特許第6243334号(P6243334)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6243334通信ネットワークアクセスを修正する方法、並びに関連するネットワークノード及び無線端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243334
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】通信ネットワークアクセスを修正する方法、並びに関連するネットワークノード及び無線端末
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/02 20090101AFI20171127BHJP
   H04W 4/04 20090101ALI20171127BHJP
【FI】
   H04W48/02
   H04W4/04 190
【請求項の数】16
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2014-524469(P2014-524469)
(86)(22)【出願日】2012年8月1日
(65)【公表番号】特表2014-525217(P2014-525217A)
(43)【公表日】2014年9月25日
(86)【国際出願番号】IB2012053942
(87)【国際公開番号】WO2013021318
(87)【国際公開日】20130214
【審査請求日】2015年7月1日
(31)【優先権主張番号】61/515,559
(32)【優先日】2011年8月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/327,931
(32)【優先日】2011年12月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100128587
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 一騎
(72)【発明者】
【氏名】バラチャンドラン、クーマー
(72)【発明者】
【氏名】コンスタンティノス、ディモウ
(72)【発明者】
【氏名】サック、ヨアキム
【審査官】 三浦 みちる
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−105758(JP,A)
【文献】 CATT,Access control of MTC devices,3GPP TSG RAN WG2 Meeting #68bis R2-100182,2010年 1月12日
【文献】 Samsung,Solution for using Penalty for Access Class Barring,3GPP TSG SA WG2 Meeting #79E TD S2-103111,2010年 6月29日
【文献】 Deutsche Telekom,Overload Control for Machine Type Communication,3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #71 R2-104501,2010年 8月16日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線端末において無線アクセスネットワークへのアクセスを修正する方法であって、前記無線端末は、複数のサービスクラスのうちMTC(Machine Type Communication)デバイス用の第1のサービスクラスに属し、前記方法は、
前記無線端末で、前記無線アクセスネットワークから前記複数のサービスクラスにわたって適用されるグローバル禁止レート及びアクセス禁止期間(401)を受信することと、
前記無線端末で、前記無線アクセスネットワークから前記第1のサービスクラスに適用される禁止レート修飾子及びアクセス禁止期間修飾子(403)を受信することと、
前記グローバル禁止レート及び前記禁止レート修飾子に応じて、前記無線端末で、前記グローバル禁止レートと異なる修正された禁止レート(407)を計算することと、
前記アクセス禁止期間及び前記アクセス禁止期間修飾子に応じて、前記無線端末で、前記アクセス禁止期間と異なる修正されたアクセス禁止期間を計算することと、
前記無線アクセスネットワークへのアクセスの試行に応じて、前記無線端末で、ランダム数(409)を生成することと、
前記ランダム数が前記修正された禁止レートの閾値を充足しないことに応じて、前記無線アクセスネットワークへの前記無線端末のアクセス(417)をブロックすることと、
を含み、
前記無線アクセスネットワークへの前記無線端末のアクセスをブロックすることは、前記修正されたアクセス禁止期間により定義される時間ピリオドにわたって前記無線アクセスネットワークへの前記無線端末のアクセスをブロックすること、を含む、
方法。
【請求項2】
前記ランダム数が前記修正された禁止レートの前記閾値を充足することに応じて、前記無線アクセスネットワークへのアクセス(415)を許容すること、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記グローバル禁止レートは、ゼロ以上1以下の確率を表現し、前記禁止レート修飾子は、ゼロと1との間の割合を表現し、前記修正された禁止レートは、前記グローバル禁止レートと前記禁止レート修飾子との積を含む、請求項1〜2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
アクセスをブロックすることは、前記ランダム数が前記修正された禁止レートよりも大きいことに応じて、前記無線アクセスネットワークへのアクセスをブロックすること、を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記禁止レート修飾子は、第1の禁止レート修飾子を含み、前記修正された禁止レートは、第1の修正された禁止レートを含み、前記ランダム数は、第1のランダム数を含み、アクセスをブロックすることは、前記無線端末の第1のアクセスをブロックすることを含み、前記方法は、
前記無線アクセスネットワークへの前記第1のアクセスをブロックした後に、前記無線端末で、前記第1の禁止レート修飾子とは異なる第2の禁止レート修飾子を前記無線アクセスネットワークから受信することと、
前記グローバル禁止レート及び前記第2の禁止レート修飾子に応じて、前記無線端末で、前記グローバル禁止レートと異なり、前記第1の修正された禁止レートと異なる、第2の修正された禁止レートを計算することと、
前記無線アクセスネットワークへの前記無線端末の第2のアクセスの試行に応じて、前記無線端末で、第2のランダム数を生成することと、
前記第2のランダム数が前記第2の修正された禁止レートの閾値を充足しないことに応じて、前記無線アクセスネットワークへの前記無線端末の前記第2のアクセスをブロックすることと、
前記第2のランダム数が前記第2の修正された禁止レートの前記閾値を充足することに応じて、前記無線アクセスネットワークへの前記無線端末の前記第2のアクセスを許容することと、
をさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記アクセス禁止期間は、時間を表現し、前記アクセス禁止期間修飾子は、1よりも大きい倍率を表現し、前記修正されたアクセス禁止期間は、前記アクセス禁止期間と前記アクセス禁止期間修飾子との積を含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
無線アクセスネットワークと通信するように構成される無線端末(200)であって、前記無線端末は、複数のサービスクラスのうちMTC(Machine Type Communication)デバイス用の第1のサービスクラスに属し、
前記無線アクセスネットワークから前記複数のサービスクラスにわたって適用されるグローバル禁止レート及びアクセス禁止期間並びに前記第1のサービスクラスに適用される禁止レート修飾子及びアクセス禁止期間修飾子を受信し、前記グローバル禁止レート及び前記禁止レート修飾子に応じて、前記グローバル禁止レートと異なる修正された禁止レートを計算し、前記アクセス禁止期間及び前記アクセス禁止期間修飾子に応じて、前記アクセス禁止期間と異なる修正されたアクセス禁止期間を計算し、前記無線アクセスネットワークへのアクセスの試行に応じて、ランダム数を生成し、前記ランダム数が前記修正された禁止レートの閾値を充足しないことに応じて、前記修正されたアクセス禁止期間により定義される時間ピリオドにわたって前記無線アクセスネットワークへのアクセスをブロックする、ように構成されるプロセッサ(201)を備える、
無線端末(200)。
【請求項8】
前記禁止レート修飾子は、第1の禁止レート修飾子を含み、前記修正された禁止レートは、第1の修正された禁止レートを含み、前記ランダム数は、第1のランダム数を含み、アクセスをブロックすることは、第1のアクセスをブロックすることを含み、
前記プロセッサ(201)は、前記無線アクセスネットワークへの前記第1のアクセスをブロックした後に、前記第1の禁止レート修飾子とは異なる第2の禁止レート修飾子を前記無線アクセスネットワークから受信し、前記グローバル禁止レート及び前記第2の禁止レート修飾子に応じて、前記グローバル禁止レートと異なり、前記第1の修正された禁止レートと異なる、第2の修正された禁止レートを計算し、前記無線アクセスネットワークへの第2のアクセスの試行に応じて、第2のランダム数を生成し、前記第2のランダム数が前記第2の修正された禁止レートの閾値を充足しないことに応じて、前記無線アクセスネットワークへの前記第2のアクセスをブロックし、前記第2のランダム数が前記第2の修正された禁止レートの前記閾値を充足することに応じて、前記無線アクセスネットワークへの前記第2のアクセスを許容する、ようにさらに構成される、
請求項に記載の無線端末(200)。
【請求項9】
無線アクセスネットワークのノードにおいて、無線端末のアクセスを修正する方法であって、
複数のサービスクラスのうちのMTC(Machine Type Communication)デバイス用の第1のサービスクラスに属する無線端末を含む複数の無線端末へ、前記複数のサービスクラスにわたって適用されるグローバル禁止レート及びアクセス禁止期間(301)を送信することと、
前記第1のサービスクラスに属する前記無線端末へ、前記第1のサービスクラスに適用される禁止レート修飾子及びアクセス禁止期間修飾子(305)を送信することと、
を含み、
