(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
薬学的に許容できる担体と、プラミペキソール(pramipexole)とラサジリン(rasagiline)の固定投与量薬剤組合せでなるパーキンソン病の治療に使用されるパーキンソン病医薬組成物であって、
前記固定投与量薬剤組合せは、プラミペキソールの治療量以下とラサジリンの治療量以下で、プラミペキソールの量がラサジリンの量より低く、ラサジリンに対するプラミペキソールのモル比が1:1.2〜1:10の範囲であり、プラミペキソールの量が0.05mg〜0.6mgであることを特徴とする医薬組成物。
前記固定投与量薬剤組合せは、プラミペキソールが0.05、0.055、0.06、0.065、0.07、0.075、0.08、0.085、0.09、0.095、0.1、0.105、0.11、0.115、0.12、0.125、0.13、0.135、0.14、0.145、0.15、0.155、0.16、0.165、0.17、0.175、0.18、0.185、0.19、0.195、0.2、0.205、0.21、0.215、0.22、0.225、0.23、0.235、0.24、0.245、0.25、0.255、0.26、0.265、0.27、0.275、0.28、0.285、0.29、0.295、0.3、0.305、0.31、0.315、0.32、0.325、0.33、0.335、0.34、0.345、0.35、0.355、0.36、0.365、0.37、0.375、0.38、0.385、0.39、0.395、0.4、0.405、0.41、0.415、0.42、0.425、0.43、0.435、0.44、0.445、0.45、0.455、0.46、0.465、0.47、0.475、0.48、0.485、0.49、0.495、0.5、0.505、0.51、0.515、0.52、0.525、0.53、0.535、0.54、0.545、0.55、0.555、0.56、0.565、0.57、0.575、0.58、0.585、0.59、0.595、または0.6mg、及びラサジリンが0.05、0.055、0.06、0.065、0.07、0.075、0.08、0.085、0.09、0.095、0.1、0.105、0.11、0.115、0.12、0.125、0.13、0.135、0.14、0.145、0.15、0.155、0.16、0.165、0.17、0.175、0.18、0.185、0.19、0.195、0.2、0.205、0.21、0.215、0.22、0.225、0.23、0.235、0.24、0.245、0.25、0.255、0.26、0.265、0.27、0.275、0.28、0.285、0.29、0.295、0.3、0.305、0.31、0.315、0.32、0.325、0.33、0.335、0.34、0.345、0.35、0.355、0.36、0.365、0.37、0.375、0.38、0.385、0.39、0.395、0.4、0.405、0.41、0.415、0.42、0.425、0.43、0.435、0.44、0.445、0.45、0.455、0.46、0.465、0.47、0.475、0.48、0.485、0.49、0.495、0.5、0.505、0.51、0.515、0.52、0.525、0.53、0.535、0.54、0.545、0.55、0.555、0.56、0.565、0.57、0.575、0.58、0.585、0.59、0.595、0.6、0.605、0.61、0.615、0.62、0.625、0.63、0.635、0.64、0.645、0.65、0.655、0.66、0.665、0.67、0.675、0.68、0.685、0.69、0.695、0.7、0.705、0.71、0.715、0.72、0.725、0.73、0.735、0.74、0.745、0.75、0.755、0.76、0.765、0.77、0.775、0.78、0.785、0.79、0.795、0.8、0.805、0.81、0.815、0.82、0.825、0.83、0.835、0.84、0.845、0.85、0.855、0.86、0.865、0.87、0.875、0.88、0.885、0.89、0.895、0.9、0.905、0.91、0.915、0.92、0.925、0.93、0.935、0.94、0.945、0.95、0.955、0.96、0.965、0.97、0.975、0.98、0.985、0.99、0.995、または1mgであることを特徴とする請求項5に記載の医薬組成物。
前記医薬組成物が、一体化マトリックスである錠剤、好ましくは二層または多層の錠剤、マトリックス錠剤、崩壊性錠剤、溶解性錠剤、または噛み砕き錠剤、であるか、カプセルまたは小袋であり、好ましくは細粒、粒、ビーズ、または小片を充填したカプセルまたは小袋、もしくはポリ(D,L−ラクチド)(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、およびポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコライド)(PLGA)のような生分解性ポリマーの貯蔵システムの形状であることを特徴とする請求項7に記載の医薬組成物。
(1)不活性な小片核と、(2)前記小片核をコーティングし、プラミペキソール、ラサジリンまたはその両方、またはそれらの薬学的に許容される塩の活性成分、および、任意に適切な結合剤および/またはフィルム形成ポリマーが混合され、さらに、任意に滑剤が混合されてなる薬剤層と、(3)任意に、前記薬剤層を隔離/保護するサブコーティング層と、(4)サブコーティング層があるときにはサブコーティング層に、または薬剤層にコーティングされた徐放コーティング層と、を含む徐放性小片を含むことを特徴とする請求項9に記載の医薬組成物。
(1)前記結合剤が、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、微結晶セルロースまたはそれらの組合せであり、
(2)前記フィルム形成ポリマーが、PVP、HPMC、HPC、微結晶セルロース、またはそれらの組合せであり、
(3)前記滑剤が、タルク、コロイド状二酸化ケイ素、グリセリルモノステアレート、またはそれらの組合せであり、
(4)前記pH非依存性ポリマーが、エチルセルロース、スリリース(Surelease、登録商標)、ユードラジットRL(Eudragit RL、登録商標)、ユードラジットRS(Eudragit RS、登録商標)、ユードラジットNE(Eudragit NE、登録商標)、またはそれらの組合せであり、
