(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。
【0013】
本実施の形態では、送信者によって宛先を確認する場合に、宛先のメールアドレスに加えてダミーのメールアドレスを含ませ、送信者が不用意にダミーアドレスにチェックをしてしまった場合等に、警告メッセージの出力、送信不能処理等を行うこととしている。このような処理を可能ならしめている本実施の形態に係るシステムの構成、及び動作について、以下、詳細に説明する。
【0014】
(システム構成)
図2に、本発明の実施の形態に係るシステムの構成図を示す。
図2に示すように、本実施の形態に係るシステムは、クライアント端末10とメール送信管理装置20を有する。メール送信管理装置20はネットワーク30に接続されている。このネットワーク30は、メールサーバ等のメールを転送するために必要な機能を含むネットワークである。
【0015】
本実施の形態では、クライアント端末10から送信されたメールは、メール送信管理装置20に一旦蓄積され、クライアント端末10において宛先のチェックがなされた後に、ネットワーク30に送信される。なお、
図2は、クライアント端末10からメールを送信する場合の構成を示す図である。メール送信管理装置20は、ネットワーク30からメールを受信し、受信したメールをクライアント端末10に転送する機能を有してもよいし、メールの受信に関しては、メール送信管理装置20を経由しない構成としてもよい。
【0016】
クライアント端末10は、メール送受信を行うプログラムであるメーラ11を有する端末である。クライアント端末10は、CPU、メモリ等からなるコンピュータの機能を有し、プログラムを実行させ、画面表示及び情報入力を行うことができる端末であればその種類を問わない。クライアント端末10は、例えば、PC、スマートフォン等である。
図2には、送信確認ダイアログ12がクライアント端末10の中に示されている。送信確認ダイアログ12は、メール送信管理装置20からクライアント端末10に送信される情報に基づいて、クライアント端末10において表示される画面の名称であるが、当該画面は、クライアント端末10においてユーザとのダイアログ(対話)を行う機能を有するため、ここでは送信確認ダイアログ12として示している。
【0017】
図2に示すとおり、メール送信管理装置20は、メール誤送信防止制御部21、及びメール送信部22を有する。メール誤送信防止制御部21は、メール誤送信防止のための制御を行う機能部である。メール送信部22は、メール誤送信防止制御部21から送信指示を受けることにより、一旦蓄積しておいたメールをネットワーク30側に転送する機能部である。
【0018】
メール誤送信防止制御部21は、ダミーアドレス追加処理部23、ダミーアドレスチェック結果判定処理部24、ダミーアドレステーブル25、送信アドレス管理テーブル26を有する。
【0019】
ダミーアドレス追加処理部23は、クライアント端末10のメーラ11から送信されたメールを受信し、メール送信管理装置20が備えるメモリ等の記憶手段に格納しておくとともに、受信したメールの情報から、1つ又は複数の宛先アドレスを取得し、ダミーアドレステーブル25からダミーアドレスを取得し、これらのアドレスを記述した送信確認ダイアログの画面情報を作成し、当該送信確認ダイアログの画面情報をクライアント端末10に送信する機能部である。このとき、送信確認ダイアログに記述されたアドレスは、ダミーアドレス追加処理部23により宛先アドレス管理テーブル26に格納される。
【0020】
ダミーアドレスチェック結果判定処理部24は、クライアント端末10の送信確認ダイアログ12上でなされたユーザによる宛先アドレスチェック結果を受信し、その結果に基づいてメール送信、警告等の処理を行う機能部である。
【0021】
ダミーアドレステーブル25は、ダミーアドレスを格納する記憶部である。
図3に、ダミーアドレステーブル25の一例を示す。