前記アクセス禁止期間及び前記アクセス禁止期間修飾子に応じて計算される修正されたアクセス禁止期間により定義される時間ピリオドにわたって、前記無線アクセスネットワークへの前記第1のサービスクラスに属する前記無線端末のアクセスがブロックされる、
方法。
【請求項10】
前記禁止レート修飾子は、第1の禁止レート修飾子を含み、前記方法は、
第2のサービスクラスに属する無線端末へ、前記第1の禁止レート修飾子と異なる第2の禁止レート修飾子を送信すること、
をさらに含み、
送信することは、前記第2のサービスクラスの無線端末についての前記第2の禁止レート修飾子を送信することをさらに含む、
請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記禁止レート修飾子は、第1の禁止レート修飾子を含み、前記方法は、
前記第1の禁止レート修飾子を送信した後に、前記第1のサービスクラスの無線端末についての、前記第1の禁止レート修飾子と異なる第2の禁止レート修飾子を当該無線端末へ送信することと、
をさらに含む、請求項10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記グローバル禁止レートは、ゼロ以上1以下の確率を表現し、前記禁止レート修飾子は、ゼロと1との間の割合を表現する、請求項11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記アクセス禁止期間は、時間を表現し、前記アクセス禁止期間修飾子は、1よりも大きい倍率を表現する、請求項に記載の方法。
【請求項14】
無線アクセスネットワークのノードであって、
複数のサービスクラスのうちのMTC(Machine Type Communication)デバイス用の第1のサービスクラスに属する無線端末を含む複数の無線端末への、前記複数のサービスクラスにわたって適用されるグローバル禁止レート及びアクセス禁止期間の送信、並びに前記第1のサービスクラスに属する前記無線端末への、前記第1のサービスクラスに適用される禁止レート修飾子及びアクセス禁止期間修飾子の送信を開始する、ように構成されるプロセッサ(101)を備え
前記アクセス禁止期間及び前記アクセス禁止期間修飾子に応じて計算される修正されたアクセス禁止期間により定義される時間ピリオドにわたって、前記無線アクセスネットワークへの前記第1のサービスクラスに属する前記無線端末のアクセスがブロックされる、
ノード(100)。
【請求項15】
前記禁止レート修飾子は、第1の禁止レート修飾子を含み、前記プロセッサ(101)は、第2のサービスクラスに属する無線端末への前記第1の禁止レート修飾子と異なる第2の禁止レート修飾子の送信を開始する、ようにさらに構成される、請求項14に記載の前記無線アクセスネットワークのノード(100)。
【請求項16】
前記禁止レート修飾子は、第1の禁止レート修飾子を含み、前記プロセッサ(101)は、前記第1の禁止レート修飾子を送信した後に、前記第1のサービスクラスの無線端末についての、前記第1の禁止レート修飾子と異なる第2の禁止レート修飾子の送信を開始する、ようにさらに構成される、請求項1415のいずれかに記載の前記無線アクセスネットワークのノード(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2011年8月5日に提出された米国仮出願第61/515,559号の優先権の利益を主張し、その開示は全体として参照によりここに取り入れられる。
【0002】
[技術分野]
本開示は、通信を対象とし、より具体的には、通信ネットワークのためのアクセス制御、並びに関連する方法、ノード及び無線端末を対象とする。
【背景技術】
【0003】
典型的なセルラー無線システムにおいて、無線端末(ユーザ機器ユニットノードあるいはUE、及び/又は移動端末/局ともいう)は、無線アクセスネットワーク(RAN)を介して、1つ以上のコアネットワークと通信する。RANは、複数のセルエリアに分割される地理的エリアをカバーし、各セルエリアは、無線基地局(RANノード、“NodeB”及び/又は拡張ノードB“eNodeB”ともいう)によりサービスされる。セルエリアは、基地局サイトにある基地局機器により無線カバレッジが提供される地理的エリアである。基地局は、当該基地局のレンジ内の無線端末と、無線通信チャネルを通じて通信する。
【0004】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)22.011標準は、ネットワーク内の無線/移動端末のためのアクセス制御(AC:access control)について記述している。ある状況下で、無線通信ネットワーク内の無線/移動端末(UE)がネットワークへアクセスすることを妨げることが有益であり/必要とされ得る。E−UTRAN(Evolved-UTRANあるいはEvolved Universal Terrestrial Radio Access Network)では、例えば、アクセス制御は、(a)輻輳制御、(b)緊急事態、及び/又は(c)他の特殊な事態、といった目的のために、無線/移動端末がネットワークへアクセスする確率を変化させるために、アクセス制御が有益であり/必要とされ得る。
【0005】
全ての無線/移動端末(UE)は、アクセスクラス0〜9として定義される10個のランダムに割り当てられる無線/移動端末の集合のうちの1つのメンバーであり得る。無線/移動端末(UE)のアクセスクラス番号は、当該無線/移動端末(UE)のメモリ内に(例えば、SIMあるいは加入者識別モジュール内に、USIMあるいは普遍的加入者識別モジュール内に、など)記憶され得る。加えて、いくつかの無線/移動端末(UE)は、やはりメモリ内に(例えば、SIM、USIMなどの中に)保存される、5個の特殊カテゴリ(アクセスクラス11〜15)のうちの1つ以上のメンバーであり得る。これら特殊カテゴリのメンバーである無線/移動端末(UE)は、より高いアクセス優先度を与えられ、次のようにカテゴリ分けされ得る:
クラス 説明
15 PLMN(Public Land Mobile Network)スタッフ
14 緊急サービス
13 公共事業(例えば、水道/ガスサプライヤ)
12 セキュリティサービス
11 PLMN用途のために予約済み
アクセスクラス10は、緊急通話のために提供され得る。E−UTRANの拡張アクセス制御のための要件が以下に議論される。
【0006】
E−UTRANネットワークにおいて、サービングネットワークは、アクセスクラス0〜9の無線/移動端末(UE)の共通的に適用されるアクセス制御の平均期間(mean durations)(例えば、時間的期間)及び禁止レート(barring rate)をブロードキャストする。禁止レートは、無線/移動端末がネットワークへのアクセスを試行した場合にネットワークへのアクセスが許可される確率を定義し、アクセス制御の平均期間は、禁止されるアクセスの試行の後、無線/移動端末がネットワークへのアクセスの次回の試行を許容されるまでの時間ピリオドを定義する。この仕組みとUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の仕組みとの組合せが、アクセスクラス11〜15に適用されてもよい。
【0007】
E−UTRANネットワークは、アクセス試行のタイプ(即ち、無線/移動端末から発せられるデータ又は無線/移動端末から発せられるシグナリング)に基づくアクセス制御をサポートしてよくその場合、無線/移動端末(UE)の振る舞いをガイドするために、無線/移動端末(UE)への標識がブロードキャストされる。E−UTRANネットワークは、アクセス試行のタイプ(例えば、無線/移動端末発、無線/移動端末終端、ロケーション登録、など)に基づいて、アクセス制御の組合せを形成する。アクセス制御の平均期間及び禁止レートは、アクセス試行の各タイプ(即ち、無線/移動端末から発せられるデータ又は無線/移動端末から発せられるシグナリング)についてブロードキャストされ得る。
【0008】
無線/移動端末(UE)は、サービングネットワークから提供される情報で自身の禁止ステータスを判定し、判定した禁止ステータスに従ってアクセス試行を行う。より具体的には、無線/移動端末(UE)は、ネットワークへのアクセス試行を開始する際に、0と1の間の一様にランダムな数を振り出し/生成し、このランダム数をその時点の禁止レートと比較して、ネットワークへのアクセス試行が禁止されるか(barred)否かを判定する。ランダム数がその時点の禁止レートよりも低く、アクセス試行のタイプが許容を示すならば、ネットワークへのアクセス試行は許容される。そうでなければ(即ち、その時点の禁止レートよりもランダム数が大きければ)、ネットワークへのアクセス試行は許容されない(即ち、ネットワークへのアクセス試行は禁止される)。ネットワークへのアクセス試行が許容されなければ(即ち、ネットワークへのアクセス試行が禁止されるならば)、同じ無線/移動端末(UE)の同じアクセスタイプでのさらなるネットワークへのアクセス試行はある時間的期間にわたって禁止され、その時間はネットワークにより提供されるアクセス制御の平均期間とUEにより振り出されたランダム数とに基づいて計算される。
【0009】
3GPP標準は、さらに、アイドルモードからのモバイル発のセッション要求に、テレフォニーサービスのための独立的なアクセス制御を適用するために、マルチメディアテレフォニー(MMTel)機能のためのサービス固有のアクセス制御(SSAC)を次のように記述する。EPS(Evolved Packet System)は、MMTel音声及びMMTel映像の各々にサービス確率ファクタ(service probability factor)とアクセス制御の平均期間とを割り当てるケイパビリティを提供する。また、3GPP標準は、回線交換フォールバック(CSFB:circuit switched fall back)のためのアクセス制御も定義する。
【0010】
EAB(extended access barring)は、アクセスネットワーク及び/又はコアネットワークの負荷を低減し/予防するために、EABのために構成される無線/移動端末(UE)からのモバイル発(Mobile Originating)のアクセス試行を事業者が制御するための仕組みである。輻輳の事態において、例えば、ネットワークの事業者は、他の無線/移動端末(UE)からのアクセスを許可しつつ、EABのために構成される無線/移動端末(UE)からのアクセスを制限することができる。
【0011】
将来の無線/移動体ネットワークは、同じ無線/移動端末(UE)により使用される異なるクラスのサービスの間での、及び異なるクラスの無線/移動端末(UE)の間での差別化を行うかもしれない。従って、そうした差別化を可能とするために、負荷制御のコンセプトを拡張することに関心がおかれ得る。ネットワーク事業者は、例えば、MTC(machine type communication)デバイスに、他のデバイスタイプのために使用されるアクセス制御とは異なるアクセス制御を用いて、サービスを提供することを望み得る。しかしながら、既存のEABの仕組みは、次の理由のうちの1つ以上によって、MTCデバイスに適切にサービスを提供しないかもしれない。
