−16
MS(ESI, m/z):363(M+H)+
【0220】
参考例10−17
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.87(3H, t, J=7.4Hz), 1.03(6H, t, J=7.2Hz), 1.11-1.22(1H, m), 1.35-1.54(2H, m), 1.74-2.16(4H, m), 2.26-2.68(7H, m), 2.55(4H, q, J=7.2Hz), 2.81-2.93(1H, m), 2.90(3H, s), 3.11(6H, s), 3.14-3.39(3H, m), 3.97-4.07(1H, m), 5.96(1H, d, J=7.2Hz), 7.50(1H, s)
【0221】
参考例10−18
MS(ESI, m/z):431(M+H)+
【0222】
参考例10−19
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.83(3H, t, J=7.3Hz), 1.10-1.25(4H, m), 1.35-1.55(2H, m), 1.70-2.05(3H, m), 2.05-2.15(1H, m), 2.26(6H, s), 2.30-2.50(6H, m), 2.55-2.70(1H, m), 2.80-2.90(1H, m), 3.11(6H, s), 3.15-3.40(5H, m), 3.95-4.10(1H, m), 6.25-6.40(1H, m), 7.50(1H, s)
【0223】
参考例10−20
MS(ESI, m/z):470(M+H)+
【0224】
参考例10−21
MS(ESI, m/z):436(M+H)+
【0225】
参考例10−22
MS(ESI, m/z):422(M+H)+
【0226】
参考例10−23
MS(ESI, m/z):484(M+H)+
【0227】
参考例10−24
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.89(3H, t, J=7.3Hz), 1.05-1.25(4H, m), 1.35-1.65(6H, m), 1.65-1.90(1H, m), 1.90-2.15(3H, m), 2.20(6H, s), 2.20-2.45(6H, m), 2.60-2.75(1H, m), 2.80-2.90(1H, m), 3.10-3.35(11H, m), 4.00-4.10(1H, m), 5.38(1H, d, J=7.9Hz), 7.51(1H, s)
【0228】
参考例10−25
MS(ESI, m/z):448(M+H)+
【0229】
参考例10−26
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.80-0.95(9H, m), 1.10-1.25(4H, m), 1.35-1.55(6H, m), 1.70-1.95(2H, m), 1.95-2.05(1H, m), 2.05-2.15(1H, m), 2.25-2.50(8H, m), 2.50-2.70(3H, m), 2.80-2.90(1H, m), 3.11(6H, s), 3.15-3.40(5H, m), 4.00-4.10(1H, m), 5.91(1H, d, J=7.8Hz), 7.51(1H, s)
【0230】
参考例10−27
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.87(3H, t, J=7.3Hz), 1.04(6H, t, J=7.1Hz), 1.10-1.25(4H, m), 1.35-1.55(2H, m), 1.70-2.15(4H, m), 2.25-2.70(11H, m), 2.80-2.90(1H, m), 3.11(6H, s), 3.15-3.40(5H, m), 4.00-4.10(1H, m), 6.05(1H, d, J=7.5Hz), 7.50(1H, s)
【0231】
参考例10−28
MS(ESI, m/z):463(M+H)+
【0232】
参考例10−29
MS(ESI, m/z):450 (M+H)+
【0233】
参考例10−30
MS(ESI, m/z):434 (M+H)+
【0234】
参考例10−31
MS(ESI, m/z):442(M+H)+
【0235】
参考例10−32
MS(ESI, m/z):462(M+H)+
【0236】
参考例10−33
MS(ESI, m/z):496(M+H)+
【0237】
参考例10−34
MS(ESI, m/z):377(M+H)+
【0238】
参考例10−35
MS(ESI, m/z):428(M+H)+
【0239】
参考例10−36
MS(ESI, m/z):428(M+H)+
【0240】
参考例10−37
MS(ESI, m/z):425(M+H)+
【0241】
参考例10−38
MS(ESI, m/z):450(M+H)+
【0242】
参考例10−39
MS(ESI, m/z):456(M+H)+
【0243】
参考例10−40
MS(ESI, m/z):464(M+H)+
【0244】
参考例10−41
MS(ESI, m/z):452(M+H)+
【0245】
参考例10−42
MS(ESI, m/z):466(M+H)+
【0246】
参考例10−43
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.87(3H, t, J=7.4Hz), 1.05(3H, t, J=7.2Hz), 1.10-1.25(4H, m), 1.35-1.55(2H, m), 1.70-2.15(4H, m), 2.27(3H, s), 2.30-2.55(8H, m), 2.55-2.70(1H, m), 2.80-2.90(1H, m), 3.11(6H, s), 3.15-3.40(5H, m), 3.95-4.10(1H, m), 6.19(1H, d, J=7.4Hz), 7.50(1H, s)
【0247】
参考例10−44
MS(ESI, m/z):436(M+H)+
【0248】
参考例10−45
MS(ESI, m/z):422(M+H)+
【0249】
参考例10−46
MS(ESI, m/z):484(M+H)+
【0250】
参考例10−47
MS(ESI, m/z):464(M+H)+
【0251】
参考例10−48
MS(ESI, m/z):456(M+H)+
【0252】
参考例10−49
MS(ESI, m/z):484(M+H)+
【0253】
実施例1−1
3−[(5aR,8S,9aR)−2−アミノ−6−プロピル−5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン−8−イル]−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−エチル尿素(化合物1−1)
3−[(3S,4aR,8aR)−7−[(ジメチルアミノ)メチリデン]−6−オキソ−1−プロピルデカヒドロキノリン−3−イル]−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−エチル尿素(参考例10−1)(110mg)およびエタノール(2.7mL)の混合物に、室温撹拌下、炭酸グアニジン(59mg)を加え、16時間還流した。室温に冷却後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。分取した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をアミノプロピルシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:0%−15%メタノール/酢酸エチル,グラジエント溶出)で精製して表題化合物(65mg)を得た。
H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:0.85(3H, t, J=6.8Hz), 1.00(3H, t, J=6.8Hz), 1.15-1.50(3H, m), 1.70-1.90(2H, m), 2.00-2.20(7H, m), 2.20-2.45(6H, m), 2.45-2.90(3H, m), 2.95-3.40(5H, m), 3.75-3.85(1H, m), 6.25(2H, s), 6.50-6.70(1H, m), 8.00(1H, s)
[α]25=-75.273°(c=0.44, MeOH)
【0254】
実施例1−6
3−[(5aR,8S,9aR)−2−アミノ−6−プロピル−5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン−8−イル]−1−[(1S)−1−フェニルエチル]尿素(化合物1−6)
3−[(3S,4aR,8aR)−7−[(ジメチルアミノ)メチリデン]−6−オキソ−1−プロピルデカヒドロキノリン−3−イル]−1−[(1S)−1−フェニルエチル]尿素(参考例10−6)(82mg)およびエタノール(2mL)の混合物に、室温攪拌下、炭酸グアニジン(44mg)を加え、11時間還流した。室温に冷却後、エタノール(2mL)および水(4mL)で希釈し、固形物を濾取し、表題化合物(53mg)を得た。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.82(3H, t, J=7.3Hz), 1.15-1.40(3H, m), 1.46(3H, d, J=6.8Hz), 1.65-1.85(1H, m), 1.90-2.05(1H, m), 2.10-2.25(1H, m), 2.25-2.55(5H, m), 2.55-2.70(2H, m), 2.90-3.00(1H, m), 3.95-4.05(1H, m), 4.57(1H, d, J=6.3Hz), 4.60-4.75(1H, m), 4.83(2H, s), 5.19(1H, d, J=8.2Hz), 7.20-7.40(5H, m), 8.04(1H, s)
