特許第6243390号(P6243390)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6243390無線ネットワークでアップリンクサウンディングレファレンス信号の伝送のための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243390
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】無線ネットワークでアップリンクサウンディングレファレンス信号の伝送のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/32 20090101AFI20171127BHJP
   H04W 72/14 20090101ALI20171127BHJP
【FI】
   H04W52/32
   H04W72/14
【請求項の数】20
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2015-217104(P2015-217104)
(22)【出願日】2015年11月4日
(62)【分割の表示】特願2013-524054(P2013-524054)の分割
【原出願日】2011年8月12日
(65)【公開番号】特開2016-21784(P2016-21784A)
(43)【公開日】2016年2月4日
【審査請求日】2015年11月4日
(31)【優先権主張番号】13/205,430
(32)【優先日】2011年8月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/479,282
(32)【優先日】2011年4月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/408,445
(32)【優先日】2010年10月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/373,245
(32)【優先日】2010年8月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】ヨン−ハン・ナム
(72)【発明者】
【氏名】ジャンツォン・ツァン
【審査官】 藤江 大望
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2010−0088083(KR,A)
【文献】 Sharp,Necessity of Multi-shot Dynamic Aperiodic SRS[online], 3GPP TSG-RAN WG1#61b R1-103726,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_61b/Docs/R1-103726.zip>,2010年 6月22日
【文献】 Alcatel-Lucent,Alcatel-Lucent Shanghai Bell,CATR,CATT,CMCC,HT mMobile,Way Forward on aperiodic SRS triggering[online], 3GPP TSG-RAN WG1#63b R1-110558,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_63b/Docs/R1-110558.zip>,2011年 1月21日
【文献】 CATT,Alcatel-Lucent,Alcatel-Lucent Shanghai Bell,CATR,Way Forward on aperiodic SRS[online], 3GPP TSG-RAN WG1#60b R1-102556,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_60b/Docs/R1-102556.zip>,2010年 4月17日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末の無線通信システムのための方法であって、
サウンディングレファレンス信号(sounding reference signal、SRS)を単一キャリア周波数分割多重化(single carrier−frequency division multiplexing、SC−FDM)シンボルで非周期的に伝送する段階を含み、
前記端末がSRSトリガー値を含むトリガリンググラント(triggering grant)を受信すると、前記トリガリンググラントに基づいて前記非周期的なSRSをトリガー
前記SRSを伝送する前記SC−FDMシンボルの全伝送電力が、前記端末の最大伝送電力レベルを超過する場合、前記端末は、スケーリングファクタ(scaling factor)に基づいて、前記SRSの伝送電力をスケール(scale)し、
前記トリガリンググラントのDCI(downlink control information)フォーマット(format)に相応するSRSパラメーターに基づき、前記SRSが伝送されることを特徴とする方法。
【請求項2】
もし、前記SRSが少なくとも2つのコンポネントキャリア(component carrier)で伝送されると、前記端末は、前記SRSが伝送される前記少なくとも2つのコンポネントキャリアの各伝送電力を、下記数学式によりスケールする請求項1に記載の方法。
【数1】
(上記式において、PCMAXは、前記端末の前記最大伝送電力レベルであり、wcは、前記スケーリングファクタであり、PSRS,Cは、前記SRSが伝送されるコンポネントキャリアの伝送電力である。)
【請求項3】
前記トリガリンググラントが上りリンクグラントであると、前記SRSの伝送帯域幅は、前記トリガリンググラントに基づいて、第1帯域幅に決定される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記トリガリンググラントが下りリンクグラントであると、前記SRSの伝送帯域幅は、前記トリガリンググラントに基づいて、第2帯域幅に決定される請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記端末は、同じSRSパラメーターと関連した少なくとも1つのトリガリンググラントに基づいて、特定コンポネントキャリア上の特定サブフレームに前記SRSを伝送する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
基地局の無線通信システムのための方法であって、
サウンディングレファレンス信号(sounding reference signal、SRS)を単一キャリア周波数分割多重化(single carrier−frequency division multiplexing、SC−FDM)シンボルで非周期的に端末から受信する段階を含み、
前記基地局がSRSトリガー値を含むトリガリンググラント(triggering grant)を伝送すると、前記トリガリンググラントに基づいて前記非周期的なSRSがトリガーされ、
前記SRSを伝送する前記SC−FDMシンボルの全伝送電力が、前記端末の最大伝送電力レベルを超過する場合、前記SRSの伝送電力は、前記端末によって、スケーリングファクタ(scaling factor)に基づいてスケール(scale)され、
前記トリガリンググラントのDCI(downlink control information)フォーマット(format)に相応するSRSパラメーターに基づき、前記SRSが受信される方法。
【請求項7】
もし、前記SRSが少なくとも2つのコンポネントキャリア(component carrier)で受信されると、前記端末は、前記SRSが伝送される前記少なくとも2つのコンポネントキャリアの各伝送電力を、下記数学式によりスケールする請求項6に記載の方法。
【数2】
(PCMAXは、前記端末の前記最大伝送電力レベルであり、wcは、前記スケーリングファクタであり、PSRS,Cは、前記SRSが伝送されるコンポネントキャリアの伝送電力である。)
【請求項8】
前記トリガリンググラントが上りリンクグラントであると、前記SRSの伝送帯域幅は、前記トリガリンググラントに基づいて、第1帯域幅に決定される請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記トリガリンググラントが下りリンクグラントであると、前記SRSの伝送帯域幅は、前記トリガリンググラントに基づいて、第2帯域幅に決定される請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記基地局は、同じSRSパラメーターと関連した少なくとも1つのトリガリンググラントに基づいて、特定コンポネントキャリア上の特定サブフレームで前記SRSを受信する請求項6に記載の方法。
【請求項11】
無線通信システムのための端末であって、
基地局と信号を送受信する送受信部と、
サウンディングレファレンス信号(sounding reference signal、SRS)を単一キャリア周波数分割多重化(single carrier−frequency division multiplexing、SC−FDM)シンボルで非周期的に伝送するように制御する制御部と、
を含み、
前記端末がSRSトリガー値を含むトリガリンググラント(triggering grant)を受信すると、前記トリガリンググラントに基づいて前記非周期的なSRSをトリガー
前記SRSを伝送する前記SC−FDMシンボルの全伝送電力が、前記端末の最大伝送電力レベルを超過する場合、前記端末は、スケーリングファクタ(scaling factor)に基づいて、前記SRSの伝送電力をスケール(scale)し、
前記トリガリンググラントのDCI(downlink control information)フォーマット(format)に相応するSRSパラメーターに基づき、前記SRSが伝送されることを特徴とする端末。
【請求項12】
もし、前記SRSが少なくとも2つのコンポネントキャリア(component carrier)で伝送されると、前記端末は、前記SRSが伝送される前記少なくとも2つのコンポネントキャリアの各伝送電力を、下記数学式によりスケールする請求項11に記載の端末。
