(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
血液サンプルインプットを有し、血液サンプルを赤血球画分と血漿画分とに分離するように構成された血液分離コンポーネントであって、ここで、前記血液分離コンポーネントが、さらに前記血漿画分を、多標的細胞画分及び乏標的細胞画分に分離することができ;細胞濃縮システム中の標的細胞の総数及び濃度を測定する測定システム;
対象における用量反応関係を研究し又は定義するために、目的濃度範囲内にある標的細胞の濃度を有する多標的細胞濃縮物を形成するための多標的細胞画分の第一の容量、及び多標的細胞画分と混合する乏標的細胞画分の第二の容量を決定する濃度論理及びフロー論理、及び多標的細胞濃縮物が、目的濃度範囲内にある標的細胞の濃度を有するかどうかを決定する決定論理;並びに
第一の容量の乏標的細胞画分と多標的細胞画分とを混合することにより、多標的細胞濃縮物を形成するように構成される混合コンポーネント、ここで目的濃度範囲が、0.8〜2.0×106標的細胞/μlである
を含む、細胞濃縮システム。
前記濃度測定コンポーネントが、光学顕微鏡、光学光散乱、及び電気インピーダンスからなる群から選択される機能を実行するように構成される、請求項6に記載の細胞濃縮システム。
血分離コンポーネントが、遠心分離、レーザーインピーダンス、フローサイトメトリー、誘電泳動、マイクロ流体チャネル分離、電気インピーダンス、及び蛍光マーカーの使用からなる群から選択される機能を実行するように構成される、請求項5に記載の細胞濃縮システム。
前記標細胞が、多能性細胞、白血球、赤血球、血小板、好中球、単球、リンパ球、好酸球、及び好塩基球からなる群から選択される、請求項5に記載の細胞濃縮システム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
詳細な説明
当該技術分野において、PRP及びBMCCの狭い濃度範囲を生成することができるシステム、方法、及び装置についての長年の必要性が存在する。かかる既知の濃度と併せて、患者に関する様々な濃度の効果の臨床研究は、著しく改善される。
【0018】
この開示の目的において、骨髄細胞(BMC)及び骨髄細胞濃縮物(BMCC)は、限定することなく、任意の一又は複数の幹様細胞(多能性細胞)(例えば単球)、白血球、血小板、好中球、リンパ球、好酸球、及び好塩基球を含む。事実、BMCは、骨髄サンプルにおいて発見される任意の細胞を含み、BMCCは、骨髄サンプルおいて発見される任意の細胞を含むが、天然のものよりも高い濃度において含む。この開示を通じて、多BMC画分とは、人体中の天然の濃度と比較して、増加した濃度の一又は複数の標的の又は所望の細胞を有する物質又は液体を意味する。乏BMC画分とは、人体中の天然の濃度と比較して、減少した濃度の一又は複数の標的の又は所望の細胞を有する物質又は液体を意味する。
【0019】
この開示の濃縮物は、一又は複数の細胞、シグナル、及びスキャフォールド(scaffolds)を含むことができる。これらの成分は、多くの起源から回収され、生成されることができる。例えば、自己システムにおいて、該患者は、同一の患者から除去された成分を用いて治療される。
【0020】
この開示の目的において、「細胞」とは、骨髄、脂肪、血液、滑膜、又は他の組織に由来する間葉幹細胞(MSC)を含む。細胞はまた、骨髄、血液、及び他の起源由来の多能性細胞を含む。細胞はさらに、シグナルを介して成長及び増殖するよう刺激され得る天然の組織細胞を含む。
【0021】
この開示の目的において、「シグナル」とは、ヒト成長因子タンパク質を意味し、血小板又は自己分泌(細胞−細胞)起源由来でもよい。加えて、この開示の目的において、「スキャフォールド」とは、インビボで組織成長のためのプラットフォームを送達及び提供するために用いられ得る血液に基づくフィブリンから作られる機械的マトリックスを意味する。本明細書で開示されるように、血液中の凝固カスケードを誘導することによるスキャフォールドを形成し、フィブリノーゲンをフィブリンに変換し、そして機械的フィブリンマトリックスを形成する、血液に基づくフィブリンがしばしば存在する。細胞及び/又は成長因子タンパク質は、スキャフォールドに埋め込まれ、あるいは播種され得、スキャフォールドは、種からの三次元組織形成を支持する。
【0022】
全血は、標準的な輸血由来のヒトの血液である。全血は、回収プロセスの間に抗凝血剤と合わされ得るが、一般的に他に加工されない。大文字の「全血(Whole Blood)」とは、輸血又は更なる加工のために特定の標準化された生成物を意味する。小文字の場合「全血(whole blood)」は、任意の未改変の回収された血液を含む。
【0023】
フローサイトメトリー(FCM)は、微細粒子、例えば細胞及び染色体を流体の水路中にこれらを分散させ、電気的検出装置によってこれらを通過させることにより、計測及び試験するための技術である。これは、1秒あたり、最大数千の粒子の物理的及び/又は化学的特性の同時マルチパラメータ解析を可能にする。
【0024】
この開示の目的において、分離とは、成分を化学的に分離することを意味し、必ずしも物理的な分離を意味しない。例えば、遠心分離は、液体を粒子の質量に基づいて互いから主に単離される層に分離する。しかしながら、層間の幾らかの重なりが存在し得、これは、この開示の分離なる用語の使用に含まれる。これに加えて、これらの層が異なるベッセルに分けられる場合、これはまた、分離と考えられる。
【0025】
図1は、特定の濃度範囲を有する多血小板血漿濃縮物又は骨髄細胞濃縮物の自己注入のためのシステムの操作及びコンポーネントのフローダイヤグラムを表す。
図1は、同一の方法を記載する
図2〜4と併せて記載される。全血サンプル又は骨髄細胞(BMC)サンプル102は、患者104から採取される(ブロック202、302、402、502、602、702)。該サンプル102は、赤血球(RBC)分離コンポーネント106(第一の分離コンポーネント)に入り、これは、サンプル102の血漿画分からRBCを分離する(ブロック204、304、404、504、604、704)。該RBCは、RBC保管又は廃棄ベッセル108に保存され得る(ブロック206、306、406、506、606、706)。
【0026】
該血漿画分は、従って、PRP又はBMC画分分離コンポーネント110(第二の分離コンポーネント)に分離され得る。第二の分離コンポーネント110は、血漿画分を乏血小板血漿(PPP)画分及び多血小板血漿(PRP)画分に、あるいは乏BMC画分及び多BMC画分に分離する(ブロック210、310、410、510、610、710)。PPP又は乏BMC画分は、PPP若しくは乏BMC保管又は廃棄ベッセル112に保存され得る。
【0027】
PRP又は多BMC画分は、混合コンポーネント114において、一定分量のPPP又は乏BMC画分と混合され得る(ブロック212、312、412、512、612、712)。あるいは、全てのPPP又は乏BMC画分を取り除かずに、むしろ一定分量の除去された画分と再混合され、第一の一定分量のPPP又は乏BMC画分は、PPP又は乏BMC保管又は廃棄ベッセル112に取り除かれ得る一方で、第二の一定分量は、PRP又は多BMC画分とともに残される。
【0028】
混合コンポーネント114は、濃度及びフロー論理並びに制御116により制御され得る。濃度及びフロー論理並びに制御116は、全血サンプル又はBMCサンプル102中に存在する血小板又はBMCの総数の決定に基づいて、PRP又は多BMC画分に添加される一定分量の容量を決定する(ブロック208、308、408、508、608、708)。かかる決定は、血小板又はBMC濃度測定コンポーネント118を介してプロセス中の様々な点における血小板又はBMC濃度120、122、124を測定することによりなされ得る。例えば、濃度120は、全血又はBMCサンプルから測定され得る(ブロック408、708)。濃度122は、RBC分離後に測定され得、従って、血漿中の血小板又はBMC濃度を測定する(ブロック208、508)。別の選択肢として、濃度124は、PRP又は多BMC画分が、第二の分離コンポーネント110において分離された後に、測定されうる(ブロック308、608)。この濃度124は、PRP又は多BMC画分から測定される。全ての3つの濃度120、122、124は、同一の測定結果であるべきであるが、分離は理想的ではなく、従って幾らかの血小板又はBMCは、RBC画分又はPPP若しくは乏BMC画分に行き着くので、これらは変更され得る。血小板及び骨髄細胞は分離され得るので、撹拌ステップは、第一、第二、又は第三の濃度120、122、124のいずれかが測定される前に加えられてもよい。
【0029】
濃度120、122、124は、PRP又は多BMC画分中の血小板又はBMCの総数を決定するために、サンプル102の容量、血漿容量は又はPRP若しくは多BMC画分容量によりそれぞれかけ算され得る。濃度及びフロー論理並びに制御116は、混合が到達すべき合計目的容量を得るために、目的濃度(例えば0.8〜2.0x10
