(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243358
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置の制御方法、プログラム及び情報記憶媒体
(51)【国際特許分類】
A63F 13/798 20140101AFI20171127BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20171127BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20171127BHJP
A63F 13/80 20140101ALI20171127BHJP
【FI】
A63F13/798
A63F13/79
A63F13/35
A63F13/80 F
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-557542(P2014-557542)
(86)(22)【出願日】2014年1月21日
(86)【国際出願番号】JP2014051146
(87)【国際公開番号】WO2014112647
(87)【国際公開日】20140724
【審査請求日】2016年10月21日
(31)【優先権主張番号】特願2013-8769(P2013-8769)
(32)【優先日】2013年1月21日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石田 隆行
(72)【発明者】
【氏名】太田 攻
【審査官】
宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−194316(JP,A)
【文献】
特開2014−64704(JP,A)
【文献】
特開2004−65339(JP,A)
【文献】
特開2005−287521(JP,A)
【文献】
特表2009−539421(JP,A)
【文献】
特表2009−500122(JP,A)
【文献】
「ワンダーライフスペシャル 【任天堂公式ガイドブック】 スーパーマリオスタジアム ミラクルベースボール」,日本,株式会社小学館,2005年 9月20日,初版第一刷,p.50
【文献】
"SEGA SPORTS Virtua Athlete 2K",「安い!カンタン!おもしろい!ネットでゲームは楽しくなる!活用編 ドリームキャスト インターネットガイド」,日本,ソフトバンク パブリッシング株式会社,2000年 8月28日,初版,p.018
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00−13/98
A63F 9/00, 9/24
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投資家プレイヤーから、複数のゲームプレイヤーのいずれかを投資対象プレイヤーとして指定する投資指示を受け付ける投資指示受付部と、
前記投資対象プレイヤーによるゲームのプレイ結果を記録するプレイ結果記録部と、
前記投資家プレイヤーが指定した投資対象プレイヤーについて記録されたゲームのプレイ結果に応じて、当該投資家プレイヤーの投資成績を決定する投資成績決定部と、
前記投資指示に応じて、前記投資対象プレイヤーに対してゲームをプレイする権利を付与するプレイ権付与部と、
を含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記プレイ権付与部は、前記投資指示に応じて、前記投資家プレイヤーに付与されているゲームをプレイする権利を前記投資対象プレイヤーに対して移行する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置において、
前記プレイ結果記録部は、前記投資対象プレイヤーがプレイした複数種類のゲームのプレイ結果を記録し、
前記投資成績決定部は、前記複数種類のゲームのプレイ結果に応じて、前記投資家プレイヤーの投資成績を決定する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置において、
前記投資指示受付部は、ゲームのタイトル、又はゲームのジャンルの指定とともに前記投資指示を受け付け、