(5)前記pH依存性腸溶性コーティングポリマーが、ユードラジットS(Eudragit S、登録商標)、ユードラジットL55(Eudragit L55、登録商標)、コリコート(Kollicoat、登録商標)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース・フタレート(HPMCP)、アルギネート、カルボキシメチルセルロース、またはそれらの組合せであり、
(6)前記孔形成剤が、PVP、PEG、HPMC、HPC、メチルセルロース、1、2−プロピレングリコール、ラクトース、スクロース、タルク、またはそれらの組合せであり、
(7)前記親水性放出調整ポリマーが、HPMC、HPC、PVP、PEG、またはそれらの組合せであり、
(8)前記可塑剤が、ジブチルセバケート(dibutyl sebacate)、ジブチルフタレート(dibutyl phthalat)、トリエチルシトレート(triethylcitrate)およびトリアセチン(triacetin)のようなクエン酸エステル類、プロピレングリコール、PEG、ポリ(プロピレングリコール)およびポリ(エチレン/プロピレングリコール)のような低分子量ポリ(アルキレンオキシド)、またはそれらの組合せである、
ことを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の医薬組成物。
前記徐放性小片は、1つ以上の適切な付形剤と混合してカプセルに充填または錠剤に圧縮成型され、そのカプセルまたは錠剤に、プラミペキソールを含む徐放性小片とラサジリンを含む徐放性小片、またはプラミペキソールとラサジリンの両方を含む徐放性小片を含有することを特徴とする請求項9乃至14のいずれか1項に記載の医薬組成物。
前記カプセルまたは錠剤が、ラサジリンに対するプラミペキソールのモル比が1:1.2〜1:5又は1:1.2〜1:3の範囲でプラミペキソール担持の小片とラサジリン担持の小片をで含む、又はラサジリンに対するプラミペキソールのモル比が1:1.2〜1:5又は1:1.2〜1:3の範囲でプラミペキソールとラサジリンの両方を担持した小片を含む、請求項16に記載の方法。
前記カプセル又は錠剤が、ラサジリンに対するプラミペキソールのモル比が1:1.2〜1:3の範囲でプラミペキソール担持の小片とラサジリン担持の小片を含む、又はラサジリンに対するプラミペキソールのモル比が1:1.2〜1:3の範囲でプラミペキソールとラサジリンの両方を担持した小片を含む、請求項16に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、典型的に現在では単一薬剤で使用されず、漸増投与で使用されるドーパミンアゴニストを、種々の量のモノアミンオキシダーゼB(MAOB)阻害剤と組合せて、2つの薬剤の作用機構間の相乗効果により非常に低い投与量で使用することが可能であるという発見に基づている。
【0012】
この発見によって、患者に対し同等な効能を維持しつつ、プラミペキソールの投与量を減少し、ドーパミンアゴニスト(DA)が引き起こす悪影響の危険を回避することができる。このようにして、有意義な抗パーキンソン効果と良好な安全プロフィールに関係したラサジリンとプラミペキソールの組合せの最適投与量をより正確に決定することができる。
【0013】
本発明によると、プラミペキソールとラサジリン、またはそれらの薬学的に許容できる塩を治療量以下含む固定投与量薬剤組合せは、単独投与したときに本質的な治療効果がでないプラミペキソールの投与量と、単独投与したときに本質的な治療効果がでないラサジリンの投与量で、かつプラミペキソールがラサジリンより低いかラサジリンと同じ投与量で、パーキンソン病治療において効果がある。
【0014】
ここに用いた用語“固定投与量薬剤組合せ”は、2つの異なる薬剤、この場合はラサジリンとプラミペキソールが正確な比率、すなわち固定投与量の単一投薬製剤である。
【0015】
ここに用いた用語“治療量以下”は、疾病を治療するために一般に使用される有効な単一薬剤での投与量以下、または、典型的に現在では有効な単一薬剤では使用されない投与量であり、プラミペキソールとラサジリンの両方の場合で約1mg/日である。
【0016】
特に、プラミペキソールのラサジリンに対するモル比は、1:1〜1:20、1:1〜1:10、1:1〜1:5、1:1〜1:3、または1:1〜1:2の範囲から選ばれる。
【0017】
ある実施形態では、プラミペキソールのラサジリンに対するモル比は、1:1.1〜1:20、1:1.1〜1:10、1.1〜1:5、1.1〜1.3、または1:1.1〜1:2の範囲から選ばれる。特にこの比は、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1;1.9、1:2.0、1:2.1、1:2.2、1:2.3、1:2.4、1:2.5、1:2.6、1:2.7、1:2.8、1:2.9および1:3.0のグループから選ばれる。
【0018】
ある実施形態では、固定投与量薬剤組合せは、プラミペキソールの投与量がラサジリンの投与量より低いまたは同じとして、プラミペキソールが0.05mg〜1.0mg、およびラサジリンが0.05mg〜1.0mg含有する。
【0019】
ある実施形態では、固定投与量薬剤組合せは、プラミペキソールが0.1mg〜0.6mg、そしてラサジリンが0.1mg〜0.75mgの間で含んでいる。
【0020】
ある実施形態では、固定投与量薬剤組合せは、上に定義したようなプラミペキソールの投与量がラサジリンの投与量より低いまたは同じとして、プラミペキソールを0.05、0.055、0.06、0.065、0.07、0.075、0.08、0.085、0.09、0.095、0.1、0.105、0.11、0.115、0.12、0.125、0.13、0.135、0.14、0.145、0.15、0.155、0.16、0.165、0.17、0.175、0.18、0.185、0.19、0.195、0.2、0.205、0.21、0.215、0.22、0.225、0.23、0.235、0.24、0.245、0.25、0.255、0.26、0.265、0.27、0.275、0.28、0.285、0.29、0.295、0.3、0.305、0.31、0.315、0.32、0.325、0.33、0.335、0.34、0.345、0.35、0.355、0.36、0.365、0.37、0.375、0.38、0.385、0.39、0.395、0.4、0.405