特許第6242854号(P6242854)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6242854耐摩耗性電極支持体を備える粉体スプレーガン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6242854
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】耐摩耗性電極支持体を備える粉体スプレーガン
(51)【国際特許分類】
   B05B 5/025 20060101AFI20171127BHJP
   B05B 15/00 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   B05B5/025 B
   B05B15/00
【請求項の数】26
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-505716(P2015-505716)
(86)(22)【出願日】2013年3月5日
(65)【公表番号】特表2015-517903(P2015-517903A)
(43)【公表日】2015年6月25日
(86)【国際出願番号】US2013029086
(87)【国際公開番号】WO2013154696
(87)【国際公開日】20131017
【審査請求日】2016年3月2日
(31)【優先権主張番号】61/623,219
(32)【優先日】2012年4月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391019120
【氏名又は名称】ノードソン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154162
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 浩輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(72)【発明者】
【氏名】マザー,ブライアン,ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ジュン,デイル,アール.
【審査官】 安藤 達也
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−523212(JP,A)
【文献】 特開2001−129441(JP,A)
【文献】 特開平06−210199(JP,A)
【文献】 特開昭62−269766(JP,A)
【文献】 特表2008−536677(JP,A)
【文献】 特開2007−121272(JP,A)
【文献】 特開平02−241562(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0063077(US,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102004055106(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B1/00〜B05B17/08
B05C1/00〜B05C21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体取入口と粉体吹出口とを有するスプレーノズルを備え、塗装作業時に軸に沿って前記粉体取入口を通って粉体塗料が前記スプレーノズルに入るハウジングと、
前記ハウジング内に配置される電極と、
前記電極を支持する板状体からなる耐摩耗性部材と、
前記軸に整列して前記板状体を支持する第一及び第二のスロットを有するスリーブと、
を備える粉体塗料用のスプレーガン。
【請求項2】
請求項1に記載のスプレーガンであって、前記スプレーノズルはセラミックを含むスプレーガン。
【請求項3】
請求項1に記載のスプレーガンであって、前記耐摩耗性部材はセラミックを含むスプレーガン。
【請求項4】
請求項1に記載のスプレーガンであって、前記粉体取入口を通って前記スプレーノズルに流入する粉体塗料が通る出口端を有するガラス管を備えるスプレーガン。
【請求項5】
請求項4に記載のスプレーガンであって、前記スリーブは、プラスチックを含み、前記ガラス管の出口端と前記粉体吹出口との間に配置され、前記耐摩耗性部材は、セラミックを含み、前記スリーブ内に配置されるスプレーガン。
【請求項6】
請求項5に記載のスプレーガンであって、前記スリーブは、弾性材料を含み、前記ガラス管の出口端をシールする第1の開口端を有するスプレーガン。
【請求項7】
請求項6に記載のスプレーガンであって、前記スリーブは、前記スプレーノズルの表面に対してシールを形成する第2の開口端を有するスプレーガン。
【請求項8】
請求項4に記載のスプレーガンであって、前記ガラス管と、前記スリーブと、前記スプレーノズルとは前記軸に沿って粉体流路を画定し、前記電極は前記軸に整列して配置されるスプレーガン。
【請求項9】
請求項1に記載のスプレーガンであって、前記スプレーガンはガラス管を備え、前記スリーブは前記ガラス管と前記スプレーノズルとの間に配置され、前記ガラス管と、前記スリーブと、前記スプレーノズルとは前記軸に沿って粉体流路を画定し、前記電極は前記軸に整列して支持されるスプレーガン。
【請求項10】
ノズル本体と、
電極と、
リーブと、
電極先端が前記ノズル本体内に配置されるように前記電極を支持する板状体からなるセラミック部材と、
を備え、
記スリーブは前記板状体を支持する第一及び第二のスロットを有するノズルアセンブリ。
【請求項11】
請求項10に記載のノズルアセンブリであって、前記スリーブは、前記ノズル本体へ流入する粉体塗料が通るガラス管の一端をシールするようになっている第1の開口端を有するノズルアセンブリ。
【請求項12】
請求項11に記載のノズルアセンブリであって、前記スリーブは、前記ノズル本体の表面に対してシールを形成する第2の開口端を有するノズルアセンブリ。
