(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6242838
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】環状装身具
(51)【国際特許分類】
A44C 9/00 20060101AFI20171127BHJP
A44C 25/00 20060101ALI20171127BHJP
A44C 5/00 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
A44C9/00
A44C25/00 A
A44C5/00 501A
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-98058(P2015-98058)
(22)【出願日】2015年5月13日
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3197540号
【原出願日】2015年3月4日
(65)【公開番号】特開2016-159137(P2016-159137A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2015年9月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】515061019
【氏名又は名称】丸上若葉工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(72)【発明者】
【氏名】池端 高道
【審査官】
栗山 卓也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−337297(JP,A)
【文献】
実開昭63−152413(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 9/00
A44C 5/00
A44C 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状に構成された紐状の部材である環状部と、
前記環状部における所定の位置に固定される第1連結部と、
前記第1連結部と連結可能な第2連結部と、
一端が前記第1連結部に接続され、他端が前記第2連結部に接続された紐状の部材であ
る紐状部とを備え、
前記環状部は、該環状部を構成する紐状の部材の両端部が前記第1連結部に接続されることにより環状に構成され、使用者の腕が挿通されるブレスレットとして用いられることを特徴とする環状装身具。
【請求項2】
前記第1連結部には、第2連結部と連結するための第1連結面が設けられ、
前記第2連結部には、前記第1連結部の第1連結面と連結可能な第1連結面が設けられ
ることを特徴とする請求項1に記載の環状装身具。
【請求項3】
前記第1連結部には、該第1連結部の第1連結面と対向する第2連結面が設けられ、
前記第2連結部には、前記第1連結部の第2連結面、または前記環状装身具と同一に構
成された他の環状装身具における第2連結部の第1連結面に連結可能な第2連結面が設け
られることを特徴とする請求項2に記載の環状装身具。
【請求項4】
前記第2連結部の第2連結面は、前記他の環状装身具における第1連結部の第2連絡面
に連結可能であることを特徴とする請求項3に記載の環状装身具。
【請求項5】
前記第2連結部と連結可能な第3連結部と、
一端が前記第2連結部に接続され、他端が前記第3連結部に接続された紐状の部材であ
る第2紐状部とを更に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記
載の環状装身具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状に形成された装身具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人間の体を装飾するために着装する環状の装身具として、ブレスレット、指輪、ネックレスなどが知られている。また、このような装身具のうち、例えば結婚指輪やペアリングのように、親密な関係にある2名の人物が互いの関係の強固さを象徴するペアアイテムとして用いられることがある。このようなペアアイテムは、その種別に関わらず、2つの装身具間の形状が略同一であるか、2つの装身具の一端同士が形状結合するように構成されているか、または、2つの装身具の一端同士を合わせることで所定の形状が形成されるように構成されていることが一般的である。これらのペアアイテムのうち、後者の2つは、前者と比較して、特に複数の人物の関係の強固さをより強く象徴することを意図したものである。
【0003】
また、複数の人物の絆を示すブレスレットとして、それぞれが特定の人物に関する誕生石により形成されるビーズからなる2以上の誕生石ビーズが並んだ状態でリング部に通されたブレスレットが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3163933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したペアアイテムのうち、2つの装身具の一端同士が形状結合するように構成されている装身具、及び2つの装身具の一端同士を合わせることで所定の形状が形成されるように構成されている装身具は、単体で使用される際には所定形状の一部分しか示すことができず、単体での使用状態では特定の人物との関係を示すことができない。また、形状結合または形状の形成にあたっては、使用者が装身具を外す必要がある、という問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、使用者が装着した状態を維持したまま、形状結合または所定形状を形成することなく、複数の人物同士の関係を示すことが可能な環状装身具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の実施形態は、環状に構成された紐状の部材である環状部と、前記環状部における所定の位置に固定される第1連結部と、前記第1連結部と連結可能な第2連結部と、一端が前記第1連結部に接続され、他端が前記第2連結部に接続された紐状の部材である紐状部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、使用者が装着した状態を維持したまま、形状結合または所定形状を形成することなく、複数の人物同士の関係を示すことが可能な環状装身具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態に係る環状装身具の概略正面図である。
【
図2】第1の実施形態に係る環状装身具の概略側面図である。
【
図3】第1連結部及び第2連結部の構成を示す模式図である。
【
図4】第1の連結方法により連結された環状装身具を示す模式図である。
【
図5】第2の連結方法により連結された環状装身具を示す模式図である。