【数3】
(上記式において、PCMAXは、前記端末の前記最大伝送電力レベルであり、wcは、前記スケーリングファクタであり、PSRS,Cは、前記SRSが伝送されるコンポネントキャリアの伝送電力である。)
【請求項13】
前記トリガリンググラントが上りリンクグラントであると、前記SRSの伝送帯域幅は、前記トリガリンググラントに基づいて、第1帯域幅に決定される請求項11に記載の端末。
【請求項14】
前記トリガリンググラントが下りリンクグラントであると、前記SRSの伝送帯域幅は、前記トリガリンググラントに基づいて、第2帯域幅に決定される請求項13に記載の端末。
【請求項15】
前記端末は、同じSRSパラメーターと関連した少なくとも1つのトリガリンググラントに基づいて、特定コンポネントキャリア上の特定サブフレームに前記SRSを伝送する請求項11に記載の端末。
【請求項16】
無線通信システムのための基地局であって、
端末と信号を送受信する送受信部と、
サウンディングレファレンス信号(sounding reference signal、SRS)を単一キャリア周波数分割多重化(single carrier−frequency division multiplexing、SC−FDM)シンボルで非周期的に端末から受信するように制御する制御部を含み、
前記基地局がSRSトリガー値を含むトリガリンググラント(triggering grant)を伝送すると、前記トリガリンググラントに基づいて前記非周期的なSRSがトリガーされ、
前記SRSを伝送する前記SC−FDMシンボルの全伝送電力が、前記端末の最大伝送電力レベルを超過する場合、前記SRSの伝送電力は、前記端末によって、スケーリングファクタ(scaling factor)に基づいてスケール(scale)され、
前記トリガリンググラントのDCI(downlink control information)フォーマット(format)に相応するSRSパラメーターに基づき、前記SRSが受信されることを特徴とする基地局。
【請求項17】
もし、前記SRSが少なくとも2つのコンポネントキャリア(component carrier)で受信されると、前記端末は、前記SRSが伝送される前記少なくとも2つのコンポネントキャリアの各伝送電力を、下記数学式によりスケールする請求項16に記載の基地局。
【数4】
(上記式において、PCMAXは、前記端末の前記最大伝送電力レベルであり、wcは、前記スケーリングファクタであり、PSRS,Cは、前記SRSが伝送されるコンポネントキャリアの伝送電力である。)
【請求項18】
前記トリガリンググラントが上りリンクグラントであると、前記SRSの伝送帯域幅は、前記トリガリンググラントに基づいて、第1帯域幅に決定される請求項16に記載の基地局。
【請求項19】
前記トリガリンググラントが下りリンクグラントであると、前記SRSの伝送帯域幅は、前記トリガリンググラントに基づいて、第2帯域幅に決定される請求項18に記載の基地局。
【請求項20】
前記基地局は、同じSRSパラメーターと関連した少なくとも1つのトリガリンググラントに基づいて、特定コンポネントキャリア上の特定サブフレームで前記SRSを受信する請求項16に記載の基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に無線ネットワークに関し、より詳細には、移動端末から基地局にアップリンクサウンディングレファレンス信号(SRS;sounding reference signal)を伝送するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
次の文献及び標準明細は、その全体が本明細書に記述されたもののように含まれる:i)3GPP技術規格No.36.211、バージョン8.8.0、“E−UTRA、Physical Channels and Modulation、”2009年9月(以下、“REF1”という);ii)3GPP技術規格No.36.212、バージョン8.8.0、“E−UTRA、Multiplexing And Channel Coding、”2009年12月(以下、“REF2”という);iii)3GPP技術規格No.36.213、バージョン8.8.0、“E−UTRA、Physical Layer Procedures、”2009年9月(以下、“REF3”という);iv)文献No.R1−102578、“Way Forward on UL Power Control with Carrier Aggregation、”3GPP RAN1#60bis、2010年4月;及びRAN1#60bis−議長のノート。
【0003】
サウンディングレファレンス信号(SRS)伝送方法は、前述したLTEレファレンス、REF1、REF2及びREF3で3GPP標準のリリース8(Rel−8)で論議される。サウンディングレファレンス信号は、移動端末から基地局にアップリンクで伝送される。基地局は、移動端末から基地局にチャネルの特徴を判断するためにSRSを使用する。
【0004】
基地局は、無線資源制御(RRC)階層シグナリングでSRSを周期的に伝送するように移動端末を設定する。RRCシグナリングは、例えば、移動端末によって伝送されるSRS周期及び使用されるリソース(例えば、サブキャリア、タイムスロット、循環シフトなど)を設定する。リリース8で、サウンディングレファレンス信号は、特別に設定されたサブフレームで最後のSC−FDM(single carrier frequency division multiplexing)シンボル上で移動端末によって周期的に伝送される。SRS SC−FDMシンボルのためのパワーレベルは、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH;phyiscal uplink shared channel)SC−FDMシンボルのパワーレベルと差異(offset)があり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、3GPP LTE標準に含まれる候補4GシステムであるLTE−A(the Long Term Evolution Advanced)標準のリリース10で、SRS伝送が基地局によって伝送されるトリガーメッセージに対して応答して、非周期的に行われることが提案された。
【0006】
したがって、移動端末から基地局に非周期的にサウンディングレファレンス信号を伝送するための改善された装置及び方法が本技術分野において要求されている。特に、非周期的に伝送されるサウンディングレファレンス信号の帯域幅及び伝送パワーレベルを設定するための改善された装置及び方法が要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
移動端末は、LTE−A(Long−Term Evolution Advanced)標準によって動作する無線ネットワークで使用のために提供される。前記移動端末は、基地局から受信されるトリガーグラントに応答して前記基地局に非周期サウンディングレファレンス信号(SRS;sounding reference signal)を伝送するように動作することができる。前記移動端末が前記非周期SRSを伝送する帯域幅は、前記トリガーグラントの形式による。前記トリガーグラントの形式は、ダウンリンクグラント、アップリンク多重入力多重出力(MIMO;multiple−input、multiple−output)グラント及びアップリンク単一入力多重出力(SIMO;single−input、multiple−output)グラントのうち1つである。
【0008】
基地局がLTE−A(Long−Term Evolution Advanced)標準によって動作する無線ネットワークで使用のために提供される。前記基地局は、移動端末から非周期サウンディングレファレンス信号(SRS;sounding reference signal)を受信するように動作することができる。前記基地局は、前記移動端末にトリガーグラントを伝送する。これに応答して、基地局は、トリガーグラントの形式による帯域幅上で前記非周期SRSを受信する。前記トリガーグラントの形式は、ダウンリンクグラント、アップリンク多重入力多重出力(MIMO;multiple−input、multiple−output)グラント及びアップリンク単一入力多重出力(SIMO;single−input、multiple−output)グラントのうち1つである。
【0009】
LTE−A(Long−Term Evolution Advanced)標準によって動作する無線ネットワークで使用のための移動端末であって、前記移動端末は、SC−FDMシンボルでサウンディングレファレンス信号(SRS;sounding reference signal)を受信するように動作することができる。前記サウンディングレファレンス信号は、少なくとも2コンポネントキャリア上で伝送される。もし、前記サウンディングレファレンス信号と関連した前記SC−FDMシンボルの全体伝送パワーが前記移動端末の最大伝送パワーレベル、PCMAXを超過すれば、前記移動端末は、前記サウンディングレファレンス信号が伝送される少なくとも2コンポネントキャリア各々の伝送パワーレベルをスケール(scale)する。
【0010】