前記投資成績決定部は、前記指定されたタイトル、又はジャンルのゲームを前記投資対象プレイヤーがプレイして記録されたプレイ結果に応じて、前記投資家プレイヤーの投資成績を決定する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記投資成績決定部は、繰り返し設定される投資対象期間ごとに、当該投資対象期間内に記録されたプレイ結果に応じて、前記投資家プレイヤーの投資成績を決定する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置において、
前記投資成績決定部は、前記投資家プレイヤーが前記投資対象プレイヤーに対してどの程度の期間連続して繰り返し投資してきたかを示す投資期間情報に応じて、前記投資家プレイヤーの投資成績を決定する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
投資家プレイヤーから、複数のゲームプレイヤーのいずれかを投資対象プレイヤーとして指定する投資指示を受け付けるステップと、
前記投資対象プレイヤーによるゲームのプレイ結果を記録するステップと、
前記投資家プレイヤーが指定した投資対象プレイヤーについて記録されたゲームのプレイ結果に応じて、当該投資家プレイヤーの投資成績を決定するステップと、
前記投資指示に応じて、前記投資対象プレイヤーに対してゲームをプレイする権利を付与するステップと、
を含むことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項8】
投資家プレイヤーから、複数のゲームプレイヤーのいずれかを投資対象プレイヤーとして指定する投資指示を受け付ける投資指示受付部、
前記投資対象プレイヤーによるゲームのプレイ結果を記録するプレイ結果記録部、
前記投資家プレイヤーが指定した投資対象プレイヤーについて記録されたゲームのプレイ結果に応じて、当該投資家プレイヤーの投資成績を決定する投資成績決定部、及び、
前記投資指示に応じて、前記投資対象プレイヤーに対してゲームをプレイする権利を付与するプレイ権付与部、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項9】
投資家プレイヤーから、複数のゲームプレイヤーのいずれかを投資対象プレイヤーとして指定する投資指示を受け付けるステップと、
前記投資対象プレイヤーによるゲームのプレイ結果を記録するステップと、
前記投資家プレイヤーが指定した投資対象プレイヤーについて記録されたゲームのプレイ結果に応じて、当該投資家プレイヤーの投資成績を決定するステップと、
前記投資指示に応じて、前記投資対象プレイヤーに対してゲームをプレイする権利を付与するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラムを格納した、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の参加プレイヤーが参加するゲームシステムを構成する情報処理装置、その制御方法、その制御プログラム、及び当該プログラムを格納する情報記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のプレイヤーが参加し、各種のゲームを楽しむことのできるゲームプラットフォームが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−088694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記ゲームプラットフォームでは、多くのプレイヤーが長期にわたって頻繁に参加し、ゲームをプレイし続けることが望まれる。そのためには、単にゲームのプレイが可能なだけに留まらず、多様なプレイヤーに多様な楽しみ方を提供できることが望ましい。
【0005】