図3に示す例では、ダミーアドレスがメールアドレスの形式で格納されているが、このような格納方法の他、アドレス部分(@の左側)とドメイン部分(@の右側)とを分けて格納し、ダミーアドレスを送信確認ダイアログの画面情報に加えるときに、アドレス部分とドメイン部分からダミーアドレスとしてのメールアドレスを生成してもよい。また、一度送信したメールの宛先アドレスをダミーアドレスとして使うために、ダミーアドレステーブル25に格納してもよい。
【0022】
なお、ダミーアドレステーブル25を持たず、メール取得時に宛先アドレスを分析して、宛先アドレスに関連するダミーアドレスを自動生成してもよい。宛先アドレスに関連するダミーアドレスとは、例えば、本来の宛先アドレスとドメイン部分が同じアドレスであり、送信者がよく確認しないと正しい宛先アドレスであると認識する可能性が高いアドレスである。
【0023】
図2における宛先アドレス管理テーブル26は、メール誤送信防止の対象となっているメールの宛先アドレスと、加えたダミーアドレスとを格納する記憶部である。
図4に宛先アドレス管理テーブルの一例を示す。
図4に示すように、宛先アドレス管理テーブル26には、宛先アドレスと、その宛先アドレスがダミーアドレスか否かを示すダミーフラグが保持されている。
【0024】
本実施の形態に係るメール送信管理装置20は、例えば、IP通信機能を持つコンピュータ(サーバ等)に、本実施の形態で説明する処理内容を記述したプログラムを実行させることにより実現可能である。すなわち、メール送信管理装置20の各部が有する機能は、当該装置を構成するコンピュータに内蔵されるCPUやメモリ、ハードディスクなどのハードウェア資源を用いて、各部で実施される処理に対応するプログラムを実行することによって実現することが可能である。上記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(可搬メモリ等)に記録して、保存したり、配布したりすることが可能である。また、上記プログラムをインターネットや電子メールなど、ネットワークを通して提供することも可能である。上記のように、コンピュータとプログラムにより本実施の形態に係る装置を実現できる点は、後述するように、クライアント端末10内にメール送信管理装置20の機能を有する場合も同様である。
【0025】
なお、
図2に示すメール送信管理装置20には、宛先アドレス確認に関わる機能が示されているが、この機能に加えて、特許文献1に開示された技術に基づく危険度等の評価機能を備えてもよい。
【0026】
また、
図2に示すメール送信管理装置20がメールサーバであってもよい。すなわち、メールサーバに、メール送信管理装置20の機能を有するプログラムが搭載され、実行されることにより、当該メールサーバが本来のメール送受信機能とともに、本実施の形態で説明するメール誤送信防止制御機能を備えることとしてもよい。
【0027】
また、
図2は、クライアント端末10とメール送信管理装置20とが別々の装置である場合を示しているが、メール送信管理装置20の機能(メール誤送信防止制御部21及びメール送信部22)をクライアント端末10内に備える構成としてもよい。その場合の構成例を
図5に示す。
図5の構成において、
図1における機能部と同じ機能を有する機能部には、同じ参照符号が付されている。
図2に示したメール送信管理装置20とクライアント端末10間の通信は、
図5においては、クライアント端末10内部の情報の受け渡しに相当する。
図5における操作・表示部27は、情報入力及び情報表示を行う機能部であり、物理的に複数の構成要素からなる機能部であってもよいし、タッチパネルのように、入力と表示の両方を行うことができる機能部であってもよい。操作・表示部27に送信確認ダイアログの画面がユーザに表示され、宛先チェック等を行い、チェック結果がダミーアドレスチェック結果判定処理部24に渡されることになる。
【0028】
メール送信管理装置20の機能をクライアント端末10内に備える場合、クライアント端末10をメール送信管理装置と呼ぶことができる。
【0029】
(メール送信管理装置20の動作)
以下、本実施の形態に係るメール送信管理装置20の動作を詳細に説明する。
【0030】
まず、クライアント端末10のメーラ11からメールが送信されてから、メール送信管理装置20が送信確認ダイアログ画面情報をクライアント端末10に送信するまでの処理を
