(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243352
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】無線装置を充電するための可変インピーダンス送信機経路のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H02J 50/20 20160101AFI20171127BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20171127BHJP
H01P 3/08 20060101ALI20171127BHJP
H01P 5/08 20060101ALI20171127BHJP
H01F 38/14 20060101ALI20171127BHJP
H03H 7/38 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
H02J50/20
H02J50/80
H01P3/08 100
H01P5/08 Z
H01F38/14
H03H7/38 B
【請求項の数】16
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-552280(P2014-552280)
(86)(22)【出願日】2013年1月10日
(65)【公表番号】特表2015-511477(P2015-511477A)
(43)【公表日】2015年4月16日
(86)【国際出願番号】US2013020924
(87)【国際公開番号】WO2013106498
(87)【国際公開日】20130718
【審査請求日】2015年12月24日
(31)【優先権主張番号】61/585,697
(32)【優先日】2012年1月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/648,552
(32)【優先日】2012年10月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508178054
【氏名又は名称】フェイスブック,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】マグワイア、ヤエル
【審査官】
宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−142763(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0190436(US,A1)
【文献】
特開2011−205788(JP,A)
【文献】
特開2012−143074(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/042974(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0266880(US,A1)
【文献】
特開2009−106136(JP,A)
【文献】
特開2009−296857(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0115431(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K17/00−19/18
H01F38/14、
38/18
H01P3/00−5/22
H02J7/00−7/12、
7/34−7/36、
50/00−50/90
H03H7/30−7/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局を無線装置に無線により結合させる工程であって、前記無線装置は、前記基地局から前記無線装置に送信された信号の電力レベルを含む電力レベル情報を送信する、工程と、
第1送信インピーダンスを用いて前記基地局から前記無線装置に送信された信号の第1電力伝送値を前記電力レベル情報に基づいて判定する工程と、
第2送信インピーダンスを用いて前記基地局から前記無線装置に送信された前記信号の第2電力伝送値を前記電力レベル情報に基づいて判定する工程と、
前記第1電力伝送値が前記第2電力伝送値よりも大きいことを示す前記電力レベル情報に基づいて、前記第1送信インピーダンスを選択する工程と、
初期値送信インピーダンスを用いて前記第1送信インピーダンスをタイムインタリーブする工程であって、前記タイムインタリーブは、前記第1送信インピーダンスを使用して前記無線装置を無線により充電する工程と、前記初期値送信インピーダンスを使用して前記無線装置と通信する工程とを備える、工程とを備える、方法。
【請求項2】
第3送信インピーダンスを用いて前記基地局から前記無線装置に送信された前記信号の第3電力伝送値を判定する工程と、
