特許第6243211号(P6243211)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243211
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】杭打機
(51)【国際特許分類】
   E02D 7/16 20060101AFI20171127BHJP
【FI】
   E02D7/16
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-254342(P2013-254342)
(22)【出願日】2013年12月9日
(65)【公開番号】特開2015-113578(P2015-113578A)
(43)【公開日】2015年6月22日
【審査請求日】2016年11月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】磯貝 隆明
【審査官】 須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−226848(JP,A)
【文献】 特開2012−097412(JP,A)
【文献】 特開平11−148292(JP,A)
【文献】 特開平10−046576(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0320385(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 7/00−13/10
E02D 19/00−25/00
E21B 1/00−49/10
E02F 3/28−3/413
E04G 21/24−21/32
E06C 1/00−9/14
A62B 1/00−5/00
A62B 35/00−99/00
E04D 1/00−3/40
E04D 13/00−15/07
E04G 1/00−7/34
E04G 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリーダ部材を連結して形成されるリーダが上部旋回体に起伏可能に取付けられていて、
前記リーダが倒れている状態で、鉛直方向に延びる縦部材と水平方向に延びる横部材とを有する梯子が前記リーダに固定されていて、鉛直方向に延びる親綱ポールが前記リーダに取付けられている杭打機において、
前記梯子の縦部材が中空状のパイプで形成されていて、
前記リーダが倒れている状態で、前記親綱ポールの下端部が前記縦部材に挿入されて保持されていることを特徴とする杭打機。
【請求項2】
請求項1に記載された杭打機において、
前記親綱ポールの下端部は、前記縦部材を貫通して前記縦部材から突き出ていて、
前記親綱ポールのうち前記縦部材から突き出た突出部に、抜け止めピンが装着されていることを特徴とする杭打機。
【請求項3】
請求項1に記載された杭打機において、
前記親綱ポールのうち前記縦部材に挿通された挿入部と前記縦部材とに、抜け止めピンが装着されていることを特徴とする杭打機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リーダが倒れている状態で、鉛直方向に延びる親綱ポールがリーダに取付けられる杭打機に関し、特に、親綱ポールがリーダに固定された梯子に取付けられる杭打機に関する。
【背景技術】
【0002】
杭打機では、上部旋回体が下部走行体に対して旋回可能に搭載され、リーダが上部旋回体に対して起伏可能に取付けられている。大型の杭打機の場合、搬送し易くするために杭打機が上部旋回体と下部走行体とリーダとに分解され、長尺状のリーダは複数のリーダ部材に分解される。そして、分解された各部材はそれぞれトレーラ等で作業現場に搬送され、作業現場で組み立てられるようになっている。
【0003】
下記特許文献1には、リーダの組立作業が記載されている。リーダを組み立てる際、上部旋回体に取付けられているリーダ部材を水平方向に倒した状態で、そのリーダ部材に延長用のリーダ部材を順次連結する。具体的には、図8に示すように、一方のリーダ部材130Aの端部に形成されたフランジ131aと他方のリーダ部材130Bの端部に形成されたフランジ131bとを、ボルト及びナットを用いて連結する。その後、ワイヤロープをリーダ130のトップシーブに架け渡し、バックステーの先端をリーダに中間部に連結し、油圧ホースを配置する等の作業が行われる。
【0004】
ところで、リーダを組み立てる際又はリーダを分解する際に、作業員がリーダ部材130A,130Bの上側に乗って地面から2m以上の高さで作業を行う場合がある。この場合、作業員が安全帯のフックを親綱100に掛けて、安全を確保しなければならない。そこで、下記特許文献1では、鉛直方向に延びる親綱ポール150が、梯子134に固定された固定部材135に取付けられている。そして、親綱100が親綱ポール150に固定された親綱受け151を通って、各親綱ポール150の間で架け渡されている。
【0005】
