特許第6243383号(P6243383)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243383
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】気管切開バルブ及び関連方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/04 20060101AFI20171127BHJP
   A61M 16/20 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   A61M16/04 Z
   A61M16/20 G
【請求項の数】17
【外国語出願】
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-193449(P2015-193449)
(22)【出願日】2015年9月30日
(62)【分割の表示】特願2014-85717(P2014-85717)の分割
【原出願日】2008年7月30日
(65)【公開番号】特開2016-39912(P2016-39912A)
(43)【公開日】2016年3月24日
【審査請求日】2015年10月27日
(31)【優先権主張番号】11/830,573
(32)【優先日】2007年7月30日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510028305
【氏名又は名称】パッシィ−ミューア,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】バレ,レックス オー.
(72)【発明者】
【氏名】スケラー,アンドリュー ジェイ.
【審査官】 落合 弘之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第4538607(US,A)
【文献】 特開昭61−130678(JP,A)
【文献】 特表昭62−502103(JP,A)
【文献】 特表平5−503757(JP,A)
【文献】 特表平6−504922(JP,A)
【文献】 特表2000−511458(JP,A)
【文献】 特表2006−509601(JP,A)
【文献】 実開昭63−096848(JP,U)
【文献】 実開平6−7747(JP,U)
【文献】 米国特許第1867478(US,A)
【文献】 米国特許第4325366(US,A)
【文献】 米国特許第4494252(US,A)
【文献】 米国特許第7025784(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0182446(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/04,16/20,39/24,
F16K 15/14−15/18,17/12,17/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気管切開チューブと作動可能に接続されるように構成された近位端と、
遠位端と、
内側本体であって、前記内側本体の外径が前記近位端から前記遠位端への方向において大きくなる、内側本体と、
前記遠位端に向かって内側にテーパーになっている外側表面を備える外側本体と、
実質的に平面的なリブであり、前記遠位端に近接する、前記リブの遠位部がバイアス突部を備える、リブと、
前記リブの前記バイアス突部と接触するダイヤフラムであり、前記リブは前記ダイヤフラムと実質的に直交する、ダイヤフラムと、
前記リブと一体的に形成され、前記リブから遠位に延在するポストであり、前記ダイヤフラムはアパーチャを備え、該ポストが前記アパーチャを貫通して延在する、ポストと、
を備えるバルブ。
【請求項2】
前記内側本体と前記外側本体との間に複数のスプラインをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のバルブ。
【請求項3】
前記リブが、前記外側本体の内側表面に当接することを特徴とする請求項1または2に記載のバルブ。
【請求項4】
前記内側本体と外側本体とが、ショルダーによって連結されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項5】
前記リブが、前記ショルダーに当接することを特徴とする請求項4に記載のバルブ。
【請求項6】
バルブの前記遠位端に近接するキャップであって、前記キャップは:
前記外側本体の内側に位置する最外周部と、
前記外側本体の内側レッジに当接するリムと、
環状ボスと、
を備える、キャップをさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項7】
前記ダイヤフラムが、前記キャップのボスと前記リブの前記バイアス突部とに接触し、かつ前記キャップのボスと前記リブの前記バイアス突部との間に位置することを特徴とする請求項6に記載のバルブ。
【請求項8】
前記キャップが、前記バルブを通過する層流の流れを促進するように構成された表面を備えることを特徴とする請求項6または7に記載のバルブ。
【請求項9】
前記キャップが、複数のスポークを備えており、前記複数のスポークのうちの少なくともいくつかのスポークが、その他のスポークよりも幅広になっており、前記幅広のスポークが、前記リブに対して位置合わせされていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項10】
前記キャップが、前記幅広のスポークと前記リブとを位置決めするように構成されたキーを含むことを特徴とする請求項9に記載のバルブ。
【請求項11】
前記キャップが、凹部を備えるハブを備え、前記ポストが、該凹部内に延在することを特徴とする請求項6〜10のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項12】
前記外側本体の近位端部から径方向外側に向かって延在するフランジをさらに備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項13】
前記内側本体が、前記外側本体と一体であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項14】
前記リブが、前記内側本体と前記外側本体の少なくとも一方と一体であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項15】
前記実質的に平面的なリブが、前記内側本体の遠位方向に延在することを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項16】
前記リブが、当該バルブの直径に沿って当該バルブの内部の一部に亘って延在することを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項17】