下記のような本発明の詳細な説明に入るに先立って、本特許文献全体にわたって使用される任意の単語、そして構文の一部に対する定義について説明することが有利であろう。用語“備える(include)”及び“含む(comprise)”は、それから派生したものと共に、制限なしに含まれることを意味する;用語“または(or)”は、及び/または(and/or)の意味を含むことができる。構文“それと関連した(associated with)”そして“それとともに関連した(associated therewith)”は、それから派生したものと共に、備える(include)、その中に備えられる(be included within)、互いに連結する(interconnect with)、含有する(contain)、内に含有される(be contained within)、何にまたは何と連結する(connect to or with)、何にまたは何と対で連結する(couple to or with)、何と通信を行うことができる(be communicable with)、何に協力する(cooperate with)、挟みこむ(interleave)、並置する(juxtapose)、何に近似する(be proximate to)、それとまたはそれに対して境界を成す(be bound to or with)、有する(have)、何の特性を有する(have a property of)などの意味になることができる。単語及び構文に対する定義は、この特許文献全体にわたって提供され、この技術分野における通常の知識を有する者は、多くの場合に、あるいは、そうでなければ大部分の場合で、そのように定義された単語と構文の今後の使用と共に、先立って適用されたそのような定義を理解することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、非周期的に伝送されるサウンディングレファレンス信号の帯域幅及び伝送パワーレベルの設定が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明とその利点のさらに完全な理解のために、添付の図面とともに次の説明を参照する。ここで、同一の参照番号は、同一の部分を示す。
図1】本発明の原理によるサウンディングレファレンス信号を伝送する例示的な無線ネットワークを示す。
図2】本発明の実施例による複数の移動端末と通信する基地局を示す。
図3】本発明の実施例による4×4多重入力多重出力(MIMO)システムを示す。
図4A】ランダムアクセスチャネル(RACH;Random Access Channel)応答によって非周期SRSのトリガーを示す。
図4B】ランダムアクセスチャネル(RACH;Random Access Channel)応答によって非周期SRSのトリガーを示す。
図5】キャリア結合システムで例示的なSRS伝送シナリオを示す。
図6】キャリア結合システムで例示的なSRS伝送シナリオを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
この特許文献で本発明の原理を説明するために使用された多様な実施例及び下記で論議される、図1図6は、ただ説明するための形態として使用され、本発明の権利範囲を制限するための如何なる方法で解釈されてはならない。この技術分野における通常の知識を有する者なら本発明の原理が適切に処理されたいずれの無線通信システムでも具現されることができることを理解することができる。
【0014】
図1は、例示的な無線ネットワーク100を示し、この無線ネットワークは、本発明の原理によるサウンディングレファレンス信号を伝送する。無線ネットワーク100は、基地局(BS、base station)101、基地局(BS)102、基地局(BS)103、及び他の類似の基地局(図示せず)を含む。基地局101は、インターネット130または類似のIP基盤ネットワーク(図示せず)と通信する状態にある。
【0015】
ネットワーク形式によって、“基地局(base station)”の代わりに、“eNodeB”または“接続ポイント(access point)”のようによく知られた他の用語が使用されることができる。説明の便宜のために、用語“基地局(base station)”は、この文献で遠隔ターミナルに対する無線接続を提供するネットワークインフラストラクチャーコンポネントを示すものとして使用される。
【0016】
基地局102は、インターネット130に対する無線広帯域接続を基地局102のカバレージ領域120内の第1複数の移動端末に提供する。第1複数の移動端末は、小規模事業者(SB;small business)に位置することができる、移動端末111、大規模事業者(E;enterprise)に位置することができる移動端末112、WiFiホットスポット(HS;hotspot)に位置することができる移動端末113、第1居住地(R;residence)に位置することができる、移動端末114、第2居住地(R;residence)に位置することができる移動端末115及びセルラフォン、無線ラップトップ、無線PDAなどのようなモバイル装置(M)になることができる移動端末116を含む。
【0017】
説明の便宜のために、移動端末が真正な移動装置(例えば、セルフォン)であるか、または停止された装置(例えば、デスクトップパソコン、自動販売機など)として一般的に考慮されるものであっても、用語“移動端末(mobile station)”は、この文献で基地局に無線で接続するいかなる遠隔無線装置を指定するものとして使用される。他のシステムで、他のよく知られた用語が“移動端末(mobile station)”の代わりに、“加入者端末(subscriber station;SS)”、“遠隔ターミナル(remote terminal;RT)”、“無線ターミナル(wireless terminal;WT)”、“ユーザ装置(user equipment;UE)”などのように使用されることができる。
【0018】
基地局103は、基地局103のカバレージ領域125内の第2複数の移動端末にインターネット130に対する無線広帯域接続を提供する。第2複数の移動端末は、移動端末115及び移動端末116を含む。この実施例において、基地局101〜103は、OFDMまたはOFDMA技術を利用して移動端末111〜116と、そして相互間に通信することができる。
【0019】
ただ6個の移動端末が図1に示されているが、無線ネットワーク100が無線広帯域接続を追加の移動端末に提供することができることを理解しなければならない。移動端末115及び移動端末116は、カバレージ領域120及びカバレージ領域125の両方のエッジに位置していることに留意しなければならない。移動端末115及び移動端末116の各々は、基地局102及び基地局103の両方と通信を行い、この技術分野における通常の知識を有する者に知られたようなハンドオフ(handoff)モードで動作すると言える。
【0020】
コードブック設計に基づく閉ループ(closed−loop)伝送ビームフォーミングスキームの例示的な説明が次の文献で発見されることができる。1)D. Love, J. Heath, and T.Strohmer、“Grassmannian Beamforming For Multiple-Input, Multiple-Output Wireless Systems, ”IEEE Transactions on Information Theory, 2003年10月及び2)V. Raghavan, A. M.Sayeed, 及びN. Boston, “Near-Optimal Codebook Constructions For Limited Feedback Beamforming In Correlated MIMO Channels With Few Antennas, ”IEEE 2006, 情報理論上の国際シンポジウム(International Symposiumon Information Theory)。レファレンスは、いずれもその全体がこの文献に記録されたもののように参照として本発明に含まれる。
【0021】
閉ループコードブック基盤伝送ビームフォーミングは、基地局が同一の時間でそして任意の周波数で単一のユーザまたは同時に多重ユーザに伝送アンテナビームを形成する場合に使用されることができる。そのようなシステムの例示的な説明は、“Quentin H. Spencer, Christian B. Peel, A. Lee Swindlehurst, Martin Harrdt, ”An Introduction To the Multi-User MIMO Downlink、“IEEE Communication Magazine, 2004年10月”で捜すことができ、これは、その全体がこの文献に記述されたもののように参照として本発明に含まれる。
【0022】
コードブックは、移動端末に知られたあらかじめ決定されたアンテナビームのセットである。コードブック基盤プリコーディングMIMOは、ダウンリンク閉ループMIMOで相当なスペクトル効率利得を提供することができる。IEEE 802.16e及び3GPP LTE標準で、4伝送(4−TX)アンテナ制限フィードバック基盤閉ループMIMO構成が支援される。IEEE 802.16m及び3GPP LTE Advanced標準で、ピークスペクトル効率を提供するために、8伝送(8−TX)アンテナ構成は、顕著なプリコーディング閉ループMIMOダウンリンクシステムとして提案される。そのようなシステムの例示的な説明は、3GPP技術規格No.36.211、“Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA):Physical Channel and Modulation”で捜すことができ、これは、その全体がこの文献に記述されたもののように参照として本発明に含まれる。
【0023】
チャネルサウンディング信号または共通パイロット信号(またはミドアンブル(midamble))がデータ変調目的に使用されない場合、位相校正プロセスのための必要を除去するために、閉ループ変換コードブック基盤伝送ビームフォーミングが使用されることができる。そのようなシステムの例示的な説明は、“IEEE C802.16m−08/1345r2、“Transformation Method For Codebook Based Precoding、”2000年11月”で捜すことができ、これは、その全体がこの文献に記述されたもののように参照として本発明に含まれる。変換されたコードブック方法は、特に、高度に相関したチャネルで標準コードブックの性能を強化するために、そして、多重伝送アンテナで位相校正の必要を除去するために、チャネル相関情報(channel correlation information)を利用する。典型的に、チャネル相関情報は、2次統計に基づく。したがって、非常にゆっくり変更され、これは、シャドーイング(shadowing)及び経路損失(path loss)のように、ロング−タームチャネル効果と類似している。結果的に、相関情報を利用するフィードバックオーバーヘッド及び演算複雑度は、非常に小さい。
