(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記通風穴(17)の半径(r)を前記通風穴(17)の中心(P)から前記ファンモータ(15)の前記最下点(20)までの距離(d)よりも小さくすることにより、前記液受部(22)が形成されている、請求項1に記載の電子機器(11)。
前記排出路(21)には、前記排出路(21)内の前記液体を前記ハウジング(16)外に向けて移動させる勾配(g)が設けられている、請求項6に記載の電子機器(11)。
【背景技術】
【0002】
機械の数値制御装置などに用いられる電子機器は、電子機器の筐体内に収容された制御基板や電子部品などを冷却するファンモータを備える場合がある。このような電子機器を機械工場において長時間使用すると、工場内の空気に含まれている水分や切削液ミストなどがファンモータに蓄積する。前述のファンモータが電子機器の筐体の上部に配置されている場合には、ファンモータに蓄積された水分や切削液ミストなどが液滴となって筐体内に落下し、筐体内の制御基板や電子部品に付着する。その結果、電子部品のショートや劣化などを引起すことがある。
【0003】
そこで、特許文献1は、筐体の上壁部に形成された通風穴の上にファンモータが配置された電子機器の構造において、ファンモータのハウジングを筐体の上壁部の上面に空隙を介して取付けるようした電子機器の構造を提案している。
【0004】
図20は、前述の特許文献1に係る電子機器を示す上面図である。
図21は
図20に示された電子機器のX−X’線に沿った断面図である。また、
図21においては、丸により囲まれたK部の拡大図も示している。さらに、
図22は、
図21に示された電子機器内を矢印Yの方向から見た図である。
【0005】
前述の特許文献1に係る電子機器は、
図20〜
図22に示されるように、電子部品101が実装された制御基板102を収容する筐体103と、筐体103内の電子部品101および制御基板102を冷却するファンモータ104とを備える。ファンモータ104はハウジング105を有している。ファンモータ104はハウジング105を介して筐体103の上壁部の上に配置されている。そして、筐体103の上壁部には、ファンモータ104により発生された風を通す通風穴106が形成されている。
【0006】
さらに、特許文献1に係る電子機器においては、
図21に示されるように、ファンモータ104のハウジング105が、筐体103の上壁部に空隙107を介して取付けられている。このような構成によれば、ファンモータ104の回転時には、ファンモータ104に付着した殆どの液体がファンモータ104の遠心力により、ハウジング105の内側面に移動する。その結果、当該液体は、
図21に矢印Sにより示されるように、ハウジング105の内側面から空隙107を通って筐体103の外側面を流れる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示されるような電子機器の構造(
図20〜
図22参照)には、次のような問題点がある。
【0009】
ファンモータ104の停止時には、
図21に矢印Tにより示されるように、ファンモータ104の羽根部に残留している液体が時間経過とともに羽根部の最下点108に凝集される。その結果、羽根部の最下点108にて液滴が成長し、
図21に矢印Uにより示されるように、前述の液滴が筐体103内に落下して制御基板102や電子部品101に付着する。したがって、特許文献1に開示された電子機器の構造であっても、電子部品101の短絡や劣化などを引起すことがある。
【0010】
そこで本発明は、上述したような問題点に鑑み、ファンモータの回転時だけでなく停止時においても、ファンモータから液体が筐体内の電子部品に付着するのを防止できる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第一態様によれば、通風穴が形成された上壁部を有していて少なくとも電子部品を収容する筐体と、上壁部における通風穴の上に配置されていてハウジングを有するファンモータと、ファンモータの羽根部の最下点の下方に位置していて液体を受容する液受部と、を具備する電子機器が提供される。
【0012】
本発明の第二態様によれば、上記第一態様の電子機器であって、通風穴の半径を通風穴の中心からファンモータの最下点までの距離よりも小さくすることにより、液受部が形成されている、電子機器が提供される。
【0013】
本発明の第三態様によれば、上記第一態様の電子機器であって、液受部は、通風穴の内壁部から通風穴の径方向内側に向かって突出している、電子機器が提供される。