前記リブが、当該バルブの直径に沿って当該バルブの内部全体に亘って延在することを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載のバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気管切開患者に使用するためのバルブ及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
<関連技術>
その全体が参照により本明細書中に組み込まれる米国特許第4,759,356号には、気管切開バルブユニットが記載されている。このバルブユニットは、気管切開チューブアセンブリの一方の端部に固定可能であり、チューブを通る空気流を制御する。バルブユニットは、気管切開患者が息を吐く時、及び患者が息を吸う時以外の他の時は全て、閉じられたままである。バルブは、患者が息を吸う時に開き、空気が気管切開チューブを通って患者の肺に流れることを可能にする。
【0003】
バルブの外側端部は、可撓性ダイヤフラムが固定される支持体を備える。ダイヤフラムは、患者の吸息及び呼息に応じて選択的にバルブを密閉する。リベットが、ダイヤフラムの中心及び支持体の中心を通り抜けており、これら2つの構成部材を互いに固定している。更に、このリベットは、ダイヤフラムを支持体上の装着リングに着座させてダイヤフラムに事前に負荷を加え、患者が息を吸う時以外は常に、装着リングに沿った全ての位置で良好な連続した接触を維持する有効な閉鎖を作り出す。
【0004】
適切に製造されると、上記の’356号特許に記載の気管切開バルブユニットは、患者の気管切開チューブを通って外部に流れる空気流を遮り、チューブを通って内部に流れる空気流を可能にする有効な装置である。しかしながら、ダイヤフラムを事前負荷し、上述した有効な閉鎖を作り出すためには、リベットを正確に設置しなければならない。リベットが、ダイヤフラムを装着リングに向けて十分に引き付けていなければ、ダイヤフラムは適切に事前負荷されず、バルブは設置時に密閉されないことになる。一方で、リベットが、ダイヤフラムを装着リングに向けて引き付け過ぎると、ダイヤフラムには過負荷になり、開弁に非常に高い圧力が必要とされることになる。極端な場合には、ダイヤフラムにしわが寄る場合さえあり、それはダイヤフラムと装着リングとの間に隙間を生じさせる原因となる。言うまでもないが、隙間はダイヤフラムの密閉能力を損なう。
【0005】
上記の’356号特許に記載されているように、リベットを設置する工程には、ヒートステーキング(熱固定)ステップが伴う。「リベット20の有効長は、端部20cをヒートステーキングすると同時に、調整可能な支持体を有するリベットの頭部20aをブロッキングすることにより、設置中に確立される。その後、調節可能な支持体を調節すると、リベット20が圧縮され、ヒートステーキングされた端部20cが形成され、それによりダイヤフラムが支持体16にマウントされてダイヤフラム18に事前負荷がかかる。」(9欄、52〜58行)。残念ながら、ヒートステーキングは、ヒートステーキングされた端部20cの位置がヒートステーキング装置の温度、及びヒートステーキングされた端部20cに熱を加える時間の長さによって影響を受けるため、かなり不正確である。これらの変数を必要な精度で管理して、毎回適切にリベットを設置するのは困難である。溶けたプラスチックが、ヒートステーキング装置の先端に付着する傾向もあり、これによりこの工程の管理は更に複雑になる。従って、この気管切開バルブユニットは、製造工程中に高い割合で不合格になり、そのためバルブユニットの製造コストが上昇する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本気管切開バルブ及び関連方法の好ましい実施形態は、幾つかの特徴を有するが、それらの1つが単独で、本気管切開バルブ及び関連方法の望ましい属性の全ての要因となるわけではない。添付の特許請求の範囲によって表現されたこれらのバルブ及び方法の範囲を限定することなく、それらのより顕著な特徴をこれから手短かに考察する。本考察を考慮すると、特に「発明を実施するための形態」という表題の項を読むと、好ましい実施形態の特徴が、製造の容易さ、信頼性の高い反復可能なダイヤフラムの変形、吸息中にバルブユニットを通る滑らかな空気流、及びバルブユニットを通る空気流を吸息中以外は常に妨げる連続した密閉などの利点を、どのように提供するかが理解されよう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本気管切開バルブ及び関連方法の1つの実施形態は、患者の気管内に挿入可能な気管切開チューブと協働するように構成された気管切開バルブユニットを含む。バルブユニットは、第1の端部、第2の端部、及びそれを通って延在する流体通路を有するバルブ本体を備える。第1の端部は、気管切開チューブと作働可能に接続するように構成される。可撓性ダイヤフラムは、バルブ本体の第1の端部から離間された流体通路内に配置される。ダイヤフラムは、第1の面、及び第1の面と反対側の第2の面を有する。リブは、流体通路内に配置される。リブの少なくとも一部は、ダイヤフラムの第1の面と隣接している。ダイヤフラムとバルブ本体第1の端部との間隔は、リブとバルブ本体第1の端部との間隔よりも大きい。リブの少なくとも一部は、ダイヤフラムの少なくとも一部と仮想線で交差する仮想平面を定義する。
【0008】
本気管切開バルブ及び関連方法の別の実施形態は、患者の気管内に挿入可能な気管切開チューブと協働するように構成された気管切開バルブユニットを含む。バルブユニットは、第1の端部、第2の端部、及びそれを通って延在する流体通路を有するバルブ本体を備える。第1の端部は、気管切開チューブと作働可能に接続するように構成される。実質的に平板として形成されているリブは、流体通路内に配置されており、バルブ本体の対向する内側表面間でその直径に沿って延在している。可撓性ダイヤフラムは、バルブ本体の第1の端部から離間された流体通路内に配置されている。ダイヤフラムは、第1の面、及び第1の面と反対側の第2の面を有する。リブの縁の少なくとも一部は、ダイヤフラムの第1の面と隣接している。ダイヤフラムとバルブ本体第1の端部との間隔は、リブとバルブ本体第1の端部との間隔よりも大きい。
【0009】
本気管切開バルブ及び関連方法の別の実施形態は、気管切開が行われた患者の生理学的な機能不全を緩和し、身体機能を向上させる方法であり、上記機能不全が気管切開に起因し、上記機能が気管切開によって損なわれており、上記患者が自身の気管への頚部開口部を有し、上記頚部開口部が気管に空気を通すのに適している方法を含む。