特許第6242844号(P6242844)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 花王株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6242844
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】アミノ酸系農薬用効力増強剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 25/00 20060101AFI20171127BHJP
   A01N 25/22 20060101ALI20171127BHJP
   A01N 25/30 20060101ALI20171127BHJP
   A01N 57/20 20060101ALI20171127BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   A01N25/00 101
   A01N25/22
   A01N25/30
   A01N57/20 G
   A01P13/00
【請求項の数】7
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2015-195867(P2015-195867)
(22)【出願日】2015年10月1日
(65)【公開番号】特開2017-66111(P2017-66111A)
(43)【公開日】2017年4月6日
【審査請求日】2017年9月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100098408
【弁理士】
【氏名又は名称】義経 和昌
(72)【発明者】
【氏名】田村 辰仙
【審査官】 阿久津 江梨子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平9−295901(JP,A)
【文献】 特表平10−501800(JP,A)
【文献】 特開2004−2107(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第102503841(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第102962005(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 25/00
A01N 25/22
A01N 25/30
A01N 57/20
A01P 13/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1−1)で表される化合物(A1)と、下記一般式(2)で表される化合物(B)と、任意に下記一般式(1−2)で表される化合物(A2)と、任意に下記一般式(1−3)で表される化合物(A3)とを含有し、
化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和に対する化合物(A3)の含有量の質量比[化合物(A3)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]が0/100以上9/91以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(A2)の含有量の質量比[化合物(A2)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が0/100以上60/40以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(B)の含有量の質量比[化合物(B)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が1/500以上1/5.2以下である、
アミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【化1】

【化2】

【化3】

〔式中、
は、炭素数1以上4以下の直鎖アルキル基、炭素数2以上4以下の直鎖アルケニル基、炭素数3以上4以下の分岐鎖アルキル基、又は炭素数3以上4以下の分岐鎖アルケニル基を示し、
は、炭素数5以上17以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、
l、m、nは、それぞれ、CHCHO基の平均付加モル数を示し、l、m及びnの合計の値[l+m+n]は1以上15以下であり、
は、対イオンを示す。〕
−COOH (2)
〔式中、Rは、炭素数5以上17以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。〕
【請求項2】
化合物(A1)が、一般式(1−1)において、Rが、炭素数1以上2以下の直鎖アルキル基の化合物である、請求項1記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【請求項3】
化合物(A1)が、一般式(1−1)において、Xが、ハロゲン化物イオン又はアルキル硫酸エステルアニオンの化合物である、請求項1又は2記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【請求項4】
下記一般式(1−1)で表される化合物(A1)、下記一般式(2)で表される化合物(B)、アミノ酸系農薬原体(C)及び水と、任意に下記一般式(1−2)で表される化合物(A2)と、任意に下記一般式(1−3)で表される化合物(A3)とを含有し、
化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和に対する化合物(A3)の含有量の質量比[化合物(A3)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]が0/100以上9/91以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(A2)の含有量の質量比[化合物(A2)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が0/100以上60/40以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(B)の含有量の質量比[化合物(B)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が1/500以上1/5.2以下である、
農薬組成物。
【化4】

【化5】

【化6】

〔式中、
は、炭素数1以上4以下の直鎖アルキル基、炭素数2以上4以下の直鎖アルケニル基、炭素数3以上4以下の分岐鎖アルキル基、又は炭素数3以上4以下の分岐鎖アルケニル基を示し、
は、炭素数5以上17以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、
l、m、nは、それぞれ、CHCHO基の平均付加モル数を示し、l、m及びnの合計の値[l+m+n]は1以上15以下であり、
は、対イオンを示す。〕
−COOH (2)
〔式中、Rは、炭素数5以上17以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。〕
【請求項5】
請求項1〜3の何れか1項記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物を含有する請求項4記載の農薬組成物。
【請求項6】
アミノ酸系農薬原体(C)が、N−(ホスホノメチル)グリシン又はその塩である請求項5記載の農薬組成物
【請求項7】
請求項4〜6の何れか1項記載の農薬組成物から調製した農薬散布液を植物に散布する除草方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミノ酸系農薬用効力増強剤組成物、農薬組成物、及び除草方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、農薬の効果を十分に引き出すために、農薬含有組成物に各種界面活性剤が利用されている。特に除草剤として最も多く使用されている原体の一つであるグリホサート塩の様なアミノ酸系農薬においては、他の農薬で良く用いられるノニオン界面活性剤やアニオン界面活性剤の適用が、相溶性から困難であり、代わりに四級化された、あるいはポリオキシエチレン化された長鎖アミンがこの目的のために有効であることが知られている。グリホサート塩の様なアミノ酸系農薬においては、特にポリオキシエチレン化されたタローアミンが、その優れたコストパフォーマンス性から幅広く利用されている。しかし、このポリオキシエチレン化されたタローアミンは生分解性が極めて低いこと、魚毒性が強いことなどから、近年、その環境への影響性が懸念され、代替品が望まれている。そこで、例えば、特許文献1には農薬効力増強剤としてポリオキシアルキレンで修飾された4級塩が提案されている。
【0003】
特許文献2には、水溶性農薬原体、アルキレンオキサイド鎖を有する特定のアミン化合物又はその酸塩もしくは4級化物、特定のアミン化合物又は4級化合物を含有する液状農薬組成物が開示されており、水溶性農薬原体としてグリホセート塩が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表平10−501800号公報
【特許文献2】特開平9−295901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、これらの従来技術では、農薬の効力を効果的に増強する点では、十分ではなかった。
【0006】
本発明は、アミノ酸系農薬と混合した時の相溶性に優れ、農薬組成物の配合安定性を向上でき、アミノ酸系農薬の効力を効果的に増強できるアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物及びこれを含有する農薬組成物、並びに該農薬組成物を用いた除草方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、グリホサート塩のようなアミノ酸系農薬を配合した農薬製剤において、生分解性と魚毒性に優れ、コストパフォーマンスに優れた安定な農薬製剤を提供でき、更に高い除草性能をも発現できる技術について鋭意研究を進めたところ、特定構造のカチオン化合物と特定の脂肪酸とを特定割合で組み合わせることで、アミノ酸系農薬と混合した時の相溶性に優れ、農薬組成物の配合安定性を向上でき、アミノ酸系農薬の効力を効果的に増強できるアミノ酸系農薬用農薬効力増強剤組成物が得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明は、下記一般式(1−1)で表される化合物(A1)及び下記一般式(2)で表される化合物(B)と、任意に下記一般式(1−2)で表される化合物(A2)と、任意に下記一般式(1−3)で表される化合物(A3)とを含有し、
化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和に対する化合物(A3)の含有量の質量比[化合物(A3)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]が0/100以上9/91以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(A2)の含有量の質量比[化合物(A2)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が0/100以上60/40以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(B)の含有量の質量比[化合物(B)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が1/500以上1/5.2以下である、
アミノ酸系農薬用効力増強剤組成物に関する。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】
【化3】
【0012】
〔式中、
は、炭素数1以上4以下の直鎖アルキル基、炭素数2以上4以下の直鎖アルケニル基、炭素数3以上4以下の分岐鎖アルキル基、又は炭素数3以上4以下の分岐鎖アルケニル基を示し、
は、炭素数5以上17以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、
l、m、nは、それぞれ、CHCHO基の平均付加モル数を示し、l、m及びnの合計の値[l+m+n]は1以上15以下であり、
は、対イオンを示す。〕
−COOH (2)
〔式中、Rは、炭素数5以上17以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。〕
【0013】
また、本発明は、前記一般式(1−1)で表される化合物(A1)、前記一般式(2)で表される化合物(B)、アミノ酸系農薬原体(C)及び水と、任意に前記一般式(1−2)で表される化合物(A2)と、任意に前記一般式(1−3)で表される化合物(A3)とを含有し、
化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和に対する化合物(A3)の含有量の質量比[化合物(A3)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]が0/100以上9/91以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(A2)の含有量の質量比[化合物(A2)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が0/100以上60/40以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(B)の含有量の質量比[化合物(B)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が1/500以上1/5.2以下である、
