(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
管理者および複数のユーザの各クライアントと、前記各クライアントとの間のメッセージ処理を行うサーバ装置と、を含むメッセージ処理システムのメッセージ処理方法において、
前記サーバ装置は、
前記管理者と複数の前記ユーザとの間で、前記管理者からみて複数の前記ユーザとの間で1:N接続とし、複数の前記ユーザからみて各ユーザが前記管理者に対し1:1接続とするメッセージの共有設定を行い、
前記管理者とメッセージ共有する複数の前記各クライアント毎にチャットサービス上のトークルームを割り当てる設定時には、当該トークルームに対して入室許可された前記クライアントが前記トークルームに入室した前記管理者および複数の前記各クライアントとの間で相互に送受信するメッセージを共有させ、
閲覧許可に制限を有するゲストに対する招待時には、既にメッセージ共有されたトークルームの複製を作成し、当該複製したトークルームに、前記閲覧許可に制限を有するゲストを含ませる、
処理を実行することを特徴とするメッセージ処理方法。
管理者および複数のユーザの各クライアントと、前記各クライアントとの間のメッセージ処理を行うサーバ装置と、を含むメッセージ処理システムの前記サーバ装置のメッセージ処理プログラムは、
前記サーバ装置のコンピュータに、
前記管理者と複数の前記ユーザとの間で、前記管理者と複数の前記ユーザとの間で、前記管理者からみて複数の前記ユーザとの間で1:N接続とし、複数の前記ユーザからみて各ユーザが前記管理者に対し1:1接続とするメッセージの共有設定を行い、
前記管理者とメッセージ共有する複数の前記各クライアント毎にチャットサービス上のトークルームを割り当てる設定時には、当該トークルームに対して入室許可された前記クライアントが前記トークルームに入室した前記管理者および複数の前記各クライアントとの間で相互に送受信するメッセージを共有させ、
閲覧許可に制限を有するゲストに対する招待時には、既にメッセージ共有されたトークルームの複製を作成し、当該複製したトークルームに、前記閲覧許可に制限を有するゲストを含ませる、
処理を実行させることを特徴とするメッセージ処理プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施の形態)
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるメッセージ処理システム、メッセージ処理方法およびメッセージ処理プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。以下のメッセージ処理システムでは、企業等でユーザを管理する管理者と、ユーザ(顧客)との間のメッセージを処理する例を説明する。
【0016】
(システムの概要構成)
図1は、実施の形態にかかるメッセージ処理システムの概要図である。メッセージ処理システムは、サーバ装置100と、インターネット等を介してサーバ装置100に通信接続される複数のWeb上の複数のクライアント101と、企業の業務システム等の基幹システム102に接続されるボット(bot)103と、を含む。
【0017】
サーバ装置100は、複数のクライアント101との間で、LINE等のチャットサービスによりメッセージを送受信する。複数のクライアント101は、図示の例では、HTMLによるPC等、企業内のユーザ管理部に設置されるクライアント101aと、ユーザ(顧客)が携帯するスマートフォン等のクライアント101bと、ノードクライアント101cと、を含む。ノードクライアント101cは、基幹システムやクラウドサービス102にbot103を介して接続される。
【0018】
基幹システム102は、管理者のクライアント101a(PC)と、ユーザのクライアント101b(スマートフォン)との間で送受信するデータを保持する。そして、基幹システム102は、管理者とユーザとの間でやり取りするデータ内容に基づき、例えば、所定の業務遂行状態を管理する。
【0019】
bot103は、基幹システム102とサーバ装置100とをつなぎ、チャットサービス上で基幹システム102とのデータ送受信を可能とする。このbot103は、ノードクライアント101c上にプログラム実装される。そして、bot103は、管理者のクライアント101a(PC)からユーザのクライアント101b(スマートフォン)に対し、対話型のメッセージを送信することで、管理者とユーザとの間でやり取りするメッセージを収集する。例えば、所定の業務に応じて予め設定した定型のメッセージをユーザのクライアント101b(スマートフォン)に送信し、その返答を収集する。
【0020】
bot103は、例えば、サーバ装置100上のチャットサービス上で、ユーザのクライアント101b(スマートフォン)との間でやり取りする各種メッセージをメッセージ手順に従い、ユーザに自動送出する。この際、bot103は、メッセージをテキストだけに限らず、スタンプを用意しユーザに選択可能とすれば、ユーザの操作入力をさらに簡素化できる。例えば、進捗状態でユーザに「OK/NG」をスタンプ選択させることで、簡単な操作でメッセージ返答できるようになる。
