【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「固体高分子形燃料電池実用化推進技術開発/基盤技術開発/カーボンアロイ触媒」にかかる委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されるものではない。すなわち、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0014】
〔窒素含有炭素材料の製造方法〕
本実施形態の窒素含有炭素材料の製造方法は、ジアミノマレオニトリルと、遷移金属塩と、を混合して前駆体を得る第1の工程と、得られた前記前駆体に熱処理を施す第2の工程と、を有する。
【0015】
〔第1の工程〕
第1の工程は、ジアミノマレオニトリルと、遷移金属塩と、を混合して前駆体を得る工程である。
【0016】
(ジアミノマレオニトリル)
ジアミノマレオニトリルは、青酸の四量体であり、構造中に炭素二重結合とアミノ基とニトリル基を有することが知られている。ここで、ジアミノマレオニトリルは、市販品を用いてもよいし、公知の方法(例えば、特開昭49−126619号公報、特開昭60−651158号公報等参照)に基づき製造してもよい。また、ジアミノマレオニトリルは、再結晶等の方法により精製して純度を高めてもよいし、無精製のものを用いてもよい。
【0017】
(遷移金属塩)
遷移金属塩としては、特に限定されないが、例えば、遷移金属のシアノ錯体、ヒドロキシ錯体、クロロ錯体、アセチルアセトナ−ト錯体、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、炭酸塩、シュウ酸塩、亜硝酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、又は種々の有機金属化合物等が挙げられる。このなかでも、好ましくは、シアノ錯体、クロロ錯体、アセチルアセトナ−ト錯体、硝酸塩、塩化物、臭化物であり、より好ましくは、硝酸塩、塩化物、臭化物である。このなかでも、水や低級アルコール等の極性溶媒に溶解するものがさらに好ましい。
【0018】
また、遷移金属としては、特に限定されないが、例えば、Fe,Co,Ni,Cu,Mn,又はCrが好ましく、Fe,Co,又はCuがより好ましく、Fe又はCoがさらに好ましく、特に好ましいのはFeである。このような遷移金属を用いることにより、窒素含有炭素材料の酸素還元活性がより向上する傾向にある。
【0019】
本実施形態の製造方法により得られる窒素含有炭素材料が、高い酸素還元活性を示す理由は定かではないが、青酸の四量体であるジアミノマレオニトリルが溶媒への溶解性が高く、この溶解性の高さが遷移金属との錯体形成に有利であり、ひいては、遷移金属がより均等に分散した窒素含有炭素材料が得られるためと考えられる。
【0020】
具体的な鉄塩としては、特に限定されないが、例えば、塩化鉄(II)、塩化鉄(II)四水和物、塩化鉄(III)、塩化鉄(III)六水和物、臭化鉄(II)、臭化鉄(II)六水和物、臭化鉄(III)、臭化鉄(III)六水和物、ヘキサシアノ鉄(II)酸アンモニウム三水和物、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム三水和物、ヘキサシアノ鉄(III)酸アンモニウム、ヘキサシアノ鉄(III)カリウム、ヘキサシアノ鉄(II)酸ナトリウム十水和物、ヘキサシアノ鉄(III)酸ナトリウム一水和物、硝酸鉄(II)六水和物、硝酸鉄(III)九水和物、チオシアン酸鉄(III)、炭酸鉄(II)、炭酸鉄(II)一水和物、ヘキサクロロ鉄(III)酸メチルアンモニウム、テトラクロロ鉄(II)酸テトラメチルアンモニウム、ペンタシアノニトロシル鉄(III)酸カリウム二水和物、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム鉄(III)水和物、ペンタシアノニトロシル鉄(III)酸ナトリウム二水和物、アンミンペンタシアノ鉄(II)酸ナトリウム三水和物、アクアペンタシアノ鉄(II)酸ナトリウム七水和物、チオシアン酸鉄(II)三水和物、酢酸鉄、シュウ酸鉄(III)五水和物、シュウ酸鉄(II)二水和物、クエン酸鉄(III)三水和物、ヨウ化鉄(II)、ヨウ化鉄(II)四水和物、硫酸鉄(III)、硫酸鉄(III)九水和物、テトラクロロ鉄(II)酸アンモニウム、過塩素酸鉄(II)六水和物、過塩素酸鉄(III)六水和物、アクアペンタフルオロ鉄(III)酸カリウム、硫酸カリウム鉄(III)十二水和物、ビス(スルファト)鉄(II)二アンモニウム六水和物、トリス(硫酸)鉄(III)酸ナトリウム三水和物、リン酸鉄(III)二水和物、リン酸鉄(II)八水和物、硫酸鉄(II)七水和物等が挙げられる。