6血小板/μL又は1.0〜1.5x10
6血小板/μL)によりこの総数を割る。PRP又は多BMC画分と混合されるPPP又は乏BMC画分の量は、合計目的容量とPRP又は多BMC画分の容量との間で異なる(更なる説明のために、方程式1〜6を参照のこと)。
【0030】
一定分量のPPP又は一定分量の乏BMC画分及びPRP又は多BMC画分の混合物は、PRP又は多BMC濃縮物保管ベッセル126中に保存され得る。この混合物は、PRP又は多BMC濃縮物と称され、血小板又はBMCの目的濃度及び/又は目的容量を有し得る。PRP又は多BMC濃縮物は、従って、患者104に注入して戻すために利用可能である(ブロック216、316、416、516、616、716)。PRP又はBMC濃縮物は、血液バンク交差適合血液と適合し得る。
【0031】
一つの選択肢では、血小板の活性化を防ぐために、第一の分離前に、任意の抗凝血剤128を全血サンプル又はBMCサンプル102に添加し得る(ブロック222、322、422、522、622、722)。同様に、抗凝血剤128を逆行させるための溶液130は、濃縮物がPRP又は多BMC濃縮物保管ベッセル126に達する前又は後にPRP又は多BMC濃縮物に添加され得る。
【0032】
別の実施形態は、濃縮物がPRP又は多BMC保管ベッセル126に達する前又は後に、撹拌コンポーネント132を介して濃縮物を任意で撹拌し得る。この撹拌は、濃縮物の混合を助け、そして/あるいは濃縮物中の血小板の活性化を開始する。撹拌コンポーネント132は、PRP又は多BMC濃縮物保管ベッセル126から分離されても、あるいはこれと統合されてもよい。撹拌(agitation)は、一つの実施形態において撹拌(stirring)を含む。
【0033】
ユーザーインターフェース134は、濃度及びフロー論理並びに制御116を介したプロセスをインターフェースで接続し、制御し、そして観察するために用いることができる。ユーザーインターフェース134は、ユーザー(例えば、医師、看護師、又は技術者)が、手順のパラメータを観察するために、そしてPRP又は多BMC濃縮物の目的濃度及び/又は目的容量等のインプットを提供することを可能にする。
【0034】
一つの実施形態では、患者104への注入の前に、濃縮物のPRP又はBMC濃度の別の測定及び分析が行なわれる(ブロック214、314、414、514、614、714)。濃縮物が目的の範囲の濃度内であった場合、その後濃縮物は、患者104に提供され得る(ブロック216、316、416、516、616、716)。しかしながら、濃縮物が目的の範囲の濃度内になかった場合、その後濃縮物は、RBC画分と再混合され得(ブロック218、318、418、518、618、718)、PRP又は多BMC濃縮物が目的の範囲内になるまで、RBC分離で開始するプロセスに戻される(ブロック204、304、404、504、604、704)。血小板又はBMC濃度120の決定がサンプル102から得られる場合(ブロック408、708)、第一の分離(ブロック404、704)の前に合計の血小板(ブロック424)、又はBMCの総数(ブロック724)の任意の決定が存在し得る。
【0035】
一つの実施形態では、任意の抗凝血剤128、例えばACDAは、任意の分離手順が開始される前に、全血又はBMCサンプル102に添加され得る。分離手順、及びベッセル間の血小板の僅かな移動、遠心、又はシステムの任意の他のコンポーネントは、血小板の撹拌を必然的に伴い、撹拌は望ましくない血小板の活性化(凝固)を開始するので、抗凝血剤128は、これらが患者104に注入して戻す準備がされるまで、血小板の非活性化状態を保持するのを助ける。一つの実施形態では、3mLの抗凝血剤は、50mLの全血に添加され得、あるいは5mLの抗凝血剤は、50mLのBMCに添加され得る。BMCサンプル102の場合、吸引シリンジは、BMCサンプル102が、分離コンポーネント106を通過する前に、フラッシュされ得る。例えば、吸引シリンジは、ヘパリン(例えば1,000U/mL)でフラッシュされ得る。
【0036】
一つの実施形態では、全血又はBMCサンプル102は、60〜250mLの間である一方で、別のサンプル102は、60〜120mLの間である。全血は静脈内カテーテルから供給されてもよい。BMCは、前又は後臀部、肩、又は膝の髄内腔から針穿刺吸引により回収され得るが、BMCを得るための他の方法及び供給源も、想定される。
【0037】
現在議論されるシステム及び方法は自己システム及び方法(供給源の患者104に注入して戻される)を記載する一方で、他の実施形態では、供給源の患者と注入される患者は、異なってもよい。
【0038】
BMCサンプル102は、高分子量成分、例えば骨粒子を除去するための最初の除去ステージを経てもよい。BMCサンプル102は、残った脂質及び/又は大きな粒子を除去するために濾過され得る(ブロック526、626、726)。一例として170〜260μmフィルターを用いることができる。
【0039】
赤血球(RBC)分離コンポーネント106は、サンプル102をRBC画分及び非RBC画分又は血漿画分に分離する。全血サンプル102の場合、非RBC画分は、有核細胞、又は白血球(WBC)、血小板、及び血清を含み得る。BMCサンプル102の場合、非RBC画分は、血漿、血小板、及びWBC(多能性細胞を含む)を含み得る。
【0040】
RBC分離コンポーネント106は、一つの実施形態では、遠心分離による「ソフトスピン(soft spin)」が行なわれ得る。一つの実施形態では、ソフトスピンは、全血が含まれる場合、2500〜3000RPMにおいて8〜15分、BMCが供給源である場合、2400RPMにおいて10分間の遠心分離を含み得、これらの典型的な詳述は限定されない。遠心分離では、血漿画分は、RBC画分の上部、又は遠心分離機の最も中央近くに蓄積するサンプル102の画分である(RBCは、RBCサンプルの最も重い成分である)。RBCは、これらはより重い傾向にあるので、血漿画分の下に蓄積する。血漿画分内で、遠心分離は、主な血漿粒子と有核細胞、血小板、血漿、及びWBCが含まれる「バフィーコート(buffy coat)」との更なる分離を引き起す。バフィーコートは、血漿及びRBC画分の間に見出される傾向がある。
【0041】
RBC分離コンポーネント106は、限定しないが、マイクロ流体チャネル分離、ポリマー型分離、音響泳動(acoustophoresis)、様々なラボ・オン・チップ(lab-on-chip)又はラボ・オン・CD(コンパクトディスク)技術、フローサイトメトリー、誘電泳動、レーザーインピーダンス、フローサイトメトリー、及び蛍光又は他のマーカーの使用による分離を含む、様々な他の分離コンポーネント及び方法を代替的に使用し得る。マイクロ流体チャネル分離は、様々なサイズの粒子が特定のチャネルを通してのみ通り抜けることができ、従って粒子は通過することができるチャネルに応じて分離することができるように、様々な直径のチャネルを通過させることに関する。音響泳動(acoustophoresis)は、液体の成分を分離するための音響シグナルの使用に関する。ポリマー型方法は、血小板を血漿から分離させる、血漿画分へのポリマーの添加に関する。RBC分離コンポーネント106は、血小板の活性化を最小限にし、血小板の収率を最大化するように選択されるべきである。
【0042】
RBC画分は、後の注入又は廃棄のために、バルブ又はポンプを介してRBC保管ベッセル108に向けられ得る。血漿画分は、異なるベッセル、又は更なる分離が行なわれるシステムの一部に向けられ得る。実施形態によっては、RBC画分は、血漿画分が除去された後に第一の分離コンポーネント106内に残り、第一の分離コンポーネント106は廃棄され得るので、RBC画分は、廃棄のために第一の分離コンポーネント中に残され得る。かかる実施形態では、分離されたRBC保管又は廃棄ベッセル108は、実行されない。
【0043】
骨髄由来の血漿画分の場合、濾過プロセスは、血漿を更に濾過するために用いられ得る(例えば、約200μmメッシュフィルター)。例えば、任意の抗凝集フラッシュシリンジは、フィルターを通して血漿画分を分離するために用いられ得る。
【0044】
一度RBC画分が血漿画分から分離されると、血漿は、多血小板血漿(PRP)又は多BMC画分分離コンポーネント110(第二の分離コンポーネント)を通過し得る。第二の分離コンポーネント110は、血漿を乏血小板血漿(PPP)画分と多血小板血漿(PRP)画分とに、あるいは乏BMC画分と多BMC画分とに分離する。多くの場合、PPP画分又は乏BMC画分は、より大きい画分である。PPP画分は、低い又は僅かな濃度の血小板を有する傾向にある。
【0045】