【0021】
図2は、実施の形態にかかるメッセージ処理システムに用いる機器のハードウェア構成例を示す図である。サーバ装置100は、CPU201、ROM202、RAM203、磁気ディスクドライブ204、磁気ディスク205、光ディスクドライブ206、光ディスク207、入力デバイス208、映像I/F209、ディスプレイ210、通信I/F211、等を含む。各構成部201〜211は、バス220によってそれぞれ接続されている。
【0022】
CPU(コンピュータ)201は、サーバ装置100の全体の制御を司る制御部である。ROM202は、サーバのブートプログラムを記録している。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU201は、RAM203をワークエリアとして使用しながら、ROM202に記録された各種プログラムを実行することによって、サーバ装置100の全体の制御を司る。
【0023】
磁気ディスクドライブ204は、CPU201の制御にしたがって磁気ディスク205に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク205は、磁気ディスクドライブ204の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク205としては、例えば、HD(ハードディスク)を用いることができる。
【0024】
また、光ディスクドライブ206は、CPU201の制御にしたがって光ディスク207に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク207は、光ディスクドライブ206の制御にしたがってデータが読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク207は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。着脱可能な記録媒体として、光ディスク207のほか、MO、メモリカードなどを用いることができる。
【0025】
入力デバイス208は、文字、数値、各種指示などを入力し、複数のキーを備えたリモコン、キーボード、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス208は、リモコン、キーボード、タッチパネルのうちいずれか一つの形態によって実現されてもよいが、複数の形態によって実現することも可能である。
【0026】
映像I/F209は、ディスプレイ210に接続される。映像I/F209は、具体的には、例えば、ディスプレイ210全体を制御するグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいてディスプレイ210を制御する制御ICなどによって構成される。
【0027】
ディスプレイ210には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ210としては、例えば、TFT液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどを用いることができる。
【0028】
通信I/F211は、無線を介してネットワークに接続され、サーバ装置100およびCPU201のインターフェースとして機能する。ネットワークとして機能する通信網には、インターネット、公衆回線網や携帯電話網、LAN、WANなどがある。
【0029】
図1に示したサーバ装置100は、
図2に記載のROM202、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU201が所定のプログラムを実行することによって、メッセージ処理にかかる各機能を実現する。
【0030】
また、
図1に記載のクライアント101a,101bについても、
図2同様の構成を有する。クライアント101bは、携帯型のスマートフォンやタブレット等で構成でき、例えば、磁気ディスク205や光ディスク207に代えてフラッシュメモリを用いることができる。
【0031】
また、
図1に示したbot103は、ノードクライアント101cに実装され、
図2同様の構成を有する。
【0032】
(ゲストモードの処理例)
図3A,
図3Bは、実施の形態にかかるメッセージ処理システムが実行するゲストモードを説明する図である。
【0033】
ゲストモードでは、管理者311と、複数のユーザ321〜323との間で、管理者1:ユーザNの関係でメッセージを送受信する。管理者311はクライアント(PC)101aを操作し、ユーザ321〜323はそれぞれクライアント(スマートフォン)101bを操作する。
【0034】
そして、サーバ装置100は、1人の管理者311あたり、複数Nのユーザ321〜323とのメッセージの送受信(共有範囲)を個別に設定する。