【0024】
図2は、本発明の実施例による複数の移動端末202、204、206及び208と通信する基地局220の図面200を示す。基地局220及び移動端末202、204、206及び208は、ラジオ波形(radio wave)信号の送信及び受信のための多重アンテナを採択する。ラジオ波形信号は、直交周波数分割多重化(OFDM;Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号になることができる。
【0025】
図2で、基地局220は、各移動端末に対して複数の送信機(transmitter)を通じて同時にビームフォーミング(beamforming)を行う。例えば、基地局220は、ビームフォーミングされた信号210を通じてデータを移動端末202に伝送し、ビームフォーミングされた信号212を通じてデータを移動端末204に伝送し、ビームフォーミングされた信号214を通じてデータを移動端末206に伝送し、ビームフォーミングされた信号216を通じてデータを移動端末208に伝送する。一部の実施例において、基地局220は、移動端末202、204、206、及び208に同時にビームフォーミングを行うことができる。各ビームフォーミングされた信号は、同一の時間及び同一の周波数でこれが意図した移動端末に向けて形成される。明確にするために、基地局から移動端末への通信は、知られたダウンリンク(DL)通信で示されることができ、移動端末から基地局への通信は、また、アップリンク(UL)通信で示されることができる。
【0026】
基地局220及び移動端末202、204、206及び208は、無線信号を伝送し受信するための多重アンテナを採択する。無線信号は、ラジオ波形信号になることができ、無線信号は、直交周波数分割多重化(OFDM)伝送スキームを含む当業者に知られたいかなる伝送スキームでも使用することができることを理解しなければならない。
【0027】
移動端末202、204、206、及び208は、無線信号を受信することができるいかなる装置であってもよい。移動端末202、204、206、及び208の例は、これに限定されないが、PDA(personal data assistant)、ラップトップ、モバイルフォン、携帯用装置、またはビームフォーミングされた伝送を受信することができるいかなる他の装置を含む。
【0028】
OFDM伝送スキームは、周波数ドメインでデータを多重化するために使用される。変調シンボルは、周波数サブキャリアで伝達する。QAM(quadrature amplitude modulation)変調されたシンボルは、直列から並列に(serial−to−parallel)変換され、IFFT(inverse fast Fourier transform)に入力される。IFFTの出力で、N時間ドメインサンプルが得られる。ここで、Nは、OFDMシステムで使用されるIFFT/FFT(fast Fourier transform)サイズを示す。IFFT後、信号は、並列から直列に変換され、信号シーケンスに循環前置(CP;cyclic prefix)が付着される。CPは、多重経路減衰(multipath fading)に起因した効果を回避するか、または緩和するために各OFDMシンボルに付着される。出力されるサンプルのシーケンスは、CPを有するOFDMシンボルで示される。受信機側で完全な時間周波数同期化が行われると仮定すれば、受信機は、まずCPを除去し、その後、信号は、FFTに入力される前に、直列から並列に変換される。FFTの出力は、並列から直列に変換される。そして、出力されるQAM変調シンボルは、QAM変調器に入力される。
【0029】
OFDMシステムで全体帯域幅は、サブキャリアと命名される狭帯域(narrow band)周波数ユニットに分割される。サブキャリアの数は、システムで使用されるFFT/IFFTサイズNと同一である。一般的に、周波数スペクトルの端部にあるサブキャリアは、保護サブキャリアとして予約されているので、データのために使用されるサブキャリアの数は、N個より小さい。一般的に、保護サブキャリアでは、どんな情報も伝送されない。
【0030】
各OFDMシンボルは、時間ドメインで限定された期間を有するので、サブキャリアは、周波数ドメインで相互間にオーバーラップされる。しかし、直交性は、送信機及び受信機が完全な周波数同期化を有すると仮定するサンプリング周波数で維持される。不完全な周波数同期化または高い移動性に起因した周波数オフセットの場合において、サンプリング周波数でサブキャリアの直交性が破壊され、キャリア間の干渉(ICI;inter−carrier−interference)が発生する。
【0031】
無線通信チャネルの容量及び信頼度を向上させるための基地局及び単一移動端末の両方で多重伝送アンテナ及び多重受信アンテナの利用は、単一ユーザマルチ入力マルチ出力(SU−MIMO;Single User Multiple Input Multiple Output)システムとして知られている。MIMOシステムは、Kを有する容量で線形増加を保証する。ここで、Kは、伝送アンテナの数(M)及び受信アンテナの数(N)の最小値である(すなわち、K=min(M、N))。MIMOシステムは、空間多重化、伝送/受信ビームフォーミングまたは伝送/受信ダイバシティのスキームで具現されることができる。
【0032】
図3は、本発明の実施例による4×4多重入力多重出力(MIMO)システム300を示す。この例で、4個の互いに異なるデータストリーム302は、4個の伝送アンテナ304を利用して分離して伝送される。伝送された信号は、4個の受信アンテナ306で受信され、そして、受信された信号308として解釈される。空間信号処理310の一部形態が4個のデータストリーム312を復元するために受信された信号308上で行われる。
【0033】
空間信号処理の例は、V−BLAST(Vertical−Bell Laboratories Layered Space−Time)である。これは、伝送されたデータストリームを復元するために連続された干渉取り消し原理(successive interference cancellation principle)を利用する。MIMOスキームの他の変形は、伝送アンテナにわたる一部種類の空間−時間コーディング(space−time coding)を行うスキームを含む(例えば、D−BLAST(Diagonal Bell Laboratories Layered Space−Time))。追加に、MIMOは、無線通信システムでリンク信頼度またはシステム容量を向上させるために、伝送及び受信ダイバシティスキーム及び伝送及び受信ビームフォーミングスキームで具現されることができる。
【0034】
非周期SRSトリガー
前述したように、LTE−A(Long Term Evolution Advanced)標準のリリース8(Rel−8)及びリリース10(Rel−10)の両方は、移動端末から基地局にアップリンクで伝送されるサウンディングレファレンス信号を使用することを提案する。基地局は、移動端末から基地局にチャネル特性を決定するためにサウンディングレファレンス信号(SRS)を使用する。しかし、LTE−Aのリリース8は、基地局によって設定される周期的なSRSスキームを使用する一方で、リリース10LTE−Aで移動端末(MS)でSRSをトリガーする新しいメカニズムが導入されている。すなわち、非周期SRSトリガーである。
【0035】
SRSが非周期にトリガーされるとき、移動端末は、第1のサブフレームの物理(PHY)階層で制御信号を受信する。応答として、移動端末は、数個のサブフレーム後にSRSを伝送する。非周期的なSRSをトリガーする物理階層で制御信号は、ただ1つのサブフレームでただ1つのSRS伝送をトリガーすることができる。または、これは、多重サブフレームで多重SRS伝送をトリガーすることができる。移動端末がサウンディングレファレンス信号を伝送するSRS帯域幅は、無線資源制御(RRC;radio resource control)階層シグナリングのような、上位階層シグナリングで設定されることができる。
【0036】
LTE−Aで2個の形式のアップリンク(UL)伝送モードが存在する。1つのモードは、単一入力多重出力(SIMO;Single−Input、Multiple−Output)であり、他のモードは、多重入力多重出力(MIMO;Multiple−Input、Multiple−Output)である。もしSIMOモードが設定されれば、移動端末は、ただ1つのアンテナポート上で信号を伝送する。代案的に、もしN伝送アンテナ(またはN−Tx)MIMOモードが設定されれば、移動端末は、多重(すなわち、N)アンテナポート上で信号を伝送することができる。表1は、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH;Physical Downlink Control Channel)及び物理アップリンク制御チャネル(PUSCH;Physical Uplink Control Channel)の他の設定のための例示的なアップリンク伝送モードを示す。
【0037】
【表1】
表1で、PDCCH及びPUSCHは、セルRNTI(C−RNTI)によって設定される。ここで、RNTIは、無線ネットワーク臨時識別子(Radio Network Temporary Identifier)である。C−RNTIは、セル内で固有のユーザ装置識別子(UE−ID)として取り扱われる。表1で、“ユーザ装置特定(UE specific)”は、“移動端末特定(MS specific)”と同一の意味を有する。
【0038】
本発明の一実施例において、移動端末は、設定されたアップリンク伝送モードによって異なる数の非周期的なSRSポートで伝送される。例えば、もしアップリンクSIMOモードが設定されれば、移動端末は、非周期的なSRSがトリガーされるとき、単一アンテナポート上でSRSを伝送する。もしN伝送アンテナ(N−Tx)アップリンクMIMOモードが設定されれば、移動端末は、非周期的SRSがトリガーされるとき、N伝送アンテナポート上でSRSを伝送する。
【0039】