ここで、本出願人による従来の親綱ポールの取付構造について、図9及び図10を参照して説明する。図9及び図10に示すように、親綱ポール150を取付けるための固定部材170は、ネジ座171とブラケット172と中空パイプ173とで構成されている。ネジ座171は、リーダ部材130Cの側面130aに溶接によって固定されている。ブラケット172はボルト174を介してネジ座171に取付けられている。中空パイプ173はブラケット172に固定されていて、親綱ポール150の下端部150aを挿通している。そして、中空パイプ173と親綱ポール150の下端部150aに抜け止めピン175が装着されて、親綱ポール150が保持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−97412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記した親綱ポールの取付構造には、以下の問題点があった。先ず、上記した固定部材170は、ネジ座171とブラケット172と中空パイプ173とを有し、部品点数が多い。そして、この固定部材170は、ユーザの要望によってオプションとしてリーダ部材130Cに側面130aに取付けられるものであり、取付ける際にネジ座171を溶接しなければならない。このため、固定部材170の部品点数が多い点、及
び親綱ポール150を取付けるために改造工程が必要になる点により、コストが上昇するという問題点があった。
【0008】
更に、固定部材170が取付けられている状態では、ネジ座171とブラケット172と中空パイプ173とによって、リーダ部材130Cの側面130aから突出する突起物が多く存在してしまう。このため、ワイヤロープを架け渡すとき、又は油圧ホースを配置するとき等に、ワイヤロープ及び油圧ホースが突起物に引っ掛かって切断されないように注意して作業を行わなければならない。従って、リーダを組み立てる際又はリーダを分解する際に余分な労力が必要になり、作業効率が低下するという問題点があった。
【0009】
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、コストを上昇させずに親綱ポールをリーダに取付けることができ、リーダに余分な突起物が生じない杭打機を提供することを目的とする。
【0010】
本発明に係る杭打機は、複数のリーダ部材を連結して形成されるリーダが上部旋回体に起伏可能に取付けられていて、前記リーダが倒れている状態で、鉛直方向に延びる縦部材と水平方向に延びる横部材とを有する梯子が前記リーダに固定されていて、鉛直方向に延びる親綱ポールが前記リーダに取付けられているものであって、前記梯子の縦部材が中空状のパイプで形成されていて、前記リーダが倒れている状態で、前記親綱ポールの下端部が前記縦部材に挿入されて保持されていることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る杭打機によれば、親綱ポールの下端部が、リーダに予め固定されている梯子の縦部材に挿通されて保持される。こうして、既存の構成部材(梯子の縦部材)を利用して親綱ポールを取付けるため、親綱ポールをリーダに取付けるための固定部材が不要である。また、改造工程によって固定部材をリーダの側面に溶接する必要がない。従って、コストを上昇させずに親綱ポールをリーダに取付けることができる。更に、親綱ポールを取付けるための固定部材が無いため、リーダに余分な突起物が生じない。
【0012】
また、本発明に係る杭打機において、前記親綱ポールの下端部は、前記縦部材を貫通して前記縦部材から突き出ていて、前記親綱ポールのうち前記縦部材から突き出た突出部に、抜け止めピンが装着されていると良い。
この場合には、親綱ポールのうち縦部材から突き出た突出部に抜け止めピンを装着して親綱ポールを保持するため、親綱ポールを取付ける作業が極めてシンプルである。
【0013】
また、本発明に係る杭打機において、前記親綱ポールのうち前記縦部材に挿通された挿入部と前記縦部材とに、抜け止めピンが装着されていても良い。
この場合には、親綱ポールを保持する際に、親綱ポールの挿入部が縦部材全体を貫通する必要がない。このため、親綱ポールを短く構成して取付けることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の杭打機によれば、既存の構成部材(梯子の縦部材)を利用することで、コストを上昇させずに親綱ポールをリーダに取付けることができる。また、リーダに余分な突起物が生じないため、リーダを組み立てる際又はリーダを分解する際に、ワイヤロープや油圧ホース等が突起物に引っ掛かって切断するようなトラブルを回避できて、作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態の杭打機を示した正面図である。
図2図1のリーダ部材と親綱ポールを拡大した図である。
図3図2の平面図である。
図4図2を左側から見た側面図である。
図5図4の親綱ポールを示した図である。
図6】変形実施形態においてリーダ部材と親綱ポールを示した側面図である。
図7図6に示した親綱ポールが梯子の縦部材に挿入されている状態を示した図である。
図8】従来においてリーダの組立作業を説明するための斜視図である。
図9】本出願人による従来の親綱ポールの取付構造を説明するための正面図である。
図10図9を右側から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る杭打機の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の杭打機1を示した正面図である。図1に示すように、杭打機1では、上部旋回体10が下部走行体20に対して旋回可能に搭載されていて、リーダ30が上部旋回体10の前側(図1の右側)に設けられているフロントブラケット11に対して起伏可能に取付けられている。図1では、リーダ30が水平方向に倒れている状態が示されている。この杭打機1は、リーダ30が鉛直方向に起立した状態で、オーガ40によって鋼管杭(図示省略)を回転させつつ地中に押し込むものである。
