(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記障害が、結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、肺癌、白血病、膀胱癌、胃癌、子宮頸癌、精巣癌、皮膚癌、直腸癌、甲状腺癌、腎臓癌、子宮癌、食道癌(espophagus cancer)、肝臓癌、聴神経腫、希突起膠腫、髄膜腫、神経芽腫、または網膜芽腫である、請求項27に記載の医薬組成物。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、テトラヒドロ[1,8]ナフチリジンおよび関連化合物、薬学的組成物、RORγ活性を促進しかつ/または被験体におけるIL−17の量を増加させる方法、ならびに当該テトラヒドロ[1,8]ナフチリジンおよび関連化合物の治療用途を提供する。本発明の実施は、別段の指摘がない限り、有機化学、薬理学、分子生物学(組換え技術を含む)、細胞生物学、生化学および免疫学の従来の技術を使用する。そのような技術は文献(例えば、“Comprehensive Organic Synthesis”(B.M.Trost & I.Fleming,eds.,1991−1992);“Handbook of experimental immunology”(D.M.Weir & C.C.Blackwell,eds.);“Current protocols in molecular biology”(F.M.Ausubel et al.,eds.,1987、および定期的更新物);および“Current protocols in immunology”(J.E.Coligan et al.,eds.,1991))に説明されており、それらの文献の各々は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0012】
本発明の種々の態様が、複数の節において下に説明されている。しかしながら、1つの特定の節に記述される本発明の態様は、いずれの特定の節にも限定されるべきものではない。さらに、変数が定義を伴っていない場合は、その変数の先の定義が支配する。
【0013】
定義
本明細書で使用される用語は、それらの通常の意味を有しており、そのような用語の意味は、それらの用語の各出現において独立している。それにもかかわらず、別段の記述がある場合を除き、以下の定義が本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって適用される。化学名、慣用名、および化学構造は、同じ構造を記述するために、相互交換可能に使用され得る。化学化合物が化学構造および化学名の両方を用いて言及されており、その構造と名称との間に曖昧さが存在する場合は、構造が優位を占める。これらの定義は、用語が単独で使用されるかまたは他の用語と組み合わせて使用されるかに関わらず、別段の指摘がない限り適用される。したがって、「アルキル」の定義は、「アルキル」に加えて、「ヒドロキシアルキル」、「フルオロアルキル」、「−O−アルキル」などの「アルキル」部分にも適用される。
【0014】
用語「アルキル」は、当該技術分野において認識されており、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基、およびシクロアルキル置換アルキル基を包含する、飽和脂肪族基を含む。特定の実施形態において、直鎖または分岐鎖アルキルは、その骨格(backbone)中に約30個以下の炭素原子(例えば、直鎖についてはC
1〜C
30、分岐鎖についてはC
3〜C
30)、あるいは約20個以下の炭素原子を有している。同様に、シクロアルキルは、その環構造中に約3個〜約10個の炭素原子を有するものであり、二環式アルキル(例えば、2個の飽和炭素環式環が一緒に縮合しているもの)を含む。特定の実施形態において、シクロアルキルは、環構造中に約5個、6個または7個の炭素を有している。例示的なアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、およびシクロブチルが挙げられる。
【0015】
用語「アルキレン」とは、アルキル基のジラジカルをいう。例示的なアルキレン基としては、−CH
2CH
2−、
【化2】
が挙げられる。用語「シクロアルキレン」とは、シクロアルキル基のジラジカルをいう。例示的なシクロアルキレン基としては、
【化3】
が挙げられる。
【0016】
用語「ハロアルキル」とは、少なくとも1個のハロゲンで置換されているアルキル基をいう。例示的なハロアルキル基としては、−CH
2F、−CHF
2、−CF
3、−CH
2CF
3、−CF
2CF
3などが挙げられる。
【0017】
用語「ヒドロキシアルキル」とは、少なくとも1個のヒドロキシル基で置換されているアルキル基をいう。例示的なヒドロキシルアルキル基としては、−CH
2OH、−CH
2CH
2OH、−C(H)(OH)C(OH)H
2などが挙げられる。
【0018】
用語「アラルキル」とは、アリール基で置換されているアルキル基をいう。例示的なアラルキル基としては、
【化4】
が挙げられる。
【0019】
用語「ヘテロアラルキル」とは、ヘテロアリール基で置換されているアルキル基をいう。
【0020】
用語「アルケニル」および「アルキニル」は、当該技術分野において認識されており、長さおよび可能な置換の点で上に記述されたアルキルと類似しているが、それぞれ少なくとも1個の二重結合または三重結合を含有する不飽和脂肪族基をいう。
【0021】
用語「アリール」は、当該技術分野において認識されており、炭素環式芳香族基をいう。代表的なアリール基としては、フェニル、ナフチル、アントラセニルなどが挙げられる。別段の指定がない限り、芳香族環は、1つ以上の環位置において、例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、カルボン酸、−C(O)アルキル、−CO
2アルキル、カルボニル、カルボキシル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド(sulfonamido)、スルホンアミド(sulfonamide)、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリール部分、−CF
3、−CNなどで置換されたものであり得る。用語「アリール」はまた、2個以上の炭素が2つの隣接する環に共通している(これらの環は「縮合環」である)2個以上の炭素環式環を有しており、その縮合環の全てが芳香族環である(例えば、ナフチル基中)、多環式芳香族環系も含む。
【0022】
用語「ヘテロアリール」は、当該技術分野において認識されており、少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む芳香族基をいう。特定の例において、ヘテロアリール基は、1個、2個、3個、または4個の環ヘテロ原子を含有する。ヘテロアリール基の代表的な例としては、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリダジニルおよびピリミジニルなどが挙げられる。別段の指定がない限り、ヘテロアリール環は、1つ以上の環位置において、例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、カルボン酸、−C(O)アルキル、−CO
2アルキル、カルボニル、カルボキシル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド(sulfonamido)、スルホンアミド(sulfonamide)、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリール部分、−CF
3、−CNなどで置換されたものであり得る。用語「ヘテロアリール」はまた、2個以上の炭素が2つの隣接する環に共通している(これらの環は「縮合環」である)2個以上の環を有しており、その縮合環の全てがヘテロ芳香族である(例えば、ナフチリジニル基中)、多環式芳香族環系も含む。
【0023】
オルト、メタおよびパラという用語は、当該技術分野において認識されており、それぞれ、1,2−、1,3−および1,4−二置換ベンゼンをいう。例えば、1,2−ジメチルベンゼンおよびオルト−ジメチルベンゼンという名称は、同義である。
【0024】
本明細書で使用される場合、用語「複素環式」および「ヘテロシクリル」は、例えば、1個以上のヘテロ原子を含有する芳香族環または非芳香族環(例えば、単環式環または二環式環)を表す。ヘテロ原子は、同じかまたは互いに異なり得る。ヘテロ原子の例としては、窒素、酸素および硫黄が挙げられるが、これらに限定されない。芳香族複素環式環および非芳香族複素環式環は、当該技術分野においてよく知られている。芳香族複素環式環のいくつかの非限定的な例としては、ピリジン、ピリミジン、インドール、プリン、キノリンおよびイソキノリンが挙げられるが、これらに限定されない。非芳香族複素環式化合物の非限定的な例としては、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピロリジンおよびピラゾリジンが挙げられるが、これらに限定されない。酸素含有複素環式環の例としては、フラン、オキシラン、2H−ピラン、4H−ピラン、2H−クロメン、ベンゾフラン、および2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシンが挙げられるが、これらに限定されない。硫黄含有複素環式環の例としては、チオフェン、ベンゾチオフェン、およびパラチアジンが挙げられるが、これらに限定されない。窒素含有環の例としては、ピロール、ピロリジン、ピラゾール、ピラゾリジン、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピリジン、ピペリジン、ピラジン、ピペラジン、ピリミジン、インドール、プリン、ベンゾイミダゾール、キノリン、イソキノリン、トリアゾール、およびトリアジンが挙げられるが、これらに限定されない。2個の異なるヘテロ原子を含有する複素環式環の例としては、フェノチアジン、モルホリン、パラチアジン、オキサジン、オキサゾール、チアジン、およびチアゾールが挙げられるが、これらに限定されない。複素環式環は、1つ以上の環位置で、例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、カルボン酸、−C(O)アルキル、−CO
2アルキル、カルボニル、カルボキシル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド(sulfonamido)、スルホンアミド(sulfonamide)、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリール部分、−CF
3、−CNなどで、任意選択でさらに置換されている。特定の実施形態において、ヘテロシクリル基は、別段の指定がない限り、置換または非置換の、3〜7員環である。
【0025】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、例えば3個〜7個の環原子を有する飽和ヘテロシクリル基をいう。
【0026】
用語「アミン」および「アミノ」は、当該技術分野において認識されており、非置換アミンおよび置換アミンの両方、例えば、一般式:
【化5】
[式中、R
50、R
51、R
52およびR
53は、各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、−(CH
2)
m−R
61を表すか、またはR
50およびR
51は、それらが結合しているN原子と一緒になって、環構造中に4個〜8個の原子を有する複素環を成し;R
61は、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環または多環を表し;そしてmは、ゼロまたは1〜8の範囲内の整数である]によって表され得る部分をいう。特定の実施形態において、R
50またはR
51のうちの一方のみが、カルボニルであり得る(例えば、R
50、R
51および窒素は一緒になってイミドを形成しない)。他の実施形態において、R
50およびR
51(および任意選択でR
52)は、各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、または−(CH
2)
m−R
61を表す。
【0027】
用語「アルコキシル」または「アルコキシ」は、当該技術分野において認識されており、酸素ラジカルをそれに結合させた、上で定義されたようなアルキル基をいう。代表的なアルコキシル基としては、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、tert−ブトキシなどが挙げられる。「エーテル」は、酸素によって共有結合により連結された2個の炭化水素である。したがって、アルキルをエーテルにするそのアルキルの置換基は、アルコキシルであるかまたはアルコキシルに類似したものである(例えば、−O−アルキル、−O−アルケニル、−O−アルキニル、および−O−(CH
2)
m−R
61(ここで、mおよびR
61は、上に記述されている)のうちの1つによって表され得る)。
【0028】
用語「オキソ」は、当該技術分野において認識されており、「=O」置換基をいう。例えば、オキソ基で置換されたシクロペンタンは、シクロペンタノンである。
【0030】
用語「置換(された)」は、指定された基の原子上の1個以上の水素が、示された基から選ばれたもので置き換えられていることを意味するが、但し、既存の環境下における原子の通常の原子価が超過されないこと、およびその置換が安定な化合物を結果としてもたらすものであることを条件とする。置換基および/または変数の組み合わせは、そのような組み合わせが安定な化合物を結果としてもたらす場合にのみ許される。用語「安定な化合物」または「安定な構造」とは、反応混合物からの有用な程度の純度への単離、および有効な治療薬への処方に耐えるのに十分に堅牢である化合物をいう。
【0031】
任意の置換基または変数が本発明の任意の構成要素または化合物において2回以上出現する場合は、各出現についてのその定義は、別段の指摘がない限り、他の全ての出現におけるその定義から独立している。
【0032】
本明細書における本文、スキーム、実施例および表における満たされていない原子価を有するいずれの炭素およびヘテロ原子も、原子価を満たすのに十分な数の水素原子(1つまたは複数)を有するものと見なされることにも留意されるべきである。
【0033】
本発明の1種以上の化合物は、非溶媒和形態および薬学的に受容可能な溶媒(例えば、水、エタノールなど)との溶媒和形態で存在し得、本発明は、溶媒和形態および非溶媒和形態の両方を包含することが意図されている。「溶媒和物」とは、本発明の化合物と1個以上の溶媒分子との物理的会合を意味する。この物理的会合は、水素結合を含め、様々な程度のイオン結合および共有結合を含む。特定の例において、溶媒和物は、例えば1個以上の溶媒分子が結晶質固体の結晶格子に組み込まれている場合、単離可能である。「溶媒和物」は、溶液相の溶媒和物および単離可能な溶媒和物の両方を包含する。好適な溶媒和物の非限定的な例としては、エタノレート、メタノレートなどが挙げられる。「水和物」は、溶媒分子がH
2Oである溶媒和物である。
【0034】
本発明の組成物中に含まれる特定の化合物は、特定の幾何学的形態または立体異性形態で存在し得る。さらに、本明細書に記述される特定の化合物は、光学的に活性であり得る。本発明は、本発明の範囲内に入るものとして、全てのそのような化合物(シス−およびトランス−異性体、R−およびS−エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、それらのラセミ混合物、およびそれらの他の混合物を含む)を企図している。当該化合物は、1つ以上のステレオジェン中心を含有し得る。例えば、不斉炭素原子は置換基(例えば、アルキル基)中に存在し得る。全てのそのような異性体およびそれらの混合物(例えば、ラセミ混合物、単独のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物および個々のジアステレオマーなど)が、本発明に含まれることが意図される。さらなる不斉中心が、分子上の種々の置換基の種類によって存在し得る。それぞれのそのような不斉中心は、独立して2つの光学異性体を生じ、そうした可能な光学異性体、混合物中のジアステレオマー、および純粋なまたは部分的に精製された化合物の全てが、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0035】
ジアステレオマー混合物は、当業者に知られている方法によって(例えば、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶などによって)、それらの物理化学的差異に基づいてそれらの個々のジアステレオマーに分離され得る。エナンチオマーは、適切な光学的に活性な化合物(例えば、キラル助剤(例えば、キラルアルコールまたはモッシャー酸クロリド))との反応によってエナンチオマー混合物をジアステレオマー混合物に変換し、ジアステレオマーを分離し、個々のジアステレオマーを対応する純粋なエナンチオマーに変換する(例えば、加水分解する)ことによって分離され得る。あるいは、本発明の化合物の特定のエナンチオマーは、不斉合成によって調製され得る。なおさらに、分子が塩基性官能基(例えば、アミノ)または酸性官能基(例えば、カルボン酸)を含有する場合は、ジアステレオマー塩が、適切な光学的に活性な酸または塩基を用いて形成され、続いて、そのように形成されたジアステレオマーが、当該技術分野において知られている分別結晶またはクロマトグラフィー手段によって分割され、次いで、純粋なエナンチオマーが回収される。
【0036】
本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば、他の異性体を実質的に含まないものであり得るか、または、例えば、ラセミ体として混合されたもの、または全ての他の立体異性体もしくは他の選ばれた立体異性体と混合されたものであり得る。本発明の化合物中のキラル中心(1つまたは複数)は、IUPAC 1974年勧告によって定義されるS配置またはR配置を有し得る。さらに、本明細書に記述される化合物はアトロプ異性体(例えば、置換ビアリール)として存在し得るので、そのようなアトロプ異性体の全ての形態が本発明の一部と見なされる。
【0037】
本明細書で使用される場合、用語「被験体」および「患者」は、相互交換可能に使用され、本発明の方法によって処置される生物をいう。そのような生物としては、好ましくは哺乳動物(例えば、マウス、サル、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコなど)が挙げられるが、これらに限定されず、最も好ましくはヒトが挙げられる。
【0038】
用語「IC
50」は、当該技術分野において認識されており、化合物の標的の50%阻害に必要なその化合物の濃度をいう。
【0039】
本明細書で使用される場合、用語「有効量」とは、有益なまたは所望の結果(例えば、治療的、緩和的、阻害的または予防的結果)をもたらすのに十分な化合物量をいう。有効量は、1回以上の投与、適用または投薬において投与され得、特定の処方または投与経路に限定されることは意図されていない。本明細書で使用される場合、用語「処置する」は、状態、疾患、障害などの改善またはそれらの症状の緩和を結果としてもたらすあらゆる効果(例えば、軽減、低減、調節、緩和または排除)を含む。
【0040】
本明細書で使用される場合、用語「薬学的組成物」とは、活性薬剤と、当該組成物をインビボまたはエキソビボでの診断用途または治療用途に特に好適にする、不活性または活性なキャリアとの組み合わせをいう。
【0041】
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に受容可能なキャリア」とは、標準的な薬学的キャリア(例えば、リン酸緩衝生理食塩水、水、エマルション(例えば、油/水または水/油エマルションなど)および様々な種類の湿潤剤)のうちの任意のものをいう。当該組成物はまた、安定剤および保存剤も含み得る。キャリア、安定剤および佐剤の例については。(例えば、Martin,Remington’s Pharmaceutical Sciences,15th Ed.,Mack Publ.Co.,Easton,PA[1975]参照)。
【0042】
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に受容可能な塩」とは、被験体への投与時に、本発明の化合物またはその活性な代謝物もしくは残留物を提供することが可能な、本発明の化合物の任意の薬学的に受容可能な塩(例えば、酸または塩基)をいう。当業者に知られているように、本発明の化合物の「塩」は、無機または有機の酸および塩基から誘導され得る。酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン−p−スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ベンゼンスルホン酸などが挙げられるが、これらに限定されない。他の酸(例えば、シュウ酸)は、それ自体は薬学的に受容可能でないが、本発明の化合物およびそれらの薬学的に受容可能な酸付加塩を得る際に中間体として有用な塩の調製において使用され得る。
【0043】
塩基の例としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)水酸化物、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)、水酸化物、アンモニア、および式NW
4+の化合物(式中、Wは、C
1〜4アルキルである)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
塩の例としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、二グルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、フルコヘプタン酸塩(flucoheptanoate)、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パルモ酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩(トルエンスルホン酸塩としても知られる)、ウンデカン酸塩などが挙げられるが、これらに限定されない。塩の他の例としては、好適なカチオン(例えば、Na
+、NH
4+、およびNW
4+(ここで、WはC
1〜4アルキル基である)など)と配合された本発明の化合物のアニオンが挙げられる。塩のさらなる例としては、アスコルビン酸塩、ホウ酸塩、硝酸塩、リン酸塩、サリチル酸塩、および硫酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、塩基性薬学的化合物からの薬学的に有用な塩の形成に好適と一般的に考えられる酸が、例えば、P.Stahl et al.,Camille G.(eds.)Handbook of Pharmaceutical Salts.Properties,Selection and Use.(2002)Zurich:Wiley−VCH;S.Berge et al.,Journal of Pharmaceutical Sciences(1977)66(1)1−19;P.Gould,International J.of Pharmaceutics(1986)33 201−217;Anderson et al.,The Practice of Medicinal Chemistry(1996),Academic Press,New York;およびThe Orange Book(Food & Drug Administration,Washington,D.C.、そのウェブサイト上)により検討されている。これらの開示は、参照により本明細書に援用される。