本発明の一実施例において、移動端末は、設定されたアップリンクモード及び設定されたダウンリンク伝送モードの両方によって異なる数の非周期的SRSポート上で伝送する。さらに、SRS伝送は、レポートモードに設定された移動端末によることができる。例えば、第1設定で移動端末がアップリンクMIMO伝送モードに設定されれば、設定されたダウンリンク伝送モードに関係なく、すべてのNアップリンク伝送(Tx)アンテナポート上でサウンディングレファレンス信号を伝送する。第2設定で移動端末がアップリンクSIMO伝送モード及びただ単一階層伝送を支援するダウンリンク伝送モードに設定されれば、移動端末は、単一アップリンク伝送アンテナポート上でサウンディングレファレンス信号を伝送する。第3設定でもし移動端末がアップリンクSIMO伝送モードに設定されたが、また、ダウンリンク多重ポート伝送モードに設定されれば、2つの可能性ある代案が存在する:i)第1代案で、移動端末は、すべてのNアップリンク伝送アンテナポート上でSRSを伝送する。そして、ii)第2代案で、もしプリコーディングマトリックス指示子(PMI;precoding matrix indicator)/チャネル品質指示子(CQI;channel quality indicator)レポートが設定されれば、移動端末は、単一アップリンク伝送アンテナポート上でSRSを伝送する;PMI/CQIレポートが設定されなければ、移動端末は、Nアップリンク伝送アンテナポート上でSRSを伝送する。
【0040】
本発明の他の実施例において、移動端末は、アップリンクグラントをトリガーするか、ダウンリンクグラントをトリガーするDCIフォーマットによって異なる数の非周期的SRSポート上で伝送される。例えば、N伝送アップリンクMIMOモードに設定された移動端末で、非周期的SRSをトリガーするアップリンクグラントが移動端末が移動端末自体単一階層伝送(または明確な伝送ダイバシティ伝送)を行うように要請するフォールバック(fall−back)グラントなら、移動端末は、移動端末自体構成単一アンテナポート上で非周期SRSを伝送する。代案的に、非周期SRSをトリガーするアップリンクグラントが、移動端末がn=1、2、…、Nであるn階層ビームフォーミング(beamforming)を行うように要請する、アップリンクMIMOモードのための一般伝送グラントなら、移動端末は、すべてのNアンテナポート上で非周期SRSを伝送することができる。アップリンクMIMOモード(アップリンクモード2で示す)で一般及びフォールバックグラントの例は、表1に示した。この方法の理由は、基地局が移動端末にフォールバック伝送グラントを伝送する場合に、移動端末がパワー制限レジーム(power−limited regime)にあり得るからである。この場合に、多重SRSポート上にパワーを分散するよりも、1つのSRSアンテナポート上に全体伝送パワーを配置する方が良い。
【0041】
本発明の一実施例において、移動端末は、アップリンクグラントをトリガーするか、またはダウンリンクグラントをトリガーするDCIフォーマットによって異なる帯域幅(BW)の非周期SRSを伝送する。例えば、移動端末がアップリンクMIMOモードまたはアップリンクSIMOモードに設定され、非周期SRSをトリガーするアップリンクグラントが移動端末から単一階層伝送をスケジュールすれば(すなわち、アップリンク伝送ランク=1)、移動端末は、帯域幅1(BW1)で示される第1帯域幅内で非周期SRSを伝送することができる。他方で、非周期SRSをトリガーするアップリンクグラントが移動端末から多重階層伝送をスケジュールすれば(すなわち、アップリンク伝送ランク>1)、移動端末は、帯域幅2(BW2)で示される第2帯域幅内で非周期SRSを伝送する。帯域幅1(BW1)及び帯域幅2(BW2)帯域幅は、基地局によりRRCシグナリングで設定されることができる。例示的な方法で、基地局は、帯域幅2のサブセットとして帯域幅1を設定することができる。したがって、移動端末がSRSを伝送する帯域幅は、移動端末がSRSを伝送するフォールバック伝送グラントを有する非周期SRSを行うようにトリガーされるとき、減少する。
【0042】
本発明の一実施例において、移動端末は、移動端末がアップリンク及び/またはダウンリンクを受信したサブフレームnよりも、アップリンクグラント、ダウンリンクグラント、またはこれら両方によってアップリンクコンポネントキャリア(CC;component carrier)またはセルで非周期SRSをトリガーする他のサブフレームn+kで非周期SRSを伝送することができる。ここで、n及びkは、負でない整数である。例えば、アップリンクグラント及び/またはダウンリンクグラントによって、移動端末が非周期SRSを伝送するアンテナポートの数、及び/または移動端末が非周期SRSを伝送する帯域幅は、変更されることができる。
【0043】
ここで、非周期SRSは、指定された値に対する1つのコードポイントを設定する伝送グラントによってトリガーされることができる。一例として、非周期SRSは、循環シフト情報(CSI、cyclic−shift information)パーティションによりトリガーされることができる。アップリンクグラントでCSI(例えば、DCIフォーマット0)がCSIインデックスの第1のサブセットに属すれば、非周期SRSがトリガーされることができる。そうでなければ、非周期SRSは、トリガーされない。次は、その例である:
【0044】
【表2】
【0045】
他の例において、非周期SRSは、周波数ホッピングビット(frequency hopping bit)によってトリガーされることができる。アップリンクグラントで周波数ホッピングビット(例えば、DCIフォーマット0)が1なら、非周期SRSは、トリガーされる。そうでなければ、非周期SRSは、トリガーされない。次は、その例である:
【表3】
【0046】
さらに他の例において、非周期SRSは、パディングビット(padding bit)によってトリガーされることができる。アップリンクグラントでパディングビットが(例えば、DCIフォーマット0)1なら、非周期SRSは、トリガーされる。そうでなければ、非周期SRSは、トリガーされない。次は、その例である:
【0047】
【表4】
【0048】
さらに他の例において、SRSトリガーのための明示的な1ビットがただ移動端末特定検索空間で伝送されるDCIフォーマット0に含まれれば、非周期SRSがトリガーされることができる。しかし、SRSトリガーのための明示的な1ビットは、セル特定検索空間で伝送されるDCIフォーマット0に含まれない。
【0049】
図4a及び図4bは、ランダムアクセスチャネル(RACH;Random Access Channel)応答によって非周期SRSのトリガーを示す。図4aで、基地局は、ランダムアクセス(RA)プリアンブル割り当て(Random Access Preamble Assignment)メッセージを移動端末に伝送する。移動端末は、ランダムアクセスプリアンブル(Random Access Preamble)メッセージを基地局に伝送することによって応答する。最後に、基地局は、ランダムアクセス応答(Random Access Response)メッセージを移動端末に伝送する。この実施例で、非周期SRSは、ランダムアクセス手続に基づく非コンテンション(non−contention)でMAC階層で伝送されるRACH応答でアップリンクグラントによって許されるアップリンク伝送とともに伝送される。
【0050】
図4bは、さらに詳細に基地局から移動端末に伝送されるランダムアクセス応答メッセージを示す。ランダムアクセス応答メッセージの図示された部分は、各々8ビットを含む6オクテット(octet)を含む。オクテット1で第1ビットは、リザーブされる(reserved)(R)。MAC階層ランダムアクセス応答(RAR)でリザーブビットがバイナリー1に設定されれば、非周期SRSは、トリガーされる。そうでなければ、非周期SRSは、トリガーされない。
【0051】
次の例は、どんなに非周期SRS伝送に対して移動端末動作がアップリンクグラント、ダウンリンクグラントまたは両方によって変更されるかを示す。第1の例で、多重または単一アンテナポートSRS伝送は、サブフレームnで伝送されるアップリンクグラントで設定されるアップリンク伝送ランクに依存することができる。移動端末がN伝送アップリンクMIMOモードに設定され、非周期SRSをトリガーするアップリンクグラントが移動端末から単一階層伝送をスケジュールすれば(すなわち、アップリンク伝送ランク=1)、移動端末は、SIMO伝送のための単一アンテナポート上で非周期SRSを伝送することができる。代案的に、もし非周期SRSをトリガーするアップリンクグラントが移動端末から多重階層伝送をスケジュールすれば(すなわち、アップリンク伝送ランク>1)、移動端末は、すべてのNアンテナポート上で非周期SRSを伝送することができる。
【0052】
第2の例で、SRS帯域幅(BW)は、サブフレームnで伝送されるアップリンクグラントで設定されるアップリンク伝送ランクに依存することができる。もし移動端末がアップリンクMIMOモードに設定され、非周期SRSをトリガーするアップリンクグラントが移動端末が移動端末自体単一階層伝送(または明確な伝送ダイバシティ伝送)を行うように要請するフォールバックグラントなら、移動端末は、帯域幅1(BW1)で示される第1帯域幅内で非周期SRSを伝送することができる。一方、非周期SRSをトリガーするアップリンクグラントが、移動端末がn=1、2、…Nであるn階層ビームフォーミングを行うように要請する、アップリンクMIMOモードのための一般伝送グラントなら、移動端末は、帯域幅2(BW2)で示される第2帯域幅内で非周期SRSを伝送することができる。帯域幅1(BW1)及び帯域幅2(BW2)帯域幅は、基地局によって伝送されるRRCシグナリングで設定されることができる。本発明の実施例において、基地局は、帯域幅2のサブセットとして帯域幅1を設定することができる。したがって、移動端末がSRSを伝送する帯域幅は、移動端末がSRSを伝送するフォールバック伝送グラントを有する非周期SRSを行うようにトリガーされるとき、減少する。
【0053】
