特許第6243245号(P6243245)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243245
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】エレベーター装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 11/02 20060101AFI20171127BHJP
【FI】
   B66B11/02 V
   B66B11/02 D
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-26659(P2014-26659)
(22)【出願日】2014年2月14日
(65)【公開番号】特開2015-151236(P2015-151236A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2016年8月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【弁理士】
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】三好 寛
(72)【発明者】
【氏名】宮田 弘市
(72)【発明者】
【氏名】河村 陽右
【審査官】 井上 信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−265110(JP,A)
【文献】 特開2004−315201(JP,A)
【文献】 特開2004−338908(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降路を釣合おもりと反対方向に昇降する乗りかごのかご室を囲む枠体であって、前記かご室を防振体を介して支持するかご枠と、前記乗りかごの上部側に配置されて前記かご枠に連結される上部整流カバーと、前記乗りかごの下部側に配置されて前記かご枠に連結される下部整流カバーと、を有するエレベーター装置において、
前記上部整流カバーと前記下部整流カバーのうち少なくとも前記上部整流カバーには、前記釣合おもりから前記上部整流カバーに作用する外乱振動を吸収する外乱振動吸収器を配置してなり、
前記外乱振動吸収器は、
前記上部整流カバーの一部の領域に、前記上部整流カバーの一要素として配置される緩衝カバーと、前記緩衝カバーと前記上部整流カバーとを連結し、前記緩衝カバーの振動を吸収する弾性部材とから構成されてなることを特徴とするエレベーター装置。
【請求項2】
請求項に記載のエレベーター装置において、
前記上部整流カバーは、
その上部側が、当該上部側の中央部を頂部として、その両側が、前記頂部から離れる従って漸次前記乗りかごまでの距離が短くなる流線型に形成され、
前記緩衝カバーは、
その上部側が、当該上部側の中央部を頂部として、その両側が、前記頂部から離れる従って漸次前記乗りかごまでの距離が短くなる流線型に形成されてなることを特徴とするエレベーター装置。
【請求項3】
請求項に記載のエレベーター装置において、
前記緩衝カバーと前記弾性部材からなる付加振動系における固有振動数であって、前記緩衝カバーの法線方向における固有振動数を、前記乗りかごと前記釣合おもりとがすれ違う際に発生する外乱振動の卓越周波数に合わせてなることを特徴とするエレベーター装置。
【請求項4】
請求項に記載のエレベーター装置において、
前記緩衝カバーと前記弾性部材からなる付加振動系における固有振動数であって、前記乗りかごの昇降方向と交差する水平方向における固有振動数を、前記乗りかごと前記釣合おもりとがすれ違う際に発生する外乱振動の卓越周波数に合わせてなることを特徴とするエレベーター装置。
【請求項5】
請求項に記載のエレベーター装置において、
前記緩衝カバーには、騒音を吸収する吸音特性を有する多孔質材が固定されてなることを特徴とするエレベーター装置。
【請求項6】
請求項1〜のうちいずれか1項に記載のエレベーター装置において、
前記上部整流カバーには、前記上部整流カバーの振動を吸収する制振材が固定れてなることを特徴とするエレベーター装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベーターの乗りかごの構造に関わり、乗りかごと釣合おもりがすれ違う際に乗りかごに与える振動、騒音を低減するようにしたエレベーター装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベーターにおいて、その昇降路の限られた断面寸法の中で、乗りかごと釣合おもりとがすれ違う際に、乗りかごと釣合おもりのそれぞれに衝撃振動、騒音が発生することが知られている。その衝撃振動と騒音を低減するために、高速エレベーターの乗りかごでは、その上下に整流構造のカバーを設置する方法がある。