【0045】
さらなる例示的な塩基性塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム、リチウム、およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムおよびマグネシウム塩)、有機塩基(例えば、有機アミン)(例えば、ジシクロヘキシルアミン、t−ブチルアミン)との塩、およびアミノ酸(例えば、アルギニン、リジンなど)との塩が挙げられるが、これらに限定されない。塩基性窒素含有基は、低級アルキルハロゲン化物(例えば、メチル、エチル、およびブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物)、ジアルキル硫酸エステル(例えば、ジメチル、ジエチル、およびジブチルの硫酸エステル)、長鎖ハロゲン化物(例えば、デシル、ラウリル、およびステアリルの塩化物、臭化物およびヨウ化物)、アラルキルハロゲン化物(例えば、ベンジルおよびフェネチルの臭化物)などのような薬剤で第四級化され得る。
【0046】
治療用途のために、本発明の化合物の塩は、薬学的に受容可能なものとして企図される。しかしながら、薬学的に受容可能でない酸および塩基の塩もまた、例えば薬学的に受容可能な化合物の調製または精製において、用途を見出し得る。
【0047】
さらに、本発明の化合物が塩基性部分(例えば、ピリジンまたはイミダゾールであるが、これらに限定されない)および酸性部分(例えば、カルボン酸であるが、これに限定されない)の両方を含有する場合、双性イオン(「内塩」)が形成され得る。本発明の範囲内で使用されるこうした酸性塩および塩基性塩は、薬学的に受容可能な(すなわち、非毒性の、生理学的に受容可能な)塩である。本発明の化合物のそのような塩は、例えば、塩が沈殿するもののような媒体または水性媒体中で本発明の化合物をある量の酸または塩基(例えば、当量)と反応させて、続いて凍結乾燥させることにより、形成され得る。
【0048】
本発明は、あらゆる単離形態の本発明の化合物(例えば、その任意の溶媒和物、水和物、立体異性体、および互変異性体)を含む。さらに、本発明は、原子のうちの1個以上が、同じ原子番号を有するが自然界に主として見出される原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する特定の同位体を人為的に富化したものであり得る、化合物を含む。本発明は、本発明の化合物の全ての好適な同位体変種を含むことが意図される。例えば、水素(H)の異なる同位体形態には、プロチウム(
1H)およびジュウテリウム(
2H)が含まれる。プロチウムが、自然界で見出される主な水素同位体である。ジュウテリウムについての富化は、特定の治療的利点(例えば、インビボ半減期の増加または投薬必要量の減少)をもたらし得るか、または生体試料の特性評価のための標準として有用な化合物を提供し得る。同位体富化された化合物は、適切な同位体富化された試薬および/または中間体を用いて、当業者に知られている従来の技術によって、または本明細書においてスキームおよび実施例に記述されるものと類似のプロセスによって、過度の実験なしに調製され得る。
【0049】
明細書全体を通して、組成物が特定の成分を有する、包含する、もしくは含むと記述される場合、またはプロセスおよび方法が特定の工程を有する、包含する、もしくは含むと記述される場合は、さらに、記載された成分から実質的になるまたはそれらからなる本発明の組成物が存在すること、および記載された加工工程から実質的になるまたはそれらからなる本発明に従うプロセスおよび方法が存在することが企図されている。
【0050】
用語「1つの(a)」および「1つの(an)」は、本明細書で使用される場合、「1つ以上」を意味し、文脈が不適切でない限りは、複数を含む。
【0051】
略語「THF」は、当該技術分野において認識されており、テトラヒドロフランのことをいう。略語「DCM」は、当該技術分野において認識されており、ジクロロメタンのことをいう。略語「DMF」は、当該技術分野において認識されており、ジメチルホルムアミドのことをいう。略語「DMA」は、当該技術分野において認識されており、ジメチルアセトアミドのことをいう。略語「EDTA」は、当該技術分野において認識されており、エチレンジアミン四酢酸のことをいう。略語「TFA」は、当該技術分野において認識されており、トリフルオロ酢酸のことをいう。
【0052】
一般的な事項として、パーセンテージを指定してある組成物は、別段の指定がない限り、重量による。
【0053】
I.テトラヒドロ[1,8]ナフチリジンおよび関連化合物
本発明の1つの態様は、式I:
【化7】
によって表される化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物であって;式中:
Aは、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、−N(R
4)(R
5)、−CO
2R
6、−C(O)R
6、−CN、−C
1〜4アルキレン−C
1〜4アルコキシ、−C
1〜4アルキレン−N(R
4)(R
5)、−C
1〜4アルキレン−CO
2R
6、−O−C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)−C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1〜6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、−N(R
4)SO
2(C
1〜6アルキル)、−C(O)N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)C(O)N(R
4)(R
5)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されており;
Xは、−O−[C(R
6)(R
7)]−[C(R
6)
2]
m−Ψ、−O−C(R
6)
2−C(R
6)(R
7)−C(R
6)
2−Ψ、−O−C(R
6)
2−C(R
6)(R
7)−Ψ、−C(R
6)
2−[C(R
6)(R
7)]−[C(R
6)
2]
m−Ψ、−C(O)−[C(R
6)(R
7)]−[C(R
6)
2]
m−Ψ、−C(R
6)
2−N(R
8)−[C(R
6)(R
7)]−[C(R
6)
2]
m−Ψ、−C(R
6)=N−Ψ、−C(R
6)
2C(R
6)=N−Ψ、−N=C(R
6)−Ψ、または−N=C(R
6)C(R
6)
2−Ψであり、Ψは、式I中のスルホンアミド環窒素原子への結合であり;
Yは、−N(R
2)(R
3)または−O−アラルキルであり、前記アラルキルは、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1〜6アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1〜6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1〜6アルキル)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されており;
R
1は、各出現について、独立して、水素、ハロゲン、またはC
1〜6アルキルを表し;
R
2は、−C(O)−アリール、−C(O)−アラルキル、−C(O)−[C(R
6)
2]
m−シクロアルキル、−C(O)−[C(R
6)
2]
m−ヘテロシクリル、−C(O)−C
1〜8アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキレン−C
1〜6アルコキシル、−C(O)−C
1〜6アルキレン−シクロアルキル、または−C(O)−C
1〜6アルキレン−ヘテロシクロアルキルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1〜6アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1〜6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1〜6アルキル)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されており;
R
3は、水素またはC
1〜6アルキルであり;
R
4およびR
5は、各出現について、各々独立して、水素またはC
1〜6アルキルを表すか;あるいはR
4およびR
5は、それらが結合している窒素原子と一緒になって3〜7員の複素環式環を形成しており;
R
6は、各出現について、独立して、水素またはC
1〜6アルキルを表し;
R
7は、水素、ヒドロキシル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−CO
2R
6、C
1〜6アルキレン−CO
2R
6、C
1〜4ヒドロキシアルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、C
1〜6ヒドロキシアルキレン−N(R
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−C(O)N(R
4)(R
5)、−N(R
4)CO
2−C
1〜6アルキル、またはC
1〜6アルキレン−N(R
4)(C(O)N(R
4)(R
5)であるか;あるいはR
7は、ヘテロシクロアルキルまたはC
1〜4アルキレン−ヘテロシクロアルキルであり、そのヘテロシクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されており;
R
8は、水素、C
1〜6アルキル、または−C(O)−C
1〜6アルキルであり;
R
9は、水素、C
1〜6アルキル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、またはC
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)−C
1〜6アルキルであり;
nは、1または2であり;そして
mおよびpは、各出現について、各々独立して、0、1、または2を表す、
化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0054】
特定の実施形態において、Aは、アリールまたはヘテロアリールであり;その各々が、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているアリールである。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているフェニルである。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲンおよびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているフェニルである。特定の実施形態において、少なくとも1個の置換基が、フェニル環のメタ位に結合している。
【0055】
特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているヘテロアリールである。
【0056】
特定の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているヘテロシクロアルキルである。特定の実施形態において、Aは、ピペリジンまたはピロリジンであり、その各々が、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。
【0057】
特定の実施形態において、Xは、−O−[C(R
6)(R
7)]−[C(R
6)
2]
m−Ψである。特定の他の実施形態において、Xは、−C(R
6)
2−[C(R
6)(R
7)]−[C(R
6)
2]
m−Ψである。特定の他の実施形態において、Xは、−C(O)−[C(R
6)(R
7)]−[C(R
6)
2]
m−Ψである。特定の他の実施形態において、Xは、−C(R
6)
2−N(R
8)−[C(R
6)(R
7)]−[C(R
6)
2]
m−Ψである。特定の他の実施形態において、Xは、−C(R
6)=N−Ψである。
【0058】
特定の実施形態において、Yは、−N(R
2)(R
3)である。特定の実施形態において、Yは、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1〜6アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1〜6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1〜6アルキル)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている−O−アラルキルである。特定の他の実施形態において、Yは、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1〜6アルキル、および−C(O)−C
1〜6アルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている−O−アラルキルである。特定の他の実施形態において、Yは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている−O−ベンジルである。
【0059】
特定の実施形態において、R
1は、水素である。
【0060】
特定の実施形態において、R
2は、−C(O)−アリールまたは−C(O)−アラルキルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。特定の他の実施形態において、R
2は、−C(O)−アリールまたは−C(O)−アラルキルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される2個の置換基で置換されており、前記置換基は、芳香族環のオルト位に位置している。特定の他の実施形態において、R
2は、−C(O)−フェニルまたは−C(O)−ベンジルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。特定の他の実施形態において、R
2は、−C(O)−フェニルまたは−C(O)−ベンジルであり;その各々が、ハロゲン、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。特定の他の実施形態において、R
2は:
【化8】
によって表され、各R’は、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、またはC
1〜6ハロアルキルである。特定の他の実施形態において、R
2は:
【化9】
によって表され、各R’は、独立して、ハロゲン、C
1〜6アルキル、またはC
1〜6ハロアルキルである。
【0061】
特定の他の実施形態において、R
2は:
【化10】
によって表され、R’’は、C
1〜6アルキル、アリール、またはヘテロシクリルであり、その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1〜6アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1〜6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1〜6アルキル)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。特定の実施形態において、R’’は、ハロゲン、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているフェニルである。
【0062】
特定の実施形態において、R
3は、水素である。
【0063】
特定の実施形態において、R
7は、水素である。特定の他の実施形態において、R
7は、ヒドロキシル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−CO
2R
6、C
1〜6アルキレン−CO
2R
6、C
1〜4ヒドロキシアルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、C
1〜6ヒドロキシアルキレン−N(R
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−C(O)N(R
4)(R
5)、−N(R
4)CO
2−C
1〜6アルキル、または−N(R
4)C(O)R
9である。特定の他の実施形態において、R
7は、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキル、C
1〜6アルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、またはC
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9である。特定の他の実施形態において、R
7は、C
1〜3ヒドロキシアルキル、メチル、エチル、またはC
1〜3アルキレン−N(H)C(O)−C
1〜4アルキルである。
【0064】
特定の他の実施形態において、R
7は、ヘテロシクロアルキルまたはC
1〜4アルキレン−ヘテロシクロアルキルであり、そのヘテロシクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。
【0065】
本発明の別の態様は、式I−A:
【化11】
によって表される化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物であって;式中:
Aは、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、−N(R
4)(R
5)、−CO
2R
6、−C(O)R
6、−CN、−C
1〜4アルキレン−C
1〜4アルコキシ、−C
1〜4アルキレン−N(R
4)(R
5)、−C
1〜4アルキレン−CO
2R
6、−O−C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)−C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1〜6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、−N(R
4)SO
2(C
1〜6アルキル)、−C(O)N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)C(O)N(R
4)(R
5)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されており;
Xは、−O−[C(R
6)(R
7)]−[C(R
6)
2]
m−Ψ、−O−C(R
6)
2−C(R
6)(R
7)−C(R
6)
2−Ψ、−O−C(R
6)
2−C(R
6)(R
7)−Ψ、−C(R
6)
2−[C(R
6)(R
7)]−[C(R
6)
2]
m−Ψ、−C(O)−[C(R
6)(R
7)]−[C(R
6)
2]
m−Ψ、−C(R
6)
2−N(R
8)−[C(R
6)(R
7)]−[C(R
6)
2]
m−Ψ、−C(R
6)=N−Ψ、−C(R
6)
2C(R
6)=N−Ψ、−N=C(R
6)−Ψ、または−N=C(R
6)C(R
6)
2−Ψであり、Ψは、式I−A中のスルホンアミド環窒素原子への結合であり;
Yは、−N(R
2)(R
3)または−O−アラルキルであり、前記アラルキルは、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1〜6アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1〜6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1〜6アルキル)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されており;
R
1は、水素、ハロゲン、またはC
1〜6アルキルであり;
R
2は、−C(O)−アリール、−C(O)−アラルキル、−C(O)−[C(R
6)
2]
m−シクロアルキル、−C(O)−[C(R
6)
2]
m−ヘテロシクリル、−C(O)−C
1〜8アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキレン−C
1〜6アルコキシル、−C(O)−C
1〜6アルキレン−シクロアルキル、または−C(O)−C
1〜6アルキレン−ヘテロシクロアルキルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1〜6アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1〜6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1〜6アルキル)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されており;
R
3は、水素またはC
1〜6アルキルであり;
R
4およびR
5は、各出現について、各々独立して、水素またはC
1〜6アルキルを表すか;あるいはR
4およびR
5は、それらが結合している窒素原子と一緒になって3〜7員の複素環式環を形成しており;
R
6は、各出現について、独立して、水素またはC
1〜6アルキルを表し;
R
7は、水素、ヒドロキシル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−CO
2R
6、C
1〜6アルキレン−CO
2R
6、C
1〜4ヒドロキシアルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、C
1〜6ヒドロキシアルキレン−N(R
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−C(O)N(R
4)(R
5)、−N(R
4)CO
2−C
1〜6アルキル、またはC
1〜6アルキレン−N(R
4)(C(O)N(R
4)(R
5)であるか;あるいはR
7は、ヘテロシクロアルキルまたはC
1〜4アルキレン−ヘテロシクロアルキルであり、そのヘテロシクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されており;
R
8は、水素、C
1〜6アルキル、または−C(O)−C
1〜6アルキルであり;
R
9は、水素、C
1〜6アルキル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、またはC
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)−C
1〜6アルキルであり;そして
mおよびpは、各出現について、各々独立して、0、1、または2を表す、
化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0066】