農薬組成物に関する。
【0014】
また、本発明は、上記本発明の農薬組成物から調製した農薬散布液を植物に散布する除草方法に関する。
【0015】
以下、一般式(1−1)で表される化合物(A1)を化合物(A1)、一般式(1−2)で表される化合物(A2)を化合物(A2)、一般式(1−3)で表される化合物(A3)を化合物(A3)、一般式(2)で表される化合物(B)を化合物(B)という場合もある。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、アミノ酸系農薬と混合した時の相溶性に優れ、農薬組成物の配合安定性を向上でき、アミノ酸系農薬の効力を効果的に増強できるアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物が提供される。
また、本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物を用いることで、アミノ酸系農薬の効力が増強され、配合安定性に優れた農薬組成物が提供される。
また、本発明の農薬組成物を用いることで、除草効果に優れた除草方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<アミノ酸系農薬用効力増強剤組成物>
本発明のアミノ酸系農薬増強剤組成物は、特定比率の化合物(A1)と化合物(B)を含有し、アミノ酸系農薬と混合した時の相溶性に優れ、農薬組成物の配合安定性を向上でき、アミノ酸系農薬の効力を効果的に増強できる効果を奏する。このような効果を奏する理由は定かではないが、以下のように考えられる。
本発明で選定した化合物(A1)と化合物(B)の比率は、アミノ酸系農薬組成物の配合安定性の向上に適切な範囲になっているものと推察される。また、化合物(A1)と化合物(B)の相互作用により、アミノ酸系農薬の植物内部への浸透及び植物内部での移動が促進されるために、アミノ酸系農薬の効力を効果的に増強できると考えられる。
【0018】
本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物は、前記一般式(1−1)で表される化合物(A1)を含有する。
【0019】
一般式(1−1)において、Rは、炭素数1以上4以下の直鎖アルキル基、炭素数2以上4以下の直鎖アルケニル基、炭素数3以上4以下の分岐鎖アルキル基、又は炭素数3以上4以下の分岐鎖アルケニル基である。農薬の効力を増強させる観点及び農薬組成物の配合安定性を向上させる観点から、Rは、好ましくは直鎖の基である。また、Rの炭素数は、農薬の効力を増強させる観点及び農薬組成物の配合安定性を向上させる観点から、好ましくは1以上3以下であり、より好ましくは1以上2以下であり、更に好ましくは1である。以上の観点を総合すると、Rは、好ましくは炭素数1以上3以下の直鎖アルキル基であり、より好ましくは炭素数1以上2以下の直鎖アルキル基であり、更に好ましくは炭素数1の直鎖アルキル基である。
【0020】
また、一般式(1−1)において、Rは、炭素数5以上17以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基である。農薬の効力を増強させる観点及び農薬組成物の配合安定性を向上させる観点から、Rは、好ましくは直鎖の基である。また、Rは、農薬の効力を増強させる観点及び農薬組成物の配合安定性を向上させる観点から、好ましくはアルキル基である。また、Rの炭素数は、農薬の効力を増強させる観点及び農薬組成物の配合安定性を向上させる観点から、好ましくは7以上、より好ましくは9以上であり、同様の観点から、好ましくは15以下、より好ましくは13以下である。以上の観点を総合すると、Rは、好ましくは炭素数7以上13以下の直鎖アルキル基であり、より好ましくは炭素数9以上13以下の直鎖アルキル基である。
【0021】
一般式(1−1)において、l、m及びnは、それぞれ、CHCHO基の平均付加モル数を示し、l、m及びnの合計の値[l+m+n]は1以上15以下であり、農薬の効力を増強させる観点及び農薬組成物の配合安定性を向上させる観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上、更により好ましくは5以上であり、農薬の効力を増強させる観点から、好ましくは12以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは9以下、更により好ましくは8以下、更により好ましくは7以下である。
【0022】
一般式(1−1)において、Xは対イオンであり、例えばCl、Br、I等のハロゲン化物イオン、アルキル硫酸エステルアニオン、アルキルベンゼンスルホン酸アニオン、脂肪酸アニオンのアニオン等が挙げられる。Xは、農薬の効力を増強させる観点及び農薬組成物の配合安定性を向上させる観点から、好ましくはハロゲン化物イオン又はアルキル硫酸エステルアニオンであり、より好ましくはアルキル硫酸エステルアニオンであり、更に好ましくはメチル硫酸エステルアニオン又はエチル硫酸エステルアニオンであり、更により好ましくはメチル硫酸エステルアニオンである。
【0023】
本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物において、農薬の効力を増強させる観点及び農薬組成物の配合安定性を向上させる観点から、化合物(A1)、後述する化合物(A2)、化合物(A3)、化合物(A4)及び化合物(B)の含有量の合計に対する化合物(A1)の含有量は、好ましくは25質量%以上、更に好ましくは35質量%以上、更により好ましくは40質量%以上、更により好ましくは45質量%以上、更により好ましくは48質量%以上であり、そして、経済性の観点から、好ましくは60質量%以下、より好ましくは55質量%以下、更に好ましくは54質量%以下、更により好ましくは53質量%以下である。この含有量(質量%)は、[化合物(A1)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量と化合物(A3)と化合物(A4)と化合物(B)の和]×100で算出される。
【0024】
また、一般式(1−1)で表される化合物(A1)は、例えば、下記製造方法1〜3から選ばれる製造方法で得ることができる。
製造方法1:一般式(1−5)で表される化合物(以下、トリエタノールアミンEO付加物ともいう)に、Rの炭素数の条件を満たす脂肪酸を反応させてエステル化し、更に4級化する方法。
製造方法2:脂肪酸部分の炭素数がRの炭素数の条件を満たす油脂とトリエタノールアミンEO付加物とを任意の比率で混合し、エステル交換反応を行った後、更に4級化する方法。
製造方法3:トリエタノールアミン、Rの炭素数の条件を満たす脂肪酸及び酸化エチレンを同時に反応させ、更に4級化する方法。
【0025】
【化4】
【0026】
〔式中、l、m、nは、それぞれ、CHCHO基の平均付加モル数を示し、l、m及びnの合計の値[l+m+n]は1以上15以下である。〕
一般式(1−5)において、l、m及びnの好ましい態様は、一般式(1−1)のl、m及びnと同様である。
【0027】
製造方法1〜3の中で、農薬の効力を増強させる観点及び農薬組成物の配合安定性を向上させる観点から、好ましくは製造方法1及び製造方法2であり、より好ましくは製造方法1である。
【0028】
通常、これらの方法では、反応生成物は、化合物(A1)以外に、下記一般式(1−2)で表される化合物(A2)、及び下記一般式(1−3)で表される化合物(A3)を含有する混合物として、更には、下記一般式(1−4)で表される化合物(A4)を含有する混合物として得られる。本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物は、任意に、下記一般式(1−4)で表される化合物(A4)を含有することができる。
前記混合物中の化合物(A1)と、化合物(A2)、化合物(A3)及び化合物(A4)の割合は、トリエタノールアミンEO付加物と脂肪酸のモル比、トリエタノールアミンEO付加物と油脂のモル比、トリエタノールアミンと脂肪酸と酸化エチレンのモル比、反応温度、反応時間などで調整することができる。一般に、トリエタノールアミンEO付加物に対する脂肪酸ないし油脂のモル比、あるいはトリエタノールアミンに対する脂肪酸のモル比が小さくなると、かかる混合物中の化合物(A1)の割合は高くなる傾向にある。かかる混合物中の化合物(A1)の割合を高める方法として、例えば、脂肪酸/トリエタノールアミンEO付加物のモル比を、好ましくは0.3/1以上1.1/1以下、より好ましくは0.4/1以上1/1以下、更に好ましくは0.4/1以上0.8/1以下、更により好ましくは0.5/1以上0.7/1以下とする方法が挙げられる。油脂を用いる場合は、脂肪酸部分が前記のモル比になるよう調整すればよい。効果と経済性の兼ね合いの観点から、化合物(A1)と、化合物(A2)、化合物(A3)及び化合物(A4)から選ばれる化合物とを含有する混合物を、本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物の調製に用いることができる。従って、本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物は、前記一般式(1−1)で表される化合物(A1)と、下記一般式(1−2)で表される化合物(A2)、下記一般式(1−3)で表される化合物(A3)及び下記一般式(1−4)で表される化合物(A4)から選ばれる1種以上の化合物と、を含有することができる。ただし、[化合物(A3)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]の質量比と[化合物(A2)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]の質量比は、本発明の所定の範囲にある必要がある。
以下、(A1)、化合物(A2)、化合物(A3)及び化合物(A4)をまとめて化合物(A)という場合もある。
化合物(A)は、少なくとも化合物(A1)を含む。本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物は、化合物(A2)、化合物(A3)及び化合物(A4)を、それぞれ、1種以上含有することができる。
【0029】
【化5】
【0030】
【化6】
【0031】
【化7】
【0032】
〔一般式(1−2)、一般式(1−3)、及び一般式(1−4)中、
は、炭素数1以上4以下の直鎖アルキル基、炭素数2以上4以下の直鎖アルケニル基、炭素数3以上4以下の分岐鎖アルキル基、又は炭素数3以上4以下の分岐鎖アルケニル基を示し、
は、炭素数5以上17以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、
l、m、nは、それぞれ、CHCHO基の平均付加モル数を示し、1、m及びnの合計の値[l+m+n]は1以上15以下であり、
は、対イオンを示す。〕
【0033】
一般式(1−2)、一般式(1−3)、及び一般式(1−4)において、Rの好ましい態様は、一般式(1−1)のRと同様である。
【0034】
また、一般式(1−2)、及び一般式(1−3)において、Rの好ましい態様は、一般式(1−1)のRと同様である。なお、一般式(1−2)、及び一般式(1−3)において、Rは同一でも異なっていても良い。
【0035】
また、一般式(1−2)、一般式(1−3)、及び一般式(1−4)において、l、m及びnの好ましい対応は、一般式(1−1)のl、m及びnはと同様である。
【0036】
また、一般式(1−2)、一般式(1−3)及び一般式(1−4)において、Xは対イオンであり、Xの好ましい態様は、一般式(1−1)のXと同様である。
【0037】
本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物では、農薬の効力を増強させる観点及び農薬組成物の配合安定性を向上させる観点、経済性の観点から、化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和に対する化合物(A3)の含有量の質量比[化合物(A3)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]が、0/100以上9/91以下である。[化合物(A3)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]の質量比は、経済性の観点から、好ましくは1/99以上、より好ましくは2/98以上、更に好ましくは3/97以上、更により好ましくは4/96以上であり、そして、農薬の効力を増強させる観点及び農薬組成物の配合安定性を向上させる観点から、好ましくは8/92以下、より好ましくは7/93以下、更に好ましくは6/94以下、更により好ましくは5/95以下である。
【0038】
本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物では、農薬の効力を増強させる観点及び農薬組成物の配合安定性を向上させる観点、経済性の観点から、化合物(A1)の含有量に対する化合物(A2)の含有量の質量比[化合物(A2)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が、0/100以上60/40以下である。[化合物(A2)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]の質量比は、経済性の観点から、好ましくは5/95以上、より好ましくは10/90以上、更に好ましくは15/85以上、更により好ましくは20/80以上、更により好ましくは25/75以上であり、そして、農薬の効力を増強させる観点及び農薬組成物の配合安定性を向上させる観点から、好ましくは55/45以下、より好ましくは50/50以下、更に好ましくは45/55以下、更により好ましくは40/60以下、更により好ましくは、35/65以下である。
【0039】