【0012】
MTCデバイスは、一様なカテゴリのデバイスではない。MTCデバイスは、例えば、スマートグリッドアプリケーション、車両通信アプリケーション、センサネットワークアプリケーションなどの、様々なアプリケーションのための様々なサービス特性を提供する多様なシチュエーションで使用され得る。MTCデバイスは、緊急サービス、セキュリティ機能、PLMNスタッフなどのアクセスクラスについての特徴付けからの恩恵をも受け得る。
【0013】
MTCデバイスにサービスするネットワークは、通常のEABの仕組みとは別個の輻輳制御(congestion control)及び過負荷防止(overload protection)からの恩恵を受けてもよい。ネットワーク事業者は、例えば、混雑する時間帯の間にエネルギーメータがネットワークへ負荷を与えることを望まないかもしれない。ネットワーク事業者は、低優先度のセンサからのモバイル発のアクセスの頻度が極めて低いことを望むかもしれない。現在のEABの仕組みは、全てのクラスの端末、MTCデバイスなどのために、単一のアクセス制御禁止ファクタ/レートと単一のアクセス制御禁止時間とを使用し得る。
【0014】
それ故、当分野において、移動体無線通信ネットワークと通信する端末/デバイスのための改善されたアクセス禁止制御についてのニーズが引き続き存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って、上で言及した不利の少なくともいくつかを解決し、及び/又は通信システムにおけるアクセス制御の性能を改善することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明のいくつかの実施形態によれば、無線端末において無線アクセスネットワークへのアクセスを修正する方法が提供され得る。上記方法は、上記無線端末で禁止レートを提供することと、上記無線端末で禁止レート修飾子を提供することと、を含み得る。上記禁止レート及び上記禁止レート修飾子に応じて、上記無線端末で、上記禁止レートと異なる修正された禁止レートが提供される。上記無線アクセスネットワークへのアクセスの試行に応じて、上記無線端末でランダム数が提供され、上記ランダム数が上記修正された禁止レートの閾値を充足しないことに応じて、上記無線アクセスネットワークへの上記無線端末のアクセスがブロックされ得る。
【0017】
禁止レート修飾子を提供することにより、複数の無線端末に提供されるグローバル禁止レートに対して相対的に、無線端末のアクセス制御が修正され得る。例えば、同じグローバル禁止レートが複数の無線端末に提供され得るが、当該複数の無線端末の異なるサブセットについて異なる禁止レート修飾子が提供され得る。それ故、異なるサブセットの無線端末について、異なるアクセスの確率が提供され得る。
【0018】
本発明の他のいくつかの実施形態によれば、無線端末が、無線アクセスネットワークと通信するように構成され得る。上記無線端末は、禁止レート及び禁止レート修飾子を提供し、上記禁止レート及び上記禁止レート修飾子に応じて、上記禁止レートと異なる修正された禁止レートを提供する、ように構成されるプロセッサを備える。当該プロセッサは、さらに、上記無線アクセスネットワークへのアクセスの試行に応じて、ランダム数を提供し、上記ランダム数が上記修正された禁止レートの閾値を充足しないことに応じて、上記無線アクセスネットワークへのアクセスをブロックする、ように構成され得る。
【0019】
本発明のまた別の実施形態によれば、無線アクセスネットワークのノードにおいて、無線端末のアクセスを修正する方法が提供され得る。上記方法は、相互排他的な第1及び第2のサブセットの無線端末を含む複数の無線端末についての禁止レートを提供するように構成され得る。上記第1のサブセットの無線端末についての禁止レート修飾子が提供され、上記複数の無線端末についての上記禁止レート、及び上記第1のサブセットの無線端末についての上記禁止レート修飾子、が上記ノードから送信され得る。
【0020】
本発明のやはり別の実施形態によれば、無線アクセスネットワークのノードは、相互排他的な第1及び第2のサブセットの無線端末を含む複数の無線端末についての禁止レートを提供するように構成されるプロセッサを含み得る。上記プロセッサは、上記第1のサブセットの無線端末についての禁止レート修飾子を提供し、上記複数の無線端末についての上記禁止レート、及び上記第1のサブセットの無線端末についての上記禁止レート修飾子、の送信を開始する、ようにさらに構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本開示のさらなる理解を提供するために包含され本出願に取り入れられてその一部を構成する添付図面は、本発明のある非限定的な実施形態を例示する。図面において:
【0022】
図1】いくつかの実施形態に従って構成される通信システムのブロック図である。
図2図1のいくつかの実施形態に従って無線チャネル上で通信する基地局及び無線端末(UE)のブロック図である。
図3図1及び/又は図2のネットワークエレメントの動作を例示するフローチャートである。
図4図1及び/又は図2の無線端末の動作を例示するフローチャートである。
図5】本発明のいくつかの実施形態に係るネットワークエレメントの概略図である。
図6】本発明のいくつかの実施形態に係るネットワークエレメントの動作を例示するフローチャートである。
図7】本発明のいくつかの実施形態に係る無線端末の動作を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態の例が示されている添付図面を参照しながら、本発明についてより充分に以下に説明されるであろう。しかしながら、本発明は、多くの異なる形式で具現化されてよく、ここで説明される実施形態に限定されるものと解釈されるべきでない。むしろ、これら実施形態は、本開示を綿密かつ完全とするように、当業者に本発明の範囲が充分に伝わるように提供される。また、これら実施形態が相互排他的でないことにも留意すべきである。1つの実施形態からのコンポーネントは、他の実施形態において現れ/使用されるものと暗に想定され得る。
【0024】
例示及び説明のみの目的のために、本発明のこれら及び他の実施形態は、無線端末(UEともいう)との間で無線通信チャネル上で通信する無線アクセスネットワーク(RAN)において動作する、という文脈でここで説明される。しかしながら、本発明は、そうした実施形態に限定されず、概していかなるタイプの通信ネットワークにおいて具現化されてもよいことが理解されるであろう。ここで使用されるものとして、無線端末あるいはUEは、通信ネットワークからデータを受信する任意のデバイスを含むことができ、限定ではないものの、携帯電話(“セルラー”電話)、ラップトップ/ポータブルコンピュータ、ポケットコンピュータ、手持ち型コンピュータ、デスクトップコンピュータ、M2M(machine to machine)又はMTCタイプデバイス、無線通信インタフェースを有するセンサなどを含み得る。
【0025】
RANのいくつかの実施形態では、複数の基地局を無線ネットワークコントローラ(RNC)へ(例えば、地上回線又は無線チャネルで)接続することができる。基地局コントローラ(BSC)とも呼ばれることもある無線ネットワークコントローラは、そこに接続される複数の基地局の多様なアクティビティを監督し及び協調させる。無線ネットワークコントローラは、典型的には、1つ以上のコアネットワークに接続される。
【0026】
UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)は、GSM(Global System for Mobile Communications)から進化した第三世代移動体通信システムであり、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)技術に基づく改善された移動体通信サービスを提供することを意図される。UMTS地上無線アクセスネットワークの短縮形であるUTRANは、UMTS無線アクセスネットワークを作り上げるノードB及び無線ネットワークコントローラについての総称である。よって、UTRANは、本質的に、UEについて広帯域符号分割多重アクセスを用いる無線アクセスネットワークである。
【0027】
3GPP(Third Generation Partnership Project)は、UTRAN及びGSMベースの無線アクセス技術をさらに進化させることに着手した。この点において、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)についての仕様化が3GPP内で進行中である。E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)は、LTE(Long Term Evolution)及びSAE(System Architecture Evolution)を含む。
【0028】
なお、本発明の実施形態を例示するために本開示では3GPP(Third Generation Partnership Project)LTE(Long Term Evolution)からの用語が使用されるものの、それはそれらシステムのみに本発明の範囲を限定するものと理解されるべきではない。WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、WiMax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、UMB(Ultra Mobile Broadband)、HSDPA(High-Speed Downlink Packet Access)、GSM(Global System for Mobile Communications)などを含む他の無線システムもまた、ここで開示される本発明の実施形態を活用することからの恩恵を受け得る。
【0029】
また、基地局(eNodeBあるいは進化型NodeBともいう)及び無線端末(UEあるいはユーザ機器ともいう)などの用語は、非限定的であると解釈されるべきであって、それら2つの間の何らかの階層的な関係を示唆するものでないことに留意されたい。概して、基地局(例えば、“eNodeB”)及び無線端末(例えば、“UE”)は、ワイヤレス無線チャネル上で互いに通信するそれぞれ異なる通信デバイスの例であると見なされてよい。ここで議論される実施形態がeNodeBからUEへのダウンリンクでの無線送信に焦点を当て得る一方、本発明の実施形態は例えばアップリンクにも適用されてよい。