本発明は上記実情を考慮してなされたものであって、その目的の一つは、プレイヤーに参加を促すモチベーションを提供することのできる情報処理装置、その制御方法、その制御プログラム、及び当該プログラムを格納する情報記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理装置は、投資家プレイヤーから、複数のゲームプレイヤーのいずれかを投資対象プレイヤーとして指定する投資指示を受け付ける投資指示受付部と、前記投資対象プレイヤーによるゲームのプレイ結果を記録するプレイ結果記録部と、前記投資家プレイヤーが指定した投資対象プレイヤーについて記録されたゲームのプレイ結果に応じて、当該投資家プレイヤーの投資成績を決定する投資成績決定部と、を含むことを特徴とする。
【0007】
本発明に係る情報処理装置の制御方法は、投資家プレイヤーから、複数のゲームプレイヤーのいずれかを投資対象プレイヤーとして指定する投資指示を受け付けるステップと、前記投資対象プレイヤーによるゲームのプレイ結果を記録するステップと、前記投資家プレイヤーが指定した投資対象プレイヤーについて記録されたゲームのプレイ結果に応じて、当該投資家プレイヤーの投資成績を決定するステップと、を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明に係るプログラムは、投資家プレイヤーから、複数のゲームプレイヤーのいずれかを投資対象プレイヤーとして指定する投資指示を受け付ける投資指示受付部、前記投資対象プレイヤーによるゲームのプレイ結果を記録するプレイ結果記録部、及び、前記投資家プレイヤーが指定した投資対象プレイヤーについて記録されたゲームのプレイ結果に応じて、当該投資家プレイヤーの投資成績を決定する投資成績決定部、としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態に係るゲームシステムの全体構成図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。
【
図3】ゲームプレイ権テーブルの一例を示す図である。
【
図8】ゲームプレイ成績のランキング情報を表示する画面の一例を示す図である。
【
図9】投資成績を表示する画面の一例を示す図である。
【
図10】特定のゲームプレイヤーのプレイ成績に関する詳細情報を表示する画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づき詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係るゲームシステム1の構成図である。同図に示すように、ゲームシステム1は、管理サーバ(情報処理装置)2と、複数のクライアント装置3と、ゲームサーバ4と、を含んで構成されている。クライアント装置3は、当該ゲームシステム1で実現されるゲームプラットフォームに参加する参加プレイヤーPが使用する端末装置であって、例えば家庭用ゲーム機や携帯ゲーム機、スマートフォン、パーソナルコンピュータ等であってよい。各クライアント装置3は、参加プレイヤーPが操作入力に使用する操作デバイスと、各種の情報を表示する表示画面と、を備えている。
【0012】
管理サーバ2は、
図1に示すように、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、を含んで構成されている。
【0013】
制御部11は、CPU等であって、記憶部12に格納されたプログラムに従って各種の情報処理を行う。記憶部12は、RAM等のメモリ素子を含んで構成され、制御部11が実行するプログラム、及び当該プログラムが処理対象とするデータを記憶する。記憶部12が記憶するデータには、後述する各種のテーブルの内容が含まれる。
【0014】
通信部13は、LANカード等の通信インタフェースであって、通信部13を介して管理サーバ2は複数のクライアント装置3、及びゲームサーバ4のそれぞれとデータの送受信を行う。
【0015】
本実施形態に係るゲームシステム1は、参加プレイヤーPに対して、ゲームのプレイ機能と、ゲームプレイヤーに対する投資機能を提供する。ゲームのプレイ機能は、オンライン型のゲームを実行する機能であって、この機能により、参加プレイヤーPはゲームシステム1が提供するゲームをプレイして楽しむことができる。なお、ゲームシステム1が提供するゲームは複数種類あってよい。以下では、ゲームをプレイする参加プレイヤーPをゲームプレイヤーGPという。さらに本実施形態では、ゲームシステム1が提供する投資機能によって、参加プレイヤーPはゲームプレイヤーGPとしてゲームのプレイを楽しむだけでなく、ゲームプレイヤーGPに対する投資を行うこともできる。以下、ゲームプレイヤーGPに対する投資を行う参加プレイヤーPを投資家プレイヤーIPという。なお、以下では説明の便宜上ゲームプレイヤーGPと投資家プレイヤーIPが別の人間であると仮定するが、参加プレイヤーPはゲームプレイヤーGP及び投資家プレイヤーIPの双方の立場を兼ねることができる。
