(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ノズルケース(11)が左右に2分割された左ケース体(11L)と右ケース体(11R)とで構成されて、ミストノズル(12)が両ケース体(11L・11R)で挟持固定されており、
給気管(66)の中途部が、左ケース体(11L)と右ケース体(11R)との接合部に設けた保持穴(43)で遊動不能に挟持固定してある請求項1に記載の噴霧器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の噴霧器においては、内ケースにミストノズル、ダイヤフラムポンプ、モーター、およびタンクなどの主な構成部材を装着するので、各構成部材を位置関係にばらつきのない状態で内ケースと一体化できる。また、内ケースに空気通路や液通路を設けるので、ミストの生成を安定した状態で行える。しかし、各構成部材に対応した装着部を設ける必要があるので内ケースの全体構造が複雑になるうえ、落下衝撃を受けて内ケースの一部が破損した場合などに、内ケースの全体を交換する必要がある。また、内ケースに設けた空気通路や液通路のシールが劣化した場合には、噴霧器の全体を分解して劣化したシールを交換する必要があり、一連の交換作業に多くの手間とコストが掛かる。特許文献2の噴霧器においても同様の問題がある。
【0006】
本発明の目的は、離れた位置に配置されるミストノズルとエアーポンプとを適正に接続して、ミストの生成を的確に行うことができ、さらに、ミストノズルやエアーポンプなどの構成部材が組付けられるケース構造を簡素化して、各構成部品の組付けや部品交換などをより少ない手間で簡便に行える噴霧器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る噴霧器は、
上下面が開口する縦長筒状の本体ケース1の内部に、ミスト原液を収容するタンク13と、
ミスト原液をミスト化して吹き出すミストノズル12と、ミストノズル12に加圧空気を送給するエアーポンプ14と、同ポンプ14を駆動するモーター15および電池16
が収容されている。ミストノズル12とエアーポンプ14、ミストノズル12とタンク13は、それぞれ給気管66と給液管68を介して接続されている。加圧空気がミストノズル12から吹き出されるときの負圧作用で、タンク13内のミスト原液をミストノズル12へ吸い上げてミスト化し、加圧空気と共に吹き出す。ミストノズル12は、本体ケース1の内部
上方に組付けられたノズルケース11で支持されている。
本体ケース1の上部に、モーター15用のスイッチ48を切換え操作するスイッチ操作具4が配置されて、ノズルケース11の上壁41が、スイッチ操作具4を支持するスイッチベースを兼ねている。ノズルケース11の上壁41に開口したスイッチ窓42の開口縁に、スイッチ窓42を水密状に封止するシール体100が装着されている。スイッチ操作具4の切換え動作を、シール体100を介してスイッチ48に伝えることを特徴とする。
【0008】
ノズルケース11は左右に2分割された左ケース体11Lと右ケース体11Rとで構成されていて、ミストノズル12を両ケース体11L・11Rで挟持固定している。給気管66の中途部は、左ケース体11Lと右ケース体11Rとの接合部に設けた保持穴43で遊動不能に挟持固定する。
【0011】
ノズルケース11の下端に、タンク13の上部に設けた接続部86を接続するための連結具47を固定する。ミストノズル12と連結具47とは給液管68を介して接続する。ミストノズル12と給液管68との接続部中心を、連結具47と給液管68との接続部中心よりも前方に位置させて、給液管68の中途部の2個所に屈曲通路部70を形成する。
【0012】
左ケース体11Lおよび右ケース体11Rに給気管66と交差する区画壁35を設ける。区画壁35の接合部に、前記保持穴43と、給気管66の中途部を支持する管支持壁44とを形成する。給気管66の中途部を管支持壁44で湾曲案内して、給気管66の屈曲部69を所定形状に保持する。
【0013】
ノズルケース11の後方下側に電装ケース10を配置する。電装ケース10の上部にエアーポンプ14とモーター15を組付ける。
【0014】
電装ケース10に、エアーポンプ14と、モーター15と、電池16と、回路基板18とを組付ける。電装ケース10の上部複数個所を左ケース体11Lと右ケース体11Rとで挟持した状態で、両ケース体11L・11Rを締結具102で締結することにより、電装ケース10とノズルケース11とが一体化されて作動ユニット2を構成している。作動ユニット2は、本体ケース1内に着脱可能に差込み装填する。
【発明の効果】
【0015】
本発明においては、本体ケース1の内部に固定したノズルケース11でミストノズル12を支持し、本体ケース1内に配置したエアーポンプ14の吐出部28と、ミストノズル12の給気口60とを給気管66を介して接続するようにした。このように、離れた位置に配置したミストノズル12とエアーポンプ14とを給気管66を介して接続すると、両者12・14の位置関係に多少のばらつきがあったとしても、同じ管長の給気管66でミストノズル12とエアーポンプ14とを適正に接続できる。従って、エアーポンプ14からミストノズル12へ送給される加圧空気の流れを一定にして、ミストの生成を的確に行うことができる。また、ミストノズル12を本体ケース1の内部に固定したノズルケース11で支持するので、内ケースにミストノズル、ダイヤフラムポンプ、モーター、およびタンクなどの主な構成部材を装着していた従来の噴霧器に比べて、ノズルケース11の構造を簡素化できる。