【0035】
図3Aは、管理者側から見たメッセージの送受信先のユーザを示す状態である。管理者311側から見れば、管理者311のクライアント(PC)101a上では、複数Nのユーザ321〜323を全てリスト330上にリストアップすることができる。リスト330上では、各ユーザ321〜323との間で送受信するメッセージを一覧化して閲覧することができる。例えば、管理者311は、複数のユーザ321〜323を任意に指定して同一のメッセージを同報することもできる。
【0036】
一方、
図3Bは、ユーザ側から見えるメッセージの送受信相手を示している。ユーザ322のクライアント(スマートフォン)101b上では、リスト430上に送信相手として管理者311しかリストアップされておらず、他のユーザ321,323の存在が判らない(他のユーザを隠蔽する)。このため、ユーザ322は、他のユーザ321,323との間のメッセージの送受信は行えない。すなわち、
図3Bに示すユーザ322は、管理者311との間で1:1でメッセージの送受信をプライベートに行える。
【0037】
図3A,
図3Bに示した管理者311からみた複数のユーザ321〜323との間の1:Nのメッセージの共有、および複数のユーザ321〜323からみた管理者311との間の1:1のメッセージ送受信、の設定はサーバ装置100が行う。
【0038】
上記例では、ユーザ321〜323は、互いに他のユーザの存在が判らず、ユーザ321〜323間で相互にメッセージを送受信できない設定としたが、後述するトークルームを用いた設定により、ユーザ321〜323間で相互にメッセージを送受信可能な構成とすることもできる。
【0039】
管理者311がクライアント(PC)101aを操作して、任意のユーザ321〜323に対してメッセージを送信する場合、クライアント(PC)101aはサーバ装置100にアクセスし、クライアント101a(管理者311)がメッセージ送信可能な相手として、ユーザ321〜323をリスト330上に表示する。
【0040】
そして、管理者311は、リスト330上でメッセージ送信先のユーザ(例えばユーザ322)を選択し、選択したユーザ322にメッセージを送信する。クライアント101a(管理者311)が送信したメッセージは、対応するユーザ322のクライアント101b(スマートフォン)上に表示される。
【0041】
一方、ユーザ322がクライアント(スマートフォン)101bを操作して、管理者311に対してメッセージを送信する場合、クライアント(スマートフォン)101bはサーバ装置100にアクセスし、クライアント101b(ユーザ322)がメッセージ送信可能な相手として管理者311のみをリスト430上に表示する。そして、ユーザ322は、リスト430上でメッセージ送信先の管理者311を選択し、選択した管理者311にメッセージを送信する。クライアント101b(ユーザ322)が送信したメッセージは、対応する管理者311のクライアント101a(PC)上に表示される。
【0042】
上記管理者311とユーザ322との間でやり取りするメッセージは、ユーザ322がクライアント101bとして携帯するスマートフォン上で簡単に確認できる。ユーザ322は、予めメッセージをやり取りする(許容する)管理者311が設定されたものであるから、管理者311から受信したメッセージを迅速に確認できる。
【0043】
そして、上記管理者311とユーザ322との間でやり取りするメッセージは、チャットサービスによりメッセージのやり取りが時系列に記載されたものを見ながら作成できるため、管理者311およびユーザ322は、迅速にメッセージの内容を作成および送信できる。
【0044】
さらに、上記管理者311とユーザ322との間でやり取りするメッセージについて、bot103が仲介してもよい。この場合、bot103は、管理者311とユーザ322との間で予め定めた手順にしたがったメッセージを自動送出する。
【0045】
例えば、管理者311側(企業)が各種サポートセンタ、学習塾、人材派遣会社、流通関連企業、住宅関連企業、介護施設、人事業務、等であり、この各種企業の管理者311とユーザ(顧客)321〜323との間の連絡業務がある。
【0046】
住宅関連企業を例にとれば、ある住宅の施工に関わる複数の施工業者が各ユーザ321〜323となる。そして、bot103は、住宅施工の作業工程に対応して各ユーザ321〜323に対し、日毎の進捗(作業内容、ToDo)を確認する定型メッセージを送信し、ユーザ321〜323から定型メッセージへの返答(埋め込み)をもらう。bot103は、一つの定型メッセージの送信後、関連する次のメッセージを送信する。このように、bot103は、管理者311とユーザ321〜323とでやり取りする定型の手順毎のメッセージ例を予め保持しており、順次ユーザ321〜323に対して送信する。
【0047】