、0.41、0.415、0.42、0.425、0.43、0.435、0.44、0.445、0.45、0.455、0.46、0.465、0.47、0.475、0.48、0.485、0.49、0.495、0.5、0.505、0.51、0.515、0.52、0.525、0.53、0.535、0.54、0.545、0.55、0.555、0.56、0.565、0.57、0.575、0.58、0.585、0.59、0.595、0.6、0.605、0.61、0.615、0.62、0.625、0.63、0.635、0.64、0.645、0.65、0.655、0.66、0.665、0.67、0.675、0.68、0.685、0.69、0.695、0.7、0.705、0.71、0.715、0.72、0.725、0.73、0.735、0.74、0.745、0.75、0.755、0.76、0.765、0.77、0.775、0.78、0.785、0.79、0.795、0.8、0.805、0.81、0.815、0.82、0.825、0.83、0.835、0.84、0.845、0.85、0.855、0.86、0.865、0.87、0.875、0.88、0.885、0.89、0.895、0.9、0.905、0.91、0.915、0.92、0.925、0.93、0.935、0.94、0.945、0.95、0.955、0.96、0.965、0.97、0.975、0.98、0.985、0.99、0.995または1mg;そして、ラサジリンを0.05、0.055、0.06、0.065、0.07、0.075、0.08、0.085、0.09、0.095、0.1、0.105、0.11、0.115、0.12、0.125、0.13、0.135、0.14、0.145、0.15、0.155、0.16、0.165、0.17、0.175、0.18、0.185、0.19、0.195、0.2、0.205、0.21、0.215、0.22、0.225、0.23、0.235、0.24、0.245、0.25、0.255、0.26、0.265、0.27、0.275、0.28、0.285、0.29、0.295、0.3、0.305、0.31、0.315、0.32、0.325、0.33、0.335、0.34、0.345、0.35、0.355、0.36、0.365、0.37、0.375、0.38、0.385、0.39、0.395、0.4、0.405、0.41、0.415、0.42、0.425、0.43、0.435、0.44、0.445、0.45、0.455、0.46、0.465、0.47、0.475、0.48、0.485、0.49、0.495、0.5、0.505、0.51、0.515、0.52、0.525、0.53、0.535、0.54、0.545、0.55、0.555、0.56、0.565、0.57、0.575、0.58、0.585、0.59、0.595、0.6、0.605、0.61、0.615、0.62、0.625、0.63、0.635、0.64、0.645、0.65、0.655、0.66、0.665、0.67、0.675、0.68、0.685、0.69、0.695、0.7、0.705、0.71、0.715、0.72、0.725、0.73、0.735、0.74、0.745、0.75、0.755、0.76、0.765、0.77、0.775、0.78、0.785、0.79、0.795、0.8、0.805、0.81、0.815、0.82、0.825、0.83、0.835、0.84、0.845、0.85、0.855、0.86、0.865、0.87、0.875、0.88、.885、0.89、0.895、0.9、0.905、0.91、0.915、0.92、0.925、0.93、0.935、0.94、0.945、0.95、0.955、0.96、0.965、0.97、0.975、0.98、0.985、0.99、0.995、または1mg含んでいる。
【0021】
本発明の技術を制限するものではないが、明確にするために、他の方法で示されいない限り、量、パーセンテージまたは比率を表す数値、およびここに引用した全ての数値は、“約”という用語を置くべきものである。従って、本明細書に記載した数値パラメーターは、所望の結果によって変わり得る近似のものである。例えば、個々の数値パラメーターは、報告された有効数字に照らして、および通常の丸める技術を適用して解釈されるべきものかもしれない。
【0022】
ここに定義した投与量範囲、量の範囲、濃度範囲、パーセンテージ範囲、比率範囲のいずれの範囲も、他に示していなければ、この数字範囲内およびこの範囲を超える上限または下限の10分の1までの数字、および10分の1および100分の1のようなその数字の端数の投与量、濃度、パーセンテージ、比率も含むと理解される。
【0023】
別の実施形態で、プラミペキソールとラサジリンは、徐放性(ER)に製剤化される。
ここに用いた用語“徐放性”は、用語“延長された作用”、“繰り返された作用”“コントロールされた放出”および“維持された放出”と交換して使用され、含有活性成分を長期間有効にし、その後に消化されるように活性成分が所定の間隔でまたは徐々に放出されることである。
【0024】
ある実施形態では、固定投与量薬剤組合せ中の全てまたは殆ど全てのプラミペキソールとラサジリンは、徐放製剤から24時間以上にわたり徐々に放出される。
【0025】
この医薬組成物は、一体化マトリックスである錠剤、好ましくは二層または多層の錠剤、マトリックス錠剤、崩壊性錠剤、溶解性錠剤、または噛み砕き錠剤、であるか、カプセルまたは小袋であり、好ましくは細粒、粒、ビーズ、または小片(pellets)を充填したカプセルまたは小袋、もしくはポリ(D,L−ラクチド)(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、およびポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコライド)(PLGA)のような生分解性ポリマーの貯蔵システムの形状であり、経口投与用に製剤化される。
【0026】
活性成分は、適切な溶剤中に結合剤および/または滑剤を混合して均質な懸濁液とし、次いで不活性な小片に薄くコーティングするのがよい。本発明の場合には、ラサジリンとプラミペキソールは別々の溶剤に溶解して、異なる小片にそれぞれスプレーしてラサジリン担持の小片とプラミペキソール担持の小片とする。あるいは同じ小片上にそれぞれの溶液をスプレーしてラサジリンとプラミペキソールの両方を担持した小片とすることができる。また別に、ラサジリンとプラミペキソールを共通の溶剤に溶かして一つの溶液とし、または別々の溶液を混合して一つの均質な溶液とし、この一つの溶液を小片にスプレーして、ラサジリンとプラミペキソールの両方が担持した小片を形成することもできる。