【0016】
左右のケース体11L・11Rでノズルケース11を構成し、両ケース体11L・11Rでミストノズル12を挟持固定し、さらに両ケース体11L・11Rの接合部に設けた保持穴43で給気管66の中途部を挟持固定すると、ミストノズル12と給気管66の位置関係を常に一定にできる。従って、エアーポンプ14から送給される加圧空気の流れを一定にして、ミストノズル12におけるミストの生成を安定した状態で行える。
【0017】
本体ケース1の上部にスイッチ操作具4を配置すると、本体ケース1の周面にスイッチ操作具4が配置してある場合に比べて、噴霧器の外観をすっきりさせることができる。とくに、噴霧器を美容用のミスト器として使用する場合には、見た目の印象をシンプルなものとして、美容用のミスト器としてふさわしい印象を醸すことができる。また、ノズルケース11の上壁41でスイッチ操作具4を支持すると、本体ケース1の内面上部にスイッチ操作具4用の支持構造を設ける必要がないので、本体ケース1の内面構造を簡素化できる。これに伴い、本体ケース1を縦長筒状に構成する場合に、成形用金型の構造を簡素化して本体ケース1の成形を容易に行える。
【0018】
ノズルケース11の上壁41にスイッチ窓42を開口し、スイッチ窓42の開口縁にシール体100を装着して同窓42を水密状に封止すると、水滴や塵埃などがスイッチ窓42を介してノズルケース11の内部に侵入するのをシール体100で防止できる。従って、ノズルケース11の内部に配置されるスイッチ48やスイッチ基板などに水滴や塵埃が付着するのを一掃して、回路が短絡し、あるいはスイッチ48が作動不良に陥るのを防止できる。
【0019】
ミストノズル12と給液管68との接続部中心を、連結具47と給液管68との接続部中心よりも前方に位置させて、給液管68の中途部の2個所に屈曲通路部70を形成すると、屈曲通路部70の内部を流動するミスト原液に流動抵抗を与えることができる。ミスト原液は、屈曲通路部70を通過するごとに強制的に流動方向が変向され、流動方向が変わるごとに流動抵抗が作用するからである。また、流動抵抗が増加することにより、負圧力によってミストノズル12内へ吸上げられるミスト原液の流動速度を低下することができるので、ミストを噴霧する初期状態において、ミストがノズル口57から斜め上向きに噴霧されるのを防止することができる。さらに、給液管68がクランク状に屈曲する分だけミストノズル12のノズル口57を本体ケース1の前側に位置させて、ミストノズル12で生成したミストの全量を噴霧対象に噴出することができる。
【0020】
左右のケース体11L・11Rの区画壁35の接合部に、保持穴43と、給気管66の中途部を支持する管支持壁44とを設けると、給気管66の中途部を管支持壁44で湾曲案内することにより、給気管66の屈曲部69を所定形状に保持できる。また、給気管66の中途部を管支持壁44で支持するので、エアーポンプ14の吐出圧が周期的に変動する場合であっても、給気管66が吐出圧の変動に同調して揺動くのを確実に防止できる。従って、エアーポンプ14から給気管66を介してミストノズル12へ送給される加圧空気の流れを一定にして、ミストノズル12におけるミストの生成をさらに安定した状態で行える。
【0021】
ノズルケース11の後方下側に電装ケース10を配置し、その上部にエアーポンプ14とモーター15を組付けると、本体ケース1の内部に収容される電装ケース10およびノズルケース11のケース構造を無理のない状態で簡素化することができる。従って、電装ケース10に対するエアーポンプ14、モーター15などの組付け、あるいはノズルケース11に対するミストノズル12や給気管66などの組付け、あるいは部品交換などをより少ない手間で簡便に行うことができる。
【0022】
電装ケース10とノズルケース11を締結具102で一体化して作動ユニット2を構成すると、ミストノズル12、エアーポンプ14、モーター15などの殆どの部品を、本体ケース1の外で各ケース10・11に対して容易に組付けることができる。また、作動ユニット2を本体ケース1内に差込み装填したのち固定することで、タンク13を除く殆どの部品を本体ケース1と一体化でき、噴霧器の組立に要する一連の手間を軽減できる。さらに、作動ユニット2を本体ケース1から取出すことで、殆どの部品を本体ケース1の外に取出すことができるので、部品交換を行うための分解作業や再組立作業を簡便化できる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(実施例)
図1ないし
図12は、本発明に係る噴霧器を美容用のミスト器(以下、単にミスト器と言う。)に適用した実施例を示している。なお、本発明における前後、左右、上下とは、
図1および
図5に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。
【0025】
図1および
図2においてミスト器は、上下面が開口する縦長筒状の本体ケース1を基本構造体にして、その内部に作動ユニット2を収容して構成してある。本体ケース1の断面は前後方向の長軸を備えただ円形状に形成してあり、その左右幅は前後幅に比べて充分に小さく設定されて、主なユーザーである女性の手に馴染みやすく、しかも片手で掴みやすい大きさにしてある。本体ケース1の前壁の上部には円形のミスト口3が開口され、本体ケース1の上端(上部)にはスイッチノブ(スイッチ操作具)4が配置してある。また、本体ケース1の後面の上部寄りにはグリップ部5がなだらかに凹み形成してある(
