【文献】
NAG, Okhil K., et al.,International Journal of Pharmaceutics,2013年,446,119-129
【文献】
AGASHE, Hrushikesh, et al.,Colloids and Surfaces B: Biointerfaces,2010年,75,573-583
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記化粧料組成物は、クリーム、エッセンス、ローション、スキン、ジェル、および軟膏の中から選択される1種以上に剤形化される請求項7に記載の皮膚保湿用化粧料組成物。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、当業者が容易に実施できるように本発明を詳しく説明する。
【0022】
本発明に係る皮膚保湿効果およびバリア機能回復機能を有する化学式1の新規な疑似セラミド化合物を提供する。
【0023】
【化1】
(上記の式において、R1は炭素数12ないし18の直鎖アルキル基であり、少なくとも一つの二重結合を含む。R2は炭素数12ないし22の直鎖アルキル基であり、二重結合を含むことができる。)好ましくは、R1の炭素数が18の場合の二重結合を含む。
【0024】
本発明は、皮膚のバリア機能に主な脂質であり皮膚に存在するセラミドと構造的に類似した疑似セラミドを合成することで、スフィンゴシン基盤の構造に基づいて構成した。前記化学式1の化合物は、コハク酸誘導体とアルケニルアミンの反応を通して製造が容易で汎用的に使用可能な新規化合物である。より具体的には、無水コハク酸誘導体とアルケニルアミンの開環反応を通して皮膚のバリア機能をする脂質成分で、皮膚親和力が高く優れた保湿力を提供する新規な疑似セラミド化合物を提供することができる。
【0025】
また、疑似セラミドの溶解性を増加させるために、それぞれのアルキル基の長さを異にして非対称化した。
【0026】
本発明の疑似セラミド構造を有する化学式1の新規化合物は、下記化学式2で表示される化合物を含む。
【0027】
【化2】
(上記の式において、R2は炭素数12ないし22の直鎖アルキル基であり、二重結合を含むことができる。)
【0028】
前記化学式1および化学式2の疑似セラミド構造を有する新規化合物は、アルキル無水コハク酸とアルケニルアミンとの開環反応を通して合成する。
【0029】
本発明の例により、前記化学式1の疑似セラミド構造を有する新規化合物の例として、化学式3の化合物が挙げられる。
【0031】
上記の式において、アミンはオレイルアミンを使用し、炭素数12の無水コハク酸との開環反応を通して得た。
【0032】
本発明の例により、前記化学式1の疑似セラミド構造を有する新規化合物の例として、化学式4の化合物が挙げられる。
【0034】
上記の式において、アミンはオレイルアミンを使用し、炭素数14の無水コハク酸との開環反応を通して得た。
【0035】
本発明の例により、前記化学式1の疑似セラミド構造を有する新規化合物の例として、化学式5の化合物が挙げられる。
【0037】
上記の式において、アミンはオレイルアミンを使用し、炭素数16の無水コハク酸との開環反応を通して得た。
【0038】
本発明の例により、前記化学式1の疑似セラミド構造を有する新規化合物の例として、化学式6の化合物が挙げられる。
【0040】
上記の式において、アミンはオレイルアミンを使用し、炭素数18の二重結合が少なくとも一つ存在する無水コハク酸との開環反応を通して得た。
【0041】
本発明に係る化学式1の新規な類似セラミド化合物は、例えば無水コハク酸とオレイルアミンを1対0.5〜2の重量比で混合した後、10〜60分間攪拌して製造される。反応に使用される溶媒はジクロロメタン、クロロホルム、トルエンが可能である。
【0042】
本発明に係る新規化合物は、保湿剤および各種化粧品剤形に適用される。前記皮膚保湿化粧料組成物はクリーム、エッセンス、ローション、スキン、ジェル、および軟膏の中から選択される1種以上に剤形化することができる。
【0043】
本発明に係る類似セラミド化合物は単独でまたは他機能性成分と混合して得られる化粧料組成物を基準に0.0001〜10.0重量%が一般的であり、好ましくは0.0005〜10.0重量%であり、より好ましくは0.005〜10%重量%含まれる。
【0044】
医薬的外用剤に使用される場合、外用剤組成物を基準に疑似セラミド0.1〜10重量%、好ましくは0.4〜2.0重量%含まれる。
【0045】
本発明に係る化粧料は水溶性ビタミン、脂溶性のビタミン、高分子ペプチド、高分子多糖、スフィンゴ脂質などから選択されたものを1種以上さらに含むことができる。
【0046】