[α]25=-97.875°(c=0.48, CHCl3)
【0255】
3−[(5aR,8S,9aR)−2−アミノ−6−プロピル−5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン−8−イル]−1−[(1S)−1−フェニルエチル]尿素(化合物1−6)(11mg)およびメタノール(1.4mL)の混合物を、50℃に昇温して加熱溶解した後、室温にて16時間静置して単結晶を得た。得られた単結晶のX線結晶解析により、化合物1−6の絶対配置を決定した。
【0256】
3−[(5aR,8S,9aR)−2−アミノ−6−プロピル−5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン−8−イル]−1−[(1S)−1−フェニルエチル]尿素(化合物1−6)の絶対配置が確定したことから、その出発物質である(3'S,4'aR,8'aR)−1'−プロピルオクタヒドロ−1'H−スピロ[1,3−ジオキソラン−2,6'−キノリン]−3'−カルボン酸(参考例5−1)も同じ立体配置を有することが明らかになった。
【0257】
実施例1−7
3−[(5aR,8S,9aR)−2−アミノ−6−プロピル−5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン−8−イル]−1,1−ジエチル尿素(化合物1−7)
3−[(3S,4aR,8aR)−7−[(ジメチルアミノ)メチリデン]−6−オキソ−1−プロピルデカヒドロキノリン−3−イル]−1,1−ジエチル尿素(参考例10−7)(42mg)およびエタノール(3.0mL)の混合物に、室温撹拌下、炭酸グアニジン(25mg)を加え、4.5時間還流した。室温に冷却後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。分取した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をアミノプロピルシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:0%−30%メタノール/酢酸エチル,グラジエント溶出)で精製して表題化合物(28mg)を得た。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.91(3H, t, J=7.3Hz), 1.14(6H, t, J=7.2Hz), 1.23-1.34(1H, m), 1.38-1.64(2H, m), 1.74-1.91(1H, m), 2.07-2.16(1H, m), 2.18-2.28(1H, m), 2.29-2.51(4H, m), 2.62-2.80(2H, m), 2.84-2.94(1H, m), 3.00-3.10(1H, m), 3.14-3.37(4H, m), 3.97-4.15(1H, m), 4.81(2H, s), 5.40(1H, d, J=7.9Hz), 8.04(1H, s)
【0258】
3−[(3S,4aR,8aR)−7−[(ジメチルアミノ)メチリデン]−6−オキソ−1−プロピルデカヒドロキノリン−3−イル]−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−エチル尿素の代わりに対応する7−[(ジメチルアミノ)メチリデン]−6−オキソデカヒドロキノリンを用い実施例1−1または実施例1−7と同様の方法により、実施例1−2〜実施例1−5、実施例1−8〜実施例1−48を合成した。これらを表9に示した。
【0259】

【表9】
表9における化合物1-1〜1-6の構造式は絶対配置を示し、化合物1-7〜1-48の構造式は相対配置を示す。
【0260】
化合物1−2〜化合物1−5、化合物1−8〜化合物1−48の物性値を以下に示した。
【0261】
化合物1−2
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.89(3H, t, J=7.4Hz), 0.90(3H, t, J=7.4Hz), 1.20-1.35(1H, m), 1.35-1.65(4H, m), 1.75-1.90(1H, m), 2.00-2.15(1H, m), 2.15-2.30(7H, m), 2.30-2.55(6H, m), 2.60-2.75(2H, m), 2.85-2.95(1H, m), 2.95-3.30(4H, m), 3.30-3.40(1H, m), 4.00-4.10(1H, m), 4.82(2H, s), 6.35-6.55(1H, m), 8.04(1H, s)
[α]26=-79.422°(c=0.55, MeOH)
【0262】
化合物1−3
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.85-0.95(9H, m), 1.20-1.35(1H, m), 1.35-1.60(2H, m), 1.75-2.00(2H, m), 2.00-2.15(1H, m), 2.15-2.30(7H, m), 2.30-2.55(6H, m), 2.60-2.75(2H, m), 2.85-3.15(4H, m), 3.15-3.30(1H, m), 3.30-3.45(1H, m), 4.00-4.10(1H, m), 4.81(2H, s), 6.25-6.45(1H, m), 8.05(1H, s)
[α]25=-73.762°(c=0.42, MeOH)
【0263】
化合物1−4
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.89(3H, t, J=7.4Hz), 1.02(6H, t, J=7.2Hz), 1.20-1.35(1H, m), 1.35-1.55(2H, m), 1.75-1.95(1H, m), 2.00-2.10(1H, m), 2.15-2.30(1H, m), 2.30-2.60(10H, m), 2.60-2.75(2H, m), 2.80-2.95(4H, m), 2.95-3.10(1H, m), 3.15-3.40(2H, m), 4.00-4.15(1H, m), 4.81(2H, s), 6.00-6.15(1H, m), 8.05(1H, s)
[α]25=-73.600°(c=0.68, MeOH)
【0264】
化合物1−5
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.91(3H, t, J=7.3Hz), 1.20-1.35(1H, m), 1.35-1.55(2H, m), 1.75-1.95(1H, m), 2.00-2.15(1H, m), 2.15-2.30(1H, m), 2.30-2.50(4H, m), 2.60-2.80(2H, m), 2.80-2.95(7H, m), 3.00-3.10(1H, m), 4.00-4.15(1H, m), 4.81(2H, brs), 5.43(1H, d, J=7.9Hz), 8.04(1H, s)
[α]25=-78.488°(c=0.46, MeOH)
【0265】
化合物1−8
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.86(3H, t, J=7.4Hz), 1.17-1.28(1H, m), 1.30-1.51(3H, m), 1.98-2.08(1H, m), 2.08-2.22(2H, m), 2.23-2.45(3H, m), 2.51-2.68(2H, m), 2.77-2.86(1H, m), 2.88-2.96(1H, m), 2.97(3H, s), 4.02-4.11(1H, m), 4.34-4.59(2H, m), 4.81(2H, s), 5.41(1H, d, J=8.0Hz), 7.11-7.18(1H, m), 7.20-7.31(4H, m), 8.01(1H, s)
【0266】
化合物1−9
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.91(3H, t, J=7.3Hz), 1.23-1.34(1H, m), 1.39-1.54(2H, m), 1.79-1.91(1H, m), 2.03-2.14(1H, m), 2.17-2.28(1H, m), 2.33-2.51(4H, m), 2.61-2.79(2H, m), 2.84-2.93(1H, m), 2.90(6H, s), 2.99-3.08(1H, m), 4.03-4.11(1H, m), 4.81(2H, s), 5.43(1H, d, J=7.8Hz), 8.04(1H, s)
【0267】
化合物1−10