上記の式I−A中の変数の定義は、多数の化学基を包含する。本出願は、例えば、i)変数の定義が、上に述べられた化学基から選択される単一の化学基である場合、ii)変数の定義が、上に述べられた化学基から選択される化学基のうちの2個以上のものの一団である場合、およびiii)変数が(i)または(ii)によって定義されるところの変数の組み合わせによって化合物が定義される場合(例えば、Aがアリールであり、そしてR
2が−C(O)−アリールである場合など)の実施形態を企図している。また、式Iに関連して先行する段落において記述された変数A、X、Y、R
1〜R
9、m、およびpの定義が、式I−Aに関連した使用のためにここで繰り返されている。
【0067】
本発明の別の態様は、式II:
【化12】
によって表される化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物であって;式中:
Aは、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、−N(R
4)(R
5)、−CO
2R
6、−C(O)R
6、−CN、−C
1〜4アルキレン−C
1〜4アルコキシ、および−C
1〜4アルキレン−N(R
4)(R
5)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されており;
Yは、−N(R
2)(R
3)または−O−アラルキルであり、前記アラルキルは、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1〜6アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1〜6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1〜6アルキル)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されており;
R
1は、水素、ハロゲン、またはC
1〜6アルキルであり;
R
2は、−C(O)−アリール、−C(O)−アラルキル、−C(O)−[C(R
6)
2]
m−シクロアルキル、−C(O)−[C(R
6)
2]
m−ヘテロシクリル、−C(O)−C
1〜8アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキレン−C
1〜6アルコキシル、−C(O)−C
1〜6アルキレン−シクロアルキル、または−C(O)−C
1〜6アルキレン−ヘテロシクロアルキルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1〜6アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1〜6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1〜6アルキル)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されており;
R
3は、水素またはC
1〜6アルキルであり;
R
4およびR
5は、各出現について、各々独立して、水素またはC
1〜6アルキルを表すか;あるいはR
4およびR
5は、それらが結合している窒素原子と一緒になって3〜7員の複素環式環を形成しており;
R
6は、各出現について、独立して、水素またはC
1〜6アルキルを表し;
R
7は、水素、ヒドロキシル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−CO
2R
6、C
1〜6アルキレン−CO
2R
6、C
1〜4ヒドロキシアルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、C
1〜6ヒドロキシアルキレン−N(R
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−C(O)N(R
4)(R
5)、−N(R
4)CO
2−C
1〜6アルキル、またはC
1〜6アルキレン−N(R
4)(C(O)N(R
4)(R
5)であるか;あるいはR
7は、ヘテロシクロアルキルまたはC
1〜4アルキレン−ヘテロシクロアルキルであり、そのヘテロシクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されており;
R
9は、水素、C
1〜6アルキル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、またはC
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)−C
1〜6アルキルであり;そして
mおよびpは、各出現について、各々独立して、0、1、または2を表す、
化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0068】
特定の実施形態において、Aは、アリールまたはヘテロアリールであり;その各々が、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているアリールである。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているフェニルである。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲンおよびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているフェニルである。特定の実施形態において、少なくとも1個の置換基が、フェニル環のメタ位に結合している。
【0069】
特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているヘテロシクロアルキルである。特定の実施形態において、Aは、ピペリジンまたはピロリジンであり、その各々が、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。
【0070】
特定の実施形態において、Yは、−N(R
2)(R
3)である。特定の実施形態において、Yは、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1〜6アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1〜6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1〜6アルキル)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている−O−アラルキルである。特定の他の実施形態において、Yは、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1〜6アルキル、および−C(O)−C
1〜6アルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている−O−アラルキルである。特定の他の実施形態において、Yは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている−O−ベンジルである。
【0071】
特定の実施形態において、R
1は、水素である。
【0072】
特定の実施形態において、R
2は、−C(O)−アリールまたは−C(O)−アラルキルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。特定の他の実施形態において、R
2は、−C(O)−アリールまたは−C(O)−アラルキルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される2個の置換基で置換されており、前記置換基は、芳香族環のオルト位に位置している。特定の他の実施形態において、R
2は、−C(O)−フェニルまたは−C(O)−ベンジルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。特定の他の実施形態において、R
2は、−C(O)−フェニルまたは−C(O)−ベンジルであり;その各々が、ハロゲン、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。特定の他の実施形態において、R
2は:
【化13】
によって表され、各R’は、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、またはC
1〜6ハロアルキルである。特定の他の実施形態において、R
2は:
【化14】
によって表され、各R’は、独立して、ハロゲン、C
1〜6アルキル、またはC
1〜6ハロアルキルである。
【0073】
特定の実施形態において、R
2は、
【化15】
によって表され、R’’は、C
1〜6アルキル、アリール、またはヘテロシクリルであり、その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1〜6アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1〜6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1〜6アルキル)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。特定の実施形態において、R’’は、ハロゲン、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているフェニルである。
【0074】
特定の実施形態において、R
3は、水素である。
【0075】
特定の実施形態において、R
7は、水素である。特定の他の実施形態において、R
7は、ヒドロキシル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−CO
2R
6、C
1〜6アルキレン−CO
2R
6、C
1〜4ヒドロキシアルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、C
1〜6ヒドロキシアルキレン−N(R
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−C(O)N(R
4)(R
5)、−N(R
4)CO
2−C
1〜6アルキル、または−N(R
4)C(O)R
9である。特定の他の実施形態において、R
7は、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキル、C
1〜6アルキレン−CO
2R
6、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、またはC
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9である。特定の他の実施形態において、R
7は、C
1〜3ヒドロキシアルキル、メチル、エチル、またはC
1〜3アルキレン−N(H)C(O)−C
1〜4アルキルである。
【0076】
本発明の別の態様は、式II−A:
【化16】
によって表される化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物であって;式中:
Aは、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクロアルキルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されており;
R
1は、水素であり;
R
2は、ハロゲン、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される2個の置換基で置換されている−C(O)−フェニルであり、それらの置換基は、フェニル環のオルト位に位置しており;
R
3は、水素であり;
R
4およびR
5は、各出現について、各々独立して、水素またはC
1〜6アルキルを表すか;あるいはR
4およびR
5は、それらが結合している窒素原子と一緒になって3〜7員の複素環式環を形成しており;
R
6は、各出現について、独立して、水素またはC
1〜6アルキルを表し;
R
7は、水素、ヒドロキシル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−CO
2R
6、C
1〜6アルキレン−CO
2R
6、C
1〜4ヒドロキシアルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、C
1〜6ヒドロキシアルキレン−N(R
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−C(O)N(R
4)(R
5)、−N(R
4)CO
2−C
1〜6アルキル、またはC
1〜6アルキレン−N(R
4)(C(O)N(R
4)(R
5)であるか;あるいはR
7は、ヘテロシクロアルキルまたはC
1〜4アルキレン−ヘテロシクロアルキルであり、そのヘテロシクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されており;
R
9は、水素、C
1〜6アルキル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、またはC
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)−C
1〜6アルキルであり;そして
mおよびpは、各出現について、各々独立して、0、1、または2を表す、
化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0077】
特定の実施形態において、Aは、アリールまたはヘテロアリールであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているアリールである。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているフェニルである。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲンおよびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているフェニルである。特定の実施形態において、少なくとも1個の置換基が、フェニル環のメタ位に結合している。
【0078】
特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているヘテロシクロアルキルである。特定の実施形態において、Aは、ピペリジンまたはピロリジンであり、その各々が、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。
【0079】
特定の実施形態において、R
2は、
【化17】
によって表され、各R’は、 独立して、フルオロ、クロロ、またはC
1〜6ハロアルキルである。
【0080】
特定の実施形態において、R
7は、水素である。特定の他の実施形態において、R
7は、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−CO
2R
6、C
1〜6アルキレン−CO
2R
6、C
1〜4ヒドロキシアルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、C
1〜6ヒドロキシアルキレン−N(R
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−C(O)N(R
4)(R
5)、−N(R
4)CO
2−C
1〜6アルキル、または−N(R
4)C(O)R
9である。特定の他の実施形態において、R
7は、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキル、C
1〜6アルキレン−CO
2R
6、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、またはC
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9である。特定の他の実施形態において、R
7は、C
1〜3ヒドロキシアルキル、メチル、エチル、またはC
1〜3アルキレン−N(H)C(O)−C
1〜4アルキルである。
【0081】
本発明の別の態様は、式III:
【化18】
によって表される化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物であって;式中:
Aは、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、−N(R
4)(R
5)、−CO
2R
6、−C(O)R
6、−CN、−C
1〜4アルキレン−C
1〜4アルコキシ、および−C
1〜4アルキレン−N(R
4)(R
5)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されており;
Yは、−N(R
2)(R
3)または−O−アラルキルであり、前記アラルキルは、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1〜6アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1〜6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1〜6アルキル)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されており;
R
1は、水素、ハロゲン、またはC
1〜6アルキルであり;
R
2は、−C(O)−アリール、−C(O)−アラルキル、−C(O)−[C(R
6)
2]
m−シクロアルキル、−C(O)−[C(R
6)
2]
m−ヘテロシクリル、−C(O)−C
1〜8アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキレン−C
1〜6アルコキシル、−C(O)−C
1〜6アルキレン−シクロアルキル、または−C(O)−C
1〜6アルキレン−ヘテロシクロアルキルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1〜6アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1〜6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1〜6アルキル)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されており;
R
3は、水素またはC
1〜6アルキルであり;
R
4およびR
5は、各出現について、各々独立して、水素またはC
1〜6アルキルを表すか;あるいはR
4およびR
5は、それらが結合している窒素原子と一緒になって3〜7員の複素環式環を形成しており;
R
6は、各出現について、独立して、水素またはC
1〜6アルキルを表し;
R
7は、水素、ヒドロキシル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−CO
2R
6、C
1〜6アルキレン−CO
2R
6、C
1〜4ヒドロキシアルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、C
1〜6ヒドロキシアルキレン−N(R
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−C(O)N(R
4)(R
5)、−N(R
4)CO
2−C
1〜6アルキル、またはC
1〜6アルキレン−N(R
4)(C(O)N(R
4)(R
5)であるか;あるいはR
7は、ヘテロシクロアルキルまたはC
1〜4アルキレン−ヘテロシクロアルキルであり、そのヘテロシクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されており;
R
9は、水素、C
1〜6アルキル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、またはC
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)−C
1〜6アルキルであり;そして
mおよびpは、各出現について、各々独立して、0、1、または2を表す、
化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0082】
特定の実施形態において、Aは、アリールまたはヘテロアリールであり;その各々が、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているアリールである。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているフェニルである。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲンおよびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているフェニルである。特定の実施形態において、少なくとも1個の置換基が、フェニル環のメタ位に結合している。
【0083】
特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているヘテロシクロアルキルである。特定の実施形態において、Aは、ピペリジンまたはピロリジンであり、その各々が、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。
【0084】
特定の実施形態において、Yは、−N(R
2)(R
3)である。特定の実施形態において、Yは、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1〜6アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1〜6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1〜6アルキル)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている−O−アラルキルである。特定の他の実施形態において、Yは、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1〜6アルキル、および−C(O)−C
1〜6アルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている−O−アラルキルである。特定の他の実施形態において、Yは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている−O−ベンジルである。
【0085】
特定の実施形態において、R
1は、水素である。
【0086】
特定の実施形態において、R
2は、−C(O)−アリールまたは−C(O)−アラルキルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。特定の他の実施形態において、R
2は、−C(O)−アリールまたは−C(O)−アラルキルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される2個の置換基で置換されており、前記置換基は、芳香族環のオルト位に位置している。特定の他の実施形態において、R
2は、−C(O)−フェニルまたは−C(O)−ベンジルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。特定の他の実施形態において、R