【0030】
図1は、本発明のいくつかの実施形態に従って動作するように構成される通信システムのブロック図である。LTE(Long Term Evolution)RANであり得る例としてのRAN60が示されている。LTE RANは、3GPP RANの一変種であって、そこでは無線基地局(例えばeNodeB)100は無線ネットワークコントローラ(RNC)ノードよりもむしろ1つ以上のコアネットワーク70へ直接的に接続される。LTEにおいて、無線ネットワークコントローラ(RNC)ノードの機能は、無線基地局100により実行される。無線基地局100は、それぞれの通信サービスセル(カバレッジエリアともいう)の内部にいる無線端末(ユーザ機器ノードあるいはUEともいう)200との間で、無線チャネル300上で通信する。無線基地局100は、当業者にとってはよく知られているように、X2インタフェースを通じて互いに、及びS1インタフェースを通じてコアネットワーク70との間で通信することができる。
【0031】
図2は、本発明のいくつかの実施形態に従って無線チャネル300上で通信する、図1の基地局100及び無線端末200のブロック図である。図示したように、基地局100は、プロセッサ101とアンテナ117(例えば、複数のアンテナを含むアンテナアレイ)との間に結合される送受信器109と、プロセッサ101に結合されるメモリ118とを含み得る。さらに、無線端末200は、アンテナ217(例えば、複数のアンテナを含むアンテナアレイ)とプロセッサ201との間に結合される送受信器209と、(例えば、ディスプレイ、タッチ反応型スクリーン、キーパッド、マイクロフォン、スピーカなどのうち1つ以上を含む)ユーザインタフェース221とを含み、プロセッサ201にはメモリ218が結合され得る。図2のエレメントは例示の手段で示されており、図示されたエレメントが省略されてもよく、及び/又は他のエレメントが含まれてもよい。M2M又はMTCタイプのデバイスでは、例えば、無線端末200のユーザインタフェースは省略されてもよい。このようにして、基地局100は、無線端末200でのアンテナ217及び送受信器209を通じた受信のために、送受信器109及びアンテナアレイ117を通じて通信信号を送信し、無線端末200は、基地局100でのアンテナ117及び送受信器109を通じた受信のために、送受信器209及びアンテナ217を通じて通信信号を送信し得る。
【0032】
ここで開示されるいくつかの実施形態によれば、無線アクセスネットワーク60は、異なるグループの無線端末に異なる禁止レート修飾子(barring rate modifiers)及び/又は異なるアクセス禁止期間修飾子(access barring duration modifiers)を提供することにより、異なるグループの無線端末(UE)について異なるアクセス制御パラメータを提供し得る。無線アクセスネットワーク60は、例えば、異なるサブセット(例えば、アクセスクラス)の無線端末(UE)について同じ禁止レート及び/又は同じアクセス禁止期間を提供してもよいが、無線アクセスネットワーク60は、異なるサブセット(例えば、アクセスクラス)の無線端末(UE)について異なる禁止レート修飾子及び/又は異なるアクセス禁止期間を提供し得る。そして、各無線端末は、(グローバル禁止レートと特定の無線端末のためのそれぞれの禁止レート修飾子と、に基づく及び/若しくはに応じた)修正された禁止レートを用いて、並びに/又は(グローバルアクセス禁止期間と特定の無線端末のためのそれぞれのアクセス禁止期間修飾子と、に基づく及び/若しくはに応じた)修正されたアクセス禁止期間を用いて、ネットワークアクセスを許容し/ブロックし得る。
【0033】
よって、基地局100のプロセッサ101は、複数の無線端末200について禁止レート及びアクセス禁止期間を提供するように構成され得る。より具体的には、複数の無線端末200は、第1のサブセットの無線端末(例えば、無線端末200a及び200b)並びに第2のサブセットの無線端末(例えば、無線端末200c及び200d)を含んでよく、第1及び第2のサブセットは相互排他的である。さらに、禁止レート及びアクセス禁止期間は、複数の無線端末200へ、無線チャネル300上で送受信器109及びアンテナアレイ117を通じてプロセッサ101から送信され得る。
【0034】
基地局100のプロセッサ101は、さらに、第1のサブセットの無線端末(例えば、無線端末200a及び200b)についての第1の禁止レート修飾子及び第1のアクセス禁止期間修飾子を提供し、並びに、第2のサブセットの無線端末(例えば、無線端末200a及び200b)についての(第1の禁止レート修飾子とは異なる)第2の禁止レート修飾子及び(第1のアクセス禁止期間修飾子とは異なる)第2のアクセス禁止期間修飾子を提供するように構成されてもよい。第1の禁止レート修飾子及び第1のアクセス禁止期間修飾子は、第1のサブセットの無線端末200a及び200bへ、無線チャネル300上で送受信器109及びアンテナアレイ117を通じてプロセッサ101から送信され、第2の禁止レート修飾子及び第2のアクセス禁止期間修飾子は、第2のサブセットの無線端末200c及び200dへ、無線チャネル300上で送受信器109及びアンテナアレイ117を通じてプロセッサ101から送信されてもよい。
【0035】
よって、同じ禁止レートを提供されている異なるサブセットの無線端末200a〜b及び200c〜dが異なる禁止レート修飾子に基づいて異なるアクセスの確率を提供され、及び/又は、同じアクセス禁止期間を提供されている異なるサブセットの無線端末200a〜b及び200c〜dが異なるアクセス禁止期間修飾子に基づいて異なる禁止期間を提供され得る。よって、第1のサブセットの無線端末200aは、禁止レート、第1の禁止レート修飾子、アクセス禁止期間、及び第1のアクセス禁止期間修飾子を受信し、第2のサブセットの無線端末200cは、禁止レート、第2の禁止レート修飾子、アクセス禁止期間、及び第2のアクセス禁止期間修飾子を受信し得る。
【0036】
例によれば、無線端末200aのプロセッサ201は、基地局100から、無線チャネル300上でアンテナ217及び送受信器209を通じて、禁止レート、第1の禁止レート修飾子、アクセス禁止期間、及び第1のアクセス禁止期間修飾子を受信し得る。無線端末200aのプロセッサ201は、さらに、禁止レート及び第1の禁止レート修飾子に応じて(当該禁止レートとは異なる)第1の修正された禁止レートを提供し/計算するように、並びに、アクセス禁止期間及び第1のアクセス禁止期間修飾子に応じて(当該アクセス禁止期間とは異なる)第1の修正されたアクセス禁止期間を提供し/計算するように構成され得る。
【0037】
無線アクセスネットワーク60へのアクセスの試行に応じて、無線端末200aのプロセッサ201は、ランダム数を提供し/生成し得る。当該ランダム数が第1の修正された禁止レートの閾値を充足する場合(例えば、当該ランダム数が第1の修正された禁止レートよりも低い場合)、無線端末200aのプロセッサ201は、無線アクセスネットワーク60へのアクセスを許容し得る。当該ランダム数が第1の修正された禁止レートの閾値を充足しない場合(例えば、当該ランダム数が第1の修正された禁止レートよりも大きい場合)、無線端末200aのプロセッサ201は、無線アクセスネットワーク60への無線端末200aのアクセスをブロックし得る。無線端末200aの無線アクセスネットワークへのアクセスをブロックすることに応じて、無線端末200aのプロセッサ201は、第1の修正されたアクセス禁止期間により定義される時間ピリオドにわたって、無線アクセスネットワーク60への無線端末200aのアクセスのブロックを継続し得る。第1のアクセス禁止期間が経過すると、無線端末200aは、無線アクセスネットワーク60へのアクセスの再度の試行を開始し得る。
【0038】
同様に、無線端末200cのプロセッサ201は、基地局100から、無線チャネル300上でアンテナ217及び送受信器209を通じて、禁止レート、第2の禁止レート修飾子、アクセス禁止期間、及び第2のアクセス禁止期間修飾子を受信し得る。無線端末200cのプロセッサ201は、さらに、禁止レート及び第2の禁止レート修飾子に応じて(当該禁止レートと等しく又は異なり、第1の修正された禁止レートとは異なる)第2の修正された禁止レートを提供し/計算するように、並びに、アクセス禁止期間及び第2のアクセス禁止期間修飾子に応じて(当該アクセス禁止期間とは異なり、第1の修正されたアクセス禁止期間とは異なる)第2の修正されたアクセス禁止期間を提供し/計算するように構成され得る。
【0039】
無線アクセスネットワーク60へのアクセスの試行に応じて、無線端末200cのプロセッサ201は、ランダム数を提供し/生成し得る。当該ランダム数が第2の修正された禁止レートの閾値を充足する場合(例えば、当該ランダム数が第2の修正された禁止レートよりも低い場合)、無線端末200cのプロセッサ201は、無線アクセスネットワーク60へのアクセスを許容し得る。当該ランダム数が第2の修正された禁止レートの閾値を充足しない場合(例えば、当該ランダム数が第2の修正された禁止レートよりも大きい場合)、無線端末200cのプロセッサ201は、無線アクセスネットワーク60への無線端末200cのアクセスをブロックし得る。無線端末200cの無線アクセスネットワークへのアクセスをブロックすることに応じて、無線端末200cのプロセッサ201は、第2の修正されたアクセス禁止期間により定義される時間ピリオドにわたって、無線アクセスネットワーク60への無線端末200cのアクセスのブロックを継続し得る。第2のアクセス禁止期間が経過すると、無線端末200cは、無線アクセスネットワーク60へのアクセスの再度の試行を開始し得る。
【0040】
よって、異なるサブセットの無線端末についてのネットワークアクセスが、同じ禁止レート及びアクセス禁止期間、但し異なる禁止レート修飾子及びアクセス禁止期間修飾子を用いて、決定され得る。さらに、同じサブセットの無線端末についての禁止レート修飾子及びアクセス禁止期間修飾子は、無線アクセスネットワーク60が異なる禁止レート修飾子及び/又はアクセス禁止期間修飾子を送信するに従って経時的に変化してもよい。図3及び図4のフローチャートを基準として、ネットワーク及び無線端末の動作がより詳細に以下に議論される。
【0041】