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.91(3H, t, J=7.3Hz), 0.92(3H, t, J=7.4Hz), 1.21-1.38(3H, m), 1.38-1.58(4H, m), 1.77-1.90(1H, m), 2.04-2.14(1H, m), 2.17-2.27(1H, m), 2.31-2.50(4H, m), 2.60-2.79(2H, m), 2.83-2.92(1H, m), 2.87(3H, s), 3.00-3.08(1H, m), 3.11-3.31(2H, m), 4.04-4.11(1H, m), 4.81(2H, s), 5.41(1H, d, J=7.8Hz), 8.04(1H, s)
【0268】
化合物1−11
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.91(3H, t, J=7.4Hz), 1.20-1.32(1H, m), 1.38-1.55(2H, m), 1.63-1.78(1H, m), 1.98-2.10(1H, m), 2.15-2.27(1H, m), 2.32-2.50(4H, m), 2.60-2.76(2H, m), 2.78-2.91(3H, m), 2.84(3H, s), 2.98-3.07(1H, m), 3.37-3.55(2H, m), 4.01-4.08(1H, m), 4.82(2H, s), 5.36(1H, d, J=7.8Hz), 7.11-7.32(5H, m), 8.05(1H, s)
【0269】
化合物1−12
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.91(3H, t, J=7.4Hz), 1.22-1.34(1H, m), 1.38-1.54(2H, m), 1.78-1.93(1H, m), 2.02-2.12(1H, m), 2.16-2.26(1H, m), 2.32-2.49(4H, m), 2.61-2.77(2H, m), 2.84-2.92(1H, m), 2.92(3H, s), 2.99-3.08(1H, m), 3.25-3.37(1H, m), 3.32(3H, s), 3.43-3.55(3H, m), 4.00-4.07(1H, m), 4.81(2H, s), 5.90(1H, d, J=8.3Hz), 8.05(1H, s)
【0270】
化合物1−13
H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:0.85(3H, t, J=7.4Hz), 1.15-1.30(1H, m), 1.30-1.50(2H, m), 1.65-1.80(2H, m), 2.05-2.20(1H, m), 2.20-2.45(4H, m), 2.55-2.80(2H, m), 2.95-3.05(1H, m), 3.75-3.90(1H, m), 5.90(1H, d, J=8.8Hz), 5.95-6.10(1H, m), 6.28(2H, s), 7.99(1H, s)
【0271】
化合物1−14
MS(ESI, m/z):424(M+H)+
【0272】
化合物1−15
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.90(3H, t, J=7.4Hz), 1.24-1.34(1H, m), 1.39-1.55(2H, m), 1.74-1.92(3H, m), 2.03-2.12(1H, m), 2.18-2.27(1H, m), 2.33-2.51(4H, m), 2.62-2.76(2H, m), 2.85-2.92(1H, m), 2.88(3H, s), 2.99-3.08(1H, m), 3.21-3.43(4H, m), 3.30(3H, s), 4.03-4.11(1H, m), 4.80(2H, s), 5.53(1H, d, J=7.3Hz), 8.04(1H, s)
【0273】
化合物1−16
MS(ESI, m/z):359(M+H)+
【0274】
化合物1−17
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.89(3H, t, J=7.4Hz), 1.02(6H, t, J=7.2Hz), 1.24-1.35(1H, m), 1.38-1.55(2H, m), 1.76-1.92(1H, m), 2.01-2.10(1H, m), 2.17-2.28(1H, m), 2.33-2.59(10H, m), 2.61-2.73(2H, m), 2.84-2.93(1H, m), 2.90(3H, s), 2.98-3.06(1H, m), 3.18-3.38(2H, m), 4.02-4.12(1H, m), 4.81(2H, s), 6.00-6.14(1H, m), 8.04(1H, s)
【0275】
化合物1−18
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.91(3H, t, J=7.3Hz), 1.22-1.37(1H, m), 1.38-1.55(2H, m), 1.75-1.90(1H, m), 1.95-2.12(3H, m), 2.19-2.28(1H, m), 2.34-2.54(4H, m), 2.60-2.77(2H, m), 2.82(3H, s), 2.84-2.93(1H, m), 2.98-3.09(1H, m), 3.20-3.32(1H, m), 3.38-3.49(1H, m), 3.93-4.02(2H, m), 4.03-4.12(1H, m), 4.81(2H, s), 5.44(1H, d, J=8.0Hz), 6.93-6.98(1H, m), 7.02-7.07(1H, m), 7.49(1H, s), 8.05(1H, s)
【0276】
化合物1−19
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.90(3H, t, J=7.3Hz), 1.12(3H, t, J=7.1Hz), 1.20-1.35(1H, m), 1.35-1.55(2H, m), 1.75-1.95(1H, m), 2.00-2.15(1H, m), 2.15-2.30(7H, m), 2.30-2.55(6H, m), 2.60-2.75(2H, m), 2.85-2.95(1H, m), 2.95-3.10(1H, m), 3.15-3.40(4H, m), 4.00-4.10(1H, m), 4.83(2H, s), 6.40-6.60(1H, m), 8.04(1H, s)
【0277】
化合物1−20
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.86(3H, t, J=7.3Hz), 1.15-1.55(4H, m), 1.70-3.10(18H, m), 3.20-3.40(1H, m), 3.45-3.60(1H, m), 3.95-4.15(1H, m), 4.41(1H, d, J=16.4Hz), 4.54(1H, d, J=16.4Hz), 4.86(2H, s), 6.32(1H, br), 7.05-7.20(1H, m), 7.20-7.35(4H, m), 8.01(1H, s)
【0278】
化合物1−21
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.85-0.95(9H, m), 1.20-1.35(1H, m), 1.35-1.60(2H, m), 1.75-1.95(2H, m), 2.00-2.15(1H, m), 2.15-2.30(7H, m), 2.30-2.55(6H, m), 2.60-2.75(2H, m), 2.85-3.15(4H, m), 3.15-3.30(1H, m), 3.30-3.45(1H, m), 4.00-4.10(1H, m), 4.81(2H, s), 6.25-6.45(1H, m), 8.04(1H, s)
【0279】
化合物1−22
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.89(3H, t, J=7.4Hz), 0.90(3H, t, J=7.4Hz), 1.20-1.35(1H, m), 1.35-1.65(4H, m), 1.75-1.90(1H, m), 2.00-2.15(1H, m), 2.15-2.30(7H, m), 2.30-2.55(6H, m), 2.60-2.75(2H, m), 2.85-2.95(1H, m), 2.95-3.30(4H, m), 3.30-3.40(1H, m), 4.00-4.10(1H, m), 4.81(2H, s), 6.35-6.50(1H, m), 8.04(1H, s)
【0280】
化合物1−23
MS(ESI, m/z):480(M+H)+
【0281】
化合物1−24
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.91(3H, t, J=7.4Hz), 1.13(3H, t, J=7.1), 1.25-1.35(1H, m), 1.35-1.60(6H, m), 1.75-1.90(1H, m), 2.05-2.15(1H, m), 2.15-2.30(9H, m), 2.30-2.50(4H, m), 2.60-2.70(1H, m), 2.70-2.80(1H, m), 2.85-2.95(1H, m), 3.00-3.10(1H, m), 3.10-3.35(4H, m), 4.00-4.10(1H, m), 4.82(2H, s), 5.40(1H, d, J=8.0Hz), 8.04(1H, s)