2は、−C(O)−フェニルまたは−C(O)−ベンジルであり;その各々が、ハロゲン、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。特定の他の実施形態において、R
2は:
【化19】
によって表され、各R’は、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、またはC
1〜6ハロアルキルである。特定の他の実施形態において、R
2は:
【化20】
によって表され、各R’は、独立して、ハロゲン、C
1〜6アルキル、またはC
1〜6ハロアルキルである。
【0087】
特定の実施形態において、R
2は:
【化21】
によって表され、R’’は、C
1〜6アルキル、アリール、またはヘテロシクリルであり、その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1〜6アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1〜6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1〜6アルキル)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。特定の実施形態において、R’’は、ハロゲン、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているフェニルである。
【0088】
特定の実施形態において、R
3は、水素である。
【0089】
特定の実施形態において、R
7は、水素である。特定の他の実施形態において、R
7は、ヒドロキシル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−CO
2R
6、C
1〜6アルキレン−CO
2R
6、C
1〜4ヒドロキシアルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、C
1〜6ヒドロキシアルキレン−N(R
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−C(O)N(R
4)(R
5)、−N(R
4)CO
2−C
1〜6アルキル、または−N(R
4)C(O)R
9である。特定の他の実施形態において、R
7は、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキル、C
1〜6アルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、またはC
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9である。特定の他の実施形態において、R
7は、C
1〜3ヒドロキシアルキル、メチル、エチル、またはC
1〜3アルキレン−N(H)C(O)−C
1〜4アルキルである。
【0090】
本発明の別の態様は、式III−A:
【化22】
によって表される化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物であって;式中:
Aは、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクロアルキルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されており;
R
1は、水素であり;
R
2は、ハロゲン、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される2個の置換基で置換されている−C(O)−フェニルであり、それらの置換基は、フェニル環のオルト位に位置しており;
R
3は、水素であり;
R
4およびR
5は、各出現について、各々独立して、水素またはC
1〜6アルキルを表すか;あるいはR
4およびR
5は、それらが結合している窒素原子と一緒になって3〜7員の複素環式環を形成しており;
R
6は、各出現について、独立して、水素またはC
1〜6アルキルを表し;
R
7は、水素、ヒドロキシル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−CO
2R
6、C
1〜6アルキレン−CO
2R
6、C
1〜4ヒドロキシアルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、C
1〜6ヒドロキシアルキレン−N(R
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−C(O)N(R
4)(R
5)、−N(R
4)CO
2−C
1〜6アルキル、またはC
1〜6アルキレン−N(R
4)(C(O)N(R
4)(R
5)であるか;あるいはR
7は、ヘテロシクロアルキルまたはC
1〜4アルキレン−ヘテロシクロアルキルであり、そのヘテロシクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されており;
R
9は、水素、C
1〜6アルキル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、またはC
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)−C
1〜6アルキルであり;そして
mおよびpは、各出現について、各々独立して、0、1、または2を表す、
化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0091】
特定の実施形態において、Aは、アリールまたはヘテロアリールであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているアリールである。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているフェニルである。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲンおよびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているフェニルである。特定の実施形態において、少なくとも1個の置換基が、フェニル環のメタ位に結合している。
【0092】
特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているヘテロシクロアルキルである。特定の実施形態において、Aは、ピペリジンまたはピロリジンであり、その各々が、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。
【0093】
特定の実施形態において、R
2は、
【化23】
によって表され、各R’は、 独立して、フルオロ、クロロ、またはC
1〜6ハロアルキルである。
【0094】
特定の実施形態において、R
7は、水素である。特定の他の実施形態において、R
7は、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−CO
2R
6、C
1〜6アルキレン−CO
2R
6、C
1〜4ヒドロキシアルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、C
1〜6ヒドロキシアルキレン−N(R
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−C(O)N(R
4)(R
5)、−N(R
4)CO
2−C
1〜6アルキル、または−N(R
4)C(O)R
9である。特定の他の実施形態において、R
7は、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキル、C
1〜6アルキレン−CO
2R
6、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、またはC
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9である。特定の他の実施形態において、R
7は、C
1〜3ヒドロキシアルキル、メチル、エチル、またはC
1〜3アルキレン−N(H)C(O)−C
1〜4アルキルである。
【0095】
本発明の別の態様は、式IV:
【化24】
によって表される化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物であって;式中:
Aは、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、−N(R
4)(R
5)、−CO
2R
6、−C(O)R
6、−CN、−C
1〜4アルキレン−C
1〜4アルコキシ、および−C
1〜4アルキレン−N(R
4)(R
5)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されており;
Yは、−N(R
2)(R
3)または−O−アラルキルであり、前記アラルキルは、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1〜6アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1〜6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1〜6アルキル)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されており;
R
1は、水素、ハロゲン、またはC
1〜6アルキルであり;
R
2は、−C(O)−アリール、−C(O)−アラルキル、−C(O)−[C(R
6)
2]
m−シクロアルキル、−C(O)−[C(R
6)
2]
m−ヘテロシクリル、−C(O)−C
1〜8アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキレン−C
1〜6アルコキシル、−C(O)−C
1〜6アルキレン−シクロアルキル、または−C(O)−C
1〜6アルキレン−ヘテロシクロアルキルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1〜6アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1〜6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1〜6アルキル)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されており;
R
3は、水素またはC
1〜6アルキルであり;
R
4およびR
5は、各出現について、各々独立して、水素またはC
1〜6アルキルを表すか;あるいはR
4およびR
5は、それらが結合している窒素原子と一緒になって3〜7員の複素環式環を形成しており;
R
6は、各出現について、独立して、水素またはC
1〜6アルキルを表し;
R
7は、水素、ヒドロキシル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−CO
2R
6、C
1〜6アルキレン−CO
2R
6、C
1〜4ヒドロキシアルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、C
1〜6ヒドロキシアルキレン−N(R
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−C(O)N(R
4)(R
5)、−N(R
4)CO
2−C
1〜6アルキル、またはC
1〜6アルキレン−N(R
4)(C(O)N(R
4)(R
5)であるか;あるいはR
7は、ヘテロシクロアルキルまたはC
1〜4アルキレン−ヘテロシクロアルキルであり、そのヘテロシクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されており;
R
9は、水素、C
1〜6アルキル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、またはC
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)−C
1〜6アルキルであり;そして
mおよびpは、各出現について、各々独立して、0、1、または2を表す、
化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0096】
特定の実施形態において、Aは、アリールまたはヘテロアリールであり;その各々が、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているアリールである。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているフェニルである。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲンおよびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているフェニルである。特定の実施形態において、少なくとも1個の置換基が、フェニル環のメタ位に結合している。
【0097】
特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているヘテロシクロアルキルである。特定の実施形態において、Aは、ピペリジンまたはピロリジンであり、その各々が、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。
【0098】
特定の実施形態において、Yは、−N(R
2)(R
3)である。特定の実施形態において、Yは、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1〜6アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1〜6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1〜6アルキル)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている−O−アラルキルである。特定の他の実施形態において、Yは、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1〜6アルキル、および−C(O)−C
1〜6アルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている−O−アラルキルである。特定の他の実施形態において、Yは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている−O−ベンジルである。
【0099】
特定の実施形態において、R
1は、水素である。
【0100】
特定の実施形態において、R
2は、−C(O)−アリールまたは−C(O)−アラルキルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。特定の他の実施形態において、R
2は、−C(O)−アリールまたは−C(O)−アラルキルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される2個の置換基で置換されており、前記置換基は、芳香族環のオルト位に位置している。特定の他の実施形態において、R
2は、−C(O)−フェニルまたは−C(O)−ベンジルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。特定の他の実施形態において、R
2は、−C(O)−フェニルまたは−C(O)−ベンジルであり;その各々が、ハロゲン、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。特定の他の実施形態において、R
2は:
【化25】
によって表され、各R’は、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、またはC
1〜6ハロアルキルである。特定の他の実施形態において、R
2は:
【化26】
によって表され、各R’は、独立して、ハロゲン、C
1〜6アルキル、またはC
1〜6ハロアルキルである。
【0101】
特定の実施形態において、R
2は:
【化27】
によって表され、R’’は、C
1〜6アルキル、アリール、またはヘテロシクリルであり、その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1〜6アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1〜6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1〜6アルキル)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。特定の実施形態において、R’’は、ハロゲン、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているフェニルである。
【0102】
特定の実施形態において、R
3は、水素である。
【0103】
特定の実施形態において、R
7は、水素である。特定の他の実施形態において、R
7は、ヒドロキシル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−CO
2R
6、C
1〜6アルキレン−CO
2R
6、C
1〜4ヒドロキシアルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、C
1〜6ヒドロキシアルキレン−N(R
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−C(O)N(R
4)(R
5)、−N(R
4)CO
2−C
1〜6アルキル、または−N(R
4)C(O)R
9である。特定の他の実施形態において、R
7は、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキル、C
1〜6アルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、またはC
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9である。特定の他の実施形態において、R
7は、C
1〜3ヒドロキシアルキル、メチル、エチル、またはC
1〜3アルキレン−N(H)C(O)−C
1〜4アルキルである。
【0104】
本発明の別の態様は、式V:
【化28】
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物であって;式中:
Aは、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、−N(R
4)(R
5)、−CO
2R
6、−C(O)R
6、−CN、−C
1〜4アルキレン−C
1〜4アルコキシ、および−C
1〜4アルキレン−N(R
4)(R
5)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されており;
Yは、−N(R
2)(R
3)または−O−アラルキルであり、前記アラルキルは、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1〜6アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1〜6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1〜6アルキル)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されており;
R
1は、水素、ハロゲン、またはC
1〜6アルキルであり;
R
2は、−C(O)−アリール、−C(O)−アラルキル、−C(O)−[C(R
6)
2]
m−シクロアルキル、−C(O)−[C(R
6)
2]
m−ヘテロシクリル、−C(O)−C
1〜8アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキレン−C
1〜6アルコキシル、−C(O)−C
1〜6アルキレン−シクロアルキル、または−C(O)−C
1〜6アルキレン−ヘテロシクロアルキルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1〜6アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1〜6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1〜6アルキル)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されており;
R
3は、水素またはC
1〜6アルキルであり;
R
4およびR
5は、各出現について、各々独立して、水素またはC
1〜6アルキルを表すか;あるいはR
4およびR
5は、それらが結合している窒素原子と一緒になって3〜7員の複素環式環を形成しており;
R
6は、各出現について、独立して、水素またはC
1〜6アルキルを表し;そして
mおよびpは、各出現について、各々独立して、0、1、または2を表す、
化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0105】
特定の実施形態において、Aは、アリールまたはヘテロアリールであり;その各々が、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているアリールである。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているフェニルである。特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲンおよびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているフェニルである。特定の実施形態において、少なくとも1個の置換基が、フェニル環のメタ位に結合している。
【0106】
特定の他の実施形態において、Aは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているヘテロシクロアルキルである。特定の実施形態において、Aは、ピペリジンまたはピロリジンであり、その各々が、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、およびC
1〜6ハロアルコキシからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。
【0107】
特定の実施形態において、Yは、−N(R
2)(R
3)である。特定の実施形態において、Yは、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1〜6アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1〜6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1〜6アルキル)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている−O−アラルキルである。特定の他の実施形態において、Yは、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1〜6アルキル、および−C(O)−C
