(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243023
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】車両用シート用のロック表示器、車両用シート、自動車及び車両用シートをロックする方法
(51)【国際特許分類】
B60N 2/44 20060101AFI20171127BHJP
B60N 2/30 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
B60N2/44
B60N2/30
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-525970(P2016-525970)
(86)(22)【出願日】2014年10月22日
(65)【公表番号】特表2016-533945(P2016-533945A)
(43)【公表日】2016年11月4日
(86)【国際出願番号】EP2014072612
(87)【国際公開番号】WO2015059173
(87)【国際公開日】20150430
【審査請求日】2016年6月22日
(31)【優先権主張番号】102013221540.1
(32)【優先日】2013年10月23日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】596107062
【氏名又は名称】フォルクスヴァーゲン アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】VOLKSWAGEN AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】コッシ コンドー
(72)【発明者】
【氏名】ラース デーネカス
(72)【発明者】
【氏名】ルッツ クネーベル
【審査官】
望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−207630(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00−2/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のロック要素(5,6)を備える車両用シート(1)用のロック表示器であって、
前記ロック表示器は表示開口(23)を備え、前記表示開口(23)は、前記表示開口(23)内で視認可能なステータス表示器を有する、ロック表示器において、
各ロック要素(5,6)用に、前記ロック要素(5,6)のアンロックを示す表示部(21,22)を有するそれぞれ1つのステータス表示器(18,19)を備え、
前記アンロックを示す表示部(21,22)の少なくとも一部は、前記複数のロック要素(5,6)のうちの少なくとも1つがロックされていないとき、前記表示開口(23)の領域内に視認可能に配置されており、ロックされていない前記ロック要素(5,6)の前記アンロックを示す表示部(21,22)は、前記表示開口(23)から見たときに少なくとも部分的に互いに重なり合って配置されており、
前記少なくとも1つのステータス表示器(18,19)は、前記ロック要素(5,6)のロックを示す表示部(25)を有しており、
前記複数のロック要素(5,6)の全てが正しくロックされていない場合には、前記ロックを示す表示部(25)は、前記表示開口(23)内に視認することができないように構成されている、ことを特徴とする、車両用シート用のロック表示器。
【請求項2】
前記アンロックを示す表示部(21,22)と前記ロックを示す表示部(25)とは、それぞれ異なる色を有する、請求項1に記載のロック表示器。
【請求項3】
前記ステータス表示器(18,19)は、ばね(24)により、前記アンロックを示す表示部(21,22)が前記表示開口(23)の領域内に視認可能に配置されるように予め付勢されている、請求項1または2に記載のロック表示器。
【請求項4】
前記アンロックを示す表示部(21,22)は、ロック要素(5,6)がロックされているとき、前記表示開口(23)の領域外に配置されている、請求項1から3までのいずれか1項に記載のロック表示器。
【請求項5】
前記ステータス表示器(18,19)は、前記ロック要素(5,6)の操作用の伝達要素(12,13)に連結されている、請求項1から4までのいずれか1項に記載のロック表示器。
【請求項6】