図1参照)。
図2において符号6はキャップであり、不使用時にキャップ6を本体ケース1に被せ付けた状態では、ミスト口3およびスイッチノブ4の外面がキャップ6で覆われる。そのため、スイッチノブ4が誤ってオン操作されるのを防止できる。また、ミストノズル12のノズル口57やその周辺部に塵埃が付着し、あるいはノズル口57に異物が入込んで目詰まりに陥ることなどを防止できる。さらに、キャップ6は、ミスト器が床面などに落下した場合の防護体としても機能しており、キャップ6の内面に面して配置された機器の破損を防止することにも役立っている。
【0026】
図3に示すように作動ユニット2は、上下に長い電装ケース10と、電装ケース10の上部に組付けられる逆L字状のノズルケース11を骨格構造にして、両ケース10・11にミスト生成構造とイオン発生構造の構成部品を組付けて構成する。ミスト生成構造は、ミスト口3の内側中央に配置されるミストノズル12と、同ノズル12の下方に配置されるタンク13と、エアーポンプ14と、同ポンプ14を駆動するモーター15と、2次電池(電池)16を含む電装品部17などで構成してある。電装品部17には、制御回路が実装された回路基板18と、樹脂モールド19と、充電用のコネクター20と、先の2次電池16と、補助回路基板22などが設けてある。
【0027】
イオン発生構造は、先の樹脂モールド19と、ミストノズル12の上側に配置した電極ユニット21と、補助回路基板22などで構成してある。電流調整用の前段の回路群が補助回路基板22に実装され、電流調整用の後段の回路が樹脂モールド19の内部に封入してある。補助回路基板22は、2次電池16の側方空間に配置されて電装ケース10に固定してある。
【0028】
上記の各機器を本体ケース1の内部に整然と組込むために、本体ケース1の内部を区分壁23で前室1Aと後室1Bとに区分している。区分壁23は本体ケース1と一体に形成されており、底開口の近傍から本体ケース1の過半上部にわたって、前壁に沿う状態で上下方向に連続している。区分壁23の上端でノズルケース11の下端壁を支持し、区分壁23の下端と本体ケース1の底開口とが協同して内底壁24を受止めている。この内底壁24に作動ユニット2を締結して、作動ユニット2を本体ケース1と一体化するが、その詳細は後述する。
【0029】
区分壁23で区分した前室1Aにタンク13を収容し、後室1Bにエアーポンプ14と、モーター15と、2次電池16を含む電装品部17を収容すると、タンク13から漏れ出したミスト原液が後室1B側へ流入するのを区分壁23で阻止できる。従って、後室1Bに収容した電気機器に漏れ出したミスト原液が付着して生じる電気系統の故障、例えば短絡や発熱などの故障をよく防止できる。区分壁23は、縦長筒状に形成された本体ケース1の補強構造体としても機能しており、本体ケース1の構造強度を増強することに役立っている。
【0030】
電装ケース10は縦長のプラスチック成形品からなり、本体ケース1と協同してノズルケース11を支持しており、その上半部にエアーポンプ14とモーター15を収容する上収容部25が後向きに開口する状態で形成してある。また、電装ケース10の下半部には、樹脂モールド19および2次電池16を収容するモールド収容部26と電池収容部27とが、前向きに開口する状態で形成してある。回路基板18は、モールド収容部26と電池収容部27の後側に配置されて、電装ケース10に固定してあり、その前側に補助回路基板22が固定してある。コネクター20は、別途設けたソケットホルダー103に固定される。
【0031】
エアーポンプ14は、ダイヤフラムポンプからなり、その上端に吐出部28と、空気をポンプ内部に導入するための吸気部29とが、前後に隣接する状態でそれぞれ上向きに突設してある。この実施例では、エアーポンプ14とモーター15とが一体化してあるローリングポンプを適用した場合を示している。ローリングポンプ(エアーポンプ14)の内部には複数個のダイヤフラムが設けてあり、これらのダイヤフラムを、モーター15で回転駆動されて「皿回し運動」をする駆動体で上下操作することにより、吸気部29から吸込んだ空気を加圧して吐出部28から送出する。
【0032】
図3に示すように、電装ケース10の上面前部および前面上部には、それぞれ断面T字状の連結突起30・31が形成してあり、同ケース10の下端には左右一対のねじボス32が下向きに突設してある。ノズルケース11を電装ケース10の上面前部および前面上部で支持し、さらに連結突起30・31を介して電装ケース10に連結し、ビス102で両ケース10・11を締結することにより、ノズルケース11を電装ケース10に対して上下、左右、前後に位置決めすることができる。
【0033】
ノズルケース11は、左右に2分割された左ケース体11Lと右ケース体11Rとで中空ケース状に構成したプラスチック成形品からなり、その内部が区画壁35で前後に区分してある。ノズルケース11の後部下面には、電装ケース10の上面前部および前面上部で支持される段部36が直交状に形成され、段部36の横壁および縦壁に先の連結突起30・31に係合する切欠部37と連結凹部38が形成してある。ノズルケース11の前壁には、ミスト口3に対応してミスト窓39が開口され、下端壁にはタンク13を連結するためのタンク開口40が開口してある。
【0034】