【請求項13】
請求項10に記載のノズルアセンブリであって、前記ノズル本体はセラミックを含むノズルアセンブリ。
【請求項14】
請求項10に記載のノズルアセンブリであって、前記スリーブはプラスチックを含むノズルアセンブリ。
【請求項15】
請求項10に記載のノズルアセンブリであって、前記スリーブはポリウレタンを含むノズルアセンブリ。
【請求項16】
第1の開口端と第2の開口端とを有し、第一及び第二のスロットを有する環状スリーブと、
電極と、
前記電極を支持し、前記第一及び第二のスロットにより前記環状スリーブ内に支持される板状体からなるセラミック部材と、
を備えるスプレーガン用の電極アセンブリ。
【請求項17】
請求項16に記載の電極アセンブリであって、前記電極アセンブリはガラス管を備え、前記第1の開口端は前記ガラス管の端部分とのシールを形成するようになっている電極アセンブリ。
【請求項18】
請求項16に記載の電極アセンブリであって、前記電極アセンブリはガラス管を備え、前記第1の開口端は前記ガラス管の端部分と流体連通する電極アセンブリ。
【請求項19】
弾性材料を含む環状本体を備え、
前記環状本体は第1の開口端と第2の開口端とを有し、
前記第1の開口端はガラス管の一端をシールするようになっており、
前記第2の開口端は電極を支持する板状体からなる耐摩耗性部材を受けるようになっている第一及び第二のスロットを有する、エナメル塗料を噴霧するスプレーガンにおいて電極を支持するスリーブ。
【請求項20】
請求項19に記載のスリーブであって、前記環状本体はポリウレタン、プラスチック又はポリマー系弾性材料を含むスリーブ。
【請求項21】
粉体取入端と粉体吹出端とを有するハウジングと、
スプレーノズルアセンブリと、
軸に沿って前記粉体取入端から前記スプレーノズルアセンブリまで延在するガラス粉体管と、
を備え、
前記スプレーノズルアセンブリは、スプレーノズルと、電極支持アセンブリとを備え、その電極支持アセンブリは、電極と、耐摩耗性部材と、スリーブとを備え、前記耐摩耗性部材は、前記電極を支持する板状体からなり、前記スリーブは、前記板状体を支持する第一及び第二のスロットを有し、前記電極は、記スリーブ内で前記軸に整列して配置される、エナメル粉体塗料を噴霧するスプレーガン。
【請求項22】
請求項21に記載のスプレーガンであって、前記スリーブは弾性材料を含むスプレーガン。
【請求項23】
請求項22に記載のスプレーガンであって、前記スリーブは、前記ガラス粉体管の出口端を支持する第1の開口端と、前記スプレーノズルと流体連通する第2の開口端とを有するスプレーガン。
【請求項24】
請求項22に記載のスプレーガンであって、前記電極支持アセンブリは前記電極を支持するセラミック部材を備え、そのセラミック部材は前記スリーブ内に配置されるスプレーガン。
【請求項25】
ノズル本体と、
電極と、
リーブと、
電極先端が前記ノズル本体内に配置されるように前記電極を支持する板状体からなる耐摩耗性部材と、
を備え、
記スリーブは前記板状体を支持する第一及び第二のスロットを有するノズルアセンブリ。
【請求項26】
請求項25に記載のノズルアセンブリであって、前記スリーブは弾性材料を含むノズルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ワーク又は対象物に粉体塗料を噴霧するのに用いられる材料塗布装置に関する。より詳細には、本開示はエナメル又は他の研磨性粉体塗料を噴霧する材料塗布装置に関する。
【0002】
[関連出願]
本出願は、「PORCELAIN ENAMEL POWDER SPRAY GUN」と題する、2012年4月12日に出願された係属中の米国仮特許出願第61/623,219号の優先権を主張するものであり、この米国仮特許出願の全開示内容は、参照されることにより、ここに完全に緩用される。
【背景技術】
【0003】
対象物、部品又は他のワーク、若しくは表面に粉体塗料を塗布するのに材料塗布装置が用いられる。材料塗布装置は本明細書においてスプレーガンとも呼ばれる。スプレーガンは多くの場合、有機粉体塗料を塗布するのに用いられる。ワークにエナメル粉体塗料を塗布することも知られている。エナメル塗料は、微小ガラスの粉体状の材料であるが、プラスチック及びポリマーから作製される有機粉体塗料とは異なる。有機粉体は、エナメル粉体と比べてより低い溶融温度によって特徴付けることができ、より軽量である傾向があり、多くの場合に衝撃融合を示し、転移率すなわち転移効率(転移率すなわち転移効率は塗装作業又は噴霧作業時にワークに付着する粉体塗料の割合を指す)がかなり高い。有機粉体は、ポリマー材料及びプラスチック材料がスプレーガンによって粉体に印加される静電荷を受け入れやすいことから、およそ70パーセントから80パーセントのより高い転移率を有することができる。エナメル塗料は、静電荷を印加することが困難であり、したがって、およそ20パーセントのより低い転移率を示し、有機粉体塗料よりも重い傾向があり、また、微小ガラス粒子を含むことから研磨性が高い。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に開示されている1つの実施形態では、スプレーガンが、研磨性粉体塗料、例えばエナメルとともに用いることができるノズルアセンブリを備える。より特定の実施形態では、ノズルアセンブリは、スプレーノズルの粉体流路内に整列して配置される電極を備える。粉体流路は、1つの実施形態では、スプレーノズルの取入端からスプレーノズルの吹出端に延在し、粉体塗料が軸に沿って取入端に入る。電極はセラミック部材によって支持することができ、セラミック部材は軸に整列している。別の実施形態では、粉体流路は、同軸に沿って、スプレーガンの後方端からスプレーガンのノズル端まで延在する。
【0005】