前記伝達要素(12,13)は、連動体(16,17)を有するロープ伝動系を有し、前記ステータス表示器(18,19)は、前記アンロックを示す表示部(21,22)を動かすべく、前記連動体(16,17)により連動可能である、請求項5に記載のロック表示器。
【請求項7】
複数のロック要素(5,6)と、表示開口(23)であって、前記表示開口(23)内で視認可能なステータス表示器を有する表示開口(23)とを有する単数又は複数のロック機構(4)を備える車両用シートであって、請求項1から6までのいずれか1項に記載のロック表示器(10)を備えることを特徴とする、車両用シート。
【請求項8】
請求項7に記載の少なくとも1つのシート(1)を備える自動車。
【請求項9】
複数のロック要素により車両用シートをロックする方法であって、
前記複数のロック要素の第1のロック要素(5)をロックするステップと、
前記第1のロック要素(5)のアンロックを示す表示部(21,22)を表示開口(23)外に動かすステップと、
前記複数のロック要素の別のロック要素(6)をロックするステップと、
前記別のロック要素(6)のアンロックを示す別の表示部(22,21)を前記表示開口(23)外に動かすステップと、
前記アンロックを示す表示部(21,22)のすべてが前記表示開口(23)外に動かされると、ロックを示す表示部(25)を表示するステップと、
を有し、
前記複数のロック要素(5,6)の全てが正しくロックされていない場合には、前記ロックを示す表示部(25)は、前記表示開口(23)内で視認することができないように構成されている、ことを特徴とする、車両用シートをロックする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シート用のロック表示器、車両用シート、少なくとも1つのシートを備える自動車及び車両用シートをロックする方法に関する。
【0002】
車両内に設けられた折りたたみ可能又は取り外し可能なシートは、ロック、例えば背もたれ又はシート全体あるいはベンチシートのためのロックを有している。正しいロックを管理するためにロック表示器が設けられている。
【0003】
独国特許出願公開第69328236号明細書は、ロックを表示するために2つのストッパを有するボールピンロックを備える、取り外し可能な車両用シート用の自動ロック要素を示している。
【0004】
独国特許出願公開第102004053811号明細書は、車体に2つの取り付け点を有する取り外し可能な車両用シート用のロック装置を示しており、後端ロックのロック状態を示す表示器が設けられている。
【0005】
そこで、本発明の根底にある課題は、車両用シートのロック、特にロックの表示器を改良することである。
【0006】
この課題は、請求項1に記載のロック表示器、請求項8に記載の車両用シート、請求項9に記載の自動車及び請求項10に記載のロック方法により解決される。
【0007】
複数のロック要素を備える車両用シート用のロック表示器であって、表示開口を備え、表示開口は、表示開口内で視認可能なステータス表示器を有する、本発明に係るロック表示器は、各ロック要素のために、ロック要素のアンロックを示す表示部を有するそれぞれ1つのステータス表示器を備え、表示部の少なくとも一部は、ロック要素がロックされていないとき、表示開口の領域内に視認可能に配置されており、ロックされていないロック要素の表示部は、少なくとも部分的に覆い隠される。
【0008】
本発明に係るロック表示器は、ユーザの自己管理を必要とすることなく、複数のロック又はロック要素のロックを直接視認可能とし得るという利点を有している。この場合、ロック表示器は、レストロック及び/又はシート下部構造のロック、すなわち、車体との取り付け部のロックを表示可能である。この場合、複数の、例えば2つから5つの、好ましくは2つのロックが、単一の表示器又は表示開口内に示され、このことは、容易に確認可能であり、これにより、安全性を高める。この表示器は、個々のロックのための重なった表示器又は表示部により実現され、このことは、表示器の冗長性により安全性を高める。
【0009】
本発明の好ましい態様において、少なくとも1つのステータス表示器は、ロック要素のロックを示す付加的な表示部を有する。付加的な表示部は、択一的には、ロック表示器又はシートの別の部分に配置されていてもよい。すべてのロックの完全な結合を示す付加的な表示部は、アンロックを示す表示部のすべてが表示開口外に動かされたときだけ、視認可能である。
【0010】
本発明の別の好ましい態様において、表示部と付加的な表示部とは、それぞれ異なる色を有する。この色による符号化、例えば緑がロック、赤がアンロックとすることにより、ユーザが一目で確実に情報を入手することが保証されている。