1〜6アルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている−O−アラルキルである。特定の他の実施形態において、Yは、ハロゲン、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている−O−ベンジルである。
【0108】
特定の実施形態において、R
1は、水素である。
【0109】
特定の実施形態において、R
2は、−C(O)−アリールまたは−C(O)−アラルキルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。特定の他の実施形態において、R
2は、−C(O)−アリールまたは−C(O)−アラルキルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される2個の置換基で置換されており、前記置換基は、芳香族環のオルト位に位置している。特定の他の実施形態において、R
2は、−C(O)−フェニルまたは−C(O)−ベンジルであり;その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。特定の他の実施形態において、R
2は、−C(O)−フェニルまたは−C(O)−ベンジルであり;その各々が、ハロゲン、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。特定の他の実施形態において、R
2は:
【化29】
によって表され、各R’は、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、またはC
1〜6ハロアルキルである。特定の他の実施形態において、R
2は:
【化30】
によって表され、各R’は、独立して、ハロゲン、C
1〜6アルキル、またはC
1〜6ハロアルキルである。
【0110】
特定の実施形態において、R
2は:
【化31】
によって表され、R’’は、C
1〜6アルキル、アリール、またはヘテロシクリルであり、その各々が、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−N(R
4)(R
5)、−CN、−CO
2−C
1〜6アルキル、−C(O)−C
1〜6アルキル、−C(O)N(R
4)(R
5)、−S(O)
pC
1〜6アルキル、−SO
2N(R
4)(R
5)、および−N(R
4)SO
2(C
1〜6アルキル)からなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されている。特定の実施形態において、R’’は、ハロゲン、C
1〜6アルキル、およびC
1〜6ハロアルキルからなる群から独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で任意選択で置換されているフェニルである。
【0111】
特定の実施形態において、R
3は、水素である。
【0112】
特定の実施形態において、R
7は、水素である。特定の他の実施形態において、R
7は、ヒドロキシル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−CO
2R
6、C
1〜6アルキレン−CO
2R
6、C
1〜4ヒドロキシアルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、C
1〜6ヒドロキシアルキレン−N(R
4)(R
5)、−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9、C
1〜6アルキレン−C(O)N(R
4)(R
5)、−N(R
4)CO
2−C
1〜6アルキル、または−N(R
4)C(O)R
9である。特定の他の実施形態において、R
7は、C
1〜6ヒドロキシアルキル、C
1〜6アルキル、C
1〜6アルキレン−CO
2R
6、−N(R
4)(R
5)、C
1〜6アルキレン−N(R
4)(R
5)、またはC
1〜6アルキレン−N(R
4)C(O)R
9である。特定の他の実施形態において、R
7は、C
1〜3ヒドロキシアルキル、メチル、エチル、またはC
1〜3アルキレン−N(H)C(O)−C
1〜4アルキルである。
【0113】
上記の式I〜V中の変数の定義は、多数の化学基を包含する。本出願は、例えば、i)変数の定義が、上に述べられた化学基から選択される単一の化学基である場合、ii)定義が、上に述べられた化学基から選択される化学基のうちの2個以上のものの一団である場合、およびiii)変数が(i)または(ii)によって定義されるところの変数の組み合わせによって化合物が定義される場合の実施形態を企図している。
【0114】
特定の他の実施形態において、化合物は、下記の表1〜3に列挙される化合物のうちの1つまたはその薬学的に受容可能な塩である。
【0130】
本明細書に記述される化合物を調製するための方法を、以下の合成スキームにおいて説明する。これらのスキームは、本発明を説明する目的のために与えられるものであり、本発明の範囲または趣旨を限定することが意図されるものではない。各スキームに示される出発物質は、商業的供給源から得られ得るか、または文献に記述されている手順に基づいて調製され得るものである。
【0131】
スキーム1に図示される合成経路は、アミド置換5,6,7,8−テトラヒドロ[1,8]ナフチリジン化合物を調製するための一般的方法である。ジアミノピリジンAと酸および置換ジメチルアミノアクロレインBの混合物との反応が、アミノ−1,8−ナフチリジンCをもたらす。代替的に、アミノ−1,8−ナフチリジンCは、ジアミノピリジンAを1,3−ジカルボニル化合物B1(例えば、Reichart et al.in Tet.Lett.1977,24,2087−90;Eva,E.et al.J.Het.Chem.1976,13,841−844、およびBernstein et al.J.Amer.Chem.Soc.1947,69,1151−1158参照)または置換ビナミジニウム塩B2(例えば、Norma et al.in Synthesis 2001,9,1351−1355参照)と反応させることにより調製され得る。
【0132】
アミノ−1,8−ナフチリジンCとアシル化試薬(例えば、酸塩化物)との反応が、アミノ−1,8−ナフチリジンDをもたらす。水素化によるアミド−1,8−ナフチリジンDの還元が、アミド−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジンEをもたらし、これがスルホニルクロリドまたはスルファモイルクロリドと反応させられて、最終のスルホンアミド−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジンFが得られ得る。
【0133】
スキーム1における反応手順は、R〜R
v位置において異なる置換基を有する多種多様なアミド置換テトラヒドロ[1,8]ナフチリジン化合物の調製に対応できるものであることが企図されている。例えば、多数の置換2,6−ジアミノピリジンが文献において知られておりかつ/または市販されている。さらに、R〜R
V基の一部である官能基がスキーム1に記述される反応条件に対応できないであろう場合には、その官能基は、まず、標準的な保護基化学および戦略を用いて保護され得、次いで、所望の合成変換の完了後に、その保護基が除去されることが企図されている。保護化学および戦略のさらなる説明については、例えば、Greene,T.W.;Wuts,P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis,2
nded.;Wiley:New York,1991を参照されたい。特定の他の実施形態において、テトラヒドロ[1,8]ナフチリジンF中の置換基R〜R
V中の官能基は、当該技術分野において知られている標準的な官能基操作手順を用いて別の官能基に変換され得る。例えば、“Comprehensive Organic Synthesis”(B.M.Trost & I.Fleming,eds.,1991−1992)を参照されたい。
【化32】
【0134】
スキーム2は、アミノ−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジンを調製するための一般的方法を図示している。2−ハロエステルによるニトロ−ヒドロキシ−ピリジンAのアルキル化が、ピリジニルエーテルBをもたらす。ニトロ−ヒドロキシ−ピリジンAからピリジニルエーテルBへの変換は、2−ヒドロキシエステルの光延アルキル化によっても実施され得る。次に、ピリジニルエーテルBの還元的環化が、4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オンCを与える。例えば水素化物(例えば、ボランまたはリチウムアルミニウム水素化物)を用いた、アミドの還元が、ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジンDをもたらす。スルホニルクロリドまたはスルファモイルクロリドによるオキサジンDの処理が、スルホンアミド−ブロモ−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジンEをもたらす。
【0135】
ブロモ−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジンEは、当該技術分野において知られている手順(例えば、(1)アンモニアのUllmann CuSO
4媒介付加(Hauser et al.in J.Org.Chem.1950,15,1224−1232);(2)カルバメートのPd媒介付加(Bhagwanth et al.in J.Org Chem.2009,74,4634−4637)、それに続く脱保護;(3)ヘキサメチルジシラジドのPd媒介付加(Stefko et al.in J.Org.Chem.2011,76,6619−6635)、および(4)ジフェニルメタンイミンのPd媒介付加、それに続く酸による脱保護(Grasa et al.in J.Org.Chem.2001,66,7729−7737))を用いて、アミノ−ジヒドロ−2H−ピリド[3.2−b][1,4]オキサジンFに変換され得る。アミンFと酸塩化物との反応が、アミドGをもたらす。アミドGをもたらすために使用される工程において、酸(R
ICO
2H)およびアミドカップリング試薬が酸塩化物の代わりに使用され得ることが理解される。
【化33】
【0136】
ハロ−アミノ−ピリジンAを根岸試薬(2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−ヨードプロパノエートから形成される)と反応させると、アミノ酸Bがもたらされる。次いで、熱または塩基によって促進されるアミノ酸Bの分子内環化が、ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オンCをもたらす。ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オンCをベンジルクロロホルメートと反応させると、ビス−カルバメートDが得られる。ボランまたはリチウムアルミニウム水素化物を用いたビス−カルバメートD中のアミド基の選択的還元が、テトラヒドロ−1,8−ナフチリジンEをもたらす。テトラヒドロ−1,8−ナフチリジンEとスルホニルクロリドまたはスルファモイルクロリドとの反応が、スルホンアミドFをもたらす。次に、ベンジルカルバメート保護基が、スルホンアミドFから除去されて、アミノ−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン(図示せず)をもたらし、これが、カルボン酸およびアミドカップリング剤を用いたアミドカップリング条件に供されて、アミド−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジンGをもたらし得る。アミド−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジンG上の残りのBoc保護基は、酸による処理によって除去されて、アミノ−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジンHをもたらし得る。アミノ−テトラヒドロ−1,5−ナフチリジンH上のアミノ基が、他の官能基に(例えば、アルキル化剤(1つまたは複数)、アルデヒド(還元的アルキル化)、アシルハライド、スルホニルクロリド、イソシアネートなどとの反応によって)変換されて化合物Iを与え得ることが理解される。
【化34】
【0137】
スキーム4は、アミド−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジンを調製するための代替的な一般的方法を図示している。2−ハロ−アルカノンBによるヒドロキシ−ピリジンAのアルキル化が、ピリジニルエーテルCを与える。インサイチュー分子内環化を伴う(例えば、ラネーニッケルを用いた)完全還元は、ブロモ−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b]オキサジンDをもたらす。オキサジンDとスルホニルクロリドまたはスルファモイルクロリドとの反応が、ブロモ−スルホンアミド−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b]オキサジンEをもたらす。ブロモ−スルホンアミド−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b]オキサジンEが、当該技術分野において知られている手順(例えば、(1)アンモニアのUllmann CuSO
4媒介付加(Hauser et al.in J.Org.Chem.1950,15,1224−1232);(2)カルバメートのPd媒介付加(Bhagwanth et al.in J.Org Chem.2009,74,4634−4637)、それに続く脱保護;(3)ヘキサメチルジシラジドのPd媒介付加(Stefko et al.in J.Org.Chem.2011,76,6619−6635)、および(4)ジフェニルメタンイミンのPd媒介付加、それに続く酸による脱保護(Grasa et al.in J.Org.Chem.2001,66,7729−7737))を用いて、アミンFに変換され得る。アミンFと酸塩化物との反応が、アミドGをもたらす。アミドGをもたらすために使用される工程において、酸(R
ICO
2H)およびアミドカップリング試薬が酸塩化物の代わりに使用され得ることが理解される。
【化35】
【0138】
スキーム5は、6位にヒドロキシル基またはアルコキシル基を有するアミド−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジンを調製するための別の一般的手順を図示している。ハロ−アミノ−ピリジンAを根岸試薬(2−アルコキシ−3−ヨードプロパノエートから形成される)と反応させると、ピリジニルエステルBがもたらされる。次いで、熱または塩基によって促進されるピリジニルエステルBの分子内環化が、ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オンCをもたらす。ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オンCをベンジルクロロホルメートと反応させると、ビス−カルバメートDが得られる。ボランまたはリチウムアルミニウム水素化物を用いたビス−カルバメートD中のアミド基の選択的還元が、テトラヒドロ−1,8−ナフチリジンEをもたらす。テトラヒドロ−1,8−ナフチリジンEとスルホニルクロリドまたはスルファモイルクロリドとの反応が、スルホンアミドFをもたらす。次に、ベンジルカルバメート保護基が、スルホンアミドFから除去されて、アミノ−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン(図示せず)をもたらし、これが、カルボン酸およびアミドカップリング剤を用いたアミドカップリング条件に供されて、アミド−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジンGをもたらし得る。ヒドロキシ−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジンが所望されるのであれば、変数R
IVは、トリアルキルシリル基であり得、これは、アミド−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジンGをシリル基脱保護剤(例えば、テトラブチルアンモニウムフルオリド)と反応させることにより除去され得る。
【化36】
【0139】
スキーム6は、アラルキルオキシ−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン化合物を調製するための別の一般的手順を図示している。アラルキルオキシ−アミノピリジンAと酸および置換ジメチルアミノアクロレインBの混合物との反応が、1,8−ナフチリジンCをもたらす。代替的に、1,8−ナフチリジンCは、アラルキルオキシ−アミノピリジンを1,3−ジカルボニル化合物B1(例えば、Reichart et al.in Tet.Lett.1977,24,2087−90;Eva,E.et al.J.Het.Chem.1976,13,841−844、およびBernstein et al.J.Amer.Chem.Soc.1947,69,1151−1158参照)または置換ビナミジニウム塩B2(例えば、Norma et al.in Synthesis 2001,9,1351−1355参照)と反応させることにより調製され得る。1,8−ナフチリジンCの(例えば、H
2をメタノール中のPd/Cと共に用いた)水素化による還元が、テトラヒドロ−1,8−ナフチリジンDをもたらし、これがスルホニルクロリドまたはスルファモイルクロリドと反応させられて、最終のアラルキルオキシ−スルホンアミド−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジンEが得られ得る。
【化37】
【0140】
スキーム7は、アラルキルオキシ−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジンを調製するための代替的な一般的手順を図示している。アルコール(R
VIII−OH)と臭化物AとのUllmanカップリングが、アラルキルオキシ−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジンBをもたらす。
【化38】
【0141】
II.テトラヒドロ[1,8]ナフチリジンおよび関連化合物の治療的適用
本明細書に記述されるテトラヒドロ[1,8]ナフチリジンおよび関連化合物(例えば、式I、II、III、IV、またはVの化合物)は、癌、細菌感染、真菌感染、または免疫不全障害を患っている被験体に治療的利益を提供することが企図されている。したがって、本発明の1つの態様は、癌、細菌感染、真菌感染、および免疫不全障害からなる群から選択される障害を処置する方法を提供する。当該方法は、治療有効量の本明細書に記述されるテトラヒドロ[1,8]ナフチリジンまたは関連化合物(例えば、式I、II、III、IV、またはVの化合物)をそれを必要とする被験体に投与して、障害の症状を緩和することを含む(ここで、式I、II、III、IV、およびVは、上に記述されたとおりである)。特定の実施形態において、式I、II、III、IV、またはVの特定の化合物は、上に記述された実施形態のうちの1つによって定義される化合物である。
【0142】
特定の実施形態において、障害は、癌である。特定の実施形態において、癌は、固形腫瘍または白血病である。特定の他の実施形態において、癌は、結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、肺癌、白血病、膀胱癌、胃癌、子宮頸癌、精巣癌、皮膚癌、直腸癌、甲状腺癌、腎臓癌、子宮癌、食道癌(espophagus cancer)、肝臓癌、聴神経腫、希突起膠腫、髄膜腫、神経芽腫、または網膜芽腫である。特定の他の実施形態において、癌は、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、黒色腫、中枢神経系組織の癌、脳癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞性リンパ腫、皮膚B細胞性リンパ腫、またはびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫である。特定の他の実施形態において、癌は、乳癌、結腸癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、前立腺癌、腎臓癌、卵巣癌、白血病、黒色腫、または中枢神経系組織の癌である。特定の他の実施形態において、癌は、結腸癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、腎臓癌、卵巣癌、腎臓癌、または黒色腫である。
【0143】
さらなる例示的な癌としては、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭状癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、および血管芽細胞腫が挙げられる。
【0144】
特定の実施形態において、癌は、神経芽細胞腫、髄膜腫、血管周囲細胞腫、多発性脳転移、多形膠芽腫、膠芽腫、脳幹神経膠腫、予後不良悪性脳腫瘍、悪性神経膠腫、退形成性星細胞腫、退形成性乏突起膠腫、神経内分泌腫瘍、直腸腺癌、デュークスC&D結腸直腸癌、切除不能結腸直腸癌、転移性幹細胞癌、カポジ肉腫、核型(karotype)急性骨髄芽球性白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞性リンパ腫、皮膚B細胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、低悪性度濾胞性リンパ腫、転移性黒色腫、限局性黒色腫、悪性中皮腫、悪性胸水中皮腫症候群、腹膜癌、乳頭状漿液性癌、婦人科肉腫、軟部組織肉腫、強皮症(scelroderma)、皮膚血管炎、ランゲルハンス細胞組織球増殖症、平滑筋肉腫、進行性骨化性線維異形成症(fibrodysplasia ossificans progressive)、ホルモン不応性前立腺癌、切除された高リスク軟部組織肉腫、切除不能肝細胞癌、ワルデンストレームマクログロブリン血症(Waidenstrom’s macroglobulinemia)、くすぶり型骨髄腫、無症候性骨髄腫、ファロピウス管癌、アンドロゲン非依存性前立腺癌、アンドロゲン依存性IV期非転移性前立腺癌、ホルモン非感受性前立腺癌、化学療法非感受性前立腺癌、乳頭状甲状腺癌、濾胞性甲状腺癌、髄様甲状腺癌、または平滑筋腫である。
【0145】
特定の実施形態において、障害は、細菌感染である。細菌感染は、当該技術分野において知られている分類に従って特徴づけられ得る。例えば、特定の実施形態において、細菌感染は、グラム陽性細菌感染(例えば、グラム陽性球菌細菌感染またはグラム陽性バチルス属細菌感染)である。他の実施形態において、細菌感染は、グラム陰性細菌感染(例えば、グラム陰性球菌細菌感染またはグラム陰性バチルス属細菌感染)である。細菌感染はまた、それが嫌気性細菌によって引き起こされるのか、または好気性細菌によって引き起こされるのかに従っても特徴づけられ得る。したがって、特定の実施形態において、細菌感染は、嫌気性細菌感染である。特定の他の実施形態において、細菌感染は、好気性細菌感染である。
【0146】