【0003】
この方法を採用した技術として、例えば、特開2001−19320号公報(特許文献1)がある。この公報には、「エレベーターかご室の整流カバー外壁面の傾斜部からかご室外壁面の上層部及び下層部までの範囲内であって、空気流の再付着点及びその近傍に限り、緩衝材を設ける。エレベーターかご室外壁面の上層部及び下層部の範囲内であって、空気流の再付着点及びその近傍に限り、緩衝材を設ける。」と記載されている(要約参照)。また、特開2004−315201号公報(特許文献2)がある。この公報には、「上部整風カバー及び下部整風カバーからかご室への振動を、乗かご重量を増加させずに、抑制できるエレベーター装置を提供することにある。本発明は、上部整風カバーとかご室との間及び下部整風カバーとかご室との間に防振材を介在させたのである。」と記載されている(要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−19320号公報
【特許文献2】特開2004−315201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の整流カバーの構造は、昇降路内に発生する風の乱れ、渦流を低減することを目的とした流線型の構成であり、昇降路内の風の乱れを抑えて整流を維持する構成とすることまでが一般的であった。そのため、整流カバーの設置によりある程度の風の乱れを抑えることはできるが、昇降路の水平断面寸法と昇降路全体の上下の頂部隙間、ピット深さの制約がある中では、その整流カバーの寸法に制約があり、十分な大きさで必要な流線型を構成することができず、限られた寸法制約の中で、更なる振動、騒音の低減手段を設けることが課題であった。
【0006】
また、乗りかごと釣合おもりとのすれ違い時には、整流カバーに釣合おもり側からほぼ水平方向の風外力が作用し、振動が発生する。しかし、釣合おもりとのすれ違いがないときに、整流を維持するために構成された整流カバーでは、その水平方向の外力を緩和する機能がないので、振動、騒音が発生し、この振動、騒音が乗りかごに伝播して、乗りかご内の騒音を増大させるという課題があった。
【0007】
また、乗りかごの走行時、乗りかごと釣合おもりとのすれ違い時には、整流カバーに風外力が作用し、振動が発生する。そのため、整流カバーを乗りかごから絶縁させて設置する方法がある。しかし、絶縁された整流カバーの振動により騒音が発生し、この騒音が乗りかごに伝播してかご内騒音を増大させるという課題があった。
【0008】
それに対して、乗りかごに発生する振動、騒音を低減するために、限られた寸法制約の中で、発生する衝撃を緩和する構成としては、一般的には、ばね、オイルダンパ等を使用した緩衝装置、柔構造による衝撃吸収装置、衝撃発生部への緩衝材の貼付けを用いることも考えられるが、これらの構成では、この上下、水平方向の外乱には十分対応することは困難である。
【0009】
一方、特開2001−19320号公報(特許文献1)においては、空気流の再付着点及びその近傍に緩衝材を設けているが、空気流の一度目の付着点に発生する振動、騒音を効果的に低減する機能は有していない。
【0010】
また、特開2004−315201号公報(特許文献2)においては、上下部整風カバーとかご室との間に防振材を介在させているが、乗りかご廻り全体の整流性能を確保する整流カバーに発生する振動は多岐に渡っており、それら振動全体を効果的に防振できる防振材の選定は困難である。
【0011】
本発明の目的は、乗りかごと釣合おもりとのすれ違い時に、釣合おもりから乗りかごに作用する衝撃力を吸収することができるエレベーター装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために、本発明は、昇降路を釣合おもりと反対方向に昇降する乗りかごのかご室を囲む枠体であって、前記かご室を防振体を介して支持するかご枠と、前記乗りかごの上部側に配置されて前記かご枠に連結される上部整流カバーと、前記乗りかごの下部側に配置されて前記かご枠に連結される下部整流カバーと、を有するエレベーター装置において、前記上部整流カバーと前記下部整流カバーのうち少なくとも前記上部整流カバーには、前記釣合おもりから前記上部整流カバーに作用する外乱振動を吸収する外乱振動吸収器を配置してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、乗りかごと釣合おもりとのすれ違い時に、釣合おもりから乗りかごに作用する衝撃力を吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】エレベーターの全体構成を示す要部断面側面図である。
