(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
制御電極および一対の被制御電極を有し、前記制御電極に入力される駆動信号に基づいて前記一対の被制御電極間の導通状態を切り替えるスイッチング動作を行うことにより、直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換する半導体素子と、
前記直流電源と前記一対の被制御電極の一方との間に設けられた主端子と、
前記制御電極に接続された制御端子と、
前記一対の被制御電極の一方または他方に接続された基準端子と、を備え、
前記半導体素子のスイッチング動作により前記主端子に流れる電流が時間的に変化することで前記制御端子と前記基準端子に誘起電圧が発生されるように、前記主端子、前記制御端子および前記基準端子が配置されており、
前記半導体素子がターンオンされるときには、前記半導体素子のターンオン速度を増加させる方向に前記誘起電圧が発生され、
前記半導体素子がターンオフされるときには、前記半導体素子のターンオフ速度を減少させる方向に前記誘起電圧が発生されるパワー半導体モジュール。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図を参照して本発明の一実施形態について説明する。実施形態に係るパワー半導体モジュールはインバータ装置を構成するが、以下の説明では、インバータ装置をハイブリッド自動車に適用した場合について説明する。なお、ハイブリッド自動車に限らず純粋な電気自動車にも適用可能である。
【0009】
図1は、実施形態に係るインバータ装置を搭載したハイブリッド自動車の制御ブロックを示す図である。
図1において、ハイブリッド電気自動車(以下、「HEV」と記述する)110は、2つの車両駆動用システムを備えている。第1の車両駆動用システムは、内燃機関であるエンジン120を動力源としたエンジンシステムであり、主としてHEVの駆動源として用いられる。第2の車両駆動用システムは、モータジェネレータ192,194を動力源とした車載電機システムであり、主としてHEVの駆動源及びHEVの電力発生源として用いられる。
【0010】
モータジェネレータ192,194は例えば同期機あるいは誘導機であり、運転方法によりモータとしても発電機としても動作するので、ここではモータジェネレータと記すこととする。
【0011】
車体のフロント部には前輪車軸114が回転可能に軸支されている。前輪車軸114の両端には1対の前輪112が設けられている。車体のリア部には後輪車軸(図示省略)が回転可能に軸支されている。後輪車軸の両端には1対の後輪が設けられている。本実施形態のHEVでは、動力によって駆動される主輪を前輪112とし、連れ回される従輪を後輪とする、いわゆる前輪駆動方式を採用しているが、この逆、すなわち後輪駆動方式を採用しても構わない。
【0012】
前輪車軸114の中央部には前輪側デファレンシャルギア116が設けられている。前輪車軸114は前輪側デファレンシャルギア116の出力側に機械的に接続されている。前輪側デファレンシャルギア116の入力側には変速機118の出力軸が機械的に接続されている。前輪側デファレンシャルギア116は、変速機118によって変速されて伝達された回転駆動力を左右の前輪車軸114に分配する差動式動力分配機構である。
【0013】
変速機118の入力側にはモータジェネレータ192の出力側が機械的に接続されている。モータジェネレータ192の入力側には動力分配機構122を介してエンジン120の出力側及びモータジェネレータ194の出力側が機械的に接続されている。尚、モータジェネレータ192,194及び動力分配機構122は、変速機118の筐体の内部に収納されている。
【0014】
モータジェネレータ192,194は、回転子に永久磁石を備えた同期機であり、固定子の電機子巻線に供給される交流電力がインバータ装置140,142によって制御されることによりモータジェネレータ192,194の駆動が制御される。インバータ装置140,142にはバッテリ136が電気的に接続されており、バッテリ136とインバータ装置140,142との相互において電力の授受が可能である。本実施形態では、モータジェネレータ192及びインバータ装置140からなる第1電動発電ユニットと、モータジェネレータ194及びインバータ装置142からなる第2電動発電ユニットとの2つを備え、運転状態に応じてそれらを使い分けている。
【0015】
すなわち、エンジン120からの動力によって車両を駆動している場合において、車両の駆動トルクをアシストする場合には第2電動発電ユニットを発電ユニットとしてエンジン120の動力によって作動させて発電させ、その発電によって得られた電力によって第1電動発電ユニットを電動ユニットとして作動させる。また、同様の場合において、車両の車速をアシストする場合には第1電動発電ユニットを発電ユニットとしてエンジン120の動力によって作動させて発電させ、その発電によって得られた電力によって第2電動発電ユニットを電動ユニットとして作動させる。
【0016】