【0016】
ゲームサーバ4は、オンライン型ゲームのプレイ機能を提供する情報処理装置であって、ゲームプレイヤーGPがプレイするゲームの処理を実行する。クライアント装置3がゲームサーバ4との間で通信を行うことによって、ゲームプレイヤーGPは、クライアント装置3を介してゲームサーバ4が実行するゲームをプレイする。なお、ここでは説明の便宜上、本実施形態で実現される複数種類のゲームの処理は、全てゲームサーバ4が実行することとしている。しかしながら本発明の実施の形態はこのようなものに限られず、複数のゲームサーバ4が、それぞれ独立に他のゲームサーバ4とは異なる種類のゲームを処理してもよい。こうすれば、複数のゲームベンダが、それぞれ独立にゲームサーバ4を提供し、自身が提供するゲームをゲームプレイヤーGPにプレイしてもらうことができる。
【0017】
以下、管理サーバ2が実現する機能について、
図2の機能ブロック図を用いて説明する。
図2に示すように、管理サーバ2は、機能的に、ゲームプレイ権管理部21と、投資指示受付部22と、プレイ結果記録部24と、投資成績決定部25と、結果表示制御部26と、を含んで構成されている。これらの機能は、制御部11が記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。このプログラムは、光ディスク等の各種の情報記憶媒体に格納されて管理サーバ2に提供されてもよいし、インターネット等の通信ネットワークを介して管理サーバ2に提供されてもよい。
【0018】
ゲームプレイ権管理部21は、各参加プレイヤーPに付与されるゲームプレイ権Rの情報を管理する。ゲームプレイ権Rは、ゲームプレイヤーGPが本ゲームシステム1によって提供されるゲームをプレイするために必要な権利である。ゲームプレイ権Rは、例えばプレイ時間やプレイ回数などの単位で管理される。以下では、ゲームプレイ権Rは概念的にチケットとして管理され、ゲームプレイヤーGPは自身が所持するチケットの数に応じてゲームをプレイできるものとする。例えばゲームプレイヤーGPは、チケットを1消費するごとに一定時間(又は一定回数)ゲームをプレイできる。チケットを1消費する毎に可能なゲームのプレイ時間やプレイ回数は、ゲームの種類毎に決定されてよい。
【0019】
具体的に、ゲームサーバ4は、ゲームプレイヤーGPからゲームのプレイ要求を受け付けた際に、管理サーバ2にプレイ可否の問い合わせを行う。この問い合わせには、ゲームプレイを要求したゲームプレイヤーGPを特定する情報が含まれる。この問い合わせを受けたゲームプレイ権管理部21は、要求したゲームプレイヤーGPがチケットを所持しているかチェックし、所持していない場合にはゲームのプレイを許可しない旨の応答を返信する。一方、要求したゲームプレイヤーGPがチケットを所持していれば、一定範囲でのゲームプレイを許可する旨の応答を返信するとともに、当該ゲームプレイヤーGPが所持するチケットの数を減らす処理を行う。これにより各ゲームプレイヤーGPは、自身が所持しているチケットによって可能な範囲でゲームをプレイできる。なお、本実施形態では、ゲームプレイ権Rはゲームサーバ4が提供する複数種類のゲームのいずれに対しても共通して必要であるものとする。
【0020】
ゲームプレイ権管理部21は、所定の条件に従って各参加プレイヤーPにゲームプレイ権Rを付与する。例えばゲームプレイ権管理部21は、各参加プレイヤーPに一定期間おきに一定数のチケットを付与してもよいし、所定の期間内にゲームシステム1にログインした参加プレイヤーPに対して一定数のチケットを付与してもよい。また、課金を行った参加プレイヤーPに対して課金額に応じた数のチケットを付与してもよい。なお、ゲームプレイ権Rは、入手方法ごとに異なる種類のチケットとして管理されてもよい。例えばゲームプレイ権管理部21は、無料で提供するチケットと課金に応じて提供するチケットを別の種類として、それぞれの枚数を管理してもよい。