別の実施形態では、スプレーノズルアセンブリは、しなやかな部材によってスプレーノズル内に支持される耐摩耗性電極支持部材を備える。より特定の実施形態では、しなやかな部材は、弾性的にしなやかな材料を含む。別の実施形態では、スプレーガンのスプレーノズルアセンブリは、ノズル本体と、電極を支持する耐摩耗性部材と、ノズル本体内に耐摩耗性部材を支持するしなやかな部材とを備える。より詳細な実施形態では、耐摩耗性部材はセラミック材料を含み、しなやかな部材は弾性材料、例えばプラスチックを含む。スプレーノズルは例えば、研磨性粉体塗料、例えばガラス粉体塗料を塗布するスプレーガンとともに用いることができる。
【0006】
本明細書に開示される別の実施形態では、ノズルアセンブリは、ノズル本体と、電極と、しなやかな部材すなわちしなやかなスリーブとを備える。より特定の実施形態では、セラミック部材は、電極先端がノズル本体内に配置されるように電極を支持し、しなやかな部材がセラミック部材を支持する。
【0007】
本明細書に開示される別の実施形態では、電極アセンブリは、第1の開口端及び第2の開口端を有する環状部材すなわち環状スリーブであって、しなやかな材料、例えばプラスチックを含む環状部材すなわち環状スリーブと、電極と、電極を保持するセラミック体とを備える。特定の実施形態では、セラミック部材は環状部材内に支持される。別の実施形態では、第1の開口端は、ガラス管の端部分をシールするようになっていることができる。
【0008】
本明細書に開示される別の実施形態では、摩耗性スリーブがしなやかな材料を含む環状本体を備え、環状本体は第1の開口端及び第2の開口端を有し、第1の開口端はガラス管の一端を支持又はシールするようになっており、第2の開口端は電極支持部材を受けるようになっている。
【0009】
別の実施形態では、エナメル粉体塗料を噴霧するスプレーガンは、粉体取入端及び粉体吹出端を有するハウジングと、スプレーノズルアセンブリと、軸に沿って粉体取入端からスプレーノズルアセンブリに延在するガラス粉体管とを備える。より具体的な実施形態では、スプレーノズルアセンブリは、スプレーノズルと、スリーブと、電極支持アセンブリとを備え、電極支持アセンブリは、スリーブ内で軸に整列して配置される電極を備える。さらにより具体的な実施形態では、スリーブは、弾性的にしなやかな材料を含み、電極は、スリーブ内に配置されるセラミック部材によって支持される。
【0010】
種々の発明は、研磨性材料、例えばエナメル粉体を噴霧するスプレーガンとともに用いることができる。しかしながら、本明細書に開示される種々の発明的な態様は代替的には、有機粉体又は他のエナメル以外の材料を噴霧するのに用いてもよい。さらに、種々の本発明は、自動スプレーガン、又は代替的には手動スプレーガンとともに用いることができる。種々の本発明は、バーマウント構成及び管マウント構成を備えるがこれらに限定されない種々の取付け構成を有するスプレーガンとともに用いることもできる。
【0011】
本発明のこれらの態様及び利点並びに他の態様及び利点は、添付の図面を考慮して例示的な実施形態の以下の詳細な記載から当業者によって認識及び理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の1つ又は複数を組み入れているバーマウントの構成における例示的なスプレーガンの等角図である。
図1A図1のスプレーガンの長手方向断面立面図である。
図2図1Aの丸囲み領域の拡大図である。
図3図2に示されている電極支持アセンブリの分解図である。
図3A】耐摩耗性部材の平面図である。
図4図1のスプレーガンの前方端立面図である。
図5】X軸まわりに90度回転させた、図2の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
例示的な実施形態が、エナメル粉体塗料を噴霧するスプレーガンに関して記載されているが、本発明は、そのような材料に限定されず、有機又はガラス又は他の組成物とすることができる粉体を用いる他のスプレー塗装システムにおける用途もある。スプレーガンの例示的な実施形態が本明細書において、自動ガン、より詳細には、バーマウントの構成の自動スプレーガンとして示されているが、当業者であれば、本発明は、管マウントを備えるがこれに限定されない他の取付け構成又は支持構成を有する手動スプレーガン及び自動ガンとともに好都合に用いることもできることを容易に理解及び認識するであろう。本明細書に記載される本発明は、スプレーノズル、電極アセンブリ等のような、スプレーガンのスプレー端又は吹出口における関連する部品に関する。したがって、本発明は、本発明の教示及び範囲から逸脱することなく他のスプレーガン構成に容易に適合させることができる。例示的な実施形態は、研磨性粉体塗料の流れに晒される幾つかの部品の耐摩耗性材料としてセラミックを用いる。しかしながら、当業者であれば、セラミックは、そのような部品に用いることができる耐摩耗性材料の1つの例にすぎないことを容易に理解するであろう。他の耐摩耗性材料、例えば、PYREX(商標)のようなホウケイ酸ガラス及び60台後半以上のロックウェル硬さのCスケールを有する鋼のような焼入れ鋼を必要に応じて用いることができる。
【0014】
本発明の種々の態様、特徴及び概念を、例示的な実施形態において種々の組合せで具現されるものとして本明細書に記載及び図示されるが、これらの種々の態様、特徴及び概念は、多くの代替的な実施形態において、個々に、又は種々の組合せ及びその部分的な組合せで実現することができる。本明細書においてはっきりと除外されていない限り、そのような組合せ及び部分的な組合せは全て、本発明の範囲内にあるものと意図される。さらにまた、代替的な材料、構造、構成、方法、装置等のような、本発明の種々の態様及び特徴に関する種々の代替的な実施形態が本明細書に記載され得るが、そのような記載は、現時点で知られているか又は後に開発されるかにかかわらず、あり得る代替的な実施形態の完全な又は網羅的な列挙であることを意図するものではない。当業者であれば、更なる実施形態が本明細書にはっきりと開示されていない場合であっても、種々の本発明の態様、概念又は特徴のうちの1つ又は複数を、本発明の範囲内で、そのような実施形態に容易に採用することができる。