この方法は、(1)頚部開口部から気管切開チューブを気管に挿入するステップであり、上記気管切開チューブが、気管に収容されるのに適した気管端部、患者の体外にあるのに適した近位端部、及びそれを通って延在する流体通路を有し、上記流体通路が、近位端部にチューブ入口を有し、患者の気管内にある気管端部にチューブ出口を有しているステップと;(2)気管端部が患者の気管に収容され、近位端部が患者の体外にあるように、気管切開チューブを気管に挿入するステップであり、従って、チューブが、流体通路を通って入口から出口へと患者の気管に空気を伝達するように構成されているステップと;(3)気管切開チューブの近位端部に、気管切開バルブユニットを作働可能に固定するステップであり、上記気管切開バルブユニットが、気管切開チューブの近位端部への作働可能な接続用に構成された第1の端部、第2の端部、バルブユニットの第2の端部に位置したバルブユニット入口、患者が息を吸う時にバルブユニット入口からバルブユニットを通り、その後チューブを通って患者の気管へ空気流を流すための伝達手段、並びに、バルブユニット入口と良好で連続した閉鎖接触を作り、患者が息を吐く時は常に及び患者が息を吸う時以外は常に、チューブから伝達手段を通りバルブ入口を通る空気流をそれにより完全に遮る遮断手段を有するステップと;(4)バルブ第1の端部を気管切開チューブの近位端部に流体的に接続し、それにより、患者が息を吸う時に、バルブユニット入口からバルブユニットを通り、その後チューブ入口を通って患者の気管に空気流を流し、患者が息を吐く時は常に及び患者が息を吸う時以外は常に、チューブ入口から伝達手段を通りバルブユニット入口を通って外気に流れる空気流を完全に遮るステップとを含む。患者が息を吸うときに、遮断手段での圧力差により、遮断手段を横切って延在する仮想線の周辺で遮断手段が湾曲し、それにより、バルブユニット入口との良好で連続した閉鎖接触が断たれ、外気からバルブユニット入口を通り、バルブユニットへと空気が流れることが可能になる。
【0010】
本気管切開バルブ及び関連方法の別の実施形態は、患者の気管内に挿入可能な気管切開チューブと協働するように構成された気管切開バルブユニットを含む。バルブユニットは、近位端部、遠位端部、及びそれを通って延在する流体通路を有するバルブ本体を備える。近位端部は、気管切開チューブと作働可能に接続するように構成されている。リブは、遠位端部に隣接した流体通路内に配置され、上記リブはバルブ本体に近接している。可撓性ダイヤフラムは、リブから遠位の流体通路内に配置されている。ダイヤフラムは、近位面及び遠位面を有する。キャップは、ダイヤフラムから遠位のバルブ本体に作働可能に固定されている。キャップは装着リングを備えている。リブの少なくとも一部は、ダイヤフラムの近位面に隣接しており、装着リングは、ダイヤフラムの遠位面に隣接している。リブ及び装着リングは、ダイヤフラムを変形させて、ダイヤフラムと装着リングとの接合部位に、連続した良好な密閉を作り出す。
【0011】
本気管切開バルブ及び関連方法の特徴を例示するその好ましい実施形態を、以下詳細に説明する。これらの実施形態では、添付図面中で示されている新規で進歩性のある気管切開バルブが示されるが、それは例示目的のためだけである。これらの図面には、以下の図が含まれており、図中の同じ数字は同じ部材を示す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本気管切開バルブの1つの実施形態の正面斜視図である。
図2図1の気管切開バルブの分解正面斜視図である。
図3図1の気管切開バルブの分解後面斜視図である。
図4図1の気管切開バルブの正面斜視断面図である。
図5図1の5−5線に沿って切り取った、図1の気管切開バルブの断面図である 。
図6図1の6−6線に沿って切り取った、図1の気管切開バルブの断面図であり 、患者が息を吸う時にそうなるように湾曲した状態のバルブのダイヤフラムを例示している。
図7図8の7−7線に沿って切り取った、図1の気管切開バルブのバルブ本体の 断面図である。
図8図7のバルブ本体の正面立面図である。
図9図7のバルブ本体の後面立面図である。
図10図1の気管切開バルブのキャップの正面立面図である。
図11図10のキャップの後面立面図である。
図12図11の12−12線に沿って切り取った、図10のキャップの断面図で ある。
図13図14の13−13線に沿って切り取った、本気管切開バルブの別の実施 形態の断面図である。
図14図13の気管切開バルブの正面立面図である。
図15図13の気管切開バルブの後面立面図である。
図16図17の16−16線に沿って切り取った、本気管切開バルブの別の実施 形態の断面図である。
図17図16の気管切開バルブの正面立面図である。
図18図19の18−18線に沿って切り取った、本気管切開バルブの別の実施 形態の断面図である。
図19図18の気管切開バルブの正面立面図である。
図20図18の気管切開バルブの後面立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1〜6は、本気管切開バルブの1つの実施形態を例示する。バルブ30は、実質的にテーパー状伸長円筒体として形成されており、近位端部32及び遠位端部34を備える(図1)。本明細書中で使用される場合、近位及び遠位という用語は、気管切開患者に対する近接性を参照する。従って、例えば、バルブ30の近位端部32は、患者の小孔内に配置された気管切開チューブにバルブ30が適切に係合されると、それが相対的に患者に接近しているため、そのように称される。
【0014】
図2及び3に関して、バルブ30は、バルブ本体36、ダイヤフラム38、及びキャップ40を備える。図7〜9では、バルブ本体36が詳細に例示されている。例示した実施形態では、バルブ本体36は、実質的に、テーパー状の円筒形外側本体42及びテーパー状の円筒形内側本体44を備える。下記で詳細に記述するように、内側本体44の内部部分は、バルブ30を通って空気を伝達する流体通路46(図7)を定義する。
【0015】
図4に関して、内側本体44は外側本体42内にあり、内側本体44の遠位端部48は、外側本体42の遠位端部34から離間された位置で外側本体42の内側表面52と合流する外側に延在したフランジ50を備える。例示した実施形態では、内側本体フランジ50は、内側本体44から外側に向かって、バルブ30の遠位端部34に向かって、およそ45°の角度で延在する。当業者であれば、内側本体フランジ50は、内側本体44から任意の角度で延在していてよいことを理解できるであろう。しかしながら、より浅い角度は、フランジを通過する空気流に対する抵抗をより少なくし、より急な角度は抵抗をより大きくする。従って、比較的浅い角度が好ましく、45°は、許容し得る空気流をもたらす。下記で詳細に説明するように、遠位と向き合うフランジ50の表面は、リブ56を支持するショルダー54を形成する。
【0016】
図7に関して、内側本体44の外径は、外側本体42の内径未満であり、そのため内側本体44と外側本体42との間に円筒形空洞58が存在する。複数の規則的に離間されたスプライン60(図7及び9)は、空洞58を越えて延在し、内側本体44を外側本体42に接合する。例示した実施形態では、4つのスプライン60が示されており、各スプライン60は、内側本体44の遠位端部48から、バルブ30の近位端部32から離間された位置へと延在する(図4)。しかしながら、当業者であれば、より少数の又はより多くのスプライン60を備えていてもよく、スプライン60は、空洞58に沿ってより短い長さ又はより長い長さで延在してもよいことを理解できるであろう。スプライン60は、バルブ本体36の剛性を有利に増加させ、バルブ本体36の丸胴形の維持を支援する。しかしながら、当業者であれば、スプラインを備える必要はないことを理解できるであろう。
【0017】
図7に関して、内側本体44の壁厚は、近位から遠位方向に増加する。従って、その同じ方向に、内側本体44の内径は徐々に減少し、内側本体44の外径は徐々に増加する。