【0282】
化合物1−25
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.91(3H, t, J=7.4Hz), 1.13(3H, t, J=7.2Hz), 1.20-1.35(1H, m), 1.35-1.60(8H, m), 1.75-1.95(1H, m), 2.05-2.15(1H, m), 2.15-2.30(1H, m), 2.30-2.55(10H, m), 2.60-2.2.80(2H, m), 2.85-2.95(1H, m), 3.00-3.10(1H, m), 3.15-3.45(4H, m), 4.00-4.15(1H, m), 4.81(2H, s), 5.61(1H, d, J=7.9Hz), 8.05(1H, s)
【0283】
化合物1−26
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.84(6H, t, J=7.4Hz), 0.90(3H, t, J=7.4Hz), 1.13(3H, t, J=7.1Hz), 1.20-1.35(1H, m), 1.35-1.55(6H, m), 1.70-1.95(1H, m), 2.00-2.15(1H, m), 2.15-2.30(1H, m), 2.30-2.60(10H, m), 2.60-2.75(2H, m), 2.85-2.95(1H, m), 2.95-3.10(1H, m), 3.15-3.40(4H, m), 4.00-4.15(1H, m), 4.80(2H, s), 5.85-6.00(1H, m), 8.04(1H, s)
【0284】
化合物1−27
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.89(3H, t, J=7.3Hz), 1.02(6H, t, J=7.2Hz), 1.13(3H, t, J=7.1Hz), 1.25-1.35(1H, m), 1.35-1.55(2H, m), 1.75-1.95(1H, m), 2.00-2.15(1H, m), 2.15-2.30(1H, m), 2.30-2.60(10H, m), 2.60-2.75(2H, m), 2.85-2.95(1H, m), 2.95-3.10(1H, m), 3.15-3.40(4H, m), 4.00-4.15(1H, m), 4.80(2H, s), 6.05-6.30(1H, m), 8.04(1H, s)
【0285】
化合物1−28
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.91(3H, t, J=7.3Hz), 1.14(3H, t, J=7.1Hz), 1.25-1.35(1H, m), 1.40-1.60(2H, m), 1.75-1.95(1H, m), 2.05-2.15(1H, m), 2.15-2.80(20H, m), 2.85-2.95(1H, m), 3.00-3.10(1H, m), 3.15-3.50(4H, m), 4.00-4.15(1H, m), 4.80(2H, s), 5.45-5.65(1H, m), 8.04(1H, s)
【0286】
化合物1−29
H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:0.80-0.95(9H, m), 1.01(3H, t, J=7.2Hz), 1.10-1.90(7H, m), 2.00-2.50(12H, m), 2.60-2.90(2H, m), 2.95-3.35(5H, m), 3.75-3.90(1H, m), 5.44(1H, d, J=7.6Hz), 6.25(2H, s), 7.99(1H, s)
【0287】
化合物1−30
H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:0.85(3H, t, J=7.3Hz), 1.01(3H, t, J=7.1Hz), 1.10-1.90(12H, m), 2.00-2.60(9H, m), 2.60-2.90(2H, m), 2.95-3.10(1H, m), 3.10-3.30(4H, m), 3.75-3.90(1H, m), 5.91(1H, d, J=8.0Hz), 6.26(2H, s), 7.99(1H, s)
【0288】
化合物1−31
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.89(3H, t, J=7.5Hz), 1.10(3H, t, J=7.2Hz), 1.25-1.35(1H, m), 1.35-1.55(2H, m), 1.75-1.90(1H, m), 2.00-2.15(1H, m), 2.15-2.30(1H, m), 2.30-2.50(4H, m), 2.60-2.80(2H, m), 2.85-2.95(1H, m), 2.95-3.10(3H, m), 3.10-3.35(2H, m), 3.50-3.70(2H, m), 4.00-4.15(1H, m), 4.81(2H, s), 5.56(1H, d, J=8.0Hz), 7.05-7.15(1H, m), 7.15-7.20(1H, m), 7.50-7.60(1H, m), 8.04(1H, s), 8.45-8.55(1H, m)
【0289】
化合物1−32
H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:0.85(3H, t, J=7.2Hz), 1.02(3H, t, J=7.2Hz), 1.10-1.90(13H, m), 2.00-2.40(6H, m), 2.40-2.90(8H, m), 2.90-3.40(5H, m), 3.75-3.90(1H, m), 5.80(1H, d, J=7.6Hz), 6.26(2H, s), 7.99(1H, s)
【0290】
化合物1−33
H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:0.83(3H, t, J=7.2Hz), 1.04(3H, t, J=6.8Hz), 1.10-1.50(3H, m), 1.55-1.85(2H, m), 2.00-2.45(7H, m), 2.50-3.00(10H, m), 3.10-3.40(2H, m), 3.50-3.70(2H, m), 3.75-3.90(1H, m), 5.905(1H, d, J=7.6Hz), 6.23(2H, s), 6.90-7.05(4H, m), 7.92(1H, s)
【0291】
化合物1−34
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.91(3H, t, J=7.3Hz), 1.20-1.35(1H, m), 1.35-1.65(5H, m), 1.70-2.00(4H, m), 2.00-2.15(1H, m), 2.15-2.30(1H, m), 2.30-2.55(4H, m), 2.60-2.80(2H, m), 2.80-2.95(1H, m), 2.95-3.10(1H, m), 3.20-3.40(4H, m), 4.05-4.15(1H, m), 4.88(2H, m), 5.50(1H, d, J=7.8Hz), 8.04(1H, s)
【0292】
化合物1−35
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.91(3H, t, J=7,3Hz), 1.20-1.35(1H ,m), 1.35-1.60(2H, m), 1.65-1.85(1H, m), 2.00-2.10(1H, m), 2.15-2.30(1H, m), 2.30-2.55(4H, m), 2.60-2.80(2H, m), 2.80-2.95(6H, m), 2.95-3.10(1H, m), 3.40-3.60(2H, m), 4.00-4.10(1H, m), 4.81(2H, s), 5.39(1H, d, J=7.8Hz), 7.15-7.25(1H, m), 7.50-7.60(1H, m), 8.05(1H, s), 8.40-8.45(1H, m), 8.45-8.50(1H, m)
【0293】
化合物1−36
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.91(3H, t, J=7.4Hz), 1.20-1.35(1H, m), 1.35-1.65(2H, m), 1.70-1.90(1H, m), 2.00-2.15(1H, m), 2.15-2.30(1H, m), 2.30-2.55(4H, m), 2.60-2.80(2H, m), 2.80-2.95(6H, m), 3.00-3.10(1H, m), 3.40-3.65(2H, m), 4.00-4.10(1H, m), 4.81(2H, s), 5.40(1H, d, J=7.9Hz), 7.10-7.20(2H, m), 8.05(1H, s), 8.45-8.55(2H, m)
【0294】
化合物1−37
H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:0.85(3H, t, J=7.2Hz), 1.20-1.50(3H, m), 1.70-2.00(2H, m), 2.05-2.60(6H, m), 2.60-2.95(4H, m), 2.95-3.05(1H, m), 3.40-3.60(2H, m), 3.80-4.00(1H, m), 4.40-4.55(2H, m), 5.77(1H, d, J=7.2Hz), 6.23(2H, s), 7.15(4H, s), 7.99(1H, s)