【0014】
本発明の第四態様によれば、上記第三態様の電子機器であって、ファンモータはDCファンモータであり、液受部は、DCファンモータの停止時におけるDCファンモータの羽根部の最下点に対応した位置のみに配置されている、電子機器が提供される。
【0015】
本発明の第五態様によれば、上記の第一態様から第四態様のいずれかの電子機器であって、上壁部の上面には、通風穴の開口縁部に沿って環状突出部が設けられている、電子機器が提供される。
【0016】
本発明の第六態様によれば、上記の第一態様から第五態様のいずれかの電子機器であって、上壁部の上面とファンモータのハウジングとの間に空隙が存在しており、上壁部は、液体を液受部から空隙を通してハウジング外へ排出する排出路を有する、電子機器が提供される。
【0017】
本発明の第七態様によれば、上記第六態様の電子機器であって、排出路には、排出路内の液体をハウジング外に向けて移動させる勾配が設けられている、電子機器が提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明の第一態様によれば、ファンモータの羽根部の最下点の下側に液体を受容する液受部が位置しているので、ファンモータの停止時にファンモータから落下した液滴が電子機器内の電子部品などに付着するのを防ぐことができる。それにより、電子部品の短絡や劣化などを防止できる。
【0019】
本発明の第二態様によれば、上記の液受部をファンモータの羽根部の最下点の下方に容易に配置することができる。
【0020】
特に本発明の第三態様および第四態様においては、液受部をファンモータの羽根部の最下点の下側のみに配置すればよいので、通風穴の開口径をファンモータの羽根部を含む外径寸法よりも大きく形成することができる。これにより、上記第一態様および第二態様の構造よりも、通風穴における流れ抵抗が小さくなり、ファンモータの負荷も抑えられる。
【0021】
また、本発明の第五態様によれば、通風穴の開口縁部に沿って環状突出部を設けることにより、液受部に受容された液体を通風穴内に進入させないように規制できる。
【0022】
本発明の第六態様によれば、排出路によって、筐体の上壁部の液受部に受容された液体の排出方向を所望の方向に定めることができる。
【0023】
本発明の第七態様によれば、排出路に設けられた勾配により、排出路内の液体をハウジング外の筐体の一側に向けてスムースに排出することができる。
【0024】
添付図面に示される本発明の典型的な実施形態の詳細な説明から、本発明のこれらの目的、特徴および利点ならびに他の目的、特徴および利点がさらに明確になるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下の図面において、同じ部材には同じ参照符号が付けられている。そして、異なる図面において同じ参照符号が付されたものは同じ機能を有する構成要素であることを意味するものとする。また、理解を容易にするために、これらの図面は縮尺を適宜変更している。
【0027】
図1は本発明に係る電子機器を備えた制御装置を示す斜視図である。
図2は
図1に示されたA−A’線に沿った断面図である。
【0028】
図1に示された制御装置10は、例えば工作機械などの制御に使用される数値制御装置盤である。制御装置10内には、
図2に示されるように電子機器11が設置されている。電子機器11の上部には、ハウジング16を有するファンモータ15が配置されている。ハウジング16はケースなどと呼ばれる場合もある。
【0029】
(第一実施形態)
第一実施形態の電子機器11の構造を詳述する。
図3は、
図2に示された制御装置10内に設置された第一実施形態の電子機器11の上面図である。
図4は、
図2に示されたB−B’線に沿った断面図である。また、
図4においては、丸により囲まれたD部の拡大図も示している。さらに、
図5は、
図4に示された電子機器11内を矢印Yの方向から見た図である。
【0030】
図3〜
図5に示されるように、電子機器11は、電子部品12が実装された制御基板13を収容する筐体14と、筐体14内の電子部品12および制御基板13を冷却するファンモータ15と、を備える。ファンモータ15はハウジング16を有している。
【0031】
より具体的には、筐体14は、円形の通風穴17が形成された上壁部を有していて、少なくとも電子部品12および制御基板13を収容している。
【0032】
ハウジング16を有するファンモータ15は、筐体14の上壁部における通風穴17の上に配置されている。そして、
