(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、所定時間内における前記貯湯タンク内の湯の使用量が、前記貯湯タンクの容量未満の場合には、前記開閉弁を開くことで、前記混合部を介して前記貯湯タンク内の所定量の湯を前記排水管に排出する請求項1に記載の貯湯式温水器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1及び2の貯湯式温水器では、排水管の封水切れ防止のために、湯を必要としない夏場等でも、湯を沸し上げる必要があり、無駄な電力を消費することとなる。
【0007】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、排水管の封水切れを防止するために、湯を沸かし上げる必要がなく、消費電力を低減できる貯湯式温水器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記目的を達成するため本発明は、湯を貯湯する貯湯タンク(例えば、後述の貯湯タンク61)と、前記貯湯タンク内に設けられ、前記貯湯タンク内の湯水を加熱するヒーター(例えば、後述のヒーター71)と、前記ヒーターによる加熱で発生する膨張水を排水管(例えば、後述の排水管41)に排出する排水路(例えば、後述の膨張水排出管83)と、前記貯湯タンク内の湯と、水とを混合して排水管に排出する混合部(例えば、後述の混合部69)と、前記混合部の流出側に設けられ、開閉可能な開閉弁(例えば、後述の電磁弁70)と、前記ヒーターへの通電を制御するヒーター制御を実行するとともに、前記開閉弁の開閉制御を実行する制御部(例えば、後述の制御部10)と、を備え、前記制御部は、所定時間が経過するまでの間、前記ヒーター制御を実行せず且つ前記開閉弁を開弁しなかった場合には、前記開閉弁を所定時間開くことで、前記混合部を介して前記貯湯タンク内の水を前記排水管に排出する貯湯式温水器(例えば、後述の貯湯式温水器11)を提供する。
【0009】
(1)の発明では、所定時間が経過するまでの間、ヒーターへの通電制御、即ちヒーターによる沸かし上げ又は保温を行うヒーター制御を実行せず且つ開閉弁を開弁しなかった場合には、混合部の流出側に設けた開閉弁を所定時間開くことで、混合部を介して貯湯タンク内の水を排水管に排出する。
これにより、ヒーターによる沸かし上げ又は保温が行われず、膨張水が発生しない状態と、開閉弁が閉じたままで貯湯タンク内の湯の排出が行われない状態とが所定時間継続した場合には、混合部の流出側に設けた開閉弁が所定時間開かれることで、混合部を介して貯湯タンク内の水が排水管に排出される。従って、本発明によれば、排水管の封水切れ(例えば、後述の排水管41に設けられた排水器具35の封水部の封水切れ)を防止するために湯を沸かし上げる必要がなく、消費電力を低減できる。
【0010】
(2)前記制御部は、所定時間内における前記貯湯タンク内の湯の使用量(例えば、後述の使用量Σ(n=1〜23)Qn)が、前記貯湯タンクの容量(例えば、後述の貯湯タンク容量Tc)未満の場合には、前記開閉弁を開くことで、前記混合部を介して前記貯湯タンク内の所定量の湯を前記排水管に排出することが好ましい。
【0011】
(2)の発明では、所定時間内における貯湯タンク内の湯の使用量が貯湯タンクの容量未満の場合には、開閉弁を開くことで混合部を介して貯湯タンク内の所定量の湯を排水管に排出する。
これにより、貯湯タンク内に長時間滞留した湯を排出することができ、貯湯タンク内を衛生的に保つことができる。また、貯湯タンク内に滞留した湯の排出は排水管の封水切れに寄与するため、排水を有効利用でき、節水ができる。
【0012】
(3)前記制御部は、前記貯湯タンクの容量に相当する量の湯を前記排水管に排出することが好ましい。
【0013】
(3)の発明では、所定時間内における貯湯タンク内の湯の使用量が貯湯タンクの容量未満の場合には、開閉弁を開いて、貯湯タンクの容量に相当する量の湯を排水管に排出する。
これにより、貯湯タンク内の湯を全量排出することで、貯湯タンク内に滞留した湯を確実に排出することができ、貯湯タンク内を確実に衛生的に保つことができる。
【0014】
(4)前記制御部は、前記貯湯タンクの容量と前記使用量との差分に相当する量の湯を前記排水管に排出することが好ましい。
【0015】
(4)の発明では、所定時間内における貯湯タンク内の湯の使用量が貯湯タンクの容量未満の場合には、開閉弁を開いて、貯湯タンク内の未使用分の湯を排水管に排出する。