これにより、管理者311側では、ユーザ321〜323との間のメッセージ送受信をチャットサービスによるホットラインで容易、かつ迅速に行うことができる。また、bot103を用いることにより、管理者311からユーザ321〜323側へのメッセージ送信を自動化でき、メッセージのやり取りをさらに効率化することもできる。
【0048】
(トークルームを用いたゲストモードの共有範囲例)
図4は、実施の形態にかかるメッセージ処理システムが実行するゲストモードの共有範囲の初期設定例を説明する図である。
【0049】
図4に示すユーザ321,322は、管理者311により管理設定済のユーザであり、サーバ装置100は、管理者311とユーザ321,322との間でメッセージを共有する関係を設定している。即ち、サーバ装置100は、ユーザ321,322と管理者311とを、チャットサービスの同一のトークルーム400上に割り当て設定する。
【0050】
これにより、管理者311から見て管理者311は、各ユーザ321,322に対し、個別にメッセージを送受信できるとともに、同一のメッセージを一度で各ユーザ321,322に送信することができる(1:N)。また、管理者311は、各ユーザ321,322からのメッセージを受信できる。
【0051】
管理者311および各ユーザ321,322が同一のトークルーム400内で投稿したメッセージは、トークルーム400内で共有されることになるので、各ユーザ321,322は、トークルーム400内の送受信のメッセージを閲覧することができる(グループトーク)。
【0052】
以下の説明では、同一のトークルーム400に入室している管理者311およびユーザ321,322は、相互のメッセージが閲覧及び送信可能な共有設定例について説明する。
【0053】
図4の例では、ゲスト331,332は新たなユーザであり、これらゲスト331,332は、個々に管理者311と1:1でメッセージの送受信を行えるが、ゲスト331,332同士は互いの存在が判らない状態とされ、ゲスト331,332同士でのメッセージ送受信はできない。
【0054】
図5は、実施の形態にかかるメッセージ処理システムが実行するゲストモードの共有範囲の変更例を説明する図である。
【0055】
図4に示した状態の後、ゲストを招待することで一度同一のトークルーム400に招待された場合、同一のトークルーム400内のゲスト同士も互いの存在が見えるように共有範囲が設定変更される。ゲストの招待は、管理者311あるいはユーザ321,322が行い、サーバ装置100が招待と共有範囲を設定する。
【0056】
そして、
図5に示す例では、ゲスト332,333がトークルーム400に招待され、ゲスト332,333が入室設定した状態を示す。サーバ装置100は、ゲスト332,333(クライアント101b)がトークルーム400へ入室設定した状態を設定する。これにより、サーバ装置100は、トークルーム400内に入っているユーザ321,322と、ゲスト332,333を加えた4名が管理者311との間のメッセージを共有することができる。
【0057】
なお、
図5の例では、ゲスト331は、トークルーム400に入室しておらず、ゲスト331は、管理者311との間でのみメッセージ送受信が行える。ゲスト331は、他のユーザ321,322、ゲスト332,333から存在が見えず、他のユーザ321,322、ゲスト332,333との間のメッセージ送受信は行えない。
【0058】
図6は、実施の形態にかかるメッセージ処理システムが実行するゲストモードの共有範囲の設定処理例を示すフローチャートである。サーバ装置100による
図4,
図5の処理例を示す。
【0059】
はじめに、サーバ装置100は、招待するゲストがあるか判断する(ステップS601)。招待するゲストがある場合(ステップS601:Yes)、すなわち、管理者311のクライアント101a(PC)あるいは、トークルーム400に入室済のユーザ321,322のクライアント101b(スマートフォン)がゲスト332,333を招待すると、サーバ装置100は、これら管理者311、ユーザ321,322が入室しているトークルーム400を選択および設定する(ステップS602)。招待するゲストがない場合(ステップS601:No)、処理を終了する。
【0060】
そして、サーバ装置100は、招待するゲスト332,333のクライアント101b(スマートフォン)に対し設定したトークルーム400への招待を通知し、ゲスト332,333のクライアント101b(スマートフォン)からの返答を待つ(ステップS603)。
【0061】
そして、サーバ装置100は、ゲスト332,333のクライアント101b(スマートフォン)から返答を待ち(ステップS603:Noのループ)、返答があると(ステップS603:Yes)、返答があったゲスト332,333のクライアント101b(スマートフォン)について、トークルーム400への入室を設定する(ステップS604)。
【0062】