さらに、本発明の幾つかの特徴、概念又は態様が好ましい構成又は方法であるものとして本明細書に記載され得るとしても、そのような記載は、そのような特徴が必須又は必要であるとはっきりと述べられていない限り、そのようなことを示唆することを意図するものではない。さらにまた、例示的な又は典型的な値及び範囲は、本発明を理解する上で役立たせるために挙げられ得るが、そのような値及び範囲は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、重要な値又は範囲であるとはっきりと述べられている場合にのみ、重要な値又は範囲であるものと意図される。さらに、幾つかの特徴、態様及びそれらの組合せを、特定の形態、適合、機能、構成又は方法を有するものとして本明細書に記載又は図示することができるが、そのような記載は、そのような記載又は図示された構成が必須又は必要であるとはっきりと述べられていない限り、そのようなことを示唆することを意図するものではない。当業者であれば、本明細書に記載されている実施形態及び発明の置換又は代替として、知られているか又は後に開発される付加的及び代替的な形態、機能、構成、又は方法を容易に理解するであろう。
【0015】
導入として、本開示は、図面に示されるとともに本明細書において説明される例において具現されるものとして複数の発明及び発明的な概念を提示する。そのような概念の1つは、粉体流を軸に沿ってスプレーノズルアセンブリに方向付ける粉体流路を用いることであり、スプレーノズル本体の内部流容積部又は内部流路内に電極先端を位置決めする電極アセンブリが設けられる。1つの実施形態では、電極アセンブリは、スプレーノズルアセンブリに至る粉体流軸に整列することが好ましい。電極アセンブリの整列構成により、スプレーノズルアセンブリの内面に研磨性粉体塗料が直接衝突することが低減される。電極アセンブリの整列構成により、弾性的にしなやかな材料から作製されるしなやかな部材又はしなやかなスリーブを用いて電極アセンブリを所望の位置に位置決め及び支持することが容易になる。この概念の更なる実施形態は本明細書に提示される。
【0016】
電極アセンブリの整列構成の概念の他の実施形態では、粉体流路は任意選択的に、スプレーガン本体の取入端からスプレーガン本体の吹出端におけるスプレーノズルへと単一の粉体流軸に沿って延在することができ、その場合、スプレーノズルは、スプレーノズルに至る粉体流軸と、スプレーノズルに至る粉体流軸に整列する電極アセンブリとを有する。より好ましい実施形態では、スプレーノズルに至る粉体流軸は、スプレーガン本体を通る粉体流軸と同一線上にある。スプレーガン本体を通るとともにスプレーノズルに至るこの同軸粉体流路により、スプレーノズル内のデッドゾーンが低減してスプレーガンの清浄作業及び清掃作業が容易になる。この概念の更なる実施形態は本明細書に提示される。
【0017】
別の発明的な概念は電極の支持構造である。1つの実施形態では、耐摩耗性電極支持部材がしなやかなスリーブ内に配置及び支持される。しなやかなスリーブは、耐摩耗性部材のためのクッション支持を設ける。この概念の更なる実施形態は本明細書に提示される。
【0018】
別の発明的な概念は、しなやかな材料から作製されるとともに電極アセンブリを支持するスリーブの提供である。しなやかな材料の一例は、ポリウレタンのような弾性材料であるが、多くの他のプラスチック及びポリマー系の弾性材料をスリーブ用のしなやかな材料として使用することができる。しなやかなスリーブは、電極アセンブリのクッションホルダーを設け、任意選択的に、ガラス粉体管端のしなやかなクッション連結も設ける。この概念の更なる実施形態は本明細書に提示される。
【0019】
別の概念は、例えばスリーブ等のしなやかな部材と、耐摩耗性電極支持部材とを組み入れているスプレーノズルアセンブリにおいて具現される。スプレーノズルは、同様にセラミック又は他の耐摩耗性材料から作製されるノズル本体を有することができる。この概念の更なる実施形態は本明細書に提示される。
【0020】
図1図1A、及び図2を参照すると、スプレーガン10の一実施形態が示されている。スプレーガン10は、対象物又はワーク上に粉体塗料を噴霧するのに用いることができ、多くの異なる粉体材料が使用され得るとしても、スプレーガン10の種々の機能部が、例えばエナメル粉体のような研磨性粉体を噴霧するのに特によく適している。概して、スプレーガン10は、オハイオ州ウェストレイク所在のノードソンコーポレーションから入手可能な市販のEncore(商標)型のスプレーガンと多くの共通の設計面を共有している。したがって、スプレーガン10の詳細並びに部品の動作及び設計は多くが十分に知られており、本発明を理解及び実施するのに記載する必要はない。本発明は主として、スプレーガン10の前方端12、特にスプレーノズル14及び関連する部品に関する。市販のEncore(商標)型のスプレーガンは本来、有機粉体塗料を噴霧するように設計されていた。したがって、当業者であれば、有機粉体等を噴霧するEncore(商標)型のガンを、僅かな部品置換によって、エナメル粉体のような研磨性粉体を噴霧するスプレーガンを構成するように構成することができることは、本開示の範囲内であることを容易に理解するであろう。本明細書における実施形態はEncore(商標)型のスプレーガンの設計の多くを利用しているが、そのような利用は必須ではなく、本発明は必要に応じて多くの他のスプレーガン設計とともに用いることができる。
【0021】
スプレーガン10は、ねじ結合部及び圧縮接合部を用いること等によって合わせて保持される多セクションとして設けることができるハウジング16を備える。したがって、ハウジング16は、マルチプライヤ20のような高電圧源を収容及び支持する前部ガン本体18を有することができる。マルチプライヤ20は、よく知られているように、粉体塗料に静電荷を印加するために高電圧を発生する。ハウジング16は、例えばねじ(不図示)等の任意の好都合な手段によって前部ガン本体18に取り付けられる後部ガン本体22を更に有することができる。ハウジング16は、スプレーノズル14及びノズルナット24を更に有することができる。ノズルナット24は、前部ガン本体18の、ねじが切られた前方端にねじ結合部26(図2)を有し、また、スプレーノズル14のフランジ30と係合する前方リップ28も有する。
