(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243139
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】移動通信システム
(51)【国際特許分類】
H04W 48/00 20090101AFI20171127BHJP
H04W 92/20 20090101ALI20171127BHJP
H04W 12/04 20090101ALI20171127BHJP
H04W 8/24 20090101ALI20171127BHJP
H04W 72/02 20090101ALI20171127BHJP
【FI】
H04W48/00 110
H04W92/20
H04W12/04
H04W8/24
H04W72/02
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-100549(P2013-100549)
(22)【出願日】2013年5月10日
(65)【公開番号】特開2014-220765(P2014-220765A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2016年4月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100117064
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 市太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100169797
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】ウリ アンダルマワンティ ハプサリ
(72)【発明者】
【氏名】高橋 秀明
【審査官】
望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】
Nokia Siemens Networks,Security key generation in case of MFBI,3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #81bis R2-131148,3GPP,2013年 4月15日
【文献】
Samsung et al.,MFBI details (LTE focus),3GPP TSG RAN WG2 Meeting #80 R2-125335,3GPP,2012年11月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局が、マルチ周波数バンドインディケータ機能に対応する第1無線基地局配下のセルに接続されている状態で、該マルチ周波数バンドインディケータ機能に対応する第2無線基地局配下のセルに再接続することができるように構成されている移動通信システムであって、
前記第1無線基地局は、前記移動局が前記マルチ周波数バンドインディケータ機能に対応していると判定した場合に、前記第2無線基地局配下のセルによってサポートされているバンドの中から、該移動局がアイドル状態時に選択する優先度が最も高いバンドを選択し、該第2無線基地局に対して、選択した該バンドの下り中心周波数の識別情報を用いて生成した無線基地局鍵を含むハンドオーバ準備信号を送信するように構成されており、
前記マルチ周波数バンドインディケータ機能は、対象セルによってサポートされている既存バンド及び新規バンドがオーバーラップしている場合に、該対象セルにおける報知情報によって該既存バンド及び該新規バンドを通知する機能であることを特徴とする移動通信システム。
【請求項2】
前記第1無線基地局は、前記移動局から取得した能力情報に基づいて、該移動局が前記マルチ周波数バンドインディケータ機能に対応しているか否かについて判定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。
【請求項3】
前記第1無線基地局は、前記移動局から取得した前記能力情報内の情報要素に基づいて、前記移動局が前記マルチ周波数バンドインディケータ機能に対応しているか否かについて判定する請求項2に記載の移動通信システム。
【請求項4】
前記能力情報は、UE Capability(E-UTRA Capability)であり、前記情報要素は、SupportedBandListE-UTRAである請求項3に記載の移動通信システム。
【請求項5】
前記報知情報は、前記新規バンドを通知するリストを含んでおり、
前記移動局が、前記第2無線基地局配下のセルによってサポートされているバンド内に含まれている既存バンドに対応している場合には、前記第1無線基地局は、前記優先度が最も高いバンドとして、該既存バンドを選択するように構成されており、
前記移動局が、前記第2無線基地局配下のセルによってサポートされているバンド内に含まれていない既存バンドに対応している場合には、前記第1無線基地局は、前記優先度が最も高いバンドとして、該移動局が対応している新規バンドの中で前記リストの最上位に位置する新規バンドを選択するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の移動通信システム。
【請求項6】
移動局が、マルチ周波数バンドインディケータ機能に対応する第1無線基地局配下のセルに接続されている状態で、該マルチ周波数バンドインディケータ機能に対応する第2無線基地局配下のセルに再接続することができるように構成されている移動通信システムであって、
前記第1無線基地局は、前記移動局が前記マルチ周波数バンドインディケータ機能に対応していると判定した場合に、前記第2無線基地局に対して、該第2無線基地局配下のセルによってサポートされている全てのバンドの下り中心周波数の識別情報を用いて生成した無線基地局鍵を含むハンドオーバ準備信号を送信するように構成されており、
