(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
【0017】
図1〜
図35には、この発明の実施の形態を示す。
【0018】
まず構成について説明すると、
図1〜
図4に示す符号10は、「電気部品用ソケット」としてのICソケットで、このICソケット10は、「電気部品」としてのICパッケージ11を保持することにより、電気導通テスト等の製品検査に使用されるものである。
【0019】
そのICパッケージ11は、
図5及び
図6に示すように、方形状を呈するパッケージ本体11aの底面の周縁部に、所定のピッチで形成された複数の端子11bを有する構成となっている。また、ここでは、そのICパッケージ11がセラミックで構成されている。
【0020】
一方、このICソケット10は、大略すると、そのICパッケージ11を収容する収容部21を備えたソケット本体20と、このソケット本体20に設けられてICパッケージ11の複数の端子11bに電気的に接続される複数のコンタクトピン30と、ソケット本体20の収容部21に収容されたICパッケージ11の上面11c(
図5参照)を押さえる一対のラッチ機構40と、ソケット本体20の収容部21に収容されたICパッケージ11の周縁11d(
図5及び
図6参照)を押さえる一対の第1ガイド部材70及び一対の第2ガイド部材80(ガイド部材)と、を有している。
【0021】
そのソケット本体20は、
図3,
図4,
図7,
図10,
図29に示すように、ソケット本体20の4箇所の第1ネジ孔29Aと中間基板110の4箇所の中間基板ネジ孔113に第1ネジN1を螺合させることで、中間基板110に着脱自在に取り付けられる。また、ソケット本体20の中央部に、
図3及び
図4に示すように、ホルダ100が配設されており、このホルダ100に、棒状の複数のコンタクトピン30が配設されている。そして、これらのコンタクトピン30が、
図29に示すような配線基板としての中間基板110の電極部112に電気的に接続されるようになっている。
【0022】
また、中間基板110の裏側は、コンタクトピン30と接続された表側の電極部112から繋がると共にそのピッチが拡がるように形成された裏側電極部(図示省略)を有している。さらに、中間基板110の下側には、例えば計測器のプローブカード(図示省略)が配置され、このプローブカードの図示しない端子が、裏側電極部と電気的に接続されるようになっている。
【0023】
このソケット本体20には、
図3,
図4,
図27,
図28に示すように、ホルダ100の2箇所の位置決め孔103及び図示しないソケット本体20の2箇所の位置決め凹部に位置決めピン104が挿入され、当該位置決めピン104をホルダ100の下側からホルダ固定プレート120で支持した上で、ソケット本体20の4箇所の第2ネジ孔29Bとホルダ固定プレート120の図示しない4箇所のネジ孔に第2ネジN2を螺合させることで、ホルダ100が位置決めされ、配設されている。そして、このホルダ100上に、ICパッケージ11が収容される収容部21が形成されている。
【0024】
このホルダ100には、
図27及び
図28に示すように、棒状の複数のコンタクトピン30が挿入されるコンタクトピン挿入孔102が形成されている。また、詳細は省略するが、そのコンタクトピン30は、導電性を有し、伸縮自在となっている。さらに、このソケット本体20には、
図7〜
図10に示すように、計二対のポスト部26が上方に向けて突設され、これら各ポスト部26には、本体側第1シャフト挿入孔28Aと本体側第3シャフト挿入孔28Bが上下に並んで形成されている。また、
図27〜
図29に示すように、ホルダ100と中間基板110の中央部には、それぞれ第1貫通孔101と第2貫通孔111が形成されており、収容部21の中央部が上下方向に貫通した状態に形成されている。
【0025】
また、ラッチ機構40は、
図3等に示すように、操作力(外力)Tを受けて、ソケット本体20に対して第1シャフトS1を介して閉状態にする一方向としての閉方向P1及び開状態にする逆方向としての開方向P2に回動自在に配設されたレバー部材60と、このレバー部材60に第2シャフトS2を介して回動自在に配設され、ICパッケージ11を押圧する押圧部材50とを有している。そして、そのレバー部材60を操作して回動させると、この動きに連動して押圧部材50が回動するようになっている。
【0026】
そのレバー部材60は、
図11〜