実施形態によっては、第二の分離コンポーネント110は、RBC分離コンポーネント106(第一の分離コンポーネントとしても知られる)であり、分離コンポーネント106/110として以下称される。例えば、一つの遠心分離機は、サンプル102をRBC画分、PRP又は多BMC画分、及びPPP又は乏BMC画分に分離するために用いられ得る。これは、最初に分離コンポーネント106/110からの血漿画分を除去し、その後分離コンポーネント106/110に血漿画分を戻し、あるいは分離コンポーネント106/110中に血漿画分を残すことを含む一方で、RBC画分は、最初に分離及び除去され、その後、血漿画分が分離される。あるいは、三つの画分が同時に分離され得る。
【0046】
他の実施形態では、第一の分離コンポーネント106及び第二の分離コンポーネント110は別々の異なるコンポーネントである。例えば、二つの遠心分離機が用いられてもよい。しかしながら、第一及び第二の分離コンポーネント106、110は、異なる種類のコンポーネントであってもよい。一つの場合において、遠心分離機は、第一の分離コンポーネント106として用いられ得、一組の異なる直径のマイクロ液体孔が第二の分離コンポーネント110として用いられ得る。多くの他の変形も可能である。
【0047】
第二の分離コンポーネント110が遠心分離機である場合、又は双方の分離コンポーネント106、110が同じ遠心分離機である場合、第二の、又は「ハードスピン(hard spin)」は、血漿画分に関して行なわれうる。ハードスピンは、全血が供給源の場合、2800〜3200RPMにおいて5〜8分、BMCが供給源である場合、3400RPMにおいて6分間の遠心分離を含み得、もっともこれらの典型的な詳述は限定されない。ハードスピンは、血漿をPPP画分とPRP画分とに、あるいは乏BMC画分と多BMC画分とに分離し、PPP画分又は乏BMC画分は、軽い粒子及び小さい濃度の血小板又はBMCを含む大きい上部の層にある傾向がある。この層の下部は、より小さい「バフィーコート(buffy coat)」又はより重い血小板又はBMCを含む「ペレット(pellet)」であり、これは、遠心分離機の半径の外側に向かって蓄積する。
【0048】
PRP又は多BMC画分分離コンポーネント106は、限定することなく、マイクロ流体チャネル分離、ポリマー型分離、音響泳動(acoustophoresis)、様々なラボ・オン・チップ(lab-on-chip)又はラボ・オン・CD(コンパクトディスク)技術、フローサイトメトリー、誘電泳動、レーザーインピーダンス、フローサイトメトリー、及び蛍光又は他のマーカーの使用による分離を含む、様々な他の分離コンポーネント及び方法を代替的に、使用し得る。
【0049】
一度血漿画分が分離されると、PPP又は乏BMC画分は、PPP又は乏BMC保管又は廃棄ベッセル112に向けられる。例えば、一又は複数のバルブ及びポンプが流体フローに向けるために用いられ得る。
【0050】
一つの実施形態では、PPP又は乏BMC画分を取り除くよりも、この画分一定分量が、保管又は廃棄ベッセル112に取り除かれる。この一定の容量の選択は、濃度及びフロー論理並びに制御116及び混合コンポーネント114に関連して、後で議論される。
【0051】
混合コンポーネント114は、液体内で細胞を懸濁するために、PRP及びPPP又は多BMC及び乏BMCの混合物を撹拌し得る。あるいは、二つの物質を同一のベッセルに入れるというちょっとした操作により十分な混合が達成され得る。
【0052】
目的濃度を達成するための、PRP又は多BMC血漿画分と混合するための一定分量のPPP又は乏BMC血漿画分の容量は、以下のように決定される。読みやすさのために、この記載は、血小板についてのみ言及するが、BMXについても同様に適用可能である。まず、サンプル102中の血小板の総数P
totalが決定される。これは、(a)血小板濃度PC
0(例えば血小板濃度120、122、124)を測定又は推定し、そして(b)血小板濃度が測定される液体中の血小板濃度PC
0に容量V
0を乗じることにより行なわれる。これは、以下のように方程式(1)において示される。
【0054】
濃度PC
0及び容量V
0が決定され得るプロセスの間に、少なくとも三つの位置又は時間が存在する。第一に、第一の濃度120は、全血サンプル102から測定され得る。第二に、第二の濃度122は、第一の分離コンポーネント106がサンプル102をRBC画分及び血漿画分に分離した後に測定され得る。第二の濃度122は、RBC画分がRBC保管又は廃棄ベッセル108に移動する前又は後の何れかに測定され得る。いずれにしても、第二の濃度122は、血漿画分から測定され、RBC画分から測定されない。第三に、第三の濃度124は、血漿画分がRBC画分及びPPP画分に分離された後に測定され得る。
【0055】
濃度PC
0は、測定された液体の容量V
0中の血小板の総数を決定するために用いられる濃度及びフロー論理並びに制御116を通過する。血小板又はBMC濃度測定コンポーネント118は、濃度PC
0が測定された容量V
0(例えばフローメーターを介して)を測定し得る。あるいは、濃度PC
0は、既知の容量V
0を有する空間内で測定され得る。例えば、サンプル102、又は血漿画分、又はPRPは、既知の容量を有する。別の実施形態では、ユーザー(例えば医師、看護師、又は技術者)は、ユーザーインターフェース134に容量V
0を入力することができ、これは、濃度及びフロー論理並びに制御116に容量V
0を提供する。従って、濃度及びフロー論理並びに制御116は、方程式1の血小板の総数P
TOTALを溶解するための測定された液体の濃度PC
0及び容量V
0の双方を用いることができる。
【0056】
目的の(例えばユーザーが規定した)PRP濃度PC
tを達成するために、幾らかの一定分量のPPP画分は、PRP画分と混合される。目的のPRP濃度PC
tの典型的な範囲は、0.8〜2.0x10
6血小板/μL又は1.0〜1.5x10
6血小板/μLである。典型的な目的のPRP濃度PC
tは、1.5x10
6血小板/μLである。一つの実施形態では、これは、いくらかのPPP画分の除去、その後残ったPPP画分及びPRP画分を混合することを含む。別の実施形態では、PPP画分は除去され、その後、PPP画分の一部は、PRP画分と混合して戻される。双方の場合、PRP画分と混合するためのPPP画分の量は、混合のための目的容量V
Tを計算することにより決定され得る。この値は、以下により与えられる。
【0058】
目的容量V
tは、目的のPRP濃度PC
tにより割られる血小板の数P
totalに等しい。方程式(2)は、以下のように方程式(2)においてP
totalについての方程式(1)を置換することにより単純化することができる。
【0060】
目的のPRP濃度PC
tを達成するために、PPP画分の一定分量V
PPPは、容量V
PRP(例えばフローメーターにより測定される)を有するPRP画分と混合され、その結果合わせたものは、目的容量V
tと等しくなる。これは、方程式(4)として書かれ、以下のように方程式(5)及び(6)において一定分量V
PPPについて解くことができる。
【0062】
従って、PPP画分の一部が除去された場合、幾らかのPPP画分は、残るPPP画分及びPRP画分の容量がV
tと等しくなるまで除去される。前記別の方法では、PPP画分の一部は、残るPPP画分が、方程式6におけるV
PPPと等しい容量を有するまで、除去される。PPP画分全体が除去された場合、容量V
PPPを有する一定分量はPRP画分V
PRPに戻して添加され、一定分量のPPP画分は、一定分量のPPP画分V
PPPとPRP画分V
PRPの容量の合わされた容量が、目的容量V
tと等しくなるように選択される。
【0063】
方程式(6)は、幾らかの血小板が、第一の分離コンポーネント106によるRBC、及び第二の分離コンポーネント110によるPPP画分とともに除去されるという事実に悩まされるが、しかしながら、分離が注意深く行なわれる場合、かかる数は無視することができる。
【0064】
いずれかに記載されるように、方程式6の導出は、PRPに関して記載されるが、多BMC血漿に対して同様に適用可能である。特に、方程式7は、骨髄が供給源であり、多BMC血漿濃縮物が最終目標である場合に適用される方程式6を示す。
【0066】
BMCの濃度BMCC
0は、第一の分離コンポーネント106がBMCサンプル102をRBC画分と血漿画分に分離後、あるいは第二の分離コンポーネント110が血漿画分を乏BMC画分と多BMC画分に分離後、BMCサンプル102から測定され得る。BMCの目的濃度は、BMCC
tである。多BMC画分の容量が、V
BMC+であり、多BMC画分と混合される一定分量の乏BMC画分の容量は、V
BMCである。再度、一定分量の乏BMC画分V
BMC−は、多BMC画分に添加され、あるいは残りの乏BMC画分が除去されるので、多BMC画分と残される。方程式6及び7は、任意の目的の血液細胞、例えば白血球(例えば単球)、血小板、骨髄細胞、及び「幹様(stem-like)」細胞又は「多能性(pluripotent)」細胞を用いた使用にも適用され得る。
【0067】