また、本実施形態では、バッテリ136の電力によって第1電動発電ユニットを電動ユニットとして作動させることにより、モータジェネレータ192の動力のみによって車両の駆動ができる。さらに、本実施形態では、第1電動発電ユニット又は第2電動発電ユニットを発電ユニットとしてエンジン120の動力或いは車輪からの動力によって作動させて発電させることにより、バッテリ136の充電ができる。
【0017】
バッテリ136はさらに補機用のモータ195を駆動するための電源としても使用される。補機としては例えばエアコンディショナーのコンプレッサを駆動するモータ、あるいは制御用の油圧ポンプを駆動するモータであり、バッテリ136からインバータ装置43に直流電力が供給され、インバータ装置43で交流の電力に変換されてモータ195に供給される。
【0018】
インバータ装置43はインバータ装置140や142と同様の機能を持ち、モータ195に供給する交流の位相や周波数、電力を制御する。例えばモータ195の回転子の回転に対し進み位相の交流電力を供給することにより、モータ195はトルクを発生する。一方、遅れ位相の交流電力を発生することで、モータ195は発電機として作用し、モータ195は回生制動状態の運転となる。
【0019】
インバータ装置140,142およびインバータ装置43さらにコンデンサモジュール500は電気的に密接な関係にある。さらに発熱に対する対策が必要な点が共通している。また装置の体積をできるだけ小さく作ることが望まれている。これらの点から、電力変換装置は、インバータ装置140,142、およびインバータ装置43、さらにコンデンサモジュール500を電力変換装置の筐体内に内蔵している。この構成により、配線の簡素化やノイズ対策で効果がある。さらに、コンデンサモジュール500とインバータ装置140,142およびインバータ装置43との接続回路のインダクタンスを低減でき、スパイク電圧を低減できるとともに、発熱の低減や放熱効率の向上を図ることができる。
【0020】
次に、
図2を用いて電力変換装置200の電気回路構成を説明する。電力変換装置200内の各インバータ装置140,142およびインバータ装置43は同様の構成で同様の作用を為し、同様の機能を有しているので、以下では、代表例としてインバータ装置140について説明する。
【0021】
本実施形態に係る電力変換装置200は、インバータ装置140とコンデンサモジュール500とを備え、インバータ装置140はインバータ回路144と制御部170とを有している。制御部170はインバータ回路144を駆動制御するドライバ回路174と、ドライバ回路174へ信号線176を介して制御信号を供給する制御回路172と、を有している。
【0022】
インバータ回路144は3相ブリッジ回路により構成されており、3相分の上下アーム直列回路150を有している。各上下アーム直列回路150は、それぞれ直流正極端子314と直流負極端子316の間に電気的に並列に接続されている。直流正極端子314はバッテリ136の正極側と電気的に接続され、直流負極端子316は、バッテリ136の負極側に電気的に接続されている。
【0023】
上下アーム直列回路150は、上アームとして動作するIGBT101(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)及びダイオード156と、下アームとして動作するIGBT102及びダイオード157とを備えている。それぞれの上下アーム直列回路150の中点部分(中間電極169)は、交流端子205を通してモータジェネレータ192への交流電力線(交流バスバー)186と接続されている。
【0024】
上アームと下アームのIGBT101,102は、スイッチング用パワー半導体素子であり、制御部170から出力された駆動信号を受けて動作し、バッテリ136から供給された直流電力を三相交流電力に変換する。これにより、IGBT101,102は、インバータ素子としてそれぞれ動作する。この変換された電力はモータジェネレータ192の電機子巻線に供給される。
【0025】
IGBT101,102は、コレクタ電極153,163、エミッタ電極(信号用エミッタ電極端子209,211)、ゲート電極(ゲート電極端子208A,208B,210A,210B)を備えている。IGBT101,102のコレクタ電極153,163とエミッタ電極との間にはダイオード156,157が図示するように電気的に接続されている。ダイオード156,157は、カソード電極及びアノード電極の2つの電極を備えており、IGBT101,102のエミッタ電極からコレクタ電極に向かう方向が順方向となるように、カソード電極がIGBT101,102のコレクタ電極に、アノード電極がIGBT101,102のエミッタ電極にそれぞれ電気的に接続されている。
【0026】
インバータ素子としてはMOSFET(金属酸化物半導体型電界効果トランジスタ)を用いてもよい。この場合はダイオード156やダイオード157は不要となる。上述したように、上下アーム直列回路150は、モータジェネレータ192の電機子巻線の各相巻線に対応して3相分設けられている。3つの上下アーム直列回路150は、各アームの中点部分(すなわち、それぞれIGBT101のエミッタ電極とIGBT102のコレクタ電極163との接続部分)にあたる中間電極169が、交流端子205および交流コネクタ188を介して、モータジェネレータ192の電機子巻線の対応する相巻線に電気的に接続されている。