【0021】
図3は、ゲームプレイ権管理部21が管理するゲームプレイ権Rの情報を格納するゲームプレイ権テーブルの一例を示している。このゲームプレイ権テーブルにおいては、参加プレイヤーPの全てについて、当該参加プレイヤーPを特定する情報(プレイヤーID)と、当該参加プレイヤーPが所持するチケットの枚数と、が関連づけて格納されている。
【0022】
投資指示受付部22は、投資家プレイヤーIPから投資指示を受け付ける。投資指示は、複数の参加プレイヤーPのいずれかを投資対象プレイヤーとして指定する情報を含んでいる。本実施形態において、投資対象プレイヤーに対する投資の対象はゲームプレイ権R(チケット)である。投資指示は、当該投資対象プレイヤーに対してどの程度の投資を行うかを示す投資量の情報(ここではチケット枚数)を含んでもよい。投資指示受付部22は、投資家プレイヤーIPからゲームプレイヤーGPに対する投資指示を受け付けると、投資家プレイヤーIPが所持するチケットのうち、投資量として指定された数のチケットを、投資対象となったゲームプレイヤーGPに移行させる。これにより、投資家プレイヤーIPは、自身が所持しているチケットを使用して自分がゲームをプレイする代わりに、使用しないチケットを自分以外のゲームプレイヤーGPに提供することができる。一方ゲームプレイヤーGPは、投資家プレイヤーIPから投資を受けて自身が所持するチケットの数を増やすことで、より多くゲームをプレイすることができる。なお、投資指示の際に指定される投資量(チケットの枚数)は、その最低数や投資単位が設定されてもよい。また、チケットを入手方法ごとに異なる種類のものとして管理する場合、投資に使用できるチケットの種類を制限してもよい。
【0023】
図4は、投資指示受付部22が受け付けた投資指示の内容を格納する投資テーブルの一例を示している。投資指示受付部22は、投資指示を受け付けると、当該投資指示による投資を特定する投資IDを割り当て、この投資IDに、投資家プレイヤーIPのプレイヤーID、投資対象プレイヤーのプレイヤーID、投資量(チケット枚数)、投資対象期間、及び初期投資時期を関連づけたレコードを投資テーブルに追加する。投資対象期間は、投資指示が受け付けられた時期に応じて自動的に決定される。また、初期投資時期は、当該投資家プレイヤーIPが同じ投資対象プレイヤーに連続して投資を続けている場合に、最初に当該投資対象プレイヤーに投資を行った時期を示している。この情報は、後述する投資期間情報の算出に用いられる。
【0024】
プレイ結果記録部24は、ゲームプレイヤーGPがゲームをプレイするごとに、そのゲームのプレイ結果(プレイ成績)を記録する。ここではゲームサーバ4が実行するゲームは、ゲームの種類によらず、そのプレイ成績がポイント(数値)によって表されるものとする。このポイントが高ければ高いほど、ゲームのプレイ成績がよいことになる。どのようなプレイに対してどの程度のポイントが付与されるかは、ゲームの種類ごとに個別に決定される。例えば他のゲームプレイヤーGPとの対戦を行う対戦型ゲームの場合、対戦相手に勝利することでポイントが付与されてもよい。また、クリアまでのプレイ時間を競うゲームの場合、プレイ時間が短いほど高いポイントが付与されてもよい。チケット1枚によって許可される範囲でゲームプレイヤーGPがゲームをプレイするごとに、ゲームサーバ4はそのプレイ結果を示すポイント情報を管理サーバ2に送信する。
【0025】
図5は、ゲームサーバ4が実行するゲームの一覧を格納するゲームテーブルの一例を示している。同図に示すように、ゲームテーブル内には、ゲームサーバ4が実行するゲームのそれぞれについて、当該ゲームを特定する情報(ゲームID)と、当該ゲームのタイトル名と、当該ゲームのジャンル情報とが関連づけて格納されている。
【0026】
図6は、プレイ結果記録部24が記録するゲームのプレイ結果情報を格納するプレイ結果テーブルの一例を示している。プレイ結果記録部24は、ゲームプレイヤーGPがゲームをプレイした結果を示すポイント情報をゲームサーバ4から受信するごとに、当該プレイを特定するプレイ結果IDを割り当てる。そしてプレイ結果記録部24は、このプレイ結果IDに、ゲームプレイヤーGPを特定する情報(プレイヤーID)、ゲームのタイトルを特定する情報(