前記第3電力伝送値が前記第1電力伝送値または前記第2電力伝送値よりも大きいことを示す前記電力レベル情報に基づいて、前記第3送信インピーダンスを選択する工程とをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
選択された1つの送信インピーダンスを使用して前記無線装置を無線により充電する工程をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記基地局は、通信装置の一部であり、
前記通信装置は、さらに、異なるインピーダンスを各々有する複数の電気的経路を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記基地局は、通信装置の一部であり、
前記通信装置は、さらに、連続的に制御可能なインピーダンスを有する電気的経路を備
える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
通信装置であって、
基地局から無線信号を無線装置に送信するように構成されている送信機であって、前記無線装置は、前記基地局から前記無線装置に送信された信号の電力レベルを含む電力レベル情報を送信する、送信機と、
前記送信機に結合されている処理回路であって、
第1送信インピーダンスを使用して送信された前記無線信号の第1電力伝送値を前記電力レベル情報に基づいて判定し、
第2送信インピーダンスを使用して送信された前記無線信号の第2電力伝送値を前記電力レベル情報に基づいて判定し、
前記第1電力伝送値が前記第2電力伝送値よりも大きいことを示す前記電力レベル情報に基づいて、前記第1送信インピーダンスを選択し、
初期値送信インピーダンスを用いて前記第1送信インピーダンスをタイムインタリーブするように構成され、前記タイムインタリーブは、前記第1送信インピーダンスを使用して前記無線装置を無線により充電する工程と、前記初期値送信インピーダンスを使用して前記無線装置と通信する工程とを備える、前記処理回路とを備える、通信装置。
【請求項7】
エッチングされて複数の電気的経路を有するプリント配線板であって、各電気的経路は異なる送信インピーダンスを有し、前記複数の電気的経路は各電気的経路の前記送信インピーダンスを変更するための1つ以上の受動構成要素を備える、前記プリント配線板と、
前記複数の電気的経路から特定の電気的経路を選択するためのスイッチとをさらに備える、請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記送信機は、
実デジタル信号を実アナログ信号に変換するように構成されている第1デジタル−アナログコンバータと、
虚デジタル信号を虚アナログ信号に変換するように構成されている第2デジタル−アナログコンバータと、
前記無線装置へ送信される前記無線信号の無線周波数(RF)位相を制御するために、前記実アナログ信号をRF領域へと変換するように構成されている第1ミキサと、
前記無線装置へ送信される前記無線信号のRF位相を制御するために、前記虚アナログ信号を前記RF領域へと変換するように構成されている第2ミキサとを備える、請求項6に記載の通信装置。
【請求項9】
前記送信機を前記無線装置に結合させるための1つ以上のアンテナをさらに備え、該1つ以上のアンテナは前記通信装置の1つ以上の他の通信機能に共通して使用される、請求項6に記載の通信装置。
【請求項10】
基地局を1つ以上の第1無線装置に無線により結合させる工程であって、前記無線装置は、前記基地局から前記無線装置に送信された信号の電力レベルを含む電力レベル情報を送信する、工程と、
各第1無線装置について、
第1送信インピーダンスを用いて前記基地局から前記無線装置に送信された信号の第1電力伝送値を前記電力レベル情報に基づいて判定する工程と、
第2送信インピーダンスを用いて前記基地局から前記無線装置に送信された前記信号の第2電力伝送値を前記電力レベル情報に基づいて判定する工程と、
前記第1電力伝送値が前記第2電力伝送値よりも大きいことを示す前記電力レベル情報に基づいて、前記第1送信インピーダンスを選択する工程と、
初期値送信インピーダンスを用いて前記第1送信インピーダンスをタイムインタリーブ
する工程であって、前記タイムインタリーブは、前記第1送信インピーダンスを使用して前記無線装置を無線により充電する工程と、前記初期値送信インピーダンスを使用して前記無線装置と通信する工程と
を備える、方法。
【請求項11】
各第1無線装置について、前記第1送信インピーダンスは、前記基地局から前記第1無線装置へと送られた特定の信号であって、前記基地局から前記第1無線装置へと送られた少なくとも1つの他の信号よりも大きな電力伝送値を有する前記特定の信号に対応する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