【0295】
化合物1−38
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.91(3H, t, J=7.3Hz), 1.20-1.55(3H, m), 1.75-1.95(3H, m), 2.00-2.15(1H, m), 2.15-2.30(1H, m), 2.30-2.55(4H, m), 2.60-2.80(8H, m), 2.85-2.95(4H, m), 2.95-3.10(1H, m), 3.20-3.50(2H, m), 3.65-3.80(4H, m), 4.00-4.15(1H, m), 4.81(2H, s), 5.66(1H, d, J=8.0Hz), 8.04(1H, s)
【0296】
化合物1−39
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.88(3H, t, J=7.3Hz), 1.15-1.30(1H, m), 1.30-1.65(3H, m), 1.90-2.05(1H, m), 2.05-2.50(5H, m), 2.50-2.70(2H, m), 2.75-3.00(8H, m), 3.30-3.60(4H, m), 4.00-4.10(1H, m), 4.82(2H, s), 5.57(1H, d, J=8.0Hz), 6.55-6.65(1H, m), 6.65-6.75(2H, m), 7.05-7.20(2H, m), 8.00(1H, s)
【0297】
化合物1−40
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.89(3H, t, J=7.3Hz), 0.95-1.05(12H, m), 1.13(3H, t, J=7.2Hz), 1.20-1.35(1H, m), 1.35-1.55(2H, m), 1.75-1.95(1H, m), 2.00-2.15(1H, m), 2.15-2.30(1H, m), 2.30-2.75(8H, m), 2.85-3.40(8H, m), 4.05-4.15(1H, m), 4.81(2H, s), 5.70(1H, d, J=7.8Hz), 8.04(1H, s)
【0298】
化合物1−41
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.90(3H, t, J=7.4Hz), 1.13(3H, t, J=7.2Hz), 1.20-1.35(1H, m), 1.35-1.60(2H, m), 1.75-1.95(1H, m), 2.00-2.15(1H, m), 2.15-2.75(14H, m), 2.85-2.95(1H, m), 2.95-3.10(1H, m), 3.15-3.40(7H, m), 3.40-3.50(2H, m), 4.00-4.15(1H, m), 4.86(2H, s), 6.02(1H, d, J=7.6Hz), 8.04(1H, s)
【0299】
化合物1−42
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.90(3H, t, J=7.4Hz), 1.13(3H, t, J=7.0Hz), 1.20-1.35(1H, m), 1.35-1.60(2H, m), 1.65-1.75(2H, m), 1.75-1.95(1H, m), 2.00-2.15(1H, m), 2.15-2.30(4H, m), 2.30-2.55(8H, m), 2.60-2.75(2H, m), 2.85-2.95(1H, m), 2.95-3.10(1H, m), 3.15-3.40(9H, m), 4.00-4.15(1H, m), 4.85(2H, s), 6.13(1H, d, J=7.2Hz), 8.04(1H, s)
【0300】
化合物1−43
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.89(3H, t, J=7.4Hz), 1.02(3H, t, J=7.2Hz), 1.13(3H, t, J=7.2Hz), 1.20-1.35(1H, m), 1.35-1.55(2H, m), 1.75-1.95(1H, m), 2.00-2.10(1H, m), 2.15-2.30(4H, m), 2.30-2.55(8H, m), 2.60-2.75(2H, m), 2.85-2.95(1H, m), 2.95-3.10(1H, m), 3.15-3.40(4H, m), 4.00-4.10(1H, m), 4.83(2H, s), 6.25-6.40(1H, m), 8.05(1H, s)
【0301】
化合物1−44
MS(ESI, m/z):432(M+H)+
【0302】
化合物1−45
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.90(3H, t, J=7.3Hz), 1.13(3H, t, J=7.1Hz), 1.20-1.35(1H, m), 1.35-1.60(2H, m), 1.60-1.75(2H, m), 1.75-1.95(1H, m), 2.00-2.55(14H, m), 2.60-2.80(2H, m), 2.85-2.95(1H, m), 2.95-3.10(1H, m), 3.10-3.40(4H, m), 4.00-4.15(1H, m), 4.92(2H, s), 5.73(1H, d, J=7.4Hz), 8.04(1H, s)
【0303】
化合物1−46
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.91(3H, t, J=7.3Hz), 1.15(3H, t, J=3H, t, J=7.2Hz), 1.25-1.35(1H, m), 1.35-1.60(2H, m), 1.75-1.90(1H, m), 1.90-2.05(4H, m), 2.05-2.15(1H, m), 2.15-2.30(1H, m), 2.30-2.45(3H, m), 2.45-2.80(9H, m), 2.85-2.95(1H, m), 3.00-3.10(1H, m), 3.15-3.45(4H, m), 4.00-4.15(1H, m), 4.81(2H, s), 5.59(1H, d, J=7.9Hz), 8.04(1H, s)
【0304】
化合物1−47
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.91(3H, t, J=7.3Hz), 1.14(3H, t, J=7.2Hz), 1.20-1.35(1H, m), 1.35-1.60(2H, m), 1.70-1.95(3H, m), 2.05-2.15(1H, m), 2.15-2.30(1H, m), 2.30-2.45(3H, m), 2.45-2.55(1H, m), 2.60-2.85(8H, m), 2.85-2.95(1H, m), 3.00-3.10(1H, m), 3.15-3.45(4H, m), 3.65-3.75(2H, m), 3.76(2H, t, J=6.1Hz), 4.00-4.15(1H, m), 4.84(2H, s), 5.71(1H, d, J=7.9Hz), 8.04(1H, s)
【0305】
化合物1−48
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.88(3H, t, J=7.4Hz), 1.07(3H, t, J=7.0Hz), 1.20-1.35(1H, m), 1.35-1.55(2H, m), 1.70-1.90(1H, m), 2.00-2.15(1H, m), 2.15-2.30(4H, m), 2.30-2.55(6H, m), 2.55-2.70(2H, m), 2.80-2.95(1H, m), 2.95-3.05(1H, m), 3.10-3.40(4H, m), 3.45-3.60(2H, m), 4.00-4.15(1H, m), 4.84(2H, s), 5.97(1H, d, J=7.8Hz), 7.15-7.35(5H, m), 8.01(1H, s)
【0306】
実施例2−1
3−[(5aR,8S,9aR)−2−アミノ−6−プロピル−5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン−8−イル]−1−エチル−1−[2−(メチルアミノ)エチル]尿素(化合物2−1)