図3は、本発明のいくつかの実施形態に係る、基地局100などの無線アクセスネットワーク60のノードの動作を例示するフローチャートである。ブロック301において、基地局100のプロセッサ101は、相互排他的な第1及び第2のサブセットの無線端末200a〜b及び200c〜dを含む複数の無線端末200についての、グローバル禁止レート及びグローバルアクセス禁止期間を提供し/決定し得る。異なるサブセットの無線端末200a〜b及び200c〜dは、例えば、上で議論したような異なるアクセスクラスとして識別され得る。グローバル禁止レート及びグローバルアクセス禁止期間は経時的に(例えば、ブロック301を通る様々な反復において)変化し得る一方、同じグローバル禁止レート及びグローバルアクセス禁止期間が複数の無線端末の全てのサブセットのために提供され得る。
【0042】
例えば、プロセッサ101は、基地局100のキャパシティ/負荷に基づいて、グローバル禁止レート及びグローバルアクセス禁止期間を決定してよい。代替手段において、グローバル禁止レート及びグローバルアクセス禁止期間は、RAN60内及び/又はコアネットワーク70内の上位レベルのコントローラ/プロセッサ(例えば、移動性管理エンティティ/サービングゲートウェイあるいはMME/S−GW)から受信されてもよく、当該上位レベルのコントローラ/プロセッサは、複数の基地局に結合され、個別の基地局の外部のRAN60及び/又はコアネットワーク70の複数のエレメントにまたがってキャパシティ/負荷を考慮する。それ故、グローバル禁止レート及びグローバルアクセス禁止期間は、個別の基地局のキャパシティ/負荷に基づき、複数の基地局のキャパシティ/負荷に基づき、無線アクセスネットワーク60のキャパシティ/負荷に基づき、及び/又はRAN60に結合される1つ以上のコアネットワークのキャパシティ/負荷に基づき得る。代替的に、グローバル禁止レート及びグローバルアクセス禁止期間は、RAN若しくはコアネットワーク内の負荷を推定し/予測し、又はRAN及びコアネットワークの組合せにおける負荷を予測する何らかのアルゴリズムに基づいてもよい。
【0043】
グローバル禁止レートは、例えば、ゼロ以上1以下の確率を表現し得るものであり、より高い禁止レートは無線端末がネットワークアクセスを獲得し得るより高い確率を提供し、より低い禁止レートは無線端末がネットワークアクセスを獲得するより低い確率を提供する。グローバルアクセス禁止期間は、第1のアクセス試行が禁止された後に無線アクセスネットワーク60へのアクセスを試行し得る前に経過しなければならない時間を表現し得る。より高いグローバルアクセス禁止期間は、よって、無線端末のために許容されることになるRAN60へのアクセスの試行の頻度を低減し得る。
【0044】
ブロック303において、1つ又は複数のサブセット(1つ又は複数のアクセスクラス)の無線端末についてアクセスの修正が望ましい場合、プロセッサ101は、ブロック305において、少なくとも1つのサブセット(アクセスクラス)の無線端末のための禁止レート修飾子及びアクセス禁止期間修飾子を提供し/決定し得る。禁止レート修飾子は、ゼロ以上1以下の割合を表現してよく、アクセス禁止期間修飾子は、1以上の倍率を表現する。無線端末は、自身の禁止レート修飾子とグローバル禁止レートとの積として修正された禁止レートを計算し、アクセスの確率を低減し得る。また、無線端末は、自身のアクセス禁止期間修飾子とグローバルアクセス禁止期間との積として修正されたアクセス禁止期間を計算し、アクセス試行の頻度を低減させる。ある装置の禁止レート修飾子は禁止レートを修正せず、ある装置のアクセス禁止期間修飾子はアクセス禁止期間を修正しない。
【0045】
例によれば、プロセッサ101は、第1のサブセットの無線端末200a〜bについての第1の禁止レート修飾子(0<first_barring_rate_modifier<1)及び第1のアクセス禁止期間修飾子(0<first_acceess_barring_duration_modifier<1)を提供し、第2のサブセットの無線端末200c〜dについての第2の禁止レート修飾子(0<second_barring_rate_modifier<1)及び第2のアクセス禁止期間修飾子(0<second_acceess_barring_duration_modifier<1)を提供し得る。別の時点で、プロセッサ101は、第1のサブセットの無線端末についてのみの第1の禁止レート修飾子(0<first_barring_rate_modifier<1)及び第1のアクセス禁止期間修飾子(0<first_acceess_barring_duration_modifier<1)を提供し、第2のサブセットの無線端末について提供される第2の禁止レート修飾子は無し(又はsecond_barring_rate_modifier=1)、第2のアクセス禁止期間修飾子は無し(又はsecond_acceess_barring_duration_modifier=1)であり得る。
【0046】
そして、プロセッサ101は、ブロック307において、グローバル禁止レート、グローバルアクセス禁止期間、第1及び第2の禁止レート修飾子、並びに第1及び第2のアクセス禁止修飾子を含む送信されるべき情報ブロックを生成し得る。3GPPシステムにおいて、情報ブロックは、トランスポートブロックとして物理レイヤで送信され、アクセス禁止情報を含むこの固有の情報/トランスポートブロックは、システム情報ブロックあるいはSIBと称され得る。ブロック309において、当該情報ブロックは、(サブセット200a〜b及び200c〜dを含む)複数の無線端末へ、無線チャネル300上で送受信器109及びアンテナアレイ117を通じてプロセッサ101から送信され得る。情報ブロックのエレメントを適切なフィールドで及び/又は適切な識別子と共に提供することにより、異なるサブセットの無線端末は、当該情報ブロックから、適切な禁止レート修飾子及び/又はアクセス禁止期間修飾子を選択することが可能であり得る。
【0047】
ブロック303においてサブセット(アクセスクラス)についてアクセスの修正が必要でなければ、プロセッサ101は、ブロック311において、グローバル禁止レート及びグローバルアクセス禁止期間を含み、禁止レート修飾子又はアクセス禁止期間修飾子が提供されない情報ブロックを生成し得る。いくつかの実施形態によれば、禁止レート修飾子及びアクセス禁止期間修飾子のためのフィールドは、アクセスの修正が望まれず/必要とされない場合には省略されてよい。修正が望まれず/必要とされない場合に禁止レート修飾子及び/又はアクセス禁止期間修飾子のためのフィールドが情報ブロックから省略されると、無線端末は、情報ブロック内の修飾子の不在を認識し、グローバル禁止レート及び/又はグローバルアクセス禁止期間を修正することなくアクセスを提供し得る。
【0048】
他のいくつかの実施形態によれば、禁止レート修飾子及びアクセス禁止期間修飾子のためのフィールドには、修正が望まれず/必要とされない場合に1という既定値が設定され得る。禁止レート修飾子についての1という既定値を提供することにより、無線端末は、1という当該既定値を禁止レートと乗算し、当該禁止レートを変化させないでよい。同様に、アクセス禁止期間修飾子についての1という既定値を提供することにより、無線端末は、1という当該既定値をアクセス禁止期間と乗算し、当該アクセス禁止期間を変化させないでよい。ブロック309において、情報ブロックは、(サブセット200a〜b及び200c〜dを含む)複数の無線端末へ、無線チャネル300上で送受信器109及びアンテナアレイ117を通じてプロセッサ101から送信/ブロードキャストされ得る。
【0049】
プロセッサ101は、RAN60と通信中の無線端末の様々なサブセット(アクセスクラス)のための動的なアクセス制御を提供するために、図3の動作を何度も繰り返してよい。より具体的には、プロセッサ101は、ブロック303及び305を通じて、各繰り返しにおいて、禁止レート修飾子及び/又はアクセス禁止期間修飾子を再検討し得る。後続の繰り返しの間に、ブロック305を通じて、例えば、プロセッサ101は、第2のサブセットの無線端末についての第2の禁止レート修飾子及び第2のアクセス禁止期間修飾子を維持してもよい。一方で、プロセッサ101は、第1のサブセット(アクセスクラス)の無線端末200a〜bについての第3の禁止レート修飾子及び第3のアクセス禁止期間修飾子を提供し/決定してもよい。そして、プロセッサ101は、グローバル禁止レート、グローバルアクセス禁止期間、第1のサブセットの無線端末についての第3の禁止レート修飾子及び第3のアクセス禁止期間修飾子、並びに第2のサブセットの無線端末についての第2の禁止レート修飾子及び第2のアクセス禁止期間修飾子、を含む第2の情報ブロックを生成し得る。そして、第2の情報ブロックは、第1及び第2のサブセットの無線端末200a〜b及び200c〜dへ、無線チャネル300上で送受信器109及びアンテナアレイ117を通じてプロセッサ101から送信/ブロードキャストされ得る。
【0050】
それ故、同じグローバル禁止レート及び同じグローバルアクセス禁止期間が複数のサブセット(アクセスクラス)の無線端末に提供され得る一方、異なるサブセット(アクセスクラス)の無線端末に異なる禁止レート修飾子及び/又は異なるアクセス禁止期間修飾子が提供される。さらに言えば、同じグローバル禁止レート及び同じグローバルアクセス禁止期間を維持しつつ、同じサブセットの無線端末に、異なる時点で、異なる禁止レート修飾子及び/又は異なるアクセス禁止期間修飾子が提供されてもよい。よって、RAN60は、通信相手の無線端末の様々なサブセットについてのアクセスを、動的にかつ別個に制御し得る。
【0051】
図4は、本発明のいくつかの実施形態に係る、無線端末300の動作を例示するフローチャートである。上で議論したように、基地局100は、グローバル禁止レート、グローバルアクセス禁止期間、1つ以上の禁止レート修飾子及び1つ以上のアクセス禁止期間修飾子を各々が有する情報ブロック(例えば、トランスポートブロック、システム情報ブロックあるいはSIB)を送信し得る。アンテナ217及び送受信器209を通じてそうした情報ブロックを受信した後、無線端末200のプロセッサ201は、ブロック401において、情報ブロックのエレメントを識別することにより、グローバル禁止レート及びグローバルアクセス禁止期間を提供(例えば、読取り、引出し、取得し、受信する、など)し得る。ブロック403において、プロセッサ201は、情報ブロックのエレメントを識別することにより、禁止レート修飾子及びアクセス禁止期間修飾子を提供(例えば、読取り、引出し、取得し、受信する、など)し得る。上で議論したように、情報ブロックの指定されたフィールド及び/又は識別子によって、無線端末200を含むサブセット(アクセスクラス)の無線端末宛ての修飾子を、プロセッサ201が識別することが可能とされ得る。
【0052】