図6のフローチャートを参照して説明する。
【0031】
クライアント端末10のユーザは、メーラ11を用いてメールを作成し、メーラ11上で送信操作を行うと、メールが送信され、メール送信管理装置20のメール誤送信防止制御部21が、送信されたメール(メール送信依頼に相当する)を受信する(ステップ1)。メール誤送信防止制御部21のダミーアドレス追加処理部23は、受信したメールをメモリ等の記憶手段に格納する。
【0032】
ダミーアドレス追加処理部23は、受信したメールのヘッダから、宛先アドレスを取得する(ステップ2)。本実施の形態において、ここで取得する宛先アドレスとして、To、CC、BCCの全てのアドレスを取得し、送信確認ダイアログの画面情報に含めることとするが、設定により、例えば、To、CCのみの宛先アドレスを取得し、これらを送信確認ダイアログの画面情報に含めることとしてもよい。
【0033】
続いて、ダミーアドレス追加処理部23は、ダミーアドレステーブル25(
図3に例示)からダミーアドレスを取得する(ステップ3)。複数のダミーアドレスのうちどのダミーアドレスを取得するかについては、ランダムに選択してもよいし、レコードの順番に選択してもよい。ただし、ダミーアドレスが、実際の宛先アドレスと同じになる可能性がある場合(一度送信したメールの宛先アドレスをダミーアドレスとして使用するような場合)は、ステップ2で取得した宛先アドレスと異なるダミーアドレスの中から、使用するダミーアドレスを選択する。前述したように、ダミーアドレスが、アドレス部分とドメイン部分とを分けて格納されている場合には、アドレス部分とドメイン部分を取得し、これらからダミーアドレスを生成する。また、前述したように、ダミーアドレステーブル25を持たない場合、ステップ3では、ダミーアドレス追加処理部23はダミーアドレスの自動生成を行う。
【0034】
ダミーアドレス追加処理部23は、ステップ2で取得した宛先アドレスと、ステップ3で取得又は生成したダミーアドレスとを含む送信確認ダイアログの画面情報を作成するとともに、これらの宛先アドレスとダミーアドレスとを宛先アドレス管理テーブル26(
図4に例示)に格納し、ダミーアドレスには、ダミーアドレスを識別するフラグを付ける(ステップ4)。送信確認ダイアログの画面情報は、例えば、HTML文書であるが、これに限られるわけではなく、クライアント端末10において、送信確認ダイアログ12の画面を表示し、ユーザとの対話を可能とする情報であればどのような情報でもよい。
【0035】
ダミーアドレス追加処理部23は、ステップ4で作成した送信確認ダイアログの画面情報をクライアント端末10に送信する(ステップ5)。送信確認ダイアログの画面情報を受信したクライアント端末10は、ユーザに送信確認ダイアログ12の画面を表示する。
【0036】
送信確認ダイアログの画面情報を受信したクライアント端末10においてユーザに表示される送信確認ダイアログ12の画面例を
図8に示す。
図8には、本実施の形態に関わる部分のみが示されており、ここで示す情報の他、例えば、特許文献1の技術に基づく評価情報等が表示されてもよい。
図8において、楕円で囲まれた4行目がダミーアドレスである。この画面上で、ダミーアドレスについてのチェックが入れられた場合には、メール送信は行われないことになる。この判定処理については後述する。
【0037】
なお、
図6に示した処理例では、宛先アドレスの数に関わらずに1つのダミーアドレスを追加することとしているが、宛先アドレスの数に応じて、ダミーアドレスの追加要否を判定してもよい。この場合、例えば、
図6のステップ3の前の段階において、ダミーアドレス追加処理部23が、ステップ2で取得した宛先アドレスの数と、予め定めた閾値とを比較し、宛先アドレスの数が閾値以上であればダミーアドレスを追加すると判断し、
図6のステップ3以降を実行する。また、例えば、宛先アドレスのドメイン部に着目し、全ての宛先アドレスにおけるドメインの種類の数と予め定めた閾値とを比較し、ドメインの種類の数が予め定めた閾値以上であればダミーアドレスを追加すると判断し、