これにより、貯湯タンク内の未使用分の湯のみを排出することで、貯湯タンク内に滞留した湯を確実に排出することができ、貯湯タンク内を確実に衛生的に保つことができる。さらには、未使用分のみを排出するため、節水ができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、排水管の封水切れを防止するために、湯を沸かし上げる必要がなく、消費電力を低減できる貯湯式温水器を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明をする。
【0019】
図1は、本発明の第1実施形態に係る貯湯式温水器11の外観を示す斜視図であり、本貯湯式温水器11をシンク12に適用した例を示す。なお、
図1において、シンク12は透視図で表している。
貯湯式温水器11は、ケーシング31内に後述するヒーター付の貯湯タンク(図示せず)を備える。
図1に示すように、貯湯式温水器11は、シンク12の内部に配置されており、シンク12の内壁に配設された電源コンセント51に電源ケーブル52を接続し、ケーシング31の前面に設けられた電源スイッチ53をONすることで作動する。
【0020】
図1に示すように、貯湯式温水器11の周辺には、熱湯用単水栓32と、混合水栓33と、止水栓34と、排水器具35と、熱湯管36と、出湯管37と、同圧給水管38と、給水管39と、排水ホース40と、が設けられている。
【0021】
熱湯用単水栓32と混合水栓33は、シンク12のシンク本体13の近傍に配設されている。止水栓34は、シンク12の内壁に配設されている。排水器具35は、シンク本体13の排水口41aから下方に延びた排水管41の途中に接続されている。
【0022】
熱湯管36は、一端が熱湯用単水栓32に接続され、他端が貯湯式温水器11のケーシング31の上面に接続されている。出湯管37は、一端が混合水栓33に接続され、他端が貯湯式温水器11のケーシング31の上面に接続されている。同圧給水管38は、一端が混合水栓33に接続され、他端が貯湯式温水器11のケーシング31の上面に接続されている。給水管39は、一端が止水栓34に接続され、他端が貯湯式温水器11のケーシング31の上面に接続されている。排水ホース40は、一端が排水器具35に接続され、他端が貯湯式温水器11のケーシング31の上面に接続されている。
【0023】
次に、本実施形態に係る貯湯式温水器11の内部構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る貯湯式温水器11の内部構成を示す図である。
図2に示すように、貯湯式温水器11は、ケーシング31内に、貯湯タンク61と、給湯用混合弁62と、逆止弁63,65,67,68と、ストレーナ64と、減圧弁66と、混合部69と、電磁弁70と、逃し弁72と、サーミスタ73,75,77と、水抜き弁74と、フローセンサ76と、制御部10と、を備える。
【0024】
給水管39から供給される水は、ストレーナ64で水中のゴミが除去され、逆止弁65を流通し、減圧弁66で減圧された後、給水管39を流通して貯湯タンク61内に供給される。このとき、サーミスタ75は給水の温度を検出し、フローセンサ76は給水の流量を検出する。
【0025】
貯湯タンク61は、内部にヒーター71を備える。水が供給された貯湯タンク61では、このヒーター71に通電することによって、60〜90℃の湯が沸かされる。また、貯湯タンク61は、内部にサーミスタ77を備える。貯湯タンク61内の湯の温度は、このサーミスタ77により検出され、その検出信号は後述の制御部10に送信される。
なお、貯湯タンク61で沸かされた熱湯は、熱湯管36を流通して熱湯用単水栓32(
図1参照)に供給され、熱湯用単水栓32から流出することで、飲用熱湯として利用される。
【0026】
また、熱湯管36の分岐部36aで分岐した熱湯分岐管81には、逆止弁63と給湯用混合弁62が設けられている。従って、貯湯タンク61で沸かされた熱湯の一部が、熱湯管36から熱湯分岐管81へ分流し、逆止弁63を流通した後、給湯用混合弁62に供給される。
一方、給水管39の分岐部39aで分岐した給水分岐管82には、給水管39から給水の一部が分流する。給水分岐管82に分流した給水は、給湯用混合弁62に供給される。これにより、給湯用混合弁62では、熱湯分岐管81を流通して供給された熱湯と、給水分岐管82を流通して供給された水とが混合されることで、給湯用混合弁62の設定温度(例えば40℃)の湯となる。
【0027】
給湯用混合弁62において熱湯と水が混合されて生成された湯は、出湯管37を流通して混合水栓33(
図1参照)に供給され、混合水栓33から流出することで、食器の洗浄等を行うための雑用給湯として利用される。
【0028】