プロセッサ201は、ブロック405において(例えば、呼を開始し/受け付け、データを開始し/受け付けるなどのために)RAN60へ無線端末200がアクセスを試行するまで、ブロック405においてブロック401及び403を通るサイクルを行い得る。RAN60へのアクセスの試行が開始されると、ブロック407において、プロセッサ201は、グローバル禁止レート及び無線端末が属するサブセット(アクセスクラス)についての禁止レート修飾子に応じて、修正された禁止レートを提供し/計算する。また、ブロック407において、プロセッサ201は、グローバルアクセス禁止期間及び無線端末が属するサブセット(アクセスクラス)についてのアクセス禁止期間修飾子に応じて、修正されたアクセス禁止期間を提供し/計算する。
【0053】
より具体的には、修正された禁止レートは、グローバル禁止レート及び禁止レート修飾子の積として計算されることができる。禁止レートの修正が意図されていない場合、乗算後にグローバル禁止レートが不変に保たれるように1という禁止レート修飾子が提供されてもよく(即ち、基地局100から受信されてもよく)、又はプロセッサ201が乗算なしでグローバル禁止レートを使用し得るように情報ブロックから当該無線端末についての禁止レート修飾子が省略されてもよい。禁止レートの修正が意図される場合、1よりも小さい禁止レート修飾子が受信される情報ブロック内に提供され得る。
【0054】
同様に、修正されたアクセス禁止期間は、グローバルアクセス禁止期間及びアクセス禁止期間修飾子の積として計算されることができる。アクセス禁止期間の修正が意図されていない場合、乗算後にグローバルアクセス禁止期間が不変に保たれるように1というアクセス禁止期間修飾子が提供されてもよく(即ち、基地局100から情報ブロック内で受信されてもよく)、又はプロセッサ201が乗算なしでグローバル禁止レートを使用し得るように(情報ブロックで)送信されるべきシステム情報から当該無線端末についてのアクセス禁止期間修飾子が省略されてもよい。アクセス禁止期間の修正が意図される場合、1よりも小さいアクセス禁止期間修飾子が受信される情報ブロック内に提供され得る。
【0055】
そして、プロセッサ201は、ブロック409において、ランダム数を提供し/生成し、ブロック411において、当該ランダム数を修正された禁止レートと比較する。ブロック411においてランダム数が修正された禁止レートの閾値を充足する場合(例えば、ランダム数が修正された禁止レートよりも小さい場合)、RAN60へのアクセスの試行がブロック415において許容され得る。ブロック411においてランダム数が修正された禁止レートの閾値を充足しない場合(例えば、ランダム数が修正された禁止レートよりも大きい場合)、RAN60へのアクセスの試行がブロック417においてブロックされ得る。禁止レートの修正が提供されない場合、プロセッサ201は、ブロック411において、ランダム数をグローバル禁止レートと比較し得る。
【0056】
ブロック417及び419において、プロセッサ201は、修正されたアクセス禁止期間により(又は修正が必要とされず/望まれない場合にはグローバルアクセス禁止期間により)定義される時間ピリオドにわたって、無線アクセスネットワーク60へのアクセスのブロックを継続し得る。無線アクセスネットワーク60へのアクセスの試行のブロック後の禁止の期間を増加させるためにアクセス禁止期間修飾子を使用することで、当該アクセス禁止期間修飾子を受信する無線端末のサブセットによるアクセス試行の頻度は低減され得る。
【0057】
図4の動作は、無線端末の動的なアクセス制御を提供するために、いかなる回数だけ繰り返されてもよい。言い換えれば、ブロック401及び403の動作は無線アクセスネットワーク60から受信される各情報ブロックについて繰り返されてもよく、ブロック407、409、411、415、417及び419の動作は、無線端末が無線アクセスネットワーク60へのアクセスを試行する都度繰り返されてもよい。それ故、無線アクセスネットワークへのアクセスの異なる試行の間に、異なる禁止レート若しくは修正された禁止レート、及び/又は異なるアクセス禁止期間若しくは修正されたアクセス禁止期間が使用され得る。
【0058】
図4のフローチャートを通じた後続する繰り返しの間、例えば、基地局100は、グローバル禁止レート、グローバルアクセス禁止期間、当該無線端末についての第2の禁止レート修飾子、及び当該無線端末についての第2のアクセス禁止期間修飾子を含む他の情報ブロックを送信し得る。そうした情報ブロックのアンテナ217及び送受信器209を通じた受信後に、無線端末200のプロセッサ201は、当該情報ブロックのエレメントを識別することにより、ブロック401において、同じグローバル禁止レート及び同じグローバルアクセス禁止期間を維持し得る。ブロック403において、プロセッサ201は、情報ブロックのエレメントを識別することにより、(前回の禁止レート修飾子とは異なる)第2の禁止レート修飾子、及び(前回のアクセス禁止期間修飾子とは異なる)第2のアクセス禁止期間修飾子を提供し得る。ブロック407、409、411、415、417及び419の動作は、修飾子が変化する以外は、上で議論したものと同じであってよい。それ故、グローバル禁止レートが不変で保たれるとしても、異なるアクセス試行の間の異なる禁止レート修飾子に基づいて、ブロック407、409及び411で異なる禁止レートが適用され得る。同様に、グローバルアクセス禁止期間が不変で保たれるとしても、異なるアクセス試行の間の異なるアクセス禁止期間修飾子に基づいて、ブロック407、417及び419で異なるアクセス禁止レート期間が適用され得る。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態によれば、禁止レート修飾子及び/又はアクセス禁止期間修飾子は、よって、固有のサブセット(アクセスクラス)の無線端末を対象としてよく、それにより禁止レート修飾子及びアクセス禁止期間修飾子がRAN60と通信する無線端末の対象のサブセットに適用され、RAN60と通信する当該サブセットの外部の他の無線端末には適用されない。よって、RAN60は、RAN60と通信する異なるサブセット(アクセスクラス)に属する無線端末についての異なるアクセス制御特性を提供し得る。
【0060】
本発明のいくつかの他の実施形態によれば、禁止レート修飾子及び/又はアクセス禁止期間修飾子は、固有のクラスのサービス(例えば、音声サービス、データサービスなど)を対象としてもよい。例えば、禁止レート修飾子及び/又はアクセス禁止期間修飾子は、固有のサブセット(アクセスクラス)の無線端末についての固有のクラスのサービスを対象としてもよい。さらに言えば、異なるクラスのサービスについての異なる禁止レート修飾子及び/又は異なるアクセス禁止期間修飾子が、同じサブセット(アクセスクラスの無線端末について提供されてもよく、それにより、同じ無線端末のための異なるクラスのサービスに異なるアクセス制御特性が適用され得る。例えば、異なる禁止レート修飾子及び/又は異なるアクセス禁止期間修飾子が、(当該修飾子が対象とするサブセット又はアクセスクラスに属する)同じ無線端末から提供される音声サービス及びデータサービスのために提供されてもよい。
【0061】
本発明のまた別の実施形態によれば、禁止レート修飾子及び/又はアクセス禁止期間修飾子は、無線アクセスネットワーク60のサブネットワークの無線端末を対象としてもよい。例えば、サブネットワークは複数のPLMN(Public Land Mobile Networks)のうちの1つであってもよく、サブネットワークは無線事業者のネットワークによりホスティングされる移動体仮想事業者のネットワーク(MVNO)であってもよい。
【0062】
よって、本発明の実施形態は、無線アクセスネットワーク60によりブロードキャストされるアクセス制御パラメータ(例えば、禁止レート及び/又はアクセス禁止期間)を修正してRAN60内で過負荷防止及び/又は輻輳制御の仕組みを変更し得るような、サービス又は無線端末の少なくとも1つの特殊化(specialization)を提供し/生成し得る。
【0063】
複数の可能な実施形態は、異なるサブセット(例えば、異なるサービス/アクセスクラス)のデバイスをハンドリングするように、EAB(Extended Access Barring)の仕組みを修正し得る。1つの実施形態は、様々なサービス、デバイスクラス又は加入タイプに向けて、マルチメディアテレフォニー(MMTEL)についてのSSAC(Service Specific Access Control)を拡張することである。例えば、“エネルギーメータ”というタイプのデバイスとサービスタイプ“メータ読取り”とを有する2つのスマートグリッド事業者は、それぞれのスマートグリッドの運用のために異なるようにメータを使用することができる(例えば、一方は多量の揮発性エネルギー源を有していて自身のデバイスのためにより高優先度のシルバー加入タイプを選択し、他方はより低優先度のシルバー加入を選択する)。
【0064】
例によれば、(AC-BarringModifier(Service_or_Device_Class)ともいう)アクセス制御(AC)禁止レート修飾子及び(AC-BarringTimeMultiple(Service_or_Device_Class)ともいう)アクセス制御(AC)アクセス禁止期間修飾子は、特化した輻輳制御を保証する各サービスクラスに関連付けられ得る。上で議論したように、禁止レート修飾子、アクセス禁止期間修飾子、グローバル禁止レート及びグローバルアクセス禁止期間は、RAN60によって、トランスポートブロック、システム情報ブロックあるいはSIBといった情報ブロック内で送信され得る。当該サービス又はデバイスクラスに対応する無線端末(UE)は、当該修飾子を用いて、グローバルブロードキャストパラメータ(例えば、AC-BarringFactor(SIB)ともいうグローバル禁止レート、及びAC BarringTime(SIB)ともいうグローバルアクセス禁止期間)を修正することになる。(AC-BarringFactorともいう)修正された禁止レートは、禁止レート修飾子とグローバル禁止レートとの積として計算され得る(即ち、AC-BarringFactor=AC-BarringFactor(SIB)*AC-BarringModifier(Service_or_Device_Class))。修正されたアクセス禁止期間は、アクセス禁止期間修飾子とグローバルアクセス禁止期間との積として計算され得る(即ち、AC-BarringTime=AC-BarringTime(SIB)*AC-BarringTimeMultiple(Service_or_Device_Class))。
【0065】