図6のステップ3以降を実行することとしてもよい。また、特許文献1の技術を利用する場合は、メールの危険度が所定の閾値以上の場合に、ダミーアドレスを追加すると判断してもよい。
【0038】
次に、ダミーアドレスチェック結果判定処理部24によるダミーアドレスチェック結果判定処理について、
図7のフローチャートを参照して説明する。
【0039】
まず、
図6に示したステップ5の後、クライアント端末10には、
図8に示すような送信確認ダイアログ12の画面が表示されているものとする。ここで、ユーザが、自分が送信しようと考えている宛先を確認し、宛先アドレスにチェックを入れ、送信ボタンを押す(クリックする)。送信ボタンを押したことにより、チェック結果(表示されていたメールアドレスとチェックの有無を示す情報を含む)がメール送信管理装置20に送信される。
【0040】
その後、
図7のステップ11において、メール送信管理装置20のメール誤送信防止制御部21がチェック結果を受信する。
【0041】
メール誤送信防止制御部21により受信したチェック結果はダミーアドレスチェック結果判定処理部24に渡され、ダミーアドレスチェック結果判定処理部24が、チェック結果が正当であるか否かを判定する(ステップ12)。
【0042】
ステップ12では、ダミーアドレスチェック結果判定処理部24が、宛先アドレス管理テーブル26における宛先アドレス毎に、チェック結果に含まれる宛先アドレスのチェックの有無を調べる。そして、宛先アドレス管理テーブル26にて管理されたダミーアドレスを含む全ての宛先アドレスのうち、チェック結果においてダミーアドレスにのみチェックがないと判断した場合には正当であると判断しステップ14に進み、それ以外の場合は、正当でないと判断し、ステップ13に進む。
【0043】
上記それ以外の場合とは、ダミーアドレスにチェックが入っている場合、もしくは、ダミーアドレス以外の1つ又は複数の宛先アドレスの中にチェックが入っていない宛先アドレスがある場合である。
【0044】
ステップ13において、ダミーアドレスチェック結果判定処理部24は、クライアント端末10に対して送信不可であることを示す警告ダイアログの画面情報を送信する。これにより、警告ダイアログが表示されたクライアント端末10において、例えば、警告ダイアログ画面に表示される送信不可であることを確認する確認ボタンが押され、これにより、確認した旨の情報がメール送信管理装置20に送られ、メール送信管理装置20においてメール送信が中止され、受信したメールは破棄される。これは一例であり、例えば、警告ダイアログに、送信ボタンを設け、送信ボタンが押された場合には、メールを送信できるようにしてもよい。
【0045】
ステップ14では、ダミーアドレスチェック結果判定処理部24は、メール送信部22に対してメール送信を依頼する。これにより、メール送信部22は、メモリ等の記憶手段に格納されていたメールを読み出し、ネットワーク30に送信する。
【0046】
なお、ダミーアドレスチェック結果判定処理部24は、正当でないと判定された回数を送信ユーザ(送信元アドレス)単位でカウントし、その回数に応じて、ダミーアドレスの追加要否判定の閾値を下げたり、ダミーアドレスの数を増加させる等の対応をとってもよい。
【0047】
また、ステップ12の判定処理をクライアント端末10側で行うこととしてもよい。すなわち、この場合、クライアント端末10は、送信確認ダイアログ12の画面上で宛先アドレスにチェックが入ったかどうかを宛先アドレス毎に確認し、ダミーアドレスにのみチェックがない場合に、送信ボタンを押せるようにし、それ以外の場合(ダミーアドレスにチェックが入っている場合、もしくは、ダミーアドレス以外の宛先アドレスの中にチェックが入っていない宛先アドレスがある場合)には、送信ボタンを押せないようにする。送信ボタンが押せない限り、情報をメール送信管理装置20に送ることはできず、メール送信を行うことはできない。
【0048】
上記の動作を実現するための一例として、