【0027】
次のステップは、任意に行うが、ラサジリン担持の小片、プラミペキソール担持の小片、またはラサジリンとプラミペキソールの両方を担持した小片を、隔離/保護するサブコーティング層で覆い、その後、その小片をラサジリンとプラミペキソールの徐放性にする徐放コーティング層で覆い、これによりラサジリンとプラミペキソールの徐放製剤を得る。
【0028】
コーティングした小片は、次いで適切な付形剤と混ぜ、最後にこの徐放製剤をカプセルに充填するか、錠剤に圧縮成型する。これで、このカプセルまたは錠剤は、所望比率のラサジリン担持の小片とプラミペキソール担持の小片、またはラサジリンとプラミペキソールの両方を担持した小片を有している。
【0029】
上記した所望の比率は、限定するものではないが、例えば、ラサジリン担持の小片とプラミペキソール担持の小片を別々に重量測定、容量測定、または数を整えてカプセルに充填するまたは錠剤に圧縮成型して、活性成分を担持した小片が所望の重量、容量、または数であるように所望の結果が得られる方法で得られる。好ましくは、小片は別々に重量測定して所望の比率でカプセルに充填するか錠剤に圧縮成型する、または、予め決めた比率で混合してその混合物を重量測定してカプセルに充填する。ラサジリンとプラミペキソールの両方を担持した小片の場合には、その比率は不活性小片にコーティングする段階で決められ、2つの薬剤を所望比率で含む溶液を不活性小片にスプレーする、または2つの別々の溶液を所望比率で不活性小片にスプレーする。
【0030】
したがって、ある実施形態では、本発明の医薬組成物は
、(1)不活性小片核、(2)前記小片核に、ラサジリン、プラミペキソール、またはその両方、またはそれらの薬学的に許容される塩の活性物質からなり、任意に適切な結合剤および/またはフィルム形成ポリマーを混合し、さらに、任意に滑剤を混合した薬剤をコーティングした薬剤層、(3)任意に、前記した薬剤層にコーティングした隔離/保護するサブコーティング層、そして(4)サブコーティング層があるときにはサブコーティング層に、または薬剤層にコーティングした徐放コーティング層、
を含む徐放性小片を含んでいる。
【0031】
本発明のER小片は、任意に、薬剤層に隔離/保護サブコーティング層をコーティングしてなっている。サブコーティング層の役割は、活性材料層を外側のERコーティングからを隔離し、安定性に影響し、かつ活性医薬成分(API)の分解生成物を作る可能性がある相互作用から保護することである。ある実施形態では、サブコーティング層は、フィルム形成ポリマーと、任意に滑剤を含んでいる。
【0032】
本発明のER小片は、ここでは“機能層”呼ばれ、もし有ればサブコーティング層に、または薬剤層にコーティングした外側ERコーティング層を有している。
【0033】
ある実施形態では、ERコーティング層は、少なくとも1つのpH非依存性ポリマー、つまり、水膨潤性/水不溶性/疏水性ポリマー、そして任意に孔形成剤性を含むもので、徐放性小片は、pH非依存性で、インビトロ放出特性を持っている。
【0034】
別の実施形態では、機能層は、pH非依存性ポリマー、孔形成剤として作用する親水性放出調整ポリマー、そして任意に疏水性または親水性の可塑剤および/または滑剤を含んでいる。
【0035】
さらにある実施形態では、ERコーティング層は、pH依存性腸溶性コーティングポリマーとpH非依存性ポリマーの混合物を含み、この徐放性小片は、酸性あるいは生理学的pH、すなわちpHが7.4以上では、インビトロ放出特性がゼロに近い。
【0036】
医薬品使用の結合剤は、砂糖、天然および合成由来のポリマーなどの親水性物質で、その粘着性と密着性の特性により固体投与型とするのに使用される。結合剤の役割は、紛体に粘着性を与え、これにより細粒と錠剤に必要な結合強度を与えてサイズを大きくするのを助けている。結合剤は、外観、硬さ、および脆さを改善するが、活性物の崩壊や溶解速度に影響を及ぼすことを意図していない。
【0037】
天然由来の結合剤は、古くから一般に使用されてきており、アカシア、ゼラチン、スターチおよび加水分解スターチがある。これらの物質は、合成由来の結合剤に代えられつつある。合成由来の結合剤の最も重要なものは、ポビドン(povidone)および種々のセルロース誘導体である。
【0038】
本発明のER小片の薬剤層中活性成分と混合できる結合剤の例は、制限するものではないが、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、微結晶セルロース、それらからの組合せがある。結合剤は、全小片に対して重量で0.5%〜20%、好ましくは0.5%〜10%で存在することができる。
【0039】
ここに用いた用語“フィルム形成ポリマー”は、固いフィルムを形成できるポリマー類である。さらに、コーティングするに不可欠なこれらのポリマーの物理的な特性は、フィルム形成能、またはコーティングされる材料への接着能である。
フィルム形成ポリマーの例は、制限するものではないが、PVP、HPMC、HPC、微結晶セルロース、それらからの組合せがある。フィルム形成ポリマーは、薬剤層にあるときには全薬剤層に対して重量で90%以下、好ましくは全小片に対して重量で0.5%〜20%である。
【0040】
サブコーティング層中のフィルム形成ポリマーの量は、全サブコーティング層に対して重量で100%以下、好ましくは全小片に対して重量で0.5%〜10%である。
【0041】
滑剤は、医薬組成物に加えられて、摩擦および表面電荷を下げることにより、細粒と紛体の流動性を高める。さらに、コーティングプロセスでの粘着防止剤として使用される。
タルクとグリセリルモノステアレートのような特別の滑剤は、低温度での粘着性を下げる粘着防止剤としてコーティング組成物に使用される。コロイド状二酸化ケイ素のようなその他の滑剤は、錠剤化およびカプセル化など多くのプロセスでの乾燥紛体の流動特性を改善するために開発されたもので、小粒径と大表面積により望ましい流動特性を与える。滑剤の例は、限定するものではないが、タルク、特に超微細タルク、コロイド状二酸化ケイ素、グリセリルモノステアレート、およびそれらの組合せがある。
【0042】
滑剤は、薬剤層に含まれたとき、全薬剤層に対して重量で30%以下、好ましくは全小片に対して重量で0.5%〜5%である。滑剤の量は、サブコーティング層に含まれたとき、全サブコーティング層に対して重量で10%以下、好ましくは全小片に対して重量で0.5%〜5%である。