給水管39の分岐部39bで分岐した同圧給水管38には、給水管39から給水の一部が分流する。この同圧給水は、同圧給水管38を流通して混合水栓33(
図1参照)に供給され、混合水栓33から流出することで、使用に供される。
【0029】
なお、貯湯タンク61内で湯を沸かす際には、貯湯タンク61内部の圧力上昇により膨張水が発生する。内圧が所定圧力を超えると逃し弁72が開弁し、発生した膨張水は膨張水排出管83及び排水ホース40(
図1参照)を介して、排水器具35内の封水部に供給され、封水部内の封水となる。
【0030】
なお、水抜き弁74は、貯湯タンク61の下部と給水管39との接続部近傍に設けられている。水抜き弁74は、メンテナンスや凍結防止目的で設けられた図示しない給気栓を操作した後に開弁する。これにより、給水管39内の水が外部に排出される。
【0031】
また、本実施形態の貯湯式温水器11では、熱湯管36の分岐部36bで熱湯分岐管91が分岐しており、この熱湯分岐管91には熱湯管36から熱湯の一部が分流する。また、給水管39の分岐部39cでは給水分岐管92が分岐しており、この給水分岐管92には、給水管39から一部の給水が分流する。熱湯分岐管91と給水分岐管92は、混合部69で合流している。
【0032】
混合部69は、熱湯分岐管91と給水分岐管92との流路合流部となっている。従って、混合部69では、熱湯分岐管91を流通してきた熱湯と、給水分岐管92を流通してきた水とが混合する。この混合水は、混合部69の流出側に設けられた電磁弁70を介して、排水ホース40に排出される。即ち、本実施形態の貯湯式温水器11は、給湯用混合弁62を介さずに、貯湯タンク61の湯と、水とを混合して排水ホース40に排出する混合部69を備えている。
【0033】
なお、混合部69における湯と水の混合比は、混合水の温度が例えば50℃となるように、予め混合部69における湯と水の流路の径を調整して定めた一定の比率であり、例えば湯と水の比率を4:6とする。また、混合水の逆流を防止するため、混合部69の水流入側(給水分岐管92側)と湯流入側(熱湯分岐管91側)には、それぞれ逆止弁67,68が設けられている。
【0034】
サーミスタ73は、電磁弁70の下流側に設けられている。サーミスタ73は、異常温度検出用であり、逆止弁67,68が固着したとき等に生じる排水温の異常高温を検出する。サーミスタ73により異常高温が検出されると、電磁弁70が閉弁されることで、安全性が確保されるようになっている。
【0035】
制御部10は、ヒーター71、電磁弁70、フローセンサ76、サーミスタ73,75,77等と電気的に接続されている。
制御部10は、後段で詳述する封水切れ運転制御、全量入替制御及び入替量調整制御を実行するためのモジュールとして、ヒーター71への通電を制御するヒーター制御部、電磁弁70の開閉制御を実行する電磁弁制御部、ヒーター制御が行われず且つ電磁弁70が閉じた状態の時間を計測してカウントダウンする計測部、貯湯タンク61内の湯の入替量を積算する入替量積算部等を備える。
なお、運転条件の各種設定等は、オペレーターが操作部54を操作することにより行われ、制御部10にて記憶される。
【0036】
以上の構成を備える本実施形態の貯湯式温水器11の基本的な動作について、
図2を参照して説明する。
まず、給水管39からストレーナ64及び減圧弁66等を介して貯湯タンク61に水が供給されると、この供給水が貯湯タンク61に設けられたヒーター71で沸かし上げられる。この沸かし上げられた熱湯(例えば60〜90℃)は、熱湯管36を介して飲用熱湯として供給される。
また、熱湯の一部は熱湯分岐管81で分流し、給水分岐管82で分流した水と給湯用混合弁62で混合することにより、例えば40℃の雑用給湯として供給される。この雑用給湯は同圧給水とともに混合水栓33(
図1参照)に供給されて混合水栓33から流出する。
【0037】
また、貯湯タンク61内で湯を沸かすことによって発生した膨張水は、逃し弁72が開弁することで膨張水排出管83等を介して排出されることにより、排水器具35(
図1参照)の封水部内の封水となる。
また、沸かし上げられた熱湯の一部は、貯湯タンク61内で貯留される。貯湯タンク61内で長時間滞留した湯を入れ替えするために排出する際には、給湯用混合弁62は介さずに、熱湯分岐管91で分流した湯と、給水分岐管92で分流した水を混合部69で混合して例えば50℃の混合水とし、電磁弁70を開いて排出する。
【0038】
次に、本実施形態の貯湯式温水器11の制御部10で実行する封水切れ運転制御について説明する。
図3は、本実施形態に係る貯湯式温水器11における封水切れ運転制御のフローチャートである。この封水切れ運転制御の処理は、所定の周期で繰り返し実行される。