種々の細菌が、テトラヒドロ[1,8]ナフチリジン化合物に感受性があると考えられる。代表的な細菌としては、ブドウ球菌属種(例えば、S.アウレウス(S.aureus));エンテロコッカス属種(例えば、E.ファエカリス(E.faecalis)およびE.ファエキウム(E.faecium));レンサ球菌属種(例えば、S.ピュオゲネス(S.pyogenes)およびS.プネウモニアエ(S.pneumoniae));大腸菌属種(例えば、E.コリ(E.coli)(腸管毒素原性、腸管病原性、腸管組織侵入性、腸管出血性および凝集付着性のE.コリ(E.coli)菌株を含む));ヘモフィルス属種(例えば、H.インフルエンザ(H.influenza));およびモラクセラ属種(例えば、M.カタッラリス(M.catarrhalis))が挙げられる。他の例としては、マイコバクテリウム属種(例えば、M.トゥベルクロシス(M.tuberculosis)、M.アウィアン−イントラケッルラレ(M.avian−intracellulare)、M.カンサシイ(M.kansasii)、M.ボウィス(M.bovis)、M.アフリカヌム(M.africanum)、M.ゲナウェンセ(M.genavense)、M.レプラエ(M.leprae)、M.クセノピ(M.xenopi)、M.シミアエ(M.simiae)、M.スクロフラケウム(M.scrofulaceum)、M.マルモエンセ(M.malmoense)、M.ケラトゥム(M.celatum)、M.アブスケッスス(M.abscessus)、M.ケロナエ(M.chelonae)、M.スズルガイ(M.szulgai)、M.ゴルドナエ(M.gordonae)、M.ハエモピルム(M.haemophilum)、M.フォルツニ(M.fortuni)およびM.マリヌム(M.marinum));コリネバクテリウム属種(例えば、C.ディプテリアエ(C.diphtheriae));ビブリオ属種(例えば、V.コレラエ(V.cholerae));カンピロバクター属種(例えば、C.イェユニ(C.jejuni));ヘリコバクター属種(例えば、H.ピュロリ(H.pylori));シュードモナス属種(例えば、P.アエルギノサ(P.aeruginosa));レジオネラ属種(例えば、L.プネウモピラ(L.pneumophila));トレポネーマ属種(例えば、T.パッリドゥム(T.pallidum));ボレリア属種(例えば、B.ブルグドルフェリ(B.burgdorferi));リステリア属種(例えば、L.モノキュトゲネス(L.monocytogenes));バシラス属種(例えば、B.ケレウス(B.cereus));ボルデテラ属(Bordatella)種(例えば、B.ペルトゥッシス(B.pertussis));クロストリジウム属種(例えば、C.ペルフリンゲンス(C.perfringens)、C.テタニ(C.tetani)、C.ディッフィキレ(C.difficile)およびC.ボトゥリヌム(C.botulinum));ナイセリア属種(例えば、N.メニンギティディス(N.meningitidis)およびN.ゴノッロエアエ(N.gonorrhoeae));クラミジア属種(例えば、C.プシッタキ(C.psittaci)、C.プネウモニアエ(C.pneumoniae)およびC.トラコマティス(C.trachomatis));リケッチア属種(例えば、R.リケッチイ(R.richettsii)およびR.プロワゼキイ(R.prowazekii));赤痢菌属種(例えば、S.ソンネイ(S.sonnei));サルモネラ属種(例えば、S.テュピムリウム(S.typhimurium));エルシニア属種(例えば、Y.エンテロコリティカ(Y.enterocolitica)およびY.プセウドトゥベルクロシス(Y.pseudotuberculosis));クレブシエラ属種(例えば、K.プネウモニアエ(K.pneumoniae));マイコプラズマ属種(例えば、M.プネウモニアエ(M.pneumoniae));およびトリュパノソマ・ブルケイ(Trypanosoma brucei)が挙げられる。特定の実施形態において、本明細書に記述される化合物は、S.アウレウス(S.aureus)、E.ファエカリス(E.faecalis)、E.ファエキウム(E.faecium)、S.ピュオゲネス(S.pyogenes)、S.プネウモニア(S.pneumonia)、およびP.アエルギノサ(P.aeruginosa)からなる群から選択される細菌感染を患っている被験体を処置するために使用される。
【0147】
本明細書に記述される化合物の抗菌活性は、National Committee for Clinical Laboratory Standards.Performance Standards for Antimicrobial Susceptibility Testing;Fourteenth Informational Supplement.NCCLS document M100−S14{ISBN 1−56238−516−X}にさらに記述されている微量液体希釈最小発育阻止濃度(MIC)アッセイなどの当該技術分野において知られているアッセイを用いて評価され得る。このアッセイは、溶液中の視認できる細菌増殖を防ぐのに必要な化合物の最小濃度を決定するために使用され得る。一般的に、試験されるべき薬物は、連続的に希釈されてウェルに入れられ、液体細菌培養物のアリコートが添加される。この混合物は、適切な条件下においてインキュベートされ、次いで、細菌の増殖について試験される。低い抗菌活性を有するまたは抗菌活性を有さない化合物(高MIC)は、高濃度の化合物での増殖を可能にするのに対して、高い抗菌活性を有する化合物は、より低い濃度でしか細菌増殖を可能にしない(低MIC)。
【0148】
このアッセイは、選択された細菌菌株に適切な保存細菌培養条件を用いる。永久保存培養物コレクションからの保存培養物は、−70℃にて凍結懸濁液として保存され得る。培養物は、10%脱脂乳(BD)に懸濁された後にドライアイス/エタノール中で即座に凍結させられ、次いで−70℃の冷凍庫に入れられ得る。培養物は、室温(20℃)にて5%羊血液を含有するTryptic Soy Agar上に維持され得、各培養物は、MIC試験のあるさらなる時間前に凍結形態から回収されて移され得る。新しいプレートが試験の前日に接種され、一晩インキュベートされ、純度および同一性を確認するために調べられる。
【0149】
保存培養物から回収された培養物の同一性および純度は、汚染の可能性を排除するために確認され得る。菌株の同一性は、標準的な微生物学的方法(例えば、Murray et al.,Manual of Clinical Microbiology,Eighth Edition.ASM Press{ISBN 1−55581−255−4}参照)によって確認され得る。一般的に、培養物は、純度、予想されるコロニー形態、および溶血パターンの可視化のために、適切な寒天プレート上に画線培養される。グラム染色もまた利用され得る。同一性は、MicroScan WalkAway 40 SI Instrument(Dade Behring,West Sacramento,California)を用いて確認される。このデバイスは、自動化されたインキュベーター、読み取り機、およびコンピューターを利用して、同定目的のために、各生物によって行われる生化学反応を評価する。MicroScan WalkAwayはまた、予備的なMICを決定するためにも使用され得、この予備的なMICは、下に記述される方法を用いて確認され得る。
【0150】
凍結保存培養物は、微量液体希釈最小発育阻止濃度(MIC)試験を行うための初期生物供給源として使用され得る。保存培養物は、その使用前に、少なくとも1増殖サイクル(18〜24時間)の間、標準的な増殖培地の上に放置される。ほとんどの細菌が、適切なブロス培地の10mLアリコートで寒天プレートから直接調製され得る。細菌培養物は、0.5McFarland標準の混濁度(600nmの波長に設定された、Perkin−Elmer Lambda EZ150 Spectrophotometer(Wellesley,Massachusetts)で0.28〜0.33の光学密度値)に調整される。調整された培養物は、次いで、増殖培地で400倍(0.25mL接種物+100mLブロス)に希釈されて、およそ5×105コロニー形成単位(CFU)/mLの出発懸濁液を作製する。ほとんどの細菌菌株は、カチオン調整されたMueller Hinton Broth(CAMHB)中で試験され得る。
【0151】
試験化合物(「薬物」)は、アッセイに好適な溶媒(例えば、DMSO)で可溶化される。薬物ストック溶液は、試験の当日に調製され得る。微量液体希釈ストックプレートが、64〜0.06μg薬物/mLおよび0.25〜0.00025μg薬物/mLの2つの希釈系列で調製され得る。高濃度系列については、200μLのストック溶液(2mg/mL)が、96ウェルマイクロタイタープレートの二重反復試験列に添加される。これが、希釈系列における第1のウェルとして使用される。連続2倍漸減希釈は、残りの11ウェルのうちの10ウェルを用い、BioMek FXロボット(Beckman Coulter Inc,.Fullerton,CA)を用いて作製され、そのウェルの各々は100μLの適切な溶媒/希釈剤を含有するであろう。列12は、溶媒/希釈剤のみを含有し、コントロールとしての役割を果たす。低濃度系列の第1のウェルについては、200μLの8μg/mLストックが、96ウェルプレートの二重反復試験列に添加される。連続2倍希釈物が、上に記述されたように作製される。
【0152】
BioMek FXロボットを用いて上記のストックプレートから娘96ウェルプレートにスポット(3.2μL/ウェル)され、この娘96ウェルプレートは、直ちに使用されるか、使用まで−70℃で凍結させられ得る。好気性生物が、BioMek FXロボットを用いて、解凍されたプレート中に接種(100μL体積)される。接種されたプレートは、積重ねて置かれ、空のプレートがかぶせられる。次いで、これらのプレートは、CLSIガイドライン(National Committee for Clinical Laboratory Standards,Methods for Dilution,Antimicrobial Tests for Bacteria that Grow Aerobically;Approved Standard−Sixth Edition.NCCLS document M7−A6{ISBN 1−56238−486−4})に従って周囲雰囲気で16〜24時間インキュベートされる。
【0153】
接種およびインキュベーション後に、暗室において、単一の光源が微量液体トレーの上表面を直接照らし透過する中で、Test Reading Mirror(Dynex Technologies 220 16)の助けを借りて、目視によって、細菌増殖の程度が評価され得る。MICは、この試験の条件下において肉眼で視認できる増殖を防ぐ、薬物の最低濃度である。
【0154】
特定の実施形態において、障害は、真菌感染である。処置され得る例示的な真菌としては、例えば、アクレモニウム属、アブシジア属(例えば、アブシディア・コリュムビフェラ(Absidia corymbifera))、アルテルナリア属、アスペルギルス属(例えば、アルペルギッルス・クラウァトゥス(Aspergillus clavatus)、アスペルギッルス・フラウゥス(Aspergillus flavus)、アスペルギッルス・フミガトゥス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギッルス・ニドゥランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギッルス・ニゲル(Aspergillus niger)、アスペルギッルス・テッレウス(Aspergillus terreus)、およびアスペルギッルス・ウェルシコロル(Aspergillus versicolor))、オーレオバシディウム属、バシジオボルス属、ブラストミセス属(例えば、ブラストミュケス・デルマティティディス(Blastomyces dermatitidis))、カンジダ属(例えば、カンディダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンディダ・グラブラタ(Candida glabrata)、カンディダ・グイッリエルモンディイ(Candida guilliermondii)、カンディダ・ケフュル(Candida kefyr)、カンディダ・クルセイ(Candida krusei)、カンディダ・ルシタニアエ(Candida lusitaniae)、カンディダ・パラプシロシス(Candida parapsilosis)、カンディダ・プセウドトロピカリス(Candida pseudotropicalis)、カンディダ・ステッラトイデア(Candida stellatoidea)、カンディダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、カンディダ・ウティリス(Candida utilis)、カンディダ・リポリュティカ(Candida lipolytica)、カンディダ・ファマタ(Candida famata)およびカンディダ・ルゴサ(Candida rugosa))、セファロスポリウム属、ケトミウム属、クリソスポリウム属、クラドスポリウム属(例えば、クラドスポリウム・カッリオニイ(Cladosporium carrionii)およびクラドスポリウム・トリクロイデス(Cladosporium trichloides))、コクシジオイデス属(例えば、コッキディオイデス・イッミティス(Coccidioides immitis))、コニジオボルス属、ヒトヨタケ属、コリネスポラ属、クリプトコッカス属(例えば、クリュプトコックス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans))、クルブラリア属、カニングハメラ属(例えば、クンニンガメッラ・エレガンス(Cunninghamella elegans))、エクソフィアラ属(例えば、エクソピアラ・デルマティティディス(Exophiala dermatitidis)およびエクソピアラ・スピニフェラ(Exophiala spinifera))、表皮菌属(例えば、エピデルモピュトン・フロッコスム(Epidermophyton floccosum))、フォンセカエア属(例えば、フォンセカエア・ペドロソイ(Fonsecaea pedrosoi))、フザリウム属(例えば、フサリウム・ソラニ(Fusarium solani))、ゲオトリクム属(例えば、ゲオトリクム・カンディッドゥム(Geotrichum candiddum)およびゲオトリクム・クラウァトゥム(Geotrichum clavatum)、ヘンデルソヌラ属、ヒストプラスマ属、レプトスファエリア属、ロボア属、マズレラ属、マラセチア属(例えば、マラッセジア・フルフル(Malassezia furfur))、小胞子菌属(例えば、ミクロスポルム・カニス(Microsporum canis)およびミクロスポルム・ギュプセウム(Microsporum gypseum))、マイコセントロスポラ属、ケカビ属、ネオテスツジナ属、ペシロミセス属、パラコクシジオイデス属(例えば、パラコッキディオイデス・ブラシリエンシス(Paracoccidioides brasiliensis))、ペニシリウム属(例えば、ペニシッリウム・マルネッフェイ(Penicillium marneffei))、フィアロフォラ属、ニューモシスチス属(例えば、プネウモキュスティス・カリニイ(Pneumocystis carinii))、シュードアレシェリア属(例えば、プセウダッレスケリア・ボイディイ(Pseudallescheria boydii))、リノスポリジウム属、リゾムコール属、リゾープス属(例えば、リゾプス・ミクロスポルス(Rhizopus microsporus var.rhizopodiformis)およびリゾプス・オリュザエ(Rhizopus oryzae))、サッカロミセス属(例えば、サッカロミュケス・ケレウィシアエ(Saccharomyces cerevisiae))、スコプラリオプシス属、スポロトリクス属(例えば、スポロトリクス・スケンキイ(Sporothrix schenckii))、白癬菌属(例えば、トリコピュトン・メンタグロピュテス(Trichophyton mentagrophytes)およびトリコピュトン・ルブルム(Trichophyton rubrum))、トリコスポロン属(例えば、トリコスポロン・アサヒイ(Trichosporon asahii)、トリコスポロン・ベイゲリイ(Trichosporon beigelii)およびトリコスポロン・クタネウム(Trichosporon cutaneum))、およびワンギエラ属が挙げられる。
【0155】
特定の実施形態において、障害は、免疫不全障害である。例示的な免疫不全障害としては、例えば、ヒト免疫不全ウイルス感染、化学療法により不完全な免疫系を有する患者、または不完全な免疫系を有する手術から回復しつつある患者が挙げられる。
【0156】
特定の実施形態において、被験体は、ヒトである。
【0157】
本発明の別の態様は、医薬の製造における本明細書に記述される化合物(例えば、式I、II、III、IV、またはVの化合物)の使用を提供する。特定の実施形態において、当該医薬は、本明細書に記述される障害(例えば、癌)を処置するためのものである。
【0158】
本発明の別の態様は、医学的障害(例えば、本明細書に記述される医学的障害(例えば、癌))を処置するための本明細書に記述される化合物(例えば、式I、II、III、IV、またはVの化合物)の使用を提供する。
【0159】
さらに、本明細書に記述されるテトラヒドロ[1,8]ナフチリジンおよび関連化合物(例えば、式I、II、III、IV、またはVの化合物)は、RORγの活性を促進し得ると考えられる。したがって、本発明の別の態様は、RORγの活性を促進する方法を提供する。当該方法は、有効量の本明細書に記述されるテトラヒドロ[1,8]ナフチリジンまたは関連化合物(例えば、式I、II、III、IV、またはVの化合物)にRORγを曝露してRORγ活性を促進することを含む(ここで、式I、II、III、IV、およびVは、上に記述されたとおりである)。特定の実施形態において、式I、II、III、IV、またはVの特定の化合物は、上に記述された実施形態のうちの1つによって定義される化合物である。RORγの活性を促進するとは、RORγの活性を高めることを意味する。特定の実施形態において、有効量の本明細書に記述されるテトラヒドロ[1,8]ナフチリジンまたは関連化合物(例えば、式I、II、III、IV、またはVの化合物)にRORγを曝露することは、実質的に同じ条件であるがテトラヒドロ[1,8]ナフチリジンまたは関連化合物の存在しない条件下におけるRORγの活性に比べて、少なくとも5%、10%、20%、または50%のRORγ活性の高まりを結果としてもたらす。
【0160】
さらに、本明細書に記述されるテトラヒドロ[1,8]ナフチリジンおよび関連化合物(例えば、式I、II、III、IV、またはVの化合物)は、被験体におけるインターロイキン−17(IL−17)の量を増加させ得ると考えられる。IL−17は、多数の生物学的機能に影響を及ぼすサイトカインである。したがって、本発明の別の態様は、被験体におけるIL−17の量を増加させる方法を提供する。当該方法は、有効量の本明細書に記述されるテトラヒドロ[1,8]ナフチリジンまたは関連化合物(例えば、式I、II、III、IV、またはVの化合物)を被験体に投与して、被験体におけるIL−17の量を増加させることを含む(ここで、式I、II、III、IV、およびVは、上に記述されたとおりである)。特定の実施形態において、式I、II、III、IV、またはVの特定の化合物は、上に記述された実施形態のうちの1つによって定義される化合物である。
【0161】
特定の実施形態において、被験体は、ヒトである。特定の実施形態において、当該化合物を投与することは、被験体においてTh−17細胞によって産生されるIL−17の量を増加させる。例えばTh−17細胞によって産生される、IL−17の量の変化は、文献に記述されている手順(例えば、ELISAアッセイまたは細胞内染色アッセイ)を用いて測定され得る。
【0162】
さらに、本明細書に記述されるテトラヒドロ[1,8]ナフチリジンおよび関連化合物(例えば、式I、II、III、IV、またはVの化合物)は、被験体におけるIL−17の合成を増加させ得ると考えられる。したがって、本発明の別の態様は、被験体におけるIL−17の合成を増加させる方法を提供する。当該方法は、有効量の本明細書に記述される化合物(例えば、式I、II、III、IV、またはVの化合物)を被験体に投与して、被験体におけるIL−17の合成を増加させることを含む(ここで、式I、II、III、IV、およびVは、上に記述されたとおりである)。特定の実施形態において、式I、II、III、IV、またはVの特定の化合物は、上に記述された実施形態のうちの1つによって定義される化合物である。
【0163】
上記の説明は、本明細書において使用される変数についての定義を提供する多数の実施形態を記述するものである。本出願はそのような変数のあらゆる組み合わせ(例えば、変数AおよびXについて述べられた定義の個々の組み合わせ)を特に企図している。
【0164】
III.併用療法
本発明の別の態様は、併用療法を提供する。テトラヒドロ[1,8]ナフチリジンおよび関連化合物(例えば、式I、II、III、IV、またはVの化合物)またはそれらの薬学的に受容可能な塩は、医学的障害(例えば、癌、細菌感染、真菌感染、および免疫不全障害)を処置するためのさらなる治療薬と組み合わせて使用され得る。
【0165】
癌を処置する際に併用療法の一部として使用され得る例示的な治療薬としては、例えば、マイトマイシン、トレチノイン、リボムスチン、ゲムシタビン、ビンクリスチン、エトポシド、クラドリビン、ミトブロニトール、メトトレキサート、ドキソルビシン、カルボコン、ペントスタチン、ニトラクリン、ジノスタチン、セトロレリックス、レトロゾール、ラルチトレキセド、ダウノルビシン、ファドロゾール、ホテムスチン、チマルファシン、ソブゾキサン、ネダプラチン、シタラビン、ビカルタミド、ビノレルビン、ベスナリノン、アミノグルテチミド、アムサクリン、プログルミド、エリプチニウムアセテート、ケタンセリン、ドキシフルリジン、エトレチナート、イソトレチノイン、ストレプトゾシン、ニムスチン、ビンデシン、フルタミド、ドロゲニル、ブトシン、カルモフール、ラゾキサン、シゾフィラン、カルボプラチン、ミトラクトール、テガフール、イホスファミド、プレドニムスチン、ピシバニール、レバミソール、テニポシド、インプロスルファン、エノシタビン、リスリド、オキシメトロン、タモキシフェン、プロゲステロン、メピチオスタン、エピチオスタノール、ホルメスタン、インターフェロン−α、インターフェロン−2α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、コロニー刺激因子−1、コロニー刺激因子−2、デニロイキン・ディフティトックス、インターロイキン−2、および黄体化ホルモン(leutinizing hormone)放出因子が挙げられる。
【0166】
細菌感染を処置する際に併用療法の一部として使用され得る例示的な治療薬としては、例えば、アモキシシリン、アジスロマイシン、セファゾリン、セフトリアキソン、セフロキシム、セファレキシン、シプロフロキサシン、クリンダマイシン、ドキシサイクリン、レボフロキサシン、リネゾリド、メトロニダゾール、モキシフロキサシン、およびペニシリンが挙げられる。
【0167】