従って、内側本体44は、滑り摩擦嵌合で気管切開チューブ(非表示)と嵌合するように構成されている。1つの実施形態では、気管切開チューブが内側本体44内に収容され、別の実施形態では、内側本体44が気管切開チューブ内に収容される。更に別の実施形態では、内側本体44及び気管切開チューブが互いに直接係合しないように、バルブ30と気管切開チューブとの間にアダプター(非表示)が、配置される。内側本体44は、一般的に用いられている、直径及び壁厚が既知の気管切開チューブと嵌合するサイズに作製することができる。例えば、1つの実施形態では、内側本体44は、15mmのISOテーパーを備える。しかしながら、内側本体44は、あらゆる気管切開応用に適合するように、種々のサイズに製造することができる。更に、当業者であれば、幾つかの実施形態では、内側本体44はテーパー表面を備えていなくともよいことを理解できるであろう。
【0018】
図7に関して、例示した実施形態では、外側本体42の外側表面62は、近位端部32から遠位端部34へと、内側にテーパーされている。テーパー化により、バルブ30をベンチレーターと直列に配置することが容易になる。例えば、上述のように、バルブ本体36の近位端部32は、気管切開チューブを受けることができ、バルブ本体36の遠位端部34は、ベンチレーターと接続しているチューブを受けることができ、チューブは、滑り摩擦嵌合で遠位端部34と重なり合う。外側本体42は、一般的に用いられている、直径及び壁厚が既知のチューブと嵌合するサイズに作製することができる。例えば、1つの実施形態では、外側本体42は、22mmのISOテーパーを備える。しかしながら、外側本体42は、あらゆる応用に適合するように、種々のサイズ及びテーパーに製造することができる。更に、当業者であれば、幾つかの実施形態では、外側本体42は、テーパー外側表面62を備えていなくともよいことを理解できるであろう。
【0019】
図2及び7に関して、外側本体42の近位端部32は、外側に延在するフランジ64を備える。フランジ64は、バルブ本体36の剛性を有利に増加させ、バルブ本体36の丸胴形の維持を支援する。しかしながら、当業者であれば、フランジ64を備える必要はないことを理解できるであろう。
【0020】
図2及び7に関する続きであるが、外側本体42は、内側に延在する環状レッジ66を備える。レッジ66は、外側本体42の内部円周の周囲に延在し、遠位端部34から短い距離で離間されている。下記で詳細に説明するように、レッジ66は、キャップ40の台座を提供する。図2及び8に関して、キー68は、その遠位端部34で外側本体42の内側表面から内側に向かって延在する。下記で詳細に説明するように、キー68は、キャップ40のキー溝70(図2及び10)と嵌合する。
【0021】
図2及び7に関して、リブ56は、バルブ本体36を横切って延在する。リブ56は、実質的に平板として形作られており、外側本体42の内側表面間にその直径を横切って延在する。リブ56の遠位縁部72(図2)は、レッジ66から近位方向に離間されている。リブ56の近位縁部74(図7)は、ショルダー54の近位縁部76により定義される仮想平面にあり、そのためリブ56の近位隅部78はショルダー54に沿って延在する(図2)。当業者であれば、リブ56は、異なるように形成及び/又は構成されていてもよいことを理解できるであろう。例えば、リブ56は、バルブ本体36の長さに沿ってより短い長さ又はより長い長さに延在していてもよく、及び/又はリブ56はショルダー54に接している必要がない。
【0022】
図2、8、及び9に関して、例示した実施形態では、実質的に円筒形のポスト80は、リブ56と交差する。ポスト80の長手軸は、バルブ本体36の長手軸と実質的に一致する。ポスト80の直径は、リブ56の厚さより大きい。ポスト80の高さはリブ56の長さより高く、そのためポスト80の遠位延出部分82(図2)は、リブ56の遠位縁部72から遠位に延在する。下記で詳細に説明するように、遠位延出部分82は、キャップ40の凹部84(図12)と嵌合する。当業者であれば、ポスト80は、異なるように形成及び/又は構成されていてもよいことを理解できるであろう。例えば、ポスト80は、より高くてもよく若しくはより短くてもよく、及び/又はより小さい直径若しくはより大きい直径を有していてもよく、及び/又は異なる断面形を有していてもよい。
【0023】
リブ56の遠位縁部72は、ポスト80の両側に、第1及び第2のバイアス突部86を備える。下記で詳細に記述するように、突部86は、ダイヤフラム38の中央部分を圧迫して、キャップ40に対してダイヤフラム38にバイアスをかける。下記で詳細に説明するように、バイアスをかけることは、キャップ40全体の周囲での完全で連続した密閉に寄与する。
【0024】
分かりやすくために、図5に関して、内側本体44及び外側本体42を備えるバルブ本体36は、第1の一体型部品として例示されており、リブ56及びポスト80は、第2の一体型部品として例示されている。当業者であれば、バルブ本体36及びリブ56/ポスト80は、例えば、互いに接着若しくは溶着されているか、又は任意の他の好適な手段により固定されている別々の部品として形成されていてもよいことを理解できるであろう。
当業者であれば、バルブ本体36、リブ56、及びポスト80は、単一の一体型部品として形成されていてもよいことをも理解できるであろう。
【0025】
1つの実施形態では、バルブ本体36は、プラスチック又は別の類似材料で構築することができる。1つのそのような実施形態では、バルブ本体36は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABSプラスチック)で構築される。当業者であれば、バルブ本体36は、アクリル樹脂、ポリマー(ポリプロピレン及びポリエチレン等)、及び金属などの代替材料で構築することができることを理解できるであろう。バルブ本体36は、成形、射出成形、鋳込成形、及び機械加工等の種々の工程のいずれによってでも作製することができる。
【0026】
図2及び3に関して、ダイヤフラム38は、中央アパーチャ88を有する比較的薄い円盤で構成される。アパーチャ88は、ポスト80の遠位延出部分82を受けるように構成及び配置され、そのためダイヤフラム38は、突部86の上に着座する。ダイヤフラム38の一部は、リブ56の遠位縁部72と接触してもよい。
【0027】
例示した実施形態では、ダイヤフラム38は円形である。しかしながら、当業者であれば、ダイヤフラム38は、バルブ本体36及びキャップ40と協働して、バルブ30の遠位端部34で又はその周辺で密閉を作り出すように構成されている任意の形状を有していてよいことを理解できるであろう。ダイヤフラム38は、患者が息を吸うと共に変形することができ、それにより密閉が断たれ、バルブ30を通って空気が流れることが可能になるように、可撓性があることが好ましい。更に、ダイヤフラム38は、キャップ40との接触時に密閉を形成可能であることが好ましい。1つの実施形態では、ダイヤフラム38はシリコンで構築されている。しかしながら、当業者であれば、他の材料を代りに使用できることを理解できるであろう。
【0028】