【0027】
パワー半導体モジュールを構成する上下アーム直列回路150同士は電気的に並列接続されている。上アームのIGBT101のコレクタ電極153は、正極端子(P端子)207を介してコンデンサモジュール500の正極側コンデンサ電極に直流バスバーを介して電気的に接続されている。一方、下アームのIGBT102のエミッタ電極は、負極端子(N端子)206を介してコンデンサモジュール500の負極側コンデンサ電極に直流バスバーを介して電気的に接続されている。
【0028】
コンデンサモジュール500は、IGBT101,102のスイッチング動作によって生じる直流電圧の変動を抑制する平滑回路を構成している。コンデンサモジュール500の正極側コンデンサ電極506にはバッテリ136の正極側が、コンデンサモジュール500の負極側コンデンサ電極504にはバッテリ136の負極側が、それぞれ直流コネクタ138を介して電気的に接続されている。これにより、コンデンサモジュール500は、上アームIGBT101のコレクタ電極153とバッテリ136の正極側との間と、下アームIGBT102のエミッタ電極とバッテリ136の負極側との間で接続され、バッテリ136と上下アーム直列回路150に対して電気的に並列接続される。
【0029】
制御部170は、制御回路172とドライバ回路174とを備えている。制御回路172は、他の制御装置やセンサなどからの入力情報に基づいて、IGBT101,102のスイッチングタイミングを制御するためのタイミング信号を生成する。ドライバ回路174は、制御回路172から出力されたタイミング信号に基づいて、IGBT101,102をスイッチング動作させるためのドライブ信号を生成する。
【0030】
制御回路172は、IGBT101,102のスイッチングタイミングを演算処理するためのマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と記述する)を備えている。マイコンには入力情報として、モータジェネレータ192に対して要求される目標トルク値、上下アーム直列回路150からモータジェネレータ192の電機子巻線に供給される電流値、及びモータジェネレータ192の回転子の磁極位置が入力される。目標トルク値は、不図示の上位の制御装置から出力された指令信号に基づくものである。電流値は、電流センサ180から出力された検出信号182に基づいて検出されたものである。磁極位置は、モータジェネレータ192に設けられた回転磁極センサ(不図示)から出力された検出信号に基づいて検出されたものである。本実施形態では3相の電流値を検出する場合を例に挙げて説明するが、2相分の電流値を検出するようにしても構わない。
【0031】
制御回路172内のマイコンは、目標トルク値に基づいてモータジェネレータ192のd,q軸の電流指令値を演算する。そして、この演算されたd,q軸の電流指令値と検出されたd,q軸の電流値との差分に基づいてd,q軸の電圧指令値を演算し、さらに、算出されたd,q軸の電圧指令値を、検出された磁極位置に基づいてU相、V相、W相の電圧指令値に変換する。さらに、制御回路172内のマイコンは、U相、V相、W相の電圧指令値に基づく基本波(正弦波)と搬送波(三角波)との比較に基づいてパルス状の変調波を生成し、この生成された変調波をPWM(パルス幅変調)信号としてドライバ回路174に出力する。
【0032】
一方、ドライバ回路174は、下アームを駆動する場合には、PWM信号を増幅し、これをドライブ信号として下アームのIGBT102のゲート電極に出力する。一方、上アームを駆動する場合には、PWM信号の基準電位のレベルを上アームの基準電位のレベルにシフトしてからPWM信号を増幅し、これをドライブ信号として上アームのIGBT101のゲート電極に出力する。これにより、各IGBT101,102は、入力されたドライブ信号に基づいてスイッチング動作する。
【0033】
インバータ回路144に設けられた上下アームのIGBT101,102は、それらの導通および遮断動作が一定の順で切り替わる。この切り替わり時におけるモータジェネレータ192の固定子巻線の電流は、ダイオード156,157によって作られる回路を流れる。
【0034】
パワー半導体モジュールを構成する上下アーム直列回路150は、図示するように、Positive端子(P端子、正極端子)207、Negative端子(N端子、負極端子)206、上下アームの中間電極169からの交流端子205、上アームの信号用端子(信号用エミッタ電極端子)209、上アームのゲート電極端子208A、208B、下アームの信号用端子(信号用エミッタ電極端子)211、下アームのゲート電極端子210A、210B、を備えている。
【0035】
また、電力変換装置200は、入力側に直流コネクタ138を、出力側に交流コネクタ188をそれぞれ有し、各コネクタ138,188を通してバッテリ136とモータジェネレータ192にそれぞれ接続されている。なお、電力変換装置200として、各相に2つの上下アーム直列回路を並列接続する回路構成であってもよい。