各第1無線装置について、
前記基地局から前記第1無線装置へと、複数の送信インピーダンスを使用して複数の信号をそれぞれ送る工程と、
第3送信インピーダンスを用いて前記基地局から前記第1無線装置に送信された前記信号の第3電力伝送値を判定する工程と、
前記第3電力伝送値が前記第1電力伝送値または前記第2電力伝送値よりも大きいことを示す前記電力レベル情報に基づいて、前記第3送信インピーダンスを選択する工程とをさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
各第1無線装置について、前記第1無線装置のために選択された前記第1送信インピーダンスを使用して、前記基地局を有する第2無線装置によって前記第1無線装置を無線により充電する工程をさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記第2無線装置は、
異なる送信インピーダンスを各々有する複数の電気的経路と、
エッチングされて前記複数の電気的経路を有するプリント配線板と、
前記複数の電気的経路から特定の電気的経路を選択するためのスイッチとをさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2無線装置は、連続的に制御可能な送信インピーダンスを有する電気的経路をさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
充電のために各第1無線装置に割り当てられている複数の短時間の窓はインタリーブされる、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、無線装置を充電することに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の無線通信装置では、装置に近接したソースから生成される電磁出力を利用して、その装置を充電できる。電磁出力は、高周波数出力の場合もあれば、低周波数出力の場合もある。無線通信装置は、典型的には、大量の貯蔵エネルギを必要とし(典型的には、100mWhから75Wh)、無線方法を使用して装置を効果的に充電するには、その装置がソースの数ミリメートル内にあることや、装置上のアンテナがその装置のサイズにほぼ等しい面積を有することが必要である。新規な無線装置(ブルートゥース(登録商標)低エネルギのヘッドセット、リモコン、フィットネス装置、時計、医療アクセサリ(medical accessories)や、NFC(near field communication)及びUHF−RFID(ultra high frequency−radio−frequency identification)のカード、ラベル、及びセンサ等)は、非常に少ない量の電力しか消費せず、複数年有効なバッテリ寿命を有するか、又はバッテリを全く有しない。その比較的低電力の装置に電力を供給して充電するための簡便な機構は、本明細書において説明される少なくともいくつかの実施形態において提供される。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図2】無線装置を充電するための一例のシステムを示す図。
【
図3】無線装置において受信される電力を表す一例のプロットを示す図。
【
図4】2つの無線装置の間の一例の近距離及び中距離の結合を示す図。
【
図5】無線装置のインピーダンスを調節することの一例を示す図。
【
図6】プリント配線板の層へエッチングされる一例のパターンを示す図。
【
図7】無線装置を充電する時の電力伝送を最適化するための一例の方法を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0004】
一態様によると、ソース装置のインピーダンスを負荷装置と送信経路との組み合わせによって与えられる実効インピーダンスに対してより効果的に整合させることによって、1つの無線通信装置(ソース)から別の無線通信装置(負荷)への近距離及び中距離における電力伝送を最大化するためのシステム及び方法が提供される。
【0005】
図1は、本発明の一実施形態にしたがった通信システム100の図である。通信システム100は、移動体通信基地局102と、複数の無線通信装置104a,104b,104c,104dとを備える。基地局は、RF(無線周波数)出力を含むRF信号106を送信する。RF信号106は、無線通信装置104a−104dによって受信される。様々な実施形態によると、無線通信基地局102は、1つの、より多くの(one more)携帯電話、タブレット、携帯情報端末、iPhone(登録商標)、ミュージックプレーヤ、iPod(登録商標)、iPad(登録商標)、ラップトップ、コンピュータ、又はカメラを含む場合がある。複数の無線通信装置104a−104dは、無線通信基地局と同じ装置の種類の場合があるが、ヘッドホン、ヘッドセット(マイクロホン及びイヤホンを含む)、時計、ハートレートモニタ、糖尿病用のモニタ、アクティビティセンサ、又は玩具であってもよい。一実施形態によると、基地局102は、電力源に接続されている場合がある。電力源はコンセントの場合がある。