図10〜12では、キャップ40が詳細に例示されている。キャップ40は、車輪に似ており、中央ハブ90、外側リム92、ハブ90とリム92との間に延在する複数のスポーク94、96を備える。例示した実施形態では、6つのスポーク94、96が備えられており、隣り合うスポーク94、96は、およそ60°で離れている。しかしながら、当業者であれば、より少数の又はより多数のスポークが備えられていてもよく、スポークは規則的に離間されている必要はないことを理解できるであろう。更に、例示した実施形態では、2つのスポーク94は比較的厚く、4つのスポーク96は比較的薄い。しかしながら、当業者であれば、比較的厚いスポークがより多くてもよく、比較的薄くいスポークがより多くてもよいことを理解できるであろう。スポーク94、96の少なくとも幾つかでは、スポークの断面が、遠位から近位方向に外側に向かってテーパーされていることが有利である。下記で詳細に記述するように、この構成は、キャップ40を通る空気流に対する抵抗を低減する。
【0029】
例示した実施形態では、ハブ90は円形であり、その近位表面に円筒形凹部84を備える(図12)。下記で詳細に記述するように、凹部84は、嵌め合い係合でバルブ本体36のポスト80の遠位延出部分82を受ける。凹部84の断面形状及び/又は深さは、凹部84のポスト80への嵌合が可能になるように変更することができる。下記で詳細に記述するように、ハブ90の遠位の外側縁部98は、キャップ40を通る空気流に対する抵抗を低減するテーパーを備える。ハブ90の遠位面は、中央くぼみ部102を有するボス部100を備える。
【0030】
例示した実施形態では、リム92は円形であり、平坦な外側表面104(ハブ90から外方向に向いている)及びテーパー内側表面106(ハブ90に向いている)を有する変則的な断面を備える(図12)。しかしながら、当業者であれば、リム92は、楕円形、長円形、又は正方形等の事実上いかなる形状を有していてもよいことを理解できるであろう。当業者であれば、リム92は、事実上いかなる断面形状を有していてもよいことを理解できるであろう。しかしながら、下記で詳細に記述するように、遠位から近位方向にリム92の内径が減少するテーパー内側表面106は、キャップ40を通る空気流に対する抵抗を有利に低減する。
【0031】
例示した実施形態では、図1及び2に示したように、リム92の外側表面は、バルブ本体36のキー68と嵌合するキー溝70(図10)を備える。嵌合キー68及びキー溝70は、キャップ40がバルブ本体36と適切に位置合わせされることを保証する。適切に位置合わせされると、キャップ40のより幅広のスポーク94は、リブ56と一直線に並ぶ。下記で詳細に記述するように、この構成は、バルブ30を通る空気流に対する抵抗を低減する。しかしながら、当業者であれば、キー68もキー溝70も備えられている必要はないことを理解できるであろう。当業者であれば、より多くのキー、及び嵌合キー溝が、バルブ本体36及びキャップ40にそれぞれ備えられていてもよいことも理解できるであろう。当業者であれば、キー(複数可)及びキー溝(複数可)の位置を逆にできることも理解できるであろう。即ち、キャップ40が、1つ又は複数のキーを備えていてもよく、バルブ本体36が、1つ又は複数の嵌合キー溝を備えていてもよい。
【0032】
例示した実施形態では、リム92の近位表面108は、環状ボス部110を備える(図12)。ボス部110は、リム92の内側表面106に隣接して位置しており、リム92の全周にわたって延在する。組立てられたバルブ30では、下記で詳細に記述するように、ボス部110はダイヤフラム38の外側部分を圧迫する。従って、下記で詳細に記述するように、ボス部110は、ダイヤフラム38を変形及び事前負荷して、ボス部110の全周に連続した密閉を作り出す。
【0033】
キャップ40は、バルブ本体36と同じ材料、又は異なる材料で構築することができる。例えば、キャップ40は、バルブ本体36に関して上述した材料のいずれかで構築することができる。しかしながら、当業者であれば、キャップ40は、他の材料で構築することができることを理解できるであろう。
【0034】
図1〜6に関して、組立てられたバルブ30では、バルブ本体36の遠位端部34は、アパーチャ88を通って延在するポスト80の遠位延出部分82(図5)でダイヤフラム38を受ける。特に図5に関して、キャップ40は、遠位端部34内に嵌まり込み、ダイヤフラム38をリブ56とキャップ40との間に挟む。リム92の近位表面108の外側縁部は、バルブ本体36のレッジ66に接する。従って、レッジ66は、バルブ本体36内にキャップ40を確実に設置することに役立つ。キャップ40を高い信頼性で繰り返して設置できることは、キャップ40のボス部110に対してダイヤフラム38が適切にバイアスされることを保証することに役立ち、製造工程中の不良率低下に有利に寄与する。
リム92の外側表面104は、摩擦嵌合でバルブ本体36の内側表面に係合することができ、バルブ本体36内でのキャップ40の保持を支援する。その代わりに又は更に、製造工程中に、キャップ40がバルブ本体36に接する任意の領域に接着剤を塗布してもよい。例えば、接着剤はUV硬化性であってもよい。その代わりに又は更に、キャップ40及びバルブ本体36の接触面を溶着してもよい。
【0035】
図4及び5に示されているように、ポスト80の遠位延出部分82は、ハブ90の近位面にある凹部84へと延在している。遠位延出部分82は摩擦嵌合で凹部84と係合することができ、キャップ40のバルブ本体36内での保持を支援する。その代わり又は更に、製造工程中に、接着剤を遠位延出部分82に及び/又は凹部84内に塗布してもよい。
その代わり又は更に、遠位延出部分82は、凹部84内に溶着されてもよい。
【0036】
図5では、バルブ30の断面図が例示されている。図1の5−5線により示されるように、図5の断面は、リブ56を通り抜け、リブ56により定義される仮想平面と一致する。ダイヤフラム38は、リブ56とキャップ40との間の空間を占める。例示した実施形態では、ダイヤフラム38の厚さは、ボス部110に接する第1の仮想平面と、バイアス突部86に接する第2の仮想平面との間の垂直距離より厚い。従って、ボス部110は、ダイヤフラム38の遠位面112の外側部分を圧迫し、バイアス突部86は、ダイヤフラム38の近位面114の中央部分を圧迫する。ボス部110及びバイアス突部86によりダイヤフラム38に加えられた力は、互いに平衡を保ち、ダイヤフラム38を面外に湾曲させる。ダイヤフラム38は、近位面114がわずかに凹面であり、遠位面112がわずかに凸面の平衡状態にある。更に、ボス部110によりダイヤフラム38に継続して力が加わることは、ボス部110とダイヤフラム38との接合部において、良好で連続した密閉を維持することに役立つ。この密閉により、空気がバルブ30を通って外へ漏れるのが防止され、会話の改善、嗅覚の改善、酸素供給の改善、及びえん下の改善、鼻内分泌物及び口内分泌物の減少、並びに慢性感染症の軽減を含む幾つかの利点が提供される。
【0037】
1つの実施形態では、ダイヤフラム38に適用されるバイアスは、およそ8から15mm水頭と等価である。この量のバイアスは、ボス部110に対してダイヤフラム38を有効に着座させ、それらとの接合部位で良好な連続した接触を維持する。1つの実施形態では、40ショアAの硬度を有するシリコンで構築されたダイヤフラム38を用いて、8から15mm水頭のバイアスを得ることができ、このダイヤフラムはおよそ0.75’’(インチ)の直径及びおよそ0.015’’(インチ)の厚さを有し、ダイヤフラム38の中心は、ダイヤフラム38の縁部に対しておよそ0.002’’(インチ)から0.003’’(インチ)だけ面外に押し出されている。
