特許第6243114号(P6243114)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243114
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】インタークーラー
(51)【国際特許分類】
   F28F 9/02 20060101AFI20171127BHJP
【FI】
   F28F9/02 301E
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-264482(P2012-264482)
(22)【出願日】2012年12月3日
(65)【公開番号】特開2014-109409(P2014-109409A)
(43)【公開日】2014年6月12日
【審査請求日】2015年10月13日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100165526
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100187311
【弁理士】
【氏名又は名称】小飛山 悟史
(74)【代理人】
【識別番号】100189452
【弁理士】
【氏名又は名称】吉住 和之
(72)【発明者】
【氏名】木村 昌裕
【審査官】 西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−133198(JP,A)
【文献】 特開2008−309377(JP,A)
【文献】 特開2002−181486(JP,A)
【文献】 特開平08−159688(JP,A)
【文献】 実開昭61−058597(JP,U)
【文献】 特開昭58−052989(JP,A)
【文献】 特開2011−027363(JP,A)
【文献】 実開平02−046025(JP,U)
【文献】 実開平07−010430(JP,U)
【文献】 特表2006−513393(JP,A)
【文献】 特開平09−310988(JP,A)
【文献】 特開2010−65670(JP,A)
【文献】 特開平11−303641(JP,A)
【文献】 実開昭61−4196(JP,U)
【文献】 特開2002−309943(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 1/30
F28F 9/00 − 9/02
F28F 9/22
F28D 1/053
F28D 9/00
F02B 29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の吸気通路を流れる吸気を複数の流路に分けて冷却するインタークーラーであって、
前記吸気通路に接続される入口部を有する筒状の第一の入口タンクと、
前記第一の入口タンクと連通し、前記複数の流路と直交する方向において前記第一の入口タンクより幅広に形成された第二の入口タンクと、
前記第二の入口タンクを通じて吸気が流れ込む前記複数の流路を有するコアと、
を備え、
前記第二の入口タンクは、前記第一の入口タンクと連通する開口の縁に形成され、前記複数の流路に向かって突出する環状の内側フランジを有し、
前記第一の入口タンクの前記第二の入口タンク側の端部は、前記第二の入口タンク内に入り込んで前記内側フランジの内壁に当接し、
前記第一の入口タンクは、円筒状の本体部分と、前記本体部分より小径の円筒状をなす入口部と、を含む二段円筒形状を有し、
前記第一の入口タンクは、前記円筒状の本体部分の周方向に突出する矩形板状のフランジを有し、前記フランジは貫通部材により複数箇所で前記第二の入口タンクの外面に対して固定されており、前記フランジと前記第二の入口タンクの外面との間に封止部材が挟持されている、ことを特徴とするインタークーラー。
【請求項2】
吸気が送り出される出口部を有する第一の出口タンクと、
前記コアに接続されると共に前記第一の出口タンクと連通し、前記複数の流路を通り抜けた吸気が合流する第二の出口タンクと、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のインタークーラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関に取付けられるインタークーラーに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、過給機を搭載した内燃機関においては過給によって吸気の温度が上昇し、そのまま導入すると内燃機関の排ガス性能や出力効率が悪化するため、過給された吸気を冷却するインタークーラーを備える必要がある。
【0003】