このプロセスの間、濃度及びフロー論理並びに制御116は、PRP又は多BMC画分と混合するPPP又は乏BMC画分の量がどれくらいであるかを示すユーザーインターフェース134を介して人間のユーザーに指示することができる。あるいは、濃度及びフロー論理並びに制御116は、ユーザーインターフェース134を介してユーザーに目的容量V
tについての値を提供することができる。別の実施形態では、濃度及びフロー論理並びに制御116は、混合コンポーネント114を自動的に制御し、そしてPRP又は多BMC画分と混合されるPPP又は乏BMC画分の容量を制御することができる。例えば、濃度及びフロー論理並びに制御116は、特定の量のPPP画分を除去するか、特定量のPPP画分をPRP又は多BMC画分に戻して加えるバルブ又はポンプを制御することができる。
【0068】
ユーザーインターフェース134は、血小板又はBMC濃度測定コンポーネント118が実施する測定を記載する情報を表示することができる。ユーザーインターフェース134は、濃度及びフロー論理並びに制御116の一部であってもよく、濃度及びフロー論理並びに制御116から分離されてもよい。この情報はまた、メモリに保存され、又はテレメトリ(telemetry)を介して中央記録管理システムに移され得る。
【0069】
ユーザーインターフェース134は、目的のPRP又はBMC濃度PC
t又はBMCC
t及び目的容量V
tを設定するために、ユーザー(例えば医師、看護師、又は技術者)により用いられ得る。ユーザーインターフェース134は、PRP又は多BMC濃縮物の濃度分析からの結果を要求及び表示するために用いられ得る。かかる分析は、濃縮物を形成後、濃縮物が患者に投与される前に、所望の濃度が作製されたことを確実にするために、行われ得る。
【0070】
血小板又はBMC濃度測定コンポーネント118は、様々な血液分析機及び方法を含み得る。例えば、蛍光活性化セルソーティング(FACS)は、抗体細胞表面マーカーに基づいて、液体内で特定の多能性、幹様細胞の濃度を決定することができる。濃度測定コンポーネント118の他の典型的な実施形態は、光学顕微鏡、光学光散乱、及び電気インピーダンスについてのものを含む。光学顕微鏡は、形状及びサイズにより粒子を計測及び識別するコンピューター制御されたパターン及び形状認識コンポーネント及び論理を必要とする。例によっては、この方法は、連続的に行うことができず、液体の別々の部分のサンプリングを要求し得る。一つの実施形態では、薄い液体層のサンプリングが実行され得る。光学光散乱は、流体力学の液体の流れを用いることができ、該方法は、特に、蛍光マーカー又は抗体が用いられる様々な種類の細胞及び分子を計測することができる。電気インピーダンスは、流体力学の流体の流れを用いることができる。
【0071】
実施形態によっては、これらの濃度測定コンポーネント118のいずれかを、粒子分離コンポーネントと組み合わせることができる。例えば、マイクロ流体チャネル装置は、PRP画分内で粒子を分離するために用いられ得る一方で、光散乱装置は、各流体の流れにおける粒子の数を測定する。粒子計測装置は、同一の流れの中で異なる種類の細胞又は粒子を識別することができない場合、粒子分離装置及び粒子計測装置の組み合わせは、有益であり得る。
【0072】
一つの実施形態では、血液分析は、PRP又は多BMC濃縮物に関して行われ得る(ブロック214、314、414、514、614、714)。この血液分析は、一又は複数の先の血液分析工程に加えられ、あるいは代わりとなり得る。例えば、一つの実施形態では、血液分析は、全血サンプル又はBMCサンプルに関して、及び濃縮物に関して行われ得る。別の実施形態では、血液分析は、第一の分離後、濃縮物に関して行われ得る。
【0073】
一つの実施形態では、自己トロンビン又はフィブリンマトリックスは、PPP又は乏BMC保管又は廃棄ベッセル112中のPPP又は乏BMC画分の幾らかまたは全体から分離され得る(ブロック220、320、420、520、620、720)。抗凝血剤128の効果は、例えば、CaClの添加により(例えば、CaClの10%溶液をPPP又は乏BMC画分に添加することができる)、逆行させることができる。PPP又は乏BMC画分及び抗凝血剤128を逆行させるために用いられる物質は、撹拌され得(例えば約1分間)、フィブリン凝血塊の形成をもたらす。凝血塊形成の間又は後、さらなるPPP又はいくらかの乏BMC画分は、混合物に添加され得る。さらに撹拌は行われ、混合物は、形成を続けるために凝血のための時間が与えられ得る。凝血が完了すると、凝血塊は除去され、手動で圧縮され得る(又は圧縮のために再度遠心分離される)。
【0074】
自己トロンビン形成の場合、プロトロンビンタンパク質は、抗凝血剤を逆行させるプロセスにおいて切断され、トロンビンが生成される。凝血塊の除去は、血清及び低濃度のトロンビンを残す。トロンビンは、再生的応答を刺激するために血小板成長因子の放出を開始及び調節するために、埋め込まれるPRPと組み合わされ得る。
【0075】
フィブリノーゲンのフィブリンへの切断を導くために、PPP中のフィブリノーゲンが抗凝血剤のカルシウム逆行(reversal)又は自己トロンビンの添加により活性化される場合、フィブリンマトリックス又はスキャフォールドは形成される。マトリックス又はスキャフォールドは、新しい組織を形成するための天然の又は埋め込まれる細胞が結合し、増殖する足場として機能するために埋め込まれ得る。
【0076】
凝血塊は、患者104の埋め込み先に移され得る。埋め込み先は、患者104の関節、若しくは再生が望まれる場所、又は任意の他の選択される部位でもよい。凝血塊が除去された後、残ったPPP又は乏BMCは、インビトロ(PRP膜を作製する)又はインビボ(活性化されたPRPを作製する)のいずれかにおいて、PRP又は多BMC濃縮物と組み合わせることにより、血小板活性化を改良するために用いられ得る。トロンビン又はフィブリンマトリックスが自己に適用され得るが、これらは、また患者104以外の別の患者に埋め込まれ得る。
【0077】
自己トロンビン又はフィブリンマトリックスは、シリンジを介して採取され、患者104に埋め込まれ得る。一つの選択肢では、フィブリンマトリックス又は自己血小板ゲル(APG)は、活性化されたPPP及びPRP濃縮物の一部から自動で作製され得る。他の生成物は、自己トロンビンを含む活性化されたPPPを含む。手動の又は自動の手順は、手術室又は所望の処置場所で行われ得る。
【0078】
PPPは、91%の水分含量及び残りはタンパク質である、約55%の血液容量を含む無細胞血液画分を含み得る。好ましくは、PPPから血小板が排除されるが、実際には少量の残った血小板画分が観察され得る。
【0079】
実施形態によっては、血小板又はBMC濃度測定コンポーネント118は、他の血液成分濃度、例えば白血球濃度も測定することができる。測定することができる他の濃度は、赤血球、好中球、リンパ球、単球、好酸球、及び好塩基球についての濃度を含む。これらの代替の測定は、非血小板及び非BMC血液細胞の濃度が目的濃度又は目的濃度範囲まで濃縮される実施形態において用いられ得る。
【0080】
しばしば、混合コンポーネント114の混合は、PRP又はBMC濃縮物中の血小板を懸濁するのに十分でない。これらの場合、あるいは血小板活性化を増大させる場合、任意の撹拌コンポーネント132はPRP又はBMC濃縮物を撹拌することができる。BMCが用いられる場合、ペレットは、患者に容易に注入するために、三つの媒体:無細胞の骨髄吸引物;血漿;又はPRPのうちの一つにおいて再構成され得る(液体含量を増加させ得る)。
【0081】
一又は複数の第一及び第二の分離コンポーネント108、110、血小板又はBMC濃度測定コンポーネント118、濃度及びフロー論理並びに制御116、並びに混合コンポーネント114は、システム300内の滅菌性を強化するために、使用後廃棄され得る。全ての保管ベッセル108、112、126は、使い捨てにされ得る。
【0082】
システム100は、ハンドヘルド式若しくはベンチトップ式、又は他の携帯可能な実装等の小型化形態を含む様々な形態をとり得る。携帯性は、ハンドヘルド、軽量であるもの、及び/又はカートにより支持されるものを含み得る。システム100はまた、連続的又は断続的なPRPの注入が長時間にわたり、患者に投与され得るように、設計され得る。一つの実施形態では、システム100は、マイクロマシンシステム(MEMS)装置及び/又はラボオンチップとして完全に、又は部分的に実装され得る。
【0083】
本明細書に開示されるシステム及び方法は、様々な代替の実施形態により、更なるいくつかの目的を達成することができる。一つの実施形態では、例えば一又は複数の使い捨てコンポーネントの包含により、血液製品の滅菌性が維持される。一つの実施形態では、血液は、手術の前に患者から回収され、手術のための最終PRP生成物を調製するために用いられる。一つの実施形態では、PRP膜が作製される。あるいは、活性化されたPRPは、自己フィブリンマトリックス内でPRPを作製するために用いられる。別の実施形態では、システム100は、30分以内にPRP又はBMC濃縮物を作製することができる。
【0084】