これにより、サーバ装置100は、返答したゲスト332,333のクライアント101b(スマートフォン)に対し、トークルーム400内に入室済のユーザ321,322のクライアント101b(スマートフォン)、および管理者311のクライアント101a(PC)との間でのメッセージ共有(互いのメッセージの送受信)を許可し(ステップS605)、処理を終了する。
【0063】
図7A,
図7Bは、実施の形態にかかるメッセージ処理システムが実行するゲストモードの共有範囲の設定処理内容を示す図表である。
【0064】
図7Aは、
図4の設定状態を示しており、共有範囲設定テーブル700には、トークルーム1(400)毎に、管理者M(311)と、ユーザA(321)、ユーザB(322)、ゲストG2(332)が入室設定されている。
【0065】
サーバ装置100は、共有範囲設定テーブル700に基づき、管理者M(311)からみて各ユーザA(321)、ユーザB(322)、ゲストG2(332)に対し、1:N接続によるメッセージ送信(送受信)を設定する。トークルーム400内におけるメッセージは、このトークルーム400を共有するユーザ(管理者M(311)、ユーザA(321)、ユーザB(322)、ゲストG2(332))に、共有される。
【0066】
また、トークルーム設定時には、共有範囲設定テーブル700に基づき、管理者M(311)と、各ユーザA(321)、ユーザB(322)、ゲストG2(332)との間で相互に(任意に)メッセージ送信(送受信)可能となる設定を行う。
【0067】
図7Bは、
図5の設定状態を示しており、共有範囲設定テーブル700には、
図4の状態に加えて、新たに招待されたゲストG3(333)が入室設定される。
【0068】
サーバ装置100は、
図7A,
図7Bに示すゲストモードの共有範囲設定テーブル700を有し、この共有範囲設定テーブル700を用いてメッセージ共有のユーザ(ゲスト)を選択(特定)する。
【0069】
これら
図7A,
図7Bでは、管理者をM(311)が1名の例であるが、管理者を複数名とすることもできる。これにより、例えば、上記の各企業における所定業務に複数の部署の複数Nの管理者が携わる場合(N:M)にも対応できる。
【0070】
図8は、実施の形態にかかるメッセージ処理システムが実行するゲストモードの共有範囲の他の例を説明する図である。
図8を用いて、特定のトークルームにのみ共有(閲覧)権限をもたせたゲストの設定例を説明する。
【0071】
図8に示すように、トークルーム1(400)には、管理者M(311)と、ユーザA(321),ユーザB(322)が入室している状態であるとする。この後、組織外のゲストG4、例えば、閲覧許可に制限をもたせたゲスト(351)に対し、例えば、一時的にメッセージ共有する場合が生じたとする。この場合、ゲストG4(351)は、トークルーム1(400)に永続的に入室するゲストではないため、トークルーム1(400)には入室させない。
【0072】
そして、サーバ装置100は、トークルーム1(400)と同様の設定内容(メンバ構成)を有するトークルーム2(400a)を複製して作成する。そして、この複製したトークルーム2(400a)に組織外のゲストG4(351)を入室許可する。ゲストG4(351)は、トークルーム2(400a)内でのみ他のメンバ(管理者M(311),ユーザA(321),ユーザB(322))とメッセージ送受信できる。
【0073】
このように、組織外等、一時的なゲストG4については、複製したトークルーム(トークルーム2)への入室を許可することにより、異なるトークルーム(トークルーム1)でのメッセージ共有の内容を閲覧許可に制限をもたせたゲストG4は閲覧できず、トークルーム1でのメッセージ内容のセキュリティを保つことができるようになる。
【0074】
以上説明した実施の形態によれば、管理者とユーザとの間でメッセージ送受信する際、予め設定した管理者とユーザとの間でのみメッセージを送受信できる。この際、管理者からみて複数のユーザに対して1:N接続により、メッセージを同報でき、複数のユーザからのメッセージを受信でき、ユーザ管理を容易に行えるようになる。また、ユーザからみて、管理者との間は1:1接続であり、メッセージにセキュリティを有して送受信できる。
【0075】
管理者と複数のユーザとの間は、チャットサービスを用いて即時にメッセージを送受信できる。また、トークルーム設定により、トークルームに入室した管理者およびユーザ(ゲスト)の相互間で任意にメッセージを送受信(共有)することもできる。
【0076】
これらにより、所定の業務遂行時にやり取りするメッセージを必要なメンバ間で迅速かつ簡単に送受信でき、メッセージのやり取りを効率化できる。また、設定したメンバ間でのみメッセージをやり取りできるため、メッセージの内容のセキュリティを高めることができる。
【0077】
なお、本実施の形態で説明したメッセージ処理にかかるプログラムは、予め用意されたプログラムをコンピュータで実行することにより実現することができる。また、このプログラムは、半導体メモリ、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。