図14に示すように、一端部側に、外部からの操作力Tを受ける操作部67が形成される一方、他端部側に、第1シャフトS1が挿入され、ソケット本体20に回動自在に支持されるレバー側第1シャフト挿入孔63が形成されると共に、第2シャフトS2が挿入され、押圧部材50が回動自在に支持されるレバー側第2シャフト挿入孔64が形成されている。その第1シャフトS1は、ソケット本体20の本体側第1シャフト挿入孔28Aに挿入されて支持されている。
【0027】
さらに、このレバー部材60には、複数(計7個所)のラッチ用コイルスプリング挿入凹部65が形成され、ラッチ用コイルスプリング93の一端部が嵌合され、このラッチ用コイルスプリング93の他端部が
図7に示すように、ソケット本体20のラッチ用コイルスプリング挿入孔27に嵌合されることにより、ラッチ用コイルスプリング93がレバー部材60とソケット本体20との間に介在されて、レバー部材60が
図3中の後述する閉方向P1に回動されるように付勢している。
【0028】
また、レバー部材60における第1シャフトS1の挿通方向の両端には、
図11,
図12,
図14に示すように、第1カム部61が形成されている。この第1カム部61は、レバー部材60の回動操作に応じて、後述する第2ガイド部材80の被押圧部としての第2被押圧部81を押圧するものであり、下方が曲線状に形成された部位となっている。また、レバー部材60における第1カム部61同士の間には、
図11,
図13に示すように、第2カム部62が2箇所に設けられている。この第2カム部62は、レバー部材60の回動操作に応じて、後述する第1ガイド部材70の被押圧部としての第1被押圧部71を押圧するものであり、第1被押圧部71に当接する突部を形成した構成となっており、ここではレバー部材60と一体成形されている。また、レバー部材60の第2カム部62付近には、後述する第1ガイド部材70の突出した形状の第1被押圧部71が入り込むための第1被押圧部挿入孔66が形成されている。
【0029】
さらにまた、押圧部材50は、
図15及び
図16に示すように、第2シャフトS2が挿入される押圧側第2シャフト挿入孔52が形成され、先端部側に、前記ICパッケージ11のパッケージ本体11aの上面11cに当接して押さえる押圧突部53が形成されている。
【0030】
また、その押圧部材50には、押圧側第2シャフト挿入孔52の近傍に、第3シャフト用長孔51が形成されている。この第3シャフト用長孔51に、ソケット本体20の本体側第3シャフト挿入孔28Bに支持された第3シャフトS3が挿入されて案内されるようになっている。そして、レバー部材60の回動時に、その第3シャフトS3が第3シャフト用長孔51内を摺動して押圧部材50が回動されるように構成されている。
【0031】
また、
図17〜
図21に示すような第1ガイド部材70と、
図22〜
図26に示すような第2ガイド部材80は、収容部21に収容されたICパッケージ11の周縁11dを所定位置に押さえるものである。
【0032】
このうち第1ガイド部材70は、
図1中の左右方向に一対配設されており、収容部21側である内側に、
図17〜
図21に示すように、ICパッケージ11の左右の周縁11dを押さえる第1ガイド部75が、上方に延出するように形成されている。また、外側には、
図17〜
図21に示すように、2箇所に第1被押圧部71が上方に突出するように形成されている。この第1被押圧部71は、前記した第2カム部62とその内側が当接して、第2カム部62から外側に押圧されるものである。
【0033】
また、ソケット本体20における第1ガイド部材70の底面と対向する位置には、
図3,
図7,
図9に示すように、2箇所に第1ピン挿入孔22が形成されており、ここに
図3に示すような第1ピン73が挿入されており、さらに第1ガイド部材70の底面に、
図3,
図17,
図18,
図21に示すように、第1ガイド部75と直交する方向に長く形成された第1ピン用長孔72が形成されており、ここに第1ピン73が摺動可能に挿入されることで、第1ガイド部材70がICパッケージ11の左右の周縁11dに対して離接する方向に移動自在となっている。
【0034】
また、
図7,
図9に示すソケット本体20における左右側方に設けられた第1コイルスプリング挿入孔24と、
図17,
図18,
図20に示す第1ガイド部材70における外側に設けられた第1コイルスプリング挿入凹部74とに、
図1,