【0022】
ノズルナット24が前部ガン本体18に締め付けられると、スプレーノズル14が電極アセンブリ32(図3)に対してきつく引き寄せられる。電極アセンブリ32は、前方端アセンブリ34(図1)の一部とみなすことができ、この前方端アセンブリ34は本明細書においてスプレーガン10のスプレーノズルアセンブリ34とも呼ぶ。電極アセンブリ32は粉体流路Pの一部を設け、この粉体流路Pは、スプレーガン10の後方端における粉体取入端36から、スプレーノズル14内に形成されているスプレーオリフィス、すなわち吹出口38まで延在する。スプレーオリフィス、すなわち吹出口38は、スプレーノズルアセンブリ34から所望のスプレーパターンを作り出すスロット、開口又は他の幾何学形状の形態で実現することができる。例示的な実施形態では、粉体流路Pは、スプレーガン10の長手方向軸Xに沿ってセンタリングすることができる。粉末流路Pは、ガン本体18、22を通ってスプレーノズルアセンブリ34に至る粉体管40内の直線流路であるが、粉体取入端36からスプレーオリフィス38にかけて粉体流が直線であることは必須ではない。この流路Pにより、粉体流路内の捕捉エリアを最小限に抑えるか又はなくすことができ、よって、迅速な色替え作業及び清浄作業を容易にする滑らかな壁アセンブリが可能になる。電極アセンブリ32は、以下で更に記載されるように、粉体流路Pの前方部分P1(図2)を設ける。代替的には、P1経路は、電極アセンブリ32の上流である流路Pと同一線上にある必要はない。長手方向軸Xは、粉体管40の長手方向中心軸とすることができる。
【0023】
有機粉体用に構成されているEncore(商標)型のスプレーガンとは対照的に、研磨性粉体塗料に適応させるために、スプレーガン10の実施形態においては、前方端アセンブリ34の設計が異なる。加えて、スプレーガン10は、エナメルのような研磨性粉体塗料を噴霧する当該技術においてよく知られているような例えばPYREX(商標)から作製されるガラス粉体管40を用いる。代替的には、粉体管40は、必要に応じてガラス以外の耐研磨性材料を含んでもよい。スプレーガン10の部品の残りは、Encore(商標)型のスプレーガンと同じとすることができるが、そうである必要はない。
【0024】
前部ガン本体18の後方開口端を覆い、それによってマルチプライヤ20も包囲するように、バルクヘッド42が、ねじ(不図示)、締り嵌め、又は他の好都合な手段によって前部ガン本体18の後方端に取り付けられる。バルクヘッド42は、粉体管40が前部ガン本体18を通って前方端アセンブリ34に押しやられることを可能にする粉体管開口44を有する。バルクヘッド42はケーブル開口46も設け、このケーブル開口46を通して、電源(不図示)に接続可能な電気コネクタ50からマルチプライヤ20に入力電力を供給するように電気ワイヤ48をマルチプライヤ20に通すことができる。
【0025】
スプレーガンバーマウントアセンブリ52を後部ガン本体22に据え付けることができる。バーマウントアセンブリ52を用いて、よく知られているように通常はスプレーブース内で行われる塗装作業のためにスプレーガン10を位置決めするのに用いられるバー又は他の支持体上にスプレーガン10を解放可能に支持する。バーマウントアセンブリ52は、後部ガン本体22に取り付けるバーマウントアダプター54を備えることができる。バーマウントアダプター54は、金属を含むことができ、マルチプライヤ20の電気的な接地を設ける。例示的な実施形態はスプレーガンのバーマウント構成を示しているが、本発明は、管マウント構成とともに用いることもでき、管マウント構成では、ハウジングが通常、バーマウント構成よりも長く、よく知られているように、発振器、レシプロケーター等のようなガン駆動器にスプレーガンが設けられている。
【0026】
ガラス粉体管40は、スプレーガン10に完全に挿入されると、バーマウントアダプター54の開口56を通ってスプレーガン10の後ろから延出する。粉体供給ホースコネクタ58をバーマウントアダプター54の開口56内に据え付けることができる。粉体供給ホースコネクタ58は、粉体塗料の供給部(不図示)に接続可能な粉体供給ホース(不図示)を受けるニップル60を設ける。シール62、例えば一般的なOリングシールを用いて、ガラス粉体管40とホースコネクタ58との間にシール及び軟質界面を設けることができる。
【0027】
図2図3、及び図4を参照すると、前方端アセンブリ34は、電極アセンブリ32を支持するとともに粉体流路Pの前方部分P1を設ける構造を与える。粉体流路の前方部分P1は、粉体管40の出口端40aからスプレーオリフィス38を通って延在する。粉体流路のこの前方部分P1は、環状スリーブ64の内部容積によって部分的に画定される。例示的な実施形態では、環状スリーブ64は、しなやかなスリーブ64の形態で実現することができる。しなやかなスリーブ64は、しなやかな弾性材料、例えばプラスチックを含むことから、粉体塗料、特に、ガラス粉体のような研磨性粉体塗料に晒されることに起因して摩滅及び摩耗する傾向がある。したがって、しなやかなスリーブを「摩耗性スリーブ」すなわち摩耗性部品とみなすことができる。その場合、「摩耗性スリーブ」とは、本明細書では、塗装作業時に環状スリーブが研磨性粉体に晒されるにつれ、経時によりスリーブ64が摩耗し、交換される必要があることを意味する。しかしながら、以下での更なる説明から明らかとなるように、摩耗性スリーブの使用から、容易に交換可能な部材の使用を有益にする利益が得られる。
【0028】