【0011】
特に好ましくは、ステータス表示器は、ばねにより、アンロックを示す表示部が表示開口の領域内に視認可能に配置されているように予め付勢されている。このことは、安全性をさらに高める。それというのも、ロックがばね力に抗して行われてのみ、「ロック」と表示されるからである。
【0012】
アンロックを示す表示部は、ロック要素がロックされているとき、表示開口の領域外に配置されていてもよい。これにより、このことは、もはや視認不能であることを保証し、安全性及び信頼性を向上させる。
【0013】
好ましくは、ステータス表示器は、ロック要素の操作用の伝達要素に連結されている。このことは、頑強かつ低廉な構造を可能にする。
【0014】
伝達要素は、連動体を有するロープ伝動系を有し、ステータス表示器は、表示部を動かすべく、連動体により連動可能である。この頑強な形態は、既存のシステムへの簡単な統合を可能にする。
【0015】
複数のロック要素と、表示開口であって、表示開口内で視認可能なステータス表示器を有する表示開口とを有する単数又は複数のロック機構を備える本発明に係る車両用シートは、上述のロック表示器を備える。同じ利点及び変化形が成立する。ロック表示器をシートに、好ましくはロックの操作要素の直接的近傍に統合したことは、ユーザによる直接的な目視点検を可能にする。
【0016】
本発明に係る自動車は、少なくとも1つの上述のシートを備える。同じ利点及び変化形が成立する。この場合、例えば1つのベンチシートの複数のシートが、単数又は複数の共通のロック及び/又はロック表示器を有するようになっていてもよい。
【0017】
複数のロック要素により車両用シートをロックする本発明に係る方法は、
第1のロック要素をロックするステップと、
第1のロック要素のアンロックを示す表示部を表示開口外に動かすステップと、
別のロック要素をロックするステップと、
別のロック要素のアンロックを示す別の表示部を表示開口外に動かすステップと、
アンロックを示す表示部のすべてが表示開口外に動かされると、ロックを示す付加的な表示部を表示するステップと、
を有する。
【0018】
上述したのと同じ利点及び変化形が成立する。
【0019】
本発明のその他の好ましい態様は、従属請求項に記載のその他の特徴から生じる。
【0020】
以下に、本発明について実施の形態を基に添付の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】シートロックを備えるシートの概略側面図である。
【
図2】アンロック状態を示すロック表示器の図である。
【
図3】別のアンロック状態を示すロック表示器の図である。
【
図4】さらに別のアンロック状態を示すロック表示器の図である。
【0022】
図1は、シート部分2と背もたれ3とを有する車両用シート1の一例を示す図である。車両用シート1は、第1のロック要素5と第2のロック要素6とを有するロック又はロック装置4を有している。これらの両ロック要素5及び6は、車両用シート1を車両の車体に取り付けるために用いられる。
【0023】
両ロック要素5及び6は、1つの操作レバー7により操作される。操作レバー7は、両ロック要素5及び6に作用可能である。択一的には、2つの操作レバー7が設けられていてもよい。車両用シート1は、さらに多くのロック装置又はロック機構、例えばシートレスト3用の別のロック装置又はロック機構を有していてもよい。
【0024】
操作レバー7の直接的近傍又は直ぐ横には、ロック表示器10が配置されている。ロック表示器10は、車両用シート1のユーザ、すなわち、シートをロックしたり、ロック解除したりする人の用に供される。車両用シート1のロック又はロック解除が行われるのは、車両用シート1を車両から取り外したり、シートを車両内に取り付けたりする場合や、例えばシートレスト3の位置調節、乗員の乗降に用いられるシート若しくはベンチシートの折りたたみ機能又は車両用シート1の位置変更により、車両用シート1を調整する場合である。
【0025】
ロック表示器10は、ユーザに対してロックのステータス又は状態について情報提供する。ユーザには、ロック状態と非ロック状態とが可視化される。これによりユーザは、車両用シート1のロック状態について、場合によっては触覚によるフィードバックのほか、視覚によるフィードバックを受ける。
【0026】
以下に
図2乃至
図5を参照しながら、ロック表示器10の一例としての実施の形態について説明する。
【0027】
図2乃至