本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、化合物(A2)を含有することができる。本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物において、化合物(A1)、化合物(A2)、化合物(A3)、化合物(A4)及び化合物(B)のそれぞれの含有量の合計に対する化合物(A2)の含有量は、効果と経済性の兼ね合いの観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、更により好ましくは19質量%以上、更により好ましくは19.5質量%以上であり、そして、本発明の効果を阻害しない観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは23質量%以下、更により好ましくは22質量%以下である。この含有量(質量%)は、[化合物(A2)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量と化合物(A3)と化合物(A4)と化合物(B)の和]×100で算出される。
【0040】
本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、化合物(A3)を含有することができる。本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物において、化合物(A1)、化合物(A2)、化合物(A3)、化合物(A4)及び化合物(B)のそれぞれの含有量の合計に対する化合物(A3)の含有量は、効果と経済性の兼ね合いの観点から、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは2.0質量%以上、更に好ましくは2.5質量%以上、更により好ましくは2.8質量%以上であり、そして、本発明の効果を阻害しない観点から、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4.0質量%以下、更に好ましくは3.5質量%以下、更により好ましくは3.3質量%以下、更により好ましくは3.1質量%以下である。この含有量(質量%)は、[化合物(A3)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量と化合物(A3)と化合物(A4)と化合物(B)の和]×100で算出される。
【0041】
本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、化合物(A4)を含有することができる。本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物において、化合物(A1)、化合物(A2)、化合物(A3)、化合物(A4)及び化合物(B)のそれぞれの含有量の合計に対する化合物(A4)の含有量は、効果と経済性の兼ね合いの観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、更により好ましくは20質量%以上、更により好ましくは22質量%以上であり、そして、本発明の効果を阻害しない観点から、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは28質量%以下、更により好ましくは26質量%以下である。この含有量(質量%)は、[化合物(A4)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量と化合物(A3)と化合物(A4)と化合物(B)の和]×100で算出される。
【0042】
本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物では、農薬の効力を増強させる観点及び農薬組成物の配合安定性を向上させる観点、及び経済性の観点から、化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和に対する化合物(A4)の含有量の質量比[化合物(A4)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]が、0/100以上70/30以下であることが好ましい。[化合物(A4)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]の質量比は、経済性の観点から、好ましくは10/90以上、より好ましくは15/85以上、更に好ましくは20/80以上、更により好ましくは22/78以上、更により好ましくは23/77以上であり、そして、農薬の効力を増強させる観点及び農薬組成物の配合安定性を向上させる観点から、好ましくは60/40以下、より好ましくは50/50以下、更に好ましくは40/60以下、更により好ましくは30/70以下である。
【0043】
本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物では、農薬の効力を増強させる観点及び農薬組成物の配合安定性を向上させる観点、及び経済性の観点から、化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量と化合物(A3)の含有量の和に対する化合物(A4)の含有量の質量比[化合物(A4)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量と化合物(A3)の含有量の和]が、0/100以上70/30以下であることが好ましい。[化合物(A4)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量と化合物(A3)の含有量の和]の質量比は、経済性の観点から、好ましくは10/90以上、より好ましくは15/85以上、更に好ましくは20/80以上、更により好ましくは22/78以上、更により好ましくは23/77以上であり、そして、農薬の効力を増強させる観点及び農薬組成物の配合安定性を向上させる観点から、好ましくは60/40以下、より好ましくは50/50以下、更に好ましくは40/60以下、更により好ましくは30/70以下である。
【0044】
本発明では、化合物(A1)、化合物(A2)、化合物(A3)、及び化合物(A4)のそれぞれの含有量の合計、すなわち化合物(A)の含有量に対する化合物(A1)の含有量は、農薬の効力を増強させる観点及び農薬組成物の配合安定性を向上させる観点から、好ましくは40質量%以上、より好ましくは42質量%以上、更に好ましくは45質量%以上、更により好ましくは48質量%以上、更により好ましくは50質量%以上であり、経済性の観点から、100質量%以下、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下、更により好ましくは55質量%以下、更により好ましくは53質量%以下である。この含有量(質量%)は、[化合物(A1)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量と化合物(A3)と化合物(A4)の和]×100で算出される。
【0045】
本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物は、前記一般式(2)で表される化合物(B)を含有する。
一般式(2)において、Rは、炭素数5以上17以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基である。農薬の効力を増強させる観点及び農薬組成物の配合安定性に優れる観点から、Rは、好ましくは直鎖の基である。また、Rは、農薬の効力を増強させる観点及び農薬組成物の配合安定性に優れる観点から、好ましくはアルキル基である。また、Rの炭素数は、農薬の効力を増強させる観点及び農薬組成物の配合安定性に優れる観点から、好ましくは7以上、より好ましくは9以上であり、同様の観点から、好ましくは15以下、より好ましくは13以下である。以上の観点を総合すると、Rは、好ましくは炭素数7以上13以下の直鎖アルキル基であり、より好ましくは炭素数9以上13以下の直鎖アルキル基である。
【0046】
本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物では、農薬の効力を増強させる観点及び農薬組成物の配合安定性に優れる観点から、化合物(A1)の含有量に対する化合物(B)の含有量の質量比[化合物(B)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が1/500以上1/5.2以下である。農薬の効力を増強させる観点及びアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物の生産性の観点から、好ましくは1/100以上、より好ましくは1/60以上であり、更に好ましくは1/50以上であり、農薬の効力を増強させる観点から、更により好ましくは1/20以上、更により好ましくは1/10以上、更により好ましくは1/8以上である。そして、農薬組成物の配合安定性に優れる観点、農薬の効力を増強させる観点及びアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物の生産性の観点から、好ましくは1/5.5以下、より好ましくは1/6.0以下、更に好ましくは1/6.2以下であり、アミノ酸系農薬用効力増強剤組成物の生産性の観点から、更により好ましくは1/15以下、更により好ましくは1/20以下、更により好ましくは1/25以下である。
【0047】
本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物では、農薬の効力を増強させる観点及び農薬組成物の配合安定性に優れる観点から、化合物(A)の含有量に対する化合物(B)の含有量の質量比[化合物(B)の含有量]/[化合物(A)の含有量]が、好ましくは1/950以上1/10以下である。農薬の効力を増強させる観点及びアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物の生産性の観点から、好ましくは1/200以上、より好ましくは1/150以上、更に好ましくは1/100以上、更により好ましくは1/90以上であり、農薬の効力を増強させる観点から、更に好ましくは1/40以上、更により好ましくは1/20以上、更により好ましくは1/16以上である。そして、農薬組成物の配合安定性に優れる観点、農薬の効力を増強させる観点及びアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物の生産性の観点から、好ましくは1/11以下、より好ましくは1/11.5以下、更に好ましくは1/12以下であり、アミノ酸系農薬用効力増強剤組成物の生産性の観点から、更に好ましくは1/20以下、更により好ましくは1/40以下、更により好ましくは1/50以下である。ここで、化合物(A)の含有量は、化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量と化合物(A3)の含有量と化合物(A4)の含有量の和であり、この質量比は、[化合物(B)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量と化合物(A3)の含有量と化合物(A4)の含有量の和]の質量比でもある。
【0048】
本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物において、化合物(A1)、化合物(A2)、化合物(A3)、化合物(A4)及び化合物(B)の含有量の合計に対する化合物(B)の含有量は、農薬の効力を増強させる観点及びアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物の生産性の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは0.8質量%以上、更により好ましくは1.0質量%以上であり、農薬の効力を増強させる観点から、更により好ましくは3質量%以上、更により好ましくは4質量%以上、更により好ましくは5質量%以上、更により好ましくは6質量%以上である。そして、化合物(A1)、化合物(A2)、化合物(A3)、化合物(A4)及び化合物(B)の含有量の合計に対する化合物(B)の含有量は、農薬組成物の配合安定性に優れる観点、農薬の効力を増強させる観点及びアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物の生産性の観点から、好ましくは9.0質量%以下、より好ましくは8.5質量%以下、更に好ましくは8.0質量%以下であり、アミノ酸系農薬用効力増強剤組成物の生産性の観点から、更により好ましくは6質量%以下、更により好ましくは4質量%以下、更により好ましくは2.5質量%以下、更により好ましくは2.0質量%以下である。この含有量(質量%)は、[化合物(B)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量と化合物(A3)と化合物(A4)と化合物(B)の和]×100で算出される。
【0049】
本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物は、特願2015−077836号に記載されている化合物(B)や化合物(C)を含有することができる。
【0050】
本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物は、取扱い易さの観点から、液体組成物であることが好ましい。化合物(A)及び化合物(B)の混合物が液体組成物ではない場合、あるいは液体組成物であっても粘度が高い等の取扱い難さがある場合は、水及び親水性溶媒から選ばれる1種以上を含有することが好ましい。
水としては、本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物の効果を阻害しない範囲で、水道水、蒸留水、イオン交換水などを使用することができ、安定性の観点から、好ましくはイオン交換水である。