インタークーラーに関する文献としては、例えば特開平9−310988号公報が知られている。この公報に記載のインタークーラーは、入口パイプに接続されたアッパータンクと、出口パイプに接続されたロアタンクと、アッパータンク及びロアタンクを連通させる複数のチューブ及び冷却フィンを有するコアと、を備え、入口パイプから入り込んだ吸気を複数のチューブに分けて流しながら冷却を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−310988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、インタークーラーでは、吸気の圧損(圧力損失)が低いほど燃費及び出力の向上が見込まれるため、より吸気圧損の低い構成が求められる。吸気圧損はインタークーラーにおける空気の流れやすさに左右され、特に入口側のタンクにおける分散性に大きく影響される。
【0006】
そこで、本発明は、吸気の分散性を向上させ、圧力損失を低減することができるインタークーラーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、内燃機関の吸気通路を流れる吸気を複数の流路に分けて冷却するインタークーラーであって、吸気通路に接続される入口部を有する筒状の第一の入口タンクと、第一の入口タンクと連通し、複数の流路と直交する方向において第一の入口タンクより幅広に形成された第二の入口タンクと、第二の入口タンクを通じて吸気が流れ込む複数の流路を有するコアと、を備え、第二の入口タンクは、第一の入口タンクと連通する開口の縁に形成され、複数の流路に向かって突出する環状の内側フランジを有し、第一の入口タンクの第二の入口タンク側の端部は、第二の入口タンク内に入り込んで内側フランジの内壁に当接し、第一の入口タンクは、円筒状の本体部分と、本体部分より小径の円筒状をなす入口部と、を含む二段円筒形状を有し、第一の入口タンクは、円筒状の本体部分の周方向に突出する矩形板状のフランジを有し、フランジは貫通部材により複数箇所で第二の入口タンクの外面に対して固定されており、フランジと第二の入口タンクの外面との間に封止部材が挟持されている、ことを特徴とするインタークーラー。ことを特徴とする。
【0008】
本発明に係るインタークーラーによれば、第一の入口タンクと第二の入口タンクを備えているので、吸気通路から第一の入口タンクに入り込んだ吸気は、第一の入口タンク及び幅広の第二の入口タンクにおいて余裕をもって広く分散され、複数の流路へとスムーズに導入される。従って、このインタークーラーによれば、導入される吸気の分散性を向上させ、圧力損失の低減を図ることができる。
【0011】
本発明に係るインタークーラーにおいては、吸気が送り出される出口部を有する第一の出口タンクと、コアに接続されると共に第一の出口タンクと連通し、複数の流路を通り抜けた吸気が合流する第二の出口タンクと、を更に備えてもよい。
このインタークーラーによれば、出口側においても第一の出口タンク及び第二の出口タンクを備えることで、十分な空間的余裕をもってスムーズに複数の流路を通り抜けた吸気の合流を行うことができるので、圧力損失を一層低減することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るインタークーラーによれば、吸気の分散性を向上させ、圧力損失を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第一の実施形態に係るインタークーラーを示す斜視図である。
図2】第一の実施形態に係るインタークーラーを示す断面図である。
図3】第二の実施形態に係るインタークーラーを示す断面図である。
図4】第三の実施形態に係るインタークーラーを示す断面図である。
図5】第三の実施形態に係るインタークーラーを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
[第一の実施形態]
図1及び図2に示すインタークーラー1は、車両のエンジン(内燃機関)における吸気通路に設けられ、過給機により過給された吸気(吸引した空気)を冷却することで燃費効率と出力(トルク、仕事率)を向上させるものである。図2において吸気は左側から右側に向かって流れている。以下、図2の紙面の上下左右を基準として説明に用いる。
【0017】
図1及び図2に示されるように、第一の実施形態に係るインタークーラー1は、第一の入口タンク2、第二の入口タンク3、コア4、第一の出口タンク5、及び第二の出口タンク6を備えている。
【0018】
第一の入口タンク2は、例えばアルミやステンレスその他の金属、又は6,6−ナイロンその他の樹脂からなる筒状の部材である。第一の入口タンク2は、吸気通路に接続される管状の入口部2aを有しており、この入口部2aを通じて吸気が導入される。また、第一の入口タンク2の側方には、周方向に突出するフランジ2bが形成されている。