EABがアクティブである場合の例として、禁止レートのためのグローバル(既定)値(AC-BarringFactor(SIB))及びアクセス禁止期間(AC-BarringTime(SIB))は、それぞれ0.5(50%)及び4秒である。禁止レート修飾子(AC-BarringModifier(Service_or_Device_Class))が1/10(0.1)、アクセス禁止期間修飾子(AC-BarringTimeMultiple(Service_or_Device_Class))が2であれば、修正された禁止レート(AC-BarringFactor)は5%(0.05)まで低減され、修正されたアクセス禁止期間(AC-BarringTime)は8秒にまで増加されることになる。それ故、この特殊なサービスクラス(例えば、相対的に優先度の低いセンサのクラス)に属する無線端末は、RAN60へのアクセスの全ての試行の5%のみを成功裏に完了させ、RAN60へのアクセス試行の失敗の後、無線端末は、少なくとも8秒にわたって、後続する試行からブロックされることになる。
【0066】
いくつかの実施形態において、AC-BarringForMO-Data(Access Control Barring for Mobile Originating Data)のAC-BarringForMO-Signaling(Access Control Barring for Mobile Originating Signaling)がアクティブ化される場合、AC-BarringFactor及びAC-BarringTimeのための既定のEABパラメータは、RANへのアクセス試行の成功裏の完了の確率の観点及び時間(秒)の観点の双方において、100%(1)と解釈されることになる。2011年9月の3GPP TS36.331,V10.3.0を参照されたい。その理由は、個別の特定のサービスクラスがアクセス制限の対象である場合には当該個別の特定のサービスクラスに属しない無線/移動端末を制限する必要性が無いであろうためである。
【0067】
レガシーネットワークにおいて、EABは、E−UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)仕様のリリース10の通りに、ハンドリングされてよい。
【0068】
追加的な実施形態は、複数のサービスクラスを定義してよく、各サービスクラスには、それぞれのAC-BarringModifier及びAC-BarringTimeMultipleが提供される。
【0069】
また別の実施形態は、MVNO(Mobile Virtual Network Operator)に本発明のコンセプトを拡張してよく、その場合、ホスティング側のPLMNによりブロードキャストされるトップレベルのパラメータを変更するために、禁止レート修飾子及び/又はアクセス禁止期間修飾子が使用される。それに応じて、異なる仮想事業者について、異なる禁止レート修飾子及び/又はアクセス禁止期間修飾子が使用され得る。
【0070】
いくつかの追加的な実施形態に寄れば、AC-BarringModifier及びAC-BarringTimeMultipleは地理的に変化してもよく、その場合、特定のサービスクラス及び/又はデバイスクラスからの負荷を用いて、セル(若しくは基地局)、ロケーションエリア、及び/又はルーティングエリアのための輻輳制御戦略又は過負荷防止が決定される。同じクラスのサービス/デバイス(例えば、電子メータ)について、RAN60及び/又はコアネットワーク70は、(相対的に電子メータの少ない)過疎な(rural)セルと(相対的に電子メータの多い)過密/準過密(urban/suburban)なセルについて異なるAC-BarringModifier及び/又はAC-BarringTimeMultipleを提供し得る。
【0071】
いくつかの他の実施形態によれば、サービスクラス/デバイスクラスについてのAC-BarringModifier及びAC-BarringTimeMultipleは、1日の経過に沿って変化してもよく、それにより、1日のある時間帯においてあるサービス/デバイスがより高い又はより低いアクセス優先度を有することができる。例えば、センサなどのあるM2M又はMTCデバイスは、1日のある時間帯に、より頻繁に測定結果を成功裏に報告するように構成され得る。より具体的には、交通量測定機には、交通量の多い期間中(例えば、ラッシュアワーの間)に、より高いAC-BarringModifierとより低いAC-BarringTimeMultipleとが提供され得る。
【0072】
いくつかの追加的な実施形態は、無線セル(基地局)及び/又は隣接無線セル(基地局)における負荷に依存して、サービスクラス/デバイスクラスについてのAC-BarringModifier及びAC-BarringTimeMultipleを変化させ得る。それにより、無線セルの負荷は、無線送信キャパシティの利用率、バックホールネットワークの利用率、無線ノードの処理負荷、又は無線ノードのメモリ使用率に沿うことができる。例えば、低いアクセス禁止確率(即ち、高いAC-BarringModifier)及び低いアクセス禁止時間(期間)がアクセス遅延を低減することを可能とするために負荷の低い無線セルに提供され、高いアクセス禁止確率(即ち、低い禁止レート)及び高いアクセス禁止時間(AC-BarringTimeMultiple)がセルの負荷を低減するために負荷の高い(例えば、負荷が何らかの負荷閾値を上回る場合の)無線セルに提供され得る。
【0073】
またさらなる実施形態によれば、RAN60をホームPLMNとしてそこで動作中の無線端末について、RAN60内で動作するローミング中の(即ち、異なるホームPLMNを有する)無線端末とは対照的な、異なるAC-BarringModifier及びAC-BarringTimeMultipleが提供されてもよい。言い換えれば、RAN60内でそこをホームネットワークとして動作している無線端末は、RAN60内でローミング中の無線端末に対して相対的に、優先的に(例えば、より高いAC-BarringModifier及びより低いAC-BarringTimeMultipleで)扱われてもよい。さらに言えば、ローミング中の無線端末の中でも、当該無線端末のホームPLMNがRAN60の優先PLMNのリストにあるか否かに依存して、AC-BarringModifier及びAC-BarringTimeMultipleが異なるように設定されてもよい。
【0074】
本発明のさらなる実施形態において、AC-BarringModifier及びAC-BarringTimeMultipleは、異なるコアネットワークを運用し但しRAN60又はそのエレメントを共用する異なるサービス事業者/プロバイダに加入する無線端末について異なるように設定されてもよい。例えば、AC-BarringModifier及びAC-BarringTimeMultipleは、コアネットワーク70内の負荷(コアネットワークノード内の処理負荷、コアネットワークノード内のメモリ使用率、又はトランスポートネットワーク利用率であってよい)に従って設定されてよい。RAN60が無線アクセスネットワーク60に接続されるそれぞれ異なるコアネットワークを使用する複数の事業者/プロバイダにより共用される場合、AC-BarringModifier及びAC-BarringTimeMultipleは、それぞれのコアネットワークのコアネットワーク負荷に依存して、異なるコアネットワークに接続する無線端末について異なるように設定されてもよい。
【0075】
さらに言えば、上で議論した実施形態は、UTRAN及び/又はE−UTRAN無線通信システムに適用されてもよい。加えて、異なるサービスクラス/デバイスクラス、PLMNロケーションの観点でのユーザのタイプ、及び/又は共用されるRANの観点での事業者、に基づくAC-BarringModifier及びAC-BarringTimeMultipleの値が、例えばトランスポートブロック、標準化されたシステム情報ブロックあるいはSIBといった情報ブロックのエレメントとして、基地局からセル内へブロードキャストされてもよい。
【0076】
また別の実施形態によれば、異なるサービスクラス/デバイスクラス、PLMNロケーションの観点でのユーザのタイプ、及び/又は共用されるRANの観点での事業者、に基づくAC-BarringModifier及びAC-BarringTimeMultipleの値が、デバイスのメモリ内にハードコードされてもよい。
【0077】
またさらなる実施形態によれば、異なるサービスクラス/デバイスクラス、PLMNロケーションの観点でのユーザのタイプ、及び/又は共用されるRANの観点での事業者、に基づくAC-BarringModifier及びAC-BarringTimeMultipleの値が、無線端末がネットワークへ接続される際に、ネットワーク内に位置するデバイス管理サーバにより制御される(OMAあるいはOpen Mobile Allianceのデバイス管理などの)デバイス管理手続を用いて、無線端末において構成されてもよい。
【0078】
またさらなる実施形態によれば、EABのために構成されない無線端末は、EABのために構成される上で議論した無線端末とは異なるAC-BarringModifier及びAC-BarringTimeMultipleを有していてもよい。
【0079】
よって、本発明のいくつかの実施形態は、移動体無線ネットワークのための輻輳制御及び/又は過負荷防止の仕組みを提供し得る。それら仕組みは、異なるサービスクラス/デバイスクラスにグループ化されるMTCデバイス及び/又は無線端末にサービスを提供するネットワークにおいて特に有益であり得る。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態は、アクセス制御分類(Access Control Classification)空間全体が任意のMTCデバイスについて使用されることを許容し、デバイスがサポートするより上位のレイヤのサービスのタイプに依存して、異なるデバイスのアクセス確率を別々にするという柔軟性を事業者に提供し得る。
【0081】
ホームかローミング中かという無線端末のステータスに依存してアクセス制御が変化する実施形態では、ネットワーク事業者は、自身がオーナであるユーザ/加入者(即ち、RAN60内でそこをホームPLMNとして動作中の無線端末)に、他の事業者ネットワークの加入者であるローミング中の無線端末に対して相対的に、優先的なアクセス(例えば、高いアクセス確率)を提供するという柔軟性を有し得る。さらに言えば、RAN60と通信する異なるローミング中の無線端末の間での差別化が提供されてもよい。例えば、RAN60の事業者との相互協定を有する他のネットワーク事業者からローミング中の無線端末に、RAN60の事業者との相互協定を有しない他のネットワーク事業者からローミング中の無線端末に対して相対的に、優先アクセス制御が提供されてもよい。