水溶性ビタミンとしては、化粧品に配合可能なものであればどのようなものでもよいが、好ましくはビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ピリドキシン、塩酸ピリドキシン、ビタミンB12、パントテン酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、葉酸、ビタミンC、ビタミンHなどが挙げられ、それらの塩(チアミン塩酸塩、アスコルビン酸ナトリウム塩など)や誘導体(アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウム塩、アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム塩など)も本発明で用いられる水溶性ビタミンに含まれる。水溶性ビタミンは微生物変換法、微生物の培養物からの精製法、酵素法または化学合成法などの通常の方法によって取得することができる。
【0047】
脂溶性のビタミンとしては、化粧品に配合可能なものであればどのようなものでもよいが、好ましくはビタミンA、カロチン、ビタミンD2、ビタミンD3、ビタミンE(d1−アルファトコフェロール、d−アルファトコフェロール、d−アルファトコフェロール)などが挙げられて、それらの誘導体(パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、酢酸dl−アルファトコフェロール、ニコチン酸dl−アルファトコフェロールビタミンE、DL−パントテニルアルコール、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテルなど)なども本発明で使用されている脂溶性のビタミンに含まれている。脂溶性のビタミンは、微生物変換法、微生物の培養物からの精製法、酵素または化学合成法などの通常の方法により取得することができる。
【0048】
高分子ペプチドとしては、化粧品に配合可能なものであればどのようなものでもよいが、好ましくはコラーゲン、加水分解コラーゲン、ゼラチン、エラスチン、加水分解エラスチン、ケラチンなどが挙げられる。高分子ペプチドは、微生物の培養液からの精製法、酵素法、または化学合成法などの通常の方法により精製取得することができ、または通常の豚や牛などの真皮、カイコの繊維などの天然物から精製して使用することができる。
【0049】
高分子多糖としては、化粧品に配合可能なものであればどのようなものでもよいが、好ましくはヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸またはその塩(ナトリウム塩など)などが挙げられる。例えば、コンドロイチン硫酸またはその塩などは、通常、哺乳動物や魚類から精製して使用することができる。
【0050】
スフィンゴ脂質としては、化粧品に配合可能なものであればどのようなものでもよいが、好ましくはセラミド、ピトスフィンゴシン、スフィンゴ糖脂質などが挙げられる。スフィンゴ脂質は通常、哺乳類、魚類、貝類、酵母あるいは植物などから通常の方法で錠剤または化学合成法によって取得することができる。
【0051】
本発明の化粧料は、前記必須成分と共に必要に応じて通常の化粧料に配合される他の成分を配合することができる。
【0052】
これ以外に添加してもよい配合成分としては、油脂成分、保湿剤、エモリアント剤、界面活性剤、有機および無機顔料、有機粉体、紫外線吸収剤、防腐剤、殺菌剤、酸化防止剤、植物抽出物、pH調整剤、アルコール、色素、香料、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、精製水などが挙げられる。
【0053】
油脂成分としてはエステル系の油脂、炭化水素系の油脂、シリコーン系の油脂、フッ素系の油脂、動物油脂、植物油脂などが挙げられる。
【0054】
エステル系油脂としては、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、リノール酸エチル、リノレイン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ネオペンタン酸イソアルキル、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、カプリル酸セチル、ラウリン酸デシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、リシノレイン酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸イソセチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リノレイン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セトステアリル、2−エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル/カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸オクチル、ネオデカン酸オクチルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルデシル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンイソステアリン酸エステル、シトル酸トリイソセチル、シトル酸トリイソアルキル、シトル酸トリイソオクチル、ラクト酸ラウリル、ラクト酸ミリスチル、ラクト酸セチル、ラクト酸オクチルデシル、シトル酸トリエチル、シトル酸アセチルトリエチル、シトル酸アセチルトリブチル、シトル酸トリオクチル、マル酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12−ステアルロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリルなどのエステル系を挙げることができる。