ノズルケース11の上面を覆う上壁41は、左ケース体11Lと一体に形成されて、その中央に長円状のスイッチ窓42が開口してある。区画壁35の接合部には、後述する給気管66を挟持固定して同管66の移動を規制する保持穴43が形成され、その下縁に沿って給気管66の中途部を支持する管支持壁44が部分円弧状(湾曲状)に形成してある。また、段部36の横壁の接合部には、吐出部28に連結された給気管66の周面を挟持して、同管66の移動を規制する保持穴45が形成してある。保持穴43の中心の高さ位置は、後述する継手部58の中心の高さ位置と一致させてある。管支持壁44は左ケース体11L側の区画壁35と一体に形成してある。
【0035】
図4に示すように、区画壁35より前側の区画には、ミストノズル12と、電極ユニット21と、タンク13用の連結具47が組付けてあり、後側の区画にはスイッチ基板が組付けられ、その上面にモーター15への通電状態をオン・オフするスイッチ48が実装してある。ミストノズル12の左右側面にはL字状の装着突起49が突設してあり(
図3参照)、この装着突起49を左右のケース体11L・11Rの内側面に設けた装着枠50に係合することにより、ミストノズル12をノズルケース11と一体化できる。電極ユニット21および連結具47の左右側面にも、同様の四角形状の装着突起51・52が突設してあり、これらの突起51・52を左右のケース体11L・11Rの内側面に設けた装着枠53・54に係合することにより、電極ユニット21および連結具47をノズルケース11と一体化できる。ノズルケース11に固定した状態における電極ユニット21の中心軸は、ミストノズル12の水平の噴霧中心軸に対して下り傾斜している。
【0036】
ミストノズル12は、透明なプラスチック材を素材とする射出成形品からなり、その上部前面にミストを噴出するノズル口57が開口され、上部後面と下面前部とのそれぞれに筒状の継手部58・59が突設してある。ノズル口57は、ミスト口3を介して本体ケース1の外面に臨ませてある。
図4に示すように、上部後面の継手部58には給気口60が開口され、この給気口60に連続してノズル口57へ向かって先すぼまり状の空気通路61が形成してある。同様に、下面前部の継手部59には、給液口62が開口され、この給液口62に連続してノズル口57へ向かって上すぼまり状の液通路63が形成してある。
【0037】
前者継手部58とエアーポンプ14の吐出部28とが、横臥J字状の給気管66を介して接続され、後者継手部59と連結具47の出口部93とが、クランク状に屈曲する給液管68を介して接続してある。給気管66および給液管68は、それぞれ軟質で屈曲自在なシリコーンゴム製のチューブやプラスチック製のチューブで形成してある。給気管66の屈曲形状を一定にするために、給気管66と交差する区画壁35に設けた保持穴43で、給気管66の中途部を遊動不能に挟持固定し、さらに、給気管66の下面側を湾曲する管支持壁44で支持している。また、段部36の横壁の接合部に設けた保持穴45で、吐出部28に連結された給気管66の周面を挟持固定している。このように、給気管66の中途部を保持穴43と管支持壁44で湾曲案内し、給気管66の下部を保持穴45で保持すると、
図4に示すように区画壁35と吐出部28との間の管路に形成される屈曲部69の形状を常に一定にすることができる。
【0038】
上記の保持穴43は、左右のケース体11L・11Rの区画壁35に形成した半円状の凹みを接合して形成されており、これら一対の凹みで給気管66が挟持され支持されている。同様に保持穴45は、左右のケース体11L・11Rの段部36の横壁に形成した半円状の凹みを接合して形成されており、これら一対の凹みで給気管66が挟持され支持されている。なお、保持穴43・45は、いずれか一方のケース体11L(または11R)に半長円状の凹みを形成し、他方のケース体11R(または11L)には凹みを形成せずに、給気管66を挟持する形態であってもよく、要は、給気管66が保持穴43・45で支持される構造であればよい。例えば、穴の凹み形状をV字状や台形状、あるいは多角形状に形成してもよく、さらに、区画壁35および段部36の横壁のそれぞれに半割り状のボスを一体に設けて、その対向面に形成した保持穴43・45で給気管66を保持固定することができる。
【0039】
給液管68はクランク状に折曲がる状態で、ミストノズル12の継手部59と連結具47の出口部93とを接続している。詳しくは、ミストノズル12の継手部59と給液管68との接続部中心を、連結具47の出口部93と給液管68との接続部中心よりも前方に位置させて、給液管68の中途部の2個所に屈曲通路部70が形成してある。このように、給液管68の中途部に屈曲通路部70を形成すると、屈曲通路部70の内部を流動するミスト原液の流動方向を強制的に変向させて流動抵抗を与えることができる。また、流動抵抗が増加することにより、負圧力によって液通路63の上端から吸出されるミスト原液の流動速度を低下させて、ミストを噴霧する初期状態において、ミストがノズル口57から斜め上向きに噴霧されるのを防止することができる。さらに、給液管68がクランク状に屈曲する分だけミストノズル12のノズル口57を本体ケース1の前側に位置させることができる。
【0040】
ミストノズル12のノズル口57の周囲とミスト口3との間の隙間を塞ぐために、ミスト口3の内面に凹面鏡状のミスト口カバー72を嵌込み、その中央にミスト放出口73を開口している(