図2】本発明の実施例1を示す、エレベーター装置の要部断面側面図である。
図3】本発明の実施例2を示す、エレベーター装置の要部断面側面図である。
図4】本発明の実施例3を示す、エレベーター装置の要部断面背面図である。
図5】本発明の実施例4を示す、エレベーター装置の要部断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0016】
図1は、エレベーターの全体構成を示す要部断面側面図である。図1において、エレベーターは、建屋に鉛直方向に沿って設けられる昇降路1と、この昇降路1の上部に形成される機械室2と、この機械室2に設置される巻上機3と、機械室2に設置され、巻上機3を駆動制御する制御盤4と、巻上機3のメインシーブ5に巻き掛けられる主ロープ6と、この主ロープ6の一端に接続され、昇降路1を昇降する乗りかご7と、主ロープ6の他端に接続され、昇降路1内を乗りかご7と反対方向に昇降する釣合おもり8と、昇降路1の下部に配置されるコンペンシーブ9に巻き掛けられ、乗りかご7と釣合おもり8とを連結するコンペンロープ10とを備えている。
【0017】
乗りかご7の上部側には、上部整流カバー11が配置され、乗りかご7の下部側には、下部整流カバー12が配置されている。上部整流カバー11には、乗りかご7と釣合おもり8とがすれ違う際に、釣合おもり8から上部整流カバー11に作用する外乱振動(昇降路1と直交する水平方向の衝撃力)を吸収する外乱振動吸収器13が配置されている。なお、乗りかご7が上昇し、釣合おもり8が下降するときの速度は、乗りかご7が下降し、釣合おもり8が上昇するときの速度よりも大きく、釣合おもり8から上部整流カバー11に作用する外乱振動も、乗りかご7が上昇し、釣合おもり8が下降するときの方が大きいので、上部整流カバー11にのみ外乱振動吸収器13が配置されているが、外乱振動吸収器13を下部整流カバー12に配置することもできる。
【0018】
図2は、本発明の実施例1を示す、エレベーター装置の要部断面側面図である。図2において、乗りかご7は、乗客を安全に乗せるためのかご室20と、主ロープ6とコンペンロープ10に連結されて、かご室20を昇降自在に支持するかご枠21を備えている。乗りかご7は、出入口を構成する側板22と、側板22と相対向する側板23と、かご床24と、天井版25とを備えて、箱型形状に構成されている。これら側板22、23には、制振材が装着される。また、必要に応じて、各側板22、23に、裏板を取付けて袋状の側壁を形成して、かご室20外からの空力騒音を遮断することもできる。
【0019】
かご枠21は、乗りかご7を囲む枠体であって、鉛直方向の昇降路1に対して直交する方向(水平方向)に沿って配置されて、上部整流カバー11内に挿入される一対の上梁26と、昇降路1に対して直交する方向(水平方向)に沿って配置され、下部整流カバー12内に挿入さる一対の下梁27と、昇降路1に沿って鉛直方向に配置される共にかご室20の外側に配置され、各上梁26と各下梁27の両端部同士を連結する複数の縦枠28と、各縦枠28の軸方向の一端側を連結する連結部材29と、各縦枠28の軸方向他端側を連結する連結部材30を備え、全体として、口字状の枠体として構成される。
【0020】
このかご室20は、下部整流カバー12の上部側に固定されて各下梁27に連結された床枠31上に、防振体32を基準に組み立てられる。かご枠21とかご室20のかご床24との間に防振体32を介在させることにより、かご枠21に対してかご床24を振動絶縁することができる。
【0021】
上部整流カバー11には、上部整流カバー11を支持するための取付台33が固定されており、取付台33には、出入口部機器及び乗りかご上の装置品が設置される。また、上部整流カバー11には、各上梁26に連結されて、上部整流カバー11を支持する取付支持部材34が、取付台33と平行に配置されている。取付支持部材34上には、鉛直方向に配置された取付支持部材35、36が固定されている。各取付支持部材35、36は、水平方向に配置された取付支持部材37を介して互いに連結されている。また、取付支持部材36と取付支持部材34は、上部整流カバー11の背面側に形成された傾斜部11aと略平行に配置された取付支持部材38を介して互いに連結されている。