図5のゲームID)、ゲームのプレイ開始日時、ゲームのプレイ終了日時、及びゲームのプレイ結果を示す獲得ポイントを関連づけたレコードをプレイ結果テーブルに追加する。また、プレイ結果記録部24はプレイの様子を示す動画像(プレイ動画像)を記録してもよい。このプレイ動画像は、例えばゲームプレイヤーGPがゲームをプレイした際に、当該ゲームプレイヤーGPが使用するクライアント装置3の表示画面に表示されたゲーム画面の内容を表す動画像であってよい。
【0027】
投資成績決定部25は、一定期間(例えば1週間)おきに、投資家プレイヤーIPが行った投資の結果(投資成績)を決定する。本実施形態において各投資家プレイヤーIPの投資成績は、繰り返し設定される投資対象期間ごとに、当該投資家プレイヤーIPが投資対象とした投資対象プレイヤーが当該投資対象期間内にプレイしたゲームのプレイ成績に応じて決定される。すなわち、投資対象プレイヤーが投資対象期間内にゲームをプレイした結果記録されるプレイ成績がよければ、当該投資対象プレイヤーに投資した投資家プレイヤーIPの投資成績がよくなる。ここでは投資対象期間は1週間であるとし、毎週、その前週に行われた投資に対する投資成績が、その週の投資対象プレイヤーのプレイ成績に応じて決定されるものとする。つまり、投資指示受付部22が受け付ける投資指示は、その投資指示の受け付けタイミングより後に開始する所定の投資対象期間を投資対象としており、その投資対象期間内における投資対象プレイヤーのプレイ成績に応じて投資成績が決定される。
【0028】
ここで、投資成績の決定方法の具体例について説明する。プレイ結果記録部24は、投資対象期間が終了するごとに、終了した投資対象期間内に各ゲームプレイヤーGPが獲得したポイントを集計して、そのランキング(順位)を決定する。これを受けて投資成績決定部25は、ランキングが高いゲームプレイヤーGPに投資した投資家プレイヤーIPに対して、高い投資成績を付与する。例えば投資成績決定部25は、ポイントランキング1位のゲームプレイヤーGPに投資した投資家プレイヤーIPにはゴールドメダルを付与し、2位のゲームプレイヤーGPに投資した投資家プレイヤーIPにはシルバーメダルを付与するなど、投資対象プレイヤーの順位に応じた種類のメダルを付与する。
【0029】
さらに投資成績決定部25は、投資家プレイヤーIPが同じ投資対象プレイヤーに対してどの程度の期間連続して繰り返し投資してきたかを示す投資期間情報を、投資成績の決定に用いてもよい。この例では、投資成績決定部25は、投資対象プレイヤーが投資対象期間に所定以上のプレイ成績を残した場合、当該投資対象プレイヤーに投資した投資家プレイヤーIPが、いつから連続して投資し続けてきたかを判定する。例えば投資家プレイヤーIPが同じ投資対象プレイヤーにN週間連続で投資し、N週目の投資対象期間に当該投資対象プレイヤーが一定以上のプレイ成績を残したとする。この場合、このNの値が大きな投資家プレイヤーIPほど、他の投資家プレイヤーIPと比較して投資成績がよいと評価される。このような評価基準を適用することにより、投資家プレイヤーIPは、将来的によい成績を挙げそうなゲームプレイヤーGPを見つけ出してまだ注目されていない段階から投資し続けるように動機付けされることになる。
【0030】
図7は、投資成績決定部25によって決定される投資成績を格納する投資成績テーブルの一例を示している。この図の例では、投資家プレイヤーIPを特定する情報(プレイヤーID)、投資成績(ここではメダルの種類)、及び投資成績が決定された時期(投資対象期間を特定する情報)が関連づけて投資成績テーブルに格納されている。
【0031】
以上の例では、ゲームサーバ4が提供する全てのゲームのプレイ結果のポイントを集計し、そのランキングに応じて投資成績を決定することとしたが、投資成績の決定方法はこのようなものに限られない。例えば投資成績決定部25は、ゲームのジャンル毎にゲームプレイヤーGPの獲得ポイントのランキングを決定し、このランキングに応じて投資家プレイヤーIPの投資成績を決定してもよい。この場合、全体のポイントは低くても、特定のジャンルで好成績を残したゲームプレイヤーGPに投資した投資家プレイヤーIPには、メダルが付与されることになる。また、投資成績は、投資対象プレイヤーが獲得したポイントの合計の数値に応じて決定されてもよい。この場合、複数の投資対象プレイヤーに投資した投資家プレイヤーIPの投資成績は、これらの投資対象プレイヤーが獲得したポイントの合計値によって決定される。また、ゲームサーバ4が実行するゲームの成績がポイントではなく勝敗によって示される場合、投資成績は投資対象プレイヤーの勝利数や連勝数に応じて決定されてもよい。