好ましくは、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、臭化鉄(II)、臭化鉄(III)、硝酸鉄(III)九水和物が挙げられる。
【0021】
具体的なコバルト塩としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサシアノコバルト(III)酸カリウム、硝酸コバルト(II)六水和物、フッ化コバルト(II)、臭化コバルト(II)、臭化コバルト(II)六水和物、炭酸コバルト(II)、チオシアン酸コバルト(II)三水和物、酢酸コバルト(II)四水和物、酢酸コバルト(III)、塩化コバルト(II)、塩化コバルト(II)六水和物、テトラクロロコバルト(II)酸セシウム、ヘキサフルオロコバルト(III)酸カリウム、ヨウ化コバルト(II)、ヨウ化コバルト(II)六水和物、ヘキサニトロコバルト(III)酸カリウム、リン酸コバルト(II)、リン酸コバルト(II)八水和物、硫酸コバルト(II)、硫酸コバルト(II)七水和物等が挙げられる。好ましくは、塩化コバルト(II)、臭化コバルト(II)、硝酸コバルト(II)六水和物が挙げられる。
【0022】
ジアミノマレオニトリルの質量に対する遷移金属塩中の遷移金属元素の質量の比率は、0.0001〜0.5が好ましく、0.0005〜0.1がより好ましく、0.001〜0.05がさらに好ましい。この比率が0.0001以上であることにより、前駆体に熱処理を施した際の収率がより優れる傾向にある。また、この比率が0.05以下であることにより、窒素含有炭素材料としたときの酸素還元活性がより優れる傾向にある。
【0023】
ジアミノマレオニトリルと遷移金属塩の混合方法としては、特に限定されないが、例えば、溶媒中、ジアミノマレオニトリルと遷移金属塩とを溶解させ、溶媒を蒸発乾固する方法が好ましい。また、混合方法としては、特に限定されないが、例えば、一つの溶媒に全ての原料を溶解させても、それぞれ異なる溶媒に各原料を溶解させた後に各溶媒を混合してもよい。
【0024】
溶媒としては、特に限定されないが、例えば、水、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等)、ケトン類(アセトン、ジエチルケトン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、塩素系炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、四塩化炭素等)、グリコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、ラクタム類(N−メチル−2−ピロリドン等)、ジメチルスルホキシド、脂肪族炭化水素類(n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等)等が挙げられる。このなかでも、好ましいのは極性溶媒であり、より好ましくはメタノール及びエタノール等の低級アルコール、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等である。溶媒は、1種類の溶液単独で用いてもよいし、2種以上の溶液を併用してもよい。特に、ジアミノマレオニトリルの溶解度の高さ、もしくは後述の蒸発乾固のしやすさの観点から、メタノールやアセトニトリルが好ましい。
【0025】
ジアミノマレオニトリルと遷移金属塩とを混合させる際の温度は、好ましくは0〜200℃であり、より好ましくは10〜100℃であり、さらに好ましくは20〜50℃である。温度が0℃以上であることにより、ジアミノマレオニトリルと遷移金属塩の溶解度がより向上する傾向にある。また、温度が200℃以下であることにより、ジアミノマレオニトリルと遷移金属塩の安定性がより向上する傾向にある。
【0026】