真菌感染を処置する際に併用療法の一部として使用され得る例示的な治療薬としては、例えば、2−フェニルフェノール;8−ヒドロキシキノリン硫酸塩、アシベンゾラル−S−メチル;アルジモルフ;アミドフルメト;アンプロピルホス;アンプロピルホス−カリウム;アンドプリム;アニラジン;アザコナゾール;アゾキシストロビン;ベナラキシル;ベノダニル;ベノミル;ベンチアバリカルブ−イソプロピル;ベンザマクリル;ベンザマクリル−イソブチル;ビラナホス;ビナパクリル;ビフェニル;ビテルタノール;ブラスチシジン−S;ブロムコナゾール;ブチルアミン;多硫化カルシウム;カプシマイシン;カプタホール;キャプタン;カルベンダジム;カルボキシン;カルプロパミド;カルボン;キノメチオナト;クロベンチアゾン;クロルフェナゾール;クロロネブ;クロロタロニル;クロゾリナート;クロジラコン;シアゾファミド;シフルフェナミド;シモキサニル;シプロコナゾール;シプロジニル;シプロフラム;ダガーG;デバカルブ;ジクロフルアニド;ジクロン;ジクロロフェン;ジクロシメット;ジクロメジン;ジクロラン;ジエトフェンカルブ;ジフェノコナゾール;ジフルメトリム;ジメチリモール;ジメトモルフ;ジモキシストロビン;ジニコナゾール;ジニコナゾール−M;ジノカップ;ジフェニルアミン;ジピリチオン;ジタリムホス;ジチアノン;ドジン;ドラゾキソロン;エジフェンホス;エポキシコナゾール;エタボキサム;エチリモール;エトリジアゾール;ファモキサドン;フェナミドン;フェナパニル;フェナリモル;フェンブコナゾール;フェンフラム;フェンヘキサミド;フェニトロパン;フェノキサニル;フェンピクロニル;フェンプロピジン;フェンプロピモルフ;フェルバム;フルアジナム;フルベンゾイミン;フルジオキソニル;フルメトベル;フルモルフ;フルオロミド;フルオキサストロビン;フルキンコナゾール;フルルプリミドール;フルシラゾール;フルスルファミド;ヘキサコナゾール;ヒメキサゾール;イマザリル;イミベンコナゾール;イミノクタジントリアセテート;イミノクタジントリス(アルベシル);ヨードカルブ;イプコナゾール;イプロベンホス;イプロジオン;イプロバリカルブ;イルママイシン;イソプロチオラン;イソバレジオン;カスガマイシン;クレソキシム−メチル;オキシフェンチイン;パクロブトラゾール;ペフラゾエート;ペンコナゾール;ペンシクロン;ホスダイフェン;フサライド;ピコキシストロビン;ピペラリン;ポリオキシン類;ポリオキソリム;プロベナゾール;プロクロラズ;プロシミドン;プロパモカルブ;プロパノシン−ナトリウム;プロピコナゾール;プロピネブ;プロキナジド;プロチオコナゾール;ピラクロストロビン;ピラゾホス;ピリフェノックス;ピリメタニル;ピロキロン;ピロキシフル;ピロールニトリン;テトラコナゾール;チアベンダゾール;チシオフェン;チフルザミド;チオファネート−メチル;チラム;チオキシミド;トリシクラゾール;トリデモルフ;トリフロキシストロビン;トリフルミゾール;トリホリン;トリチコナゾール;ウニコナゾール;バリダマイシンA;ビンクロゾリン;ジネブ;ジラム;およびゾキサミドが挙げられる。
【0168】
テトラヒドロ[1,8]ナフチリジンまたは関連化合物(例えば、式I、II、III、IV、またはVの化合物)およびさらなる治療薬の量ならびに相対的な投与タイミングは、所望の併用療法効果を達成するように選択され得る。例えば、併用療法をそのような投与を必要とする患者に投与する際に、組み合わせの治療薬、または治療薬を含む薬学的組成物(1つまたは複数)は、例えば、逐次的に、同時に、一緒に、一斉になどのような任意の順序で投与され得る。さらに、例えば、テトラヒドロ[1,8]ナフチリジンまたは関連化合物(例えば、式I、II、III、IV,またはVのいずれか1つの化合物)は、さらなる治療薬(1つまたは複数)がその予防効果または治療効果を発揮している時間の間に投与され得る(逆の場合も同じ)。
【0169】
併用療法において用いられる有効成分の用量および投与レジメンは、主治医である臨床医によって決定され得る。特定の実施形態において、テトラヒドロ[1,8]ナフチリジンまたは関連化合物(例えば、式I、II、III、IV、またはVのうちのいずれか1つの化合物)およびさらなる治療薬(1つまたは複数)は、かかる薬剤が障害を処置するために単独療法として用いられる場合に一般的に使用される用量で投与される。他の実施形態において、テトラヒドロ[1,8]ナフチリジンまたは関連化合物(例えば、式I、II、III、IV、またはVのうちのいずれか1つの化合物)およびさらなる治療薬(1つまたは複数)は、かかる薬剤が障害を処置するために単独療法として用いられる場合に一般的に使用される用量よりも少ない用量で投与される。特定の実施形態において、テトラヒドロ[1,8]ナフチリジンまたは関連化合物(例えば、式I、II、III、IV、またはVのうちのいずれか1つの化合物)およびさらなる治療薬(1つまたは複数)は、経口投与に好適な、同じ組成物中に存在する。
【0170】
特定の実施形態において、テトラヒドロ[1,8]ナフチリジンまたは関連化合物(例えば、式I、II、III、IV、またはVのうちのいずれか1つの化合物)およびさらなる治療薬(1つまたは複数)は、相加的または相乗的に作用し得る。相乗的な組み合わせは、併用療法の1種以上の薬剤のより少ない投与量および/または1種以上の薬剤のより少ない頻度の投与の使用を可能にし得る。1種以上の薬剤のより少ない投与量またはより少ない頻度の投与は、治療の有効性を減じることなく治療の毒性を低下させ得る。
【0171】
本発明の別の態様は、治療有効量のテトラヒドロ[1,8]ナフチリジンまたは関連化合物(例えば、式I、II、III、IV、またはVのうちのいずれか1つの化合物)と、薬学的に受容可能なキャリア、ビヒクルまたは希釈剤と、任意選択で少なくとも1つの上に列挙されたさらなる治療薬とを含むキットである。
【0172】
IV.薬学的組成物および投与上考慮すべき事項
上に示されたように、本発明は、治療有効量の1種以上の上に記述された化合物を、1種以上の薬学的に受容可能なキャリア(添加剤)および/または希釈剤と一緒に処方されて含む、薬学的組成物を提供する。薬学的組成物は、下記、すなわち、(1)経口投与(例えば、水剤(水性または非水性の溶液または懸濁液)、錠剤(例えば、口腔粘膜吸収、舌下吸収、および全身吸収を対象とするもの)、大型丸剤、散剤、顆粒剤、舌への適用のためのペースト剤);(2)例えば皮下注射、筋肉内注射、静脈内注射または硬膜外注射による、例えば滅菌溶液もしくは懸濁液または徐放性処方物としての、非経口投与;(3)局所適用(例えば、皮膚に適用されるクリーム剤、軟膏剤、または制御放出パッチ剤またはスプレー剤として);(4)膣内または直腸内(例えば、膣坐剤、クリーム剤または泡剤として);(5)舌下;(6)眼;(7)経皮;または(8)経鼻に適合された形態を含む、固体形態または液体形態での投与のために、特別に処方され得る。
【0173】
語句「治療有効量」とは、本明細書で使用される場合、いかなる医学的処置にも適用可能な合理的な利益/危険比で、動物における細胞の少なくとも部分集団においていくらかの所望の治療効果を生じるのに有効な、本発明の化合物を含む化合物、物質、または組成物の量を意味する。
【0174】
語句「薬学的に受容可能な」は、健全な医学的判断の範囲内において、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症のないヒトおよび動物の組織との接触使用に好適な、合理的な利益/危険比に相応した、化合物、物質、組成物、および/または剤形をいうために、本明細書において使用される。
【0175】
湿潤剤、乳化剤および滑沢剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム)、ならびに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、矯味矯臭剤および香料、保存剤、ならびに酸化防止剤もまた、組成物中に存在し得る。
【0176】
薬学的に受容可能な酸化防止剤の例としては、(1)水溶性酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど);(2)油溶性酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸パルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α−トコフェロールなど);および(3)金属キレート剤(例えば、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸など)が挙げられる。
【0177】
本発明の処方物には、経口投与、経鼻投与、局所投与(口腔粘膜および舌下を含む)、直腸投与、膣投与および/または非経口投与に好適なものが含まれる。処方物は、単位剤形で好都合に提供され得、薬学の技術分野においてよく知られている任意の方法によって調製され得る。単一の剤形を作製するためにキャリア物質と組み合わされ得る有効成分の量は、処置されることになる宿主、特定の投与方法によって様々であろう。単一の剤形を作製するためにキャリア物質と組み合わされ得る有効成分の量は、一般的には、治療効果を生じる化合物量であろう。一般的に、100パーセントのうち、この量は、約0.1パーセント〜約99パーセント、好ましくは約5パーセント〜約70パーセント、最も好ましくは約10パーセント〜約30パーセントの有効成分の範囲であろう。
【0178】
特定の実施形態において、本発明の処方物は、シクロデキストリン、セルロース、リポソーム、ミセル形成剤(例えば、胆汁酸)、および重合体キャリア(例えば、ポリエステルおよびポリ無水物)からなる群から選択される賦形剤と、本発明の化合物とを含む。特定の実施形態において、上述の処方物は、本発明の化合物を、経口で生物利用可能であるものにする。
【0179】
これらの処方物または組成物を調製する方法は、本発明の化合物を、キャリアおよび任意選択で1種以上の補助成分と会合させる工程を含む。一般的に、処方物は、均一かつ密接に本発明の化合物を液体キャリアもしくは微粉固体キャリアまたはその両方と会合させ、次いで必要であれば、その生成物を成形することにより調製される。
【0180】
経口投与に好適な本発明の処方物は、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ剤(通常はスクロースおよびアラビアゴムまたはトラガカントゴムである、風味を付けた基剤を用いる)、散剤、顆粒剤の形態であるか、または水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液として、または水中油もしくは油中水の液体エマルションとして、またはエリキシル剤もしくはシロップ剤として、またはパステル剤(不活性な基剤(例えば、ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアラビアゴム)を用いる)として、および/または口内洗浄薬などとして存在し得、各々、所定量の本発明の化合物を有効成分として含有する。本発明の化合物はまた、大型丸剤、舐剤またはペースト剤としても投与され得る。
【0181】
経口投与のための本発明の固体剤形(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠、散剤、顆粒剤、トローチ剤など)において、有効成分は、1種以上の薬学的に受容可能なキャリア(例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム)および/または下記のもの、すなわち、(1)充填剤または増量剤(例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸);(2)結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアラビアゴムなど);(3)保湿剤(例えば、グリセロール);(4)崩壊剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のシリケート、および炭酸ナトリウム);(5)溶解遅延剤(例えば、パラフィン);(6)吸収促進剤(例えば、第四級アンモニウム化合物)および界面活性剤(例えば、ポロキサマーおよびラウリル硫酸ナトリウム);(7)湿潤剤(例えば、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセロール、および非イオン界面活性剤など);(8)吸収剤(例えば、カオリンおよびベントナイト粘土);(9)滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、およびそれらの混合物);(10)着色剤;ならびに(11)制御放出剤(例えば、クロスポビドンまたはエチルセルロース)のうちの任意のものと、混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合においては、薬学的組成物は、緩衝剤も含み得る。同様の種類の固体組成物が、ラクトースまたは乳糖のような賦形剤ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどを用いた軟殻および硬殻ゼラチンカプセル中の充填剤としても使用され得る。
【0182】
錠剤は、任意選択で1種以上の補助成分と一緒に、圧縮または成形することにより作製され得る。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、界面活性剤または分散剤を用いて調製され得る。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を好適な機械で成形することにより作製され得る。
【0183】
本発明の薬学的組成物の錠剤および他の固体剤形(例えば、糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤)は、任意選択で割線が入れられ得る、またはコーティングおよび殻(例えば、腸溶コーティングおよび薬剤処方技術分野においてよく知られている他のコーティング)を伴って調製され得る。それらはまた、例えば所望の放出プロファイルをもたらす様々な割合のヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、リポソームおよび/または微小球を用いて、それらの中の有効成分の遅延放出または制御放出を提供するようにも処方され得る。それらは、迅速な放出に向けて処方(例えば、凍結乾燥)され得る。それらは、例えば細菌保持フィルターに通して濾過することにより、または、使用の直前に滅菌水もしくは何らかの他の滅菌注射可能媒体に溶解され得る滅菌固体組成物の形態に滅菌剤を組み込むことにより、滅菌され得る。これらの組成物はまた、乳白剤を任意選択で含有し得、また、胃腸管の特定の部分でのみまたはそこで優先的に、任意選択で遅延様式で、有効成分(1つまたは複数)を組成物が放出するという、組成のものであり得る。使用され得る埋封組成物の例としては、高分子物質および蝋が挙げられる。有効成分はまた、適切な場合には、上に記述された賦形剤のうちの1種以上を用いたマイクロカプセル化形態であり得る。
【0184】
本発明の化合物の経口投与のための液体剤形としては、薬学的に受容可能なエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップ剤、およびエリキシル剤が挙げられる。有効成分に加えて、液体剤形は、当該技術分野において一般的に使用されている不活性希釈剤(例えば、水または他の溶媒など)、可溶化剤および乳化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物)を含有し得る。
【0185】
不活性希釈剤の他に、経口組成物はまた、湿潤剤、乳化および懸濁化剤、甘味剤、矯味矯臭剤、着色剤、香料ならびに保存剤などの佐剤も含み得る。
【0186】
活性化合物に加えて、懸濁液は、懸濁化剤(例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微晶質セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天ならびにトラガカントゴム、ならびにそれらの混合物など)を含有し得る。
【0187】
直腸投与または膣投与のための本発明の薬学的組成物の処方物は、坐剤として提供され得、この坐剤は、1種以上の本発明の化合物と、例えばカカオ脂、ポリエチレングリコール、坐剤蝋またはサリチレートを含む、1種以上の好適な非刺激性賦形剤またはキャリアとを混合することにより調製され得るものであり、室温では固体であるが体温では液体であるので、直腸または膣腔内で溶解して、活性化合物を放出するであろう。
【0188】
膣投与に好適な本発明の処方物には、当該技術分野において適切であることが知られているようなキャリアを含有する、膣坐剤、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、泡剤またはスプレー処方物もまた含まれる。
【0189】
本発明の化合物の局所投与または経皮投与のための剤形としては、散剤、スプレー剤、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、溶液、パッチ剤および吸入剤が挙げられる。活性化合物は、滅菌条件下において、薬学的に受容可能なキャリア、および必要とされ得る任意の保存剤、緩衝剤、または噴射剤と、混合され得る。
【0190】
軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤およびゲル剤は、本発明の活性化合物に加えて、動物油脂および植物油脂、油、蝋、パラフィン、デンプン、トラガカントゴム、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはそれらの混合物などの、賦形剤を含有し得る。
【0191】
散剤およびスプレー剤は、本発明の化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物などの、賦形剤を含有し得る。スプレー剤は、通例の噴射剤(例えば、クロロフルオロ炭化水素および揮発性の非置換炭化水素(例えば、ブタンおよびプロパン))をさらに含有し得る。
【0192】
経皮パッチ剤は、身体への本発明の化合物の制御送達を提供するという追加的な利点を有する。かかる剤形は、適切な媒体中に当該化合物を溶解または分散させることによって作製され得る。吸収促進剤もまた、皮膚を横切る化合物のフラックスを増加させるために使用され得る。そのようなフラックスの速度は、速度制御膜を備えることまたはポリマーマトリックスもしくはゲル中に当該化合物を分散させることのいずれかによって制御され得る。
【0193】
眼科用処方物、眼用軟膏剤、散剤、溶液などもまた、本発明の範囲内にあるものとして企図される。
【0194】
非経口投与に好適な本発明の薬学的組成物は、1種以上の本発明の化合物を、1種以上の薬学的に受容可能な滅菌等張水性もしくは非水性溶液、分散液、懸濁液もしくはエマルション、または使用直前に滅菌注射可能溶液もしくは分散液中に再構成され得る滅菌粉末(これらは、糖、アルコール、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、処方物を意図されたレシピエントの血液と等張にする溶質、または懸濁化もしくは濃稠化剤を含有し得る)と組み合わせて含む。
【0195】
本発明の薬学的組成物において使用され得る好適な水性および非水性キャリアの例としては、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、およびそれらの好適な混合物、植物油(例えば、オリーブ油)、ならびに注射可能な有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)が挙げられる。適切な流動性は、例えば、コーティング材料(例えば、レシチン)の使用によって、分散液の場合においては必要とされる粒径の維持によって、そして界面活性剤の使用によって、維持され得る。
【0196】
これらの組成物はまた、保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤などの佐剤も含有し得る。対象化合物に対する微生物の作用の防止は、種々の抗細菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸など)を含めることにより確実にされ得る。等張剤(例えば、糖、塩化ナトリウムなど)を組成物中に含めることもまた、望ましくあり得る。さらに、注射可能な薬学的形態の長期にわたる吸収が、吸収を遅延させる薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)を含めることによりもたらされ得る。
【0197】
場合によっては、薬物の効果を長引かせるために、皮下注射または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅らせることが望ましい。これは、低水溶性を有する結晶質または非晶質物質の液体懸濁液の使用によって達成され得る。その場合、薬物の吸収速度は、それの溶解速度によって決まり、そしてまたその溶解速度は、結晶サイズおよび結晶形によって決まり得る。代替的に、非経口投与薬物形態の遅延吸収は、薬物を油性ビヒクルに溶解または懸濁させることにより達成される。
【0198】
注射可能なデポー形態が、ポリラクチド−ポリグリコリドのような生分解性ポリマー中に対象化合物のマイクロカプセルマトリックスを形成することにより作製される。薬物とポリマーとの比、および使用される特定のポリマーの性質により、薬物放出速度が制御され得る。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射可能処方物はまた、身体組織と適合性のリポソームまたはマイクロエマルション中に薬物を閉じ込めることによっても調製される。
【0199】
本発明の化合物が製薬としてヒトおよび動物に投与される場合、それらは、それ自体で与えられるか、または例えば0.1〜99%(より好ましくは、10〜30%)の有効成分を薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて含有する薬学的組成物として与えられ得る。
【0200】
本発明の調製物は、経口、非経口、局所、または直腸より投与され得る。それらは、当然、各投与経路に好適な形態で投与される。例えば、それらは、錠剤またはカプセル形態として投与されるか、注射、吸入、眼用ローション、軟膏剤、坐剤などにより投与されるか、注射、注入または吸入による投与;ローションまたは軟膏剤による局所投与;および坐剤による直腸投与により投与される。経口投与が好ましい。
【0201】
語句「非経口投与」および「非経口投与される」とは、本明細書で使用される場合、経腸投与および局所投与以外の、通常は注射による、投与方法を意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内(intraarticulare)、被膜下、クモ膜下、脊髄内および胸骨内注射および注入を含むが、これらに限定されない。
【0202】
語句「全身投与」、「全身投与される」、「末梢投与」および「末梢投与される」とは、本明細書で使用される場合、中枢神経系内に直接投与する以外の化合物、薬物または他の物質の投与であって、それが患者の系に入り、したがって代謝および他の類似の過程に曝されることとなるような投与(例えば、皮下投与)を意味する。
【0203】
これらの化合物は、任意の好適な投与経路(経口、経鼻(例えば、スプレー剤などによる)、直腸、膣内、非経口、槽内および局所(散剤、軟膏剤または滴剤などによる)(口腔粘膜および舌下を含む)を含む)によって、治療のためにヒトおよび他の動物に投与され得る。
【0204】
選択された投与経路に関わらず、好適な水和形態で使用され得る本発明の化合物、および/または本発明の薬学的組成物は、当業者に知られている従来の方法によって薬学的に受容可能な剤形に処方される。