第3の例で、SRS帯域幅は、アップリンクグラント、ダウンリンクグラント、または両方が非周期SRSをトリガーするか否かに依存する。移動端末がアップリンクMIMOモードまたはアップリンクSIMOモードに設定され、アップリンクグラントが非周期SRSをトリガーすれば、移動端末は、帯域幅1(BW1)で示される第1帯域幅内で非周期SRSを伝送することができる。もしダウンリンクグラントが非周期SRSをトリガーすれば、移動端末は、帯域幅2(BW2)で示される第2帯域幅内で非周期SRSを伝送することができる。帯域幅1(BW1)及び帯域幅2(BW2)の帯域幅は、基地局によって伝送されるRRCシグナリングで設定されることができる。
【0054】
キャリア結合で多重非周期SRSトリガー
本発明の一実施例において、基地局は、1つ以上のコンポネントキャリア(CC)上で同時非周期SRS(a−SRS)を移動端末からトリガーすることができる。
【0055】
第1の代案的な実施例において、基地局は、異なるアップリンクコンポネントキャリア上で非周期SRSをトリガーするための個別アップリンク及びダウンリンクトリガーグラントを伝送し、1つのアップリンクまたはダウンリンクトリガーグラントは、各アップリンクコンポネントキャリアSRSのためのものである。移動端末がサブフレームnで多重非周期SRSトリガーグラントを受信するとき、移動端末は、まず、多重トリガーグラントが一致するか(consistent)否かを検証する。トリガーグラントが異なるコンポネントキャリアで同一のサブフレームnに対する非周期SRS伝送をトリガーすれば、2トリガーグラントは、一致する。また、2トリガーグラントが同一のコンポネントキャリアで、同一のサブフレームnで、そして同一のSRSリソース(例えば、同一の帯域幅)を利用して非周期SRS伝送をトリガーすれば、2トリガーグラントは、一致する。2トリガーグラントが一致すれば、SRSは、伝送される。もしトリガーグラントが一致しなければ、何らの周期SRSも伝送されない。
【0056】
第2の代案的な実施例において、単一トリガーグラントは、多重アップリンクコンポネントキャリア上で非周期SRSをトリガーするために伝送される。第2代案の一番目の例で、上位階層(RRC)設定は、移動端末がSRS伝送を行わなければならないコンポネントキャリアのセットを構成するために移動端末にシグナリングされる。上位階層設定は、1ビットの情報で構成され、各状態は、次の表5に示されたように、SRS伝送設定を示す。
【0057】
【表5】
【0058】
移動端末は、上位階層設定を受信した後、移動端末は、DCIフォーマットが非周期SRSをトリガーするか否かに関係なく、上位階層設定によって非周期SRSを伝送する。
【0059】
移動端末が同一のサブフレームnで多重非周期SRSトリガーグラントを受信するとき、移動端末は、まず、多重グラントが一致するか否かを検証する。2グラントが異なるSRSリソースで非周期SRSをトリガーするとき、2グラントは一致しない。もし2グラントが一致すれば、トリガーされた非周期SRSが伝送される。もし2グラントが一致しなければ、すべてのSRSは、ドロップされるか(dropped)、伝送されない。
【0060】
第2の代案的な実施例の二番目の例で、移動端末が非周期SRSを伝送することができるコンポネントキャリアのセットを説明する非周期SRS伝送構成テーブル(例えば、上記表5)は、無線ネットワークで固定されるか、または上位階層(RRC)シグナリングを利用して移動端末にシグナリングされる。非周期SRS伝送構成テーブルが2状態より小さいか、または同じものを有すると仮定すれば、bビット情報は、移動端末に状態を示すようにSRSトリガーグラントで動的にシグナリングされる。bビット情報は、明示的または暗黙的にシグナリングされることができる。明示的なシグナリングの一例で、bビットフィールドは、2状態以外の1つの状態を示すための既存のDCIフォーマットに付着する。例えば、表5で、1ビットフィールドの情報は、DCIフォーマット0に付着した1ビットフィールドによって示されることができる。
【0061】
移動端末が同一のサブフレームnで多重非周期SRSトリガーグラントを受信するとき、移動端末は、まず、多重グラントが一致するか否かを検証する。2グラントが異なるSRSリソースで非周期SRSをトリガーするとき、2グラントは一致しない。もし2グラントが一致すれば、トリガーされた非周期SRSは、伝送される。もし2グラントが一致しなければ、すべてのSRSは、ドロップされ、伝送されない。
【0062】
第2の代案的な実施例の三番目の例において、移動端末が非周期SRSを伝送することができるコンポネントキャリアのセットは、DCIフォーマットをトリガーすることによって決定される。各DCIフォーマットが非周期SRSをトリガーするコンポネントキャリアのセットは、上位階層(RRC)によって設定されるか、または通信システムで固定されることができる。しかも、非周期SRSをトリガーするためのコンポネントキャリアのセットのDCIフォーマットに対する従属をスイッチオンまたはオフするための他の上位階層(RRC)設定が存在することができる。もし従属がオフ(off)とされれば、任意の非周期SRSトリガーグラントは、上記表5で状態0の説明によってCCで非周期SRSをトリガーすることができる。
【0063】
移動端末が同一のサブフレームnで多重非周期SRSトリガーグラントを受信するとき、移動端末は、まず、多重グラントが一致するか否かを検証する。2グラントは、2グラントが異なるSRSリソースで非周期SRSをトリガーするときに一致しない。もし2グラントが一致すれば、トリガーされた非周期SRSは、伝送される。もし2グラントが一致しなければ、すべてのSRSは、ドロップされ、伝送されない。
【0064】
一例として、DCIフォーマット4が非周期SRSをトリガーすれば、非周期SRSは、上記表5で状態0の説明によってコンポネントキャリア(CC)で伝送される。そうでなければ、非周期伝送は、下記の表6に示されたように、すべての活性化されたアップリンクコンポネントキャリアで伝送される。表6は、上位階層(RRC)シグナリングによって設定されることができるか、または無線ネットワークで固定されることができる。DCIフォーマット4が多重ポート非周期SRSをトリガーすることができるアップリンクMIMODCIフォーマットであるから、単一ポート非周期SRSより多重ポート非周期SRSの伝送のためにさらに多い伝送パワーを使用することと予想される。したがって、DCIフォーマット4が非周期SRSをトリガーするとき、すべての活性化されたコンポネントキャリアで非周期SRSをトリガーすることは、好ましくないことがある。
【0065】
【表6】
【0066】
第2の代案的な実施例の4番目の例において、移動端末が非周期SRSを伝送しなければならないコンポネントキャリアのセットは、RRCによって設定される非周期SRSパラメータセットによって決定される。さらに、非周期SRSをトリガーするためのコンポネントキャリアのセット及びパラメータのセットの間にマッピングを定義するために、そして非周期SRSをトリガーするためのコンポネントキャリアのセットの非周期パラメータセット上に従属をスイッチオンまたはオフするために他の上位階層(RRC)設定が存在することができる。もし従属がオフされれば、任意の非周期SRSトリガーグラントは、上記表5で状態0の説明によってコンポネントキャリアで非周期SRSをトリガーすることができる。例えば、RRC設定は、下記の表7のように非周期SRSをトリガーするためのコンポネントキャリアのセットとパラメータセットとの間にマッピングを定義する:
【0067】
【表7】
【0068】
移動端末が同一のサブフレームnで多重非周期SRSトリガーグラントを受信するとき、移動端末は、まず、前記多重グラントが一致するか否かを検証する。2グラントが異なるSRSリソースで非周期SRSをトリガーするとき、2グラントは一致しない。もし2グラントが一致すれば、トリガーされた非周期SRSは、伝送される。もし2グラントが一致しなければ、すべてのSRSは、ドロップされ、伝送されない。
【0069】
非周期SRSパラメータセットは、3GPP RAN1 tdoc R1−110558で紹介される。これは、その全体がこの文献に記載されたもののように参照として含まれる。tdoc R1−110558で、基地局が5個の非周期SRSパラメータセット(セット1、セット2、…、セット5)を定義する表を定義することが提案された−設定されたコンポネントキャリア(CC)当たり1つの表。パラメータセットは、循環シフト、伝送コム(transmission comb)、SRS帯域幅、周波数ドメイン位置、アンテナポートの数、SRS設定インデックスなどを定義する。tdoc R1−110558は、セット1は、DCIフォーマット0(アップリンクSIMOグラント)が非周期SRSをトリガーするときに使用され、セット2、3及び4は、DCIフォーマット4(アップリンクMIMOグラント)が非周期SRSをトリガーするときに使用され、セット5は、少なくともダウンリンクSIMOグラントが非周期SRSをトリガーするときに使用されることを追加に提案した。
【0070】
キャリア結合でSRSパワー制御
図5及び図6は、キャリア結合システムで例示的なSRS伝送シナリオを示す。移動端末は、2アップリンクコンポネントキャリア(または2セル)、アップリンクCC1及びアップリンクCC2上で信号(すなわち、SC−FDMシンボル)を伝送するように設定される。図5の左側側面上のサブフレーム1で、移動端末は、連続されたタイムスロットで14シンボルを含む一番目のサブフレームでアップリンクコンポネントキャリアの両方でPUSCHデータを伝送するようにスケジュールされる。アップリンクCC1上の一番目の13シンボル(陰影無し)は、PUSCHデータを含む。最後のSC−FDMシンボル(陰影有り)は、アップリンクCC1上でスケジュールされるサウンディングレファレンス信号(SRS)である。アップリンクCC2上のすべての14 SC−FDMシンボルは、PUSCHデータ(陰影無し)を含む。
【0071】