前記マルチ周波数バンドインディケータ機能は、対象セルによってサポートされている既存バンド及び新規バンドがオーバーラップしている場合に、該対象セルにおける報知情報によって該既存バンド及び該新規バンドを通知する機能であることを特徴とする移動通信システム。
【請求項7】
前記第1無線基地局は、前記移動局から取得した能力情報に基づいて、該移動局が前記マルチ周波数バンドインディケータ機能に対応しているか否かについて判定するように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の移動通信システム。
【請求項8】
前記第1無線基地局は、前記移動局から取得した前記能力情報内の情報要素に基づいて、前記移動局が前記マルチ周波数バンドインディケータ機能に対応しているか否かについて判定する請求項7に記載の移動通信システム。
【請求項9】
前記能力情報は、UE Capability(E-UTRA Capability)であり、前記情報要素は、SupportedBandListE-UTRAである請求項8に記載の移動通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)のRelease-11方式において、MFBI(Multiple Frequency Band Indicator)機能が定義された。
【0003】
ここで、MFBI機能は、
図6に示すように、対象セルによってサポートされている既存バンド(Legacy Band)及び新規バンド(新しく定義されたバンド)がオーバーラップしている場合に、対象セルにおけるSIB1(System Information Block 1)によって、かかる既存バンド及び新規バンドを通知する機能である。
【0004】
図7(a)に示すように、従来の無線基地局eNBは、配下のセルにおいて、SIB1によって、かかるセルによってサポートしている既存バンド(及び、かかる既存バンドの「DL EARFCN(Downlink E-UTRAN Absolute Radio Frequency Channel Number)」)を通知するように構成されている。
【0005】
これに対して、
図7(b)に示すように、MFBI機能に対応している無線基地局eNBは、配下のセルにおいて、SIB1内の情報要素「FreqBandIndicator」によって、かかるセルによってサポートしている既存バンド(及び、かかる既存バンドの「DL EARFCN」)を通知し、SIB1内の情報要素「MultiBandLinfo」によって、かかるセルによってサポートしている新規バンド(及び、かかる新規バンドの「DL EARFCN」)を通知するように構成されている。
【0006】
また、MFBI機能に対応している移動局UEは、各セルにおけるSIB1によって通知された既存バンドに対応している場合には、かかる既存バンドを選択するように構成されている。
【0007】
一方、MFBI機能に対応している移動局UEは、各セルにおけるSIB1によって通知された既存バンドに対応していない場合には、自身が対応している新規バンドの中で「MultiBandLinfo」の最上位に位置する新規バンドを選択するように構成されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】3GPP TS36.331
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
また、既存のLTE方式では、ハンドオーバが失敗するケースを想定して、「AS recovery」を可能にするために、ハンドオーバ元無線基地局S-eNBは、ハンドオーバ先無線基地局T-eNB配下のセル(ハンドオーバ先セル)のKeNB*を生成し、ハンドオーバ先無線基地局T-eNBに対して、「HO Preparation(Reestablishment Info)」によって、かかるKeNB*を通知するように構成されている。
【0010】
ここで、ハンドオーバ元無線基地局S-eNBは、アクティブなKeNB(又は、NH)やハンドオーバ先セルのPCI(Physical Cell Identity)やハンドオーバ先セルの「DL EARFCN」に基づいて、かかるKeNB*を生成するように構成されている。
【0011】
しかしながら、MFBI機能に対応しているネットワークでは、ハンドオーバ先セルによってサポートされているバンドが複数存在する。
【0012】
したがって、ハンドオーバ元無線基地局S-eNBは、ハンドオーバ先セルによってサポートされている複数のバンドの「DL EARFCN」の中で、どのバンドの「DL EARFCN」を用いてKeNB*を生成しておくべきか判断することができないという問題点があった。
【0013】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、MFBI機能に対応しているネットワークにおいて適切に再接続手順を行うことができる移動通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の特徴は、移動局が、マルチ周波数バンドインディケータ機能に対応する第1無線基地局配下のセルに接続されている状態で、該マルチ周波数バンドインディケータ機能に対応する第2無線基地局配下のセルに再接続することができるように構成されている移動通信システムであって、前記第1無線基地局は、前記移動局が前記マルチ周波数バンドインディケータ機能に対応していると判定した場合に、前記第2無線基地局配下のセルによってサポートされているバンドの中から、該移動局がアイドル状態時に選択する優先度が最も高いバンドを選択し、該第2無線基地局に対して、選択した該バンドの下り中心周波数の識別情報を用いて生成した無線基地局鍵を含むハンドオーバ準備信号を送信するように構成されており、前記マルチ周波数バンドインディケータ機能は、対象セルによってサポートされている既存バンド及び新規バンドがオーバーラップしている場合に、該対象セルにおける報知情報によって該既存バンド及び該新規バンドを通知する機能であることを要旨とする。