【0038】
本バルブ30の構成は、米国特許第4,759,356号に記載の気管切開バルブユニットの欠点を有利に克服する。上記で概説したように、上記の’356号特許に記載されているバルブの製造工程には、ヒートステーキングステップが必要である。このステップは、ヒートステーキング装置の温度、及びヒートステーキングされた端部に熱が加えられる時間の長さにより影響を受ける。これらの変数を必要な精度で管理して、毎回適切にリベットを設置するのは困難である。本バルブ30には、ヒートステーキングステップはない。従って、ダイヤフラム38の適切な負荷は、バルブ部品の寸法許容差にのみ依存する。これらの許容差は、ヒートステーキングに関わる変数より管理が容易である。従って、本バルブ30は、製造中の不良率低下を達成し、そのためバルブ30の製造コストを低減させる。
【0039】
図6では、バルブ30の断面図が例示されている。図1の6−6線により示されるように、図6の断面は、リブ56を通り抜けており、リブ56により定義される仮想平面に対して垂直である。図6では、ダイヤフラム38は、患者が息を吸う時にそうなるように変形している。患者が息を吸うと共に、患者は、ダイヤフラム38内外の実効圧力差を作り出し、より強い圧力で遠位面112を圧迫する。遠位面112を圧迫する空気の力は、ダイヤフラム38を変形し、ボス部110とダイヤフラム38との接合部の密閉を破る。従って、空気は、図6の矢印で例示されているように、ダイヤフラム38を回り込み、遠位端部34を通ってバルブ30へと流れ込む。
【0040】
リブ56が実質的に平面状であるため、リブ56により定義される仮想平面は、ダイヤフラム38と仮想線で交差し、患者が息を吸うと共に、ダイヤフラム38はこの直線周辺で湾曲する。このように、ダイヤフラム38は、予測可能で反復可能な様式で変形する。
息を吸う直前の瞬間では、遠位面112に対する気圧は、遠位面112の露出区域全体にわたって均一である。従って、吸息が始まると共に、遠位面112を圧迫する空気は、リブ56周辺でダイヤフラム38に曲げモーメントを作り出す。遠位面に対する圧力が均一であるため、曲げモーメントの大きさは、ボス部110に接しリブ56から最も遠く離間している、ダイヤフラム38上の2つの位置で最も大きく、最長のモーメントアームは、これら2地点116に生じる(図4)。例示した実施形態では、リブ56が実質的に平面状であり、ボス部110が円形であるため、リブ56から最も遠く離間しているボス部110上の2地点116は、リブ56に対して垂直に引かれ、ポスト80を通り抜ける仮想線と一致する。従って、患者が息を吸うと共に、ダイヤフラム38とボス部110との間の密閉は、これらの2地点116で常に最初に破れ、図6に例示したように、ダイヤフラム38は、リブ56の周囲で滑らかな円弧に湾曲する。このような予測可能で反復可能な破断及び湾曲により、バルブ開口に対する抵抗の低下がもたらされる。この抵抗の低下は、そのため、バルブを通る空気流に対する抵抗の低下に寄与し、ダイヤフラム38が出すあらゆる音を低減又は消去する。患者が吸息を止めると、ダイヤフラム38は、図5にあるその元の構成に戻り、それによってボス部110との接合部でバルブ30を再び密閉する。
【0041】
上述のように、リブ56により定義される仮想平面は、ダイヤフラム38と仮想線で交差し、ダイヤフラム38は、患者が息を吸うと共にこの直線周辺で湾曲する(図6)。従って、遠位端部34を通ってバルブ30に流れ込む空気は、リブ56の両側を通過する。
スポーク94、96等のリブ56の両側にあるあらゆる障害物は、空気流に対する抵抗を増加させるだろう。対照的に、リブ56と位置合わせされたスポーク94、96は、リブ56自体によって既に作り出されているインピーダンスを超える、空気流に対する追加的なインピーダンスを、もしもたらすとしても、極めて少ししかもたらさない。従って、スポーク94、96がいずれもリブ56と位置合わせされていない場合、バルブ30を通る空気流に対する最大の抵抗がもたらされ、より幅狭のスポーク96がリブ56と位置合わせされる場合、抵抗が低減され、2つのより幅広のスポーク94がリブ56と位置合わせされる場合、最小の抵抗を達成することができる。上述のように、バルブ本体36のキー68及びキャップ40のキー溝70は、より幅広のスポーク94がリブ56と位置合わせされることを保証する。
【0042】
空気流が層流の場合、バルブ30を通る空気流に対する最小の抵抗が達成される。乱流は、ダイヤフラム38をバタバタさせ、空気流を妨げるだろう。キャップ40の幾つかの部分の形状は、層流の空気流を促進する。例えば、リム92の内径が遠位から近位方向で減少するように、リム92の内側表面106(ハブ90に向いている)は内側にテーパーされている(図6及び12)。また、スポークの側縁部118は、遠位から近位方向で外側にテーパーしており(図10及び11)、ハブ90は、丸まった遠位外側縁部98を備えている(図6及び12)。これらの特徴の各々は、空気流に対する抵抗を低減し、それによりキャップ40を通る滑らかな層流の空気流を促進する。
【0043】
図13〜15は、本気管切開バルブの別の実施形態を例示する。図13〜15のバルブ150は、図1〜12に例示されているバルブ30に実質的に類似しており、バルブ本体152、リブ154、ポスト156、ダイヤフラム158、及びキャップ160を備える。
分かりやすくために、ダイヤフラム158は、あたかもそれが不透明であるかのように例示されている。しかしながら、当業者であれば、ダイヤフラム158が透明でもよいことを理解できるであろう。バルブ本体152は、外側バルブ本体162及び内側バルブ本体164を備え、テーパー状円筒形空洞166が、バルブ本体152の近位端部168でこれらの2つの部材間に形成されている。複数の規則的に離間されたスプライン170は、空洞166を越えて延在し、内側本体164を外側本体162に接合する。リブ154は、上述のリブ56と同様に形成及び構成され、第1及び第2のバイアス突部172を備える。
【0044】
図13及び14に関して、キャップ160は、上述のキャップ40と同様に形成及び構成されており、ハブ174、リム176、及びハブ174とリム176の間に延在する複数のスポーク178を備える。しかしながら、図14〜16のキャップ160では、4つのスポーク178だけが備えられており、隣り合うスポークは、およそ90°で離間されている。当業者であれば、より少数の又はより多数のスポーク178が備えられていてもよく、スポーク178は規則的に離間されている必要はないことを理解できるであろう。
更に、例示した実施形態では、スポーク178の各々は厚さが均一である。しかしながら、当業者であれば、スポークの幾つかは、1つ又は複数の他のスポークの厚さと異なる厚さを有していてもよいことを理解できるであろう。図14〜16の実施形態では、キャップ160は、キー溝無しで例示されており、バルブ本体152はキー無しで例示されている。しかしながら、当業者であれば、キー溝及びキーがこれらの部品に備えられてもよいことを理解できるであろう。