【0055】
炭化水素系油脂としては、スクワラン、流動パラフィン、アルファ−オレフィンのオリゴマー、イソパラフィン、セレシン、パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリンなどの炭化水素系油脂などが挙げられる。
【0056】
シリコーン系油脂としては、ポリメチルシリコン、メチルフェニルシリコン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルシクロシロキサン、ジメチルシロキサンメチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキシサンメチルステアロキシシロキサン共重合体、アルキル変性シリコン油、アミノ変性シリコン油などを挙げることができる。
フッ素系油脂としてはパーフルオロポリエーテルなどが挙げられる。
【0057】
動物あるいは植物油脂としては、アボガド油、アーモンド油、オリーブオイル、ゴマ油、米ぬか油、サフラワー油、大豆油、コーン油、アブラナ油、杏仁油、パーム核油、パーム油、ヒマシ油、ひまわり油、ブドウ種子油、綿実油、椰子油、ククイナッツ油、小麦胚芽油、米胚芽油、シアバター、月見草油、マカダミアナッツ油、メドウフォーム油、卵黄油、牛脂、麻油、ミンク油、オレンジラピ油、ホホバ油、キャンデリラワックス、カルナバワックス、液状ラノリン、硬化ヒマシ油などの動物あるいは植物油脂を挙げることができる。
【0058】
保湿剤としては、水溶性低分子の保湿剤、脂溶性分子の保湿剤、水溶性高分子、脂溶性高分子などを挙げることができる。
【0059】
水溶性低分子の保湿剤としては、セリン、グルタミン、ソルビトール、マンニトール、ピロリドン−カルボン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコールB(重合度n=2以上)、ポリプロピレングリコール(重合度n=2以上)、ポリグリセリンB(重合度n=2以上)、ラクト酸、ラクト酸塩などを挙げることができる。
【0060】
脂溶性の低分子保湿剤としては、コレステロール、コレステロールエステルなどを挙げることができる。
【0061】
水溶性の高分子としては、カルボキシビニルポリマー、ポリアスパラギン酸塩、トラガカント、キサンタンガム,メチルセルロース,ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、水溶性キチン、キトサン、デキストリンなどを挙げることができる。
【0062】
脂溶性高分子としては、ポリビニルピロリドンエイコセン共重合体、ポリビニルピロリドンヘキサデセン共重合体、ニトロセルロース、デキストリン脂肪酸エステル、高分子シリコンなどを挙げることができる。
【0063】
エモリエント剤としては、長鎖アシルグルタミン酸コレステリルエステル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸、ロジン酸、ラノリン脂肪酸コレステリルエステルなどを挙げることができる。
【0064】
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤などを挙げることができる。
【0065】
非イオン性界面活性剤としては、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POE(ポリオキシエチレン)ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、POEPOP(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン)共重合体、POEPOPアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコーン、ラウリン酸アルカノルアミド、アルキルアミンオキシ、水素添加大豆リン脂質などが挙げられる。
【0066】
陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、α−アスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキルロイルアルキルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホサクシン酸塩、アルキルスルホアセト酸ナトリウム、アシル化加水分解コラーゲンペプチド塩、パーフルオロアルキルアルキルリン酸エステルなどを挙げることができる。