【0022】
取付支持部材38は、外乱振動吸収器13の一要素として構成され、取付支持部材38には、合成ゴム、樹脂材等の減衰特性を有する複数の弾性部材39を介して緩衝カバー40が連結されている。各弾性部材39は、上部整流カバー11の傾斜部11aの貫通穴(図示せず)内に挿入されて、上部整流カバー11と緩衝カバー40とを連結し、緩衝カバー40の振動を吸収する。緩衝カバー40は、上部整流カバー11との間に間隙を保って上部整流カバー11よりも釣合おもり8側に配置され、上部整流カバー11の背面側の一部の領域、例えば、上部整流カバー11の傾斜部11aの一部の領域を覆う大きさで構成されている。この緩衝カバー40は、例えば、剛性と減衰特性を有する鋼板を用いて構成される。
【0023】
この際、緩衝カバー40の上部側と下部側には、斜行部40aが形成され、緩衝カバー40全体の外形形状が、略流線型に形成されている。このため、緩衝カバー40は、緩衝カバー40自体から発生する風の乱れを最小限に抑制することができる。また、緩衝カバー40に、防振性能を持つ樹脂材や騒音を吸収する吸音特性および騒音低減効果を有する柔毛材や多孔質材を貼付けることもできる。
【0024】
本実施例において、取付台33には、乗りかご7上部側の水平断面領域の全体に亘って作用する風力外乱を低減する上部整流カバー11が設置され、床枠31には、乗りかご7下部側の水平断面領域の全体に亘って作用する風力外乱を低減する下部整流カバー12が設置されているので、エレベーターの走行時に、昇降路1内の乗りかご7の廻りに発生する風の流れを滑らかにすることができ、結果として、その風の乱れに伴う走行騒音を小さくすることができる。
【0025】
また、本実施例においては、上部整流カバー11の背面側に、外乱振動吸収器13が設置され、外乱振動吸収器13を構成する緩衝カバー40が、上部整流カバー11頂部の最上端よりも低い位置に配置され、緩衝カバー40が、各弾性部材39を介して取付支持部材38に連結されている。即ち、緩衝カバー40は、乗りかご7の上部整流カバー11の最上端よりも低い位置に配置されているので、昇降路1頂部の寸法(空間部の大きさ)に影響されず、騒音を低減できる。また、この緩衝カバー40は、かご枠21の上梁26から突き出した取付支持部材34に固定された取付支持部材38に、合成ゴム等の減衰特性を持つ弾性部材39を介して連結されているので、例えば、エレベーター据付後に、その走行騒音性能に合せて、外乱振動吸収器13の構成を、自由に調整することができる。
【0026】
また、上部整流カバー11を主振動系とした場合、緩衝カバー40と弾性部材39から成る副振動系(付加振動系)を、乗りかご7と釣合おもり8とのすれ違い時に、乗りかご7に作用する外乱振動(乗りかご7に作用する水平方向の衝撃力)の特性に合せて構成することができる。例えば、乗りかご7と釣合おもり8とのすれ違い直後に発生し、乗りかご7に作用する外乱振動の周波数(例えば、卓越周波数)が数Hzである場合には、その周波数に合わせて、有効な減衰特性を有する付加振動系を構成するように、副振動系(付加振動系)の固有振動数であって、緩衝カバー40の法線方向における固有振動数を数Hzに設定する。それにより、乗りかご7と釣合おもり8とのすれ違い時に発生し、乗りかご7に作用する外乱振動を緩衝カバー40で吸収し、かご室20への伝播振動を低減することができる。
【0027】
また、緩衝カバー40と弾性部材39から成る副振動系(付加振動系)を構成する場合、副振動系(付加振動系)の固有振動数であって、乗りかご7の昇降方向と交差(直交)する水平方向における固有振動数を、乗りかご7と釣合おもり8とがすれ違う際に発生する外乱振動の周波数(卓越周波数)に合わせて設定することができる。
【0028】
本実施例によれば、乗りかご7と釣合おもり8とのすれ違い時に発生する外乱振動(乗りかご7に作用する水平方向の衝撃力)を吸収し、すれ違い時における乗りかご7内の振動を低減することができる。
【実施例2】
【0029】
図3は、本発明の実施例2を示す、エレベーター装置の要部断面側面図である。本実施例は、上部整流カバー11に、上部整流カバー11の振動、騒音を低減するための制振材41を追加したものであり、他の構成は、実施例1と同様である。
【0030】