ジアミノマレオニトリルと遷移金属塩とを混合させる際の圧力は、好ましくは0.05〜2.0MPaであり、より好ましくは0.08〜1.5MPaであり、さらに好ましくは0.1〜1.0MPaである。圧力が0.05MPa以上であることにより、窒素含有炭素材料としたときの酸素還元活性がより向上する傾向にある。また、圧力が2.0MPa以下であることにより、暴走反応をより抑制でき、前駆体調製の際の安全性がより向上する傾向にある。
【0027】
ジアミノマレオニトリルと遷移金属塩とを混合させる際の時間は、好ましくは1分〜240時間であり、好ましくは10分〜120時間であり、さらに好ましくは30分〜60時間である。時間が1分以上であることにより、窒素含有炭素材料としたときの酸素還元活性がより向上する傾向にある。また、時間が240時間以下であることにより、窒素含有炭素材料としたときの酸素還元活性がより向上する傾向にある。
【0028】
ジアミノマレオニトリルと遷移金属塩とを混合させる際は、バッチ式反応器を用いてもよいし、流通式反応器を用いてもよい。流通式反応器は完全混合槽でもよいし、管状反応器でもよいし、完全混合槽と管状反応器を組み合わせたものでもよい。
【0029】
反応器内の雰囲気は、空気でもよいが、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスであってもよい。
【0030】
蒸発乾固の方法としては、特に限定されないが、例えば、ロータリーエバポレーター等を用いて減圧下で溶媒を除去してもよいし、スプレードライヤー等を用いて溶媒を揮発させてもよい。このなかでも、均一な複合状態を維持する観点及び造粒の観点から、スプレードライヤーを用いる方法が好ましい。
【0031】
〔第2の工程〕
第2の工程は、第1の工程で得られた前駆体を熱処理して、窒素含有炭素材料を得る工程である。第2の工程は、一段階の熱処理であってもよいが、二段階以上の熱処理であってもよい。このなかでも、第2の工程において、不活性ガス雰囲気下における熱処理と、アンモニア含有ガス雰囲気下における熱処理の双方をこの順に行なうことが好ましい。不活性ガス雰囲気下における熱処理は主に炭素化を目的とするものであり、アンモニア含有ガス雰囲気下における熱処理は主に賦活化を目的とするものであり、このような第2の工程を行うことで、酸素還元活性により優れる窒素含有炭素材料が得られる傾向にある。
【0032】
上記不活性ガスとしては、特に限定されないが、例えば、窒素、希ガス、真空等を用いることができる。不活性ガス雰囲気下における熱処理温度は、好ましくは600〜1100℃であり、より好ましくは700〜1000℃であり、さらに好ましくは800〜950℃である。熱処理温度が600℃以上であることにより、前駆体の炭素化が十分に進行する傾向にある。また、熱処理温度が1100℃以下であることにより、十分な収率が得られる傾向にある。
【0033】
不活性ガス雰囲気下における熱処理時間は、好ましくは5分〜50時間であり、より好ましくは10分〜20時間であり、さらに好ましくは20分〜10時間である。熱処理時間が5分以上であることにより、前駆体の炭素化が十分に進行する傾向にある。また、熱処理時間が50時間以下であることにより、十分な収率が得られる傾向にある。
【0034】
用いる遷移金属塩の種類やその量により、適正な熱処理温度及び/又は熱処理時間は異なる。
【0035】
アンモニア含有ガスとしては、特に限定されないが、例えば、アンモニアのみ、又はアンモニアを窒素や希ガスで希釈したガスを用いることが好ましい。アンモニア含有ガス雰囲気下における熱処理温度は、好ましくは600〜1200℃であり、より好ましくは700〜1100℃であり、さらに好ましくは800〜1000℃である。熱処理温度が600℃以上であることにより、前駆体の賦活化が十分に進行し、酸素還元活性により優れる窒素含有炭素材料が得られる傾向にある。また、熱処理時間が50時間以下であることにより、十分な収率が得られる傾向にある。
【0036】
アンモニア含有ガス雰囲気下における熱処理時間は、好ましくは5分〜5時間であり、より好ましくは10分〜3時間であり、さらに好ましくは15分〜2時間である。熱処理時間が5分以上であることにより、前駆体の賦活化が十分に進行し、酸素還元活性により優れる窒素含有炭素材料が得られる傾向にある。また、熱処理時間が5時間以下であることにより、十分な収率が得られる傾向にある。