【0045】
図16及び17は、本気管切開バルブの別の実施形態を例示する。図16及び17のバルブ200は、図13〜15に例示されているバルブ150に実質的に類似している。しかしながら、図16及び17のバルブ200では、キャップ202は、その遠位端部206で、バルブ本体152の遠位面208に隣接して外側に延在する外側伸長フランジ204を備える。キャップ202は、バルブ本体152の遠位端部210内に嵌まり込み、バルブ本体152の周囲に延在するレッジ212の上に着座する。しかしながら、レッジ212は、図13〜15に例示したバルブ150と比較して、バルブ本体152の遠位面208からより短い距離で離間されている。
【0046】
図18〜20は、本気管切開バルブの別の実施形態を例示する。上述の実施形態のように、図18〜20のバルブ250は、バルブ本体252、ポスト256及びバイアス突部258を有するリブ254、ダイヤフラム260、及びキャップ262を備える。しかしながら、これらの部品の幾つかの構成は、上述の実施形態とは実質的に異なる。例えば、バルブ本体252は、外側本体及び内側本体で構成されていない。もっと正確に言えば、バルブ本体252は、実質的に円筒形の近位部分264、及び外側にフレアし、バルブ本体252のボウル形遠位端部を形成する遠位部分266を備える。バルブ本体252の近位端部268は、重なり摩擦嵌合で気管切開チューブ(非表示)の端部を受けるように構成されている。チューブの外側表面が、近位端部268の内側表面に係合してもよく、又はチューブの内側表面が、近位端部268の外側表面に係合してもよい。近位端部268は、摩擦嵌合を増強するために、内径に沿った、外径に沿った、又はその両方に沿ったテーパーを備えていてもよい。
【0047】
図18に関して、キャップ262は、近位端部270から遠位端部272へわずかに内側にテーパーする壁を構成する。遠位端部272では、壁は、壁の断面がJ字型になるように内部にカールしている。キャップ262の近位端部270は、バルブ本体252の遠位部分266と隣接する。遠位部分266は、その外側表面の周囲に延在する環状レッジ274を備える。レッジ274は、バルブ本体252の壁厚を減少させることにより形成される。キャップ262も、その壁厚を減少させることにより形成されるレッジ276を備える。しかしながら、キャップ262のレッジ276は、その内側表面の周囲に形成される。従って、キャップ262は、各部が互いに重なり合う壁の比較的薄い部分で、バルブ本体252の遠位部分266と嵌合する。
【0048】
キャップ262は、近位端部270に隣接する傾斜(べベル)側縁部278を更に備える。キャップ262及びバルブ本体252が組立てられると、ベベル278及びバルブ本体252のレッジ274は一緒になって、バルブ250の外側円周の周囲に延在する実質的にV字形の溝を形成する。この溝は、キャップ262及びバルブ本体252を一緒に保持するためにビード状の接着剤を塗布するのに有利な場所を提供する。しかしながら、当業者であれば、接着剤を使用する必要はないことを理解できるであろう。キャップ262及びバルブ本体252は、摩擦嵌合、超音波溶着等の他の技術によって互いに固定されてもよい。或いは、接着剤を、各部の比較的壁の薄い部分の接触面に沿って等、他の区域に塗布してもよい。
【0049】
キャップ262のカール状遠位端部272は、近位方向に面し、ダイヤフラム260を圧迫する環状表面280を形成する。前述の実施形態のように、ダイヤフラム260は、キャップ262とリブ254との間に位置し、ポスト256はダイヤフラム260のアパーチャを通って延在し、突部258はダイヤフラム260を圧迫する。ダイヤフラム260の一部は、リブ254の遠位縁部282と接触してもよい。キャップ262のカール状端部表面280及び突部258は、前述の実施形態に関して詳細に上述されているように、ダイヤフラム260にバイアスをかけて、凹/凸を構成させる。
【0050】
図18に関して、キャップ262のカール状遠位端部272は、図10〜12のキャップ40と同様に、遠位から近位方向で内側にテーパーしている。図10〜12のキャップ40に関して上記で考察されているように、テーパーにより、層流の空気流が有利に促進される。図19に関して、例示した実施形態では、キャップ262は、6つの等間隔に離間されたスポーク284、286を備え、スポーク284の2つは比較的厚く、残り4つのスポーク286は比較的薄い。スポーク284、286は、図10〜12のキャップ40に関して上記で考察されたものと同様に、テーパー側縁部を備えていてもよい。また上記で考察されているように、テーパー側縁部により、層流の空気流が有利に促進される。図18〜20では、より幅広のスポーク284が、リブ254と位置合わせされていないように例示されているが、当業者であれば、スポーク284、286は、図1のバルブ30に関して上記で考察した空気流の利点を達成するために、リブ254と位置合わせされていてもよいことを理解するだろう。
【0051】
<本発明の範囲>
上記では、本気管切開バルブ及び関連方法を実行するために企図された最良の形態、及びそれらを作製及び使用するための様式及び工程を、それらに関する技術分野の当業者であれば誰でもこれらの気管切開バルブ及び関連方法を作製及び使用できるような完全、明解、簡潔、及び正確な用語を使用して説明した。しかしながら、これらの気管切開バルブ及び関連方法には改変の余地があり、上記で考察したものの代替構造は、完全に等価である。従って、これらの気管切開バルブ及び関連方法は、開示された特定の実施形態に限定されない。これに反して、これらの気管切開バルブ及び関連方法は、本気管切開バルブ及び関連方法の対象を詳細に指摘及び明確に請求する添付の特許請求の範囲により一般的に表現されているような気管切開バルブ及び関連方法の趣旨及び範囲内でなされる改変及び代替構造を全て包含する。
【0052】
以下に、本願発明の種々の実施形態を示します。
【0053】
1.患者の気管内に挿入可能な気管切開チューブと協働するように構成された気管切開バルブユニットであって、
第1の端部、第2の端部、及びそれらを通って延在する流体通路を有するバルブ本体であり、前記第1の端部が前記気管切開チューブと作働可能に接続するように構成されているバルブ本体と、
前記流体通路内に配置され、前記バルブ本体の前記第1の端部から離間されている可撓性ダイヤフラムであり、前記ダイヤフラムが第1の面及び該第1の面の反対側の第2の面を有する可撓性ダイヤフラムと、
前記流体通路内に配置されたリブであり、前記リブの少なくとも一部が前記ダイヤフラムの前記第1の面に隣接しており、前記ダイヤフラムと前記バルブ本体第1の端部との間隔が、前記リブと前記バルブ本体第1の端部との間隔よりも大きいリブとを備え、
前記リブの少なくとも一部が、前記ダイヤフラムの少なくとも一部と仮想線で交差する仮想平面を定義するバルブユニット。
2.前記リブが、実質的に平板として形成されている、1に記載の気管切開バルブユニット。
3.前記仮想線が前記ダイヤフラムの中心と交差する、1に記載の気管切開バルブユニット。