システム及び方法は、自動注入機及び血液分析機に用いられる従来技術及びコンポーネントを組み込んでもよく、又はこれらに組み込まれてもよい。赤血球、白血球、血小板、又は他の血液成分の計測、測定及び分析に加えて、自動血液分析装置はまた、血液中及び各赤血球内において、ヘモグロビン又は化学的調節因子の量を測定することができる。
【0085】
本明細書に記載されるシステム及び方法は、修復又は再生を刺激及び/又は増進させるために傷害組織又は病理組織に適用され得る。埋め込みの方法は、経皮(注入)的適用又は手術中(外科的)適用を含むことができる。他の実施形態は、長時間にわたり所定の用量を提供するための埋め込まれる、あるいは部分的に埋め込まれる連続的又は断続的送達システムを含むことができる。
【0086】
他のサンプル供給源はまた、全血、及び脂質、滑膜を含む骨髄、並びに他の組織の代わりに用いられ得る。
【0087】
図2は、特定の血小板濃度のPRP濃縮物を生成するための方法を図解する。方法200は、全血サンプルの取得操作202において全血サンプルを得ること、及び抗凝血剤の添加操作222において任意で抗凝血剤を添加することを含む。その後、第一の分離操作204は、サンプルを赤血球(RBC)画分と血漿画分に分離する。RBC画分は、廃棄又は再灌流操作206において、廃棄又は患者に再灌流し得る。
【0088】
血漿画分中の血小板の総数P
totalは、決定操作208において決定され得る。この操作208は、少なくとも一つの測定値、例えば血液分析装置により測定される濃度を用いる。血小板濃度PC
0は、例えば濃度測定が行われるフローメーターにより測定されるような液体の容量V
0を乗じられ得る。容量V
0倍の濃度PC
0は、血小板の総数P
totalを与える。血漿画分は、その後、第二の分離操作210(例えばマイクロ流体チャネル分離又は遠心分離)によりさらに分離され、多血小板血漿(PRP)画分(高濃度の血小板)及び乏血小板血漿(PPP)画分(わずかな血小板濃度)が生成される。
【0089】
PRP画分及び一定分量のPPP画分V
PPPは、混合操作212において混合される。一定分量の容量V
PPPは、目的の血小板濃度PC
t及び血小板の総数P
totalに基づき得る(例えば方程式6)。混合操作212は、その後、PRP濃縮物の患者への提供操作216において患者に提供され得るPRP濃縮物を形成する。残ったPPP画分はまた、自己トロンビン調製操作220において、患者への埋め込みのための自己トロンビン調製物を形成するために用いられ得る。
【0090】
任意で、PRP濃縮物が混合操作212において形成された後、血小板濃度は任意の決定214において、血小板濃度が目的の範囲内(又は目的の血小板濃度の許容誤差内)に確実にあることを確認され得る。決定214は、PRP濃縮物が目的の範囲内又は目的濃度の許容誤差内であることを見出した場合、その後、PRP濃縮物は、患者に提供され得る。そうでない場合、濃縮物はRBC画分と再混合され、第一の分離操作204で開始するプロセスが繰り返され得る。
【0091】
沈殿は、濃縮物のPPP層とPRP層への少なくとも部分的な分離を引き起こすので、撹拌操作は、任意で注入の前に血小板を懸濁するために用いられ得る。
【0092】
図3は、特定の血小板濃度のPRP濃縮物を生成するための別の方法を図説する。方法300は、PRP画分に関する決定操作308が、第一及び第二の分離操作304、310の間ではなく、第二の分離操作310後に行われることを除いて、方法200とほぼ同一である。実施形態によっては、第一及び第二の分離操作304、310は、単一の分離コンポーネント(例えば、RBC画分、PRP画分及びPPP画分を作製する遠心分離機)により単一の操作において行われ得る。
【0093】
図4は、特定の血小板濃度のPRP濃縮物を生成するためのさらに別の方法を図説する。方法400は、全血サンプルに関する決定操作408が、分離操作404、410のいずれかの前において行われることを主に除いて、方法200とほぼ同一である。
【0094】
方法200及び300との別の差異は、少なくとも一回の測定に基づく全血中の血小板の総数の決定操作408における血小板の総数の決定が、任意の全血サンプルへの抗凝血剤の添加操作422と並行して行われ得ることである。あるいは、双方の操作408、422は、全血サンプルの取得操作402と第一の分離操作404との間に、重複して、あるいは重複せずに行われ得る。
【0095】
決定的な差異は、任意の赤血球画分とPRP濃縮物との再混合操作418の後、方法400は、血小板の総数の決定操作424を含んでもよいことである。この操作424は、決定414による、PRP濃縮物が目的濃度範囲にない場合における再混合の後、RBC及びPRP濃縮物の混合物中の血小板の総数を決定し得る。実施形態によっては、第一及び第二の分離操作404、410は、一つの分離コンポーネント(例えばRBC画分、PRP画分及びPPP画分を作製する遠心分離機)による一つの操作において行われ得る。
【0096】
図5は、特定のBMC濃度の多BMC濃縮物を生成するための方法を図説する。方法500は、サンプルの取得操作502においてBMCサンプルを得ること、及び抗凝血剤の添加操作522において任意で抗凝血剤を添加することを含む。その後、第一の分離操作504は、サンプルを赤血球(RBC)画分と血漿画分に分離する。RBC画分は、廃棄又は再灌流操作506において、廃棄又は患者に再灌流し得る。
【0097】
血漿画分中のBMCの総数BMC
totalは、決定操作508において決定される。この操作508は、少なくとも一つの測定値、例えば血液分析装置により測定される濃度を用いる。BMC濃度BMC
0は、例えばそれから濃度測定が行われるフローメーターにより測定されるような液体の容量V
0を乗じられ得る。容量V
0倍の濃度BMC
0は、BMCの総数BMC
totalを与える。血漿画分は、その後、第二の分離操作510(例えばマイクロ流体チャネル分離又は遠心分離)によりさらに分離され、多BMC血漿画分(高濃度のBMC)及び乏BMC血漿画分(わずかなBMC濃度)が生成される。
【0098】
多BMC画分及び一定分量の乏BMC画分V
BMC−は、混合操作212において混合される。一定分量の容量V
BMC−は、目的のBMC濃度BMCC
t及びBMCの総数BMC
totalに基づき得る(例えば方程式7)。混合操作512は、BMC濃縮物を形成し、その後、BMC濃縮物の患者への提供操作516において、患者に提供され得る。残った乏BMC画分はまた、自己トロンビン調製操作520において患者に埋め込まれるための残った乏BMC画分からの自己トロンビン調製操作520において、患者への埋め込みのための自己トロンビン調製物を形成するために用いられ得る。
【0099】
任意で、BMC濃縮物が混合操作512において形成された後、BMC濃度は任意の決定514において、BMC濃度が目的の範囲内(又は目的のBMC濃度の許容誤差内)に確実にあることを確認され得る。決定514は、BMC濃縮物が目的の範囲内又は目的濃度の許容誤差内であることを見出した場合、その後、BMC濃縮物は、患者に提供され得る。そうでない場合、濃縮物はBMC画分と再混合され、第一の分離操作504で開始するプロセスが繰り返される。
【0100】
沈殿は、濃縮物の乏BMC層と多BMC層への少なくとも部分的な分離を引き起こすので、撹拌操作は、任意で注入の前にBMCを懸濁するために用いられ得る。この方法は、第一の分離操作504後、任意のフィルター血漿画分操作524を含んでもよい。任意のフィルター操作526は、何らかの残った脂質及び/又は大きな粒子を除去することができる。一例としては、170〜260μmフィルターが用いられ得る。
【0101】
図6は、特定のBMC濃度のBMC濃縮物を生成するための別の方法を図説する。方法600は、BMC画分に関する決定操作608が、第一及び第二の分離操作604、610の間ではなく、第二の分離操作610後に行われることを除いて、方法500とほぼ同一である。
【0102】
図7は、特定のBMC濃度のBMC濃縮物を生成するためのさらに別の方法を図説する。方法700は、全骨髄サンプルに関する決定操作708が、分離操作704、710のいずれかの前において行われることを主に除いて、方法500及び600とほぼ同一である。
【0103】
方法500及び600との別の差異は、少なくとも一回の測定に基づく骨髄サンプル中のBMCの総数の決定操作708におけるBMCの総数の決定が、任意の骨髄サンプルへの抗凝血剤の添加操作722と並行して行われ得ることである。あるいは、双方の操作708、722は、骨髄サンプルの取得操作702と第一の分離操作704との間に、重複して、あるいは重複せずに行われ得る。
【0104】
決定的な差異は、任意の赤血球画分とBMC濃縮物との再混合操作718の後、方法700は、任意でBMCの総数の決定操作724を含んでもよいことである。この操作724は、BMC濃縮物が決定714に従って目的濃度範囲にない場合における再混合の後、RBC及びBMC濃縮物の混合物中のBMCの総数を決定し得る。
【0105】