図5は、車両用シート1の一部、特にハウジング又はカバー11を示している。ハウジング11には、旋回可能にロック装置4の操作レバー7が取り付けられている。操作レバー7は、ロック装置4全体と同様、車両用シート1に配設されていることができる。操作レバー7には、ともにボーデンケーブル伝動系又はロープ伝動系の形態で構成された第1の伝達要素12及び第2の伝達要素13が取り付けられている。第1の伝達要素12は、操作レバー7から第1のロック要素5に力を伝達するために用いられる。これと対応して第2の伝達要素13は、操作レバー7から第2のロック要素6に力を伝達するために用いられる。両伝達要素12及び13は、引く力を伝達可能である。ロック要素5及び6の操作に押す力が所望される又は必要である場合は、図示のボーデンケーブル伝動系の代わりに、例えばリンク又は例えば空気圧式若しくは液圧式の圧力管が使用されてもよい。
【0028】
ハウジング部分の下方には、両伝達要素12及び13用の2つのガイド14及び15が配置されている。両ガイド14,15を通して延びる伝達要素12及び13は、ガイド14,15により予め付勢かつ/又は調整され得る。
【0029】
両伝達要素12及び13は、操作レバー7に係留されているので、レバー7を本実施の形態では反時計回りの方向に操作すると、両伝達要素12及び13あるいは接続要素が引っ張られ、これにより両ロック要素5及び6が動かされる。
【0030】
第1の伝達要素12及び第2の伝達要素13には、第1の連動体16及び第2の連動体17が、伝達要素12及び13の運動時に連動するように取り付けられている。連動体又は連動要素16及び17は、伝達要素12,13と一体的に形成されていても、伝達要素12,13に取り付けられていてもよい。
【0031】
ロック表示器10は、旋回可能に回転軸20に配置されている第1のステータス表示器18と第2のステータス表示器19とを有している。両ステータス表示器18及び19は、レバー形状を呈しており、それぞれ、第1の連動体16あるいは第2の連動体17と協働するようになっている。このことは、ステータス表示器18及び19がレバーの中央領域に第1の伝達要素12あるいは第2の伝達要素13用の貫通開口を有しており、これらの貫通開口は、第1の連動体16あるいは第2の連動体17がこれらの貫通開口より大きいように寸法設定されていることを意味している。このことは、伝達要素12あるいは伝達要素13の、下向きに方向付けられた引っ張り運動時に、ステータス表示器18及び19が連動体16及び17により同様に下向きにあるいは回転軸20周りの反時計回りの回転運動で動かされることに至る。
【0032】
レバーの他端、つまり、回転軸20とは反対側に、第1のステータス表示器18は、第1の表示部21を有している。これと対応して第2のステータス表示器19は、第2の表示部22を有している。
【0033】
ハウジング11内には、表示開口23が設けられている。表示開口23内には、表示部21,22あるいはそれらの一部がロック装置4のユーザにより視認可能である。第1のステータス表示器18及び第2のステータス表示器19の回転軸20からの長さは、第1のステータス表示器18が第2のステータス表示器19より長いように寸法設定されている。このことは、第1の表示部21が第2の表示部22の手前に配置されていることになる。このことは、表示開口23を見ているユーザが、ロック表示器10の、
図2に示した状態では、第1の表示部21を視認する一方、第2の表示部22は、表示部21の後にあることを意味している。第1及び第2の表示部21あるいは22は、ロック要素5あるいは6のアンロックを表示しているので、赤色を有していることができる。第1のステータス表示器18及び第2のステータス表示器19は、単数又は複数のばね24により、第1の表示部21及び第2の表示部22が表示開口23の領域に配置されているように予め付勢されている。
【0034】
第2のステータス表示器19は、第2の表示部22の他に、第2の表示部22に接続された付加的な表示部25を有している。付加的な表示部25は、第2のロック要素6のロックを表示している。付加的な表示部25は、位置固定にハウジング11に取り付けられていてもよい。付加的な表示部25は、表示開口23から見て、第1の表示部21の後に配置され、場合によっては、第2の表示部22にとってもその後に配置されている。より多く、すなわち、図示の2つより多くのロック要素あるいはステータス表示器あるいは表示部が存在している場合、これらは、同様に相前後して配置されており、付加的な表示部25は、最後の位置を占めている。これにより、それぞれロック要素のアンロックを表示するすべての表示部が表示開口23外に移動されて初めて、付加的な表示部25により表示される正しいロックがユーザに表示されることが保証されている。ロック要素5及び6のうちの1つしか正しくロックされていない場合も、付加的な表示部25は、1つの表示部により隠されているので、表示開口23内に視認することができない。