電極アセンブリ32は、電極ホルダー68によって支持することができる電極66を部分的に備える。電極ホルダー68は、スプレーノズル14を通って流れる粉体に静電荷を印加するために、スプレーノズルアセンブリ34を通る粉体流に関して適切な位置に放電極先端66aが配置されるように、耐摩耗性電極支持部材70内にしっかりと据え付けられることができる。電極ホルダー68は、ナイロンのような任意の適した材料から作製することができる。例示的な実施形態では、放電極先端66aは、スプレーノズル14の内部容積内、好ましくはスプレーオリフィス38の近くに配置することができる。しかしながら、放電極先端66aは、特定のスプレーガンについて必要に応じてどこにでも位置決めすることができる。粉体が粉体管40を出て電極アセンブリ32及びスプレーノズル14に入る際に電極66が粉体の粉体流路P1に整列して位置決めされることが更に好ましい。粉体管40及び粉体流路P、P1の中心軸とすることもできるX軸に電極66がセンタリングされることが好ましいが、そうである必要はない。この整列配向は、粉体流の指向流路P1に整列して電極ホルダー68を支持する環状スリーブ64の使用によって得ることが可能になる。これにより、粉体管出口端40aから、単一の指向軸に沿って、電極アセンブリ32を通るとともにスプレーノズル14及びスプレーオリフィス38を通る粉体流路P1が可能になり、この例示的な実施形態における指向軸は、粉体管40の長手方向軸Xと同一線上にあることが好ましく、その長手方向軸Xに沿って粉体がスプレーガン10を端から端まで流れる。
【0029】
図2図3図3A及び図4を特に参照すると、電極の整列配向により、耐摩耗性部材70が研磨性粉体流に晒される。1つの実施形態では、耐摩耗性部材70は、薄い六面板状体72の形態で設けられ、このため、当該技術においてスパイダー72と呼ぶこともできる。当該技術におけるスパイダーという用語は、管状部材内に配置されるとともに、管状部材を通る粉体流路内の電極を支持するが、管状部材の周囲壁に出る脚部又は延出部によって電極ホルダーを支持することにより粉体流に対する閉塞を減らすことを示す構造を一般的に指す。スパイダー72は、ねじが切られ、電極ホルダー68のねじ部分68aを収める第1の止まり穴74(図2)を有する。スパイダー72は2つの主面72aと4つの副面72bを有し、スパイダー72の2つの副面72cのみが粉体と直接接触する。副面72bは、電極ホルダーねじ部分68aの直径に適応するとともにその直径を固定するのに十分な幅をスパイダー72に設けさえすればよい。主面72aは、環状スリーブ64内に形成されている各スロット75、76(図3)内に摺動可能に収納されるようにサイズ決めされている。後方すなわち上流に面する副面72bは、研磨性粉体による最も直接の衝当を受け、したがって、直接の衝当による摩耗を低減するようにテーパー状になった面72cを有することができる。主面72aを概ねの粉体流路方向P1に対して平行にしてスパイダー72を支持することによって、スパイダー72の表面積の大半が粉体による直接の衝突に晒されない。スプレーノズル80及び摩耗性スリーブ64内では、粉体流は、単一の指向軸に沿うだけでなく、入口端(124)からスプレーノズルアセンブリ34を通ってスプレー吹出しオリフィス38へと軸Xまわりにセンタリングされた概ね一定の方向に移動することから、「概ね」の粉体流路方向と呼ぶ。図5に最もよく示されているように、薄いスパイダー72により、粉体が環状スリーブ64を通ってスパイダー72の周囲に流れるかなりのスペース78もスリーブ64内に可能になる。
【0030】
耐摩耗性部材70は、スプレーノズル本体80がそうであるようにセラミック材料から作製されることが好ましいか、又は、少なくとも研磨性粉体流に晒される表面が、耐摩耗性材料又はセラミック材料から作製される。他の耐摩耗性材料を使用することができるが、エナメル粉体を噴霧する技術に関して、セラミック材料が一般的に使用される。
【0031】
上述したように環状スリーブすなわち摩耗性スリーブ64は、しなやかな弾性材料から作製されることが好ましい。これは、しなやかなスリーブ64をプラスチック又は他の適したしなやかな、好ましくは弾性材料から作製することによって達成される。摩耗性スリーブ64が研磨性粉体に晒されるとしても、スリーブ壁構造82(図3)の大部分が円筒形であり、粉体流路P1と平行であり、それによって、しなやかなスリーブ64の内面に対して研磨性粉体が直接衝突することが低減される。
【0032】
弾性材料から作製される、電極66を支持するしなやかなスリーブ64を有することによって、電極アセンブリ32に関して、プラスチックと比べて高価な材料である、セラミックのような耐摩耗性材料の使用が、粉体流路において少なくて済む。同様に、スパイダー72の薄いプレート状の外形により、電極を包囲する保護性セラミックスリーブを用いる従来技術と比べてセラミック材料の使用が少ない。摩耗性スリーブは経時により交換が必要となり得るが、しなやかな摩耗性スリーブは、セラミックの摩耗性スリーブと比べてコストがより低く、容易に交換され、高価なセラミックの電極支持部材及びガラス粉体管用のクッションマウントを設ける。
【0033】
しなやかなスリーブ64の弾性材料もまた、セラミックスパイダー72用の軟質クッション支持体を設ける。したがって、弾性スリーブ64は衝撃を吸収することができ、スプレーガンを落とす若しくはぶつける等の衝当又は電極アセンブリ32に対する他の衝撃が起こった場合、より脆弱なセラミックスパイダー72を保護することができる。
【0034】
