(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243118
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】電子ビューファインダー及び電子カメラ
(51)【国際特許分類】
G03B 13/06 20060101AFI20171127BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
G03B13/06
H04N5/225 450
【請求項の数】4
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2012-283169(P2012-283169)
(22)【出願日】2012年12月26日
(65)【公開番号】特開2014-126689(P2014-126689A)
(43)【公開日】2014年7月7日
【審査請求日】2015年8月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000166948
【氏名又は名称】シチズンファインデバイス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(72)【発明者】
【氏名】関口 金孝
【審査官】
小倉 宏之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−260726(JP,A)
【文献】
特開平04−144368(JP,A)
【文献】
実開平06−073963(JP,U)
【文献】
特開平11−196302(JP,A)
【文献】
特開2001−326838(JP,A)
【文献】
特開2001−251541(JP,A)
【文献】
特開2002−328410(JP,A)
【文献】
特開2006−064944(JP,A)
【文献】
特開2003−234924(JP,A)
【文献】
特開平05−300415(JP,A)
【文献】
特開2003−153044(JP,A)
【文献】
特開2005−084284(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 13/06
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示体と、
当該表示体により表示された前記画像を所定の方向へ反射する鏡と、
前記表示体と前記鏡を収容すると共に前記鏡により反射された前記画像を外部へ出射させる観察用窓部が設けられた筺体と、
前記表示体の画像表示面から前記鏡の反射面に至るまでの光路上に配置され、前記表示体により表示された前記画像を縮小する縮小レンズと、を備えた電子ビューファインダーであって、
前記筐体は、第一筐体と、第二筐体とを有し、
前記第二筐体は、前記第一筐体とは別体として構成されると共に、前記第一筐体に取り付けられ、
前記第一筐体には、前記表示体が収容されると共に、前記表示体により表示された前記画像を外部へ出射させる出射用窓部が設けられ、
前記第二筐体には、前記鏡が収容されると共に、前記第一筐体に設けられた前記出射用窓部から外部へ出射された前記画像を内部へ入射させる入射用窓部と、当該入射用窓部から内部へ入射して前記鏡により反射された前記画像を外部へ出射させる前記観察用窓部とが設けられ、
前記第一筐体に設けられた前記出射用窓部と、前記第二筐体に設けられた前記入射用窓部のうち、少なくとも何れか一方は、透明部材で構成され、
前記縮小レンズの中央部と、前記表示体の前記画像表示面の中央部は、前記画像表示面と直交する方向において、互いに対向し、近接している、
ことを特徴とする電子ビューファインダー。
【請求項2】
前記第一筐体に設けられた前記出射用窓部と、前記第二筐体に設けられた前記入射用窓部は、透明部材で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子ビューファインダー。
【請求項3】
前記第一筐体に設けられた前記出射用窓部と、前記第二筐体に設けられた前記入射用窓部は、互いに対向していることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子ビューファインダー。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一つに記載の電子ビューファインダーを備えたことを特徴とする電子カメラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子ビューファインダー及び電子カメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図3は従来の電子ビューファインダーを示す概略図である。従来、電子ビューファインダー(EVF)の構成として、EVF筺体3の内部に液晶パネル等の表示体4を配置し、その表示体4により表示された画像を前方に配置した鏡1で光軸と直交する方向へ反射し、反射された画像をEVF筺体3の長手方向一端部に配置した拡大レンズ2を通して観察するものがある。(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−153044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電子ビューファインダーでは、表示体が大きくなると、その大きさに合わせて鏡を大きくする必要があり、鏡が大きくなった分、EVF筐体が大きくなってしまうという欠点があった。
【0005】
本発明は以上のような問題点を解決しようとするもので、表示体が大型化した場合であってもEVF筐体が大型化することのない電子ビューファインダー及び電子カメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