図6のステップ4で作成する送信確認ダイアログの画面情報の中に、どの宛先アドレスがダミーアドレスであるかを示す情報と、上記の判定処理及び送信ボタンの制御処理を行うためのプログラムとを含め、これらを含めた送信確認ダイアログの画面情報をクライアント端末10に送信する。クライアント端末10では、送信確認ダイアログの画面が表示されるとともに、上記のプログラムが実行されることで、チェック結果の判定と送信ボタンの制御が行われる。このようにクライアント端末10側で判定処理を行う場合、メール送信管理装置20では、
図7に示した判定処理は不要であり、クライアント端末10から受信する送信ボタン押下による送信指示に基づいてメール送信を行う。
【0049】
また、上記のように送信ボタンを押せないようにする制御を、ダミーアドレスチェック結果判定処理部24が行うこととしてもよい。この場合、例えば、送信確認ダイアログの画面上で、宛先アドレスにチェックが入る度に、クライアント端末10は、その宛先アドレスとチェックが入ったことを示す情報とをダミーアドレスチェック結果判定処理部24に送り、ダミーアドレスチェック結果判定処理部24は、宛先アドレス管理テーブル26を参照することにより、ダミーアドレスのみにチェックがない状態を検出した場合に、送信ボタンを押せるようにする制御信号をクライアント端末10に送る。なお、クライアント端末10の送信確認ダイアログでは、上記制御信号を受信しない場合は送信ボタンを押せない。すなわち、ダミーアドレスチェック結果判定処理部24は、ダミーアドレスにチェックがなされている、もしくは、ダミーアドレス以外の宛先アドレスの中にチェックが入っていない宛先アドレスがあると判定した場合に、送信ボタンを押下できないようにする。
【0050】
上記制御信号を受けたクライアント端末10において送信ボタンが押されると、メール送信指示信号がダミーアドレスチェック結果判定処理部24に送られ、ダミーアドレスチェック結果判定処理部24がメール送信部22にメール送信指示を送ることにより、メール送信部22がメールをネットワーク30に送信する。つまり、ダミーアドレスチェック結果判定処理部24は、チェックの結果に基づき、宛先アドレスとダミーアドレスのうち、前記ダミーアドレスにのみチェックがなされていないと判定し、更に、送信確認ダイアログ画面上での送信ボタンが押下された場合に、メール送信部22によりメールをネットワークに送出する。
【0051】
なお、これまでに説明した例では、正当であると判定した場合(ダミーアドレスのみにチェックを入れていない場合)に直ぐに送信処理に移行することとしているが、正当であると判定した場合でも、送信者にダミーアドレスが含まれていた旨(チェックが正当であった旨)を図示しないダイアログ等で通知し、送信者が確認し、送信指示(送信ボタン押下)を行った後にメールをネットワークに送信するようにしてもよい。
【0052】
上記のとおり、本実施の形態に係る技術によれば、メールを送信する際に、送信者に宛先アドレスの確認を要求するシステムにおいて、送信者に宛先の確認を確実に行わせるための技術を提供することが可能となる。つまり、送信者によって、宛先確認を毎回確実に行うようになることで、不用意な宛先チェックがなくなり、メール誤送信の可能性を低減することができる。
【0053】
なお、上述した実施の形態では、宛先アドレスにダミーアドレスを追加して、送信確認ダイアログを作成することとしたが、宛先アドレス以外についてもダミー情報を用いることができる。例えば、実際の添付ファイルに加えてダミーの添付ファイルを付与するといったことができる。この場合の処理内容は、これまでに説明した処理において、添付ファイルを宛先アドレスに置き換え、ダミー添付ファイルをダミーアドレスに置き換えた場合と同様である。つまり、宛先アドレスの場合と同様に、クライアント端末10の画面上に実際の添付ファイル名とダミーの添付ファイル名をチェック可能に送信確認ダイアログにより表示し、送信者にチェックさせ、宛先アドレスの場合と同様の判定ロジックにより、メール送信制御を行うことができる。ユーザが実際に添付した添付ファイルや、記述した宛先アドレスは実情報とよぶことができ、この実情報は添付ファイルや宛先アドレスに限られない。
【0054】
