(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243086
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】接着を制御するためのシステム、方法、および装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20171127BHJP
【FI】
G06F3/041 662
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-508744(P2017-508744)
(86)(22)【出願日】2015年10月30日
(65)【公表番号】特表2017-516249(P2017-516249A)
(43)【公表日】2017年6月15日
(86)【国際出願番号】CN2015093414
(87)【国際公開番号】WO2016155307
(87)【国際公開日】20161006
【審査請求日】2016年3月7日
(31)【優先権主張番号】201510146179.6
(32)【優先日】2015年3月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513309030
【氏名又は名称】シャオミ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】きさらぎ国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ターン ホゥオンジュイン
(72)【発明者】
【氏名】シー シャアシャア
(72)【発明者】
【氏名】ホゥ シャオシーン
【審査官】
鈴木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】
韓国登録特許第10−1190992(KR,B1)
【文献】
特開2013−080046(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0116598(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/03 − 3/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着を制御するためのシステムであって、制御モジュール、接着ローラ、および制限装置を含み、
前記制御モジュールは、前記接着ローラの第1の移動速度と前記制限装置の第2の移動速度とを決定するように構成され、
前記接着ローラは、第1の方向に沿ってTPの一方の側から他方の側へ前記第1の移動速度で回転するように構成され、
前記制限装置は、前記TPがLCDに対して移動することを制限するように構成された制限部分と、支持面を水平面に対して所定の角度で有する支持部分であって、前記LCDが前記支持面上に支持される支持部分と、を含み、第2の方向に沿って前記第2の移動速度で移動し、前記支持面と前記LCDとが前記所定の角度から水平になる、システム。
【請求項2】
前記制御モジュールは、
前記所定の角度を収集するように構成された収集サブ・モジュールと、
前記所定の角度の正弦値に従って、前記接着ローラが前記第1の移動速度で移動するように、また前記制限装置が前記第2の移動速度で移動するように制御するように構成された速度制御サブ・モジュールと、を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の移動速度と前記第2の移動速度とは、次式、
V2/V1=sinα
を満たし、
V1は前記第1の移動速度を表わし、V2は前記第2の移動速度を表わし、αは前記所定の角度を表わす、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
空気圧調整バルブであって、前記接着ローラの2つの軸端に力を印加して、前記接着ローラによって前記TPに垂直な方向に沿って印加される力を、前記制御モジュールの制御下で調整するように構成された空気圧調整バルブをさらに含む請求項1〜3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
接着を制御するための方法であって、
接着ローラの第1の移動速度と制限装置の第2の移動速度とを決定することと、
前記接着ローラを第1の方向に沿ってTPの一方の側から他方の側へ前記第1の移動速度で回転するように制御することと、