【0037】
不活性ガス雰囲気下での熱処理及び/又はアンモニア含有ガス雰囲気下での熱処理の前後には、塩酸や硫酸等を用いて遷移金属の一部を除去してもよい。特に、熱処理によって遷移金属粒子が生成する場合には、後の熱処理工程(アンモニア含有ガス雰囲気下での熱処理)における結晶化度増大の抑制の観点から、遷移金属粒子を除去することが好ましい。遷移金属粒子のできやすさは遷移金属の種類、濃度、分散性、又は熱処理温度等によって変化する。また、遷移金属粒子の除去率を高めるために、不活性ガス雰囲気下での熱処理及び/又はアンモニア含有ガス雰囲気下での熱処理の工程を複数に分割し、遷移金属の除去を繰り返し行うことが好ましい。
【0038】
〔窒素含有炭素材料〕
本実施形態の窒素含有炭素材料は、上記製造方法で製造される。本実施形態に係る窒素含有炭素材料は、燃料電池用電極等に好適に用いることができる。窒素含有炭素材料を含む燃料電池用電極は、高い酸素還元性を有する。酸素還元触媒から酸素還元電極、燃料電池等を得る方法は、特に限定されず、一般的な固体高分子形燃料電池の作製法を用いることができる。
【実施例】
【0039】
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、これらは例示的なものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。したがって、当業者は以下に示す実施例に様々な変更を加えて本発明を実施することができる。
まず、本実施例で行った測定方法について説明する。
【0040】
<電気化学測定>
電極作製法及び回転電極法によるリニアスイープボルタンメトリーの測定方法(日厚計測製の回転リングディスク電極装置「RRDE−1」を使用。)を以下に示す。まず、バイアル瓶に、含窒素炭素材料5mgを秤取し、そこに、ガラスビーズを約50mg、5質量%ナフィオン(商品名)分散液(シグマアルドリッチジャパン製)を50μL、並びにイオン交換水及びエタノールをそれぞれ150μLずつ添加し、それらの混合物に20分間超音波を照射してスラリーを作製した。このスラリーを4μL秤取し、回転電極のガラス状炭素上(0.2828cm
2)に塗布し、飽和水蒸気下で乾燥した。乾燥後の回転電極を作用極とし、可逆水素電極(RHE)を参照極として、炭素電極を対極とした。0.5M硫酸を電解液とし、その電解液に酸素を30分間バブリングした後、掃引速度5mV/s、回転速度1500rpmで1.1Vから0Vまで掃引して電気化学測定を行った。また、酸素還元開始電位E
0は−10μA/cm
2の電流を与える電位と定義した。E
0が高い値を示すほど、酸素還元活性が高いことを意味する。なお、
図1に、実施例1、比較例1で得られた電気化学測定の結果を示す。
【0041】
[実施例1]
<前駆体の調製>
0.5Lのナス型フラスコにジアミノマレオニトリル(東京化成社製)4.0g、塩化鉄(II)0.009g及びメタノール200gを加え、室温で12時間撹拌した。その後、50℃の水浴中にて、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去し、真空乾燥機にて80℃で2時間乾燥させて前駆体を得た。
【0042】
<窒素含有炭素材料の合成>
調製した前駆体のうち2.0gを石英ボートに載置し、それを内径36mmの石英管状炉に収容し、炉内を大気圧、1NL/minの窒素流通下で60分間かけて室温から900℃まで昇温し、900℃のまま1時間保持した。室温まで冷却後、これを遊星ボールミル(フリッチュ製、商品名「Pulverisette−7」)にて粉砕及び分級することにより、平均粒子径を約2μmに調整した。更に、この粉砕処理後の前駆体を全量石英ボートに載置し、内径36mmの石英管状炉に収容し、炉内を大気圧、1NL/minのアンモニアガス流通下で20分間かけて室温から900℃まで昇温し、900℃のまま1時間保持した後、室温まで冷却した。最終的に窒素含有炭素材料を0.05g得た。
【0043】
<電気化学測定>
得られた窒素含有炭素材料について上記電気化学測定を行った。酸素還元開始電位E
0は0.91V、電位が0.5Vのときの電流は−4.40mA/cm、電位が0.6Vのときの電流は−3.90mA/cmであった。電気化学測定の結果を
図1に示す。