【0036】
図3は、本実施形態に係る電力変換装置200の全体構成を各構成要素に分解した斜視図を示す。
図3に示すように、筐体12の中ほどに冷却水流路19が設けられ、冷却水流路19の上部には流れの方向に並んで2組の開口が形成されている。2組の開口がそれぞれインバータ装置140及びインバータ装置142で塞がれる様に2個のインバータ装置140及びインバータ装置142が冷却水流路19の上面に固定されている。各インバータ装置140及びインバータ装置142には放熱のためのフィンが設けられており、各インバータ装置140及びインバータ装置142のフィンはそれぞれ冷却水流路19の開口から冷却水の流れの中に突出している。
【0037】
またインバータ装置140及びインバータ装置142の交流電力線186、交流コネクタ188が外部に突出し、反対側には、直流正極端子314と直流負極端子316が設けられている。冷却水流路19の下側にはアルミ鋳造を行いやすくするための開口が形成されており、開口はカバー420で塞がれている。
【0038】
さらに冷却水流路19の下部に放熱作用を為す下部ケース16が設けられ、下部ケース16にはコンデンサモジュール500が、コンデンサモジュール500の金属材からなるケースの放熱面が下部ケース16の面に対向するようにして下部ケース16の面に固定されている。コンデンサモジュール500の正極側コンデンサ電極506、負極側コンデンサ電極504が、インバータ装置140及びインバータ装置142の直流正極端子314と直流負極端子316と対応して設けられている。
【0039】
この構造により冷却水流路19の上面と下面とを利用して効率良く冷却することができ、電力変換装置全体の小型化に繋がる。
【0040】
入出口配管13,14からの冷却水が冷却水流路19を流れることによって、併設されている2個のインバータ装置140及びインバータ装置142が有する放熱フィンが冷却され、2個のインバータ装置140及びインバータ装置142全体が冷却される。
【0041】
さらに冷却水流路19が設けられている筐体12が冷却されることにより、筐体12の下部に設けられた下部ケース16が冷却され、この冷却によりコンデンサモジュール500の熱が下部ケース16および筐体12を介して冷却水に熱的伝導され、コンデンサモジュール500が冷却される。
【0042】
インバータ装置140及びインバータ装置142の上方には制御回路基板20と駆動回路基板22とが配置され、駆動回路基板22にはドライバ回路174が搭載され、制御回路基板20にはCPUを有する制御回路172が搭載される。また、駆動回路基板22と制御回路基板20の間には金属ベース板11が配置され、金属ベース板11は両基板22,20に搭載される回路群の電磁シールドの機能を奏するとともに駆動回路基板22と制御回路基板20とが発生する熱を逃がし、冷却する作用を有している。このように筐体12の中央部に冷却水流路19を設け、その一方の側に車両駆動用のインバータ装置142を配置し、また他方の側に補機用のインバータ装置43を配置することで、少ない空間で効率良く冷却でき、電力変換装置全体の小型化が可能となる。また筐体中央部の冷却水流路19の主構造を筐体12と一体にアルミ材の鋳造で作ることにより、冷却水流路19は冷却効果に加え機械的強度を強くする効果がある。またアルミ鋳造で作ることで筐体12と冷却水流路19とが一体構造となり、熱伝導が良くなり冷却効率が向上する。
【0043】
駆動回路基板22には、金属ベース板11を通り抜けて、制御回路基板20の回路群との接続を行う基板間コネクタ23が設けられている。また、制御回路基板20には外部との電気的接続を行うコネクタ21が設けられている。金属ベース板11、制御回路基板20は上部ケース10によって覆われる。
【0044】
コネクタ21により電力変換装置の外の、例えばバッテリ136として車に搭載されているリチウム電池モジュールとの信号の伝送が行われ、リチウム電池モジュールから電池の状態を表す信号やリチウム電池の充電状態などの信号が送られてくる。制御回路基板20に保持されている制御回路172との信号の授受を行うために基板間コネクタ23が設けられている。図示を省略しているが信号線が設けられ、この信号線と基板間コネクタ23を介して制御回路基板20からインバータ回路のスイッチングタイミングの信号が駆動回路基板22に伝達され、駆動回路基板22で駆動信号であるゲート駆動信号を発生し、インバータ回路のゲート電極にそれぞれ印加される。
【0045】
図4は、本実施形態に係るインバータ装置140の1相分のIGBTとダイオードのレイアウトを示す上面図であり、パワー半導体モジュールとして構成される。
図5は、
図4の点線A-Aで示す断面図である。
図4、
図5では、代表例としてインバータ装置140について説明するが、インバータ装置142も同様の構成である。
図4、
図5では、駆動の対象となる第1IGBT101と、第2IGBT102と、第1ダイオード156と、第2ダイオード157のみが図示されている。IGBTに接続される負荷や温度を検出するサーミスタやバスバーを封止する樹脂やゲルなどのIGBT装置の構成は省略している。