【0019】
第一の入口タンク2の右側(入口部2aの反対側)には、第二の入口タンク3が配置されており、第一の入口タンク2及び第二の入口タンク3は内部が連通している。具体的には、第一の入口タンク2の右端は、第二の入口タンク3の中央の開口に嵌合しており、第二の入口タンク3内に入り込んで内壁3aに当接している。この構成により、第一の入口タンク2及び第二の入口タンク3は互いに精度良く位置決めされ、この状態でネジ止めされている。
【0020】
第二の入口タンク3は、左側の開口を有する舟型の部材である。第二の入口タンク3は、第一の入口タンク3と同じ材質から形成してもよいが、別の材質から形成してもよい。
【0021】
第二の入口タンク3は、第一の入口タンク2と比べて上下方向において幅広に形成されている。すなわち、第二の入口タンク3は、吸気が第一の入口タンク2よりも上下方向に分散するように構成されている。この第二の入口タンク3は、開口の縁を形成するように環状の内側フランジ3bが形成されており、これによって開口周辺の耐圧強度を高めている。
【0022】
第一の入口タンク2のフランジ2bと第二の入口タンク3の外面との間には、ガスケット(封止部材)8が配置されている。このガスケット8によって第一の入口タンク2及び第二の入口タンク3の間の密閉性が確保され、吸気の漏れを防止する。なお、ガスケット8に代えて、Oリングその他の封止部材を採用してもよい。
【0023】
吸気通路から入口部2aに入り込んだ吸気は、第一の入口タンク2及び第二の入口タンク3において分散しながら右側へと進み、第二の入口タンク3の右側に位置するコア4に入り込む。
【0024】
コア4は、左右一対のコアプレート9、複数のチューブ(複数の流路)10、冷却フィン11、及びカバー12を有している。
【0025】
左側のコアプレート9は、第二の入口タンク3に嵌め込まれている。一方、右側のコアプレート9は、第二の出口タンク6に対して嵌め込まれている。一対のコアプレート9の間には、複数のチューブ10が渡されており、これらのチューブ10内を吸気が通過する。チューブ10は、両端のコアプレート9を通じて第二の入口タンク3及び第二の出口タンク6の内部と連通している。
【0026】
冷却フィン11は、複数のチューブ10の間に配置されており、チューブ10内を通る吸気の熱を奪うことで冷却を促進させるものである。チューブ10及び冷却フィン11を交互に配置してなる構造体は、上下方向が一対のカバー12によって挟まれている。
【0027】
コア4においてチューブ10を通り抜けた吸気は、第二の出口タンク6内に入り込む。第一の出口タンク5及び第二の出口タンク6は、それぞれ第一の入口タンク2及び第二の入口タンク3と同一(又は左右対称)の構成を有する部材である。
【0028】
第二の出口タンク6は、右側中央に開口を有する舟型の部材である。第二の出口タンク6の右側からは、第一の出口タンク5の左端が開口を通じて入り込んでおり、第一の出口タンク5の左端は第二の出口タンク6の内壁6aに対して当接している。具体的には、管状の第一の出口タンク5の左端は、第二の出口タンク6の開口に嵌合されており、これによって両部材の位置決めが行われている。
【0029】
第一の出口タンク5の側方にも、周方向に突出するフランジ5bが形成されており、このフランジ5bと第二の出口タンク6の外壁との間でガスケット8が挟持されている。
【0030】
第二の出口タンク6内に入り込んだ吸気は、第二の出口タンク6、第一の出口タンク5の順に合流しながら進み、第一の出口タンク5の出口部5aから吸気通路のエンジン側に送り出される。
【0031】
以上説明した第一の実施形態に係るインタークーラー1によれば、第一の入口タンク2と第二の入口タンク3を備えているので、吸気通路から第一の入口タンク2に入り込んだ吸気は、第一の入口タンク2及び幅広の第二の入口タンク3において余裕をもって広く分散され、複数のチューブ10へとスムーズに導入される。従って、このインタークーラー1によれば、導入される吸気の分散性を向上させ、圧力損失の低減を図ることができる。
【0032】
また、このインタークーラー1によれば、第一の入口タンク2の右端が第二の入口タンク3内に入り込んで第二の入口タンク3の内壁3aに当接していることで、互いを精度良く位置決めすることができ、組み付け作業が簡素化され、作業時間の短縮することができる。しかも、第一の入口タンク2の右端が入り込むことで第二の入口タンク3の開口周囲が補強され、耐圧構造上も有利になる。
【0033】