【0006】
図2は、無線通信基地局又は無線通信装置の送信機200と、第2装置の電力受信機230とを備える通信システムの典型的な実施形態の図である。送信機200は、直交送信機であり、無線標準規格(WiFi(登録商標)、GSM(global system
for mobile)(登録商標)、3G、LTE(long term evolution)(登録商標)、UHF−RFID、ブルートゥース、及びWiMax(登録商標)等)に関して使用される送信機と同じ種類であってもよい。直交信号は、実デジタルデータ信号成分210と虚デジタルデータ信号成分211とを含む。実デジタルデータ210と虚デジタルデータ211の種類は、使用される符号化及び変調の種類によっては変化し得る。
図2に示されているように、実デジタル信号成分210は、第1デジタル−アナログ(DAC)コンバータ212において実アナログ信号成分214に変換され、虚デジタル信号成分211は、第2デジタル−アナログ(DAC)コンバータ213において虚アナログ信号成分215に変換される。次に、実アナログ信号成分214は、第1ミキサ217を介して無線周波数(RF)領域へと変換され、虚アナログ信号成分215は、第2ミキサ218を介して無線周波数領域へと変換される。一実施形態によると、実デジタル信号成分210と虚デジタル信号成分211の両方は、RF領域へとアップコンバートされる前にアナログベースバンド信号に変換される必要のあるデジタル信号である。ミキサ217,218は、局部発振器216から局部発振器信号を受信し、局部発振器信号に実及び虚の複素信号成分の各々を乗算する。一例では、局部発振器信号は、約2.45GHz若しくは5GHz(WiFi又はブルートゥースのために使用される)又は別のマイクロ波周波数の範囲にある。実アナログ信号成分214と虚アナログ信号成分215は、出力信号x(t)221を生成するべく220において結合される。出力信号x(t)221は、増幅器222によって増幅される。無線通信基地局上のアンテナ223は、増幅された出力を変換し、それを電磁出力225として放射する。
【0007】
電力受信機230は、アンテナ231と、整流器及び電力調整回路232とを備える。通信装置は、NFC若しくはUHF−RFIDによる装置又はより大きな無線通信装置におけるこれらのプロトコルのうちの1つに由来する回路の場合があり、受信機230は、他の周波数に適合していてもよい。アンテナ223とアンテナ231が各々他方から十分な範囲内にあれば、十分な電力が送信機200から受信機230へと伝送されることが可能である。一例では、送信機200は基地局であり、受信機230は無線通信装置である。伝送され得る電力の量は、送信機と受信機との間の距離や、送信機信号の波長に伴い相当変化する。一例では、送信される電力は、10mにおける約0.001%から10cmにおける約1%まで変化する。
【0008】
図3は、200mWのUHF送信機から10cmの典型的な受信装置から受信される電力のプロット300である。一例では、送信機は、受信機を有する装置を充電するのに使用される無線通信基地局である。y軸の単位はdBmである。プロット300によって、受信機が送信機に近接している場合、無線装置への電力伝送は、周波数に依存して8.9dB(約7.7倍)差よりも大きく相当変化し得ることが示されている。
図10に示されている周波数範囲にわたって周波数ホッピング又は周波数選択を利用する装置について、装置のための充電時間も、約7.7倍の変化をする(very)であろう。本明細書において提供される少なくともいくつかのシステムでは、トレース線320を理想の電力対周波数のトレース線310に向かって動かすべく、回路が受信機及び送信機のうちの少なくとも1つに設計される。
【0009】
図4は、特定の周波数及び空間配向における無線通信基地局402と無線通信装置404a−404dとの間の近距離及び中距離の結合を示す図である。近距離及び中距離の無線通信では、アンテナ405,410a−410dと、アンテナ405,410a−410dに結合される回路との配置及びインピーダンスは、基地局402から無線通信装置4
04a−404dへの電力の伝送に影響を与える。遠距離通信では、受信アンテナと、対応する整合回路とのインピーダンスは、自由空間のインピーダンス(Z
0=1/ε
0c;
(1))に共役整合させられている。ここで、ε
0は自由空間の誘電率であり(すなわち、約8.854×10
−12)、cは光速(299792458m/s)である。したがって、Z