図3に示すような第1付勢手段(付勢手段)としての第1コイルスプリング91が挿入されることで、ソケット本体20に対して、第1ガイド部材70が左右方向の内側である接近する方向としての押圧方向Q1に付勢され、これにより、第1ガイド部材70がICパッケージ11の左右の周縁11dを押さえるようになっている。
【0035】
そして、
図3の二点鎖線で示すように、第2カム部62が第1被押圧部71を外側に押圧し、この力により第1コイルスプリング91の付勢力に抗して第1ガイド部材70が外側に移動することで、ICパッケージ11の左右の周縁11dから第1ガイド部材70の第1ガイド部75が離間する方向としての離間方向Q2に移動するようになっている。
【0036】
また、第2ガイド部材80は、
図1中の上下方向に一対配設されており、収容部21側である内側に、
図22,
図24,
図25に示すように、ICパッケージ11の前後の周縁11dを押さえる第2ガイド部86が形成されている。また、左右両端側には、
図22〜
図24,
図26に示すように、ガイド側第1シャフト挿入孔85が形成されており、前記した本体側第1シャフト挿入孔28A及びレバー側第1シャフト挿入孔63に挿入された第1シャフトS1の両端が、挿入されるようになっている。また、左右のさらに両端側には、
図22,
図24〜
図26に示すように、第2被押圧部81が形成されている。この第2被押圧部81は、前記した第1カム部61とその上方内側が当接して、第1カム部61から外側に押圧されるものである。なお、第2被押圧部81は、
図25に示すように、第1カム部61と当接する箇所が上方外側から下方内側に向かうテーパ形状に形成されている。
【0037】
また、ソケット本体20における第2ガイド部材80の底面と対向する位置には、
図4,
図7に示すように、2箇所に第2ピン挿入孔23が形成されており、ここに
図4に示すような第2ピン83が挿入されており、さらに第2ガイド部材80の底面に、
図4,
図22,
図26に示すように、第2ガイド部86と直交する方向に長く形成された第2ピン用長孔82が形成されており、ここに第2ピン83が摺動可能に挿入されることで、第2ガイド部材80がICパッケージ11の前後の周縁11dに対して離接する方向に移動自在となっている。
【0038】
また、
図7に示すソケット本体20における前後側方に設けられた第2コイルスプリング挿入孔25と、
図22,
図23に示す第2ガイド部材80における外側に設けられた第2コイルスプリング挿入凹部84とに、
図1,
図4に示すような第2付勢手段(付勢手段)としての第2コイルスプリング92が挿入されることで、ソケット本体20に対して、第2ガイド部材80が前後方向の内側である接近する方向としての押圧方向Q1に付勢され、これにより、第2ガイド部材80がICパッケージ11の前後の周縁11dを押さえるようになっている。
【0039】
そして、
図1,
図11,
図12,
図14に示す第1カム部61が
図1,
図22,
図24〜
図26に示す第2被押圧部81を外側に向けて押圧し、この力により第2コイルスプリング92の付勢力に抗して第2ガイド部材80が外側に移動することで、ICパッケージ11の前後の周縁11dから第2ガイド部材80の第2ガイド部86が離間する方向としての離間方向Q2に移動するようになっている。
【0040】
なお、前記したソケット本体20のレバー部材60の第1カム部61,第2カム部62、第1ガイド部材70の第1被押圧部71、第2ガイド部材80の第2被押圧部81、第1コイルスプリング91、第2コイルスプリング92等により、ガイド移動手段を構成している。
【0042】
まず、ICソケット10にICパッケージ11を収容する際に、ラッチ機構40を開状態にする逆方向としての開方向P2に回動させ、これに伴って第1ガイド部材70及び第2ガイド部材80をICパッケージ11の周縁11dが配置される位置から離間する方向である離間方向Q2に移動させる場合について説明する。
【0043】
予め、ICソケット10を中間基板110に取り付け、さらにその中間基板110をプローブカード(図示省略)に取り付けておく。そして、かかるICソケット10にICパッケージ11を例えば自動機により以下のようにセットして電気的に接続する。
【0044】
すなわち、自動機によりICパッケージ11を搬送し、ICソケット10の収容部21の上方位置にICパッケージ11を保持した状態とする。そして、この自動機にて、レバー部材60の操作部67に上方から操作力Tをかけ、
図30及び
図31に示す状態から、レバー部材60を、ラッチ用コイルスプリング93の付勢力に抗して下方に押し下げる。すると、このレバー部材60は、