図5参照)。また、ミスト放出口73の上側にイオン種放出窓74を開口し、電極ユニット21で生成されたイオン種を、イオン種放出窓74を介してノズル口57から噴霧されたミスト流へ向かって放出できるようにしている。ミスト口カバー72の内面には、左右一対の係合腕75が突設してあり、これらの係合腕75をノズルケース11に設けた一対の係合リブ76に係合することにより、ミスト口カバー72をノズルケース11に固定している(
図10参照)。電極ユニット21の前端と正対するイオン種放出窓74の内面側には、指先が電極ユニット21に触れるのを防ぐガード枠77が設けてある。ミストノズル12の後面下部にはLED78が密着配置してあり、このLED78をミスト噴出時に点灯することにより、LED78から照射されてミストノズル12で散乱された柔らかな光でミスト流を照らすことができる。
【0041】
図4において電極ユニット21は、筒状に形成されるプラスチック製のホルダー80と、ホルダー80の前面中央に固定される針状の中央電極81と、中央電極81の周囲を囲むリング状の対向電極82と、両電極81・82の間の空間を絶縁する誘電筒83などで構成する。中央電極81は高圧リードを介してダイオード132に接続され、対向電極82は接触電極を兼ねるスイッチノブ4とともにグランドリード133(
図11参照)に接続してある。グランドリード133は、中央電極(放電電極)81、および対向電極82に高圧のパルス電流を供給する電流調整用の回路のグランドライン134に接続してある。
【0042】
タンク13は、透明ないし半透明のプラスチック材で形成した上下に長いびん状のタンク本体85と、タンク本体85の上端に設けた接続部86と、接続部86の内面下部に固定される直管状の吸上パイプ87などで構成してある。
図9に示すように、タンク本体85の断面はトンネル断面状に形成してある。接続部86の上面の中央には、連結具47に差込み連結される筒ボス88が上向きに突設してあり、その周面にOリング89が装着してある(
図2参照)。
【0043】
先に説明したように、本体ケース1の断面は、女性の手に馴染みやすく、しかも片手で掴みやすくするために、
図9および
図10に示すように前後に長いだ円形状に形成してある。さらに、本体ケース1を縦長筒状に形成してシンプルな外観形状としてある。こうした本体ケース1の外観上の印象を損なうことなく、タンク13の大容量化を実現するために、タンク13の上下長を大きく設定している。前室1Aに収容した状態のタンク13の上端は、エアーポンプ14の上下中途部に達している。
【0044】
上記のように、タンク13を縦長構造にして大容量化を実現することにより、大量のミストが消費されるヘビーユース時にも、余裕を持ってミストを連続して供給することができる。また、縦長のタンク13内にミスト原液を収容するので、ミスト器を大きく動かしながらミストを噴霧する場合でも、ミスト原液の液位が大きく変動し、あるいはミスト原液が前後左右に揺れ動くのを抑止できる。従って、ミストを安定した状態で連続して噴霧できる。
【0045】
タンク13は消耗品であって、予めタンク本体85にミスト原液を充填した状態で販売され、ミスト原液を消費するごとに新規なタンク13と交換して使用する。ミスト原液としては、顔肌に潤いを与える化粧水や水、あるいは、髪に潤いを与える髪用の美容用液などが用意してある。ミスト原液の残量レベルを確認するために、本体ケース1の前壁の下部に透明なレベル確認窓90を設けている。ユーザーは、レベル確認窓90を介してタンク本体85内の残量レベルを視認することにより、新規なタンク13を用意すべき時期が近付いたことを確認できる。
【0046】
タンク13の接続部86をミストノズル12に連通するために、前室1Aの上端、具体的にはノズルケース11の下端壁に連結具47を固定している。連結具47の下面側には、タンク13の接続部86を外嵌装着するための筒壁92が下向きに突設され、連結具47の上面側には給液管68を接続するための出口部93が上向きに突設してある。
図4に示すように、タンク13の接続部86を連結具47の筒壁92に差込み装着した状態においては、筒ボス88が連結具47に設けた連結穴(図示していない)に嵌合して、両者の隙間がOリング89でシールされる。連結穴の下部は上すぼまりテーパー状に形成してある。なお、図示していないが、接続部86の内部には、タンク本体85の内部が負圧状態になるのを防ぐ負圧防止弁が設けてある。
【0047】
図4においてスイッチノブ4は、ノズルケース11の上壁41の上面側に配置されて本体ケース1の上端の開口を塞いでおり、その前部下面に設けたピン98を中心にして先の上壁41で上下揺動可能に支持されている。スイッチノブ4はプラスチック成形品の表面に金属めっきを施して形成してあり、その上面には指掛け凹部99が形成してある。また、スイッチノブ4の下面にはシールゴム(シール体)100を介してスイッチ48をオン・オフする操作ピン101が設けてある。上記のように、ノズルケース11の上壁41がスイッチノブ4を支持するためのスイッチベースを兼ねるようにすると、本体ケース1の側にピン98を支持するためのブラケットを設ける必要がないので、縦長筒状に構成された本体ケース1の成形を容易に行える。スイッチノブ4は、グランドリード133に接続されて対向電極82と同じ電位になっており、スイッチノブ4に触れたユーザーも対向電極82と同じ電位になる。図示していないが、グランドライン134とスイッチノブ4との間には抵抗値が大きな抵抗が介在させてある。スイッチノブ4は、アルミニウム、銅、鋼板などの金属を素材にして形成してあってもよい。
【0048】