【0017】
上部旋回体10は、運転室12を有すると共に、エンジン及び油圧ユニットを収納した機器室13を有している。そして、上部旋回体10には、リーダ30が起立した状態でリーダ30を後側(図1の左側)から支持するバックステー14が設けられている。また、上部旋回体10の前後左右の下側には、杭打機1の姿勢を安定させるために、油圧ジャッキで構成されるアウトリガー15が設けられている。下部走行体20は、クローラ21によって走行するものであり、ベアリング22を介して上部旋回体10を回転可能に支持している。
【0018】
リーダ30は、直線状に長く延びていて、複数のリーダ部材30A,30B,30C,30D,30E,30F,30Gが連結して形成されている。これら各リーダ部材30A〜30Gの端部には、フランジ31が形成されていて、隣り合うリーダ部材30A〜30Gのフランジ31同士が、ボルト及びナットを用いて連結されている。また、リーダ30には、リーダ30と同一方向に延びるガイドパイプ32が固定されている。ガイドパイプ32は、各リーダ部材30A〜30Gの側面に一対で固定されていて(図4参照)、オーガ40の昇降装置41をリーダ30に沿って移動可能に組付けている。
【0019】
オーガ40は、リーダ30に組付けられている昇降装置41と、鋼管杭を回転駆動させる回転駆動装置42と、鋼管杭を把持して鋼管杭の軸方向の移動を規制するチャック装置43とを有している。昇降装置41には、リーダ30の昇降用モータ36によって回転するチェーンが組付けられている。このため、昇降用モータ36が回転駆動すると、チェーンが回転して、オーガ40がリーダ30に沿って移動(昇降)するようになっている。なお、鋼管杭をより深く地中に押し込むことができるように、回転駆動装置42から後方にドライブロッド44が突出している。
【0020】
ところで、図示の状態で輸送ができない大型の杭打機の場合には、上部旋回体10と下部走行体20とリーダ30とに分解し、長尺状のリーダ30を複数のリーダ部材30A〜30Gに分解する。そして、分解された各部材をそれぞれトレーラ等で作業現場に搬送し、作業現場で組み立てることになる。ここで、リーダ30を組み立てる際には、作業員が各リーダ部材30A〜30Gの上側に乗って、フランジ31同士をボルト及びナットで締結し、ワイヤロープをリーダ30のトップシーブ33に架け渡し、バックステー14の先端をリーダ部材30Cのブラケットに連結し、油圧ホースの配置等の作業を行う。
【0021】
このとき、作業員は、地面から2m以上の高さで作業を行うため、各親綱ポール50の間に架け渡された親綱100(図8参照)に安全帯のフックを掛けて安全を確保している。このように、杭打機1では、リーダ30を組み立てる際又はリーダ30を分解する際に、リーダ30が倒れている状態で鉛直方向に延びる親綱ポール50を取付けるようになっている。しかし、発明が解決しようとする課題で説明したように、本出願人による従来の親綱ポールの取付構造では、親綱ポールを取付けるための固定部材170(図9及び図10参照)の部品点数が多い。そして、ネジ座171を溶接する等の改造工程が必要であるため、コストが上昇するという問題点があった。更に、ワイヤロープ及び油圧ホースが固定部材170の突起物に引っ掛かって切断されないように注意して作業を行わなければならず、作業効率が低下するという問題点があった。
【0022】
そこで、本実施形態では、固定部材170を用いずにリーダ30に設けられている既存の構成部材を利用して、上記した問題点を解決するようになっている。以下、本実施形態の親綱ポール50の取付構造を詳細に説明する。図1に示すように、リーダ30(リーダ部材30B,30C,30D,30E)には、梯子34が固定されている。ここで、図2は、図1に示したリーダ部材30Cと親綱ポール50とを拡大した図であり、図3は、図2の平面図である。また、図4は、図2を左側から見た側面図である。
【0023】
図2図4に示すように、梯子34は、リーダ部材30Cの一方側の側面30aに、取付板35を介して固定されている。梯子34は、リーダ30が起立している状態で作業員が昇降するためのものである。このため、作業員が梯子34を昇降することでオーガ40等の作業装置に対して保守点検ができるようになっている。この梯子34は、リーダ30が水平方向に倒れている状態で、鉛直方向に延びる円柱状の縦部材34aと、縦部材34aの上端部に連結する上側プレート34bと、縦部材34aの下端部に連結する下側プレート34cとを有している。
【0024】
図2に示すように、梯子34では、3つの縦部材34aが上側プレート34bと下側プレート34cの間で、リーダ30が延びる方向(図2の左右方向)に離れて配置されている。そして、リーダ30が鉛直方向に起立した状態では、各縦部材34aが水平方向に延びて、作業員の手又は足が各縦部材34aに掛けられる。上側プレート34bは、水平方向に延びる長い平板状になっていて、両端部で各取付板35に固定されている。また、下側プレート34cは、水平方向に延びて、断面がL字状になっていて、両端部で各取付板35に固定されている。これら上側プレート34b及び下側プレート34cが、本発明の「横部材」に相当する。
【0025】