【0046】
第1IGBT101のコレクタ電極及び第1ダイオード156のカソード電極は、第1導体部201と夫々接続部160A及び接続部160Bを介して半田付けされる(
図5参照)。また第2IGBT102のコレクタ電極及び第2ダイオード157のカソード電極は、第2導体部202に同様に夫々半田付けされる。
【0047】
第1導体部201と第2導体部202は、絶縁基板213の上面に配線パターンがレイアウトされており、絶縁基板213の下面は基板全面にベタパターン(不図示)が配線されているため、渦電流発生による浮遊インダクタンス低減効果が得られる。
【0048】
本実施形態では、第1導体部201と第2導体部202において絶縁基板213の上面に配線パターンをレイアウトした場合について記載しているが、絶縁性能と渦電流発生による浮遊インダクタンス低減効果が得られる構成であれば、他の部材を用いても構わない。
【0049】
第1IGBT101のエミッタ電極及び第1ダイオード156のアノード電極は第3導体部203と夫々接続部160C及び接続部160Dを介して半田付けされる(
図5参照)。第3導体部203は、第3導体部203と一体成型された中継導体部280を介して第2導体部202に半田付けで接続される。第2IGBT102のエミッタ電極及び第2ダイオード157のアノード電極は、第4導体部204に同様に夫々半田付けされる。なお、
図4では、第3導体部203、第4導体部204を透過性の部材として便宜上図示した。
【0050】
第1IGBT101は、インバータ回路の上アーム回路を構成する。第1ダイオード156は、インバータ回路の上アーム回路を構成するとともに第1IGBT101と電気的に並列に接続される。第2IGBT102は、インバータ回路の下アーム回路を構成する。第2ダイオード157は、インバータ回路の下アーム回路を構成するとともに第2IGBT102と電気的に並列に接続される。
【0051】
第2導体部202は、第2IGBT102のコレクタ電極側及び第2ダイオード157のカソード電極側と夫々はんだ材を介して接続されるとともに第1導体部201の側部に並列して配置される。第2導体部202の一部は、交流電流が入出力される交流端子となる導体205を形成している。
【0052】
上アームを構成する第1IGBT101のゲート電極は、第1IGBT101のスイッチング動作を制御するための駆動信号が入力される制御電極である。導体208A、208Bにワイヤボンディング208Wで接続される。ゲート電位に対するGND電位となるケルビンエミッタ電極は、ゲート電極に入力される駆動信号に基づいてコレクタ電極との間の導通状態が切り替えられる被制御電極である。ケルビンエミッタ電極とコレクタ電極とで一対の被制御電極となる。このケルビンエミッタ電極は、基準電極である導体209にワイヤボンディング209Wで接続される。
【0053】
下アームを構成する第2IGBT102のゲート電極は、第2IGBT102のスイッチング動作を制御するための駆動信号が入力される制御電極である。導体210A、210Bにワイヤボンディング210Wで接続される。ゲート電位に対するGND電位となるケルビンエミッタ電極は、ゲート電極に入力される駆動信号に基づいてコレクタ電極との間の導通状態が切り替えられる被制御電極である。ケルビンエミッタ電極とコレクタ電極とで一対の被制御電極となる。このケルビンエミッタ電極は、基準電極である導体211にワイヤボンディング211Wで接続される。
【0054】
第1IGBT101のゲート電極に接続された制御端子は導体208A、208Bの2つの端子で構成され、第1IGBT101のエミッタ電極に接続された基準端子である導体209は制御端子である導体208A、208Bの間に配置される。導体208A、208Bの2本の配線と導体209は、第1IGBT101のコレクタ電極と接続された主端子である導体207と略同じ方向に配列される。すなわち、導体207、208A、208B、および209は、所定の配列方向に沿ってそれぞれ配置されている。ここで、導体208A、208Bの2本の配線の内、導体208Aは導体207から距離が遠い方の配線であり、導体208Bは導体207から距離が近い方の配線である。
【0055】
同様に、第2IGBT102のゲート電極に接続された制御端子は導体210A、210Bの2つの端子で構成され、第2IGBT102のエミッタ電極に接続された基準端子である導体211は制御端子である導体210A、210Bの間に配置される。導体210A、210Bの2本の配線と導体211は、第2IGBT102のコレクタ電極と接続された主端子である導体206と略同じ方向に配列される。すなわち、導体206、210A、210B、および211は、所定の配列方向に沿ってそれぞれ配置されている。第2導体部202の導体205は交流端子として、導体210A、210B、導体211と略同じ方向に配列される。ここで、導体210A、210Bの2本の配線の内、導体210Aは導体206から距離が近い方の配線であり、導体210Bは導体206から距離が遠い方の配線である。
【0056】