シールゴム100は、先の上壁41に形成したスイッチ窓42を上面側から塞いで、水滴あるいは塵埃などがノズルケース11の内部に侵入するのを防止している。不使用状態におけるスイッチノブ4は、本体ケース1の上開口面に沿って開口前部から開口後部へ向かって下り傾斜しており、この状態のスイッチノブ4を、図示していない復帰ばねとシールゴム100の弾性に抗して押下げるとスイッチ48がオンされる。なお、スイッチ48は自己復帰型のスイッチであるので、スイッチノブ4を人指し指で押下げている間のみモーター15が起動され、人指し指による押下げ動作を解除するとモーター15は停止する。
図4に示すように、ノズルケース11の上壁41の周囲には、本体ケース1の内面壁に密着するOリング97が装着してある。
【0049】
各機器が組付けられた電装ケース10に、タンク13を除く各機器が組付けられたノズルケース11を組付けることにより、電装ケース10とノズルケース11を一体化して作動ユニット2を構成することができる。詳しくは、各機器が組付けられた電装ケース10の前上隅に、各機器が組付けられたノズルケース11の段部36を接合する。さらに、左右のケース体11L・11Rに設けた切欠部37と連結凹部38を、電装ケース10側の連結突起30・31に係合することにより、両ケース10・11を位置決めする。この状態で左右のケース体11L・11Rをビス(締結具)102(
図4参照)で締結することにより、電装ケース10とノズルケース11を一体化して作動ユニット2とする。
【0050】
得られた作動ユニット2は、
図8に示すように、後室1B内に電装ケース10を差込装着し、ノズルケース11を前室1Aの上部に嵌込んで、その下端を区分壁23の上端に接当する。この状態でソケットホルダー103を水平姿勢にして電装ケース10の下端にあてがい、本体ケース1の後面下部に開口した円形のコネクター開口に表示リング104を嵌込む。さらに、内底壁24を本体ケース1の底開口に装着した状態で、ビス105を電装ケース10のねじボス32にねじ込むことにより、作動ユニット2を本体ケース1に固定できる。表示リング104は、透明なプラスチック材でリング状に形成してあり、その上面側に回路基板18に実装したLED106の照射光を導入する導光部107が設けてある。この状態で、ミスト口カバー72をミスト口3の内部に差込み装填してノズルケース11に固定する。
【0051】
表示リング104およびLED106は、2次電池16が充電中であることを表示し、さらに、2次電池16の電力残量がどの程度であるかを表示するために設けてある。LED106は3色LEDからなり、LED106の発光色を変更して、あるいはLED106を点滅させるなどにより、充電状態であることを表示し、あるいは電力残量を表示することができる。
図6に示すように表示リング104の中央には、コネクター20の端部を露出させるためのコネクター窓108が開口してあり、この窓108を介して充電用のプラグをコネクター20に着脱する。
【0052】
上記の組立状態におけるエアーポンプ14およびモーター15は、後壁を間にしてグリップ部5に臨んでいる。これは、グリップ部5にユーザーの手の平をあてがって本体ケース1を握り持った状態において、重量の大きなエアーポンプ14とモーター15を手の平の近傍に位置させて、持ち重りしない状態で本体ケース1を掴み保持できるようにするためである。また、持ち重りしない状態で本体ケース1を掴み保持することにより、例えばミスト器を頭の周りに大きく動かしながら噴霧するような場合であっても、ミストを軽快に噴霧できるからである。さらに、ユーザーの手の平を内凹み状のグリップ部5で受止めることにより、手が上下あるいは周方向へずれ動くのを確実に防止できる。
【0053】
本体ケース1の底開口を開閉して、タンク13を前室1Aに出入れ可能とするために底蓋111を設けている。
図2、
図6および
図7に示すように底蓋111は、無端環状の蓋周縁壁112を備えた上向きに開口するだ円形の皿状に形成されており、その中央下面側に操作ノブ113を収容するための操作凹部114が上向きに膨出する状態で形成してある。蓋周縁壁112と操作凹部114の膨出壁との間の底壁は、タンク13から漏洩したミスト原液を受止める液受凹部115として機能する。液受凹部115は蓋周縁壁112に沿って周回状に形成してあり、タンク本体85の底面と対向する液受凹部115には、タンク13を連結具47に向かって押付けるゴム製の押圧ピース116が固定してある。操作凹部114を囲む底蓋111の下面は平坦に形成してあるので、不使用状態におけるミスト器は本体ケース1を起立する状態で載置収納できる。
【0054】
底蓋111と内底壁24との間には、本体ケース1に装着した底蓋111をロック保持するロック機構が設けてある。ロック機構は、操作凹部114に収容される操作ノブ113と、操作ノブ113と一体に設けられる左右一対の係合腕119と、内底壁24の下面側に設けた左右一対の蓋係合枠120と、操作凹部114の上壁上面に配置されるスライド板121などで構成してある。一対の係合腕119は、底蓋111に形成したスライド溝を介して底蓋111の上方に突出している。操作ノブ113とスライド板121は、操作ノブ113に設けたピン122で同行移動可能に一体化してある。ロック状態(
図6に示す状態)における係合腕119は蓋係合枠120と係合して、底蓋111が本体ケース1から分離するのを防止している。また、操作ノブ113を
図6において後側へスライド操作すると、係合腕119と蓋係合枠120との係合状態が解除されるので、底蓋111を本体ケース1から分離することができる。