【0032】
結果表示制御部26は、各クライアント装置3からのリクエストに応じて、ゲームプレイヤーGPのプレイ成績や投資家プレイヤーIPの投資成績に関する情報をリクエストしたクライアント装置3に対して送信する。クライアント装置3は、結果表示制御部26から受信した情報を表示画面に表示することにより、当該クライアント装置3を使用する参加プレイヤーPに提示する。これにより各参加プレイヤーPは、優秀なゲームプレイ成績を残したゲームプレイヤーGPや優秀な投資成績を残した投資家プレイヤーIPが誰かを知ることができる。投資家プレイヤーIPは、ゲームプレイヤーGPのゲームプレイ成績のランキング情報を閲覧することにより、どのゲームプレイヤーGPを投資対象とするか検討できる。また、投資成績が公開されるので、自分ではゲームのプレイでよい成績を出せない参加プレイヤーPも、投資家プレイヤーIPとして、ゲームのプレイがうまいゲームプレイヤーGPに投資を行って投資成績を競う楽しみを享受できる。
【0033】
以下、結果表示制御部26によってクライアント装置3の表示画面に表示される各種の画面の具体例について、
図8から
図10の各図を用いて説明する。
【0034】
図8は、ゲームプレイ成績のランキング情報を表示する画面の一例を示している。ここでは、ある投資対象期間における獲得ポイントのランキングが1位から順に表示されている。なお、この図の例では全てのゲームについて記録されたポイントの合計値の順位が示されているが、これに限らずゲームのジャンル別のランキングやゲームのタイトルごとのランキングが参加プレイヤーPに提供されてもよい。また、全参加プレイヤーPのランキングではなく、特定の条件を満たす一部の参加プレイヤーPのランキングを表示してもよい。具体的には、直近の所定期間に本ゲームシステム1の使用を開始した参加プレイヤーPのランキング(新人ランキング)や、参加プレイヤーPのプロフィールに応じたランキング(男女別ランキングや年齢別ランキングなど)を表示してもよい。また、参加プレイヤーPが使用するクライアント装置3の種別ごとにランキングを表示してもよい。また、投資成績を決定する投資対象期間とは異なる期間(例えば日別)のランキングを表示してもよい。また、ランキング上位のゲームプレイヤーGPに対して、当該ゲームプレイヤーGPに対して出資した企業の広告を表示してもよい。
【0035】
図9は、投資成績を表示する画面の一例を示している。この図の例では、ゲームプレイヤーGPのランキングとともに、ランキング上位のゲームプレイヤーGPに対して当該ゲームプレイヤーGPに投資した投資家プレイヤーIPが関連づけて表示されている。また、ゲームプレイヤーGP及び投資家プレイヤーIPのそれぞれに付与される報酬も表示されている。なお、投資家プレイヤーIPに関連づけて、その投資家プレイヤーIPがどれだけの期間にわたって投資対象プレイヤーを投資し続けてきたかを示す投資期間情報が表示されてもよい。
【0036】
図8や
図9の画面に表示されているゲームプレイヤーGPのうちの一人をユーザが選択する操作を行った場合、選択されたゲームプレイヤーGPのプレイ成績に関する詳細情報を表示してもよい。
図10は、このような特定のゲームプレイヤーGPのプレイ成績に関する詳細情報を表示する画面の一例を示す図である。この図の例では、獲得ポイントの時間推移を示すグラフや、プレイ成績に関する各種の情報が表示される。例えば、本ゲームシステム1へのログイン頻度、アカウント作成日、最後にログインした日、プレイするゲームのジャンル比率、獲得ポイントのジャンル比率、これまでランキングで上位入賞して獲得した報酬などが表示される。また、これまでに投資された回数、いずれかの投資家プレイヤーIPから投資を受ける状態が続いている期間の長さ(被投資期間の情報)など、受けた投資に関する情報が表示されてもよい。
【0037】
さらに、