図4から分かるように、ファンモータ15の回転軸の中心は通風穴17の中心Pと一致している。
【0033】
筐体14の上壁部の上面には、通風穴17の開口縁部に沿って環状突出部18が設けられている。環状突出部18は、筐体14の上壁部の上面に落下した液体を通風穴17内に進入させない為に設けられている。
【0034】
筐体14の上壁部の上面とファンモータ15のハウジング16との間には空隙19が存在している。
【0035】
さらに、
図3〜
図5に示されるように、ファンモータ15の羽根部の最下点20の下側には、最下点20から落下した液体を受容する液受部22が位置している。第一実施形態の場合、
図4および
図5に示されるように通風穴17の半径rを通風穴17の中心Pからファンモータ15の羽根部の最下点20までの距離dよりも小さくすることにより、液受部22が形成されている。つまり、通風穴17の周囲部が液受部22となっている。このように液受部22を形成することにより、液受部22をファンモータ15の羽根部の最下点20の下方に容易に配置できる。
【0036】
また、前述したファンモータ15のハウジング16は、筐体14の上壁部に空隙19を介して取付けられている。ここで、
図6は、
図3に示されたC−C’線に沿った断面図である。
図3および
図6に示されるように、ハウジング16には複数(本例においては4つ)の貫通穴16aが形成されている。
【0037】
そして、
図6に示されるように、筐体14の上壁部の上面には、それぞれの貫通穴16aと嵌合する段付き凸部14aが設けられている。このような段付き凸部14aにより、前述した空隙19が筐体14の上壁部の上面とハウジング16との間に形成されている。
【0038】
さらに、ハウジング16は、ボルト(図示せず)を貫通穴16aに挿通しつつ段付き凸部14aにねじ込むことにより筐体14の上壁部に固定されるのが好ましい。勿論、ハウジング16の固定方法はボルトによる固定方法に限定されない。
【0039】
次に、上述した第一実施形態の電子機器11の構造に基づく効果を説明する。
【0040】
ファンモータ15の停止時には、
図4に矢印Tにより示されるように、ファンモータ15の羽根部に残留している液体が時間経過とともに羽根部の最下点20に凝集される。その結果、羽根部の最下点20にて液滴が成長して落下する。落下した液滴は、前述した液受部22、すなわち筐体14の上壁部の上面における通風穴17の周囲部に受容される。
【0041】
そして、液受部22に受容された液体は、環状突出部18に規制されて通風穴17内に進入することなく、
図4に矢印Wにより示されるように空隙19を通ってハウジング16外の筐体14の外側面を流れることとなる。以上のことから、ファンモータ15の停止時にファンモータ15から液滴が落下しても、液滴は筐体14内の電子部品12や制御基板13には付着しない。それにより、電子部品12の短絡や劣化などの障害を防止することができる。
【0042】
なお、ファンモータ15の回転時においては、ファンモータ15に付着した殆どの液体はファンモータ15の回転時の遠心力によりハウジング16の内側面に移動する。その結果、当該液体は、ハウジング16の内側面を伝って筐体14の上壁部の上面に滴下される。その後、前述したファンモータ15の停止時と同じように、滴下した液体は空隙19を通ってハウジング16外の筐体14の外側面を流れることとなる。
【0043】
次に、第一実施形態の電子機器11の変形例について説明する。
【0044】
図7は、
図4に示されたD部の変形例を示す図である。
図4を用いて前述したとおり、ファンモータ15の羽根部の最下点20から落下した液滴は、筐体14の上壁部における通風穴17の周囲部である液受部22に受容される。この場合、筐体14の上壁部の上面に付着した液体が通風穴17内に進入しないように、当該液体を通風穴17から離れる方向に確実に移動させるのが望ましい。このため、
図7に示されるように、環状突出部18の外周面は、環状突出部18の上端から下端に向かうにつれて外側に傾斜する傾斜面18aを有していることが好ましい。
【0045】
さらに、
図7に示されるように、環状突出部18の先端は鋭角で、通風穴17の半径rを大きく、また、筐体14の上壁部の下面における通風穴17の開口縁部に傾斜面14cが形成されていることが好ましい。この構成においては、筐体14内から通風穴17を通ってファンモータ15に向かう空気の流れ抵抗をより少なくすることができる。
【0046】