【0043】
本発明のER小片に含まれることがあるpH非依存性ポリマーの例は、限定するものではないが、エチルセルロース、シュアリース(Surelease、登録商標)、ユードラジットRL(Eudragit RL、登録商標)〔ポリ(エチルアクリレート):メチルメタクリレート:トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロライドが1:2:0.2)、ユードラジットRS(Eudragit RS、登録商標)〔ポリ(エチルアクリレート):メチルメタクリレート:トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロライドが1:2:0.1〕、ユードラジットNE(Eudragit NE、登録商標)〔ポリ(エチルアクリレート):メチルメタクリレートが2:1〕などのアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルの共重合体、およびそれらの組合せがある。pH非依存性ポリマーは、全小片に対して重量で10%〜50%、好ましくは10%〜30%である。
【0044】
本発明のER小片内に含むことができるpH依存性腸溶性コーティングポリマーの例は、限定するものではないが、ユードラジットS(Eudragit S、登録商標)〔ポリ(メタクリル酸):メチルメタクリレートが1:2〕、ユードラジットL55(Eudragit L55、登録商標)〔ポリ(メタクリル酸)、エチルアクリレートが1:1〕、コリコート(Kollicoat、登録商標)〔ポリ(メタクリル酸):エチルアクリレートが1:1〕、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、アルギネート、カルボキシメチルセルロース、およびそれらの組合せがある。pH依存性腸溶性コーティングポリマーは、全小片に対して重量で10%〜50%、好ましくは10%〜30%である。
【0045】
ここに用いた用語“孔形成剤”は、体内環境で溶解する物質であり、マトリックス内で貫通孔を形成し、コーティング層を通しての活性成分の拡散速度を速めるものである。
形成される孔の大きさは、用いられる固体粒子材料の大きさによってある程度までコントロールすることができる。孔の大きさを均一にするために、粒子材料は、順次に細かいメッシュの篩に通してふるい分けし、所望粒子径範囲にする。
【0046】
本発明のER小片に含むことができる孔形成剤は、無機または有機の物質で、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、HPMC、HPC、メチルセルロース、1,2−プロピレングリコール、ラクトース、スクロース、タルク、特に微粒子タルク、およびそれらからの組合せがある。孔形成剤は、全小片に対して重量で0.1%〜20%、好ましくは0.1%〜10%である。
【0047】
ここで使用した用語“親水性放出調整ポリマー”は、水溶性で、活性成分の放出をコントロールするポリマーである。しかしながら、ある実施形態では、本発明のER小片のERコーティング層に含まれる親水性放出調整ポリマーは、実際に孔形成剤として機能する。
親水性放出調整ポリマーの例は、限定するものではないが、PVP、PEG、HPMC、HPC、およびそれらからの組合せがある。親水性放出調整ポリマーは、全小片に対して重量で0.1%〜20%、好ましくは0.1%〜10%の量である。
【0048】
ここで使用した用語“可塑剤”は、本発明のER小片で使用されるポリマーを可塑化あるいは柔軟にすることができる如何なる化合物または化合物の組合せでもよい。
ERコーティング層の製造中に、可塑剤は、使用されるポリマーまたはポリマーの組合せの溶融温度またはガラス転移温度(軟化温度)を下げることができ、また、ポリマーまたはポリマーの組合せの平均分子量を広げることができ、さらにポリマーまたはポリマーの組合せの粘度を下げることができ、コーティング溶液の扱いに都合がよい。
【0049】
限定しない可塑剤の例は、ジブチルセバケート、ジブチルフタレート、トリエチルシトレートおよびトリアセチンのようなクエン酸エステル類、ポリエチレングリコール、PEG、ポリ(プロピレングリコール)およびポリ(エチレン/プロピレングリコール)のような低分子量ポリ(アルキレンオキシド)、またそれらの組合せがある。可塑剤は、全小片に対して重量で0.1%〜20%、好ましくは0.1%〜10%である。
【0050】
本発明のER小片は、さらに浸透圧剤/強壮剤のような不活性成分を含むことができる。このような成分は、一般に薬剤のパルス送達が要求される場合の時間制御崩壊に使用される。ER小片の製造に使用される浸透圧剤/強化剤の適切な例は、限定するものではないが、塩化ナトリウムとマンニトールである。ER小片に配合されるときの浸透圧剤/強化剤は、全小片に対して重量で20%以下、好ましくは0.5%か〜10%である。
【0051】
ここに挙げた特別の実施形態で、ここに例示したER小片は、不活性小片核、フィルム形成ポリマー/結合剤としてのPVPと滑剤としての超微細タルクが混合された活性成分を含む薬剤層、そして、pH非依存性ポリマーとしてのエチルセルロースと孔形成剤としてのPEGを含むERコーティング層、でなり、フィルム形成ポリマー/結合剤の量が全薬剤層に対して重量で90%以下、または全小片に対して重量で0.5%〜20%であり、滑剤の量が、全薬剤層に対して重量で30%以下、または全小片に対して重量で0.1%〜10%であり、pH非依存性ポリマーの量が、全ERコーティング層に対して重量で50%〜90%、または全小片に対して重量で10%〜30%であり、そして、孔形成剤の量が、全ERコーティング層に対して重量で1%〜20%、または全小片に対して重量で0.1%〜10%である。
【0052】