【0015】
本発明の第2の特徴は、移動局が、マルチ周波数バンドインディケータ機能に対応する第1無線基地局配下のセルに接続されている状態で、該マルチ周波数バンドインディケータ機能に対応する第2無線基地局配下のセルに再接続することができるように構成されている移動通信システムであって、前記第1無線基地局は、前記移動局が前記マルチ周波数バンドインディケータ機能に対応していると判定した場合に、前記第2無線基地局に対して、該第2無線基地局配下のセルによってサポートされている全てのバンドの下り中心周波数の識別情報を用いて生成した無線基地局鍵を含むハンドオーバ準備信号を送信するように構成されており、前記マルチ周波数バンドインディケータ機能は、対象セルによってサポートされている既存バンド及び新規バンドがオーバーラップしている場合に、該対象セルにおける報知情報によって該既存バンド及び該新規バンドを通知する機能であることを要旨とする移動通信システム。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、MFBI機能に対応しているネットワークにおいて適切に再接続手順を行うことができる移動通信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成を説明するための図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局eNB#Aの機能ブロック図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局eNB#Aの動作を説明するためのフローチャートである。
【
図5】本発明の変更例1に係る移動通信システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1乃至
図4を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。
【0019】
図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、無線基地局eNB#Aと、無線基地局eNB#Bとを具備している。ここで、無線基地局eNB#A及び無線基地局#Bは、MFBI機能に対応しているものとする。
【0020】
なお、本実施形態では、無線基地局eNB#A配下のセルに接続されている状態の移動局UEが無線基地局eNB#B配下のセルに再接続することを想定して説明を行うこととする。
【0021】
図2に示すように、本実施形態に係る無線基地局eNB#Aは、受信部11と、算出部12と、送信部13とを具備している。
【0022】
受信部11は、移動局UEや無線基地局eNB#Bから各種信号を受信するように構成されており、算出部12は、上述のハンドオーバが行われる際に、KeNB*を算出するように構成されており、送信部13は、移動局UEや無線基地局eNB#Bに対して各種信号を送信するように構成されている。
【0023】
具体的には、算出部12は、移動局UEがMFBI機能に対応していると判定した場合に、無線基地局eNB#B配下のセル(1つ又は複数のハンドオーバ先候補セル)の各々によってサポートされているバンドの中から、移動局UEが「RRC_IDLE状態」時に選択する優先度が最も高いバンドを選択するように構成されている。
【0024】
ここで、移動局UEが、無線基地局eNB#B配下のセルによってサポートされているバンド内に含まれている既存バンドに対応している場合には、算出部12は、上述の優先度が最も高いバンドとして、かかる既存バンドを選択するように構成されている。
【0025】
一方、移動局UEが、無線基地局eNB#B配下のセルによってサポートされているバンド内に含まれている既存バンドに対応していない場合には、算出部12は、上述の優先度が最も高いバンドとして、移動局UEが対応している新規バンドの中で「MultiBandLinfo」の最上位に位置する新規バンドを選択するように構成されている。
【0026】
そして、算出部12は、アクティブなKeNB(又は、NH)や、無線基地局eNB#B配下のセル(ハンドオーバ先セル)のPCIや、上述のように選択したバンドの「DL EARFCN」を用いて、KeNB*を生成するように構成されている。
【0027】
ここで、算出部12は、受信部11によって移動局UEから受信された「UE Capability(E-UTRA Capability)」に基づいて、移動局UEがMFBI機能に対応しているか否かについて判定するように構成されていてもよい。
【0028】
具体的には、算出部12は、上述の「UE Capability(E-UTRA Capability)」内の情報要素「SupportedBandListE-UTRA」に基づいて、移動局UEがMFBI機能に対応しているか否かについて判定するように構成されていてもよい。
【0029】
また、算出部12は、上述の「UE Capability(E-UTRA Capability)」に基づいて、移動局UEが対応しているバンドについて判定するように構成されていてもよい。
【0030】
送信部13は、無線基地局eNB#Aに対して、算出部12によって算出されたKeNB*を含む「HO Preparation(Reestablishment Info)」を送信するように構成されている。
【0031】
以下、
図3及び