図8は、血小板又は骨髄細胞(BMC)の目的の濃度及び/又は容量を生成するための別のシステム800のブロックダイヤグラム表示を図説する。システム800は、患者804から全血サンプル又はBMCサンプル802を得る、あるいは提供する。サンプルは、分離装置808(例えば、二つの例として、マイクロ流体チャネル又は遠心分離機)に入る前に、任意で抗凝血剤806と混合され得る。
【0106】
分離装置808は、サンプル802を二つの画分:赤血球(RBC)画分及び血漿画分に分離することができる。分離装置808は、サンプル802を三つの画分:RBC画分、乏標的細胞画分、及び多標的細胞画分に分離することもできる。標的細胞は、最終濃縮物中に特定の濃度において存在することが所望されるものである。例えば、血小板、白血球、骨髄細胞、多能性細胞、及び幹様細胞は、いくつかの典型的な標的細胞である。骨髄サンプル中にみられる任意の細胞は、標的細胞となり得る。乏標的細胞画分は、わずかな濃度の標的細胞を有するものである一方で、多標的細胞画分は、天然の濃度よりも高い濃度の標的細胞を有する。
【0107】
各画分は分離装置808に残るので、フローメーター810は分離装置808に残る液体の容量を計算し得る。このデータは、濃度及びフロー論理並びに制御コンポーネント812に受け継がれ得る。濃度及びフロー論理並びに制御812は、液体のフローを制御するために、第一の制御可能な混合コンポーネント818を制御する。フロー論理及び制御812はまた、分離装置808に残る標的細胞の濃度に分離装置808に残る液体の容量を乗じることにより標的細胞の総数を決定する。フローの論理及び制御812はさらに、目的濃度の標的細胞を得るための、混合されるべき液体の量を決定する。
【0108】
流速、容量及び他のパラメータを表すデータは、ユーザーインターフェース814を介してユーザーに表示され得る。
【0109】
各画分内の様々な粒子及び細胞の濃度は、血液分析装置818により測定される。血液分析装置818は、様々な装置及び方法、例えばいくつか例をあげると、蛍光活性化セルソーティング(FACS)、光学顕微鏡,光学光散乱、及び電気インピーダンスに組み込まれ得る。血液分析装置816により測定される濃度は、濃度及びフロー論理並びに制御812に受け継がれ、液体中の標的細胞の総数を決定するためにこれらの測定値を使用する。標的細胞のこの総数から、濃度及びフロー論理並びに制御812は、第一の制御可能な混合コンポーネント818(例えばポンプ若しくはバルブ又は二つの組み合わせ)に対する指示を決定し得る。
【0110】
第一の制御可能な混合コンポーネント818は、RBC画分をRBC保管又は廃棄ベッセル820に向かわせる。これはまた、乏標的画分を乏標的保管又は廃棄ベッセル822に向かわせる。最終的には、これはまた、多標的画分を多標的保管ベッセル824に向かわせる。これらの三つの画分がこれらのそれぞれのベッセル820、822、824に向けられる順序は、限定されず、従って、任意の組み合わせ、又は順序が想定される。
【0111】
濃度及びフロー論理制御812はまた、第二の制御可能な混合コンポーネント(例えばポンプ若しくはバルブ又は二つの組み合わせ)に、一定分量の乏標的画分が多標的保管ベッセル824内の多標的画分全体に添加されるように指示する。一定分量の容量は、多標的保管ベッセル824内の組み合わせが目的濃度又は目的濃度範囲を満たす標的細胞の濃度又は濃度範囲を有するように、選択される。
【0112】
この目的濃度又は濃度範囲が達成される場合、標的細胞濃縮物は、多標的保管ベッセル824中に存在し、患者804(又は別の患者)に提供され得る。乏標的保管又は廃棄ベッセル822中の残った乏標的画分はまた、自己トロンビン又はフィブリンマトリックスとして、患者804(又は別の患者)に提供され得る。
【0113】
図9は、PRP又はBMC濃縮装置900を図説する。装置900は、全血又はBMCサンプルを分離するためのディスク型遠心分離機902を含む。ディスク型遠心分離機902は、サンプルを赤血球(RBC)画分(外層)、多血小板血漿(PRP)又は多BMC画分(中間層)、及び乏血小板血漿(PPP)画分又は乏BMC画分(内層)に分離することができる。全血又は骨髄サンプルは、例えば、シリンジのニードルを許容し得る開口918を介して遠心分離機に提供されうる。開口918は、シリンジのニードルが開口に入れられない限り閉状態にあり、従って液体をディスク型遠心分離機902に移すことができるが、開口から漏れることはないように、構成され得る。
【0114】
PPP又は乏BMC画分は最初に取り除かれ、フローメーター904及び血液分析装置モジュール906を通って第一のベッセル910に移され得る。フローは、最初にフローメーター904を通るように図説されているが、液体は、任意の順番で、フローメーター904又は血液分析装置モジュール906を通る。フローメーター906はPPP又は乏BMC画分の容量を提供する。PPP又は乏BMC画分の除去及びフローは、コンピューター制御されるバルブ/ポンプ908により制御され得る。
【0115】
一度PPP又は乏BMC画分がディスク型遠心分離機902から除去されると、PRP又は多BMC画分は、より下の又は最も内側の層となり、次に除去され得る。PRP又は多BMC画分は、装置900(例えばプロセッサ)の論理にPRP又は多BMC画分の容量を提供するフローメーター906を通過する。PRP又は多BMC画分は、PRP又は多BMC画分中の血小板又はBMCの総数を測定する血液分析装置モジュール906を通過し得る。この容量及び血小板又はBMCの総数が与えられると、装置内の論理は、血小板又はBMCの総数倍のPRP又は多BMC画分として、PRP又は多BMC画分内の血小板又はBMCの濃度を決定し得る。PRP又は多BMC画分は、第二のベッセル912に向かい得る。PRP又は多BMC画分の除去及びフローは、コンピューター制御されるバルブ/ポンプ908により制御され得る。
【0116】
RBC画分をディスク型遠心分離機中に残すことができ、遠心分離機は使い捨て可能であるので、更なる操作は、RBC画分に関して必要とされない。装置900内の論理は、目的の血小板又はBMC濃度を達成するためにPRP又は多BMC画分と混合するための一定分量のPPP画分又は乏BMC画分を決定することができる。一つの実施形態では、ユーザーは、ユーザーインターフェース916を介して目的濃度を設定することができる(
図12を参照のこと)。第二のコンピューター制御されるバルブ/ポンプ914は、PRP又はBMC濃縮物を形成するために、一定分量を、第一のベッセル910から第二のベッセル912に移すことを可能にする。任意の撹拌機構(図説されない)は、第二のベッセル912内のPRP又はBMC濃縮物の混合を改良するために活性化され得る。
【0117】
一つの実施形態では、残ったPPP画分又は乏BMC画分及びPRP又はBMC濃縮物を、シリンジの針を介してアクセス可能であるそれぞれの開口920及び922を介してベッセル910、912から除去することができる(
図13を参照のこと)。加えて、ベッセル910、912は、これらがそれぞれ患者に移され、あるいは後の使用のための位置に保存することができるように、分離可能、且つ除去可能であってもよい。
【0118】
図9は、液体がディスク型遠心分離機902の中間から除去されることを記載しているが、他の実施形態では、液体は、他の点からディスク型遠心分離機に残され得る。例えば、液体は、実施形態によっては、遠心分離機の半径の外側から残され得る。また、様々な画分を除去する順序は、変更することができる。実施形態によっては、プリンタ924は、装置900からのデータのハードコピーを提供することができる。
【0119】
滅菌性を確実にするために、血液又は骨髄と接触する装置900のこれらの部分は、モジュール式及び使い捨てでもよい。
図10は、使い捨てできる装置900のこれらのコンポーネントを含んでなるパッケージ1000の一つの実施形態を図説する。これらは、任意の一又は複数の以下の説明されるコンポーネント:遠心分離機902、遠心分離機開口918、血液分析装置モジュール906、第一のコンピューター制御されるバルブ/ポンプ908、並びに第一及び第二のベッセル910、912を含むことができる。加えて、装置900の使い捨て部分は、遠心分離機902とコンピューター制御されるバルブ/ポンプ908を接続する流路924、及び第一及び第二のベッセル910、912を接続する流路926を含むことができる。任意の二つ又はそれ以上のこれらのコンポーネントは、据え付け、除去、及び移動を単純化及び容易にするために相互接続され得、相互接続されたパッケージ1000は、同様の又は同一のパッケージ1000により置き換えられ得る。
【0120】
図11は、開口918を介した挿入により、
図9の装置900に全血又は骨髄サンプルを提供するためにシリンジ928をどのように用いることができるかを図説する。
【0121】
図12は、例えば、ユーザーインターフェース916のタッチスクリーン実施形態による