【0067】
陽イオン性界面活性剤としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、ブロム化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、ブロム化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラノリン誘導体第4級アンモニウム塩などを挙げることができる。
【0068】
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ポスポベタイン型、アミノカルボキシル酸塩型、イミダゾリン誘導体型、アミドアミン型などの両性界面活性剤などを挙げることができる。
【0069】
有機および無機顔料としては、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン、ベンガラ、クレー、ベントナイト、チタン皮膜雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化鉄、群青、酸化クロム、水酸化クロム、カラミンおよびこれらの複合体などの無機顔料;ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ酸樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジビニルベンゼンスチレン共重合体、シルクパウダー、セルロース、CIピグメントイエロー、CIピグメントオレンジなどの有機顔料、およびこれらの無機顔料と有機顔料の複合顔料などを挙げることができる。
【0070】
有機粉体としては、ステアリン酸カルシウムなどの金属石鹸;セチルリン酸亜鉛ナトリウム、ラウリルリン酸亜鉛、ラウリルリン酸カルシウムなどのアルキルリン酸金属塩;N−ラウロイル−β−アラニンカルシウム、N−ラウロイル−β−アラニン亜鉛、N−ラウロイルグリシンカルシウムなどのアシルアミノ酸多価金属塩;N−ラウロイル−タウリンカルシウム、N−パルミトイル−タウリンカルシウムなどのアミドスルホン酸多価金属塩;N−イプシロン−ラウロイル−L−リジン、N−イプシロン−パルミトイルリジン、N−α−パリトイルオルニチン、N−α−ラウロイルアルギニン、N−α−硬化牛脂脂肪酸アシルアルギニンなどのN−アシル塩基性アミノ酸;N−ラウロイルグリシルグリシンなどのN−アシルポリペプチド;α−アミノカプリル酸、α−アミノラウリン酸などのα−アミノ脂肪酸;ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ジビニルベンゼンスチレン共重合体、四フッ化エチレンなどを挙げることができる。
【0071】
紫外線吸収剤としては、パラアミノベンゾ酸、パラアミノベンゾ酸エチル、パラアミノベンゾ酸アミル、パラアミノベンゾ酸オクチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸オクチル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ブチルフェニル、サリチル酸ホモメンチル、ケイ皮酸ベンジル、パラメトキシケイ皮酸−2−エトキシエチル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキ酸グリセリル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、ジイソプロピルジイソプロピルケイ皮酸エステルの混合物、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸およびその塩、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2,4,6−トリアニリノ−p−(カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾルなどを挙げることができる。
【0072】
殺菌剤としてはヒノキチオル、トリクロサン、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジングルコン酸塩、フェノキシエタノール、レジョルシン、イソプロピルメチルフェノール、アズレン、サリチル酸、ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム、感光素301号、モノニトログアヤコールナトリウム、ウンデシレン酸などを挙げることができる。
【0073】
酸化防止剤としては、ブチルヒドロキシアニソール、ガーリック酸プロピル、エリソルビン酸などを挙げることができる。
【0074】
pH調整剤としては、クエン酸、クエン酸ナトリウム、マル酸、マル酸ナトリウム、フマル酸、フマル酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸一水素ナトリウムなどを挙げることができる。