前記TPがLCDに対して移動することを制限装置によって制限し、前記制限装置を第2の方向に沿って前記第2の移動速度で移動するように制御することと、を含み、
前記TPがLCDに対して移動することを制限装置によって制限し、前記制限装置を、第2の方向に沿って前記第2の移動速度で移動するように制御することは、
前記TPが前記LCDに対して移動することを前記制限装置の制限部分によって制限することと、
前記制限装置を前記第2の方向に沿って前記第2の移動速度で移動するように制御することであって、前記制限装置は支持面を水平面に対して所定の角度で有し、前記LCDは前記支持面上に支持され、前記支持面と前記LCDとが前記所定の角度から水平になることを可能にするように制御することと、を含む、方法。
【請求項6】
接着ローラの第1の移動速度と制限装置の第2の移動速度とを決定することは、前記所定の角度を収集することと、前記所定の角度の正弦値に従って、前記接着ローラを前記第1の移動速度で移動するように、また前記制限装置が前記第2の移動速度で移動するように制御することと、を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の移動速度と前記第2の移動速度とは、次式、
V2/V1=sinα
を満たし、
V1は前記第1の移動速度を表わし、V2は前記第2の移動速度を表わし、αは前記所定の角度を表わす、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記接着ローラの2つの軸端に空気圧調整バルブによって力を印加することと、
前記接着ローラによって前記TPに垂直な方向に沿って印加される力を調整することと、をさらに含む請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
コンピュータ上で実行されたときに請求項5〜8のいずれか一項に記載の接着を制御するための方法を前記コンピュータに実行させるためのコンピュータ・プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のコンピュータ・プログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、中国特許出願第201510146179.6号(2015年3月30日に出願)に基づいており、それに対する優先権を主張する。なおこの文献の内容全体は本明細書において参照により取り入れられている。
【0002】
本開示は、全般的に電子製品製造技術の分野に関し、より詳細には、接着を制御するためのシステム、方法、および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
スマートフォン用のディスプレイの光学特性に対する要求が高まるとともに、タッチパネル(TP)と液晶ディスプレイ(LCD)とを光学的接着プロセスによって接着させることがますます一般的になっている。従来技術では、TPの表示領域(VA)をLCDのアクティブ領域(AA)に位置合わせした後で、LCDを保持するための機械を静止させた状態で、TPに光学透明接着剤(OCA)を接着させたものを、メカニカルハンドによってLCDの上方まで移動させる。TPとLCDとの間の接着は、真空の金属キャビティ内で行なう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
真空の金属キャビティ内でTPをLCDに接着させる間、TPは固定装置によって固定されてはいないため、真空状態でTPとLCDとの間の相対運動がXまたはY方向に沿って起こる。さらに、TPとLCDとの間の気泡を完全に排出するために、金属キャビティを真空になるためのある程度の付加時間が必要になるため、生産性が低くなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従来技術に存在する問題を打開するために、本開示によって、実施形態において、TPとLCDとの間の気泡を効果的に排出することによって、接着の間にTPとLCDとの間に相対運動が生じることを防止するように、接着を制御するためのシステム、方法、および装置が提供される。
【0006】
本開示の実施形態の第1の態様により、接着を制御するためのシステムが提供される。タッチパネル(TP)を液晶ディスプレイ(LCD)に接着させることを、光学透明接着剤(OCA)を用いて所定の接着角度で行なう。接着を制御するためのシステムは、制御モジュール、接着ローラ、および制限装置を含んでいる。
【0007】
制御モジュールは、接着ローラの第1の移動速度と制限装置の第2の移動速度とを決定するように構成されている。