3−[(5aR,8S,9aR)−2−アミノ−6−プロピル−5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン−8−イル]−1−{2−[ベンジル(メチル)アミノ]エチル}−1−エチル尿素(実施例1−48)(73mg)、エタノール(3.0mL)およびメタノール(2.0mL)の混合物に、10%パラジウムカーボン粉末(50mg)を加え、水素雰囲気下室温にて7.5時間撹拌した。酢酸エチルにて希釈した混合物をセライト(登録商標)層を通して濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をアミノプロピルシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:0%−20%メタノール/酢酸エチル,グラジエント溶出)で精製して表題化合物(43mg)を得た。構造式を表10に示した。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:0.91(3H, t, J=7.5Hz), 1.13(3H, t, J=7.2Hz), 1.20-1.35(1H, m), 1.35-1.95(3H, m), 2.00-2.15(1H, m), 2.15-2.30(1H, m), 2.30-2.50(7H, m), 2.60-2.80(4H, m), 2.85-2.95(1H, m), 2.95-3.10(1H, m), 3.15-3.45(4H, m), 4.00-4.15(1H, m), 4.83(2H, s), 6.07(1H, d, J=7.6Hz), 8.04(1H, s)
【0307】
実施例3−1
3−[(5aR,8S,9aR)−2−アミノ−6−(プロパ−2−エン−1−イル)−5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン−8−イル]−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−エチル尿素(化合物3−1)
3−[(3S,4aR,7Z,8aR)−1−ベンジル−7−[(ジメチルアミノ)メチリデン]−6−オキソデカヒドロキノリン−3−イル]−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−エチル尿素(参考例10−48)(443mg)およびエタノール(9.7mL)の混合物に、室温撹拌下、炭酸グアニジン(211mg)を加え、90℃に昇温して12時間還流した。室温に冷却後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。分取した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をアミノプロピルシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:0%−10%メタノール/酢酸エチル,グラジエント溶出)で精製して3−[(5aR,8S,9aR)−2−アミノ−6−ベンジル−5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン−8−イル]−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−エチル尿素(248mg)を得た。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:1.11(3H, t, J=7.1Hz), 1.25-1.40(1H, m), 1.85-2.05(1H, m), 2.05-2.15(1H, m), 2.20-2.35(8H, m), 2.35-2.50(3H, m), 2.50-2.65(1H, m), 2.65-2.75(1H, m), 2.75-2.85(1H, m), 3.05-3.40(6H, m), 3.90-4.00(1H, m), 4.15-4.25(1H, m), 4.87(2H, s), 5.85-6.10(1H, m), 7.20-7.40(5H, m), 8.06(1H, s)
【0308】
3−[(5aR,8S,9aR)−2−アミノ−6−ベンジル−5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン−8−イル]−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−エチル尿素(217mg)およびエタノール(5.0mL)の混合物に、10%パラジウムカーボン粉末(100mg)を加え、水素雰囲気下室温にて6.5時間撹拌した。酢酸エチルにて希釈した混合物をセライト(登録商標)層を通して濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣およびエタノール(5.0mL)の混合物に、10%パラジウムカーボン粉末(100mg)を加え、水素雰囲気下室温にて14.5時間撹拌した。酢酸エチルにて希釈した混合物をセライト(登録商標)層を通して濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をアミノプロピルシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:0%−20%メタノール/酢酸エチル,グラジエント溶出)で精製して3−[(5aR,8S,9aR)−2−アミノ−5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン−8−イル]−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−エチル尿素(111mg)を得た。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:1.12(3H, t, J=7.2Hz), 1.30-1.45(1H, m), 2.00-2.15(1H, m), 2.25(6H, s), 2.30-2.50(4H, m), 2.55-2.80(3H, m), 2.90-3.00(1H, m), 3.00-3.10(1H, m), 3.15-3.45(4H, m), 3.95-4.05(1H, m), 4.85(2H, s), 6.90-7.15(1H, m), 8.01(1H, s)
【0309】
3−[(5aR,8S,9aR)−2−アミノ−5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン−8−イル]−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1−エチル尿素(86mg)およびトルエン(2.5mL)の混合物に、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(14mg)、次いで酢酸アリル(0.051mL)を加え、室温にて3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、塩化メチレン/2−プロパノール混合溶媒(塩化メチレン:2−プロパノール=3:1)にて抽出した。分取した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をアミノプロピルシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:0%−10%メタノール/酢酸エチル,グラジエント溶出)で精製して表題化合物(55mg)を得た。構造式を表10に示した。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:1.12(3H, t, J=7.2Hz), 1.20-1.35(1H, m), 1.80-1.95(1H, m), 2.00-2.15(1H, m), 2.20-2.30(7H, m), 2.30-2.60(5H, m), 2.60-2.75(1H, m), 2.85-2.95(1H, m), 3.00-3.50(7H, m), 4.00-4.15(1H, m), 4.85(2H, s), 5.15-5.30(2H, m), 5.75-5.95(1H, m), 6.55-6.75(1H, m), 8.03(1H, s)
【0310】
【表10】
表10における化合物2-1及び3-1の構造式は相対配置を示す。
【0311】
試験例1
ヒトドパミンD受容体刺激作用確認試験
1)ヒトドパミンD受容体発現プラスミドの作製
Human brain cDNA(日本ベクトン・ディッキンソン)を鋳型として、配列番号1に示したフォワードプライマー、配列番号2に示したリバースプライマーおよびHerculase(Stratagene)を用いてPCRを実施した。そのPCR増幅産物をプラスミド(pcDNA 3.1/V5−His−Topo(登録商標)、インビトロジェン)に組み込んだ。その組み込んだプラスミドを大腸菌(ワンショットTOP10コンピテントセル、インビトロジェン)に導入した。その大腸菌を50μg/mLのアンピシリンを含むLB寒天培地にて1日培養した。選択したコロニーを、50μg/mLのアンピシリンを含むLB培地にて培養後、QIAprep Spin Miniprep Kit(キアゲン)を用いて、PCR増幅産物が組み込まれたプラスミドを精製した。そのプラスミドのタンパク発現部位の塩基配列(配列番号3)は、公知のデータベース(NCBI)にて登録されているヒトドパミンD受容体の塩基配列(NM_000795)と、1塩基以外一致した。また、そのプラスミドの塩基配列(配列番号3)によって翻訳されるアミノ酸配列は、NCBIにて登録されているヒトドパミンD受容体のアミノ酸配列 (NM_000795) と完全に一致した。したがって、このプラスミドから得られるタンパク質はヒトドパミンD受容体であることが確認された。配列番号3に示した塩基配列が挿入されたpcDNA 3.1/V5−His−Topo(登録商標)を、ヒトドパミンD受容体発現プラスミドとした。
【0312】
2)ヒトドパミンD受容体発現細胞の調製
(1)細胞培養