【0205】
本発明の薬学的組成物中の有効成分の実際の投与量レベルは、特定の患者、組成物、および投与方法について、患者に対して毒性となることなしに、所望の治療応答を達成するのに有効な有効成分の量を得るように変更され得る。
【0206】
選択される投与量レベルは、様々な要因(使用される本発明の特定の化合物、またはそのエステル、塩もしくはアミドの活性、投与経路、投与時間、使用されることになる特定の化合物の排泄または代謝の速度、吸収の速度および程度、処置の持続期間、使用される特定の化合物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物および/または物質、処置されることになる患者の年齢、性別、体重、状態、一般的な健康状態および既往歴、ならびに医学の技術分野においてよく知られている類似の要因を含む)によって決まるであろう。
【0207】
当該技術分野における通常の技術を有する医師または獣医は、必要とされる薬学的組成物の有効量を容易に決定して処方し得る。例えば、医師または獣医は、薬学的組成物において使用される本発明の化合物の用量を、所望の治療効果を達成するために必要とされるレベルよりも低いレベルで使い始め、所望の効果が達成されるまで、その投与量を徐々に増加させ得るであろう。
【0208】
一般的に、本発明の化合物の好適な1日用量は、治療効果を生じるのに有効な最低用量である化合物の量であろう。そのような有効用量は、一般的に、上に記述された要因によって決まるであろう。好ましくは当該化合物は、約0.01mg/kg〜約200mg/kg、より好ましくは約0.1mg/kg〜約100mg/kg、さらにより好ましくは約0.5mg/kg〜約50mg/kgで投与される。本明細書に記述される化合物は、別の薬剤(例えば、増感剤など)と共投与される場合、有効量は、当該薬剤が単独で使用される場合よりも少ないものであり得る。
【0209】
所望される場合は、活性化合物の有効1日用量は、2個、3個、4個、5個、6個またはそれ以上の部分用量として投与され得、任意選択で単位剤形で、1日を通して適切な間隔をおいて別個に投与される。好ましい投薬は、1日1回の投与である。
【0210】
本発明はさらに、免疫または炎症障害(例えば、本明細書に記述される特定の免疫障害または炎症障害のうちの1つ)の処置のために、本明細書に記述されるテトラヒドロ[1,8]ナフチリジンまたは関連化合物(例えば、式I〜Vのいずれか1つの化合物または本明細書に(例えば、表1〜3に)記述される具体的な化合物)を治療有効量で含む単位剤形(例えば、錠剤またはカプセル剤)を提供する。
【実施例】
【0211】
本発明は、これまで一般的に記述されているが、以下の実施例を参照すれば、より容易に理解されるであろう。以下の実施例は、単に本発明の特定の態様および実施形態の例示の目的のために含まれるにすぎず、本発明を限定することが意図されるものではない。
【0212】
実施例1−2,6−ジフルオロ−N−(8−(4−フルオロベンゼンスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−イル)ベンズアミド(1)の合成
【化39】
表題の化合物を、下に記述される手順に従って調製した。
【0213】
パートI−[1,8]−ナフチリジン−2−イルアミンの合成
【化40】
ピリジン−2,6−ジアミン(0.30g、2.8mmol)、3−ジメチルアミノアクロレイン(90%、0.30g、2.8mmol)、およびポリリン酸(PPA)(2.7mL)を組み合わせ、この反応混合物を10時間にわたり120℃に加熱した。次いで、反応混合物を氷水上に注ぎ、固体炭酸ナトリウムで中和した。結果として生じた水性混合物を酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、[1,8]−ナフチリジン−2−イルアミンを得た。収量85mg(21%)。LCMS(ESI):計算値 C
8H
7N
3=145;実測値 M+H=146。
【0214】
パートII−2,6−ジフルオロ−N−[1,8]ナフチリジン−2−イルベンズアミドの合成
【化41】
[1,8]−ナフチリジン−2−イルアミン(85mg、0.59mmol)を、ジクロロメタン(2mL)およびピリジン(0.10mL、1.2mmol)に溶解させた。次いで、2,6−ジフルオロベンゾイルクロリド(0.068mL、0.76mmol)を添加し、この反応混合物を室温で30分間撹拌した。次に、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、続いてブラインで洗浄した。結果として生じた有機溶液を、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、2,6−ジフルオロ−N−[1,8]ナフチリジン−2−イルベンズアミドを得た。収量35mg(21%)。LCMS(ESI):計算値 C
15H
9F
2N
3O=285;実測値 M+H=286。
【0215】
パートIII−2,6−ジフルオロ−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−イル)ベンズアミドの合成
【化42】
2,6−ジフルオロ−N−[1,8]ナフチリジン−2−イルベンズアミド(35mg、0.12mmol)および10%Pd/C(15mg)を、エタノール(5mL)に懸濁させた。次いで、濃HCl(0.02mL、0.24mmol)を添加し、この反応混合物を水素下(1気圧)で3時間撹拌した。次に、反応混合物をCeliteに通して濾過し、濃縮して、2,6−ジフルオロ−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−イル)ベンズアミドを得た。収量33mg(95%)。LCMS(ESI):計算値 C
15H
13F
2N
3O=289;実測値 M+H=290。
【0216】
パートIV−2,6−ジフルオロ−N−(8−(4−フルオロベンゼンスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−イル)ベンズアミドの合成
【化43】
2,6−ジフルオロ−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−イル)ベンズアミド(30mg、0.10mmol)を、ジクロロメタン(0.3mL)およびピリジン(0.025mL、0.31mmol)に溶解させた。次いで、4−フルオロベンゼンスルホニルクロリド(23mg、0.12mmol)を添加し、この反応混合物を室温で12時間撹拌した。次に、反応混合物を、1M HCl(水溶液)、飽和NaHCO
3(水溶液)、およびブラインで洗浄した。結果として生じた有機溶液を濃縮し、DMSOに溶解させ、HPLCにより精製して、2,6−ジフルオロ−N−(8−(4−フルオロベンゼンスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−イル]ベンズアミドを得た。
1H NMR 250MHz CDCl
3 δ 8.13(bs,1H),8.03(dd,J=7.9,4.3Hz,2H),7.83(d,J=7.9Hz,1H),7.48(p,J=6.5Hz,1H),7.38(d,J=7.9Hz,1H),7.15(t,J=7.9Hz,2H),7.06(t,J=7.8Hz,2H),4.07(dd,J=5.8,4.3Hz,2H),2.76(t,J=6.5Hz,2H),2.06(p,J=5.8Hz,2H)。LCMS(ESI):計算値 C
21H
16F
3N
3O
3S=447;実測値 M+H=448。
【0217】
実施例2−2,6−ジクロロ−N−[4−(トルエン−3−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル]−ベンズアミド(2)の合成
【化44】
パート1−(6−ブロモ−2−ニトロピリジン−3−イルオキシ)酢酸メチルエステルの合成
【化45】
6−ブロモ−2−ニトロピリジン−3−オール(10.8g、49.1mmol)を、ジメチルスルホキシド(DMSO)(30mL)に溶解させた。炭酸カリウム(13.6g、98.6mmol)およびブロモ酢酸メチルエステル(7.0mL、74mmol)を添加し、この反応混合物を60℃で2時間撹拌した。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、1N HCl(水溶液)で中和した。この水溶液を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄した。生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、EtOAc/ヘキサン)により精製して、(6−ブロモ−2−ニトロピリジン−3−イルオキシ)酢酸メチルエステルを得た。収量10.9g(37.5mmol、76%)。LCMS(ESI):計算値 C
8H
7BrN
2O
5=290、292;実測値 低イオン化。
【0218】
パートII−(2−アミノ−6−ブロモピリジン−3−イルオキシ)酢酸メチルエステルの合成
【化46】
(6−ブロモ−2−ニトロピリジン−3−イルオキシ)酢酸メチルエステル(10.9g、37.5mmol)を、メタノール(90mL)に溶解させた。次いで、濃HCl(10mL)を添加し、続いて鉄(6.4g、110mmol)を添加した。この反応混合物を、60℃で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、固体重炭酸ナトリウムで中和した。不溶性の鉄塩を、遠心分離により除去した。次いで、上清にシリカゲルを添加し、減圧下で溶媒を除去した。結果として生じた粗物質をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、EtOAc/ヘキサン)により精製して、(2−アミノ−6−ブロモピリジン−3−イルオキシ)酢酸メチルエステルを得た。収量4.0g(15mmol、40%)。LCMS(ESI):計算値 C
8H
9BrN
2O
3=260、262;実測値 M+H=261、263。
【0219】
パートIII−6−ブロモ−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オンの合成
【化47】
(2−アミノ−6−ブロモピリジン−3−イルオキシ)酢酸メチルエステル(4.0g、15mmol)を、MeOH(40mL)に溶解させた。K
2CO
3(3.0g、22mmol)を添加し、この反応物を70℃で1時間撹拌した。次いで、減圧下で溶媒を除去し、結果として生じたスラリーをジクロロメタン(DCM)に懸濁させ、H
2Oで洗浄し、次いでブラインで洗浄した。有機層を乾燥(Na
2SO
4)させ、DCM/Et
2Oから生成物を沈殿させて、6−ブロモ−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オンを得た。収量1.9g(8.3mmol、55%)。LCMS(ESI):計算値 C
7H
5BrN
2O
2=228、230;実測値 M+H=229、231。
【0220】
パートIV−6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジンの合成
【化48】
6−ブロモ−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン(1.35g、5.89mmol)を、THF(40mL)に溶解させた。ボランジメチルスルフィド複合体(THF中2.0M、5.89mL、11.79mmol)を添加し、結果として生じた混合物を窒素下で15分間70℃に加熱した。次に、反応混合物を室温まで冷却し、メタノール(約5mL)でクエンチし、次いで真空下で乾燥させて、白色固体を得た。粗物質をジクロロメタンに溶解させ、H
2Oで洗浄した。水相を廃棄し、有機相を真空下で乾燥させて、6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジンを得た。収量:1.1g(87%)。LCMS(ESI):計算値 C
7H
7BrN
2O=214、216;実測値 M+H=215、217。
【0221】
パートV−6−ブロモ−4−(トルエン−3−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジンの合成
【化49】
6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン(1.0g、4.65mmol)およびm−トリルスルホニルクロリドを、ピリジン(10mL)に溶解させた。結果として生じた混合物を、80℃で1時間撹拌した。m−トリルスルホニルクロリドのさらなる部分(0.98g、5.12mmol)を添加し、この反応混合物を80℃で16時間撹拌した。次に、過剰な溶媒を真空下で除去し、結果として生じた油状物を水で粉砕して黄褐色固体を得、これを真空濾過によって収集し、水およびジエチルエーテルで洗浄して、6−ブロモ−4−(トルエン−3−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジンを得た。収量1.3g(76%)。LCMS(ESI):計算値 C
14H
13BrN
2O
3S=368、370;実測値 M+H=369、371。
【0222】
パートVI−4−(トルエン−3−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミンの合成
【化50】
6−ブロモ−4−(トルエン−3−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン(300mg、0.81mmol)をp−ジオキサン(10mL)に溶解させ、続いてベンゾフェノンイミン(409μL、2.44mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(207mg、2.15mmol)、キサントホス(70mg、0.12mmol)、そして最後にPd
2(dba)
3(74mg、0.08mmol)を溶解させた。結果として生じた混合物を、2.5時間100℃に加熱した。次いで、反応混合物を真空下で濃縮し、酢酸エチルおよび水の混合物中で分配した。水相を廃棄し、有機相を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(12gシリカカラム、0〜60%EtOAc/ヘキサン)により精製して、4−(トルエン−3−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミンを得た。収量80mg(32%)。LCMS(ESI):計算値 C
14H
15N
3O
3S=305;実測値 M+H=306。
【0223】
パートVII−2,6−ジクロロ−N−[4−(トルエン−3−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル]−ベンズアミドの合成
【化51】
4−(トルエン−3−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミン(20mg、0.065mmol)を、p−ジオキサン(0.400mL)および水(0.100mL)に溶解させ、続いて2,6−ジクロロベンゾイルクロリド(21μL、0.098mmol)およびNaHCO
3(11mg、0.13mmol)を溶解させた。結果として生じた混合物を室温で15時間撹拌し、真空下で濃縮し、HPLCにより精製して、2,6−ジクロロ−N−[4−(トルエン−3−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル]−ベンズアミドを得た。LCMS(ESI):計算値 C
21H
17Cl
2N
3O
4S=477;実測値 M+H=478。
【0224】
実施例3−2−フェニル−N−[4−(トルエン−3−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル]−プロピオンアミド(3)の合成
【化52】
4−(トルエン−3−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルアミン(20mg、0.065mmol)を、N−メチルピロリジノン(0.5mL)に溶解させ、続いて(d,l)−2−フェニルプロピオン酸(30μL、0.11mmol)、HATU(45mg、0.12mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(23μL、0.13mmol)を溶解させた。この反応混合物を、室温で18時間撹拌した。それから、次いで、反応混合物をHPLCにより精製して、2−フェニル−N−[4−(トルエン−3−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル]−プロピオンアミドを得た。LCMS(ESI):計算値 C
23H
23N
3O
4S=437;実測値 M+H=438。
【0225】
実施例4−6−(ベンジルオキシ)−4−m−トリルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン(4)の合成
【化53】
ベンジルアルコール(400μL)中の6−ブロモ−4−(トルエン−3−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン(50mg、140mmol)に、CuI(15mg、79mmol)、1,10−フェナントロリン(15mg、83mmol)、およびCs
2CO
3(70mg、210mmol)を添加した。結果として生じた混合物を、2時間130℃に加熱した。次に、反応混合物を室温まで冷却し、少量の水でクエンチし、次いで酢酸エチルで抽出した。水相を廃棄し、有機相を減圧下で濃縮した。結果として生じた残渣をHPLCにより精製して、6−ベンジルオキシ−4−(トルエン−3−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジンを得た。LCMS(ESI):計算値 C
21H
20N
2O
4S=396;実測値 M+H=397。
【0226】
実施例5−6−(2,6−ジクロロベンジルオキシ)−4−m−トリルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン(5)の合成
【化54】
2,6−ジクロロベンジルアルコール(400μL)中の6−ブロモ−4−(トルエン−3−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン(50mg、140mmol)に、CuI(15mg、79mmol)、1,10−フェナントロリン(15mg、83mmol)、およびCs
2CO
3(70mg、210mmol)を添加した。結果として生じた混合物を、2時間130℃に加熱した。次に、反応混合物を室温まで冷却し、少量の水でクエンチし、次いで酢酸エチルで抽出した。水相を廃棄し、有機相を減圧下で濃縮した。結果として生じた残渣をHPLCにより精製して、6−(2,6−ジクロロ−ベンジルオキシ)−4−(トルエン−3−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2b][1,4]オキサジンを得た。LCMS(ESI):計算値 C
21H
18Cl
2N
2O
4S=464;実測値 M+H=465。
【0227】
実施例6−6−(1−フェニルエトキシ)−4−m−トリルスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン(6)の合成
【化55】
(d,l)−1−フェニルエタノール(400μL)中の6−ブロモ−4−(トルエン−3−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン(50mg、140mmol)に、CuI(15mg、79mmol)、1,10−フェナントロリン(15mg、83mmol)、およびCs
2CO
3(70mg、210mmol)を添加した。結果として生じた混合物を、2時間130℃に加熱した。次に、反応混合物を室温まで冷却し、少量の水でクエンチし、次いで酢酸エチルで抽出した。水相を廃棄し、有機相を減圧下で濃縮した。結果として生じた残渣をHPLCにより精製して、6−(1−フェニル−エトキシ)−4−(トルエン−3−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジンを得た。LCMS(ESI):計算値 C
22H
22N
2O
4S=410;実測値 M+H=411。
【0228】
実施例7−RORγ
活性についての生物学的アッセイ
上記の実施例からの例示的な化合物を、RORγ−リガンド結合ドメイン(LBD)TR−FRETアッセイを用いてRORγ活性を増加させる能力について試験した。アッセイの手順および結果を下に記述する。
【0229】
パートI−RORγ−リガンド結合ドメインTR−FRETアッセイのための手順
組換えHISタグ化RORγ−LBDを、バキュロウイルス発現系を用いてSF9細胞中で発現させた。細胞を溶解させ、その溶解産物をアッセイのためのRORγ−LBDの供給源として使用した。アッセイ緩衝液(25mM HEPES pH7.0、100mM NaCl、0.01%Tween、0.1%BSA)中のRORγ−LBD溶解産物の1:80希釈物を調製し、5μLを各ウェルに加えた(RORγ−LBD最終濃度 約3nM)。コントロールウェルには、RORγ−LBDを発現させていないSF9細胞からの溶解産物が入った。
【0230】
試験されるべき化合物を、DMSOで100倍最終試験濃度まで希釈し、さらにアッセイ緩衝液を用いて4倍最終試験濃度まで希釈して、試験化合物混合物を得た。試験化合物混合物のアリコート(5μL)を、各ウェルに加えた。
【0231】
SRC1−2(ビオチン−CPSSHSSLTERHKILHRLLQEGSPS)からのビオチン化LXXLLペプチドの4倍ストックをアッセイ緩衝液で調製し、5μLアリコートを各ウェルに添加した(450nM最終濃度)。ユウロピウムタグ化抗HIS抗体(2nM最終濃度)およびAPC複合体化ストレプトアビジン(60nM最終濃度)の4倍溶液を調製し、5μLアリコートを各ウェルに加えた。
【0232】
最終アッセイ混合物を、4時間から一晩にわたりインキュベートし、Envisionプレートリーダーで蛍光シグナルを測定した:(励起フィルター=340nm;APC発光=665nm;ユウロピウム発光=615nm;二色性ミラー=D400/D630;遅延時間=100μs、積分時間=200μs)。
【0233】
試験化合物についてのEC
50値は、GraphPad Prismソフトウェアを用いて、665nmにおける蛍光シグナルを615nmにおける蛍光シグナルで除した商から計算した。
【0234】
パートIII−結果
上記の実施例からの化合物1〜6を試験した。化合物1〜5は、15μM以下のEC
50を有すると判断された。化合物6については、20μM以下のEC
50値を測定するアッセイにおいて、RORγ活性の促進は検出されなかった。
【0235】
参照による援用
本明細書において参照される特許文献および科学論文の各々の全開示が、あらゆる目的のために参照により援用される。
【0236】
均等物
本発明は、その趣旨または本質的な特徴から逸脱することなく他の特定の形態で具現化され得る。したがって、上述の実施形態は、あらゆる点で、本明細書に記述される発明を限定するものではなく例示するものであると見なされるべきである。したがって、本発明の範囲は、上述の説明によってではなく添付の特許請求の範囲によって示されており、特許請求の範囲の均等性の意味および範囲の範囲内にある全ての変更が本発明の範囲に包含されることが意図される。