【0008】
接着ローラは、第1の方向に沿ってTPの一方の側から他方の側へ第1の移動速度で回転するように構成されている。
【0009】
制限装置は、第2の方向に沿って第2の移動速度で移動して、TPがLCDに対して移動することを制限するように構成されている。
【0010】
一実施形態では、制限装置は、TPがLCDに対して移動することを制限するように構成された制限部分と、支持面を水平面に対して所定の角度で有する支持部分であって、LCDは支持面上に支持される支持部分と、を含み、制限装置は第2の方向に沿って第2の移動速度で移動して支持面とLCDとが所定の角度から水平になることを可能にしても良い。
【0011】
一実施形態では、制御モジュールは、水平面に対する所定の角度を取得するように構成された取得サブモジュールと、所定の角度の正弦値に従って、接着ローラを第1の移動速度で移動するように、また制限装置を第2の移動速度で移動するように制御するように構成された速度制御サブモジュールと、を含む。
【0012】
一実施形態では、第1の移動速度と第2の移動速度とは、次式V
2/V
1=sinα(V
1は第1の移動速度を表わし、V
2は第2の移動速度を表わし、αは所定の角度を表わす)を満足する。
【0013】
一実施形態では、システムはさらに、空気圧調整バルブであって、接着ローラの2つの軸端に力を印加して、接着ローラによってTPに垂直な方向に沿って印加される力を、制御モジュールの制御下で調整するように構成された空気圧調整バルブを含んでいても良い。
【0014】
本開示の実施形態の第2の態様により、接着を制御するための方法が提供される。タッチパネル(TP)を液晶ディスプレイ(LCD)に接着させることを、光学透明接着剤(OCA)を用いて所定の接着角度で行なう。本方法は、接着ローラの第1の移動速度と制限装置の第2の移動速度とを決定することと、接着ローラを第1の方向に沿ってTPの一方の側から他方の側へ第1の移動速度で回転するように制御することと、TPが液晶ディスプレイ(LCD)に対して移動することを制限装置によって制限して、制限装置を第2の方向に沿って第2の移動速度で移動するように制御することと、を含んでいても良い。
【0015】
一実施形態では、TPがLCDに対して移動することを制限装置によって制限して、制限装置を第2の方向に沿って第2の移動速度で移動するように制御することは、TPがLCDに対して移動することを制限装置の制限部分によって制限することと、制限装置を第2の方向に沿って第2の移動速度で移動するように制御することであって、制限装置は支持面を水平面に対して所定の角度で有し、LCDは支持面上に支持され、支持面とLCDとが所定の角度から水平になることを可能にする、制御することと、を含んでいても良い。
【0016】
一実施形態では、接着ローラの第1の移動速度と制限装置の第2の移動速度とを決定することは、所定の角度を取得することと、所定の角度の正弦値に従って、接着ローラを第1の移動速度で移動するように、また制限装置を第2の移動速度で移動するように制御することと、を含んでいても良い。
【0017】
一実施形態では、第1の移動速度と第2の移動速度とは、次式V
2/V
1=sinα(V
1は前記第1の移動速度を表わし、V
2は前記第2の移動速度を表わし、αは前記所定の角度を表わす)を満足する。
【0018】
一実施形態では、本方法はさらに、接着ローラの2つの軸端に力を空気圧調整バルブによって印加することと、接着ローラによってTPに垂直な方向に沿って印加される力を調整することと、を含んでいても良い。
【0019】
本開示の実施形態の第3の態様により、接着を制御するための装置が提供される。装置は、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な命令を記憶するためのメモリと、接着ローラの第1の移動速度と制限装置の第2の移動速度とを決定するように構成された制御モジュールと、を含んでいても良い。
【0020】
本開示の実施形態により、技術的解決法は以下の優れた効果を有する場合がある。接着ローラを、TPの一方の側から他方の側へ回転させて、TPとLCDとの間の気泡を排出することによって、光学的接着プロセスの接着速度を上げる。TPは接着プロセス全体の間に制限装置によって制限されるため、TPとLCDとの間の相対運動が防止され、接着精度が保証され、その結果、わずかな設備投資の下で接着生産性が大いに向上する。
【0021】