図5で、SRSシンボルの垂直高さは、さらに高いパワーレベルを示すためにPUSCHデータシンボルの垂直高さより大きい。移動端末は、アップリンクCC1上のPUSCHSC−FDMシンボルより高いパワーを有するSRS SC−FDMシンボルを伝送するように設定されることができ、非SRS SC−FDMシンボル上にパワーオーバーフローが存在しないとしても、パワーオーバーフローは、SRS SC−FDMシンボル上で発生することができる。用語“パワーオーバーフロー(power overflow)”は、SRS及びPUSCH上のパワー制御公式から算出される合算パワーが移動端末の全体伝送パワー、PCMAXより大きいことを示す。例えば、もし、パワー制御公式が前述したREF4及びREF5で協定による(agreed)パワー制御公式なら、パワーオーバーフロー条件は、次の通りである:
【0072】
【数1】
【0073】
図5の右側面上のサブフレーム2で、移動端末は、アップリンクCC2上でPUSCHを伝送するようにスケジュールされ、同時に、SRSは、アップリンクCC1上にスケジュールされる。SRSは、ただサブフレーム2でアップリンクCC1の最後のSC−FDMシンボルで伝送される。
【0074】
最後に、図6で、移動端末は、サブフレームでアップリンクコンポネントキャリアの両方(すなわち、アップリンクCC1及びアップリンクCC2)でSRSを伝送するようにスケジュールされる。この例で、非SRS SC−FDMシンボル上でどんなパワーオーバーフローも存在しないとしても、パワーオーバーフローは、SRS SC−FDM上で発生することができる。
【0075】
次の論議は、PUSCHが1つのアップリンクCC上で伝送され、SRSが同一のSC−FDMシンボルの異なるアップリンクCC上で伝送される場合に、SRS SC−FDMシンボルでパワーオーバーフローを解決する多数の方法を説明する。この方法は、ただSRS SC−FDMシンボルに対して適用される。非SRS SC−FDMシンボルのために、従来技術に説明されたような一般パワースケール方法が使用される。さらに、PUSCHがスケジュールされるアップリンクCC上にSRS SC−FDMシンボルに対してどんなパワーもPUSCH上に割り当てられないとき(またはPUSCHがドロップされるとき)、レートマッチングがアップリンクCCの最後のSC−FDMシンボル周辺で行われることができる。あるPUCCHも個別サブフレームiでスケジュールされないとき、
【0076】
【数2】
【0077】
である。
【0078】
説明を容易にするために、すべての物理信号、PUCCH、PUSCH及びSRSは、関心サブフレーム(subframe of interest)で移動端末に対してスケジュールされると仮定する。もし一部の物理信号がサブフレームで移動端末に対してスケジュールされなければ、ゼロ(0)パワーレベルが非スケジュールされた物理信号に対して割り当てられる。
【0079】
第1の好ましい方法において、SRSは、SRS SC−FDMシンボルでパワースケール(scale)のためにPUSCHのように取り扱われる。もしSRS SC−FDMシンボルで全体伝送パワーが移動端末最大伝送パワー
【0080】
【数3】
【0081】
を超過すれば、移動端末は、各PUSCH(ここで、PUSCHは、SRSを含む)の伝送パワーを次のようになるようにスケールする。
【0082】
【数4】
【0083】
ここで、
【0084】
【数5】
【0085】
は、コンポネントキャリアc上でPUSCHに対するスケールファクターである。
他の好ましい方法において、SRSは、SRS SC−FDMシンボルでパワースケールのためにPUSCHのように取り扱われる。もし、SRS SC−FDMシンボルで全体伝送パワーが移動端末最大伝送パワー
【0086】
【数6】
【0087】
を超過すれば、移動端末は、各SRSの伝送パワーを次のようになるようにスケールする。
【0088】
【数7】
【0089】
ここで、
【0090】
【数8】
【0091】
は、コンポネントキャリアc上でSRSに対するスケールファクターである。また、
【0092】
【数9】
【0093】
は、サブフレームiでコンポネントキャリアcに対するSRSのパワーである。
【0094】
第2の方法において、SRSは、PUCCHデータより少なく優先するが、SRS SC−FDMシンボルでPUSCHよりも、さらに優先する。この場合において、全体PUCCH伝送パワーは、SRS SC−FDMに対してリザーブされる(reserved)。その後、全体SRSパワーは、PCMAXに至るまで、サブフレームiでスケジュールされたSRSを有するアップリンクコンポネントキャリアの整列されたリストによる伝送に対して連続してリザーブされる。すべてのSRSパワーを割り当てた後、どんな残っているパワーが存在すれば、PUSCHパワーが割り当てられる。次の段階は、この第2の方法をさらに詳細に説明する:
【0095】
段階1:もしサブフレームiでPUCCH伝送が存在すれば、全体PUCCHパワーPPUCCH(i)は、SRS−SC FDMシンボルに対してまずリザーブされる。そうでなければ、段階2に直接進行する。もしPPUCCH(i)がPCMAXを超過すれば、移動端末は、サブフレームiでただPUCCHを伝送する。
【0096】
段階2:移動端末は、スケジュールされたSRSを有するアップリンクコンポネントキャリアインデックスを含む優先順位整列リストによって、順に各スケジュールされたSRSのパワーを追加する。ここで、優先順位整列リストは、{c(1)、c(2)、…、c(CSRS)}のように記録されることができる。
【0097】
段階3:m=1に設定する。
【0098】
段階4:アップリンクコンポネントキャリアc(m)上のSRSパワーを追加して得られる全体パワーがPCMAXを超過すれば、ただアップリンクコンポネントキャリアc(1)、…、c(m−1)上のPUCCH及びSRSは、サブフレームiで伝送される。そうでなければ、段階5に進行する。
【0099】
段階5:1ずつm増加。もしmがCSRS+1と同じであれば、段階6に進行する。そうでなければ、段階4に進行する。
【0100】
段階6:次の公式によってPUSCHパワースケールを低める(Scale down)。
【0101】
【数10】
【0102】
この方法は、SRS伝送が基地局でアップリンクチャネル推定を利用することができるようにスケジュールされるパワーで常時伝送されるようにすることを保障する。しかし、移動端末は、SRS SC−FDM上で一部のスケジュールされたSRS及びPUSCHを伝送しない。そして、基地局は、ドロップされたSRS及びPUSCHを認知しないことがある。
【0103】
さらに、SRS伝送のうち次の優先順位のセットが提案される:1)非周期SRSは、周期SRSより優先する。2)MIMO SRSは、SIMO SRSより優先する。3)アップリンクPCC(またはプライマリーセル(primary cell))上のSRSは、アップリンクSCC(またはセカンダリーセル(secondary cells))上のSRSより優先する。4)アップリンクコンポネントキャリアのための優先順位整列リストは、上位階層(RRC)シグナリングで伝達する。SRSを伝送するようにスケジュールされたアップリンクコンポネントキャリアのうち優先順位整列リストによって上位優先順位のアップリンクコンポネントキャリアからSRSが伝送される。5)上位階層(RRC)シグナリングで伝達されるアップリンクコンポネントキャリアに対する優先順位整列リストが伝送される。そして6)小さいコンポネントキャリア識別子を有するコンポネントキャリアは、SRS伝送のために大きいコンポネントキャリア識別子を有する他のコンポネントキャリアより優先的に処理される。
【0104】
第3の方法において、SRSは、PUCCHより少なく優先するが、SRS SC−FDMシンボルでPUSCHよりさらに優先する。さらに、ただ1つの上位優先順位SRSが維持される。一方、他のSRSは、ドロップされる。この第3の方法の一番目の代案において、SRSパワーを割り当てた後、どんな残っているパワーが存在すれば、PUSCHパワーが割り当てられる。次の段階は、この一番目の代案を説明する:
【0105】
段階1:サブフレームiでPUCCH伝送が存在すれば、全体PUCCHパワーPPUCCH(i)がまずリザーブされる。そうでなければ、段階2にすぐ進行する。もしPPUCCH(i)がPCMAXを超過すれば、移動端末は、サブフレームiでただPUCCHを伝送する。そうでなければ、段階2に進行する。
【0106】
段階2:移動端末は、あらかじめ決定された優先順位によって、最も優先するSRSのパワーを追加する。
【0107】
段階3:SRSパワーを追加して得られる全体パワーがPCMAXを超過すれば、ただPUCCHがサブフレームiで伝送される。
【0108】
段階4:次の数式によってPUSCHパワーがダウンスケールされる(Scale down):
【0109】
【数11】
【0110】
第3の方法の二番目の代案において、SRSパワーを割り当てた後、残っているパワーが存在しても、PUSCHデータは、SRS SC−FDMシンボルでドロップされる。この方法は、多くても、1つのSRSがスケジュールされたパワーレベルで伝送されることを保障する。基地局がエネルギー検出(energy detection)によって最も優先するSRSが伝送されるか否かを検査する必要があるので、ドロップ動作は、基地局で予測することもできる。しかし、第3の方法の一番目の代案において、PUSCHパワーは、異なるSC−FDMシンボルにわたって多様であることができるので、基地局は、SRS SC−FDMシンボル上のパワーレベルを正確に測定することができないことがある。第3の方法の二番目の代案において、すべてのPUSCHは、SRS SC−FDMシンボル上でドロップされるので、そういう問題が全然ない。
【0111】
第4の方法において、SRSは、PUCCHより少なく優先する。一方で、多くても、1つのSRSは、SRS SC−FDMシンボルですべてのPUSCHをドロップすることとともに優先する。このような場合、全体PUCCH伝送パワーがまずリザーブされる。その後、1つの全体SRSパワーがあらかじめ決定された優先順位によって伝送のためにリザーブされる。PUSCHがSRS(及びPUCCH)とともにスケジュールされるとき、PUSCHは、SRS SC−FDMシンボル上でドロップされる。
【0112】