4.前記バルブ本体の前記第2の端部と協働するキャップであり、該キャップの少なくとも一部が前記ダイヤフラムの前記第2の面に隣接しているキャップを更に備える、1に記載の気管切開バルブユニット。
5.前記キャップが、外側リム、内側ハブ、及び前記ハブと前記リムとの間に延在する複数のスポークを備える、4に記載の気管切開バルブユニット。
6.前記リムの少なくとも一部が、前記流体通路内に装着されている、5に記載の気管切開バルブユニット。
7.前記流体通路の内側表面が環状レッジを備え、前記リムが前記レッジに隣接している、6に記載の気管切開バルブユニット。
8.前記キャップが環状ボス部を備え、前記ボス部が前記ダイヤフラムの前記第2の面に隣接している、4に記載の気管切開バルブユニット。
9.前記ボス部と前記ダイヤフラムとの接触接点が、前記ダイヤフラムの縁部分を前記キャップから遠ざかるように湾曲させる、8に記載の気管切開バルブユニット。
10.前記リブが、前記バルブ本体の前記第1の端部から遠ざかってそこから延出するポストを更に含む、1に記載の気管切開バルブユニット。
11.前記ダイヤフラムが、前記ポストと協働するアパーチャを備える、8に記載の気管切開バルブユニット。
【0054】
12.患者の気管内に挿入可能な気管切開チューブと協働するように構成された気管切開バルブユニットであって、
第1の端部、第2の端部、及びそれらを通って延在する流体通路を有するバルブ本体であり、前記第1の端部が前記気管切開チューブと作働可能に接続するように構成されているバルブ本体と、
実質的に平板として形成されており、前記流体通路内に配置され、前記バルブ本体の向かい合う内側表面間でその直径に沿って延在しているリブと、
前記流体通路内に配置され、前記バルブ本体の前記第1の端部から離間されている可撓性ダイヤフラムであり、前記ダイヤフラムが第1の面及び該第1の面の反対側の第2の面を有する可撓性ダイヤフラムとを備え、
前記リブの縁の少なくとも一部が前記ダイヤフラムの前記第1の面に隣接しており、
前記ダイヤフラムと前記バルブ本体第1の端部との間隔が、前記リブと前記バルブ本体第1の端部との間隔よりも大きいバルブユニット。
13.前記バルブ本体の前記第2の端部と協働するキャップであり、前記キャップの少なくとも一部が前記ダイヤフラムの前記第2の面に隣接しているキャップを更に備える、12に記載の気管切開バルブユニット。
14.前記キャップが、外側リム、内側ハブ、及び前記ハブと前記リムとの間に延在する複数のスポークを備える、13に記載の気管切開バルブユニット。
15.前記リムの少なくとも一部が、前記流体通路内に装着されている、14に記載の気管切開バルブユニット。
16.前記流体通路の内側表面が環状レッジを備え、前記リムが前記レッジに隣接している、15に記載の気管切開バルブユニット。
17.前記リブが、前記バルブ本体の前記第1の端部から遠ざかってそこから延出するポストを更に含む、12に記載の気管切開バルブユニット。
18.前記ダイヤフラムが、前記ポストと協働するアパーチャを備える、17に記載の気管切開バルブユニット。
【0055】
19.気管切開が行われた患者の生理学的な機能不全を緩和し、身体機能を向上させる方法であり、前記機能不全が前記気管切開に起因し、前記機能が前記気管切開によって損なわれており、前記患者が自身の気管への頚部開口部を有し、前記頚部開口部が前記気管に空気を通すのに適している方法であって、
(1)前記頚部開口部から気管切開チューブを前記気管に挿入するステップであり、前記気管切開チューブが、
前記気管に収容されるのに適した気管端部と、
前記患者の体外にあるのに適した近位端部と、
それを通って延在する流体通路とを有し、前記流体通路が、前記近位端部にチューブ入口と、前記患者の気管内にある前記気管端部にチューブ出口とを有するステップと、(2)前記気管端部が前記患者の気管に収容され、前記近位端部が前記患者の体外にあるように、前記気管切開チューブを前記気管に挿入するステップであり、従って前記チューブが、前記流体通路を通って前記入口から前記出口へと前記患者の気管に空気を伝達するように構成されているステップと、
(3)前記気管切開チューブの前記近位端部に、気管切開バルブユニットを作働可能に固定するステップであり、前記気管切開バルブユニットが、
前記気管切開チューブの前記近位端部への作働可能な接続用に構成された第1の端部と、
第2の端部と、
前記バルブユニットの前記第2の端部に位置したバルブユニット入口と、
前記患者が息を吸う時に、前記バルブユニット入口から前記バルブユニットを通り、その後前記チューブを通って前記患者の気管に空気流を流すための伝達手段と、
前記バルブユニット入口と良好で連続した閉鎖接触を作り、前記患者が息を吐く時は常に及び前記患者が息を吸う時以外は常に、前記チューブから前記伝達手段を通って前記バルブ入口を通る空気流を完全に遮る遮断手段とを有するステップと、
(4)前記バルブ第1の端部を前記気管切開チューブの前記近位端部に流体的に接続し、それにより、前記患者が息を吸う時に、前記バルブユニット入口から前記バルブユニットを通り、その後前記チューブ入口を通って前記患者の気管に空気流を流し、前記患者が息を吐く時は常に及び前記患者が息を吸う時以外は常に、前記チューブ入口から前記伝達手段を通り、前記バルブユニット入口を通って外気に流れる空気流を完全に遮るステップとを含み、
前記患者が息を吸うときに、前記遮断手段での圧力差により、前記遮断手段を横切って延在する仮想線の周辺で前記遮断手段が湾曲し、それにより前記バルブユニット入口との良好で連続した閉鎖接触が断たれ、外気から前記バルブユニット入口を通り、前記バルブユニットへと空気が流れることを可能にする方法。
20.前記遮断手段が薄い可撓性ダイヤフラムを備える、19に記載の方法。
【0056】
21.患者の気管内に挿入可能な気管切開チューブと協働するように構成された気管切開バルブユニットであって、
近位端部、遠位端部、及びそれらを通って延在する流体通路を有するバルブ本体であり、前記近位端部が前記気管切開チューブと作働可能に接続するように構成されているバルブ本体と、
前記遠位端部に隣接した前記流体通路内に配置されており、前記バルブ本体に近接しているリブと、
前記リブから遠位の前記流体通路内に配置されており、近位面及び遠位面を有する可撓性ダイヤフラムと、
前記ダイヤフラムから遠位の前記バルブ本体に作働可能に固定されており、装着リングを備えているキャップとを備え、
前記リブの少なくとも一部が、前記ダイヤフラムの前記近位面に隣接しており、前記装着リングが、前記ダイヤフラムの前記遠位面に隣接しており、前記リブ及び前記装着リングが、前記ダイヤフラムを変形させて、前記ダイヤフラムと前記装着リングとの接合部位で連続した良好な密閉を作り出すバルブユニット。
22.前記リブが実質的に平面状である、21に記載の気管切開バルブユニット。
23.前記リブが、そこから遠位に延出するポストを更に含む、21に記載の気管切開バルブユニット。
24.前記ダイヤフラムが、前記ポストと協働するアパーチャを備えている、23に記載の気管切開バルブユニット。
25.前記キャップが、前記ポストを受ける凹部を備えている、23に記載の気管切開バルブユニット。
図1
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