当然のことながら、前述の概要および以下の詳細な説明は、両方とも単に実例および解説のためであり本開示を限定することはないことは、主張した通りである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
添付図面は、本明細書に取り入れられて本明細書の一部を構成するものであるが、本開示と一致する実施形態を例示し、説明とともに、本開示の原理を説明する役目を果たすものである。
【0023】
【
図1A】例示的な実施形態による接着を制御するためのシステムを示す概略図である。
【
図1B】別の例示的な実施形態による接着を制御するためのシステムを示す概略図である。
【
図2A】例示的な実施例による接着を制御するためのシステムを示す概略図である。
【
図2B】別の例示的な実施例による接着を制御するためのシステムを示す概略図である。
【
図3】例示的な実施形態による接着を制御するための方法を示すフローチャートである。
【
図4】例示的な実施形態による接着の制御に適した装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に例示的な実施形態について詳細に述べる。実施形態の実施例を添付の図面に例示する。以下の説明で参照する添付の図面では、異なる図面における同じ番号は、特に断りのない限り、同じかまたは同様の要素を表わす。以下の例示的な実施形態の説明で述べる実施は、本開示に一致するすべての実施を表しているわけではない。代わりに、それらは単に、添付の請求項に記載するような本開示に関する態様と一致する装置および方法の実施例である。
【0025】
図1Aは、例示的な実施形態による接着を制御するためのシステムを示す概略図であり、
図1Bは、別の例示的な実施形態による接着を制御するためのシステムを示す概略図である。
図1Aおよび1Bに示すように、タッチパネル(TP)10と液晶ディスプレイ(LCD)30とを位置合わせした後で、TP10をメカニカルハンドによってLCD30の上方まで移動させても良く、TP10をLCD30に光学透明接着剤(OCA)20を用いて所定の接着角度で接着させることによって、接着が容易になる。接着を制御するためのシステムは、制御モジュール11、接着ローラ12、および制限装置13を含んでいる。
【0026】
制御モジュール11は、接着ローラ12の第1の移動速度と制限装置13の第2の移動速度とを決定するように構成されている。
【0027】
接着ローラ12は、第1の方向(TP10と平行なV
1の矢印方向で示す)に沿ってTP10の一方の側から他方の側へ、第1の移動速度V
1で回転するように構成されている。一実施形態では、制御モジュール11は第1のステッピングモータ(図示せず)の回転速度を制御して、接着ローラ12を第1の移動速度で回転するように制御する。
【0028】
制限装置13は、第2の方向(制限装置13の側壁に平行なV
2の矢印方向で示す)に沿って第2の移動速度V
2で移動し、TP10がLCD30に対して移動することを制限するように構成されている。一実施形態では、制御モジュール11は、第2のステッピングモータ(図示せず)の回転速度を制御して、制限装置13を第2の移動速度で移動するように制御する。
【0029】
本実施形態では、接着ローラ12を第1の方向に沿ってTP10の一方の側から他方の側まで回転させて、TP10とLCD30との間の気泡を排出する結果、光学的接着プロセスの接着速度が向上する。TP10は、接着プロセス全体の間に制限装置13によって制限されるため、TP10とLCD30との間の相対運動が防止され、接着精度が保証され、その結果わずかな設備投資の下で接着生産性が大いに向上する。
【0030】
一実施形態では、制限装置は、TPがLCDに対して移動することを制限するように構成された制限部分と、支持面を水平面に対して所定の角度で有する支持部分であって、LCDは支持面上に支持される、支持部分と、を含み、制限装置は第2の方向に沿って第2の移動速度で移動して支持面とLCDとが所定の角度から水平になることを可能にしても良い。
【0031】
一実施形態では、制御モジュールは、水平面に対する所定の角度を取得するように構成された取得サブモジュールと、所定の角度の正弦値に従って、接着ローラを第1の移動速度で移動するように、また制限装置を第2の移動速度で移動するように制御するように構成された速度制御サブモジュールと、を含んでいても良い。
【0032】
一実施形態では、第1の移動速度と第2の移動速度とは、次式V
2/V
1=sinα(V
1は第1の移動速度を表わし、V
2は第2の移動速度を表わし、αは所定の角度を表わす)を満足する。
【0033】