図30に示すように、第1シャフトS1を中心に開方向P2に回動し、第2シャフトS2は、その第1シャフトS1を中心に同じく開方向P2に回動して行く。この回動時には、ソケット本体20に固定された第3シャフトS3に対して、押圧部材50の第3シャフト用長孔51の内周壁が摺動しながら相対移動する。
【0045】
また、このとき、レバー部材60の第2カム部62が、
図32(a)に示すように、レバー部材60の開方向P2への回動に応じて上側から外側に移動する。これにより、第1コイルスプリング91で内側に付勢されている第1ガイド部材70の第1被押圧部71に当接し、さらに第1コイルスプリング91の付勢力に抗して第1被押圧部71を離間方向Q2である外側に押圧する。すると、第1ガイド部材70は、第1ピン73が挿入された第1ピン用長孔72の長手方向に沿って、ソケット本体20に対して摺動し、
図34(a)に示すように、第1ガイド部75がICパッケージ11の周縁11dが配置される位置から離間する状態まで移動する。
【0046】
さらに、このとき、レバー部材60の第1カム部61が、
図32(b)に示すように、レバー部材60の開方向P2への回動に応じて上側から下側に移動する。これにより、第2コイルスプリング92で内側に付勢されている第2ガイド部材80の第2被押圧部81に上側から当接し、さらに第2コイルスプリング92の付勢力に抗して第2被押圧部81を離間方向Q2である外側に押圧する。すると、第2ガイド部材80は、第2ピン83が挿入された第2ピン用長孔82の長手方向に沿って、ソケット本体20に対して摺動し、
図34(b)に示すように、第2ガイド部86がICパッケージ11の周縁11dから離間する位置まで移動する。
【0047】
その結果、押圧部材50は、
図30及び
図31に示すような水平状態の閉状態から、
図32及び
図33に示すような途中状態を経て、
図34及び
図35に示すような略鉛直方向に起立した開状態となる。これにより、押圧部材50を収容部21から退避させることができる。また、これとほぼ同時に(実際には押圧部材50を収容部21から退避させるより若干遅いタイミングで)、第1ガイド部材70及び第2ガイド部材80が、
図30及び
図31に示すようなICパッケージ11の周縁11dに当接する位置から、
図32及び
図33に示すような途中状態を経て、
図34及び
図35に示すようなICパッケージ11の周縁11dが配置される位置から離間した状態となる。
【0048】
この状態で、自動機からICパッケージ11を開放すると、第1ガイド部材70及び第2ガイド部材80に摺動することなく、ICパッケージ11が収容部21に収容される。
【0049】
次に、ICソケット10にICパッケージ11を収容した後、ラッチ機構40を閉状態にする一方向としての閉方向P1に回動させ、これに伴って第1ガイド部材70及び第2ガイド部材80をICパッケージ11の周縁11dに接近する方向である押圧方向Q1に移動させる場合について説明する。
図34及び
図35に示す状態から、レバー部材60の操作部67にかけた操作力Tを解除すると、ラッチ用コイルスプリング93の付勢力によって、このレバー部材60は、
図34に示すように、第1シャフトS1を中心に閉方向P1に回動して上方に上がり、第2シャフトS2は、その第1シャフトS1を中心に同じく閉方向P1に回動して行く。この回動時には、ソケット本体20に固定された第3シャフトS3に対して、押圧部材50の第3シャフト用長孔51の外周壁が摺動しながら相対移動する。
【0050】
また、このとき、レバー部材60の第2カム部62が、
図34(a)に示すように、レバー部材60の閉方向P1への回動に応じて外側から上側に移動する。これにより、第1ガイド部材70の第1被押圧部71に対する押圧が解除され、第1コイルスプリング91によって第1被押圧部71が押圧方向Q1である内側に付勢される。すると、第1ガイド部材70は、第1ピン73が挿入された第1ピン用長孔72の長手方向に沿って、ソケット本体20に対して摺動し、
図30(a)に示すように、第1ガイド部75がICパッケージ11の周縁11dを押さえる状態まで移動する。
【0051】
さらに、このとき、レバー部材60の第1カム部61が、
図32(b)に示すように、レバー部材60の閉方向P1への回動に応じて下側から上側に移動する。これにより、第2ガイド部材80の第2被押圧部81に対する押圧が解除され、第2コイルスプリング92によって第2被押圧部81が押圧方向Q1である内側に付勢される。すると、第2ガイド部材80は、第2ピン83が挿入された第2ピン用長孔82の長手方向に沿って、ソケット本体20に対して摺動し、