画像を表示する表示体と、当該表示体により表示された前記画像を所定の方向へ反射する鏡と、前記表示体と前記鏡を収容すると共に前記鏡により反射された前記画像を外部へ出射させる観察用窓部が設けられた筺体と、前記表示体の画像表示面から前記鏡の反射面に至るまでの光路上に配置され、前記表示体により表示された前記画像を縮小する縮小レンズと、を備えた電子ビューファインダーであって、前記筐体は、第一筐体と、第二筐体とを有し、前記第二筐体は、前記第一筐体とは別体として構成されると共に、前記第一筐体に取り付けられ、前記第一筐体には、前記表示体が収容されると共に、前記表示体により表示された前記画像を外部へ出射させる出射用窓部が設けられ、前記第二筐体には、前記鏡が収容されると共に、前記第一筐体に設けられた前記出射用窓部から外部へ出射された前記画像を内部へ入射させる入射用窓部と、当該入射用窓部から内部へ入射して前記鏡により反射された前記画像を外部へ出射させる前記観察用窓部とが設けられ、前記第一筐体に設けられた前記出射用窓部と、前記第二筐体に設けられた前記入射用窓部のうち、少なくとも何れか一方は、透明部材で構成され
、前記縮小レンズの中央部と、前記表示体の前記画像表示面の中央部は、前記画像表示面と直交する方向において、互いに対向し、近接している、電子ビューファインダーとする。
【0007】
前記第一筐体に設けられた前記出射用窓部と、前記第二筐体に設けられた前記入射用窓部は、透明部材で構成されている電子ビューファインダーとすることができる。
【0008】
前記第一筐体に設けられた前記出射用窓部と、前記第二筐体に設けられた前記入射用窓部は、互いに対向している電子ビューファインダーとする
ことができる。
【0009】
上述の何れか一つの電子ビューファインダーを備えた電子カメラとす
る。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、表示体の画像を縮小する縮小レンズを、表示体と鏡との間に配置することにより、大きな表示体を使用した場合であってもEVF筐体の大型化を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明による電子ビューファインダーの一実施形態を示す概略図である。
【
図2】本発明による電子カメラの一実施形態を示す概略図である。
【
図3】従来の電子ビューファインダーを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0012】
図1は本発明による電子ビューファインダーの一実施形態を示す概略図である。本実施形態の電子ビューファインダー(EVF)では、
図1に示すように、表示体4がEVF筐体3の下側の内面に配置されている。表示体4の画像表示面はEVF筺体3の上側の内面に向けられている。表示体4は例えば液晶パネルや有機EL素子などで構成される。表示体4の画像表示面の前方には、鏡1が配置されている。鏡1は表示体4により表示された画像をその光軸と直交する方向へ反射するように、反射面を表示体4の画像表示面に対して45°傾けて配置されている。表示体4と鏡1との間には、表示体4により表示された画像を縮小する縮小レンズ5が配置されている。EVF筺体3の長手方向一端部には、鏡1により反射された画像を拡大する拡大レンズ2が配置されている。
【0013】
表示体4により表示された画像はまず縮小レンズ5を通過して所定の大きさに縮小される。縮小された画像は鏡1によりその光軸と直交する方向へ反射され、拡大レンズ2を通過して所定の大きさに拡大される。観察者はその拡大された画像を観察する。
【実施例2】
【0014】
図2は本発明による電子カメラの一実施形態を示す概略図である。本実施形態の電子カメラでは、
図2に示すように、電子カメラ筺体6の上部にEVF筺体3が取り付けられている。電子カメラ筺体6の内部には、表示体4が配置されている。表示体4の画像表示面はEVF筺体3側に向けられている。表示体4は例えば液晶パネルや有機EL素子等で構成され、例えば電子カメラで撮影した動画や静止画が表示される。表示体4とEVF筺体3との間の電子カメラ筺体6の一部には、表示体4により表示された画像をEVF筺体3の外部へ通過させるための窓部8が設けられている。窓部8は透明部材(透明平板等)や開口部で構成される。表示体4と窓部8との間には、表示体4の画像を縮小する縮小レンズ5が配置されている。
【0015】
電子カメラ筺体6の窓部8と対向するEVF筺体3の一部には、表示体4により表示された画像をEVF筺体3の内部へ通過させるための窓部7が設けられている。窓部7は透明部材(透明平板等)や開口部で構成される。EVF筺体3の窓部7とEVF筺体3の上側の内面との間には、鏡1が配置されている。鏡1は表示体4により表示された画像をその光軸と直交する方向へ反射するように、反射面を表示体4の画像表示面に対して45°傾けて配置されている。EVF筺体3の長手方向一端部には、鏡1により反射された画像を拡大する拡大レンズ2が配置されている。
【0016】
表示体4により表示された画像はまず縮小レンズ5を通過して所定の大きさに縮小される。縮小された画像は電子カメラ筺体6の窓部8とEVF筺体3の窓部7を通ってEVF筺体3の内部へ進み、鏡1によりその光軸と直交する方向へ反射された後、拡大レンズ2を通過して所定の大きさに拡大される。観察者はその拡大された画像を観察する。
【0017】
本発明において、拡大レンズ2は必須の構成ではなく、縮小レンズ5により縮小された画像をそのまま観察するような場合には、省略することが可能である。この場合、EVF筺体3の画像を外部へ出射させる部位には、縮小レンズ5の代わりに透明部材(透明平板等)や開口部で構成される窓部を設ける。
【0018】
また、鏡1の反射面の角度は表示体4の画像表示面に対して45°に限定されるものではなく、画像を観察する方向に応じて適宜変更が可能である。
【0019】
また、縮小レンズ5は表示体4の画像表示面から鏡1の反射面に至るまでの光路上であればどこに配置しても良い。しかし、表示体4により表示された画像を十分に縮小して鏡1に投射させるには、縮小レンズ5と鏡1との間にある程度の距離が必要であることから、縮小レンズ5は表示体4の画像表示面に近接させて配置するのが好ましい。
【符号の説明】
【0020】
1 鏡
2 拡大レンズ(出射用窓部)
3 EVF筺体
4 表示体
5 縮小レンズ
6 電子カメラ筺体
7 窓部(入射用窓部)
8 窓部(出射用窓部)