親水性溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール等の1価アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のジオール等が挙げられる。
【0051】
本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物が水及び/又は親水性溶媒を含有する場合、組成物中の水及び/又は親水性溶媒の含有量は、取扱い易さの観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは25質量%以上であり、そして、輸送コスト等の経済性の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは35質量%以下である。
【0052】
本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物は、任意に、これらの成分以外の化合物、例えば、油や界面活性剤として使用される化合物を含有することができる。
【0053】
本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物は、例えば、化合物(A)及び化合物(B)、必要により、任意成分及び水を混合し、撹拌することによって作製することができる。また、各成分の混合は、各成分を一括に添加して行う、或いは、各成分を別々に添加して行う、の何れでもよく、別々に添加する場合、各成分を添加する順序は問わない。
【0054】
本発明の態様として、化合物(A1)と、化合物(B)と、任意に化合物(A2)と、任意に化合物(A3)と、任意に化合物(A4)を含有し、
化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和に対する化合物(A3)の含有量の質量比[化合物(A3)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]が0/100以上9/91以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(A2)の含有量の質量比[化合物(A2)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が0/100以上60/40以下であり、
化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和に対する化合物(A4)の含有量の質量比[化合物(A4)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]が0/100以上70/30以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(B)の含有量の質量比[化合物(B)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が1/500以上1/5.2以下である、
アミノ酸系農薬用効力増強剤組成物が挙げられる。
【0055】
また、本発明の態様として、化合物(A1)及び化合物(B)を含有し、化合物(A2)、化合物(A3)、及び化合物(A4)から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、
化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和に対する化合物(A3)の含有量の質量比[化合物(A3)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]で0/100以上9/91以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(A2)の含有量の質量比[化合物(A2)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が0/100以上60/40以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(B)の含有量の質量比[化合物(B)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が1/500以上1/5.2以下である、
アミノ酸系農薬用効力増強剤組成物が挙げられる。
【0056】
また、本発明の態様として、化合物(A1)、化合物(A2)、化合物(A3)、化合物(A4)及び化合物(B)を含有し、
化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和に対する化合物(A3)の含有量の質量比[化合物(A3)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]が1/99以上9/91以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(A2)の含有量の質量比[化合物(A2)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が5/95以上60/40以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(B)の含有量の質量比[化合物(B)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が1/500以上1/5.2以下である、
アミノ酸系農薬用効力増強剤組成物が挙げられる。
【0057】
また、本発明の態様として、化合物(A1)、化合物(A2)、化合物(A3)、化合物(A4)、及び化合物(B)を含有し、
化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和に対する化合物(A3)の含有量の質量比[化合物(A3)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]が1/99以上9/91以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(A2)の含有量の質量比[化合物(A2)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が5/95以上60/40以下であり、
化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和に対する化合物(A4)の含有量の質量比[化合物(A4)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]が10/90以上70/30以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(B)の含有量の質量比[化合物(B)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が1/500以上1/5.2以下である、
アミノ酸系農薬用効力増強剤組成物が挙げられる。
【0058】
また、本発明の態様として、トリエタノールアミンEO付加物と炭素数6以上18以下の脂肪酸との反応生成物の4級化物と、化合物(B)とを含有する、アミノ酸系農薬用効力増強剤組成物が挙げられる。
【0059】
また、本発明の態様として、トリエタノールアミンEO付加物と炭素数6以上18以下の脂肪酸との反応生成物の4級化物と、化合物(B)とを含有するアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物であって、前記4級化物が化合物(A1)と、化合物(B)とを含有する、アミノ酸系農薬用効力増強剤組成物が挙げられる。
【0060】
また、本発明の態様として、トリエタノールアミンEO付加物と炭素数6以上18以下の脂肪酸との反応生成物の4級化物と、化合物(B)とを含有するアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物であって、
前記4級化物が化合物(A1)、化合物(A2)、化合物(A3)、化合物(A4)及び化合物(B)を含有し、
化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和に対する化合物(A3)の含有量の質量比[化合物(A3)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]が1/99以上10/90以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(A2)の含有量の質量比[化合物(A2)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が5/95以上60/40以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(B)の含有量の質量比[化合物(B)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が1/500以上1/5.2以下である、
アミノ酸系農薬用効力増強剤組成物が挙げられる。
これら何れの態様においても、前記した好ましい事項を適用できる。
【0061】
<農薬組成物>
本発明の農薬組成物は、前記一般式(1−1)で表される化合物(A1)、前記一般式(2)で表される化合物(B)、アミノ酸系農薬原体(C)及び水と、任意に前記一般式(1−2)で表される化合物(A2)と、任意に前記一般式(1−3)で表される化合物(A3)とを含有し、
化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和に対する化合物(A3)の含有量の質量比[化合物(A3)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]が0/100以上9/91以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(A2)の含有量の質量比[化合物(A2)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が0/100以上60/40以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(B)の含有量の質量比[化合物(B)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が1/500以上1/5.2以下である。
【0062】
本発明の農薬組成物は、好ましくは本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物、アミノ酸系農薬原体(C)、及び水を含有する。すなわち、本発明の農薬組成物は、本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物、アミノ酸系農薬原体(C)、及び水を混合して製造されることが好ましい。
【0063】
また、本発明の農薬組成物の好ましい態様、すなわち、化合物(A)の構造、化合物(B)の構造、化合物(A)の製造方法、化合物(A1)、化合物(A2)、化合物(A3)、化合物(A4)及び化合物(B)のそれぞれの含有量の合計に対するそれぞれの化合物の含有量、化合物(A1)、化合物(A2)、化合物(A3)、及び化合物(A4)のそれぞれの含有量の合計に対するそれぞれの化合物の含有量、質量比[化合物(A3)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]、質量比[化合物(A2)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]、質量比[化合物(A4)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]、質量比[化合物(A4)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量と化合物(A3)の含有量の和]、質量比[化合物(B)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]、及び質量比[化合物(B)の含有量]/[化合物(A)の含有量]等は、アミノ酸系農薬用効力増強剤組成物において記載した好ましい態様と同じである。
【0064】
アミノ酸系農薬原体(C)は、アミノ酸系除草剤の農薬原体(有効成分)が挙げられる。アミノ酸系除草剤の農薬原体(有効成分)としては、グリホサート〔N−(ホスホノメチル)グリシン又はその塩〕、ビアラホス[ソディウム・ソルト・オブL−2−アミノ−4−〔(ヒドロキシ)(メチル)=ホスフィノイル〕ブチリル−L−アラニル−L−アラニン]、及びグルホシネート〔アンモニウム−DL−ホモアラニン−4−イル(メチル)ホスフィネート〕が挙げられ、農薬の効力を増強させる観点及び農薬組成物の配合安定性に優れる観点から、好ましくは、グリホサート〔N−(ホスホノメチル)グリシン又はその塩〕又はグルホシネート〔アンモニウム−DL−ホモアラニン−4−イル(メチル)ホスフィネート〕であり、より好ましくは、グリホサート〔N−(ホスホノメチル)グリシン又はその塩〕である。これらは農業的に許容できる塩であってもよい。また、農薬組成物に配合するにあたり、これらを含有する水溶液、液剤、水和剤等として使用することもできる。
【0065】
本発明の農薬組成物は、アミノ酸系農薬原体(C)を、輸送コスト等の経済性の観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、更により好ましくは35質量%以上含有し、そして、農薬組成物の配合安定性の観点から、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下、更により好ましくは45質量%以下含有する。
【0066】