本実施形態では、図2に示す3つの縦部材34aのうち真ん中の縦部材34aが、中空状のパイプで形成されていて、親綱ポール50の下端部50aを挿通可能な挿通孔34a1を有している点に特徴がある。そして、上側プレート34b及び下側プレート34cにも、縦部材34aの挿通孔34a1と連通していて、親綱ポール50の下端部50aを挿通可能な挿通孔(図示省略)が形成されている。これにより、図2及び図4に示すように、親綱ポール50の下端部50aが、上側プレート34bと縦部材34aと下側プレート34cとを貫通して、縦部材34aから突き出ている。ここで、図5は、図4の親綱ポール50を示した図である。
【0026】
図5に示すように、親綱ポール50は鉛直方向に延びていて、断面が円形の棒部材であって、下端部50aが上端部50b及び中間部50cに比べて細くなっている。そして、親綱ポール50の下端部50aの先端、即ち縦部材34aから突き出る突出部50dには、抜け止めピン60を装着するための取付孔50d1が形成されている。また、親綱
ポール50の上端部50b及び中間部50cには、リング状の親綱受け51が取付けられ
ている。親綱100は親綱受け51に通されて、各親綱ポール50の間で架け渡される。以上、リーダ部材30Cに対する親綱ポール50の取付構造ついて説明したが、リーダ部材30D,30Eに対する親綱ポール50の取付構造も同様であるため、その説明を省略する。
【0027】
こうして、リーダ30を組み立てる際又はリーダ30を分解する際、図1に示すように、リーダ30が倒れている状態で、親綱ポール50の下端部50aを、各リーダ部材30C,30D,30Eの梯子34の縦部材34aに挿入する。そして、親綱ポール50のうち縦部材34aから突き出た突出部50dに、抜け止めピン60を装着して、親綱ポール50を保持する。このように、極めてシンプルな作業で、親綱ポール50をリーダ30(各リーダ部材30C,30D,30E)に取付けることができる。
【0028】
本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態の杭打機1によれば、親綱ポール50の下端部50aが、各リーダ部材30C,30D,30Eの梯子34の縦部材34aに挿通されて保持される。こうして、既存の構成部材(梯子34の縦部材34a)を利用して親綱ポール50を取付けるため、従来のように親綱ポール50をリーダに取付けるための固定部材170をリーダ30の側面30aに固定させる必要がない。そして、従来のように改造工程によって固定部材170をリーダ30の側面30aに溶接する必要がなくて、主に梯子34の縦部材34aを中空状のパイプに構成するだけで親綱ポール50を取付けることができる。従って、コストを上昇させずに、親綱ポール50を各リーダ部材30C,30D,30Eに取付けることができる。
【0029】
更に、従来のように固定部材170がリーダ30の側面30aに無くて、従来から変更した主な点は、梯子34の縦部材34aが中空状のパイプになったことであるため、リーダ30に余分な突起物が生じない。従って、リーダ30を組み立てる際又はリーダ30を分解する際に、ワイヤロープや油圧ホース等が突起物に引っ掛かって切断するようなトラブルを回避できる。この結果、ワイヤロープや油圧ホース等を突起物から避けるような余分な作業が無くなり、作業効率を向上させることができる。また、リーダ30に余分な突起物が生じないため、リーダ30が起立している状態で作業員が梯子34を昇降する際に、突起物が邪魔になる事態を防止できる。
【0030】
次に、変形実施形態について図6及び図7を参照して説明する。変形実施形態では、上記した本実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の部分については説明を省略する。変形実施形態と本実施形態とでは、梯子の縦部材と親綱ポールが異なっていて、図6に示すように、変形実施形態の梯子34の縦部材34dでは、上端部34eが上側プレート34bより上方に突出している。そして、この上端部34eに、抜け止めピン60を装着するための取付孔34e1が形成されている。
【0031】
また、変形実施形態の親綱ポール50Aは、本実施形態の親綱ポール50より短いものであり、親綱ポール50Aのうち縦部材34dに挿通される挿入部50eに、抜け止めピン60を装着するための取付孔50e1が形成されている。こうして、変形実施形態によれば、図7に示すように、親綱ポール50Aの挿入部50eと梯子34の縦部材34dの上端部34eとに抜け止めピン60が装着される。このため、親綱ポール50Aを保持する際に、上記した本実施形態のように親綱ポール50Aの下端部が梯子34の縦部材34d全体を貫通しない。従って、親綱ポール50Aを短く構成して取付けることができる。
【0032】
以上、本発明に係る杭打機の実施形態及び変形実施形態について説明したが、本発明はこの実施形態及び変形実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、リーダ30は7つの各リーダ部材30A〜30Gが連結して形成されるものであるが、リーダ30を形成する各リーダ部材の数は適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0033】
1 杭打機
10 上部旋回体
20 下部走行体
30 リーダ
30A〜30G リーダ部材
34 梯子
34a,34d 縦部材
34b 上側プレート
34c 下側プレート
40 オーガ
50,50A 親綱ポール
50a 下端部
50d 突出部
50e 挿入部
60 抜け止めピン
100 親綱
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10