また、上述した第一実施形態において、筐体14の上壁部は、液体を液受部22から空隙19を通してハウジング16外へ排出する排出路21を有することが好ましい。ここで、
図8は
図2に示されたB−B’線に沿った断面の第一変形例を示す図である。
図8においては、丸により囲まれたE部の拡大図も示している。
図9は、
図8に示されたファンモータ15とハウジング16とが取外された筐体14の上壁部の上面を示した図である。
【0047】
図8および
図9に示されるように、筐体14の上壁部の上面における液受部22に対応する位置に溝を環状突出部18の外周に沿って形成するとともに、その溝の出口部を筐体14の一側14bに延ばすことにより、前述の排出路21が設けられている。このような排出路21は、ファンモータ15の羽根部の最下点20から落下した液滴を直接的に受容して、筐体14の一側14bに向けて排出することができる。言い換えれば、排出路21を設ける構成によると、筐体14の上壁部の液受部22に受容された液体の排出方向を所望の方向に定めることができる。
【0048】
図10は、
図8に示されたE部の変形例を示す図である。前述のような排出路21が設けられた場合においても、
図10に示されるように、環状突出部18の外周面が、環状突出部18の上端から下端に向かうにつれて外側に傾斜する傾斜面18aを有していることが好ましい。
【0049】
また、
図11は、
図2に示されたB−B’線に沿った断面の第二変形例を示す図である。
図11に示されるように、上述した排出路21においては、排出路21を成す溝内の液体をハウジング16外の筐体14の一側14bに向けて移動させる勾配gが設けられていることが好ましい。これにより、排出路21による液体の排出をスムースに行うことができる。
【0050】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について説明する。但し、以下では、上述した第一実施形態とは異なる点を主に説明することとし、上述した第一実施形態と同じ構成要素には同一の符号を用いることによってその説明を割愛する。
【0051】
図12は、第二実施形態の電子機器11を示す上面図である。
図12においては、丸により囲まれたG部の拡大図も示している。
図13は、
図12に示されたF−F’線に沿った断面図である。また、
図13においては、丸により囲まれたH部の拡大図も示している。さらに、
図14は、
図13に示された電子機器11内を矢印Yの方向から見た図である。
【0052】
上述した第一実施形態の電子機器11においては、ファンモータ15の種類は限定されない。これに対し、第二実施形態の電子機器11は、ファンモータ15がDCファンモータである場合に好適である。
【0053】
DCファンモータの場合、DCファンモータの停止時にはDCファンモータの羽根部は所定の位置に常に止まる。つまり、DCファンモータの場合、DCファンモータ停止時には、羽根部の最下点20が常に同じ位置となる。
【0054】
よって、第二実施形態においては、
図12〜
図14に示されるように、液受部22が、DCファンモータの停止時におけるDCファンモータの羽根部のそれぞれの最下点20に対応した位置のみに配置されている。そして、それぞれの液受部22は、通風穴17の内壁部17aから通風穴17の径方向内側に向かって突出している。
その他の構成については、上述した第一実施形態の電子機器11の構造と同じである。
【0055】
次に、上述した第二実施形態の電子機器11の構造に基づく効果を説明する。
【0056】
ファンモータ15の停止時には、
図13に矢印Tにより示されるように、ファンモータ15の羽根部に残留している液体が時間経過とともに羽根部の最下点20に凝集される。その結果、羽根部の最下点20にて液滴が成長して落下する。第二実施形態においては、ファンモータ15がDCファンモータであり、液受部22は、DCファンモータの停止時におけるDCファンモータの羽根部のそれぞれの最下点20に対応した位置に対して通風穴17の内壁部から突出している。これにより、停止しているDCファンモータの最下点20から落下した液滴は、液受部22に受容される。
【0057】
そして、液受部22に受容された液体は、環状突出部18に規制されて通風穴17内に進入することなく、
図13に矢印Wにより示されるように空隙19を通ってハウジング16外の筐体14の外側面を流れることとなる。以上のことから、ファンモータ15の停止時にファンモータ15から液滴が落下しても、液滴は筐体14内の電子部品12や制御基板13には付着しない。それにより、電子部品12の短絡や劣化などの障害を防止することができる。