アルコールとしては、セチルアルコールなどの高級アルコールを挙げることができる。
【0075】
またこれ以外に、添加してもよい配合成分は、これに限定されるものではなく、また、前記のどの成分も、本発明の目的および効果を損なわない範囲内で配合可能であるが、総重量に対して好ましくは0.01〜5%重量百分率、より好ましくは0.01〜3%重量百分率で配合される。
本発明の化粧料は、溶液、乳化物、粘性型混合物などの形状をとることができる。
【0076】
本発明の化粧料組成物に含まれる成分は、有効成分として、上記の化合物以外に化粧料組成物に通常使用される成分を含むことができ、例えば、安定化剤、溶解化剤、ビタミン、顔料および香料などの通常使用される補助剤および担体を含む。
【0077】
本発明の化粧料組成物は、当業界で通常的に製造されるいかなる剤形としても製造でき、例えば乳液、クリーム、化粧水、パック、ファンデーション、ローション、美容液、毛髪化粧料などを挙げることができる。
【0078】
具体的には、本発明の化粧料組成物は、スキンローション、スキンソープナー、スキントナー、アストリンゼント、ローション、ミルクローション、モイスチャーローション、栄養ローション、マッサージクリーム、栄養クリーム、モイスチャークリーム、ハンドクリーム、ファンデーション、エッセンス、栄養エッセンス、パック、石鹸、クレンジングフォーム、クレンジングローション、クレンジングクリーム、ボディーローション、ボディークレンザーの剤形を含む。
【0079】
本発明の剤形がペースト、クリームまたはゲルの場合、担体成分として、動物繊維、植物繊維、ワックス、パラフィン、澱粉、トラガント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコ−ン、ベントナイト、シリカ、タルクや酸化亜鉛などを使用することができる
【0080】
本発明の剤形がパウダーやスプレーである場合、担体成分としてラクトーゼ、タルク、シリカ、アルミニウムヒドロキシード、カルシウムシリケートまたはポリアミドパウダーを使用することができ、特にスプレーの場合は追加的にクロロフルオロハイドロカーボン、プロパン/ブタンまたはジメチルエーテルのような推進剤を含むことができる。
【0081】
本発明の剤形が溶液または乳濁液の場合には、担体成分として、溶媒、溶解化剤または乳濁化剤が利用され、例えば、水、エタノール、イソプロパノール、エチルカーボネート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコールオイル、グリセロール脂肪族エステル、ポリエチレングリコールまたはソルビタンの脂肪酸エステルがある。
【0082】
本発明の剤形が懸濁液の場合には、担体成分として、水、エタノール、またはプロピレングリコールのような液状の希釈剤、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトルエステル、およびポリオキシエチレンソルビタンエステルのような懸濁剤、微小結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシード、ベントナイト、アガまたはトラガントなどが使用される。
【0083】
本発明の剤形が界面活性剤含有のクレンジングの場合は、担体成分として、脂肪族アルコールソルベイト、脂肪族アルコールエーテルソルベイト、スルホコハク酸モノエステル、イセチオネート、イミダゾリウム誘導体、メチルタウレート、サルコシネート、脂肪酸アミドエーテルソルベイト、アルキルアミドベタイン、脂肪族アルコール、脂肪酸グリセリード、脂肪酸ジエタノールアミド、植物油、リノリン誘導体またはエトキシル化グリセロール脂肪酸エステルなどが使用される。
【0084】
また、本発明は、皮膚保護作用および水分保有能力を示す前記製造方法で得られた類似セラミド化合物を有効成分として含有する皮膚疾患治療および予防用薬学組成物を提供する。
【0085】
前記疾患は、アトピー性皮膚炎、肌荒れなどによる皮膚炎、あせも、ただれ、凍傷、おむつ皮膚炎、接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎、ビダール苔癬、貨幣状湿疹、主婦湿疹、日光皮膚炎、虫刺症、皮膚掻痒症、痒疹、薬疹、中毒疹、乾せん、類乾せん、掌蹠膿疱症、扁平苔癬、光沢苔癬、毛孔性紅色粃糠疹、ジベルばら色粃糠疹、紅斑症、紅皮症、円板状エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス、天疱瘡、類天疱瘡、デューリング疱疹状皮膚炎、円形脱毛症、尋常性白斑、サルコイドーシス、皮膚アミロイドーシス、ケロイド、肥厚性瘢痕、創傷、床ずれ、皮膚潰瘍、脱毛、養毛および育毛を含む。
【0086】
本発明の化合物を含む薬学組成物は、組成物総重量に対して前記化合物を0.1ないし50重量%含む。
【0087】
本発明の化合物を含む薬学組成物は、薬学的組成物の製造に通常用いられる適切な担体、賦形剤および希釈剤をさらに含むことができる。
【0088】