本発明の農薬組成物における化合物(A1)、化合物(A2)、化合物(A3)、化合物(A4)及び化合物(B)の好ましい構造やこれらの含有量の質量比などは、本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物で述べた事項から選択できる。
【0067】
本発明の農薬組成物は、農薬の効力を増強させる観点及び農薬組成物の配合安定性に優れる観点から、化合物(A1)を、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは3.2質量%以上、更により好ましくは3.4質量%以上、更により好ましくは3.6質量%以上含有し、そして、経済性の観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは6質量%以下、更により好ましくは5.0質量%以下、更により好ましくは4.5質量%以下、更により好ましくは4.0質量%以下含有する。
【0068】
本発明の農薬組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、化合物(A2)を含有することができる。本発明の農薬組成物は、効果と経済性の兼ね合いの観点から、化合物(A2)を、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは1.2質量%以上、更により好ましくは1.4質量%以上、更により好ましくは1.5質量%以上含有し、そして、本発明の効果を阻害しない観点から、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下、更に好ましくは2.5質量%以下、更により好ましくは2.0質量%以下、更により好ましくは1.7質量%以下、含有する。
【0069】
本発明の農薬組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、化合物(A3)を含有することができる。本発明の農薬組成物は、効果と経済性の兼ね合いの観点から、化合物(A3)を、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.10質量%以上、更に好ましくは0.15質量%以上、更により好ましくは0.20質量%以上含有し、そして、本発明の効果を阻害しない観点から、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.6質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下、更により好ましくは0.4質量%以下、更により好ましくは0.3質量%以下、含有する。
【0070】
本発明の農薬組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、化合物(A4)を含有することができる。本発明の農薬組成物は、効果と経済性の兼ね合いの観点から、化合物(A4)を、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは1.2質量%以上、更により好ましくは1.4質量%以上、更により好ましくは1.6質量%以上含有し、そして、本発明の効果を阻害しない観点から、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下、更に好ましくは2.4質量%以下、更により好ましくは2.0質量%以下、含有する。
【0071】
本発明の農薬組成物は、農薬の効力を増強させる観点及び農薬組成物の配合安定性に優れる観点から、化合物(B)を、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.08質量%以上、更により好ましくは0.09質量%以上含有し、農薬の効力を増強させる観点から、更により好ましくは0.30質量%以上、更により好ましくは0.45質量%以上、更により好ましくは0.50質量%以上含有し、そして、農薬組成物の配合安定性に優れる観点、農薬の効力を増強させる観点及び経済性観点から、好ましくは0.7質量%以下、より好ましくは0.65質量%以下、更に好ましくは0.60質量%以下含有し、経済性の観点から、更により好ましくは0.30質量%以下、更により好ましくは0.20質量%以下、更により好ましくは0.15質量%以下含有する。
【0072】
本発明の農薬組成物は、取扱い易さの観点から、水を含有する。水を含有する液体組成物であることが好ましい。本発明の農薬組成物は、水を、取扱い易さの観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上、更により好ましくは45質量%以上含有し、そして、輸送コスト等の経済性の観点から、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは55質量%以下含有する。
【0073】
本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物は、任意に、化合物(A)、化合物(B)、アミノ酸系農薬原体(C)及び水以外の化合物、例えば、溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテル等)、キレート剤、pH調節剤、無機塩類、及び増粘剤等を含有することができる。
【0074】
<除草方法>
本発明の除草方法は、本発明の農薬組成物から調製した農薬散布液を植物に散布する。 本発明の除草方法では、前記農薬散布液中の化合物(A1)の濃度は、農薬の効力を増強させる観点から、30ppm以上、また100ppm以上、また120ppm以上、また150ppm以上、また170ppm以上、また200ppm以上から選択でき、そして、経済性の観点から、50000ppm以下、また5000ppm以下、また2000ppm以下、また1000ppm以下、また600ppm以下、また500ppm以下、また400ppm以下から選択できる。
【0075】
本発明の除草方法では、前記農薬散布液中の化合物(B)の濃度は、農薬の効力を増強させる観点から、0.5ppm以上、また1ppm以上、また2ppm以上、また3ppm以上、また4ppm以上、また5ppm以上から選択でき、そして、経済性の観点から、150ppm以下、また100ppm以下、また40ppm以下、また20ppm以下、また10ppm以下、また8ppm以下から選択できる。
【0076】
また、本発明の除草方法では、前記農薬散布液を、好ましくは50L/ha以上、より好ましくは200L/ha以上、更に好ましくは400L/ha以上、更により好ましくは500L/ha以上の割合で散布し、そして、好ましくは1000L/ha以下、より好ましくは800L/ha以下、より好ましくは600L/ha以下の割合で散布する。
【0077】
本発明の除草方法は、駆除対象となる植物である雑草に所定の散布液を施すものである。雑草は、農業分野では農耕地やその周辺に生育して作物生産に害を与える草本として認識される。また、農業以外の分野では、例えば、農耕地に限らず道路、線路敷、堤防、工場敷地、造成地、芝生地、庭園などの非農耕地に自然に生育し、その土地の機能を妨害したり、防災上、景観上の問題を発生させたりする草本として認識される。本発明では、これらいずれの草本をも雑草として包含する。雑草には、広葉雑草、イネ科雑草などがある。広葉雑草は、イネ科雑草のように線形葉をもつ雑草や葉脈が平行になっている雑草とは異なり、葉脈が網目状になっている。
【0078】
本発明の除草方法の対象となる雑草としては、広葉雑草が挙げられる。広葉雑草としては、たとえばアサガオ、ベルベットリーフ、ヒルガオ、シロツメクサ、タンポポ、ヤブカラシ、セイタカアワダチソウ、アレチノギク、アメリカセンダングサ、イオドリ、イヌガラシ、イヌタデ、イヌビユ、オオイヌノフグリ、オオバコ、オナモミ、カキドオシ、カタバミ、カナムグラ、カヤツリグサ、カラスノエンドウ、ギシギシ、コニシキソウ、ジシバリ、シロザ、スカシタゴボウ、スギナ、スベリヒユ、セイヨウタンポポ、タケニグサ、ツユクサ、ドクダミ、ナズナ、ノゲシ、ノボロギク、ノミノフスマ、ハコベ、ハハコグサ、ハマスゲ、ハルジオン、ヒメジョオン、ヒメムカシヨモギ、ブタクサ、ホトケノザ、ヤエムグラ、ヨモギ、ワルナスビ等であり、農薬の効力の観点から、好ましくは、アサガオ、ベルベットリーフである。
【0079】
本発明の除草方法の対象となる雑草としては、イネ科雑草が挙げられる。イネ科雑草としては、イヌビエ、エノコログサ、キンエノコロ、ムラサキエノコロ、スズメノカタビラ、スズメノテッポウ、ニワホコリ、アキメヒシバ、メヒシバ、カゼクサ、カモガヤ(オーチャードグラス)、ススキ、スズメノヒエ、チガヤ、チカラシバ、ヨシ、ササ類が挙げられ、農薬の効力の観点から、好ましくはイヌビエである。
【0080】
本発明の除草方法は、広葉雑草及びイネ科雑草から選ばれる雑草を対象とすることができる。更に、本発明の除草方法は、イヌビエ、アサガオ及びベルベットリーフから選ばれる雑草を対象とすることができる。更に、本発明の除草方法はイヌビエを対象とすることができる。
【0081】
本発明の態様を以下に示す。これらの態様には、本発明のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物、農薬組成物、及び除草方法で述べた事項を適用することができる。
【0082】
<1>
下記一般式(1−1)で表される化合物(A1)と、下記一般式(2)で表される化合物(B)と、任意に下記一般式(1−2)で表される化合物(A2)と、任意に下記一般式(1−3)で表される化合物(A3)とを含有し、
化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和に対する化合物(A3)の含有量の質量比[化合物(A3)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]が0/100以上9/91以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(A2)の含有量の質量比[化合物(A2)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が0/100以上60/40以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(B)の含有量の質量比[化合物(B)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が1/500以上1/5.2以下である、
アミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0083】
【化8】
【0084】
【化9】
【0085】
【化10】
【0086】
〔式中、
は、炭素数1以上4以下の直鎖アルキル基、炭素数2以上4以下の直鎖アルケニル基、炭素数3以上4以下の分岐鎖アルキル基、又は炭素数3以上4以下の分岐鎖アルケニル基を示し、
は、炭素数5以上17以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、
l、m、nは、それぞれ、CHCHO基の平均付加モル数を示し、l、m及びnの合計の値[l+m+n]は1以上15以下であり、
は、対イオンを示す。〕
−COOH (2)
〔式中、Rは、炭素数5以上17以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。〕
【0087】
<2>
任意に、下記一般式下記一般式(1−4)で表される化合物(A4)を含有する、<1>に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0088】
【化11】
【0089】
〔式中、
は、炭素数1以上4以下の直鎖アルキル基、炭素数2以上4以下の直鎖アルケニル基、炭素数3以上4以下の分岐鎖アルキル基、又は炭素数3以上4以下の分岐鎖アルケニル基を示し、
l、m、nは、それぞれ、CHCHO基の平均付加モル数を示し、l、m及びnの合計の値[l+m+n]は1以上15以下であり、
は、対イオンを示す。〕
【0090】
<3>
下記一般式(1−1)で表される化合物(A1)と、下記一般式(2)で表される化合物(B)と、任意に下記一般式(1−2)で表される化合物(A2)と、任意に下記一般式(1−3)で表される化合物(A3)と、任意に下記一般式(1−4)で表される化合物(A4)とを含有し、
化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和に対する化合物(A3)の含有量の質量比[化合物(A3)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]が0/100以上9/91以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(A2)の含有量の質量比[化合物(A2)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が0/100以上60/40以下であり、
化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和に対する化合物(A4)の含有量の質量比[化合物(A4)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]が0/100以上70/30以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(B)の含有量の質量比[化合物(B)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が1/500以上1/5.2以下である、
アミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0091】
【化12】
【0092】
【化13】
【0093】
【化14】
【0094】
【化15】
【0095】
〔式中、
は、炭素数1以上4以下の直鎖アルキル基、炭素数2以上4以下の直鎖アルケニル基、炭素数3以上4以下の分岐鎖アルキル基、又は炭素数3以上4以下の分岐鎖アルケニル基を示し、