また、別の実施形態では、本発明のER小片は、不活性な小片核、フィルム形成ポリマー/結合剤としてのPVPと滑剤としての超微細タルクが混合された活性成分を含む薬剤層、フィルム形成ポリマーとしてのPVPを含む隔離/保護のサブコーティング層、およびpH非依存性ポリマーとしてのエチルセルロース、孔形成剤としてのPEG、滑剤としての超微細タルクを含むERコーティング層、でなり、薬剤層中のフィルム形成ポリマー/結合剤の量が、全薬剤層に対して重量で90%以下、または全小片に対して重量で0.5%〜20%であり、薬剤層中の滑剤の量が、全薬剤層に対して重量で30%以下、または全小片に対して重量で0.1%〜10%であり、サブコーティング層中のフィルム形成ポリマーの量が、全サブコーティング層に対して重量で100%以下、または全小片に対して重量で0.5%〜20%であり、pH非依存性ポリマーの量が、全ERコーティング層に対して重量で50%〜90%、または全小片に対して重量で10%〜30%であり、孔形成剤の量が、全ERコーティング層に対して重量で1%〜20%、または全小片に対して重量で0.1%〜10%であり、そしてERコーティング層中の滑剤の量が、全ERコーティング層に対して重量で0.1%〜20%、または全小片に対して重量で0.1%〜10%である。
【0053】
ある実施形態では、徐放性小片は、1つ以上の適切な付形薬と混合してカプセルに充填、あるいは錠剤に圧縮成型される。ここで、このカプセルまたは錠剤は、ラサジリンを含む徐放性小片とプラミペキソールを含む徐放性小片を含む、あるいはラサジリンとプラミペキソールの両方を含む徐放性小片を含むものである。
【0054】
このようなカプセルあるいは錠剤の製造は、公知の適切な技術で行うことができる。
【0055】
経口医薬組成物の製造に用いられる適切な付形剤の例は、限定するものではないが、二酸化ケイ素の他、上に定義した公知の滑剤である。
【0056】
フィラーは、錠剤またはカプセルのサイズを大きくして、製造上で実際的に、そして使用者が使用するに便利にする。フィラーは、容積を大きくすることで最終製品が患者の取扱いに適した大きさにすることができる。良いフィラーは、不活性、配合された他の成分と反応せず、吸湿性でなく、比較的安価で、小さく、そして好ましくは無味または香味のものでなくてはならない。植物セルロース(純粋な植物性フィラー)は、錠剤または硬質ゼラチンカプセルでの一般的なフィラーである。
【0057】
二塩基リン酸カルシウムは、別の一般的な錠剤フィラーである。一連の植物油脂が軟質ゼラチンカプセルに使用できる。錠剤フィラーは、例えば、ラクトース、マンニトール/パルテック(Parteck、登録商標)、ソルビトール、スターチ、およびそれらからの組合せである。
【0058】
崩壊剤は、湿ったとき膨れて溶解して消化管で錠剤を壊し、活性成分を放出して吸収される。崩壊剤は、水取込促進剤と錠剤破裂促進剤を含んでいる。崩壊剤は、錠剤が水に触れたとき、錠剤を細かく崩壊して溶解し易くしている。
崩壊剤の限定しない例は、架橋化ポリビニルピロリドン〔クロスポビドン(crospovidone)〕、ナトリウム/カルシウムカルボキシメチルセルロース(CMC)、クロスカルメロース(croscarmellose)ナトリウムヒドロキシプロピルセルロース低置換体、重炭酸ナトリウム、スターチ、ナトリウム・スターチ・グリコレート、およびそれらからの組合せがある。
【0059】
潤滑剤は、製造プロセスを改善するために錠剤とカプセルの配合に少量加えられる。特に、これは、薬剤成分が互いに塊状になったり、錠剤成型機やカプセル充填機に付着するのを防ぐ。また、潤滑剤は、薬剤の固体とダイズ壁の間の摩擦を下げて、錠剤の成型と取り出しを行えるようにする。
潤滑剤の例は、限定するものではないが、グリセリル・ベヘネート、ステアリン酸、タルク、亜鉛ステアレート、カルシウムステアレート、およびそれらからの組合せがある。
【0060】
別の態様で本発明は、パーキンソン病治療が必要な患者に治療上有効量の医薬組成物を投与するパーキンソン病の治療方法に関するものであり、その医薬組成物が、薬学的に許容できる担体と、プラミペキソールとラサジリンの固定投与量薬剤組合せでなり、その固定投与量薬剤組合せが、プラミペキソールの治療量以下とラサジリンの治療量以下で、プラミペキソールの量がラサジリンの量より低いまたは等しいものである。
【0061】
用語“治療する”、“治療”および“実質的な治療効果を与える”は、互に交換して使用され、黒質線条体ニューロンでの神経変性進行を止め、遅延させ、その程度を下げ、最小にする(神経保護治療)、生化学的インバランスをなくすまたは減らす、ドーパミン合成を増やす、ドーパミン受容体の活動とシナプス前部間隙からのドーパミン放出を刺激する、および/またはシナプス前部受容体とドーパミン異化作用によるドーパミン再取込を阻止する、と関連する。これらの用語は、また、震え、動作の緩慢(運動緩慢)、下肢静止不能症候、筋強剛、姿勢保持とバランス障害、自動運動の喪失、発声変化、睡眠障害および/または生活の質(QOL)の低下などのパーキンソン病の症状悪化を改善するまたは進行を遅らせる、身体的、認識的または精神的なパーキンソン病症状の除去または緩和、さらに痴呆の進行遅延または停止といったこととも関連する。
【0062】
パーキンソン病の症状の改善、軽減、あるいは悪化の遅延は、治療前と治療中での一般に認められている1つ以上のパラメーターの評価で測定できる。それらは、制限するものではないが、パーキンソン病統一評価尺度(the Unified Parkinson’s Disease Rating Scale;UPDRS)のスコア、日常生活のUPDRS動作(UPDRS activity of daily life;ADL)と運動サブスコア(motor sub−scores)、ベックうつ病特性尺度−II(Beck Depression Inventory−II;BDI−II、登録商標)、パーキンソン病質問表・39(Parkinson Disease Questionnaire 39;PDQ39)、臨床全般印象(Clinical Global Impression;CGI)がある。
【0063】
また別の態様で本発明は、上記で定義したパーキンソン病の治療で使用するための固定投与量薬剤組合せ、またはパーキンソン病治療の医薬品の製造に関するものである。
【0064】
また別の態様で、本発明は、プラミペキソールとラサジリン、またはそれらの薬学的に許容される塩の固定投与量薬剤組合せの徐放性製剤の製造方法を提供するもので、この方法は、次のステップで行われる。
(1)プラミペキソール、ラサジリンまたはその両方を含む活性成分を、任意に結合剤および/または滑剤と混合して、適当な溶剤に入れて均一な懸濁液を調製する。
(2)(1)で得られた懸濁液を、不活性ノンパレイユ種(nonpareil seeds)のような不活性小片核にコーティングする。
(3)任意に、(2)で得られたラサジリン担持小片、プラミペキソール担持小片、または、プラミペキソールとラサジリン両方の担持小片を、隔離/保護サブコーティング層で覆う。
(4)(2)または(3)で得られた小片を、プラミペキソールとラサジリンの徐放性を可能にする徐放性コーティング層で覆って徐放性製剤とする。