【0044】
[実施例2]
<前駆体の調製>
塩化鉄(II)0.009gを臭化鉄(II)0.015gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で前駆体を調製した。
【0045】
<窒素含有炭素材料の合成>
調製した前駆体のうち2.0gを用いて、実施例1と同様の方法で窒素含有炭素材料の合成を実施した。最終的に窒素含有炭素材料を0.06g得た。
【0046】
<電気化学測定>
得られた窒素含有炭素材料について上記電気化学測定を行った。酸素還元開始電位E
0は0.92V、電位が0.5Vのときの電流は−4.10mA/cm、電位が0.6Vのときの電流は−3.67mA/cmであった。
【0047】
[実施例3]
<前駆体の調製>
塩化鉄(II)0.009gを硝酸鉄(III)九水和物0.029gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で前駆体を調製した。
【0048】
<窒素含有炭素材料の合成>
調製した前駆体のうち2.0gを用いて、実施例1と同様の方法で窒素含有炭素材料の合成を実施した。最終的に窒素含有炭素材料を0.07g得た。
【0049】
<電気化学測定>
得られた窒素含有炭素材料について上記電気化学測定を行った。酸素還元開始電位E
0は0.91V、電位が0.5Vのときの電流は−4.02mA/cm、電位が0.6Vのときの電流は−3.57mA/cmであった。
【0050】
[実施例4]
<前駆体の調製>
塩化鉄(II)無水物0.009gを塩化コバルト(II)0.009gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で前駆体を調製した。
【0051】
<窒素含有炭素材料の合成>
調製した前駆体のうち2.0gを用いて、実施例1と同様の方法で窒素含有炭素材料の合成を実施した。最終的に窒素含有炭素材料を0.05g得た。
【0052】
<電気化学測定>
得られた窒素含有炭素材料について上記電気化学測定を行った。酸素還元開始電位E
0は0.85V、電位が0.5Vのときの電流は−3.12mA/cm、電位が0.6Vのときの電流は−2.65mA/cmであった。
【0053】
[比較例1]
<アズルミン酸の合成>
青酸80g、酢酸8.6g及び純水130gの混合溶液中に、25%アンモニア水12g(和光純薬工業製)を添加した。その後、徐々に加温し、最終的に80℃で7時間撹拌を行った。混合溶液中に生じた黒色の固形分をメンブレンフィルターで濾過し、真空乾燥を行い、アズルミン酸を40g得た。なお、詳細は特許文献3及び4に記載されている。
【0054】
<前駆体の調製>
ジアミノマレオニトリル4.0gをアズルミン酸4.0gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で前駆体を調製した。
【0055】
<窒素含有炭素材料の合成>
調製した前駆体のうち2.0gを用いて、実施例1と同様の方法で窒素含有炭素材料の合成を実施した。最終的に窒素含有炭素材料を0.05g得た。
【0056】
<電気化学測定>
得られた窒素含有炭素材料について上記電気化学測定を行った。酸素還元開始電位E
0は0.83V、電位が0.5Vのときの電流は−2.27mA/cm、電位が0.6Vのときの電流は−1.14mA/cmであった。電気化学測定の結果を
図1に示す。
【0057】
[比較例2]
<アズルミン酸の合成>
比較例1と同様の方法で、アズルミン酸を合成した。
【0058】
<前駆体の調製>
ジアミノマレオニトリル4.0gをアズルミン酸4.0gに、塩化鉄(II)無水物0.009gを塩化コバルト(II)0.009gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で前駆体を調製した。
【0059】
<窒素含有炭素材料の合成>
調製した前駆体のうち2.0gを用いて、実施例1と同様の方法で窒素含有炭素材料の合成を実施した。最終的に窒素含有炭素材料を0.05g得た。
【0060】
<電気化学測定>
得られた窒素含有炭素材料について上記電気化学測定を行った。酸素還元開始電位E
0は0.77V、電位が0.5Vのときの電流は−1.24mA/cm、電位が0.6Vのときの電流は−0.65mA/cmであった。
【0061】
【表1】