は、炭素数5以上17以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、
l、m、nは、それぞれ、CHCHO基の平均付加モル数を示し、l、m及びnの合計の値[l+m+n]は1以上15以下であり、
は、対イオンを示す。〕
−COOH (2)
〔式中、Rは、炭素数5以上17以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。〕
【0096】
<4>
下記一般式(1−1)で表される化合物(A1)及び下記一般式(2)で表される化合物(B)を含有し、下記一般式(1−2)で表される化合物(A2)、下記一般式(1−3)で表される化合物(A3)、及び下記一般式(1−4)で表される化合物(A4)から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、
化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和に対する化合物(A3)の含有量の質量比[化合物(A3)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]で0/100以上9/91以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(A2)の含有量の質量比[化合物(A2)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が0/100以上60/40以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(B)の含有量の質量比[化合物(B)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が1/500以上1/5.2以下である、
アミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0097】
【化16】
【0098】
【化17】
【0099】
【化18】
【0100】
【化19】
【0101】
〔式中、
は、炭素数1以上4以下の直鎖アルキル基、炭素数2以上4以下の直鎖アルケニル基、炭素数3以上4以下の分岐鎖アルキル基、又は炭素数3以上4以下の分岐鎖アルケニル基を示し、
は、炭素数5以上17以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、
l、m、nは、それぞれ、CHCHO基の平均付加モル数を示し、l、m及びnの合計の値[l+m+n]は1以上15以下であり、
は、対イオンを示す。〕
−COOH (2)
〔式中、Rは、炭素数5以上17以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。〕
【0102】
<5>
下記一般式(1−1)で表される化合物(A1)、下記一般式(1−2)で表される化合物(A2)、下記一般式(1−3)で表される化合物(A3)、下記一般式(1−4)で表される化合物(A4)、及び下記一般式(2)で表される化合物(B)を含有し、
化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和に対する化合物(A3)の含有量の質量比[化合物(A3)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]が1/99以上9/91以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(A2)の含有量の質量比[化合物(A2)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が5/95以上60/40以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(B)の含有量の質量比[化合物(B)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が1/500以上1/5.2以下である、
アミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0103】
【化20】
【0104】
【化21】
【0105】
【化22】
【0106】
【化23】
【0107】
〔式中、
は、炭素数1以上4以下の直鎖アルキル基、炭素数2以上4以下の直鎖アルケニル基、炭素数3以上4以下の分岐鎖アルキル基、又は炭素数3以上4以下の分岐鎖アルケニル基を示し、
は、炭素数5以上17以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、
l、m、nは、それぞれ、CHCHO基の平均付加モル数を示し、l、m及びnの合計の値[l+m+n]は1以上15以下であり、
は、対イオンを示す。〕
−COOH (2)
〔式中、Rは、炭素数5以上17以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。〕
【0108】
<6>
下記一般式(1−1)で表される化合物(A1)、下記一般式(1−2)で表される化合物(A2)、下記一般式(1−3)で表される化合物(A3)、下記一般式(1−4)で表される化合物(A4)、及び下記一般式(2)で表される化合物(B)を含有し、
化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和に対する化合物(A3)の含有量の質量比[化合物(A3)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]が1/99以上9/91以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(A2)の含有量の質量比[化合物(A2)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が5/95以上60/40以下であり、
化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和に対する化合物(A4)の含有量の質量比[化合物(A4)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]が10/90以上70/30以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(B)の含有量の質量比[化合物(B)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が1/500以上1/5.2以下である、
アミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0109】
【化24】
【0110】
【化25】
【0111】
【化26】
【0112】
【化27】
【0113】
〔式中、
は、炭素数1以上4以下の直鎖アルキル基、炭素数2以上4以下の直鎖アルケニル基、炭素数3以上4以下の分岐鎖アルキル基、又は炭素数3以上4以下の分岐鎖アルケニル基を示し、
は、炭素数5以上17以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、
l、m、nは、それぞれ、CHCHO基の平均付加モル数を示し、l、m及びnの合計の値[l+m+n]は1以上15以下であり、
は、対イオンを示す。〕
−COOH (2)
〔式中、Rは、炭素数5以上17以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。〕
【0114】
<7>
化合物(A1)が、一般式(1−1)において、Rが、直鎖の基の化合物である、<1>〜<6>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0115】
<8>
化合物(A1)が、一般式(1−1)において、Rが、炭素数1以上3以下、好ましくは1以上2以下、更に好ましくは1のアルキル基の化合物である、<1>〜<7>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0116】
<9>
化合物(A1)が、一般式(1−1)において、Rが、炭素数1以上3以下の直鎖アルキル基、好ましくは炭素数1以上2以下の直鎖アルキル基、より好ましくは炭素数1の直鎖アルキル基の化合物である、<1>〜<8>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0117】
<10>
化合物(A1)が、一般式(1−1)において、Rが、直鎖の基の化合物である、<1>〜<9>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0118】
<11>
化合物(A1)が、一般式(1−1)において、Rが、アルキル基の化合物である、<1>〜<10>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0119】
<12>
化合物(A1)が、一般式(1−1)において、Rが、炭素数7以上、好ましくは9以上、そして、15以下、好ましくは13以下の基の化合物である、<1>〜<11>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0120】
<13>
化合物(A1)が、一般式(1−1)において、Rが、炭素数7以上13以下の直鎖アルキル基、好ましくは炭素数9以上13以下の直鎖アルキル基の化合物である、<1>〜<12>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0121】
<14>
化合物(A1)が、一般式(1−1)において、l、m及びnの合計の値[l+m+n]が2以上、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは5以上、そして、12以下、好ましくは10以下、より好ましくは9以下、更に好ましくは8以下、更により好ましくは7以下の化合物である、<1>〜<13>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0122】
<15>
化合物(A1)が、一般式(1−1)において、Xが、ハロゲン化物イオン、アルキル硫酸エステルアニオン、アルキルベンゼンスルホン酸アニオン、又は脂肪酸アニオンの化合物である、好ましくはハロゲン化物イオン又はアルキル硫酸エステルアニオンの化合物である、より好ましくはアルキル硫酸エステルアニオンの化合物である、更に好ましくはメチル硫酸エステルアニオン又はエチル硫酸エステルアニオンの化合物である、更により好ましくはメチル硫酸エステルアニオンの化合物である、<1>〜<14>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0123】
<16>
化合物(A1)、化合物(A2)、化合物(A3)、化合物(A4)及び化合物(B)の含有量の合計に対する化合物(A1)の含有量が、25質量%以上、好ましくは35質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは45質量%以上、更により好ましくは48質量%以上、そして、60質量%以下、好ましくは55質量%以下、より好ましくは54質量%以下、更に好ましくは53質量%以下である、<2>〜<15>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0124】
<17>
一般式(1−1)で表される化合物(A1)が、下記製造方法1〜3から選ばれる製造方法、好ましくは製造方法1及び製造方法2から選ばれる製造方法、より好ましくは製造方法1で得られた化合物である、<1>〜<16>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
製造方法1:一般式(1−5)で表される化合物(以下、トリエタノールアミンEO付加物ともいう)に、Rの炭素数の条件を満たす脂肪酸を反応させてエステル化し、更に4級化する方法。
製造方法2:脂肪酸部分の炭素数がRの炭素数の条件を満たす油脂とトリエタノールアミンEO付加物とを任意の比率で混合し、エステル交換反応を行った後、更に4級化する方法。
製造方法3:トリエタノールアミン、Rの炭素数の条件を満たす脂肪酸及び酸化エチレンを同時に反応させ、更に4級化する方法。
【0125】
【化28】
【0126】
〔式中、l、m、nは、それぞれ、CHCHO基の平均付加モル数を示し、l、m及びnの合計の値[l+m+n]は1以上15以下である。〕
【0127】
<18>
化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和に対する化合物(A3)の含有量の質量比[化合物(A3)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]が、1/99以上、好ましくは2/98以上、より好ましくは3/97以上、更に好ましくは4/96以上、そして、8/92以下、より好ましくは7/93以下、更に好ましくは6/94以下、更により好ましくは5/95以下である、<1>〜<17>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0128】
<19>
化合物(A1)の含有量に対する化合物(A2)の含有量の質量比[化合物(A2)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が、5/95以上、好ましくは10/90以上、より好ましくは15/85以上、更に好ましくは20/80以上、更により好ましくは25/75以上、そして、55/45以下、好ましくは50/50以下、より好ましくは45/55以下、更に好ましくは、40/60以下、更により好ましくは35/65以下である、<1>〜<18>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0129】