0は、約376.7Ωである。送信機と受信機とを接続するインピーダンスがゼロの場合(例えば、送信機と受信機とが有線接続される場合)、受信機のインピーダンスは、送信機のほぼ複素共役である(Z
R(f)=Z
T(f)
* (2))。近距離及び中距離では、送信機から受信機への最適な電力伝送は、自由空間の項と、送信機のインピーダンスとの組み合わせである。無線通信装置404a−404dは、対応するインピーダンスZ3(443),Z4(444),Z5(445),Z6(446)を有する。インピーダンスZ3(443),Z4(444),Z5(445),Z6(446)は、無線通信装置のアンテナ410a−410dと、基地局のアンテナ405との間において媒体ZP1(431),ZP2(432),ZP3(433),ZP4(434)のインピーダンスに結合される。無線通信基地局402は2つのインピーダンスを有する。すなわち、アンテナ405のインピーダンスZ2(421)と、アンテナ405に至る回路のインピーダンスZ1(420)とである。無線通信装置がそれ自身のインピーダンス443−446を変化させることがなく、物質のインピーダンス431−434が一定のままである場合、無線通信基地局402は、それ自身のソースインピーダンスZ1(420)を調節することによってインピーダンスを修正できるのみである。
【0010】
従来の装置では、基地局402のソースインピーダンスZ1(420)は、通常、破線408を用いて概略的に示されているように、プリント配線板(PWD)上の静的なストリップ線路である。一実施形態によると、静的なストリップ線路を異なるインピーダンスを有する1つ以上の電気的経路に置き換えるか、又は静的なストリップ線路を連続的に制御可能なインピーダンスを有する1つの経路に置き換えるシステム及び方法が提供される。一例では、第2装置404bに対するインピーダンスZ1(420)とZ2(421)とのペアは、インピーダンスZP1(431)及びZ3(443)並びに自由空間のインピーダンスに対して可能なだけ整合させられる。Z1の値は、異なる複数の装置について変化する場合がある。1つのアンテナ405を用いて、各装置は、順番に最適に充電される場合もあれば、短時間の期間がインタリーブされて擬似的に同時の方式で複数の装置を充電する場合もある。増幅器前の送信機信号は、Z1(420)のために選択されたインピーダンスと組み合わせて送信機の位相を変化させ得ることがさらに注意される。
【0011】
図5は、無線通信基地局のアンテナ516の前のインピーダンスが調節されて効率的な電力の伝送が提供されることが可能である一実施形態の図である。アンテナ516の前のインピーダンスを変化させることによって、アンテナ516によって送信される出力信号における変化がもたらされる場合がある。
図5において示されているように、無線通信基地局における送信機とアンテナ516との間のインピーダンスは、経路における3方向スイッチ503,515のペアを使用して不連続に変化させられることが可能である。各スイッチの位置において、インピーダンス511−513は、組み合わせられたシステムの新たなインピーダンスによって基地局から無線通信装置のうちの1つへの無線電力を伝送する性能が改善又は減少されるかを検査するのに使用されるように設計される。様々な実施形態では、スイッチ503,515は、任意の数のスイッチ位置を有していてもよく、より多くの又はより少ないインピーダンス値が使用されてもよい。さらなる実施形態では、抵抗、キャパシタンス、インダクタンス、又はこれらの任意の組み合わせからなる回路網を連続的に変化させて経路のインピーダンスを変化させるための機構が利用されてもよい。
【0012】
図6は、本発明の一実施形態による、
図5に示される3つの切り替えのされるインピーダンスを実装するべく、プリント配線板(PWB)の1つの層にエッチングされるパター
ン600のレイアウトを示す図である。パターン600は、パターン600の上方又は下方における対応する接地面とともに、プリント配線板(PWB)の1つの層にエッチングされる。エッチングされると、パターン600において示されている線は、ストリップ線路中に統合されたインダクタンスを有する、ストリップ線路の送信線611−613になる。一実施形態では、パターン600は、さらに、キャパシタに対応する追加の形状を有していてもよい。さらなるインピーダンスは、ディスクリートの表面実装の構成要素を用いて、又は基板内に一体化されている構成要素を用いて追加されてもよい。一態様によれば、ストリップ線路611−613の幅620は、送信機の増幅器502のインピーダンスに対応するように選択され、送信機のアンテナ、又はアンテナに接続するネットワークと整合するように調節されることが可能である。一実施形態によると、ストリップ線路611−613の曲率610、高さ615、及び幅620は、選択された用途に適した所定のインダクタンスが得られるように選択される。