【0058】
なお、ファンモータ15の回転時においては、ファンモータ15に付着した殆どの液体はファンモータ15の回転時の遠心力によりハウジング16の内側面に移動する。その結果、当該液体は、ハウジング16の内側面を伝って筐体14の上壁部の上面に滴下される。その後、前述したファンモータ15の停止時と同じように、滴下した液体は空隙19を通ってハウジング16外の筐体14の外側面を流れることとなる。
【0059】
また、第二実施形態の場合、電子部品12や制御基板13への液滴の付着を防止するためには、ファンモータ15の羽根部のそれぞれの最下点20の下側のみに液受部22が在ればよい。このため、通風穴17の開口径(直径2r)をファンモータ15の羽根部を含む外径寸法よりも大きく形成することができる。これにより、第一実施形態の構造よりも、通風穴17における流れ抵抗が小さくなり、ファンモータ15の負荷も抑えられる。
【0060】
次に、第二実施形態の電子機器11の変形例について説明する。
【0061】
図15は、
図12に示されたG部の変形例を示す図である。
図16は、
図13に示されたH部の変形例を示す図である。
図13を用いて前述したとおり、ファンモータ15の羽根部の最下点20から落下した液滴は、通風穴17の内壁部から突出した液受部22に受容される。この場合、筐体14の上壁部の上面に付着した液体が通風穴17内に進入しないように、当該液体を通風穴17から離れる方向に確実に移動させるのが望ましい。このため、
図15および
図16に示されるように、環状突出部18の外周面は、環状突出部18の上端から下端に向かうにつれて外側に傾斜する傾斜面18aを有していることが好ましい。
【0062】
さらに、
図16に示されるように、環状突出部18の先端は鋭角で、通風穴17の径方向内側に向かっている突出量を小さく、また、筐体14の上壁部の下面における通風穴17の開口縁部に傾斜面14cが形成されていることが好ましい。この構成においては、筐体14内から通風穴17を通ってファンモータ15に向かう空気の流れ抵抗をより少なくすることができる。
【0063】
また、第二実施形態においても、上述した第一実施形態と同様に、筐体14の上壁部は、液体を液受部22から空隙19を通してハウジング16外へ排出する排出路21を有することが好ましい。ここで、
図17は、
図12に示されたF−F’線に沿った断面の第一変形例を示す図である。
図17においては、丸により囲まれたI部の拡大図も示している。
図18は、
図17に示されたファンモータ15とハウジング16とが取外された筐体14の上壁部の上面を示した図である。
【0064】
図17および
図18に示されるように、筐体14の上壁部の上面に溝を環状突出部18の外周に沿って形成するとともに、その溝の出口部を筐体14の一側14bに延ばすことにより、前述の排出路21が設けられている。また、各液受部22は排出路21に連通している。このような排出路21は、ファンモータ15の羽根部の最下点20から落下した液滴を液受部22を介して受容して、筐体14の一側14bに向けて排出することができる。言い換えれば、排出路21を設ける構成によると、筐体14の上壁部の液受部22に受容された液体の排出方向を所望の方向に定めることができる。なお、
図17および
図18に示された構成例においても、
図15および
図16に示されたような傾斜面18aを有することが好ましい。
【0065】
また、
図19は、
図12に示されたF−F’線に沿った断面の第二変形例を示す図である。
図19においては、丸により囲まれたJ部の拡大図も示している。
図19に示されるように、上述した排出路21においては、排出路21を成す溝内の液体をハウジング16外の筐体14の一側14bに向けて移動させる勾配gが設けられていることが好ましい。これにより、排出路21による液体の排出をスムースに行うことができる。
【0066】
なお、以上に説明した第一実施形態および第二実施形態においては、筐体14の上壁部の上面とファンモータ15のハウジング16との間に空隙19が存在している電子機器11を示した(
図4、
図13など参照)。しかし、本願発明には、空隙19が設けられていない電子機器11も含まれる。
【0067】
以上では典型的な実施形態を用いて本発明を説明したが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなしに、上述した各実施形態に変更および種々の他の変更、省略、追加を行うことができるのを理解できるであろう。また、上述した各実施形態を適宜組み合わせることは本発明の範囲に含まれる。