図4を参照して、本実施形態に係る移動通信システムの動作について説明する。具体的には、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、無線基地局eNB#A配下のセルに接続している移動局UEが無線基地局eNB#B配下のセルに再接続する動作について説明する。
【0032】
図3に示すように、無線基地局eNB#Aは、ステップS1001において、無線基地局eNB#B配下のセル(例えば、PCI#1のセル及びPCI#2のセル)の各々によってサポートされているバンドの中から、
図4に示す手順(すなわち、移動局UEによるバンド選択アルゴリズムと同一の手順)に従って、移動局UEが「RRC_IDLE状態」時に選択する優先度が最も高いバンドを選択し、かかるバンドの「DL EARFCN」を用いて、KeNB*を生成し、ステップS1002において、無線基地局eNB#Bに対して、かかるKeNB*を含む「HO Preparation(Reestablishment Info)」を送信する。
【0033】
ステップS1003において、無線基地局eNB#Bは、無線基地局eNB#B配下のセル(例えば、PCI#1のセル及びPCI#2のセル)の各々において、SIB1によって、各セルによってサポートされているバンド(又は、かかるバンドの「DL EARFCN」)、例えば、「既存バンド(DL EARFCN#1)」や、新規バンドとしての「Band#x(DL EARFCN#2)」や「Band#x(DL EARFCN#5)」を通知する。
【0034】
ステップS1004において、移動局UEは、SIB1によって通知された既存バンドに対応している場合には、かかる既存バンドを選択し、SIB1によって通知された既存バンドに対応していない場合には、自身が対応している新規バンドの中で「MultiBandLinfo」の最上位に位置する新規バンドを選択する。
【0035】
ステップS1005において、移動局UEは、選択したバンドを用いて、無線基地局eNB#Bとの間でRRCコネクションを確立する。
【0036】
ここで、
図4を参照して、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、無線基地局eNB#Aが、移動局UEが「RRC_IDLE状態」時に選択する優先度が最も高いバンドを選択する動作について説明する。
【0037】
図4に示すように、無線基地局eNB#Aは、ステップS101において、移動局UEがMFBI機能に対応していると判定すると、ステップS102において、移動局UEが、無線基地局eNB#B配下のセルによってサポートされているバンド内に含まれている既存バンドに対応しているか否かについて判定する。
【0038】
「Yes」の場合、ステップS103において、無線基地局eNB#Aは、上述の移動局UEが「RRC_IDLE状態」時に選択する優先度が最も高いバンドとして、かかる既存バンドを選択する。
【0039】
一方、「No」の場合、ステップS104において、無線基地局eNB#Aは、上述の移動局UEが「RRC_IDLE状態」時に選択する優先度が最も高いバンドとして、移動局UEが対応している新規バンドの中で「MultiBandLinfo」の最上位に位置する新規バンドを選択する。
【0040】
(変更例1)
以下、
図5を参照して、本発明の変更例1に係る移動通信システムについて、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。
【0041】
本発明の変更例1に係る移動通信システムにおいて、無線基地局eNB#Aの算出部12は、移動局UEがMFBI機能に対応していると判定した場合に、無線基地局eNB#B配下のセルによってサポートされている全てのバンドの「DL EARFCN」を用いて、1つ又は複数のKeNB*を生成するように構成されている。
【0042】
送信部13は、無線基地局eNB#Bに対して、算出部12によって生成された全てのKeNB*を含む「HO Preparation」を送信する。
【0043】
以下、
図5を参照して、本変更例1に係る移動通信システムの動作について説明する。具体的には、本変更例1に係る移動通信システムにおいて、無線基地局eNB#A配下のセルに接続している移動局UEが無線基地局eNB#B配下のセルに再接続する動作について説明する。
【0044】
図5に示すように、無線基地局eNB#Aは、ステップS2001において、無線基地局eNB#B配下のセル(例えば、PCI#1のセル及びPCI#2のセル)の各々によってサポートされている全てのバンド(例えば、既存バンド(Legacy band)/Band#x(新規バンド)/Band#y(新規バンド))の「DL EARFCN」(例えば、「DL EARFCN#1」/「DL EARFCN#2」/「DL EARFCN#4」)を用いて、KeNB*を生成する。
【0045】
無線基地局eNB#Aは、ステップS2002において、無線基地局eNB#Bに対して、生成した全てのKeNB*を含む「HO Preparation(Reestablishment Info)」を送信する。
【0046】
ステップS2003において、無線基地局eNB#Bは、無線基地局eNB#B配下のセル(例えば、PCI#1のセル及びPCI#2のセル)の各々において、SIB1によって、各セルによってサポートされているバンド(又は、かかるバンドの「DL EARFCN」)、例えば、「既存バンド(DL EARFCN#1)」や、新規バンドとしての「Band#x(DL EARFCN#2)」や「Band#x(DL EARFCN#5)」を通知する。
【0047】
ステップS2004において、移動局UEは、SIB1によって通知された既存バンドに対応している場合には、かかる既存バンドを選択し、SIB1によって通知された既存バンドに対応していない場合には、自身が対応している新規バンドの中で「MultiBandLinfo」の最上位に位置する新規バンドを選択する。