ペニシリン-ストレプトマイシン溶液(インビトロジェン、最終濃度:ペニシリンとして100U/mL、ストレプトマイシンとして100μg/mL)およびウシ胎児血清(最終濃度:10%)を添加したD−MEM(Dulbecco's Modified Eagle Medium)液体培地(低グルコース、ピルビン酸およびL−グルタミン含有、インビトロジェン)中で、HEK293細胞(大日本住友製薬)を5%COガスインキュベーター内で37℃にて培養した。
【0313】
(2)細胞の継代
ほぼコンフルエントなHEK293細胞を、PBS(Phosphate Buffered Saline、インビトロジェン)にて洗い、0.05%トリプシン−EDTA (インビトロジェン)にて剥がし、上記液体培地にて懸濁した。遠心後、上清を取り除き、その細胞を培地にて希釈し、細胞数を計測した。その後、細胞を適切な濃度で播種した。
【0314】
(3)ヒトドパミンD受容体安定発現HEK293細胞の樹立
ヒトドパミンD受容体発現プラスミドを、ScaIで消化し直鎖状プラスミドにした。その直鎖状プラスミドを、HEK293細胞にリポフェクション法(Lipofectamine(登録商標)2000(インビトロジェン)にて導入した。1 mg/mLのGeneticin(登録商標)(インビトロジェン)を用い、ネオマイシン耐性細胞を得た後、3)で後述する方法により細胞株を選択した。
【0315】
3)ヒトドパミンD受容体安定発現HEK293細胞の確認と選択
(1)細胞の継代
ほぼコンフルエントなヒトドパミンD受容体安定発現HEK293細胞を、PBSにて洗い、0.05%トリプシン−EDTAにて剥がし、抗生物質としてGeneticin(登録商標) (最終濃度:0.1mg/mL)およびウシ胎児血清(最終濃度:10%)を含んだD−MEM液体培地(低グルコース、ピルビン酸およびL−グルタミン含有)を加えた。遠心後、上清を取り除き、細胞を上記液体培地にて希釈した。その細胞を細胞計測した後、適切な濃度で播種した。
【0316】
(2)細胞の準備
ほぼコンフルエントなヒトドパミンD受容体安定発現HEK293細胞を、PBSにて洗い、0.05%トリプシン−EDTAにて剥がし、ウシ胎児血清(最終濃度:10%)および GlutaMax(登録商標)I(インビトロジェン、 最終濃度:2mM)を含んだD−MEM液体培地(フェノールレッドフリー、低グルコースおよびピルビン酸含有、インビトロジェン)にて懸濁した。その懸濁液をポリD−リジンコートした96ウェルマイクロプレート(BD BioCoat(登録商標)、日本ベクトン・ディッキンソン)に細胞数5×104個/100μL/ウェルで播種した。その播種した細胞を5%COガスインキュベーター内で37℃にて培養した。Gi/o蛋白質に共役するヒトドパミンD受容体のcAMP反応をカルシウム反応へ変換するために、その細胞に下記に示す手順でpLEC1−Gqo5−HA(Molecular Devices)を導入させた。
【0317】
(3)pLEC1−Gqo5−HAの導入
OPTI−MEM(登録商標)I Reduced−Serum Medium(インビトロジェン)を用いて、pLEC1−Gqo5−HAを0.008g/Lに、またLipofectamine(登録商標)2000を0.016g/Lに希釈し、室温にてインキュベートした。インキュベート後、そのpLEC1−Gqo5−HA希釈液とLipofectamine(登録商標)2000希釈液を等量混合し、室温にてインキュベートして複合体形成させた。その複合体を上記で準備した細胞に50μL/ウェルずつ分注した。その細胞を5%COガスインキュベーター内で37℃にて2日間培養し、細胞内カルシウム濃度の測定に使用した。
【0318】
(4)細胞内カルシウム濃度測定による確認
上記の強制発現細胞を用いて、各試験化合物の細胞内カルシウム濃度の測定を行った。各試験化合物の30mMジメチルスルホキシド(DMSO)溶液をアッセイバッファー (Hank’s Balanced Salt Solution(HBSS、インビトロジェン)、20mMHEPES(インビトロジェン)、1.3mM塩化カルシウム、0.5mM塩化マグネシウムおよび0.4mM硫酸マグネシウム含有、pH7.4)にて至適濃度に希釈した。
その強制発現細胞をアッセイバッファーにて洗浄し、蛍光カルシウム指示薬 (Fluo−4 NW Calcium Assay Kit(Molecular ProbesTM))100μL/ウェルを添加させ、5%COガスインキュベーター内で37℃にてインキュベートした。インキュベート後に、各試験化合物50μL/ウェルを添加させ、細胞内カルシウム濃度をFlexStation(登録商標)II(モレキュラーデバイス)を用いて蛍光シグナルとして測定した。反応が良好であったヒトドパミンD受容体安定発現HEK293細胞を、hDR#7細胞とした。
【0319】
4)hDR#7細胞からの膜破砕物の調製
(1)hDR#7細胞の継代
ほぼコンフルエントなhDR#7細胞を、PBSにて洗い、0.05%トリプシン−EDTAにて剥がし、抗生物質としてGeneticin(登録商標)(最終濃度:0.1mg/mL)および胎児牛血清(最終濃度:10%)を含んだD−MEM液体培地(低グルコース、ピルビン酸およびL−グルタミン含有)を加えた。遠心後、上清を取り除き、細胞を上記液体培地にて希釈した。その細胞を細胞計測した後、適切な濃度で播種した。
【0320】
(2)hDR#7細胞からの膜破砕物の調製
150mmディッシュ(イワキ)にてコンフルエンスに成長した細胞を、等張溶液(50mMトリス(シグマ)、2mMエチレンジアミン四酢酸(インビトロジェン)、125mM塩化ナトリウム(和光純薬工業)、pH7.4)にて回収し、4℃、1880×gで10分間遠心分離し、細胞沈渣を等張溶液に懸濁した。1回の凍結融解をした後、細胞を4℃、1880×gで10分間遠心分離し、細胞沈渣を等張溶液に懸濁した。細胞を4℃、1880×gで10分間遠心分離し、細胞沈渣を等張溶液と破砕溶液(10mM炭酸水素ナトリウム(ナカライ)、5mMエチレンジアミン四酢酸、pH7.5)に懸濁した。等張溶液と破砕溶液の体積比率を2とした。細胞を超音波破砕し、4℃、1880×gで10分間遠心分離し、上清を4℃、80000×gで30分間超遠心分離した。最終細胞沈渣をプロテアーゼインヒビターカクテル(ナカライ)を含む破砕溶液に懸濁し、使用するまで−80℃で保存した。タンパク濃度をメーカーの説明書に従い、BCA Protein Assay Kit(ピアス)を用いて決定した。
【0321】
5)ヒトドパミンD受容体刺激作用の決定
ヒトドパミンD受容体の刺激作用を、Newman-Tancredi A.らの方法(Naunyn -Schmiedeberg’s Arch Pharmacol, l999年, 359巻, P.447-453)を一部改変して、[35S]‐グアノシン5’‐[ガンマ‐チオ]三リン酸([35S]GTPγS、パーキンエルマー)の結合能を測定することによって決定した。試験化合物または陽性対象としてドパミン塩酸塩(Fluka)を、30mMとなるようジメチルスルホキシド(CALBIOCHEM)に溶解した。両化合物を、最終濃度が100pM(試験化合物のみ)、1nM、10nM、100nM、1μM、10μM、100μM(ドパミン塩酸塩のみ)となるように、測定溶液(50mMトリス、100mM塩化ナトリウム、5mM塩化マグネシウム(ナカライ)、1mMエチレンジアミン四酢酸、1mMジチオスレイトール(和光純薬工業)、10μMグアノシンニリン酸(和光純薬工業)、0.5%ウシ血清アルブミン(シグマ)、pH7.4)にて希釈した。上述の膜破砕物や[35S]GTPγSを、それぞれ最終濃度が0.06mg/mLまたは0.6nMとなるように測定溶液にて希釈した。段階希釈した化合物(50μL)、希釈した膜破砕物(50μL)及び希釈した[35S]GTPγS(50μL)を、マルチスクリーン96穴プレート(ミリポア)上で混ぜ、60分間、室温で軽く震盪した。反応を、氷冷した洗浄溶液(50mMトリス、100mM塩化ナトリウム、5mM塩化マグネシウム、1mMエチレンジアミン四酢酸、pH7.4)による3回の洗浄と共に吸引濾過によって終了させた。プレート底部を60℃で乾燥させた後、マイクロシンチ‐40(パーキンエルマー)(30μL)をプレートに添加した。プレート上部をトップシール‐A(パーキンエルマー)にて密封し、5〜10分間軽く震盪した後、トップカウントNXT(登録商標)(パーキンエルマー)にて放射活性を決定した。データをグラフパッドプリズム4.0(GraphPad Software)を用い、非線形回帰とシグモイドの用量‐反応曲線適合にて分析し、EC50(その化合物の最大反応の半分を作り出すその化合物の濃度)を算出した。データをn=2の平均値として示した。比較例として、非麦角系ドパミンD受容体アゴニストであるロピニロール及び特許文献7記載の[(5aR,8S,9aR)−2−アミノ−6−プロピル−5,5a,6,7,8,9,9a,10−オクタヒドロピリド[2,3−g]キナゾリン−8−イル]メタノール(比較例1)を同様に試験した。これらの結果を表11に示した。
【0322】
【表11】
【0323】
これらの試験の結果、本発明の化合物は、比較例1に比べて強力なヒトドパミンD受容体刺激作用を示すことが明らかとなった。
【0324】
試験例2
ヒトセロトニン5−HT2B受容体刺激作用確認試験
1)ヒトセロトニン5−HT2B受容体発現プラスミドの作製