図10の例では、対象となったゲームプレイヤーGPが過去にプレイしたゲームのプレイ動画像へのリンクが画面に配置されている。このリンクをユーザが選択すると、当該ゲームプレイヤーGPのプレイ動画像を視聴できる。これにより、投資家プレイヤーIPは実際にゲームプレイヤーGPのプレイ動画像を視聴して投資を行うか否かの判断ができる。また、
図10の例では、投資決定ボタンが含まれており、このボタンをユーザが選択すると、すぐに当該ゲームプレイヤーGPを投資対象として投資を行うことができる。
【0038】
投資成績決定部25は、投資対象期間ごとに投資成績を決定した後、その結果に応じて、各投資家プレイヤーIPに対して報酬を提供してもよい。例えば優秀な投資成績を残した投資家プレイヤーIPに対して、ゲームプレイ権R(チケット)やその他の権利、ゲームシステム内通貨などを付与してもよい。また、プレイ結果記録部24は、記録されたプレイ結果に応じて、優れたゲームプレイ成績を残したゲームプレイヤーGPにゲームプレイ権R(チケット)やその他の権利、ゲームシステム内通貨などの報酬を付与してもよい。具体例として、投資対象期間が経過して投資成績決定部25が投資成績を決定するごとに、同じ投資対象期間のプレイ成績が上位のゲームプレイヤーGPに対して、順位に応じた枚数のチケットを付与してもよい。また、ゲームプレイヤーGPに対する報酬は、投資を受けたか否かに応じて決定されてもよい。具体的に、投資を受けてよい成績を残したゲームプレイヤーGPに対して、投資を受けずに同程度の成績を残したゲームプレイヤーGPよりも多くの報酬を付与してもよい。
【0039】
本実施形態に係るゲームシステム1は、投資家プレイヤーIPや、他の投資家プレイヤーIPへの情報提供を行う参加プレイヤーPに対して、投資判断に役立つ統計情報などを提供してもよい。具体的に、ゲームシステム1は、各参加プレイヤーPの課金額に関する情報や、単なるゲームのプレイ成績には表れない特定の対戦相手との対戦成績に関する情報など、投資先の決定に役立つ通常は一般公開されない情報を有償で提供してもよい。
【0040】
本発明の実施の形態は、以上説明したものに限られない。例えば以上の説明では、投資家プレイヤーIPは単にゲームプレイヤーGPだけを指定して投資指示を行うこととし、投資対象期間におけるそのゲームプレイヤーGPの全てのゲームプレイ結果に応じて投資成績が決定されるものとしている。しかしながら、これに限らず投資家プレイヤーIPは、ゲームプレイヤーGPのほかに投資対象のゲームタイトルやゲームジャンルなどの条件を指定して投資を行ってもよい。この場合、指定された条件に合致するゲームのプレイ結果だけを対象として投資成績が決定される。
【0041】
また、以上の説明では投資家プレイヤーIPは無制限に投資対象プレイヤーを選択できるものとしたが、一人のゲームプレイヤーGPに同時期に投資可能な投資家プレイヤーIPの数や一人のゲームプレイヤーGPを同時期に投資対象とする場合の投資量の合計値に制限を設けてもよい。この場合、例えば先着順で一定数の投資家プレイヤーIPが同じ投資対象プレイヤーに対して投資を行うと、それ以上他の投資家プレイヤーIPはその投資対象プレイヤーに投資を行うことができなくなる。こうすれば、投資家プレイヤーIPに対して、より他者に先んじて人気が出る前のゲームプレイヤーGPを見つけて投資を行うように動機付けできる。
【0042】
また、以上の説明ではゲームサーバ4がゲームの処理を行うこととしたが、管理サーバ2がゲームの処理自体も実行することとしてもよい。また、ゲームプレイヤーGPが使用するクライアント装置3がゲームの処理を実行し、ゲーム管理サーバ2はクライアント装置3からゲームのプレイ結果を取得して投資成績を決定してもよい。ゲームの処理がクライアント装置3で実行される場合、クライアント装置3は、ゲームプレイヤーGPがゲームをプレイしている間、必ずしもネットワークに接続された状態でなくともよく、オフラインでゲーム処理を実行してもよい。その場合クライアント装置は、ゲームプレイの終了後、または一定時間おきにネットワークに接続して、管理サーバ2に対してゲームのプレイ結果を送信する。また、管理サーバ2は、投資対象となったゲームプレイヤーGPが使用しているクライアント装置3だけに対して問い合わせを行い、そのプレイ結果を取得してもよい。こうすれば管理サーバ2は、全てのクライアント装置3によるゲームのプレイ結果を取得せずとも、投資成績を決定できる。