図30(b)に示すように、第2ガイド部86がICパッケージ11の周縁11dを押さえる状態まで移動する。
【0052】
その結果、押圧部材50は、
図34及び
図35に示すような略鉛直方向に起立した開状態から、
図32及び
図33に示すような途中状態を経て、
図30及び
図31に示すような水平状態の閉状態となる。これにより、押圧部材50を上方から収容部21に被せて、当該収容部21に収容されたICパッケージ11の上面11cを押さえることができる。また、これとほぼ同時に(実際には押圧部材50を収容部21に被せるより若干早いタイミングで)、第1ガイド部材70及び第2ガイド部材80が、
図34及び
図35に示すようなICパッケージ11の周縁11dから離間した状態から当該周縁11dに接近して、
図32及び
図33に示すような途中状態を経て、
図30及び
図31に示すようなICパッケージ11の周縁11dを押さえる状態となる。
【0053】
その後、プローブカード、中間基板110及びICソケット10を介して、計測器に電気的に接続されたICパッケージ11の各種検査を行う。
【0054】
次に、ICソケット10からICパッケージ11を取り出す際に、ラッチ機構40を開方向P2に回動させ、これに伴って第1ガイド部材70及び第2ガイド部材80をICパッケージ11の周縁11dから離間方向Q2に移動させる場合について説明する。
図30及び
図31に示す状態から、レバー部材60の操作部67に上方から操作力Tをかけて、
図30及び
図31に示す状態から、レバー部材60を、ラッチ用コイルスプリング93の付勢力に抗して下方に押し下げる。すると、このレバー部材60は、
図30に示すように、開方向P2に回動し、第2シャフトS2も、開方向P2に回動して行く。この回動時には、ソケット本体20に固定された第3シャフトS3に対して、押圧部材50の第3シャフト用長孔51の内周壁が摺動しながら相対移動する。
【0055】
また、このとき、レバー部材60の第2カム部62が、
図32(a)に示すように、レバー部材60の開方向P2への回動に応じて上側から外側に移動する。これにより、第1コイルスプリング91で内側に付勢されている第1ガイド部材70の第1被押圧部71に当接し、さらに第1コイルスプリング91の付勢力に抗して第1被押圧部71を離間方向Q2である外側に押圧する。すると、第1ガイド部材70は、第1ピン用長孔72の長手方向に沿って、ソケット本体20に対して摺動し、
図34(a)に示すように、第1ガイド部75がICパッケージ11の周縁11dから離間する状態まで移動する。
【0056】
さらに、このとき、レバー部材60の第1カム部61が、
図32(b)に示すように、レバー部材60の開方向P2への回動に応じて上側から下側に移動する。これにより、第2コイルスプリング92で内側に付勢されている第2ガイド部材80の第2被押圧部81に上側から当接し、さらに第2コイルスプリング92の付勢力に抗して第2被押圧部81を離間方向Q2である外側に押圧する。すると、第2ガイド部材80は、第2ピン用長孔82の長手方向に沿って、ソケット本体20に対して摺動し、
図34(b)に示すように、第2ガイド部86がICパッケージ11の周縁11dから離間する状態まで移動する。
【0057】
その結果、押圧部材50は、
図30及び
図31に示すような水平状態の閉状態から、
図31及び
図32に示すような途中状態を経て、
図34及び
図35に示すような略鉛直方向に起立した開状態となる。これにより、押圧部材50を収容部21から退避させることができる。また、これとほぼ同時に(実際には押圧部材50を収容部21から退避させるより若干遅いタイミングで)、第1ガイド部材70及び第2ガイド部材80が、
図30及び
図31に示すようなICパッケージ11の周縁11dを押さえた状態から、
図32及び
図33に示すような途中状態を経て、
図34及び
図35に示すようなICパッケージ11の周縁11dから離間した状態となる。
【0058】
この状態で、自動機でICパッケージ11をICソケット10から取り出す。このとき、ICパッケージ11の周縁11dから第1ガイド部材70及び第2ガイド部材80が離間しているため、当該ICパッケージ11が第1ガイド部材70及び第2ガイド部材80に摺動することなく、ICパッケージ11を収容部21から取り出すことができる。
【0059】