図9の装置900とのユーザーインターラクションを図説する。
【0122】
図13は、
図9〜13に図解される第一のベッセル910の内容物を除去するためにシリンジ930をどのように用いることができるかを図説する。記載されるように、第一のベッセル910は、PPP画分又は乏BMC画分を保持することができ、そして該シリンジは、第一のベッセル910の一部又は全ての内容物を抽出するために用いられ得る。
【0123】
図9〜13は、典型的に、PPP又は乏BMC画分を保存するものとして第一のベッセル910、及び典型的にPRP若しくは多BMC画分又はPRP若しくはBMC濃縮物を保存するものとして第二のベッセル912を記載する一方で、当業者は、二つのベッセル910、912が、相互に交換可能であり、従って、装置900の右又は左に限定されないことを理解する。
【0124】
本明細書に記載されるシステム及び方法は、本明細書に記載される特定の物理的デバイスに加えて、コンピューターシステム等の機械においても実装され得る。
図14は、デバイスに本開示の任意の一又は複数の態様及び/又は方法を実施又は実行させるための、その中で一連の指示が実行され得るコンピューターシステム1400の典型的な形態における機械の一つの実施形態のブロックダイヤグラム表示を示す。
図14中のコンポーネントは、単なる例であり、ハードウェア、ソフトウェア、埋め込まれた論理コンポーネント、又は特定の実施形態を実装する二又はそれ以上のかかるコンポーネントの組み合わせの使用又は機能性の範囲を限定しない。
【0125】
コンピューターシステム1400は、バス1440を介して、互いに、且つ他のコンポーネントと通信するプロセッサ1401、メモリ1403、及びストレージ1408を含み得る。バス1440はまた、ディスプレイ1432、一又は複数のインプットデバイス1433(これは、例えば、キーパッド、キーボード、マウス、スタイラス等を含み得る。)、一又は複数のアウトプットデバイス1434、一又は複数のストレージデバイス1435、及び様々なタンジブルストレージ媒体1436と接続される。これらのエレメントの全ては、一又は複数のインターフェース、又はアダプタを介してバス1440と直接的にインターフェースで接続され得る。例えば、様々なタンジブルストレージ媒体1436は、ストレージ媒体インターフェース1426を介してバス1440とインターフェースで接続され得る。コンピューターシステム1400は、限定することなく、一又は複数の集積回路(IC)、プリント回路基板(PCB)、携帯用ハンドヘルドデバイス(例えば携帯電話又はPDA)、ラップトップ又はノートブック型コンピューター、分散型コンピューターシステム、コンピューティング・グリッド、又はサーバーを含む任意の好適な物理的形態を有してもよい。
【0126】
プロセッサ1401(又は中央処理装置(CPU))は、任意で、指示の一時的なローカルストレージのためのキャッシュメモリユニット1402、データ、又はコンピューターアドレスを含む。プロセッサ1401は、コンピューター読み取り可能な指示の実行を支援するように構成される。コンピューターシステム1400は、一又は複数のタンジブルコンピューター読み取り可能なストレージ媒体、例えばメモリ1403、ストレージ1408、ストレージデバイス1435、及び/又はストレージ媒体1436において具体化されるソフトウェアを実行するプロセッサ1401の結果として機能性を提供し得る。コンピューター読み取り可能媒体は、特定の実施形態を実行するソフトウェアを記録し、プロセッサ1401は、ソフトウェアを実行し得る。メモリ1403は、一又は複数の他のコンピューター読み取り可能媒体(例えば、大容量ストレージデバイス1435、1436)又は好適なインターフェース、例えばネットワークインターフェース1420を介した一又は複数の他のソースからソフトウェアを読み取り得る。該ソフトウェアは、プロセッサ1401に本明細書に記載又は図説される一又は複数のプロセス、又は一若しくは複数のプロセスの一若しくは複数の工程を実行させる。斯かるプロセス又は工程の実行は、ソフトウェアにより指示されるように、メモリ1403に保存されるデータ構造を定義すること、及びデータ構造を修正することを含んでもよい。
【0127】
メモリ1403は、限定することなく、ランダムアクセスメモリコンポーネント(例えばRAM1404)(例えばスタティックRAM「SRAM」、ダイナミックRAM「DRAM」等)、読み出し専用コンポーネント(例えばROM1405)、及び任意のこれらの組み合わせを含む様々なコンポーネント(例えば、機械読み取り可能な媒体)を含んでもよい。ROM1405は、プロセッサ1401と一方向にデータ及び指示を通信しようと働き、RAM1404は、プロセッサ1401と双方向にデータ及び指示を通信しようと働く。ROM1405及びRAM1404は、下記に記載される任意の好適なタンジブルなコンピューター読み取り可能媒体を含んでもよい。一つの例では、コンピューターシステム1400内のエレメント間、例えばスタートアップの間の情報転送を助けるベーシックルーチンを含むベーシックインプット/アウトプットシステム1406(BIOS)は、メモリ1403に保存されてもよい。
【0128】
固定ストレージ1408は、任意でストレージコントロールユニット1407を介して、プロセッサ1401と双方向的に接続される。固定ストレージ1408は、更なるデータストレージキャパシティを提供し、任意の好適なタンジブルなコンピューター読み取り可能媒体を含み得る。ストレージ1408は、オペレーティングシステム1409、EXECs1410(実行可能)、データ1411、APIアプリケーション1412(アプリケーションプログラム)等を保存するために用いられてもよい。常にではないが、しばしばストレージ1408は、一次ストレージ媒体(例えばメモリ1403)よりも遅い、二次ストレージ媒体(例えばハードディスク)である。ストレージ1408はまた、光学ディスクドライブ、ソリッドステートメモリデバイス(例えばフラッシュ型システム)、又は上記の組み合わせを含み得る。ストレージ1408中の情報は、適切な場合、メモリ1403中のビジュアルメモリとして組み込まれてもよい。
【0129】
一つの例では、ストレージデバイス1435は、ストレージデバイスインターフェース1425を介して、コンピューターシステム1400(例えば外部ポートコネクターを介して(示されない))と取り外し可能にインターフェースで接続されてもよい。特に、ストレージデバイス1435及び支援される機械読み取り可能媒体は、非揮発性及び/又は揮発性ストレージの機械読み取り可能指示、データ構造、プログラムモジュール、及び/又はコンピューターシステム1400についての他のデータを提供し得る。一つの例では、ソフトウェアは、ストレージデバイス1435上の機械読み取り可能媒体内に完全に又は部分的に存在する。別の例では、ソフトウェアは、プロセッサ1401内に完全に又は部分的に存在する。
【0130】
バス1440は、幅広い様々なサブシステムと接続する。本明細書では、バスへの言及は、適切な場合、一般的な機能を果たす一又は複数のデジタルシグナルラインを包含し得る。バス1440は、限定しないが、任意の様々なバスアーキテクチャを用いる、メモリバス、メモリコントローラ、周辺機器バス、ローカルバス、及びこれらの任意の組み合わせを含む、任意のいくつかの種類のバスでもよい。非限定的な例としては、かかるアーキテクチャは、業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、エンハンスドISA(EISA)バス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)バス、ビデオ電子標準化団体ローカルバス(VLB)、周辺機器コンポーネントインターコネクト(PCI)バス、PCI−エクスプレス(PCI−X)バス、アクセラレーテッドグラフィックスポート(AGP)バス、ハイパートランスポート(HTX)バス、シリアルアドバンスドテクノロジーアタッチメント(SATA)バス、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0131】
コンピューターシステム1400はまた、インプットデバイス1433を含んでもよい。一つの例としては、コンピューターシステム1400のユーザーは、インプットデバイス1433を介して、コンピューターシステム1400にコマンド及び/又は他の情報を入力してもよい。インプットデバイス1433の例としては、限定しないが、アルファニューメリックインプットデバイス(例えばキーボード)、ポインティングデバイス(例えばマウス又はタッチパッド)、タッチパッド、ジョイスティック、ゲームパッド、オーディオ入力デバイス(例えばマイクロホン、音声応答システム等)、光学スキャナ、ビデオ、又は更なるイメージキャプチャデバイス(例えばカメラ)及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。インプットデバイス1433は、限定することなく、シリアル、パラレル、ゲームポート、USB、FIREWIRE、THUNDERBOLT、又は上記の任意の組み合わせを含む、任意の様々なインプットインターフェース1423(例えばインプットインターフェース1423)を介してバスとインターフェースで接続されてもよい。