本発明の化合物の薬学的投与形態は、これらの薬学的に許容可能な塩の形態においても使用可能であり、かつ単独でまたはその他の薬学的活性化合物との結合のみならず、適当な集合として使用することも可能である。
【0089】
本発明に係る化合物を含む薬学組成物は、それぞれ、通常の方法によって、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン、シロップ、エアロゾルなどの外用剤および滅菌注射溶液の形態で剤形化して使用することができ、好ましくは、軟膏剤、硬膏剤、ローション剤、リニメント剤、パスタ剤、またはカタプラスマ剤の皮膚外用剤形態の薬学組成物を提供する。化合物を含む組成物に包含可能な担体、賦形剤および希釈剤としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、ザイリトール、エリスリトール、マルチトール、澱粉、アカシアゴム、アルジネート、ゼラチン、カルシウムフォスフェイト、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、マグネシウムステアレート、および鉱物油を挙げることができる。製剤化する場合には、通常使用されている充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を使用して製造される。非経口投与のための製剤には、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、油剤、凍結乾燥製剤、座剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁剤としては、プロピレングリコール(propylene glycol)、ポリエチレングリコール、オリーブオイルなどの植物性油、エチルオレートなどの注射可能なエステルなどを使用可能である。
【0090】
本発明の化合物の望ましい投与量は、患者の状態および体重、疾病の程度、薬物の形態、投与経路、および期間に応じて異なるが、当業者によって適切に選択可能である。ただし、望ましい効果のために、本発明の化合物は、1日に0.0001〜100mg/kg、望ましくは、0.001〜10mg/kg投与するのがよい。投与は、一日に一回投与することも可能であり、数回に分けて投与することもできる。上記の投与量は、どのような面においても、本発明の範囲を限定するものではない。
【0091】
以下、本発明を実施例および実験例によって詳細に説明する。しかし、これらの実施例等は本発明の理解を助けるためのものであり、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
【0092】
合成例1:疑似セラミド構造を有する新規化合物合成
250mlフラスコに下記化学式7の2−ドデセニル無水コハク酸5.02gと、化学式8のオレイルアミン5.29gを投入する。このとき、オレイルアミンは溶媒として使用するクロロホルムで薄めて使った。以降、30分間攪拌して反応を進行した。反応の結果、化学式3を得た。反応進行状況は、
図2のNMR6.0〜6.1ppmでアミドのHを確認して開環反応が終了したことを確認し、TLCを並行して確認した。
【0095】
実施例1、2および比較例1:保湿ローションの製造
下記の表1に示すような成分を利用し、本発明の技術分野で知られた通常の方法で本出願の疑似セラミド新規化合物を含む保湿ローション剤形の実施例1、2および比較例1を製造した。
【0097】
比較例2:保湿ローションの製造
下記の表2に示すような成分を利用し、本発明の技術分野で知られた通常の方法で既に商用化されている疑似セラミドPC−9S(米国特許US6221371)化合物を含む保湿ローション剤形を製造した。
【0099】
実験例1:人体での皮膚保湿力改善効果実験
前記実施例1、2の疑似セラミド新規化合物を含むローション剤形の保湿剤と他社の疑似セラミドを含む保湿剤を有し、保湿力効果を評価した。以下、試験方法について説明する。
【0100】
元気な20〜35歳の男女8人を対象に保湿力向上率評価実験を実施した。試験部位は腕内側で、塗布前に試験部位を流水できれいに洗った。このとき、保湿成分や強力な洗浄成分が含まれている製品は使わない。軽く水気を除去して20−30分間ゆっくり乾かす。
図1のように試験部位(上腕部位)に2.0X2.0cmの四角形を試料数だけ表す。試料塗布前に水分測定器(corneometer)で静電容量(capacitance)を5回測定し、最低値と最高値を除いた3回測定値の平均を求める。急性皮膚障壁損傷を誘導するために同じ部位に反復的にテープストリッピング(Tape−stripping)を行った。急性皮膚障壁損傷後に障壁が損傷された部位に試料を一定量塗布し試料が十分に吸収されるようにする。同じ部位に試料を1日1回塗布し、損傷前、損傷直後、3時間、6時間、24時間、48時間、72時間後の静電容量(capacitance)を測定した後、測定値の平均を求める。
【0101】
測定に使用された水分測定器(corneometer)は、100−240V AC、0.3A、50−60Hzの容量で測定可能な面積は、49mm