更に、このインタークーラー1では、出口側においても第一の出口タンク5及び第二の出口タンク6を備えることで、十分な空間的余裕をもってスムーズに複数のチューブ10を通り抜けた吸気の合流を行うことができるので、圧力損失を一層低減することができる。
【0034】
(第二の実施形態)
図3に示す第二の実施形態に係るインタークーラー20は、第一の実施形態に係るインタークーラー1と比べて、第一の入口タンク21及び第二の入口タンク22の構造のみが異なっている。以下、第一の実施形態と同一の構成要素には第一の実施形態と同一の符号を付し、説明を省略する。
【0035】
第二の実施形態に係る第一の入口タンク21は、吸気をスムーズに第二の入口タンク22内に送り込めるよう傾斜した側壁を有しており、その右端にはフランジ21bが形成されている。フランジ21bと第二の入口タンク22のとの間にはガスケット8が配置されている。なお、入口部21aの構成は、第一の実施形態に係る入口部2aと同じである。
【0036】
また、第二の実施形態では、第一の入口タンク21の内部に第二の入口タンク22の一部が入り込む構造となっている。具体的には、第二の入口タンク22は、開口の縁を形成し、外側(第一の入口タンク21側)に向かって突出する環状のフランジ22aを有しており、このフランジ22aが第一の入口タンク21内に嵌合している。フランジ22aは第一の入口タンク21内に入り込み、内壁21cと当接している。このように、第二の入口タンク22の一部が第一の入口タンク21の内壁21cに当接する構成とすることで、両部材が精度良く位置決めされる。
【0037】
以上説明した第二の実施形態に係るインタークーラー20においても、第一の入口タンク21と第二の入口タンク22を備えることで、導入される吸気の分散性を向上させ、圧力損失の低減を図ることができる。また、このインタークーラー20によれば、第二の入口タンク22のフランジ21bが第一の入口タンク21の内壁21cに当接することで互いを精度良く位置決めすることができ、組み付け作業が簡素化され、作業時間の短縮することができる。しかも、第二の入口タンク21の開口の縁を第一の入口タンク21側に突出させるフランジ22aとすることで第二の入口タンクの開口周囲を補強して耐圧強度を高めることができる。
【0038】
なお、出口タンクについては、第一の入口タンク21及び第一の入口タンク22と同一(又は左右対称)の部材を採用してもよく、第一の実施形態の第一の出口タンク5及び第二の出口タンク6を採用してもよい。或いは、出口側は一段のタンクを用いてもよい。
【0039】
[第三の実施形態]
図4に示す第三の実施形態に係るインタークーラー30は、第一の入口タンク31の入口部31aの向きが第二の実施形態に係るインタークーラー20と比べて異なっている。
【0040】
具体的には、入口部31aの向きがチューブ10の延在方向(つまり図4における紙面左右方向)ではなく、図4の紙面奥方向に向いている点が大きく異なっている。ここで、図5は、インタークーラー30を上方から見た平面図である。図5に示されるように、インタークーラー30は、上下方向及びチューブ10の延在方向と直交する方向において吸気通路と接続されている。
【0041】
このような第三の実施形態に係るインタークーラー30においても、第二の実施形態と同様の効果を奏することができる。なお、出口部についても同様に図4の紙面奥方向に向いている構成であってもよい。
【0042】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、それぞれのタンク形状は一例であり、上述したものの他、様々な形状を採用することができる。また、三段以上のタンクを接続させてもよい。
【0043】
更に、入口部及び出口部は、上下方向においてインタークーラーの中央に位置する必要はなく、上下の何れかに片寄っていてもよく、入口部と出口部の高さが異なっていてもよい。また、上記実施形態の説明で用いた方向(上下左右)は、本発明を限定するものではない。インタークーラーの吸気は左右方向ではなく上下方向や斜め方向に流れてもよい。
【0044】
また、入口部及び出口部の向きは、チューブの延在方向と同一又は垂直である必要はなく、斜め方向であってもよい。更に、必ずしも流路はチューブである必要はなく、冷却フィンを必ず備える必要はない。
【符号の説明】
【0045】
1,20,30…インタークーラー 2,21,31…第一の入口タンク 2a,21a,31a…入口部 2b,21b,31b…フランジ 3,22…第二の入口タンク 3a…内壁 3b…内側フランジ 4…コア 5…第一の出口タンク 5a…出口部 5b…フランジ 6…第二の出口タンク 6a…内壁 8…ガスケット(封止部材) 9…コアプレート 10…チューブ(流路) 11…冷却フィン 12…カバー 21c…内壁 22a…フランジ
図1
図2
図3
図4
図5