<20>
化合物(A2)を含有し、化合物(A1)、化合物(A2)、化合物(A3)、化合物(A4)及び化合物(B)のそれぞれの含有量の合計に対する化合物(A2)の含有量が、1質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは19質量%以上、更により好ましくは19.5質量%以上、そして、30質量%以下、好ましくは25質量%以下、より好ましくは23質量%以下、更に好ましくは22質量%以下である、<2>〜<19>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0130】
<21>
化合物(A3)を含有し、化合物(A1)、化合物(A2)、化合物(A3)、化合物(A4)及び化合物(B)のそれぞれの含有量の合計に対する化合物(A3)の含有量が、1.0質量%以上、好ましくは2.0質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上、更に好ましくは2.8質量%以上、そして、5質量%以下、好ましくは4質量%以下、より好ましくは3.5質量%以下、更に好ましくは3.3質量%以下、更により好ましくは3.1質量%以下である、<2>〜<20>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0131】
<22>
化合物(A4)を含有し、化合物(A1)、化合物(A2)、化合物(A3)、化合物(A4)及び化合物(B)のそれぞれの含有量の合計に対する化合物(A4)の含有量が、1質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、更により好ましくは22質量%以上、そして、35質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは28質量%以下、更に好ましくは26質量%以下である、<2>〜<21>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0132】
<23>
化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和に対する化合物(A4)の含有量の質量比[化合物(A4)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]が、0/100以上、好ましくは10/90以上、より好ましくは15/85以上、更に好ましくは20/80以上、更により好ましくは22/78以上、更により好ましくは23/77以上、そして、70/30以下、好ましくは60/40以下、より好ましくは50/50以下、更に好ましくは40/60以下、更により好ましくは30/70以下である、<2>〜<22>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0133】
<24>
化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量と化合物(A3)の含有量の和に対する化合物(A4)の含有量の質量比[化合物(A4)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量と化合物(A3)の含有量の和]が、0/100以上、好ましくは10/90以上、より好ましくは15/85以上、更に好ましくは20/80以上、更により好ましくは22/78以上、更により好ましくは23/77以上、そして、70/30以下、好ましくは60/40以下、より好ましくは50/50以下、更に好ましくは40/60以下、更により好ましくは30/70以下である、<2>〜<23>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0134】
<25>
化合物(A1)、化合物(A2)、化合物(A3)、及び化合物(A4)のそれぞれの含有量の合計、すなわち化合物(A)の含有量に対する化合物(A1)の含有量が、40質量%以上、好ましくは42質量%以上、より好ましくは45質量%以上、更に好ましくは48質量%以上、更により好ましくは50質量%以上、100質量%以下、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下、更により好ましくは55質量%以下、更により好ましくは53質量%以下である、<2>〜<24>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0135】
<26>
化合物(B)が、一般式(2)において、Rが、直鎖の基の化合物である、<1>〜<25>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0136】
<27>
化合物(B)が、一般式(2)において、Rが、アルキル基の化合物である、<1>〜<26>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0137】
<28>
化合物(B)が、一般式(2)において、Rが、炭素数7以上、好ましくは9以上、そして、15以下、より好ましくは13以下の基の化合物である、<1>〜<27>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0138】
<29>
化合物(B)が、一般式(2)において、Rが、炭素数7以上13以下の直鎖アルキル基、好ましくは炭素数9以上13以下の直鎖アルキル基の化合物である、<1>〜<28>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0139】
<30>
化合物(A1)の含有量に対する化合物(B)の含有量の質量比[化合物(B)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が、1/100以上、好ましくは1/60以上、より好ましくは1/50以上、更に好ましくは1/20以上、更により好ましくは1/10以上、更により好ましくは1/8以上、そして、1/5.5以下、好ましくは1/6.0以下、より好ましくは1/6.2以下、更に好ましくは1/15以下、更により好ましくは1/20以下、更により好ましくは1/25以下である、<1>〜<29>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0140】
<31>
(A1)、化合物(A2)、化合物(A3)及び化合物(A4)をまとめて化合物(A)と表して、化合物(A)の含有量に対する化合物(B)の含有量の質量比[化合物(B)の含有量]/[化合物(A)の含有量]が、1/950以上、好ましくは1/200以上、より好ましくは1/150以上、更に好ましくは1/100以上、更により好ましくは1/90以上、更により好ましくは1/40以上、更により好ましくは1/20以上、更により好ましくは1/16以上、そして、1/10以下、好ましくは1/11以下、より好ましくは1/11.5以下、更に好ましくは1/12以下、更により好ましくは1/20以下、更により好ましくは1/40以下、更により好ましくは1/50以下である、<2>〜<30>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0141】
<32>
化合物(A1)、化合物(A2)、化合物(A3)、化合物(A4)及び化合物(B)の含有量の合計に対する化合物(B)の含有量が、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは0.8質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、更により好ましくは3質量%以上、更により好ましくは4質量%以上、更により好ましくは5質量%以上、更により好ましくは6質量%以上、そして、9.0質量%以下、好ましくは8.5質量%以下、より好ましくは8.0質量%以下、更に好ましくは6質量%以下、更により好ましくは4質量%以下、更により好ましくは2.5質量%以下、更により好ましくは2.0質量%以下である、<2>〜<31>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0142】
<33>
下記一般式(1−5)で表される化合物と炭素数6以上18以下の脂肪酸との反応生成物の4級化物と、化合物(B)とを含有する、<1>〜<32>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0143】
【化29】
【0144】
〔式中、l、m、nは、それぞれ、CHCHO基の平均付加モル数を示し、l、m及びnの合計の値[l+m+n]は1以上15以下である。〕
【0145】
<34>
下記一般式(1−5)で表される化合物と炭素数6以上18以下の脂肪酸との反応生成物の4級化物と、化合物(B)とを含有するアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物であって、前記4級化物が化合物(A1)と、化合物(B)とを含有する、<1>〜<33>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0146】
【化30】
【0147】
〔式中、l、m、nは、それぞれ、CHCHO基の平均付加モル数を示し、l、m及びnの合計の値[l+m+n]は1以上15以下である。〕
【0148】
<35>
下記一般式(1−5)で表される化合物と炭素数6以上18以下の脂肪酸との反応生成物の4級化物と、化合物(B)とを含有するアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物であって、
前記4級化物が化合物(A1)、化合物(A2)、化合物(A3)、化合物(A4)及び化合物(B)を含有し、
化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和に対する化合物(A3)の含有量の質量比[化合物(A3)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]が1/99以上10/90以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(A2)の含有量の質量比[化合物(A2)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が5/95以上60/40以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(B)の含有量の質量比[化合物(B)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が1/500以上1/5.2以下である、
<1>〜<34>の何れか1項に記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物。
【0149】
【化31】
【0150】
〔式中、l、m、nは、それぞれ、CHCHO基の平均付加モル数を示し、l、m及びnの合計の値[l+m+n]は1以上15以下である。〕
【0151】
<36>
<1>〜<35>の何れか1項記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物、アミノ酸系農薬原体(C)、及び水を含有する農薬組成物。
【0152】
<37>
下記一般式(1−1)で表される化合物(A1)、下記一般式(2)で表される化合物(B)、アミノ酸系農薬原体(C)及び水と、任意に下記一般式(1−2)で表される化合物(A2)と、任意に下記一般式(1−3)で表される化合物(A3)とを含有し、
化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和に対する化合物(A3)の含有量の質量比[化合物(A3)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]が0/100以上9/91以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(A2)の含有量の質量比[化合物(A2)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が0/100以上60/40以下であり、
化合物(A1)の含有量に対する化合物(B)の含有量の質量比[化合物(B)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]が1/500以上1/5.2以下である、
農薬組成物。
【0153】
【化32】
【0154】
【化33】
【0155】
【化34】
【0156】
〔式中、
は、炭素数1以上4以下の直鎖アルキル基、炭素数2以上4以下の直鎖アルケニル基、炭素数3以上4以下の分岐鎖アルキル基、又は炭素数3以上4以下の分岐鎖アルケニル基を示し、
は、炭素数5以上17以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、
l、m、nは、それぞれ、CHCHO基の平均付加モル数を示し、l、m及びnの合計の値[l+m+n]は1以上15以下であり、
は、対イオンを示す。〕
−COOH (2)
〔式中、Rは、炭素数5以上17以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。〕
【0157】
<38>
アミノ酸系農薬原体(C)が、アミノ酸系除草剤の農薬原体(有効成分)である、<36>又は<37>に記載の農薬組成物。
【0158】
<39>
アミノ酸系除草剤の農薬原体(有効成分)が、グリホサート〔N−(ホスホノメチル)グリシン又はその塩〕、ビアラホス[ソディウム・ソルト・オブL−2−アミノ−4−〔(ヒドロキシ)(メチル)=ホスフィノイル〕ブチリル−L−アラニル−L−アラニン]、及びグルホシネート〔アンモニウム−DL−ホモアラニン−4−イル(メチル)ホスフィネート〕から選ばれる化合物である、<38>に記載の農薬組成物。