図6は、上下アーム直列回路150とドライバ回路174よりなるゲート駆動回路図を示す。このゲート駆動回路図は3相分のうちの1相分を図示し、他の部分を図示省略する。第1IGBT101のゲート電極に接続される導体208Aはゲート駆動電源につながるp型MOSFET601のドレイン電極に抵抗611を介して接続されている。第1IGBT101のゲート電極に接続される導体208BはGNDにつながるn型MOSFET602のドレイン電極に抵抗612を介して接続されている。
【0057】
第1IGBT101をターンオンする場合は、p型MOSFET601のゲート端子に制御信号が印加され、p型MOSFET601を経由して電源から導体208Aに電流が流れ込む。第1IGBT101をターンオフする場合は、n型MOSFET602のゲート端子に制御信号が印加され、n型MOSFET602を経由して導体208BからGNDに電流が流れる。p型MOSFET601のゲート端子、n型MOSFET602のゲート端子へ印加される制御信号は制御回路172から出力される(
図2参照)。
【0058】
第2IGBT102のゲート電極に接続される導体210Aはゲート駆動電源につながるp型MOSFET603のドレイン電極に抵抗613を介して接続されている。第2IGBT102のゲートに接続される導体210BはGNDにつながるn型MOSFET604のドレイン電極に抵抗614を介して接続されている。
【0059】
第2IGBT102をターンオンする場合は、p型MOSFET603のゲート端子に制御信号が印加され、p型MOSFET603を経由して電源から導体210Aに電流が流れ込む。第2IGBT102をターンオフする場合は、n型MOSFET604のゲート端子に制御信号が印加され、n型MOSFET604を経由して導体210BからGNDに電流が流れる。p型MOSFET603のゲート端子、n型MOSFET604のゲート端子へ印加される制御信号は制御回路172から出力される(
図2参照)。
【0060】
図7は、第1IGBT101をターンオンした場合の誘起電圧を示す図である。上アームを構成する第1IGBT101をターンオンするとき、ゲート電流208I、209I(図中点線矢印)は導体208Aから第1IGBT101を経由して導体209の方向に流れる。このとき、導体207に流れる主電流207I(図中一点鎖線矢印)の増加により発生する電流時間変化dI/dtにより、導体208Aから導体209へ流れるゲート電流208I、209Iを増加させる方向に誘起電圧208V(図中実線矢印)が発生する。すなわち、dI/dtが大きい高電流領域のターンオンほど、主端子である導体207に流れる電流の時間変化による電磁誘導の作用によりゲート電流が増加し、第1IGBT101のスイッチング速度が増加する。
【0061】
図8は、第1IGBT101をターンオフする場合の誘起電圧を示す図である。上アームを構成する第1IGBT101をターンオフするとき、ゲート電流208I、209I(図中点線矢印)は導体209から第1IGBT101を経由して導体208Bの方向に流れる。このとき、導体207に流れる主電流207I(図中一点鎖線矢印)の減少により発生する電流時間変化dI/dtにより、導体209から導体208Bへ流れるゲート電流208I、209Iを減少させる方向に誘起電圧208V(図中実線矢印)が発生する。すなわち、dI/dtが大きい高電流領域のターンオフほど、主端子である導体207に流れる電流の時間変化による電磁誘導の作用によりゲート電流が減少し、第1IGBT101のスイッチング速度が低下する。
【0062】
図9は、第2IGBT102をターンオンする場合の誘起電圧を示す図である。下アームを構成する第2IGBT102をターンオンするとき、ゲート電流210I、211I(図中点線矢印)は導体210Aから第2IGBT102を経由して導体211の方向に流れる。このとき、導体206に流れる主電流206I(図中一点鎖線矢印)の増加により発生する電流時間変化dI/dtにより、導体210Aから導体211へ流れるゲート電流210I、211Iを増加させる方向に誘起電圧210V(図中実線矢印)が発生する。すなわち、dI/dtが大きい高電流領域のターンオンほど、主端子である導体206に流れる電流の時間変化による電磁誘導の作用によりゲート電流が増加し、第2IGBT102のスイッチング速度が増加する。
【0063】
図10は、第2IGBT102をターンオフする場合の誘起電圧を示す図である。下アームを構成する第2IGBT102をターンオフするとき、ゲート電流210I、211I(図中点線矢印)は導体211から第2IGBT102を経由して導体210Bの方向に流れる。このとき、導体206に流れる主電流206I(図中一点鎖線矢印)の減少により発生する電流時間変化dI/dtにより、導体211から導体210Bへ流れるゲート電流210I、211Iを減少させる方向に誘起電圧210V(図中実線矢印)が発生する。すなわち、dI/dtが大きい高電流領域のターンオフほど、主端子である導体206に流れる電流の時間変化による電磁誘導の作用によりゲート電流が減少し、第2IGBT102のスイッチング速度が低下する。
【0064】
図11は、IGBTをターンオンした時に対アームに発生するリカバリサージ電圧と電流値の相関を示す図である。