【0055】
蓋係合枠120は内底壁24を射出成形する際に一体に形成するが、その際に蓋係合枠120の形成位置の上側に、左右一対の金型の抜跡穴123が形成されてしまう(
図7参照)。この抜跡穴123から電装品部17へ液滴等が浸入するのを防ぐために、ソケットホルダー103の下面に設けた左右一対の栓状突起124で抜跡穴123を塞いでいる。また、栓状突起124を抜跡穴123と係合することにより、ソケットホルダー103が前後にがたつくのを防止できるので、コネクター20に対する充電用プラグの着脱を的確に行うことができる。
【0056】
図11にミスト器の回路構成の概略を示す。ミスト器の使用時にスイッチノブ4をオン操作すると、回路基板18に実装された制御回路を介してモーター15が回転駆動され、同時にイオン発生構造を構成する電流調整用の回路が作動して、放電電極となる中央電極81にコロナ放電用の高圧電流が供給される。電流調整用の前段回路は、2次電池16の電流を交流に変換する発振回路127と、発振回路127で生成されたパルス電流を昇圧する第1の昇圧回路128と、昇圧回路128で100Vにまで昇圧されたパルス電流を整流する整流回路129と、整流回路129で整流された直流電流を再度パルス電流に変換するパルス発生回路130とで構成する。
【0057】
電流調整用の後段回路は、パルス発生回路130から出力されるパルス電流を4kVにまで昇圧する第2の昇圧回路131と、ミストの帯電極性を設定するダイオード132とで構成する。先に説明したように、電流調整用の各回路のうち、発振回路127からパルス発生回路130までが補助回路基板22に実装され、昇圧回路131とダイオード132とが樹脂モールド19内に封入してある。
【0058】
電流調整用の各回路で調整された高圧電流が、中央電極81と対向電極82との間に供給されると、コロナ放電により中央電極81から電子が放出されて空気中の酸素分子と結合し、負電荷あるいは正電荷のイオン種となる。生成されたイオン種は、ノズル口57から噴出される高速の空気流に引き込まれて、空気流とともに噴出されたミストに接触してミストをマイナス電位あるいはプラス電位に帯電させる。ダイオード132が中央電極81へ向かって順方向に接続してある場合には、ミストはプラスに帯電され、ダイオード132が中央電極81へ向かって逆方向に接続してある場合には、ミストはマイナスに帯電される。
【0059】
タンク13は底蓋111を取外した状態で、本体ケース1の底開口の側から前室1Aに出入れする。そのため、タンク13を前室1Aに差込み装填するとき、細長いタンク13の接続部86の中心と、連結具47の筒壁92の中心とを正しく一致させるのが難しくなる。このような煩わしさを解消するために、
図4に示すように、区分壁23の上部に位置決め部135と、位置決めガイド136を設けている。
【0060】
上記のように、前室1Aの上部に位置決め部135と位置決めガイド136を形成すると、タンク13を前室1Aに差込み終える直前に、タンク本体85の平坦な肩部を位置決めガイド136で位置決め部135へ向かって移動案内できる。従って、タンク13を単に前室1Aに差込み操作するだけで、接続部86の中心と連結具47の筒壁92の中心とを一致させて、連結具47に対するタンク13の連結を容易に行うことができる。なお、タンク13を連結具47に連結する場合には、湾曲する前壁がトンネル断面状のタンク13の湾曲壁を大まかに位置決めした状態で案内し、さらにタンク13の平坦な肩部を位置決め部135が受止めて、タンク13の周方向の姿勢を矯正するので、常に的確に接続部86の中心と筒壁92の中心とを一致させることができる。
【0061】
ミスト器を使用する場合には、
図12に示すように、グリップ部5にユーザーの手の平をあてがい、本体ケース1の左右壁を親指およびその付け根と、中指、薬指、小指の3指とで挟み保持し、さらに、人指し指でスイッチノブ4を押下げてモーター15を起動させる。モーター15の起動と同時にエアーポンプ14が作動して、加圧された空気が給気管66を介してミストノズル12へ送給され、空気通路61によって絞られた流速の速い空気がノズル口57から吹出される。そのため、液通路63の空気通路61との交差部分には大きな負圧が作用し、この負圧によってタンク13内のミスト原液が、吸上パイプ87と、連結具47と給液管68を介して吸上げられる。さらに、吸上げられたミスト原液は、液通路63の上端においてミスト化されて加圧空気とともにノズル口57から吹出される。ミスト原液が例えば化粧水である場合には、ノズル口57から吹出されたミストを顔肌に吹付ける。
【0062】
モーター15が起動するのと同時にイオン発生構造も起動され、各回路127〜132で調整された高圧(4kV)のパルス電流が高圧リードを介して中央電極81に供給される。これに伴い、中央電極81と対向電極82との間でコロナ放電が生じ、中央電極81から放出された電子が空気中の酸素分子と結合してイオン種となり、このイオン種がノズル口57から噴出される高速の空気流に引き込まれてミストに接触し、ミストをマイナス電位あるいはプラス電位に帯電させる。この状態におけるユーザーの顔肌(人体)は、スイッチノブ4に接触する指先を介して対向電極82と同じグランド電位になっているので、中央電極81から顔肌へ向かって電気力線が形成され、イオン種で帯電されたミストを顔肌へ向かって誘引させることができる。
【0063】