(5)任意に、(4)で得られたコーティングした小片を、適当な付形剤と混合する、
(6)徐放性製剤を、カプセルに充填する、または錠剤に圧縮成型して、カプセルまたは錠剤が、プラミペキソール担持の小片とラサジリン担持の小片を所望比率で含む、またはプラミペキソールとラサジリンの両方を担持した小片を含んだものとする。
のステップからなっていて、これにより、プラミペキソールとラサジリンの固定投与量薬剤組合せの徐放性製剤を得る。
【実施例】
【0065】
本発明を、以下の制限しない実施例によって説明する。
〔実施例1:組合せ製品の配合と溶解プロフィール〕
各成分を、別々に配合し(表1および2)、そのビーズをプラミペキソール0.6mgとラサジリン0.75mgの投与量となる重量でカプセルに充填した。
【0066】
〔分析方法−組合せ製品の溶解テスト〕
定量分析のために高機能液体クロマトグラフィー(HPLC)により、カプセルに充填された徐放性に配合されたコーティング小片中のプラミペキソール(PPX)とラサジリン(RAS)の活性医薬成分(API‘s)について、溶解プロファイルを評価した。
【0067】
1つのカプセルの内容物またはビーズ(小片)の1回投与分のサンプルをバスケットに入れ、媒体を入れた容器中で一定の所定速度と温度で回転させ、成分の放出プロフィールを反映した速度で時間をかけて媒体中に溶解させた。これで、溶液はそれぞれの時間で異なるAPI濃度になる。サンプルを、特定間隔の特定時間に自動あるいは手動で20μmを採取し、PE(Cat.No.400111,Sun Sri filter.)でろ過し、標準溶液と参照して定量した。
【0068】
表3に示した実験に用いた条件は、次の通りである。
・装置:1(バスケット)
・媒体:シミュレートされた腸流体(IFS)、腸の条件を模擬したバッファー
・速度:100rpm
・温度:37°C±0.5°C
【0069】
溶解したRASおよびPPXの量を、HPLCを使用して決定した。
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
〔実施例2:パーキンソン病のMPTPモデルでのインビボ研究〕
〔モデル〕
パーキンソン病(PD)の実験モデルは、この疾病の可能な病理学的メカニズムに対する知見を得るに必要である。これに加えて、薬学的であれまたそれ以外であれ、新しい治療対策の開発およびテストに不可欠である。
【0073】
【表4】
【0074】
〔MPTPマウスモデル〕
人間の脳解剖研究からと動物モデルからの生化学データの主要点は、ドーパミン作用性神経崩壊の始めとなり得る黒質中の酸化的ストレスの進行プロセスを指摘している。酸化的ストレスが、第一義的か、それとも副次的かは知られていない。しかしながら、神経毒MPTP(N−メチル−4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)によって引き起こされるような酸化的ストレスは、抗酸化性神経保護薬剤を開発する目的で神経変性プロセスを研究する動物モデルに使用されてきている。
【0075】
神経毒MPTPは、脳中で酵素MAO−Bにより正の電荷をもつ分子MPP
+(1−メチル−4−フェニルピリジニウム)になり、黒質中のある種のドーパミン産出ニューロンを壊すことで、霊長類にパーキンソン症候群を引き起こす。
MPP
+は、ミトコンドリアでの酸化的リン酸化を阻止し、ATPの消失と細胞死を招くことになる。さらに、カテコールアミンの合成を阻止し、ドーパミンと心筋内ノルエピネフリンの量を減らし、チロシンヒドロキシラーゼを不活性化する。
【0076】
〔実験方法〕
体重20+/−1gの雄マウスC57B1/6を用いた(1つのグループで6〜10匹のマウス)。MPTPを、1日に40mg/kgの投与量で5日間、腹腔内(IP)注射した。コントロールとして、投薬していない無処置のマウスに食塩水を注射し、MPTP処置マウスに食塩水を注射した(薬剤無処置)。
【0077】
薬剤は、ラサジリン(0.15mg/kg)とラサジリン(0.12、0.1および0.075mg/kgの3つの異なる投与量)を、単独、またはラサジリンとラサジリンの3つの固定投与量薬剤組合せで与えた。固定投与量薬剤組合せは、ラサジリンを0.15mg/kgで一定投薬量とし、プラミペキソールを上に記載した異なる3つの投薬量で組み合わせた。
【0078】
両薬剤を、それらのストック溶液から食塩水に溶解し、所望の組合せ投与量とした。薬剤は、毎日、MPTP投与の30分前に腹腔(IP)注射した。薬剤処置は、12日間続けた。処置の効果は、実験終了時のマウスから採取した左と右の線条体でのドーパミンおよびその代謝物質(ジヒドロキシル酢酸とホモバニリン酸)を測定して評価した。
【0079】
研究は、一つのグループが6〜10匹のマウスで、9つのグループで行った。マウスは、パーキンソンモデルとしてMPTPで処置し、ラサジリンの一定投与量とプラミペキソールの変動投与量の組合せで処置した。コントロールは、投薬していない無処置マウスに食塩水を注射し、また、MPTP処置マウスに食塩水を注射した(薬剤処置なし)。これらのグループは、上に示した表4に従って処置した。テストスケジュールを表5に示している。
【0080】
【表5】
【0081】
〔ドーパミンと代謝物質のHPLC分析用サンプル作成〕
線条体組織サンプルは、OMNIインターナショナル社のOMNI−Tipホモジナイジングキットを用い(中間速度、5秒間隔で3×10秒)、氷中、500μLホモジナイズバッファー(0.1M過塩素酸、0.02%のEDTAおよび1%のEtOH)中でホモジナイズした。そのホモジネートを、5分間超音波処理し、次いで4℃、15,000RPMで15分間遠心分離した。上澄み液を新しい試験管に移し、HPLCでドーパミン量を分析した。
【0082】
この実験の結果を
図2に示す。薬剤投与のないマウスの脳中ドーパミン量を100%とし、食塩水で処置したMPTP−PDマウスのドーパミン濃度を0%とした。
このグラフでは、食塩水に比較して、異なる処置の処置でドーパミンレベル効果が出ている。FDCは高度に相乗的であり、ラサジリンと3種の投与量のプラミペキソールの効果は、単一薬剤として投与したときは非常に低いが、同じ投与量で組合せたとき非常に高く、特に、両成分の効果の合計より顕著に高くなっていることが明瞭に見られる。
【0083】