【0039】
まず、ステップS11では、ヒーター制御がOFFの状態であるか否かを判定する。具体的には、ヒーター71への通電制御が行われているか否か、ヒーター71による湯の沸かし上げ又は保温が行われているか否かを判定する。ここで、ヒーター71による保温とは、サーミスタ77の検出信号に基づいて、貯湯タンク61内の湯の温度が、予め設定された所定の目標温度となるようにヒーター71をON/OFFフィードバック制御することを意味する。
【0040】
この判定結果がNOであれば、ヒーター71が通電されて膨張水が発生し、排水管41の排水器具35における封水部に封水が供給されたと判断される。従ってこの場合には、ステップS16に進んで7日間カウントをリセットした後、ステップS11に戻る。一方、この判定結果がYESであれば、ステップS12に進む。
【0041】
ステップS12では、電磁弁70が開弁中であるか否かを判定する。電磁弁70が開弁中であるか否かは、電磁弁70の通電状態に基づいて判定する。このとき、電磁弁70は手動操作により開閉してもよい。
この判定結果がYESであれば、衛生上の観点から貯湯タンク61内に長時間滞留していた湯が混合部69を介して排水管41に排出され、排水管41の排水器具35における封水部に封水が供給されたと判断される。従ってこの場合には、ステップS16に進んで7日間カウントをリセットした後、ステップS11に戻る。一方、この判定結果がNOであれば、ステップS13に進む。
【0042】
ステップS13では、排水管41の排水器具35における封水部に封水が供給されていないと判断されるため、7日間カウントを1ディクリメントし、ステップS14へ進む。
ここで、7日間カウントとは、排水管41の排水器具35における封水部に封水が全く供給されなかったとした場合、7日間で封水切れとなることを意味する。この7日間は、封水部の容量や季節に応じて変更される。また、この7日間カウントの値は、本制御周期に応じて設定される。
【0043】
ステップS14では、7日間カウントが0であるか否かを判定する。この判定結果がNOであれば、まだ排水管41の排水器具35における封水部の封水は足りていると判断されるため、ステップS11に戻る。一方、この判定結果がYESであれば、ステップS15に進んで電磁弁70を通電し、電磁弁70を3秒間だけ開弁する。その結果、混合部69を介して貯湯タンク61内の水の一部(約100mL)が排水管41に排出されることで、排水管41の排水器具35における封水部を満たすのに十分な量の封水が供給される。その後、ステップS16に進んで7日間カウントをリセットする。
【0044】
次に、本実施形態の貯湯式温水器11の制御部10で実行する、貯湯タンク61内の湯を全量入れ替えする全量入替制御について説明する。
図4は、本実施形態に係る貯湯式温水器11における全量入替制御の手順を示すフローチャートである。この全量入替制御の処理は、所定の周期で繰り返し実行され、上述の封水切れ運転制御とは独立して実行される。
【0045】
ステップS21では、入替開始時間であるか否かを判別する。ここで、入替開始時間は、例えば、貯湯式温水器11の通常使用開始時間より前の所定時間に予め設定される。この判定結果がNOであれば、再びステップS21に戻る。一方、この判定結果がYESであれば、ステップS22に進む。
【0046】
ステップS22では、23時間前から1時間前までの貯湯タンク61内の湯の使用量Σ(n=1〜23)Qnが、貯湯タンク容量Tcより小さいか否かを判定する。この判定結果がNOであれば、貯湯タンク61内に滞留している湯は無いと判断されるため、ステップS21に戻る。一方、この判定結果がYESであれば、貯湯タンク61内に滞留している湯があると判断されるため、ステップS23に進む。
【0047】
ステップS23では、貯湯タンク61の湯の入替量の積算を開始し、ステップS24に進んで、電磁弁70を開弁する。これにより、貯湯タンク61内の湯の排出を開始して、貯湯タンク61内の湯の入替を開始する。
なお、貯湯タンク61の湯の入替量の積算は、フローセンサ76の検出信号に基づいて、制御部10で実行される。
【0048】
ステップS25では、入替量を積算して得られた積算入替量が、貯湯タンク容量Tcを超えているか否かを判定する。この判定結果がNOであれば、再びステップS25に戻る。即ち、積算入替量が貯湯タンク容量Tcを超えるまで、ステップ25の処理を繰り返す。そして、ステップS25の判定結果がYESであれば、積算入替量が貯湯タンク容量Tcを超えたため、ステップS26に進む。
【0049】