【0035】
本実施の形態では、表示部21及び22並びに付加的な表示部25は、表示開口23の領域で回転運動を行い、表示部21及び22は、相前後して配置されている。同様に、表示部21及び22が、表示開口23の領域で並進運動を行い、場合によっては、相並んで又は重なり合って配置されているようにすることも可能である。
【0036】
以下に、
図2乃至
図5を参照しながら、車両用シート1のロックあるいはロック解除について説明する。
【0037】
図2に示した状態では、第1のロック要素5も、第2のロック要素6も、開放されている、すなわち、ロックされていない。これと対応して第1の伝達要素12及び第2の伝達要素13は、引っ張り作用下にない。その結果、第1の連動体16及び第2の連動体17は、第1のステータス表示器18及び第2のステータス表示器19に作用していない。これにより、第1の表示部21及び第2の表示部22は、ばね24のばね力により表示開口23の領域内に保持されている。このことは、ユーザが表示開口23を見たとき、例えば第1の表示部21の赤色がアンロックの状態を可視化することとなり、第2の表示部22は、第1の表示部21の裏に隠れていることを意味している。
【0038】
図3及び
図4は、それぞれ、両ロックの一方が閉鎖され、両ロックの他方が開放されているロック表示器10、ひいてはロック装置4の状態を示している。これにより、ユーザが表示開口23を見ても、何ら変化はなく、ユーザは、どちらの場合も、アンロックを可視化している表示部を見ることになる。
図3の場合は、第2のロック6が閉鎖されている。このことは、第2のステータス表示器19が連動子17によりばね力に抗して下向きに押圧されることにつながる。これは、閉鎖されたロックにより第2の伝達要素13に張力がかかっているからである。このことは、第1の表示部21の背後において第2の表示部22が表示開口23の領域外に旋回されることを引き起こす。その代わりに、付加的な表示部25が表示開口23の領域内に旋回される。しかし、この付加的な表示部25は、ユーザからは、第1の表示部21がまだ表示開口23の領域内において視認可能であるため、視認することができない。
【0039】
図4は、第2のロック要素6が開放されたまま、第1のロック要素5が閉鎖されている状態を示している。このことは、第1の表示部21が、第1の連動体16により伝達される第1の伝達要素12の引く力によって旋回され、第1のステータス表示器18が、表示開口23の領域外に旋回されるに至る。表示開口23には、第2の表示部22が視認可能なままであり、車両用シート1のアンロックを表示している。
【0040】
図5は、車両用シート1の完全にロックされた状態を示している。両ロック要素5及び6はロックされている。この状態に至るには、
図2から出発して、表示開口の領域からの表示部のそれぞれの対応した動きを伴う、
図3及び
図4に示した両ロック工程が必要である。
図5の場合、今や、付加的な表示部25が表示開口23の領域においてユーザに視認可能である。このことは、車両用シート1の完全なロックを表示している。第1の表示部21及び第2の表示部22は、表示開口23外の視認不能な位置にある。両表示部21及び22は、相前後して配置されている。
【0041】
両ロック要素5及び6が係止されているので、両伝達要素12及び13には、張力がかかっており、これにより、両ステータス表示器18及び19は、図示の位置に保持される。車両用シート1のロック解除のためには、操作レバー7が反時計回りに動かされ、これにより、両ロック要素5及び6は再び解除される。車両用シート1の改めてのロックは、両ロック要素5及び6の手動での係止又は結合により達成される。その際、上述のように、第1のステータス表示器18及び第2のステータス表示器19は、合致して連動する。このことをユーザは表示開口23内で視認する。
【符号の説明】
【0042】
1 車両用シート
2 シート部分
3 シートレスト
4 ロック装置
5 第1のロック要素
6 第2のロック要素
7 操作レバー
10 ロック表示器
11 ハウジング
12 第1の伝達要素
13 第2の伝達要素
14 第1のガイド
15 第2のガイド
16 第1の連動体
17 第2の連動体
18 第1のステータス表示器
19 第2のステータス表示器
20 回転軸
21 第1の表示部
22 第2の表示部
23 表示開口
24 ばね
25 付加的な表示部