このように、収容部21に収容されたICパッケージ11の上面11cを押さえるラッチ機構40の開閉に連動して、ICパッケージ11の周縁11dを押さえる第1ガイド部材70及び第2ガイド部材80を当該周縁11dに離接する方向Q1,Q2に移動させることにより、ラッチ機構40が開状態となることに伴い、第1ガイド部材70及び第2ガイド部材80をICパッケージ11から離間させることができる。これにより、収容部21にICパッケージ11を収容する際又は収容部21からICパッケージ11を取り出す際に、ICパッケージ11と第1ガイド部材70及び第2ガイド部材80が摺動しないようにすることができ、その結果、第1ガイド部材70及び第2ガイド部材80が削れてしまう不具合を防止することができる。
【0060】
また、ラッチ機構40の開閉に連動して、自動的に第1ガイド部材70及び第2ガイド部材80をICパッケージ11の周縁11dに離接する方向Q1,Q2に移動させるようになっているため、ラッチ機構40が開状態となることに伴い、第1ガイド部材70及び第2ガイド部材80をICパッケージ11から自動的に離間させることができる。これにより、収容部21にICパッケージ11を収容する際又は収容部21からICパッケージ11を取り出す際に、ラッチ機構40の操作のみで、それ以外の余分な動作なしに、第1ガイド部材70及び第2ガイド部材80の削れを防止することができる。
【0061】
また、この実施の形態では、第1コイルスプリング91と第2コイルスプリング92とレバー部材60と第1カム部61と第2カム部62とによって、ラッチ機構40の開閉と第1ガイド部材70及び第2ガイド部材80のICパッケージ11への離接の連動をスムーズに行うことができる。
【0062】
また、この実施の形態では、第1ガイド部材70及び第2ガイド部材80が方形状のICパッケージ11の全ての辺(周縁11dの全方向)を押さえることで、ICパッケージ11を収容部21の定位置に確実に保持することができる。
【0063】
また、この実施の形態では、一方(左右)の対向する2辺に形成された一対のレバー部材60の操作によって、当該一方(左右)の2辺と他方(前後)の2辺の全ての辺(周縁11d)の第1ガイド部材70及び第2ガイド部材80のICパッケージ11への離接方向Q1,Q2への移動を連動させることができ、ラッチ機構40の開閉と第1ガイド部材70及び第2ガイド部材80のICパッケージ11への離接の連動をより効率良く行うことができる。
【0064】
なお、前記した実施の形態では、第2カム部としてレバー部材と一体成形で突部を形成したものを使用していたが、これに限るものではなく、適宜の構成でカム部を形成しておれば良く、例えばレバー部材とカム部が一体成形でなく別体で形成されており、別体のカム部を第2カム部としても良い。
【0065】
また、前記した実施の形態では、方形状のICパッケージの対向する2辺に設けられた一対のラッチ機構の動作に連動して、対向する2辺毎に一対ずつの計二対のガイド部材を移動させる構成となっていたが、これに限るものではなく、ラッチ機構やガイド部材の数及びラッチ機構に連動するガイド部材の数は適宜変更しても良い。例えば、対向する2辺毎に一対ずつの計二対のラッチ機構を備えると共に、対向する2辺毎に一対ずつの計二対のガイド部材を備えており、それぞれの対のラッチ機構で対応する辺のガイド部材を移動させる構成となっていても良い。さらに、ガイド部材が一対であっても良い。この場合、ラッチ機構は、一対だけ設けられていても良いし、二対設けられていても良い。また、一対のガイド部材に対してラッチ機構が二対設けられている場合は、二対のラッチ機構のうちのいずれか2つに連動して一対のガイド部材を移動させるようになっていれば良い。
【0066】
また、前記した実施の形態では、方形状のICパッケージを用いており、これの全ての辺(周縁)をガイド部材が押さえるようになっていたが、これに限るものではなく、ICパッケージの形状が異なれば、これに合わせてガイド部材で押さえる周縁の位置や数が変化しても良い。また、全ての周縁をガイド部材で押さえないパターンがあっても良い。そのため、ガイド部材が2つや3つとなり、その結果、ラッチ機構に連動するガイド部材が2つや3つとなる場合もある。
【0067】
また、前記した実施の形態は、本発明の「電気部品用ソケット」を、セラミック製のICパッケージを収容するICソケットに適用したが、これに限るものではなく、他の材料からなるICパッケージを収容するICソケットに適用しても良いし、さらに、他の電気部品を収容するソケットにも適用できる。