【
図6】第2の実施形態に係る環状装身具の概略正面図である。
【
図7】第2の実施形態に係る環状装身具の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0011】
<第1の実施形態>
(環状装身具の構成)
第1の実施形態に係る環状装身具の構成について、
図1〜
図3を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態に係る環状装身具の概略正面図である。
図2は、第1の実施形態に係る環状装身具の概略側面図である。
図3は、第1連結部及び第2連結部の構成を示す模式図である。なお、本実施形態において、環状装身具はブレスレットを想定し、以降の説明において、使用者の腕が通される挿通方向の一方を前方とし、挿通方向に直交する方向を側方とする。
【0012】
図1、
図2に示すように、本実施の形態に係る環状装身具1は、環状部10、第1連結部11、紐状部12、第2連結部13を備える。環状部10は環状に構成された紐状の部材であり、その両端が第1連結部11に接続されることによって環状に形成される。なお、環状に形成した環状部10に第1連結部11が挿通されるように構成しても良い。第1連結部11は、環状部10の所定位置に固定され、少なくとも第2連結部13と連結される。紐状部12は紐状の部材であり、その一端が第1連結部11に接続され、他端が第2連結部13に接続される。なお、紐状の部材としては、絹、綿やポリエステルなどを編んだ組み紐、革、ゴム、可撓性を有するように形成された金属、プラスチックなどが挙げられる。
【0013】
ここで、第1連結部11、第2連結部13の構成について説明する。第1連結部11、第2連結部13は、それぞれ、内部にマグネット111、マグネット131を内蔵する。マグネット111、マグネット131は、それぞれ、使用者の腕が通される挿通方向に磁極が向くように配される。よって、第1連結部11はN極側に位置する第1連結面11a、S極側に位置する第2連結面11bを有し、第2連結部13はS極側に位置する第1連結面13a、N極側に位置する第2連結部面13bを有することとなる。したがって、第1連結部11の第1連結面11aは第2連結部13の第1連結面13aと連結可能となり、第1連結部11の第2連結面11bは第2連結部13の第2連結面13bと連結可能となる。
【0014】
環状装身具1は、単体で用いられる通常使用時には、
図1、
図2に示すように、第1連結部11と第2連結部13とが連結されて紐状部12は円環状態となっており、他の環状装身具1と連結される連結時には、紐状部12の円環状態が解除されて、第2連結部13が他の環状装身具1の第1連結部11または第2連結部13に連結される。
【0015】
(環状装身具の連結)
次に、環状装身具による連結について説明する。環状装身具は、第1の連結方法または第2の連結方法によって、同一の構成を持つ他の環状装身具と連結される。
図4は、第1の連結方法により連結された環状装身具を示す図である。
図5は、第2の連結方法により連結された環状装身具を示す図である。
【0016】
まず、第1の連結方法について説明する。この第1の連結方法によれば、
図4に示すように、所定の環状装身具1Aにおいて第1連結部11との連結が解除された第2連結部13が、他の環状装身具1Bにおいて第1連結部11と連結された第2連結部13と連結される。即ち、一人の人物が装着している環状装身具1Aを他の人物が装着している環状装身具1Bと連結しようとするとき、環状装身具1Aの第2連結部13を環状装身具1Bの第2連結部13と連結させる。なお、
図4においては、環状装身具1Aの第2連結部13と他の環状装身具1Bの第2連結部13とが連結されているが、環状装身具1Aの第2連結部13と環状装身具1Bの第1連結部11が連結されても良い。つまり、環状装身具1Aの第2連結部13の連結面は、環状装身具1Bにおいて第1連結部11と第2連結部13との連結に用いられていない連結面と連結することが可能である。
【0017】
次に、第2の連結方法について説明する。この第2の連結方法によれば、
図5に示すように、環状装身具1Aにおいて第1連結部11との連結が解除された第2連結部13が、環状装身具1Bにおいて第1連結部11との連結が解除された第2連結部13と連結される。この第2の連結方法によれば、環状装身具1の連結時に二名の人物の間の間隔を広くすることができる。
【0018】
上述したように、本実施の形態に係る環状装身具によれば、同一の構成を持つ他の環状装身具と連結することができ、また、連結時にこれらの環状装身具の使用者は装着した状態を維持することができる。なお、本実施の形態において環状装身具としてブレスレットを想定したが、環状の装身具であれば、指輪やネックレスであっても良い。また、本実施の形態において、連結がマグネットによる磁気によりなされるものとしたが、これに代えて、形状結合、係止など、他の手段を用いて連結がなされても良い。
【0019】
<第2の実施形態>
第1の実施形態に係る環状装身具は、第1連結部と第2連結部とを備えるものとしたが、第2の実施形態に係る環状装身具は更に第3連結部を備える。以下、第2の実施形態に係る環状装身具の構成について、
図6、
図7を参照して説明する。
図6は、第2の実施形態に係る環状装身具の概略正面図である。
図7は、第2の実施形態に係る環状装身具の概略側面図である。
【0020】
図6、
図7に示すように、第2の実施形態に係る環状装身具2は、環状部10、第1連結部11、紐状部12、第2連結部13を備え、更に、紐状部14、第3連結部15を備える。紐状部14は紐状の部材であり、その一端が第2連結部13に接続され、他端が第3連結部15に接続される。第3連結部15は、第1連結部11、第2連結部13と同様に、内部にマグネット151を内蔵し、マグネット151は、マグネット111、131と同様に、使用者の腕が通される挿通方向に磁極が向くように配される。よって、第3連結部15はN極側に位置する第1連結面15a、S極側に位置する第2連結部面15bを有することとなる。したがって、第3連結部15の第1連結面15aは第2連結部13の第1連結面13aと連結可能となり、第3連結部15の第2連結面15bは第2連結部13の第2連結面13bと連結可能となる。
【0021】
このような環状装身具2によれば、所定の環状装身具2において第1連結部11と第2連結部13との連結を解除し、更に第2連結部13と第3連結部15との連結を解除した状態において、他の環状装身具2と連結することができ、環状装身具1の連結と比較して、環状装身具2の連結時に二名の人物の間の間隔を更に広くすることができる。なお、第3連結部15と同様に、更に複数の連結部を備えるようにしても良い。
【0022】
本発明は、その要旨または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0023】
1 環状装身具
10 環状部
11 第1連結部
12 紐状部
13 第2連結部