したがって、しなやかな材料から作製される環状スリーブ64と、環状スリーブ64によって支持される耐摩耗性部材70との組合せにより、研磨性粉体用のスプレーガンにおけるスプレーノズルアセンブリに必要とされるセラミックの量を減らすことによって、当該技術において著しい進歩がもたらされる。この組合せは、環状スリーブ64を通る粉体流路P1における電極アセンブリ32の整列配向の好ましいが任意選択的な使用から利益を得るが、その理由は、環状スリーブ64が、研磨性粉体による直接のすなわち直面した衝突を受けるのではなく、粉体との間接的な接触を受けるからである。摩耗性スリーブ64は経時により交換が必要となるが、この交換は迅速かつ簡単である。ノズルナット24及びスプレーノズル本体80を単に取り外すことによって、容易に取り外すことができるしなやかなスリーブ64への直接アクセスを作業者は有する(以下で記載するように、摩耗性スリーブ64へのより容易なアクセスのために同様に取り外すことができる支持スリーブによって、スリーブ64がスプレーガン内に支持される)。スパイダー72は、スリーブ64が交換される際、迅速に摺動してスリーブ64から出ることもできる。
【0035】
図2及び図3を参照すると、前部ガン本体18の前方遠位端部分18aが前部リセス又はソケット84を有する。電極支持アセンブリ85は、径方向肩部88が前部ガン本体18の遠位端18aに当接するように前部ガン本体18の前部リセス84に嵌入する第1の端部分86aを有する電極支持スリーブ86を備える。しなやかなスリーブ64は、電極支持スリーブ86の内部に配置される。電極支持スリーブ86は内部係止肩部92を備え、内部係止肩部92は、しなやかなスリーブ64の外部径方向肩部94に当接し、したがって、電極支持スリーブ86の内側にスリーブ64を軸方向に位置決めする。上述したように、耐摩耗性スパイダー72は、上側スロット75及び下側スロット76を介してしなやかなスリーブ64の内側に配置される。スパイダー72は、テーパー状になった副面72cがしなやかなスリーブ64の内側の相補的な外形の肩部96の底につくまでしなやかなスリーブ64に挿入される。電極支持スリーブ86は、電極支持スリーブ86の遠位端86bがスプレーノズル本体80のカウンターボア80aによって形成される内部肩部90に当接するようにカウンターボア80aに嵌入する第2の端部分86bを有する。電極支持スリーブ86には、しなやかなスリーブ64に設けられているキータブ100を収める位置合わせキースロット98を設けることができる。これにより、以下で記載するように電気接続を電極66に対してなすことができるようにしなやかなスリーブ64が適正な向きで電極支持スリーブ86に挿入されることが確実になる。
【0036】
電極支持スリーブ86の長さ及びスパイダー72の長さは、ノズルナット24がねじ結合部26等によって前部ガン本体18に締め付けられると、スプレーノズル本体80の内部肩部90が電極支持スリーブ86の遠位端86bに当接するように選択することができる。この結果、ノズルナット24がスプレーノズル本体80及び電極支持スリーブ86が前部ガン本体18の前方端部分18aに対して圧縮負荷される。これにより、電極アセンブリ32を含むスプレーノズルアセンブリ34が前部ガン本体18にしっかりと接合される。
【0037】
したがって、前方端又はスプレーノズルアセンブリ34は、電極支持アセンブリ85及びスプレーノズル本体80を備え、ノズルナット24によってスプレーガン本体18に固定される。これらはガラス粉体管40とともに、Encore(商標)型の有機粉体スプレーガン構成のスプレーノズル及び電極関連部品の代わりに用いられる基本部品である。電極アセンブリ32は、しなやかなスリーブ64、電極66及びスパイダー72を備える。電極支持アセンブリ85は、電極支持スリーブ86、しなやかなスリーブ64、スパイダー72及び電極66を備える。これらのアセンブリのそれぞれが当該技術において個々にかつ全体的に発明的な進歩とみなされる。これらのアセンブリの見地から、電極66は基本部材であるが、電極を支持するとともに以下に記載されるように電極を粉体源に接続するのに用いられる更なる部品が存在することができる。
【0038】
電極66は、放電極先端66aが好ましくはスプレーノズル14のスプレーオリフィス38近くに配置されるようにスプレーノズルアセンブリ34内に位置決めされる。電気エネルギーがマルチプライヤ20から電極66に供給される。電極66は、放電極先端66aに対向する端にコイル端102を有することができる。電極支持スリーブ86は、環状の導電性電極リング106を有することができる。マルチプライヤ出力接触ピン108が導電性電極リング106と接触する。導電性電極リング106は、電極支持スリーブ86の第1のボア112内に支持される電流制限抵抗器110の第1のリード110aと接触する。抵抗器110は、電極接触ばね114と接触する第2のリード110bを有する。電極66は、第1のねじ止まり穴74とのねじ結合を有する電極ホルダー68内に保持されるか、他の適した機械的な結合法により保持される。電極接触ばね114が、スパイダー72の一部を貫通するとともに第1の止まり穴74と交わる第2の止まり穴116内に配置される。これにより、電極コイル端102が電極接触ばね114と電気接触することが可能になる。このようにして、マルチプライヤ20からの電気エネルギーが、マルチプライヤ出力ピン108、導電性電極リング106、抵抗器110、電極接触ばね114、及び電極コイル端102を介して電極先端66aに導電されて、粉体塗料がスプレーノズル14を通ってスプレーオリフィス38から流出する際に粉体塗料に静電荷を与える。
【0039】
電極支持スリーブ86は、第1のボア112の縮径部分と交わる第2のボア118を有する。電極接触ばね114は、スパイダー72内の第2の止まり穴116、及びしなやかなスリーブ64内の穴120を通って上方に延在する。穴120は、電極接触ばね114が穴120を通って第2のボア118に延在するように電極支持スリーブ86内の第2のボア118と位置合わせしている。抵抗器110の第2のリード110bは、電極接触ばね114と接触するように第2のボア118に延在する。
【0040】