【0082】
異なるコアネットワークを運用し但しRAN60(又はそのエレメント)を共用する異なるサービス事業者/プロバイダに加入する無線端末について異なるAC-BarringModifier及び/又はAC-BarringTimeMultipleが使用されるという実施形態において、RAN60の事業者/オーナのための柔軟性があってもよい。例えば、RAN60の事業者/オーナ及び相対的にキャパシティのより高いコアネットワーク70は、自身の加入者/顧客の無線端末に、キャパシティのより低いコアネットワークを用いつつ但しRAN60を共用する他の事業者/オーナの加入者/顧客である他の無線端末に対して相対的に、より高いアクセス確率を提供するように、AC-BarringModifier及び/又はAC-BarringTimeMultipleを割り当てることができる。
【0083】
図5は、本発明のいくつかの(3GPP TS36.300に従う)E−UTRAN準拠の実施形態に係る、RAN及びコアネットワークエレメントの配置/アーキテクチャを例示する図である。図示したように、1つ以上のMME/S−GW(移動性管理エンティティ/サービングゲートウェイ)ノードが、同じ又は異なるコアネットワーク70のエレメントとして提供され、eNB(eNodeB)基地局ノードが、図1に示したように、RAN60のエレメントとして提供され得る。よって、コアネットワーク70の1つ以上のMME/S−GWノードは、RAN60のeNB基地局ノードを通じて通信を行う無線端末についての、AC-BarringFactors、AC-BarringTimes、AC-BarringModifiers及び/又はAC-BarringTimeMultiplesの割り当てを制御し得る。E−UTRAN内の及び/又はコアネットワーク内の負荷条件が許容する場合、RAN60の1つ以上のeNBが、RAN60の1つ以上のeNBそれぞれと通信する無線端末について、AC-BarringFactors、AC-BarringTimes、AC-BarringModifiers及び/又はAC-BarringTimeMultiplesの割り当てを制御してもよい。
【0084】
図6は、本発明のいくつかの実施形態の方法がE−UTRAN準拠のRAN内で実行される場合に関係するネットワーク(例えば、基地局)の動作を例示している。例えば、アクセス禁止パラメータ(例えば、AC-BarringFactors、AC-BarringTimes、AC-BarringModifiers及び/又はAC-BarringTimeMultiples)をブロードキャストするための情報/トランスポートブロックとして、E−UTRANシステム情報ブロック2(SIB−2)が使用され得る。ブロック601において、eNB及び/又はMME/S−GWは、RAN60と通信する1つ以上のサブセット(アクセスクラス)の無線端末についてのAC-BarringModifiers及び/又はAC-BarringTimeMultiplesをオプションとして決定し得る。ブロック603において、eNB及び/又はMME/S−GWは、AC-BarringModifiers及び/又はAC-BarringTimeMultiplesが補助的サービス又はPLMNについて利用可能であるかを判定し得る。利用可能でない場合、アクセス制御の修正はブロック605において無視され得る。利用可能である場合、eNB及び/又はMME/S−GWは、ブロック607において、システム情報として、アクセス禁止情報エレメント(例えば、AC-BarringFactor、AC-BarringTime、AC-BarringModifier(s)及び/又はAC-BarringTimeMultiple(s))を提供し得る。ブロック609において、eNB及び/又はMME/S−GWは、システム情報を含み、より具体的にはアクセス禁止情報エレメント(例えば、AC-BarringFactor、AC-BarringTime、AC-BarringModifier(s)及び/又はAC-BarringTimeMultiple(s))を含む情報/トランスポートブロック(例えば、SIB−2トランスポートブロック)を構築し得る。ブロック611において、eNBは、通信相手の無線端末へ、当該情報ブロック/トランスポートブロック(例えば、SIB−2)をブロードキャストし得る。E−UTRANを基準とした議論が行われているが、本発明の実施形態は、SIB−3を用いて送信され/ブロードキャストされるアクセス禁止パラメータと共にUTRANを用いて実装されてもよい。
【0085】
図7は、禁止情報の受信後の、いくつかの実施形態に係るアクセス制御に関する無線端末(UE)の動作を例示しており、そこでは、無線端末(UE)がMTCデバイスのアクセスクラスを定義するPLMNに属し得る。RAN60からのアクセス禁止パラメータ(例えば、AC-BarringFactor、AC-BarringTime、AC-BarringModifier及び/又はAC-BarringTimeMultiple)を含む情報/トランスポートブロック(例えば、SIB)の受信後に、無線端末(UE)のプロセッサ201は、ブロック701において、情報/トランスポートブロックからシステム情報を読み出し得る。ブロック703において情報/トランスポートブロック(例えば、システム情報ブロックあるいはSIB)内にAC-BarringFactorが無ければ、無線端末は、ブロック719及び721においてアクセスの試行をブロックすることなく(例えば、AC-BarringTime=0)動作し得る。言い換えれば、当該無線端末は、ランダム数を生成し又は当該ランダム数を(修正されているかに関わらず)禁止レート若しくは禁止ファクタと比較することなく、全てのアクセス試行を完了させることを許容され得る。
【0086】
ブロック703において情報/トランスポートブロック(例えば、システム情報ブロックあるいはSIB)内にAC-BarringFactorが含まれていれば、無線端末は、ブロック705において、AC-BarringFactorを100%又は1(AC-BarringFactor=100%)に等しく設定し、及びAC-BarringTimeを1(AC-BarringTime=1)に設定し得る。ブロック707において、AC-BarringModifierが無ければ、無線端末はサービスのために利用不能であるか、無線端末は外部のPLMNに属さず、無線端末は、ブロック717においてアクセス制御用のBarringFactors及び/又はBarringTimesを無視することにより継続することができる。ブロック707において、AC-BarringModifierがあれば、無線端末はサービスのために利用可能であるか、又は無線端末は外部のPLMNに属し、無線端末は、ブロック709において、情報/トランスポートブロック内で受信したグローバルAC-BarringFactor(AC-BarringFactor(SIB))及びAC-BarringModifierの積として、修正されたAC-BarringFactorを計算し得る。ブロック711において、無線端末は、情報/トランスポートブロック内で受信したグローバルAC-BarringTime(SIB)及びAC-BarringMultipleの積として、修正されたAC-BarringTimeを計算し得る。ブロック715において、無線端末は、ブロック709及び後続のアクセス試行のためのブロック722からの修正されたAC-BarringFactor及び修正されたAC-BarringTimeを用いて、動作を継続し得る。
【0087】
例としての実施形態が、ここでは、ブロック図並びに/又はフローチャートの、コンピュータ実装の方法、装置(システム及び/若しくはデバイス)及び/若しくはコンピュータプログラムプロダクトの例示を参照しながら説明される。ブロック図及び/又はフローチャートの例示のブロック、並びにブロック図及び/又はフローチャートの例示のブロックの組合せは、1つ以上のコンピュータ回路により実行されるコンピュータプログラム命令によって実装されることができることが理解される。それらコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ回路、特殊目的コンピュータ回路、及び/又は他のプログラム可能なデータ処理回路のプロセッサ回路に提供されて、コンピュータのプロセッサ及び/又は他のプログラム可能なデータ処理装置を介して実行される当該命令がトランジスタ、メモリロケーション内に記憶される値、及びそうした回路内の他のハードウェア部品を変形させ制御するように、マシンを生み出し、ブロック図及び/又はフローチャートの1つ又は複数のブロックにおいて特定した機能/動作を実装し、それにより、ブロック図及び/又はフローチャートのブロックにおいて特定した機能/動作を実装するための手段(機能性)及び/又は構造が生成される。
【0088】
また、これらコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置を特定の形で機能させるように指示することのできる有形のコンピュータ読取可能な媒体に記憶されてもよく、それにおり、コンピュータ読取可能な媒体内に記憶される命令は、ブロック図及び/又はフローチャートの1つ又は複数のブロックにおいて特定した機能/動作を実装する命令を含む製品を生み出す。それ故、本発明の実施形態は、ハードウェア、及び/又は、“回路”、“モジュール”若しくはそれらの派生として総称され得るデジタル信号プロセッサなどのプロセッサ上で実行される(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)ソフトウェアで具現化され得る。
【0089】
また、いくつかの代替的な実装において、ブロックに記述した機能/動作は、フローチャート内で記述した以外の順序で発生し得ることにも留意すべきである。例えば、連続して示された2つのブロックは、実際には実質的に並列的に実行されてもよく、又は、関係する機能性/動作に依存して、当該ブロックは逆の順序で実行されることがあってもよい。さらに言えば、フローチャート及び/若しくはブロック図の所与のブロックの機能性は複数のブロックに分離されてもよく、並びに/又はフローチャート及び/若しくはブロック図の2つ以上のブロックの機能性は少なくとも部分的に集約されてもよい。最後に、図示されたブロックの間に他のブロックが追加され/挿入されてもよく、及び/又は本発明の範囲から逸脱することなくブロック/動作が省略されてもよい。さらに言えば、通信の主な方向を示すために通信パス上の矢印をいくつかの図は含むものの、通信は図示された矢印とは反対方向に発生してもよいことが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7