【0048】
ステップS2005において、移動局UEは、選択したバンドを用いて、無線基地局eNB#Bとの間でRRCコネクションを確立する。
【0049】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0050】
本実施形態の第1の特徴は、移動局UEが、MFBI機能(マルチ周波数バンドインディケータ機能)に対応する無線基地局eNB#A(第1無線基地局)配下のセルに接続されている状態で、MFBI機能に対応する無線基地局eNB#B(第2無線基地局)配下のセルに再接続することができるように構成されている移動通信システムであって、無線基地局eNB#Aは、移動局UEがMFBI機能に対応していると判定した場合に、無線基地局eNB#B配下のセルによってサポートされているバンドの中から、移動局UEが「RRC_IDLE状態(アイドル状態)」時に選択する優先度が最も高いバンドを選択し、無線基地局eNB#Bに対して、選択したバンドの「DL EARFCN(下り中心周波数の識別情報)」を用いて生成したKeNB*(無線基地局鍵)を含む「HO Preparation(ハンドオーバ準備信号)」を送信するように構成されており、MFBI機能は、対象セルによってサポートされている既存バンド及び新規バンドがオーバーラップしている場合に、対象セルにおけるSIB1(報知情報)によって、かかる既存バンド及び新規バンドを通知する機能であることを要旨とする。
【0051】
かかる特徴によれば、無線基地局eNB#Aが、無線基地局eNB#B配下のセルによってサポートされているバンドの中から、移動局UEが「RRC_IDLE状態」時に選択すると想定されるバンドを選択して、かかるバンドの「DL EARFCN」を用いてKeNB*を生成して、無線基地局eNB#Bに対して通知しておくことで、MFBI機能に対応しているネットワークにおいても適切に再接続を行うことができる。
【0052】
本実施形態の第1の特徴において、無線基地局eNB#Aは、移動局UEから取得した「UE Capability(能力情報)」に基づいて、移動局UEがMFBI機能に対応しているか否かについて判定するように構成されていてもよい。
【0053】
かかる特徴によれば、無線基地局eNB#Aが、既存の信号を用いて、動局UEがMFBI機能に対応しているか否かについて判定することができる。
【0054】
本実施形態の第1の特徴において、SIB1は、上述の新規バンドを通知する「MultiBandLinfo(リスト)」を含んでおり、移動局UEが、無線基地局eNB#B配下のセルによってサポートされているバンド内に含まれている既存バンドに対応している場合には、無線基地局eNB#Aは、上述の優先度が最も高いバンドとして、既存バンドを選択するように構成されており、移動局UEが、無線基地局eNB#B配下のセルによってサポートされているバンド内に含まれている既存バンドに対応していない場合には、無線基地局eNB#Aは、上述の優先度が最も高いバンドとして、移動局UEが対応している新規バンドの中で「MultiBandLinfo」の最上位に位置する新規バンドを選択するように構成されていてもよい。
【0055】
かかる特徴によれば、既存の移動局UEによるバンド選択アルゴリズムを活用して、MFBI機能に対応しているネットワークにおいても適切に再接続を行うことができる。
【0056】
本実施形態の第2の特徴は、移動局UEが、MFBI機能に対応する無線基地局eNB#A配下のセルに接続されている状態で、MFBI機能に対応する無線基地局eNB#B配下のセルに再接続することができるように構成されている移動通信システムであって、無線基地局eNB#Aは、移動局UEがMFBI機能に対応していると判定した場合に、無線基地局eNB#Bに対して、無線基地局eNB#B配下のセルによってサポートされている全てのバンドの「DL EARFCN」を用いて生成したKeNB*を含む「HO Preparation」を送信するように構成されており、MFBI機能は、対象セルによってサポートされている既存バンド及び新規バンドがオーバーラップしている場合に、対象セルにおけるSIB1によって、かかる既存バンド及び新規バンドを通知する機能であることを要旨とする。
【0057】
かかる特徴によれば、無線基地局eNB#Aが、無線基地局eNB#B配下のセルによってサポートされている全てのバンドの「DL EARFCN」を用いてKeNB*を生成して、無線基地局eNB#Bに対して通知しておくことで、MFBI機能に対応しているネットワークにおいて、無線基地局eNB#Aによってサポートされているバンド及び無線基地局eNB#Bによってサポートされているバンドが異なる場合であっても、適切に再接続を行うことができる。
【0058】
なお、上述の移動局UEや無線基地局eNB#A/eNB#Bの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0059】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0060】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、移動局UEや無線基地局eNB#A/eNB#B内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして移動局UEや無線基地局eNB#A/eNB#B内に設けられていてもよい。
【0061】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0062】
eNB#A/eNB#B…無線基地局
UE…移動局
11…受信部
12…算出部
13…送信部