Human brain hippocampus cDNA (クロンテック)を鋳型として、配列番号4に示したフォワードプライマー、配列番号5に示したリバースプライマーおよびKOD−Plus−Ver.2(トウヨウボウ)を用いてPCRを実施した。そのPCR増幅産物をプラスミド(pcDNA3.1/V5−His−Topo(登録商標))に組み込んだ。その組み込んだプラスミドを大腸菌(ワンショットTOP10コンピテントセル)に導入した。その大腸菌を50μg/mLのアンピシリンを含むLB寒天培地にて1日培養した。選択したコロニーを、50μg/mLのアンピシリンを含むLB培地にて培養後、QIAprep Spin Miniprep Kit(キアゲン)を用いて、PCR増幅産物が組み込まれた上記プラスミドを精製した。そのプラスミドのタンパク発現部位の塩基配列(配列番号6)は公知のデータベース(NCBI)にて登録されているヒトセロトニン5−HT2B受容体の塩基配列 (NM_000867) と、完全一致した。したがって、このベクターから得られるタンパク質はヒトセロトニン5−HT2B受容体であることが確認された。配列番号6に示した塩基配列が挿入されたpcDNA3.1/V5−His−Topo(登録商標)を、ヒトセロトニン5−HT2B受容体発現プラスミドとした。
【0325】
2)ヒトセロトニン5−HT2B受容体発現細胞の調製
(1)細胞培養
抗生物質としてペニシリン-ストレプトマイシン溶液(最終濃度:ペニシリンとして100U/mL、ストレプトマイシンとして100μg/mL)およびウシ胎児血清(最終濃度:10%)を含んだD−MEM液体培地(低グルコース、ピルビン酸およびL−グルタミン含有)を用いて、HEK293細胞を、5%COガスインキュベーター内で37℃にて培養した。
【0326】
(2)細胞の継代
ほぼコンフルエントなHEK293細胞を、PBSにて洗い、0.05%トリプシン−EDTAにて剥がし、上記液体培地を加えた。遠心後、上清を取り除き、細胞を培地にて希釈した。その希釈した細胞を細胞計測した後、適切な濃度で播種した。
【0327】
(3)細胞の準備
ほぼコンフルエントなHEK293細胞を、PBSにて洗い、0.05%トリプシン−EDTAにて剥がし、ウシ胎児血清(最終濃度:10%)及びGlutaMax(登録商標)I(最終濃度:2mM)を含んだD−MEM液体培地(フェノールレッドフリー、低グルコースおよびピルビン酸含有)にて懸濁した。その懸濁液をポリD−リジンコートした96ウェルマイクロプレート(BD BioCoat(登録商標))に細胞数5×104個/100μL/ウェルで播種した。その播種した細胞を、5%COガスインキュベーター内で37℃にて培養した。その細胞を下記に示す手順でヒトセロトニン5−HT2B受容体発現プラスミドを導入させた。
【0328】
(4)ヒトセロトニン5−HT2B受容体プラスミド導入
OPTI−MEM(登録商標) I Reduced−Serum Mediumを用いて、ヒトセロトニン5−HT2B受容体発現プラスミドを0.008g/Lに、またLipofectamine(登録商標)2000(インビトロジェン)を0.016g/Lに希釈し、室温にてインキュベートした。インキュベート後、そのヒトセロトニン5−HT2B受容体発現プラスミド希釈液とLipofectamine(登録商標)2000希釈液を等量混合し、室温にてインキュベートして複合体形成させた。その複合体を、上記で準備した細胞に50μL/ウェルずつ分注した。その細胞を5%COガスインキュベーター内で37℃にて2日間培養した。培養後、その細胞をヒトセロトニン5−HT2B受容体強制発現細胞として、細胞内カルシウム濃度の測定に使用した。
【0329】
3)ヒトセロトニン5−HT2B受容体刺激作用の決定
ヒトセロトニン5−HT2B受容体の刺激作用を、細胞内カルシウム濃度を測定することによって決定した。各試験化合物または陽性対象としてセロトニン塩酸塩(シグマ)の30mMジメチルスルホキシド(DMSO)溶液をアッセイバッファー( (HBSS)、 20mMHEPES、1.3mM塩化カルシウム、0.5mM塩化マグネシウムおよび0.4mM硫酸マグネシウム含有、pH7.4)にて至適濃度に希釈した。
その強制発現細胞をアッセイバッファーにて洗浄し、蛍光カルシウム指示薬 (Fluo−4 NW Calcium Assay Kit)100μL/ウェルを添加させ、5%COガスインキュベーター内で37℃にてインキュベートした。インキュベート後に、各試験化合物50μL/ウェルを添加させ、細胞内カルシウム濃度をFlexStation(登録商標)II(モレキュラーデバイス)を用いて蛍光シグナルとして測定した。データをグラフパッドプリズム4.0を用い、非線形回帰とシグモイドの用量‐反応曲線適合にて分析し、EC50(その化合物の最大反応の半分を作り出すその化合物の濃度)を算出した。データをn=2の平均値として示した。比較例として、非麦角系ドパミンD受容体アゴニストであるロピニロールを同様に試験した。これらの結果を表12に示した。
【0330】
【表12】
【0331】
これらの試験の結果、本発明の化合物は、ロピニロールに比べて極めて軽微なヒトセロトニン5−HT2B受容体刺激作用しか示さないことが明らかとなった。
【0332】
試験例3
片側性6−ヒドロキシドパミン損傷の片側パーキンソン病ラットにおける薬効評価試験
1)材料
以下の材料を使用した:
6‐ヒドロキシドパミン塩酸塩(6‐OHDA、シグマ);デシプラミン塩酸塩(デシプラミン、シグマ);L−アスコルビン酸(シグマ);ペントバルビタールナトリウム(ソムノペンチル注、共立製薬);R‐(−)‐アポモルヒネ塩酸塩1/2水和物(アポモルヒネ、シグマ);ロピニロール塩酸塩(ロピニロール、Sequoia);0.5%メチルセルロース溶液(和光純薬工業);N、N−ジメチルアセトアミド(DMA、和光純薬工業);塩酸(和光純薬工業);蒸留水(大塚製薬工場);生理食塩液(大塚製薬工場)。
6‐OHDAを、0.2%のL‐アスコルビン酸を含んだ生理食塩液溶液中に、2 mg/mLで溶解した。デシプラミンを、温水浴中で生理食塩液溶液中に10 mg/mLで溶解した。アポモルヒネを、生理食塩液溶液中に0.1 mg/mLで溶解した。ロピニロールを、蒸留水中に溶解した。試験化合物を、2%のジメチルアセトアミド、100モル%または200モル%の塩酸、および98%の0.5%メチルセルロース溶液を含んだ溶液中に溶解した。
【0333】
2)6−OHDA損傷モデルの準備
6−OHDA損傷モデルの準備を、Koga K.らの方法(Eur J Pharmacol, 2000年, 408巻, P.249-255)を一部改変して実施した。雄性のSprague‐Dawley系ラット(6週齢、日本チャールスリバー)を、腹腔内ソムノペンチル投与(45 mg/kg)で麻酔し、定位フレーム(ナリシゲ)に固定した。ノルアドレナリンニューロンの6‐OHDAによる損傷を防ぐために、6−OHDA投与の30分前にデシプラミン(25 mg/kg)を投与した。中央頭頂部切開によるブレグマ識別の後、6−OHDA投与部位に歯科用ドリルを用いて頭蓋骨に穴を開けた。マイクロシリンジ(ハミルトン)に接続した注入用カニューレ(30ゲージの針)を用いて6−OHDA(1分間あたり1μLの速度で4μL中の8μg)を左側の内側前脳束に注入することによって、損傷を行った(損傷部位の座標;ブレグマ点および頭蓋骨表面から前後−2.5mm、左右−1.8mm、深さ−8.0mm)。カニューレを損傷部位に5分間静置した後、動物から慎重に取り除いた。頭蓋骨を歯科用セメントによってその穴を補充し、消毒し、そして頭皮の切開部位を外科的に縫合した。麻酔から回復した動物を、実験日まで通常通り飼育した。
【0334】
3)対側性の回転行動の決定
損傷の3週間後、ラットを、皮下内に投与した0.1mg/kgのアポモルヒネに反応した対側性の回転行動(1回転は360度の回転と定義)に基づいて試験した。行動観察のために、ラットを30cmの直径のプラスチック製円筒内に入れ、それらの回転行動をビデオ撮影し、ラット旋回運動自動計測装置R‐RACS(キッセイウェルコム)にて定量した。実験日において、動物を1晩絶食し、試験化合物を、10mg/kgの用量で経口投与した。薬効の強さを対側性の回転数として投与後最大24時間まで測定した。反応の持続時間を、5分間あたりの回転数が10カウント以下の時間が60分間以上持続した時間を除いた合計時間とした。実験期間中の総回転数および反応の持続時間を平均値として示した。比較例として、非麦角系ドパミンD受容体アゴニストであるロピニロールを同様に試験した。これらの結果を表13に示した。
【0335】
【表13】
【0336】
これらの試験の結果、本発明の化合物は、ロピニロールに比べて顕著な持続薬効が認められた。
【産業上の利用可能性】
【0337】
本発明の化合物は、優れたドパミンD受容体刺激作用を有するので、パーキンソン病、レストレスレッグス症候群又は高プロラクチン血症の治療または予防剤として有用である。
【配列表フリーテキスト】
【0338】
<配列番号1>
配列番号1は、配列番号3のDNAを増幅するために使用されたフォワードプライマーの配列である。
<配列番号2>
配列番号2は、配列番号3のDNAを増幅するために使用されたリバースプライマーの配列である。
<配列番号3>
配列番号3は、ヒトドパミンD受容体を発現するように配列番号1および2のプライマーを用いて増幅されたタンパク発現部位のDNA配列である。
<配列番号4>
配列番号4は、配列番号6のDNAを増幅するために使用されたフォワードプライマーの配列である。
<配列番号5>
配列番号5は、配列番号6のDNAを増幅するために使用されたリバースプライマーの配列である。
<配列番号6>
配列番号6は、ヒトセロトニン5−HT2B受容体を発現するように配列番号4および5のプライマーを用いて増幅されたタンパク発現部位のDNA配列である。
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]