電極アセンブリ32をスプレーノズルアセンブリ34に組み付ける例示的な方法では、電極アセンブリ32を設置する前に、導電性電極リング106、抵抗器110及び電極支持スリーブ86がスプレーガンの前方端に据え付けられる。次に、スパイダー72が、テーパー状になった後端72cがしなやかな肩部96内に着座するまでしなやかなスリーブ64に圧入され、これにより、第2の止まり穴116がしなやかなスリーブ64内の穴120と位置合わせされる。ばね114は、底につくまで下方へ第2の止まり穴116に挿入される。別個に、電極66が電極ホルダー68内に設置される。電極接触ばね114は、その弛緩状態では、第2の止まり穴116及び穴120から上方に延出する。ばね114は、上端114aがしなやかなスリーブ64の上(図2において見た場合)面と少なくとも面一になるまで軸方向に圧縮することができる。しなやかなスリーブ64は、穴120が電極支持スリーブ86の内壁によって最初に塞がれるとともに電極接触ばね114が第2の止まり穴116内に捕捉されるように(キースロット98とキータブ100との位置合わせによって)電極支持スリーブ86に挿入される。しなやかなスリーブ64が、その外部径方向肩部94が電極支持スリーブ86の内部係止肩部92に当接するように電極支持スリーブ86に完全に挿入されると、穴120が電極支持スリーブ86の第2の穴118と位置合わせし、電極接触ばね114が、第2のボア118に入って、先に設置された抵抗器110の第2のリード110bと接触するように、軸方向に弛緩する。
【0041】
しなやかなスリーブ64は、ガラス粉体管40の出口端40aにぴったりとしなやかに嵌まる後方円筒形開口端122を更に有することができる。ガラス粉体管40は、後部ガン本体22に挿通され、しなやかなスリーブ64の開口端122に着座するまで前部ガン本体18に押し通されることができる。しなやかなスリーブ64に内部肩部124を設けることができ、ガラス管端40aは完全に挿入されると内部肩部124に対して着座する。この肩部124は、粉体がガラス粉体管40を出る際の、スプレーノズルアセンブリ34の取入端とみなすことができる。しなやかなスリーブ64はガラス粉体管40とのシール界面を形成するように弾性的にしなやかであることが好ましいがそうである必要はない。
【0042】
例示的な実施形態の具体的な詳細は、本発明を実現する排他的な又は必須の様式ではないことに留意すべきである。部品は、代替的な形態で実現され、特定の用途の必要に応じて適合及び機能させることができる。一例として、スパイダー72及び電極ホルダー68は、摩耗性スリーブ64内に電極66を支持する単体構造として作製することができる。多くの異なる電気構成を用いて、マルチプライヤ20から電極66に電気エネルギーを結合することができる。また、代替的な構造を用いて、前方端アセンブリ34の部品を合わせて前部ガン本体18とともに保持することができる。そのため、例示的な実施形態は、本明細書に図示及び記載される特定の構造及び構成に限定されないものと解釈される。
【0043】
上記で述べたように、しなやかなスリーブ64は、プラスチック等の弾性材料を含むことが好ましい。プラスチック材料は、任意の適したポリマー、例えばポリウレタンとすることができる。しなやかなスリーブのプラスチック材料は、しなやかなスリーブ64を用いてガラス粉体管40及びスプレーノズル本体80との任意選択的なシール界面を形成することができるように弾性であるという特性を有することが、多くの用途に関して望ましい。しかしながら、これらのシール界面を設けるのに多くの代替的な技法が利用可能であり、そのため、しなやかなスリーブ64が必ずしもあらゆる用途に関して弾性的にしなやかである必要がない。独立的に、摩耗性スリーブ64が界面をシールするのに用いられるかどうかにかかわらず、同様に、摩耗性スリーブはスパイダー72用のクッション支持体を設けるように弾性であることが好ましいが、そうである必要はない。
【0044】
弾性であるとは、しなやかなスリーブ64がガラス粉体管40と柔軟性がある、すなわち、ガラス粉体管40と合致することが可能になるほど十分な弾性をプラスチック材料が有することを意味する。例えば、図2の実施形態では、しなやかなスリーブ64の内端122は、ガラス粉体管の端40aが挿入されるとともにシール界面を形成することを可能にするように伸張することができる。或る程度の可塑変形もこの界面に生じるかどうかは、経時により摩耗性スリーブ64が交換されるため、重大な懸念ではない。しかしながら、スリーブ64のしなやか性により、Oリングのような更なるシールを用いることなく、ガラス粉体管の端40aとのシール界面が可能になる。代替的には、ガラス粉体管の端40aを摩耗性スリーブ64の一部に挿入することさえなくガラス粉体管の端40aとの界面をシールする代替的な方法とともに弾性の少ないプラスチック材料を摩耗性スリーブ64に用いてもよい。
【0045】
しなやかなスリーブ64用のプラスチック材料、好ましくは弾性的にしなやかな材料の使用により、スリーブ64の前方開口端64aとスプレーノズル本体の内部肩部90との間の面シールタイプのシール界面が可能になる。スリーブ64の長さは、スリーブ64が電極支持スリーブ86に完全に挿入されると、小部分、おそらくは数ミリメートルが電極支持スリーブ86の第2の端部分86bの外に延出するように選択することができる。ノズルナット24が前部ガン本体18に締め付けられると、内部肩部90がスリーブ64の開口端64aに軸方向に押し当たってシール界面を形成する。代替的には、当該技術においてよく知られているように、他のシール構成を用いてシール界面を形成してもよい。したがって、スリーブ64のしなやか性は任意選択的に、ガラス粉体管40とのシール界面を形成すること、スプレーノズル本体80とのシール界面を形成すること、及び耐摩耗性部材70のためのクッション支持を提供することを含むがこれらに限定されない種々の目的に、単独又は種々の組合せで、用いられてもよい。
【0046】
本発明を例示的な実施形態を参照しながら記載してきた。本明細書及び図面を一読及び理解すれば、他者に改変及び代替が想起されるであろう。そのような改変及び代替の全てが添付の特許請求の範囲又はその均等物の範囲内にある限り、そのような改変及び代替の全てを含むことが意図される。
図1
図1A
図2
図3
図3A
図4
図5