一実施形態では、システムはさらに、空気圧調整バルブであって、接着ローラの2つの軸端に力を印加して、接着ローラによってTPに垂直な方向に沿って印加される力を、制御モジュールの制御下で調整するように構成された空気圧調整バルブを含んでいる。
【0034】
次に、TPとLCDとをどのように接着させるかについて以下に詳細に述べる。
【0035】
本開示の実施形態によれば、前述のシステムはTPとLCDとの間の気泡を排出しても良く、その結果、光学的接着プロセスの接着速度が向上し、TPとLCDとの接着の間にそれらの間に相対運動が生じることが防止され、接着精度が保証され、その結果、わずかな設備投資の下で接着生産性が大いに向上する。
【0036】
本開示の実施形態によって提供される技術的解決法を、具体例を用いて以下に例示する。
【0037】
図2Aは、例示的な実施例による接着を制御するためのシステムを示す概略図であり、
図2Bは、別の例示的な実施例による接着を制御するためのシステムを示す概略図である。本実施例は前述の実施形態に基づくものである。
図2Aおよび2Bに示すように、制限装置13は、TP10がLCD30に対して移動することを制限するように構成された制限部分131と、支持面を水平面に対して所定の角度(αで示す)で有する支持部分132であって、LCDは支持面上に支持される、支持部分132と、を含み、制限装置13は第2の方向に沿って第2の移動速度で移動して支持面とLCDとが水平になることを可能にする。
【0038】
一実施形態では、制御モジュール11は、水平面に対する所定の角度を取得するように構成された取得サブモジュール111と、速度制御サブモジュール112であって、取得サブモジュール111によって取得された所定の角度の正弦値に従って、接着ローラを第1の移動速度で移動するように、また制限装置を第2の移動速度で移動するように制御するように構成された速度制御サブモジュール112と、を含んでいても良い。
【0039】
一実施形態では、所定の角度(その大きさは本開示の実施例では限定しない)を、OCAの材料とTP10およびLCD30の厚さとに従って設定しても良い。
【0040】
一実施形態では、第1の移動速度と第2の移動速度とは、次式V
2/V
1=sinα(V
1は第1の移動速度を表わし、V
2は第2の移動速度を表わし、αは所定の角度を表わす)を満足する。
【0041】
第1の移動速度V
1と第2の移動速度V
2とを前述の式V
2/V
1=sinαに適合するように調整して、接着ローラ12が第1の方向(図の右側)に沿ってTP10の一方の側から他方の側へ回転したときに、TP10全体が接着ローラ12によって均一にローラーされることを確実にする。支持部分132の支持面が所定の角度から徐々に水平になった後で、TP10とLCD30とを接着後に水平に維持することを可能にしても良く、TP10とLCD30とが外部の異常圧力によって誘発される変形を受けることが防止される場合がある。
【0042】
一実施形態では、接着を制御するためのシステムはさらに、空気圧調整バルブ14であって、接着ローラ12の2つの軸端に力を印加することによって、接着ローラ12によってTPに垂直な方向に沿って印加される力を、制御モジュール11の制御下で調整するように構成された空気圧調整バルブ14を含んでいても良い。
図2Aに示すように、接着ローラ12によってTP10に垂直な方向に印加される力は、Fで示す矢印方向である。接着ローラ12によってTP10上に印加される力(Fで示す)を、空気圧調整バルブ14によって調整しても良い。一実施形態では、空気圧調整バルブ14は、力を調整して、TP10に対する変形を誘発することなくTP10とLCD30との間の気泡を排出することができるようにしても良い。
【0043】
一実施形態では、前述の実施形態の優れた技術的効果に基づいて、支持部分132の支持面が所定の角度αから水平になることを可能にして、TP10とLCD30とを接着後に水平に維持することを可能にしても良く、その結果、TP10とLCD30とが外部の異常圧力によって誘発される変形を受けることが防止される場合がある。力を空気圧調整バルブ14によって調整して、TP10に対する変形を誘発することなくTP10とLCD30との間の気泡を排出することができるようにしても良い。
【0044】
さらに、関連する実験データによって実証されているところによれば、本開示の実施形態によって提供されるシステムによって、生産性が180〜200部品/時間まで増加する場合があり、従来技術における70〜120部品/時間のそれと比べて対照的であり、その結果、わずかな設備投資の下で生産性ボトルネックが効果的に打開される。