2正確度=3%の機器で身体のすべての部分を測定できる。また、測定にかかる時間は短くて反復測定が容易である。テスト結果を
図3および
図4に示す。
保湿力向上率=(素材別平均値−塗布前平均値)/塗布前平均値*100
結果を下記の表3に示す。
【0102】
表3は、水分測定器(corneometer)の測定値平均と標準偏差を示すものである。
【0103】
表4の結果は、実験開始直前に測定した水分測定器(corneometer)の値を基準にして一定時間処置した後の測定値の増加分を百分率で表したものである。
【0104】
図3は、本発明の実験例1による水分測定器(corneometer)の測定値の変化を示す図である。
図4は、実験例1による保湿力向上率を示す図である。
【0107】
実施例3ないし6および比較例3:保湿クリームの製造
下記の表5に示すような成分を利用し、本発明の技術分野で知られた通常の方法で本出願の疑似セラミド新規化合物を含む保湿クリーム剤形の実施例3ないし6および比較例3を製造した。
【0109】
比較例4:保湿クリームの製造
下記の表6に示すような成分を利用し、本発明の技術分野で知られた通常の方法で既に商用化されている疑似セラミドPC−9S(米国特許US6221371)化合物を含む保湿クリーム剤形を製造した。
【0111】
実験例2:人体での皮膚保湿力改善効果実験
前記実施例3ないし6の疑似セラミド新規化合物を含むクリーム剤形の保湿剤と他社の疑似セラミドを含む保湿剤を比較例4、そして疑似セラミドを含まない比較例3をもって保湿力効果を評価した。以下、試験方法について説明する。
【0112】
元気な20〜35歳の男女8人を対象に保湿力向上率評価実験を実施した。試験部位は腕内側で、塗布前に試験部位を流れる水できれいに洗った。このとき、保湿成分や強力な洗浄成分が含まれている製品は使わない。軽く水気を除去して20−30分間ゆっくり乾かす。
図1のように、試験部位(上腕部位)に2.0X2.0cmの四角形を試料数ほど表す。試料塗布前に水分測定器(corneometer)で静電容量(capacitance)を5回測定し、最低値と最高値を除いた3回測定値の平均を求める。定められた部位に試料を塗布し、塗布前、塗布後、3時間、5時間、8時間後の静電容量(capacitance)を測定した後、測定値の平均を求める。
【0113】
測定に使用された水分測定器(corneometer)は、100−240V AC、0.3A、50−60Hzの容量で、測定可能な面積は、49mm
2正確度=3%の機器で身体のすべての部分を測定できる。また、測定にかかる時間が短くて反復測定が容易である。テスト結果を、
図5および
図6に示す。
保湿力向上率=(素材別平均値−塗布前平均値)/塗布前平均値*100
結果を下記の表7に示す。
【0114】
表7は、水分測定器(corneometer)測定値の平均と標準偏差を示すものである。
【0115】
表8の結果は実験開始直前に測定した水分測定器(corneometer)の値を基準にして一定時間処置した後の測定値の増加分を百分率で表したものである。
【0116】
図5は、本発明の実験例2による水分測定器(corneometer)の測定値の変化を示す図である。
図6は、実験例2による保湿力向上率を示す図である。
【0119】
実施例7および比較例5ないし6:ヘアエッセンスの製造
下記の表9に示すような成分を利用し、本発明の技術分野で知られた通常の方法で本出願の疑似セラミド新規化合物を含むヘアエッセンス剤形の実施例7および比較例5ないし6を製造した。
【0121】
実験例3:毛髪内部の強化実験
前記実施例7および比較例5ないし6の疑似セラミド新規化合物を含むヘアエッセンス剤形と他社の疑似セラミドを含むヘアエッセンスを比較例5、そして疑似セラミドを含まない比較例6をもって毛髪内部の強化効果を評価した。以下、試験方法について説明する。
【0122】
パーマ、脱色、洗浄、熱損傷、クシ質を通して損傷された毛髪を製造した後、セラミドが処方されたエッセンスを損傷毛髪に1回塗布する。塗布した毛髪の内部強度を評価するために、10、000回髪を撫でた後、切れた毛髪の個数と無処理毛髪の個数をもって切れ改善比率を算定した。実験に用いた毛髪の個数は、一つの試料当り、総4、000本の毛髪を使った。
【0123】
実験の結果、無処理毛髪の切れ個数は、総4、000本のうち89本であり、化学式3の類似セラミドを適用したエッセンスを適用した毛髪は、総4、000本のうち31本が切れ、セラミド3を適用した毛髪は、総4、000本のうち63本が切れたことを確認した。
切れ改善比率は、下記の式によって算定した。
【0124】
(無処理毛髪の切れた毛髪数−製品の処理時に切れた毛髪数)/無処理毛髪の切れた毛髪数=改善%
結果を下記の表10および表11に示す。
【0127】
実験例4:細胞毒性実験
HaCaTヒト角質形成細胞を利用して細胞毒性程度を測定した。HaCaTヒト角質形成細胞を10%FBSを添加したDMEMに6X10