ステップS26では、入替量の積算を終了し、ステップS27に進んで、電磁弁70を閉弁する。これにより、貯湯タンク61内の湯の全量入替が完了する。
【0050】
次に、本実施形態の貯湯式温水器11の制御部10で実行する、貯湯タンク61内の湯の入替量調整制御について説明する。
図5は、本実施形態に係る貯湯式温水器11における入替量調整制御の手順を示すフローチャートである。この入替量調整制御の処理は、所定の周期で繰り返し実行され、上述の封水切れ運転制御とは独立して実行される。また、上述の全量入替制御と選択的に実行される。
なお、この入替量調整制御は、貯湯タンク61内の湯のうち、飲用熱湯や雑用給湯として使用されなかった分だけを入れ替える制御である。
【0051】
ステップS31〜34の処理は、上述の全量入替制御におけるステップS21〜24と同一の処理であるため、説明を省略する。
【0052】
ステップS35では、入替量を積算して得られた積算入替量が、貯湯タンク容量Tcと、23時間前から1時間前までの貯湯タンク61内の湯の使用量Σ(n=1〜23)Qnとの差分(Tc−Σ(n=1〜23)Qn)を超えているか否かを判定する。この判定結果がNOであれば、再びステップS35に戻る。即ち、積算入替量が、上記差分、即ち貯湯タンク61内の湯の未使用分を超えるまで、ステップ35の処理を繰り返す。そして、ステップS35の判定結果がYESであれば、積算入替量が上記差分、即ち貯湯タンク61内の湯の未使用分を超えたため、ステップS36に進む。
【0053】
ステップS36では、入替量の積算を終了し、ステップS37に進んで、電磁弁70を閉弁する。これにより、貯湯タンク61内の湯の未使用分の入替が完了する。
【0054】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、所定時間が経過するまでの間、ヒーター71への通電制御、即ちヒーター71による沸かし上げ又は保温を行うヒーター制御を実行せず且つ混合部69の流出側に設けた電磁弁70を開弁しなかった場合には、電磁弁70を所定時間開くことで、混合部69を介して貯湯タンク61内の水を排水管41に排出する構成とした。
これにより、ヒーター71による沸かし上げ又は保温が行われず、膨張水が発生しない状態と、電磁弁70が閉じたままで貯湯タンク61内の湯の排出が行われない状態とが所定時間継続した場合には、混合部69の流出側に設けた電磁弁70が所定時間開かれることで、混合部69を介して貯湯タンク61内の水が排水管41に排出される。従って、本実施形態によれば、排水管41に設けられた排水器具35の封水部の封水切れを防止するために湯を沸かし上げる必要がなく、消費電力を低減できる。
また、本実施形態によれば、ヒーター制御が行われず且つ電磁弁70が閉じた状態が所定時間継続した場合には、混合部69を介して貯湯タンク61内の湯が排水管41に排出されるため、貯湯タンク61内の湯が長時間滞留することを抑制でき、貯湯タンク61内を衛生的に保つことができる。また、貯湯タンク61内に滞留した湯の排出は排水管41の封水切れに寄与するため、排水を有効利用でき、節水ができる。
【0055】
また本実施形態では、所定時間内における貯湯タンク61内の湯の使用量が貯湯タンク61の容量未満の場合には、電磁弁70を開くことで混合部69を介して貯湯タンク61内の所定量の湯を排水管に排出する構成とした。
これにより、貯湯タンク61内に長時間滞留した湯を排出することができ、貯湯タンク61内を衛生的に保つことができる。また、貯湯タンク61内に滞留した湯の排出は排水管41の封水切れに寄与するため、排水を有効利用でき、節水ができる。
【0056】
また本実施形態では、所定時間内における貯湯タンク61内の湯の使用量が貯湯タンク61の容量未満の場合には、電磁弁70を開いて、貯湯タンク61の容量に相当する量の湯を排水管に排出する構成としてもよい。
これにより、貯湯タンク61内の湯を全量排出することで、貯湯タンク61内に滞留した湯を確実に排出することができ、貯湯タンク61内を確実に衛生的に保つことができる。
【0057】
また本実施形態では、所定時間内における貯湯タンク61内の湯の使用量が貯湯タンク61の容量未満の場合には、電磁弁70を開いて、貯湯タンク61内の未使用分の湯を排水管41に排出する構成としてもよい。
これにより、貯湯タンク61内の未使用分の湯のみを排出することで、貯湯タンク61内に滞留した湯を確実に排出することができ、貯湯タンク61内を確実に衛生的に保つことができる。さらには、未使用分のみを排出するため、節水ができる。
【0058】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。