【0045】
図3は、例示的な実施形態による接着を制御するための方法を示すフローチャートである。タッチパネル(TP)を液晶ディスプレイ(LCD)に接着させることを、光学透明接着剤(OCA)を用いて所定の接着角度で行なう。
図3に示すように、本接着を制御するための方法には以下のステップS301〜S303が含まれる。
【0046】
ステップS301では、接着ローラの第1の移動速度と制限装置の第2の移動速度とを決定する。
【0047】
ステップS302では、接着ローラを第1の方向に沿ってTPの一方の側から他方の側へ第1の移動速度で回転するように制御する。
【0048】
ステップS303では、TPがLCDに対して移動することを制限装置によって制限し、制限装置を第2の方向に沿って第2の移動速度で移動するように制御する。
【0049】
一実施形態では、ステップS303は、TPがLCDに対して移動することを制限装置の制限部分によって制限することと、制限装置を第2の方向に沿って第2の移動速度で移動するように制御することであって、制限装置は支持面を水平面に対して所定の角度で有し、LCDは支持面上に支持され、支持面が所定の角度から水平になることを可能にする、制御することと、を含んでいても良い。
【0050】
一実施形態では、接着ローラの第1の移動速度と制限装置の第2の移動速度とを決定することは、所定の角度を取得することと、所定の角度の正弦値に従って、接着ローラを第1の移動速度で移動するように、また制限装置を第2の移動速度で移動するように制御することと、を含んでいても良い。
【0051】
一実施形態では、第1の移動速度と第2の移動速度とは、次式V
2/V
1=sinα(V
1は第1の移動速度を表わし、V
2は第2の移動速度を表わし、αは所定の角度を表わす)を満足する。
【0052】
一実施形態では、本方法はさらに、接着ローラの2つの軸端に力を空気圧調整バルブによって印加することと、接着ローラによってTPに垂直な方向に沿って印加される力を調整することと、を含んでいても良い。
【0053】
前述の実施形態における本方法に対する手順に関して、種々のステップを実行するための特定のモードについては、前述の実施形態における接着を制御するためのシステムに関して詳細に説明しており、ここでは繰り返さない。
【0054】
図4は、例示的な実施形態によるインテリジェント装置に取り付けたライトの制御に適した装置のブロック図である。たとえば、装置400はサーバまたは主制御装置として提供しても良い。
図4を参照して、装置400は、処理コンポーネント422(さらに1または複数のプロセッサを含む)と、メモリ432によって表わされるメモリ資源(処理コンポーネント422によって実行可能な命令(たとえば、アプリケーションプログラム)を記憶する)とを含んでいる。メモリ432に記憶されたアプリケーションプログラムは、1または複数のモジュール(それぞれ、命令群に対応する)を含んでいても良い。さらに、処理コンポーネント422は、命令を実行して、接着ローラの第1の移動速度と制限装置の第2の移動速度とを決定するように構成されている。
【0055】
装置400はさらに、電力コンポーネント424(装置400の電力管理を実行するように構成されている)と、1つの有線または無線のネットワークインターフェース450(装置400をネットワークに接続するように構成されている)と、1つの入出力(I/O)インターフェース458と、を含んでいても良い。装置400は、メモリ432に記憶されたオペレーティングシステム(たとえばWindows(登録商標)Server、MacOSX(登録商標)、Unix(登録商標)、Linux(登録商標)、FreeBSD(登録商標)、など)に基づいて動作しても良い。
【0056】
本開示の他の実施形態が、明細書を検討することおよびここで開示した開示内容を実施することから当業者には明らかである。本出願は、本開示の任意の変形、利用、または適合であって、その一般的な原理に従っており、当該技術分野における既知または通例の実施に入るような本開示からの逸脱を含むものに及ぶことが意図されている。明細書および実施例は単に例示的であると考えられることが意図されており、本開示の真の範囲および趣旨は以下の請求項によって示される。
【0057】
当然のことながら、本開示は、前述し添付図面に例示した正確な構造には限定されず、種々の変更および変形をその範囲から逸脱することなく行なうことができる。本開示の範囲は添付の請求項によっては限定されないことが意図されている。