図11の実線V1は、電流値として主電流207Iの値を変えてリカバリサージ電圧を測定したものである。リカバリサージ電圧は、第1IGBT101をターンオンした時には、第2IGBT102のエミッタ−コレクタ間に発生する電圧である。また、電流値として主電流206Iの値を変えてリカバリサージ電圧を測定した場合も
図11と同様である。この場合のリカバリサージ電圧は、第2IGBT102をターンオンした時には、第1IGBT101のエミッタ−コレクタ間に発生する電圧である。
【0065】
なお、測定に用いたIGBTとダイオードはともに定格電流は500A、定格耐圧は650Vである。
図11では、電源電圧470Vでスイッチングした場合のリカバリサージ電圧を縦軸に示し、電流値を横軸に示している。
【0066】
図11の実線V1に示すように、リカバリサージ電圧のピークが発生する電流値は、IGBTとダイオードの素子特性により多少変化するが、通常は定格電流より下の低電流領域である。
図11の実線V1は、定格電流500Aに対し、150A付近にリカバリサージ電圧のピークが存在し、定格耐圧650V付近までリカバリサージ電圧が発生している。なお、
図11の点線V0は、本実施形態によらない場合のリカバリサージ電圧と電流値の相関を示すものであり、本実施形態との比較のために記載したものである。
【0067】
リカバリサージ電圧は、スイッチング速度の影響が大きく、スイッチング速度が大きいほど、リカバリサージ電圧は大きくなる。同時に、スイッチング速度が大きいほど、スイッチング損失は低下する。すなわち、リカバリサージ電圧とターンオン時のスイッチング損失はトレードオフの関係にある。
【0068】
本実施形態では、
図7と
図9で示したように、IGBTをターンオンする場合に、dI/dtが大きい高電流領域のターンオンほど、ゲート電流が増加し、IGBTのスイッチング速度が増加する。このため、
図11に示すように、リカバリサージ電圧が定格耐圧に対してマージンがある定格電流付近の高電流領域において、ターンオン時のスイッチング損失を低減することができる。
【0069】
図12は、IGBTをターンオフした時にスイッチングしたアームに発生するターンオフサージ電圧と電流値の相関を示す図である。
図12の実線V5は電流値として主電流207Iの値を変えてターンオフサージ電圧を測定したものである。ターンオフサージ電圧は、第1IGBT101をターンオフした時には、第1IGBT101のエミッタ−コレクタ間に発生する電圧である。また、電流値として主電流206Iの値を変えてターンオフサージ電圧を測定した場合も
図12と同様である。この場合のターンオフサージ電圧は、第2IGBT102をターンオンした時には、第2IGBT102のエミッタ−コレクタ間に発生する電圧である。
【0070】
なお、測定に用いたIGBTとダイオードはともに定格電流は500A、定格耐圧は650Vである。
図12では、電源電圧470Vでスイッチングした場合のターンオフサージ電圧を縦軸に示し、主電流の値を横軸に示している。
【0071】
図12の実線V5に示すように、ターンオフサージ電圧のピークが発生する電流値は、IGBTとダイオードの素子特性により多少変化するが、通常は定格電流である。
図12の実線V5の例では、定格電流500A付近にターンオフサージ電圧のピークが存在し、定格耐圧650V付近までターンオフサージ電圧が発生している。なお、
図12の点線V3は、本実施形態によらない場合のリカバリサージ電圧と電流値の相関を示すものであり、本実施形態との比較のために記載したものである。
【0072】
ターンオフサージ電圧は、スイッチング速度の影響が大きく、スイッチング速度が大きいほど、ターンオフサージ電圧は大きくなる。同時に、スイッチング速度が大きいほど、スイッチング損失は低下する。すなわち、ターンオフサージ電圧とターンオフ時のスイッチング損失はトレードオフの関係にある。
【0073】
本実施形態では、
図8と
図10で示したように、IGBTをターンオフする場合に、dI/dtが大きい高電流領域のターンオフほど、ゲート電流が減少し、IGBTのスイッチング速度が減少するため、ターンオフサージ電圧の定格耐圧に対するマージンが大きくなる。このため、ターンオフサージ電圧が定格耐圧付近になるように、例えば、
図6のn型MOSFETに接続される抵抗612や抵抗614の定数を小さくすることにより、IGBTのスイッチング速度を増加させる。なお、
図12の一点鎖線V4は、抵抗612や抵抗614の定数を小さくした場合であって、本実施形態によらない場合のターンオフサージ電圧と電流値の相関を示すものであり、本実施形態との比較のために記載したものである。一方、抵抗612や抵抗614の定数を小さくして、本実施形態のような端子配列にした場合は、
図12の実線V5に示すように、ターンオフサージ電圧が定格耐圧に対してマージンがある定格電流より下の低電流領域において、ターンオフサージ電圧を大きくし、ターンオフ時のスイッチング損失を低減することができる。
【0074】