第4の方法の1つの変化において、SRSは、PUCCHより少なく優先する。一方、多くても、N SRSは、SRS SC−FDMシンボルですべてのPUSCHをドロップすることとともに優先する。ここで、N=1、2、3、…、であり、Nは、固定されるか、または上位階層によってシグナルされる。この場合において、全体PUCCH伝送パワーがまずリザーブされる。その後、1つの全体SRSパワーは、あらかじめ決定された優先順位によって伝送のためにリザーブされる。PUSCHがSRS(及びPUCCH)とともにスケジュールされるとき、PUSCHは、SRS SC−FDMシンボル上でドロップされる。
【0113】
第5の方法において、SRSは、SRS SC−FDMシンボルですべてのPUSCHをドロップすることとともに、PUCCHより少なく優先する。このような場合、全体PUCCH伝送パワーがまずリザーブされる。その後、全体SRSパワーは、あらかじめ決定された優先順位によって伝送のためにリザーブされる。PUSCHがSRS(及びPUCCH)とともにスケジュールされるとき、PUSCHは、SRS SC−FDMシンボル上でドロップされる。この方法は、SRSが基地局でアップリンクチャネル推定を利用することができるように、スケジュールされたパワーで常時伝送されることを保障する。しかし、これは、移動端末がSRS SC−FDM上で一部スケジュールされたSRS及びPUSCHを伝送しないことがあり、そして基地局がドロップされたSRS及びPUSCHを認知しないことがあるという問題を有する。
【0114】
第6の方法において、SRSは、PUCCHより少なく優先する。そして、SRS伝送は、ダウンスケールされる(scaled down)(もし、必要であれば)。したがって、全体伝送パワーは、PCMAXを超過しない。また、すべてのPUSCHは、SRS SC−FDMシンボルでドロップされる。この場合において、全体PUCCH伝送パワーは、まずリザーブされる。その後、SRSパワーは、ダウンスケールされる(もし必要であれば)。したがって、全体伝送パワーは、PCMAXを超過しない。PUSCHがSRS(及びPUCCH)とともにスケジュールされるとき、PUSCHは、SRS SC−FDMシンボル上でドロップされる。この方法は、基地局が移動端末がSRSのためのパワーダウンスケールを行うか否かを知らないときは、好ましくないことがある。しかし、この方法は、すべてのスケジュールされたSRS及びPUCCHがSRS SC−FDMシンボル上で伝送されることを保障する。
【0115】
第7の方法において、SRS SC−FDMシンボルで、SRSは、PUCCHより少なく優先する。しかし、SRSは、UCIを有するPUSCHよりさらに優先する。UCI無しのPUSCHは、最も少なく優先する。この場合において、優先順位整列リストは、PUCCH>SRS>UCIを有するPUSCH>UCI無しのPUSCHである。SRS SC−FDMシンボル上で、全体PUCCHパワーがまずリザーブされる。もし全体PUCCHパワーを割り当てた後、どんな残されたパワーが存在すれば、SRSは、残されたパワーを取る。
【0116】
1つの代案において、ただ1つのSRSは、あらかじめ決定されたSRSのための優先順位リストによって全体パワーに伝送される。パワーをSRS及びPUCCHに割り当てた後、どんな残っているパワーが存在すれば、残っているパワーは、まずUCIを有するPUSCHに割り当てられる。もし残っているパワーがUCIを有するPUSCHのためのPUSCHパワー、すなわちPPUSCH、j(i)より大きいかまたは同一であれば、残っているパワーは、UCIを有するPUSCHに割り当てられ、どんなパワーもUCIがないPUSCHに割り当てられない。そうでなければ、UCIを有するPUSCHに割り当てられた後、残っているパワーは、次のパワースケーリング公式によって、UCI無しのPUSCHに割り当てられる:
【0117】
【数12】
【0118】
明らかに、どんなUCIを有するPUSCHもサブフレームiでスケジュールされなければ、PPUSCH、j(i)=0である。
【0119】
他の代案において、多数のSRSは、SRSのためのあらかじめ決定された優先順位リストによって全体パワーで伝送されることができる。PUCCHにパワーを割り当てた後、移動端末は、順にサブフレームでスケジュールされたSRSに対して全体パワーを割り当てることを試みる。もし全体パワーがn番目SRSを追加してPCMAXを超過すれば、n番目のSRSは、ドロップされ、ただ(n−1)SRS及びPUCCHが伝送される。もしSRSに全体パワーを割り当てた後、どんな残っているパワーが存在すれば、UCIを有するPUSCHにパワーを割り当てることが試みられる。残っているパワーがUCIを有するPUSCHのためのPUSCHパワー、すなわちPPUSCH、j(i)より大きいかまたは同一であれば、残っているパワーは、UCIを有するPUSCHに割り当てられ、どんなパワーもUCI無しのPUSCHに割り当てられない。そうでなければ、UCIを有するPUSCHに割り当てられた後、残っているパワーは、次のパワースケーリング公式によって、UCI無しのPUSCHに割り当てられる:
【0120】
【数13】
【0121】
明らかに、どんなUCIを有するPUSCHもサブフレームiでスケジュールされないとき、PPUSCH、j(i)=0である。
【0122】
第8の方法において、SRS SC−FDMシンボルでパワー制御のための優先順位整列リストは、次の通りである:PUCCH>非周期SRS>PUSCH(UCIを有するかまたは有しない)>周期SRS。PUCCHに全体パワーを割り当てた後、移動端末は、非周期SRSに対して全体パワーを割り当てることを試みる。SRSと一緒にスケジュールされたどんなPUSCHが存在する場合において、非周期SRS及びPUCCHにパワーを割り当てた後、どんな残っているパワーが存在したら、残っているパワーは、UCIを有するPUSCHにまず割り当てられる。残っているパワーがUCIを有するPUSCHのためのPUSCHパワー、すなわちPPUSCH、j(i)より大きいかまたは同一であれば、残っているパワーは、UCIを有するPUSCHに割り当てられ、どんなパワーもUCI無しのPUSCHに割り当てられない。そうでなければ、UCIを有するPUSCHに割り当てられた後、残っているパワーは、パワースケーリング公式によって、UCI無しのPUSCHに割り当てられる:
【0123】
【数14】
【0124】
明らかに、どんなPUSCHもサブフレームiでスケジュールされなければ、PPUSCH、j(i)=0である。さらに、どんな非周期SRSもサブフレームiでスケジュールされなければ、PSRS、aperiodic(i)=0である。このような場合において、周期SRSは、ドロップされる。
【0125】
どんなPUSCHもSRSとともにスケジュールされない場合において、残っているパワーは、あらかじめ決定された優先順位リストによって周期RSに割り当てられる。
【0126】
第9の方法において、SRS SC−FDMでパワー制御のための優先順位整列リストは、次の通りである:PUCCH>非周期SRS>UCIを有するPUSCH>周期SRS。UCI無しのPUSCHが存在すれば、これらPUSCHは、SRS SC−FDMシンボル上でドロップされる。全体パワーをPUCCHに割り当てた後、移動端末は、非周期SRSに全体パワーを割り当てることを試みる。SRSと一緒にスケジュールされたどんなUCIを有するPUSCHが存在する場合において、非周期SRS及びPUCCHにパワーを割り当てた後、どんな残っているパワーが存在すれば、残っているパワーは、UCIを有するPUSCHに割り当てられる。もし残っているパワーがUCIを有するPUSCHのためのPUSCHパワー、すなわちPPUSCH、j(i)より大きいかまたは同一であれば、残っているパワーは、UCIを有するPUSCHに割り当てられ、どんなパワーも周期SRSに割り当てられない。そうでなければ、UCIを有するPUSCHに割り当てられた後、残っているパワーは、あらかじめ決定された優先順位リストによって、周期SRSに割り当てられる。
【0127】
SRSと一緒にスケジュールされたどんなPUSCHもない場合、残っているパワーは、あらかじめ決定された優先順位リストによって周期SRSに割り当てられる。
【0128】
第10の方法において、SRS SC−FDMシンボルでパワー制御のための優先順位整列リストは、次の通りである:PUCCH>MIMO SRS>PUSCH(UCIを有するか、または有しない)非MIMO SRS。パワー割り当ての連続された手続は、前述した第8の方法に従う。
【0129】
第11の方法において、SRS SC−FDMシンボルでパワー制御のための優先順位整列リストは、次の通りである:PUCCH>MIMO SRS>UCIを有するPUSCH>非MIMO SRS。もしUCI無しのPUSCHが存在すれば、これらPUSCHは、SRS SC−FDMシンボルでドロップされる。パワー割り当ての連続された手続は、前述された第9の方法に従う。
【0130】
第12の方法において、多重の周期SRSがサブフレームでスケジュールされ、どんな非周期SRSもスケジュールされなければ、すべてのスケジュールされた周期SRSは、前述した第1の方法によって伝送される(すなわち、周期SRSのパワーは、もしパワーが制限されれば、ダウンスケールされる)。すなわち、次の通りである:
【0131】
【数15】
【0132】
他方で、非周期SRSがサブフレームで多重の非周期SRSとともにスケジュールされるとき、移動端末は、ただ非周期SRSを伝送し、多重の周期SRSをドロップさせる。
【0133】
この方法は、少なくとも非周期SRSがスケジュールされたパワーに伝送されることを保障する。さらに、周期SRSドロップ動作は、基地局が周期SRSがスケジュールされるサブフレームで非周期SRSをトリガーするので、基地局で予測することができる。
【0134】
今まで実施例とともに本発明を説明したが、この技術分野における通常の知識を有する者によって多様な変更及び修正が提案されることができる。添付の特許請求範囲の範囲内でそのような変更及び修正は、本発明の権利範囲に属すると言える。
【符号の説明】
【0135】
101〜103,220 基地局
111〜116,202〜208 移動端末
120,125 カバレージ領域
130 インターネット
310 空間プロセッシング
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6