【0013】
図7は、無線通信装置に関する電力伝送を最適化するために無線通信基地局を有する通信システムを使用する方法700の一実施形態の図である。一実施形態によると、近距離及び中距離では、装置と通信する性能のリンクマージンは、回路の充電を可能にするリンクマージンと等しいか又は実質的にそのリンクマージンより大きい。一例によると、受動型のRFIDタグについて、RFIDタグと通信する性能のリンクマージンは、回路の充電を可能にするリンクマージンと等しい。近距離及び中距離では、通信リンクマージンは、一般に、バッテリ式の装置に関しては約80dBから約110dBの間である一方、始動又は充電におけるリンクマージンは、負の値を有する場合もあれば(回路の充電は、内部漏れを克服するための電力の最小量を必要とするので)、約0dBから約40dBまで及ぶ場合がある。ほとんど全ての回路には、幾分かの電流漏れが存在する。実際上、低インピーダンス(例えば、1Ωの数分の1から数Ω)からギガオーム(すなわち、ナノアンペア)になる場合のあるシリコン回路において切り替えを行うことは非常に困難である。回路設計者がナノワットからマイクロワットの漏れについて注意する場合には、回路を充電するべく、漏れを上回る電流の量が最初に供給される必要がある。このことは、何らかの状態遷移が起こることを確実にするように常に作動状態にされる必要のある小さなマイクロプロセッサ又は論理回路が存在する(例えば、ボタンを押下すること、APをウェイクアップすること等)場合、さらに困難である(この漏れは、マイクロワットからミリワットの場合があるので)。いずれの場合においても、回路の充電には、実際にバッテリを充電できるように、その負の“リンクマージン”が克服される必要がある。基地局は無線通信装置と通信できるので、基地局は無線通信装置によって観測された整流パラメータを使用して、基地局による測定及び制御のループを効果的に閉じることが可能である。
【0014】
工程701では、無線通信基地局は、全ての装置に接続し、各装置によって確かめられる電力レベルについての情報を要求するべく通信プロトコルを使用する。工程705では、無線通信基地局は、送信インピーダンス408を異なるインピーダンスに切り替える(
図5及び
図6に示されるように不連続に、又は連続的に)。工程710では、無線通信基地局内の状態マシンは、可能な送信インピーダンスの全組又は全空間が検査されたかどうかを確立する。全組又は全空間が検査されていない場合、送信インピーダンスは工程705において新たな値に変化させられ、工程710が繰り返される。可能なインピーダンスの全組を扱うために、最適な電力伝送インピーダンスを確立するには数マイクロ秒から数秒の間の時間がかかる。しかしながら、その時間は、全充電時間(数分から数時間)と比べると短い。一例では、送信位相は、アルゴリズム中に組み入れられる。工程715では、基地局は、どのインピーダンスが最適な電力伝送を可能にするかを判定する。基地局は、電力伝送の最低基準量が得られるインピーダンスを受容することによって、どのインピーダンスが最適な電力伝送を可能にするかを判定する場合もあれば、基地局は、送信インピーダンスと送信位相との全組を検査し、最適な電力伝送を可能にするインピーダンスを選択する場合もある。以上で説明したように、ある装置に対して最適なインピーダンスは
、別の装置に対して最適なインピーダンスとは異なる場合がある。一実施形態では、様々な最適なインピーダンスは、一組の無線通信装置に対して最適な電力伝送を提供するべく時間に従って与えられる(time−sequence)場合がある。
【0015】
一実施形態によると、通信リンクマージンは、無線通信装置との通信に関して大きな場合がある。別の実施形態によると、元の意図される通信用途(WiFiネットワーク又はセルラ基地局)のためのリンクマージンは、そのアルゴリズムを用いて損なわれる場合がある。したがって、いくつかの実施形態では、送信インピーダンスは、無線通信装置に関して最適な値に設定されない場合もあれば、ネットワーク化された基地局との通信のための初期値を用いてタイムインタリーブされる場合もある。複数の無線通信基地局の間の通信プロトコルについての追加の実施形態が存在する場合がある(それらの複数の無線通信基地局が、同じ一組の無線通信装置に電力を最適に提供するように同時に試みる場合)。
【0016】
少なくとも1つの実施形態のいくつかの態様をこのように説明してきたが、様々な変更、改変、及び改良を当業者が容易に考え付くと認められる。そのような変更、改変、及び改良は、本開示の一部であると意図されており、本発明の範囲内であると意図されている。したがって、以上の説明及び図面は、例示に過ぎず、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の適切な解釈から決定されるべきである。