以上のように、本実施形態によれば、リカバリサージ電圧およびターンオフサージ電圧が、IGBTとダイオードの定格耐圧に対してマージンがある電流領域において、スイッチング速度を高速化しサージ電圧を大きくすることができるため、サージ電圧とトレードオフの関係にあるスイッチング損失を低減することができる。
【0075】
以上説明した実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)制御電極(ゲート電極)および一対の被制御電極(エミッタ電極、コレクタ電極)を有し、制御電極(ゲート電極)に入力される駆動信号に基づいて一対の被制御電極(エミッタ電極、コレクタ電極)間の導通状態を切り替えるスイッチング動作を行うことにより、バッテリ136から供給される直流電力を交流電力に変換する半導体素子と、バッテリ136と一対の被制御電極(エミッタ電極、コレクタ電極)の一方との間に設けられた主端子(導体206、導体207)と、制御電極(ゲート電極)に接続された制御端子(導体208A、導体208B、導体210A、導体210B)と、一対の被制御電極(エミッタ電極、コレクタ電極)の一方または他方に接続された基準端子(導体209、導体211)と、を備え、半導体素子のスイッチング動作により主端子(導体206、導体207)に流れる電流が時間的に変化することで制御端子(導体208A、導体208B、導体210A、導体210B)と基準端子(導体209、導体211)に誘起電圧が発生されるように、主端子(導体206、導体207)、制御端子(導体208A、導体208B、導体210A、導体210B)および基準端子(導体209、導体211)が配置されており、半導体素子がターンオンされるときには、半導体素子のターンオン速度を増加させる方向に誘起電圧が発生され、半導体素子がターンオフされるときには、半導体素子のターンオフ速度を減少させる方向に誘起電圧が発生される。このようにしたので、パワー半導体モジュールのサージ電圧を大きくして、パワー半導体モジュールのスイッチング損失を低減することができる。
【0076】
(2)主端子(導体206、導体207)、制御端子(導体208A、導体208B、導体210A、導体210B)および基準端子(導体209、導体211)は、所定の配列方向に沿ってそれぞれ配置されている。このようにしたので、半導体素子のターンオン、ターンオフにともなう誘起電圧を発生し易くすることができる。
【0077】
(3)制御端子(導体208A、導体208B、導体210A、導体210B)は、第1の制御端子(導体208A、導体210A)と、第2の制御端子(導体208B、導体210B)とを有し、基準端子(導体209、導体211)は、第1の制御端子(導体208A、導体210A)と第2の制御端子(導体208B、導体210B)の間に配置される。このようにしたので、主端子に流れる電流の時間変化による電磁誘導により、誘起電圧を効率よく発生させることができる。
【0078】
(4)半導体素子がターンオンされるときには、第1の制御端子(導体208A、導体210A)を介して制御電極(ゲート電極)を充電し、半導体素子がターンオフされるときには、第2の制御端子(導体208B、導体210B)を介して制御電極(ゲート電極)を放電する。このようにしたので、半導体素子のターンオン、ターンオフを誘起電圧により制御することができる。
【0079】
(変形例)
本発明は、以上説明した実施形態を次のように変形して実施することができる。
(1)2つの端子で構成される第1IGBT101のゲート端子の導体208A、208B、エミッタ端子である導体209、及び主端子となるコレクタ端子の導体207は、導体207に沿って同一方向に突出するように並列して配列された例で説明した。しかし、主端子に流れる電流の時間変化による電磁誘導により、ゲート端子とエミッタ端子に誘起電圧を発生させるように、各導体は略同じ方向に配列されていればよい。すなわち、導体207、208A、208B、および209は、所定の配列方向に沿ってそれぞれ配置されていればよい。2つの端子で構成される第2IGBT102のゲート端子の導体210A、210B、エミッタ端子である導体211、及び主端子となるエミッタ端子の導体206の配列も同様である。
【0080】
(2)実施形態では、半導体素子はIGBTの例で説明したが、MOSFETなどであっても同様に実施することができる。
【0081】
(3)実施形態では、自動車やトラックなどの搭載環境や動作的環境などが大変厳しい車両駆動用電力変換装置に用いられるパワー半導体モジュールに適用した例で説明した。しかし、これら以外の電力変換装置、例えば電車や船舶,航空機などの電力変換装置、さらに工場の設備を駆動する電動機の制御装置として用いられる産業用電力変換装置、或いは家庭の太陽光発電システムや家庭の電化製品を駆動する電動機の制御装置に用いられたりする家庭用電力変換装置に用いられるパワー半導体モジュールに適用可能である。
【0082】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限り、本発明の技術思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。また、上述の実施形態と複数の変形例を組み合わせた構成としてもよい。