図3において、制振材41は、例えば、振動吸収特性を有する合成ゴムから構成され、上部整流カバー11の内面に固定されている。上部整流カバー11の内面に制振材41が固定されると、上部整流カバー11全体の騒音、振動抑制性能が増加するので、緩衝カバー40による風の乱れが発生しても、上部整流カバー11自体の振動、騒音伝播を低減することができ、結果として、かご室20へ伝播する騒音をより低減させることができる。なお、制振材41を、下部整流カバー12の内面に固定することもできる。この場合、下部整流カバー12全体の騒音、振動をより低減することができる。
【0031】
本実施例によれば、乗りかご7と釣合おもり8とのすれ違い時に発生する外乱振動(乗りかご7に作用する水平方向の衝撃力)を吸収し、すれ違い時における乗りかご7内の振動を低減することができると共に、緩衝カバー40による風の乱れが発生しても、上部整流カバー11自体の振動、騒音伝播を低減し、結果として、かご室20へ伝播する騒音をより低減させることができる。
【実施例3】
【0032】
図4は、本発明の実施例3を示す、エレベーター装置の要部断面背面図である。本実施例は、上部整流カバー11と外部振動吸収器13の外形形状を流線型にしたものであり、他の構成は、実施例1と同様である。
【0033】
図4において、上部整流カバー11は、その上部側が、上部側中央部を頂部として、その両側が、頂部から離れる従って漸次乗りかご7までの距離が短くなる流線型形状部11bとして形成されている。緩衝カバー40は、上部整流カバー11の外形形状に合わせて、その上部側が、上部側中央部を頂部として、その両側が、頂部から離れる従って漸次乗りかご7までの距離が短くなる流線型形状部40bとして形成されている。このため、エレベーターの通常走行時でも、乗りかご7廻りの風の流れに沿って、風の乱れが増大するのを防止することができる。即ち、上部整流カバー11と外部振動吸収器13の緩衝カバー40の外形形状が流線型に形成されているので、エレベーターの通常走行時に、乗りかご7の背面側に風の流れが作用しても、この風の流れを左右方向(乗りかご7の昇降方向と交差する方向)に逃がして、乗りかご7と釣合おもり8とのすれ違い時に外乱となる風圧を、すれ違い前から低減することができる。
【0034】
本実施例によれば、実施例1と同様の効果を奏することができると共に、エレベーターの通常走行時に、乗りかご7の背面側に風の流れが作用しても、乗りかご7と釣合おもり8とのすれ違い時に外乱となる風圧を、すれ違い前から低減することができる。
【実施例4】
【0035】
図5は、本発明の実施例4を示す、エレベーター装置の要部断面側面図である。本実施例は、外乱振動吸収器13を上部整流カバー11の一部として構成したものであり、他の構成は、実施例1と同様である。
【0036】
図5において、外乱振動吸収器13は、上部整流カバー11の一部の領域に、上部整流カバー11の一要素として配置される緩衝カバー42と、緩衝カバー42の振動を吸収する1又は2以上の弾性部材43から構成される。この際、上部整流カバー11の背面側の一部の領域には、緩衝カバー42と弾性部材43を配置するための開口(図示せず)が楕円形形状又は長方形形状に形成されており、この開口の縁に弾性部材43が固着され、弾性部材43に緩衝カバー42が連結され、緩衝カバー42と弾性部材43が一体化されて上部整流カバー11に連結されている。緩衝カバー42と弾性部材43は、実施例1における緩衝カバー40と弾性部材39からなる副振動系(付加振動系)と同様に、上部整流カバー11に対して、副振動系(付加振動系)を構成することができる。
【0037】
緩衝カバー42は、例えば、剛性と減衰特性を有する鋼板を用いて構成される。弾性部材43は、合成ゴム、樹脂材等の減衰特性を有し、緩衝カバー42の振動を吸収する部材で構成される。
【0038】
本実施例によれば、実施例1と同様の効果を奏することができると共に、外乱振動吸収器13を上部整流カバー11と一体化することができる。
【0039】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 昇降路、2 機械室、3 巻上機、4 制御盤、5 メインシーブ、6 主ロープ、7 乗りかご、8 釣合おもり、9 コンペンシーブ、10コンペンロープ、11 上部整流カバー、12 下部整流カバー、13 外乱振動吸収器、20 かご室、21 かご枠、24 かご床、26 上梁、27 下梁、28 縦枠、31 ゆか枠、32 防振体、33 取付台、34〜38 取付支持部材、39 弾性部材、40 緩衝カバー、41 制振材、42 緩衝カバー、43 弾性部材。
図1
図2
図3
図4
図5