この組合せの効果は、投与量に依り変わり、プラミペキソールの投与量が増すにつれて相対的に効果が高くなる。しかし、プラミペキソールの投与量を増やしての効果増加度は、プラミペキソールを単独で与えたときの投与量増加による効果増加度より著しく大きい。これは、ラサジリンを加えたことに、単純な足し算以上のものがあり、上記した条件での強い組合せ相乗効果を示唆している。
【0084】
このように、マウスでの研究は、本発明の組合せ製品中の薬剤が固定投与量薬剤組合せとして投与されたとき、単一薬剤では非常に低く効果がないような投与量で、個々の効能の合計より大きい治療効果を与え、相乗効果があることを明確に示している。この相乗効果は、おそらく、相補的な生物学的メカジズムから出ている。
【0085】
これを人間に試みるならば、マウス研究の結果によって予想できるように、治療量以下、または現在有効な単一薬剤で用いられている投与量より低い投与量で、顕著な相乗効果がみられるであろうことを示唆している。
【0086】
〔実施例3:健康なボランティアでのフェイズI薬物動力学研究〕
ファーマ ツゥ ビーは、健康な絶食した大人のボランティアで、4群のクロスオーバー研究を行った。ここでは、市販の即時放出ラサジリン〔アジレクト(Azilect)、1mg〕、市販の徐放性ラサジリン〔ミラペックスER(Mirapex ER)、0.75mg〕、この2つの市販薬を一緒に摂取、そして商業的に入手可能な単一薬剤製品と同じラサジリン(1mg)とプラミペキソール(0.75mg)の投与量を含むファーマ ツゥ ビーの特定徐放性組合せ製品を比較した。
【0087】
〔単一薬剤の共投与〕
プラミペキソールの血漿中濃度の評価では、ラサジリンの共投与は、プラミペキソールの薬物動力学研究に統計的に顕著な効果を示さなかった。ミラペックスERとアジレクトの共投与は、プラミペキソールC
maxで僅か4%の減少、そしてAUCinfで3%の増加であった。
同様に、プラミペキソール共投与は、ラサジリンの薬物動力学研究に満足できる顕著な効果がみられなかった。ミラペックスERと共投与したとき、ラサジリンCmaxとAUC
infはそれぞれ3%および4%高くなった(表6)。
【0088】
〔単一薬剤の共投与と組合せ製品〕
特定徐放製品(FDC)は、プラミペキソール成分の薬物動力学プロフィールが、ミラペックスERをアジレクトと共投与したときの薬物動力学プロフィールとは少し(統計的に僅か)異なっていた(C
maxは15%減少し、AUC
infは10%増加した)。(表6および
図3Aと3B)。
【0089】
【表6】
【0090】
組合せ製品のラサジリン成分の薬物動力学プロフィールは、他の研究群で用いた配合との違い(徐放対即時放出)を反映している。アジレクトをミラペックスERと共投与したときに比べて、組合せ製品からのラサジリンのC
maxは略95%低く、AUC
infは22%低かった。
【0091】
まとめると、この研究では、プラミペキソールとラサジリンの共投与は、2つの薬剤の薬物動力学プロフィールに効果を及ぼさず、組合せ製品の配合は、プラミペキソールをミラペックスERと似たように薬物送達していることを示している。また、組合せ製品の配合は、ラサジリンを、全摂取量に大きな変更を及ぼすことなしに徐放性にしている。さらに、これらのデータは、有望な薬剤の組合せの安全プロフィールを示唆している。
【0092】
〔実施例4:フェーズIIB臨床試験による本発明出願人の固定組合せ製品の評価〕
本発明出願人は、特定の組合せ製品に利点が有り、初期のパーキンソン病患者に良好な安全プロフィールで認容できることを示すことを意図した。
【0093】
この研究は、ファーマ ツゥ ビーの組合せ製品を3通りの投与量に変え、プラセボと比較して、この製剤の安全性、認容性および効能を研究し、副作用を小さくした現在では最高の医療効果となる低投与量組合せを確認した。
【0094】
第1の目的は、3つの異なる投与量での組合せ製品の効能、安全性および認容性の評価である。第2の目的は、睡眠、気分および生活の質(クオリティー オブ ライフ、QOL)に及ぼす組合せ製品の影響評価である。
【0095】
〔研究計画〕
本発明出願人による研究はフェーズIIBであり、無作為抽出試験、ダブルブラインド試験、プラセボ対照試験、平行群間試験、多施設試験、3つの組合せ投与量での投与量変化試験を行った。
各成分の投与量は、初期段階パーキンソン病患者の治療管理に一般に使用される量より低くした。
研究に使用した人数は、アメリカ合衆国とイスラエルの市民病院と大学病院の45ヶ所、うちアメリカ合衆国から40ヶ所、イスラエルから5ヶ所から募った200人の初期段階パーキンソン病患者のボランティア〔英国パーキンソン病協会ブレインバンク臨床診断基準(Parkinson’s Disease Society Brain Bank Clinical Diagnostic Criteria)および改定重症度分類(Modified Hoehn and Yahr staging)<3〕である。
【0096】
患者のボランティアは、それぞれ無作為に4つの治療グループの1つに割り当て、ラサジリンが0.1mgから0.75mgの間で変え、プラミペキソールが0.1mg〜0.6mgの間で変えた3つの異なる投与量の組合せ製品の1つ、あるいはそれに見合うプラセボを服用した。
【0097】
処置はすべて、毎日朝食前の同じ時間に一日に一回経口摂取した。
【0098】
研究は、スクリーン期間(最高4週間)、処置および維持期間(12週間)および付加的な安全期間(2週間)の3つの期間に分けた。
【0099】
次の結果を測定した:第1終了点が、パーキンソン病統一評価尺度(Unified Parkinson’s Disease Rating Scale;UPDRS)スコア〔パートII−日常生活活動とパートIII−運動技能評価の合計で定義、スコアが0〜160の間〕の合計について、最終訪問迄(週12)のベースラインからの変化で効果の評価をした。
【0100】
第2終了点は、日常生活活動(ADL)のUPDRSおよび運動技能サブスコア、ベックうつ病特性尺度(Beck Depression Inventory、登録商標)−U((BDI−II)、パーキンソン病質問表39(PDQ39)、および被験者と治験責任医師の臨床全般印象(CGI)で、12週迄のベースラインからの変化で評価した。
【0101】
安全性は、悪い事象報告(頻度と発生率)と、睡眠、昼間の眠気、うつ状態、自殺行為、衝動コントロール挙動の程度で評価できる。忍耐性は、処置割当ての試験が終わる被験者のパーセントによって評価できる。12週の試験で、UPDRS評価と臨床安全評価を2〜4週毎に行った。
効果の主要分析は、混合モデル反復測定(MMRM)を用いて、活性薬剤投与グループをプラセボと比較した。