3細胞の密度で96−ウォールプレートで接種し、一日間5%CO2、37℃で培養させた。その後、新たなDMEMに交替後、試料を2.5mM濃度から連続希釈法で処理して1日間培養した。1日後、培地に5mg/mL濃度のMTT試薬を10μl処理した後、4時間、5%CO2、37℃で培養させた。培地を除去しDMSO試薬を150μl添加して紫色結晶を溶解した後、540nmで吸光度を測定した。
【0128】
陰性対照群は、試料を添加しない反応液を使った。各試料液による細胞生存率は、下記数式1により計算し、測定結果を
図7に示す。
【0129】
(数1)
細胞生存率(%)=A/BX100
A:試料の吸光度
B:陰性対照群の吸光度
【0130】
図7の結果から、疑似セラミド化学式3のIC
50値が516.83ppmであることを確認することができた。
【0131】
細胞毒性実験の場合、比較評価を通して結果を算出しなければならないが、一般的な類似セラミドの特性上、培地によく溶けない特性があるため、やむを得ず単一値で表した。
【0132】
実験例5:にきび菌に対する最小阻害濃度測定実験
本発明の疑似セラミド化学式3のにきび菌に対する抗菌活性を調べるために、最小阻害濃度(Minimum Inhibitory Concentration、MIC)を以下のとおり、測定した。測定する試料を、0.06〜1.0%となるように強化クロストリジウム固体培地(Reinforced clostridial agar medium、DIFCO社)に添加し固めた後、予め培養したにきび菌(Propionibacterium acnes ATCC 6919)の懸濁液を培地表面にストリーキングし、嫌気的条件で37℃、3日間培養した後、菌が成長しない最小濃度をMICに決めた。
前記実験例5に対する結果は下記の表12の通りである。
【0134】
前記のように本発明の疑似セラミドの化学式3のMIC値を示す。にきび菌に対する抗菌効果があることが分かる。
【0135】
図8は、実験例5により条件を異にして菌株を培養した写真である。これによれば、本発明の化学式3の試料を処理した培地で菌が発現されないことを確認した。
【0136】
実験例6:腋臭誘発菌に対する最小阻害濃度測定実験
本発明の疑似セラミドの化学式3の腋臭誘発菌に対する抗菌活性を調べるために、最小阻害濃度(Minimum Inhibitory Concentration、MIC)を以下のとおり、測定した。測定する試料を95% EtOHやDMSOを使って50%に溶解させた後、試験しようとする菌に適した培地を利用して薄めて最終2%溶液で製造する。分散がよく行われない場合、適した分散剤(tween80)を利用して分散させる。(分散剤濃度は10%以下に菌の生長に影響を与えないものと選択して実施)
【0137】
96−ウェルマイクロプレート(well micro plate)を利用して測定する疑似セラミドの化学式3を適当な溶媒(EtOH 95%)に50:50に溶かした後、試験菌株専用液状培地(broth)に段階別に薄めて0.04−1%濃度となるようにする。予め培養した菌株の懸濁液を分周して、37℃、48時間培養した後、菌が成長しない最小濃度をMICに決めた。前記実験例6に対する結果は、下記の表13のとおりである。
【0139】
前記のように、本発明の疑似セラミドの化学式3のMIC値を表した。腋臭誘発菌に対する抗菌効果があることが分かる。
【0140】
実験例7:人体貼布試験
人体貼布試験は、試験物質の一次刺激性、場合によっては感作性による皮膚反応強度を確認する方法で、人体の皮膚刺激の程度を確認するために試験を実施する。以下、試験方法について説明する。
【0141】
貼布のチャンバー(chamber)内に以下の
図10のような番号(1〜10)順に試料を20ulずつ入れる(試料は、チャンバー内のガーゼが少し濡れる程度が適当である)。
【0142】
70% EtOHで貼布を付着する部位をまんべんなく拭き取った後、貼布を腕の上膊内側(upper arm)によく付着する。貼布を付着した後、24時間後に貼布を除去する。貼布を付着した部位を70% EtOHでよく拭き取る。チャンバー跡の位置をネイムペンで表示した後、1時間後に判定する。(1次刺激度の判定)同じ位置を24時間経過後に判定する。(2次刺激度の判定)皮膚平均反応度算出公式に基づいて結果を判定する。
【0143】
皮膚平均反応度算出公式
平均皮膚反応度=[GradexNo.of responses x100]/[Maximum grade x No.of Total Subject]
判定基準は、表14および表15、
図9に示す。
【0146】
判定基準は、適用試料および評価者の判断によって調整可能である。
前記実験例7に対する結果は、下記の表16のとおりである。
【0148】
実施例8:軟膏剤(薬学組成物の製剤例)
下記の表17に示すような成分を利用し、本発明の技術分野で知られた通常の方法で本出願の疑似セラミド新規化合物を含む軟膏剤組成物を製造した。
本発明は、新規な疑似セラミド化合物に関し、化学式1で表示される皮膚保湿およびバリア機能回復特性を有する新規な疑似セラミド化合物およびこれを含む皮膚外用剤組成物を提供する。