上記のように、中央電極81と対向電極82との間に高電圧を印加してイオン種を生成し、生成されたイオン種をミストノズル12から噴出されるミストに接触させると、ミストをマイナス電位あるいはプラス電位に帯電されたミストを的確に生成できる。また、指先がスイッチノブ4に接触している状態においては、人体の電位を対向電極82の電位と同じ電位にすることができるので、帯電されたミストを安定した状態で人体に引寄せ吸着させることができる。因みに、人体は通常プラスに帯電しているので、マイナスに帯電したミストを生成することにより、ミストを人体に引寄せて吸着させることができる。
【0064】
上記のようにミスト器を使用する状態では、スイッチノブ4がオン操作されるのと同時に、ミストノズル12の後に配置したLED78が発光する。LED78から照射された光は、透明のミストノズル12を通過する間に繰り返し反射され散乱された状態で、ノズル口57の周囲壁からミスト流へ向かって放出される。そのため、散乱された柔らかな光でミスト流を照らして、LED78が発光する色に染めることができるので、幻想的な雰囲気を演出することができる。LED78はパイロットランプを兼ねており、スイッチノブ4がオン・オフ操作されるのに対応して点灯し、あるいは消灯する。
【0065】
上記のミスト器(噴霧器)は、以下の態様で実施することができる。
ミスト発生部と電極ユニット(放電電極)21を有し、ミスト発生部で生成されるミストと、電極ユニット21で生成されるイオン種を接触させて、帯電されたミストを生成できる噴霧器であって、
電極ユニット21に電圧を印加する回路と、前記回路のグランドライン134に接続される接触電極とを備え、
接触電極が、ミスト発生部および電極ユニット21を駆動するスイッチ48のスイッチ操作具4に設けてある噴霧器。
【0066】
上記構成の噴霧器によれば、マイナス電位あるいはプラス電位に帯電されたミストを的確に生成できる。例えば、人体は通常プラスに帯電しているので、マイナスに帯電したミストを生成することにより、ミストを人体に吸着させることができる。また、人体の電位を、積極的に電極ユニット21に電圧を印加する回路のグランド電位と同じ電位にすることができるので、帯電されたミストを安定した状態で人体に引寄せて吸着させることができる。
【0067】
上記のミスト発生部および電極ユニット21を駆動するスイッチ48が、自己復帰型スイッチで構成されており、
スイッチ操作具4がオン状態に切換え操作された状態において、ミスト発生部および電極ユニット21を連続して駆動でき、
指先がスイッチ操作具4から離れて、同操作具4がオフ状態に切換え操作された状態において、ミスト発生部および電極ユニット21が作動を停止するように構成してある噴霧器。
【0068】
上記のように、噴霧器を使用する場合のユーザーは、必ず接触電極を兼ねるスイッチ操作具4に触れた状態でスイッチ48を切換え操作するので、ユーザーは意識することもなく帯電されたミストを人体に引寄せる機能を発揮できる。
【0069】
上記のミスト発生部はミストノズル12で構成されており、
ミストノズル12は、加圧空気を流動案内する空気通路61と、ミスト原液を流動案内する液通路63と、ノズル口57とを備えており、
液通路63の空気通路61との交差部分に作用する負圧の作用でミスト原液を吸上げてミスト化し、ノズル口57から空気流とともに噴出できる噴霧器。
【0070】
図13はエアーポンプ14のさらに別の実施例を示している。そこでは、リニアモーター(モーター)15の上下それぞれにダイヤフラムポンプ(エアーポンプ)14が配置してある電磁ポンプで加圧空気を生成するようにした。リニアモーター15は、ハウジング140の内部に、E型コア141とバックコア142を対向配置し、両コア141・142の間に振動子143を配置して構成してある。両コア141・142のうち、E型コア141のみにコイルが巻回してある。振動子143には永久磁石が組付けてあり、両コア141・142と永久磁石との吸引作用あるいは反発作用で振動子143を往復駆動して、振動子143の上下両端に設けたダイヤフラム144を上下操作し、吸気部29から吸込んだ空気を加圧して吐出部28から送出する。符号145は吸気弁、符号146は排気弁である。
【0071】
上記の実施例では、本体ケース1の断面形状を前後に長いだ円形状に形成したが、その必要はなく、例えば前後に長い長円状や卵形などの断面形状に形成してあってもよい。本体ケース1は、前後、左右、あるいは上下に2分割されたケース体を接合して縦長筒状に形成することができる。また、上記の実施例では、本体ケース1の上開口面を塞ぐスイッチ操作具4の全体が、ピン98の回りに上下揺動するようにしたがその必要はなく、本体ケース1の上開口面を塞ぐ壁面の一部にスイッチ操作具4を設けて、スイッチ48を切換え操作することができる。その場合のスイッチ操作具4は、例えば押ボタン状に形成し、あるいはスライドノブ状に形成することができる。
【0072】
給気管66および給液管68は、必要があれば硬質プラスチック製の管材あるいは金属管で形成することができ、その場合には直管状の管材を折り曲げて、給気管66および給液管68を形成することができる。区分壁23は垂直の壁として形成する必要はなく、前後いずれかへ傾斜する状態で形成することができる。管支持壁44は樋状に形成することができる。締結具102としては、ビス、ボルト、ナットのいずれであってもよい。本発明に係る噴霧器は、個人用と業務用のいずれであっても使用でき、のどおよび口腔内に薬液のミストを噴霧供給する吸入器としても使用することができる。