【0159】
<40>
アミノ酸系農薬原体(C)が、N−(ホスホノメチル)グリシンもしくはその塩、又はアンモニウム−DL−ホモアラニン−4−イル(メチル)ホスフィネートである、好ましくは、N−(ホスホノメチル)グリシン又はその塩である、<36>〜<39>の何れか1項に記載の農薬組成物。
【0160】
<41>
アミノ酸系農薬原体(C)を、10質量%以上、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは35質量%以上、そして、70質量%以下、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは45質量%以下含有する、<36>〜<40>の何れか1項に記載の農薬組成物。
【0161】
<42>
化合物(A1)を、2質量%以上、好ましくは3質量%以上、より好ましくは3.2質量%以上、更に好ましくは3.4質量%以上、更により好ましくは3.6質量%以上、そして、10質量%以下、好ましくは8質量%以下、より好ましくは6質量%以下、更に好ましくは5.0質量%以下、更により好ましくは4.5質量%以下、更により好ましくは4.0質量%以下含有する、<36>〜<41>の何れか1項に記載の農薬組成物。
【0162】
<43>
化合物(A2)を、0.5質量%以上、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは1.2質量%以上、更に好ましくは1.4質量%以上、更により好ましくは1.5質量%以上、そして、5.0質量%以下、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下、更により好ましくは1.7質量%以下含有する、<36>〜<42>の何れか1項に記載の農薬組成物。
【0163】
<44>
化合物(A3)を、0.05質量%以上、好ましくは0.10質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上、更に好ましくは0.20質量%以上、そして、1.0質量%以下、好ましくは0.6質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.4質量%以下、更により好ましくは0.3質量%以下含有する、<36>〜<43>の何れか1項に記載の農薬組成物。
【0164】
<45>
任意に、下記一般式(1−4)で表される化合物(A4)を含有する、<36>〜<44>の何れか1項に記載の農薬組成物。
【0165】
【化35】
【0166】
〔式中、
は、炭素数1以上4以下の直鎖アルキル基、炭素数2以上4以下の直鎖アルケニル基、炭素数3以上4以下の分岐鎖アルキル基、又は炭素数3以上4以下の分岐鎖アルケニル基を示し、
l、m、nは、それぞれ、CHCHO基の平均付加モル数を示し、l、m及びnの合計の値[l+m+n]は1以上15以下であり、
は、対イオンを示す。〕
【0167】
<46>
化合物(A4)を、0.5質量%以上、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは1.2質量%以上、更に好ましくは1.4質量%以上、更により好ましくは1.6質量%以上、そして、5.0質量%以下、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.4質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下、含有する、<45>に記載の農薬組成物。
【0168】
<47>
化合物(B)を、0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.08質量%以上、更に好ましくは0.09質量%以上、更により好ましくは0.30質量%以上、更により好ましくは0.45質量%以上、更により好ましくは0.50質量%以上、そして、0.7質量%以下、好ましくは0.65質量%以下、より好ましくは0.60質量%以下、更に好ましくは0.30質量%以下、更により好ましくは0.20質量%以下、更により好ましくは0.15質量%以下含有する、<36>〜<46>の何れか1項に記載の農薬組成物。
【0169】
<48>
水を、20質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは45質量%以上、そして、70質量%以下、好ましくは60質量%以下、より好ましくは55質量%以下含有する、<36>〜<47>の何れか1項に記載の農薬組成物。
【0170】
<49>
<36>〜<48>の何れか1項に記載の農薬組成物から調製した農薬散布液を植物に散布する除草方法。
【0171】
<50>
前記農薬散布液中の化合物(A1)の濃度が、30ppm以上、また100ppm以上、また120ppm以上、また150ppm以上、また170ppm以上、また200ppm以上、そして、50000ppm以下、また5000ppm以下、また2000ppm以下、また1000ppm以下、また600ppm以下、また500ppm以下、また400ppm以下である、<49>に記載の除草方法。
【0172】
<51>
前記農薬散布液中の化合物(B)の濃度が、0.5ppm以上、また1ppm以上、また2ppm以上、また3ppm以上、また4ppm以上、また5ppm以上、そして、150ppm以下、また100ppm以下、また40ppm以下、また20ppm以下、また10ppm以下、また8ppm以下である、<49>又は<50>に記載の除草方法。
【0173】
<52>
前記農薬散布液を、50L/ha以上、好ましくは200L/ha以上、より好ましくは400L/ha以上、更に好ましくは500L/ha以上、そして、1000L/ha以下、好ましくは800L/ha以下、より好ましくは600L/ha以下の割合で散布する、<49>〜<51>の何れか1項に記載の除草方法。
【0174】
<53>
前記植物が、広葉雑草及びイネ科雑草から選ばれる雑草である、更に、イヌビエ、アサガオ及びベルベットリーフから選ばれる雑草であり、更に、イヌビエである、<49>〜<52>の何れか1項に記載の除草方法。
【0175】
<54>
前記<1>〜<35>の何れか1項記載の組成物の、アミノ酸系農薬の効力増強剤としての使用。
【0176】
<55>
前記<1>〜<35>の何れか1項記載の組成物の、アミノ酸系農薬の効力を増強させるための使用。
【0177】
<56>
前記<1>〜<35>の何れか1項記載の組成物を、アミノ酸系農薬の効力を増強させるために使用する方法。
【0178】
<57>
前記<1>〜<35>の何れか1項記載のアミノ酸系農薬用効力増強剤組成物と、アミノ酸系農薬原体(C)と、水とを混合する、農薬組成物の製造方法。
【実施例】
【0179】
<合成例>
合成例−A1:トリエタノールアミンEO付加物A1の合成
オートクレーブに、トリエタノールアミン298g、水酸化カリウム1.1g仕込んだ。オートクレーブの内部条件を100℃、3.9kPaの圧力とし、その条件下、1時間脱水反応を行った。次いで、温度を150〜160℃まで上げ、同温で酸化エチレン264gをオートクレーブに導入し、付加反応を行い、トリエタノールアミンEO付加物A1(EO平均付加モル数3モル)を得た。
【0180】
合成例−A2:トリエタノールアミンEO付加物A2の合成
合成例−A1と同様の方法で、酸化エチレン529gをオートクレーブに導入し、トリエタノールアミンEO付加物A2(EO平均付加モル数6モル)を得た。
【0181】
合成例−A3:トリエタノールアミンEO付加物A3の合成
合成例−A1と同様の方法で、酸化エチレン793gをオートクレーブに導入し、トリエタノールアミンEO付加物A3(EO平均付加モル数9モル)を得た。
【0182】
合成例−A4:トリエタノールアミン(EO)付加物A4の合成
合成例−A1と同様の方法で、酸化エチレン1057gをオートクレーブに導入し、トリエタノールアミンEO付加物A4(EO平均付加モル数12モル)を得た。
【0183】
合成例−1:反応生成物a−1の合成
容量500mLの4つ口フラスコにラウリン酸94.1gとトリエタノールアミンEO付加物A1 211.8g(ラウリン酸/トリエタノールアミンEO付加物A1のモル比は0.6/1)を仕込み、常圧140℃の条件で1時間反応した後、更に220hPaの減圧下180℃で脱水縮合反応を行い、エステルアミンを得た。得られたエステルアミン267.3gとジメチル硫酸84.1gとを用いて60℃で2時間反応させて4級化を行い、反応生成物a−1を得た。
【0184】
合成例−2:反応生成物a−2の合成
合成例−1と同様の方法で、ヤシ油脂肪酸100.3gとトリエタノールアミンEO付加物A1 205.4gを仕込み、エステルアミンを得た。得られたエステルアミン262.5gとジメチル硫酸80.2gとを用いて、合成例−1と同様の方法で、反応生成物a−2を得た。
【0185】
合成例−3:反応生成物a−3の合成
合成例−1と同様の方法で、ヤシ油脂肪酸75.8gとトリエタノールアミンEO付加物A2 227.7gを仕込み、エステルアミンを得た。得られたエステルアミン187.7gとジメチル硫酸43.8gとを用いて、合成例−1と同様の方法で、反応生成物a−3を得た。
【0186】
合成例−4:反応生成物a−4の合成
合成例−1と同様の方法で、ヤシ油脂肪酸81.4gとトリエタノールアミンEO付加物A3 321.1gを仕込み、エステルアミンを得た。得られたエステルアミン336.5gとジメチル硫酸62.8gとを用いて、合成例−1と同様の方法で、反応生成物a−4を得た。
【0187】
合成例−5:反応生成物a−5の合成
合成例−1と同様の方法で、ヤシ油脂肪酸66.2gとトリエタノールアミンEO付加物A4 334.9gを仕込み、エステルアミンを得た。得られたエステルアミン345.0gとジメチル硫酸55.0gとを用いて、合成例−1と同様の方法で、反応生成物a−4を得た。
【0188】
比較合成例−1:比較反応生成物a−1の合成
オートクレーブに、トリエタノールアミン100g、ラウリン酸99g及び48%水酸化カリウム水溶液0.7kgを仕込んだ。オートクレーブの内部条件を100℃、4.0kPa(30torr)とし、その条件下、1時間脱水反応を行った。次いで、温度を150℃まで上げ、同温で、酸化エチレン259gをオートクレーブに導入し、付加反応を行った。反応終了後、得られた反応混合物を処理槽に移した。吸着剤(キョーワード600S、協和化学工業株式会社)7gを反応混合物に添加し、得られた混合物を80℃、4.0kPa(30torr)で1時間撹拌した。得られた反応混合物をろ過し、ろ液を生成物として得た。この生成物183.7gとメチルクロライド40.1gとを用いて、オートクレーブ内で、60℃で3時間撹拌して反応させた後、60℃、25kPaで窒素6L/hr・kgを導入しながら1時間撹拌し、未反応のメチルクロライドを留去して4級化して比較反応生成物a−1を得た。
【0189】
得られた反応生成物a−1〜a−5及び比較反応生成物a−1の構造、組成及び組成比を表1に示す。なお、反応生成物a−1〜a−5及び比較反応生成物a−1には、未反応の脂肪酸、すなわち化合物(B)を含む。
【0190】
【表1】
【0191】
<農薬用効力増強剤組成物>
実施例1−1、実施例1−4〜1−7、比較例1−3
表1の反応生成物をそのまま農薬用効力増強剤組成物として用いた。符号は表2の通りとした。
【0192】
実施例1−2、実施例1−3、比較例1−1、比較例1−2
農薬用効力増強剤組成物の総重量が50gとなるように表2に示す組成で反応生成物a−4及びヤシ油脂肪酸を計量し、攪拌機で10分間撹拌混合して農薬用効力増強剤組成物を得た。
【0193】
実施例1−1〜1−7及び比較例1−1〜1−3の農薬用効力増強剤組成物の組成、並びに、[化合物(A3)の含有量]/[化合物(A1)の含有量と化合物(A2)の含有量の和]、[化合物(A2)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]、[化合物(B)の含有量]/[化合物(A1)の含有量]、[化合物(B)の含有量]/[化合物(A)の含有量]の各質量比を、表2に示す。
【0194】
【表2】
【0195】
<農薬組成物>
実施例2−1〜2−8及び比較例2−1〜2−3
農薬組成物の総重量が100gとなるように表3に示す組成で農薬用効力増強剤組成物、アミノ酸系農薬原体(C)及び水を計量し、攪拌機で10分間撹拌混合して農薬組成物を得た。
なお、用いた農薬原体c−1及びc−2を以下に示す。
c−1:グリホサートイソプロピルアミン塩
c−2:グルホシネートアンモニウム塩
【0196】
実施例2−1〜2−8及び比較例2−1〜2−3の農薬組成物の組成を表3に示す。
また、以下の方法で農薬組成物の配合安定性及び殺草性の試験を行った。それらの結果も表3に示した。
【0197】
[農薬組成物の配合安定性]
調製直後の農薬組成物40gをガラス製透明容器(容量50ml)中に入れ、60℃で保存した際に透明均一な外観を保持可能な日数を評価した。
5:10日以上透明均一を保持
4:8から9日間透明均一を保持
3:3から7日間透明均一を保持
2:1から2日間透明均一を保持
1:1日未満に分離あるいは沈殿を生じる
【0198】
[殺草性試験]
12cmポットにイヌビエを生育させ、草丈が30cm程度の植物体を試験に供した。表に示す組成の農薬組成物を調製し、これを水で185倍に希釈して農薬散布液とした。この農薬散布液を、散布量500L/haで前記植物体全体にかかるように葉面散布し、殺草効力を評価した。殺草効力の評価は散布後14日目に地上部重量を量り、無処理区の地上部生重量を基準とした殺草率を下記式に基づき算出した。殺草率の数値が高いほど、農薬効力(殺草効果)が高いことを示す。ここで無処理区とは農薬及び農薬効力増強剤組成物との希釈混合物(農薬散布液)を散布していない区のことである(他の試験でも同様)。
殺草率(%)=(無処理区の地上部重量−処理区の地上部重量)/無処理区の地上部重量×100
殺草率80%未満のものは除草剤としての効果が期待できないレベルである。
また、配合安定性試験で評価1のものは殺草試験を行わなかった。
【0199】
【表3】