つまり、本実施の形態によれば、メーラから送信された電子メールを取得し、当該電子メールから1つ又は複数の実情報を取得し、ダミー情報をダミー情報格納部から取得する手段と、前記実情報と前記ダミー情報のそれぞれをチェックできるように構成された送信確認ダイアログ画面をユーザに対して表示する手段と、前記送信確認ダイアログ画面上でユーザによりなされたチェックの結果を取得し、当該チェックの結果に基づき、前記実情報と前記ダミー情報のうち、前記ダミー情報にのみチェックがなされていないと判定した場合に、前記電子メールをネットワークに送出する判定処理手段とを備えるメール送信管理装置が提供される。
【0055】
以下、本明細書に開示される構成を例示的に列挙する。
(第1項)
メーラから送信された電子メールを取得し、当該電子メールから1つ又は複数の宛先アドレスを取得し、ダミーアドレスをダミーアドレス格納部から取得、又は生成する手段と、
前記宛先アドレスと前記ダミーアドレスのそれぞれをチェックできるように構成された送信確認ダイアログ画面をユーザに対して表示する手段と、
前記送信確認ダイアログ画面上でユーザによりなされたチェックの結果を取得し、当該チェックの結果が正当であると判定した場合に、前記電子メールをネットワークに送出する判定処理手段と
を備えることを特徴とするメール送信管理装置。
(第2項)
前記判定処理手段は、
前記チェックの結果において、前記宛先アドレスと前記ダミーアドレスのうち、前記ダミーアドレスにのみチェックがなされていない場合に、前記チェックの結果が正当であると判定し、前記電子メールをネットワークに送出し、
前記ダミーアドレスにチェックがなされている、もしくは、前記ダミーアドレス以外の宛先アドレスの中にチェックが入っていない宛先アドレスがある場合に、前記チェックの結果が正当でないと判定し、前記電子メールをネットワークに送出せずに、警告情報をユーザに表示する
ことを特徴とする第1項に記載のメール送信管理装置。
(第3項)
前記判定処理手段は、
前記チェックの結果において、前記宛先アドレスと前記ダミーアドレスのうち、前記ダミーアドレスにのみチェックがなされていない場合に、前記チェックの結果が正当であると判定し、更に、前記送信確認ダイアログ画面上での所定のボタンが押下された場合に、前記電子メールをネットワークに送出し、
前記ダミーアドレスにチェックがなされている、もしくは、前記ダミーアドレス以外の宛先アドレスの中にチェックが入っていない宛先アドレスがある場合に、前記チェックの結果が正当でないと判定し、前記所定のボタンを押下できないようにする
ことを特徴とする第1項に記載のメール送信管理装置。
(第4項)
メーラから送信された電子メールを取得し、当該電子メールから1つ又は複数の実情報を取得し、ダミー情報をダミー情報格納部から取得、又は生成する手段と、
前記実情報と前記ダミー情報のそれぞれをチェックできるように構成された送信確認ダイアログ画面をユーザに対して表示する手段と、
前記送信確認ダイアログ画面上でユーザによりなされたチェックの結果を取得し、当該チェックの結果が正当であると判定した場合に、前記電子メールをネットワークに送出する判定処理手段と
を備えることを特徴とするメール送信管理装置。
(第5項)
コンピュータにより実行されるメール送信制御方法であって、
メーラから送信された電子メールを取得し、当該電子メールから1つ又は複数の宛先アドレスを取得し、ダミーアドレスをダミーアドレス格納部から取得、又は生成するステップと、
前記宛先アドレスと前記ダミーアドレスのそれぞれをチェックできるように構成された送信確認ダイアログ画面をユーザに対して表示するステップと、
前記送信確認ダイアログ画面上でユーザによりなされたチェックの結果を取得し、当該チェックの結果が正当であると判定した場合に、前記電子メールをネットワークに送出する判定処理ステップと
を備えることを特徴とするメール送信制御方法。
(第6項)
コンピュータを、第1項ないし第4項のうちいずれか1項に記載のメール送信管理装置における各手段として機能させるためのプログラム。
【0056】
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々変更・応用が可能である。