【0132】
特定の実施形態では、コンピューターシステム1400が、ネットワーク1430と接続される場合、コンピューターシステム1400は、ネットワーク1430と接続する他のデバイス、具体的には携帯用デバイス、及び/又はエンタープライズシステムと通信し得る。コンピューターシステム1400への及び/又はコンピューターシステム1400からの通信は、ネットワークインターフェース1420を介して送信されてもよい。例えば、ネットワークインターフェース1420は、一又は複数のパケット(例えばインターネットプロトコール(IP)パケット)形態において、ネットワーク1430から着信(例えば他のデバイスからの要求又は応答)を受けることができ、コンピューターシステム1400は、処理のためにメモリ1403における着信を保存してもよい。コンピューターシステム1400は、メモリ1403における一又は複数のパケットの形態における送信(例えば他のデバイスへの要求又は応答)を同様に保存し得、ネットワークインターフェース1420からのネットワーク1430と通信される。プロセッサ1401は、処理のためのメモリ1403に記録されたこれらの通信パケットにアクセスすることができる。
【0133】
該ネットワークインターフェース1420の例としては、限定することなく、ネットワークインターフェースカード、モデム及び任意のこれらの組み合わせが挙げられる。ネットワーク1430又はネットワークセグメント1430の例としては、限定することなく、ワイドエリアネットワーク(WAN)(例えばインターネット、エンタープライズネットワーク)、ローカルエリアネットワーク(LAN)(例えば、オフィス、ビル、キャンパス、又は他の関連する小さい地理的空間に付随するネットワーク)、テレホンネットワーク、二つのコンピューティングデバイス間の直接接続、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。ネットワーク1430などのネットワークは、有線及び/又は無線のモードの通信を用いてもよい。一般的に、任意のネットワークトポロジーが用いられ得る。
【0134】
情報及びデータは、ディスプレイ1432を介して表示され得る。ディスプレイ1432の例としては、限定することなく、液晶ディスプレイ(LCD)、有機液晶ディスプレイ(OLED)、ブラウン管(CRT)、プラズマディスプレイ及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。ディスプレイ1432は、バス1440を介して、プロセッサ1401、メモリ1403、及び固定ストレージ1408並びに他のデバイス、例えばインプットデバイス1433とインターフェースで通信することができる。ディスプレイ1432は、ビデオインターフェース1422を介してバス1440と連結され、ディスプレイ1432とバス1440間のデータの転送は、グラフィックコントロール1421を介して制御され得る。
【0135】
ディスプレイ1432に加えて、コンピューターシステム1400は、限定しないが、オーディオスピーカー、プリンタ及び/又はこれらの任意の組み合わせを含む、一又は複数の他の周辺機器アウトプットデバイス1434を含んでもよい。かかる周辺機器アウトプットデバイスは、アウトプットインターフェース1424を介してバス1440と接続されてもよい。アウトプットインターフェース1424の例としては、限定することなく、シリアルポート、並列接続、USBポート、FIREWIREポート、THUNDERBOLTポート、及び任意のこれらの組み合わせが挙げられる。
【0136】
加えて、あるいは代わりに、コンピューターシステム1400は、ハードウェアにより実現される、あるいは回路において実現される論理の結果として、機能性が提供されてもよく、これはソフトウェアの代わりに、又はソフトウェアと一緒に本明細書に記載又は図説される一又は複数のプロセス、又は一若しくは複数のプロセスの一若しくは複数の工程を実行させるために行われ得る。この開示におけるソフトウェアへの言及は、論理を包含し得、そして論理への言及は、ソフトウェアを包含し得る。さらに、コンピューター読み取り可能媒体への言及は、必要に応じて、実行のためのソフトウェアを記録した回路(例えばIC)、実行のための論理を具現化する回路、又は両者を包含しうる。本開示は、ハードウェア、ソフトウェア、又は両者の任意の好適な組み合わせを包含する。
【0137】
当業者は、情報及び/又はシグナルが任意の様々な異なる技術及び/又は技法を用いて表されてもよいことを理解する。例えば、上記の記載を通じて参照され得るデータ、指示、コマンド、情報、シグナル、ビット、記号、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場、粒子、光学場、若しくは粒子、又はこれらの任意の組み合わせにより表されてもよい。
【0138】
本明細書に開示される実施形態との関係において記載される様々な説明のための論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズム工程は、電子ハードウェア、コンピューターソフトウェア、又は両者の組み合わせとして実装されてもよいことを当業者はさらに理解する。ハードウェア及びソフトウェアのこの互換性を明確に説明するために、様々な実例的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、及び工程は、一般的にこれらの機能性の観点から上記に記載されている。かかる機能性がハードウェア又はソフトウェアとして実装されるか否かは、システム全体に課される特定の適用及び設計制約による。当業者は、それぞれの特定の適用のために様々な方法において記載される機能性を実施し得るが、斯かる実施の決定は、本発明の範囲から逸脱して解釈されるべきではない。
【0139】
本明細書に開示される実施形態との関係において記載される様々な説明のための論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、現場でプログラム可能なゲートアレイ(FPGA)、又は他のプログラム可能な論理デバイス、別個のゲート又はトランジスタ論理、別個のハードウェアコンポーネント、又は任意の本明細書に記載される機能を実行するために設計されるこれらの組み合わせを用いて実施又は実行されてもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサでもよいが、代替として、該プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ又は状態機械でもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えばDSP及びマイクロプロセッサ、多数のマイクロプロセッサ、DSPコアとの関係における一又は複数のマイクロプロセッサ、又は他のかかる構成の組み合わせとして実装されてもよい。
【0140】
本明細書に開示される実施形態との関係において記載される方法又はアルゴリズムの工程は、ハードウェア、プロセッサにより実行されるソフトウェアモジュール、又はこれらの二つの組み合わせにより直接的に具現化され得る。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM又は当該技術分野において知られるストレージ媒体の他の形態に属する。典型的なストレージ媒体は、かかるプロセッサがストレージ媒体から情報を読み取ることができ、これに情報を書き込むことができるプロセッサと接続され得る。あるいは、ストレージ媒体は、プロセッサに統合され得る。プロセッサ及びストレージ媒体は、ASICに属し得る。ASICは、ユーザー端末に属しうる。あるいは、プロセッサ及びストレージ媒体は、ユーザー端末における別個のコンポーネントとして存在し得る。
【0141】
結論として、本発明は、他のものの中でも、目的濃度の血小板又はBMCを有するPRP又はBMC濃縮物を自動的に又は半自動的に製造するシステム及び方法を提供する。当業者は、本明細書に記載される実施形態により達成されるような実質的に同一の結果を達成するために、多数の変形及び置換が本発明、その使用及びその構成においてなされ得ることを容易に認識することができる。例えば、血液生成物を、手動又は自動のいずれかで、システム100及び800を介して、又は他のシステムに移動することができる。別の例としては、遠心分離の以外の血液成分を分離するための方法を用いることができる(例えばマイクロ流体チャネル分離又は電気インピーダンス分離)。したがって、本発明を、開示される典型的な形態に限定する意図はない。多くの変形、修正、代替の構成は、開示される本発明の範囲及び趣旨の内である。