(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243396
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】自動試験システム及び方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20171127BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20171127BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20171127BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
H02J7/00 Q
H01M10/48 P
H01M10/44 P
H01M10/04 Z
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-255872(P2015-255872)
(22)【出願日】2015年12月28日
(65)【公開番号】特開2016-195528(P2016-195528A)
(43)【公開日】2016年11月17日
【審査請求日】2015年12月28日
(31)【優先権主張番号】104110743
(32)【優先日】2015年4月1日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】505441638
【氏名又は名称】致茂電子股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Chroma Ate Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】盧 志 誠
(72)【発明者】
【氏名】丁 嘉 慶
(72)【発明者】
【氏名】林 川 澤
【審査官】
坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−112771(JP,A)
【文献】
特開2013−243913(JP,A)
【文献】
特開2015−118035(JP,A)
【文献】
特開2014−071074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H01M 10/04
H01M 10/44
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークから第1の制御コマンドを受信し、前記第1の制御コマンドに応じて試験手順を開始する少なくとも一つのバッテリ充放電装置と、
無線送信インターフェイスを含み、前記少なくとも一つのバッテリ充放電装置に選択的に接続され、前記試験手順において、前記バッテリ充放電装置に接続されると、仮想バッテリを提供し、前記仮想バッテリの電気的特性を測定するために前記仮想バッテリを充電及び放電して第1の測定結果を生成し、前記無線送信インターフェイスを介して前記少なくとも一つのバッテリ充放電装置に前記第1の測定結果を送信する試験装置と、
を備え、
前記バッテリ充放電装置は、前記仮想バッテリの電気特性を測定するために前記仮想バッテリを充電及び放電して第2の測定結果を生成し、前記第1の測定結果を前記第2の測定結果と比較して前記第1の測定結果と前記第2の測定結果との差分値を得る、自動試験システム。
【請求項2】
前記ネットワークから第2の制御コマンドを受信し、前記第2の制御コマンドに応じて前記試験装置を移動させ、前記試験装置を前記少なくとも一つのバッテリ充放電装置に接続させるロボット装置を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の自動試験システム。
【請求項3】
前記試験装置は、
前記試験手順において前記試験装置が前記少なくとも一つのバッテリ充放電装置に接続されると、前記少なくとも一つのバッテリ充放電装置に電気的に接続される、前記仮想バッテリを構成する電極を含む接続ポートモジュールと、
前記接続ポートモジュールに接続され、前記仮想バッテリを充電及び放電する制御モジュールと、
前記接続ポートモジュールに接続され、前記仮想バッテリの前記一つ以上の電気的特性を測定して前記第1の測定結果を生成し、前記無線送信インターフェイスを介して前記少なくとも一つのバッテリ充放電装置に前記第1の測定結果を送信する測定モジュールと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の自動試験システム。
【請求項4】
前記少なくとも一つのバッテリ充放電装置は、前記第1の測定結果を受信した後、前記第1の測定結果に基づいて、前記試験手順における前記第1の測定結果に関連する前記バッテリ充放電装置の充電及び放電設定を較正することを特徴とする、請求項1記載の自動試験システム。
【請求項5】
少なくとも一つのバッテリ充放電装置のための自動試験システムであって、
ネットワークから第1の制御コマンドを受信し、前記少なくとも一つのバッテリ充放電装置を制御して前記第1の制御コマンドに応じて試験手順を開始させる、少なくとも一つのコンピュータと、
無線送信インターフェイスを含み、前記少なくとも一つのバッテリ充放電装置に選択的に接続され、前記試験手順において、前記バッテリ充放電装置に接続されると、仮想バッテリを提供し、前記仮想バッテリの一つ以上の電気的特性を測定するために前記仮想バッテリを充電及び放電して第1の測定結果を生成し、前記無線送信インターフェイスを介して前記少なくとも一つのコンピュータに前記第1の測定結果を送信する試験装置と、
を備え、
前記試験手順において前記試験装置に接続された前記バッテリ充放電装置は、前記仮想バッテリの一つ以上の電気特性を測定するために前記仮想バッテリを充電及び放電して第2の測定結果を生成し、前記第1の測定結果を前記第2の測定結果と比較して前記第1の測定結果と前記第2の測定結果との差分値を得る、自動試験システム。
【請求項6】
前記ネットワークから第2の制御コマンドを受信し、前記第2の制御コマンドに応じて前記試験装置を移動させて、前記試験装置を前記少なくとも一つのバッテリ充放電装置に接続させるロボット装置を更に備えることを特徴とする、請求項5に記載の自動試験システム。
【請求項7】
前記試験装置は、
前記試験手順において、前記試験装置が前記少なくとも一つのバッテリ充放電装置に接続されると前記少なくとも一つのバッテリ充放電装置に電気的に接続される、前記仮想バッテリを構成する電極を含む接続ポートモジュールと、
前記接続ポートモジュールに接続され、前記接続ポートモジュールを介して前記仮想バッテリを充電及び放電する制御モジュールと、
前記接続ポートモジュールに接続され、前記仮想バッテリの一つ以上の電気的特性を測定して前記第1の測定結果を生成し、前記無線送信インターフェイスを介して前記少なくとも一つのバッテリ充放電装置に前記第1の測定結果を送信する測定モジュールと、を含むことを特徴とする、請求項5に記載の自動試験システム。
【請求項8】
前記少なくとも一つのコンピュータは、前記第1の測定結果を受信した後、前記第1の測定結果に基づいて、前記第1の測定結果に関連する前記バッテリ充放電装置の充電及び放電設定を較正することを特徴とする、請求項5に記載の自動試験システム。
【請求項9】
少なくとも一つのバッテリ充放電装置及び試験装置を有する自動試験システムに適用され、
第1の制御コマンドを生成し、
前記試験装置を前記少なくとも一つのバッテリ充放電装置に選択的に接続し、
前記少なくとも一つのバッテリ充放電装置により、ネットワークから前記第1の制御コマンドを受信し、前記第1の制御コマンドに応じて試験手順を開始し、
前記試験手順において前記試験装置が前記バッテリ充放電装置に接続されると、前記試験装置により、仮想バッテリを提供し、前記仮想バッテリの一つ以上の電気的特性を測定するために前記仮想バッテリを充電及び放電して第1の測定結果を生成し、前記第1の測定結果を前記バッテリ充放電装置に送信すること、
を含み、
前記試験装置に接続されたバッテリ充放電装置は、前記仮想バッテリの一つ以上の電気的特性を測定するために前記仮想バッテリを充電及び放電して第2の測定結果を生成し、前記第1の測定結果を前記第2の測定結果と比較し、前記第1の測定結果を前記第2の測定結果との差分値を得る、自動試験方法。
【請求項10】
前記自動試験システムは更にロボット装置を有し、
前記試験装置を前記少なくとも一つのバッテリ充放電装置に選択的に接続することは、前記ロボット装置によって前記ネットワークから第2の制御コマンドを受信し、前記第2の制御コマンドに応じて前記試験装置を移動させて前記試験装置を前記少なくとも一つのバッテリ充放電装置に接続させることを特徴とする、請求項9に記載の自動試験方法。
【請求項11】
前記少なくとも一つのバッテリ充放電装置が前記第1の測定結果を受信した後、前記少なくとも一つのバッテリ充放電装置により前記第1の測定結果に関連する少なくとも一つのバッテリ充放電装置の充電及び放電の設定を前記第1の測定結果に基づいて較正すること、を更に含む、請求項9に記載の自動試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動試験システム及び方法に関し、特に、バッテリ形成装置を自動的に試験するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリの製造中、バッテリの作動は不可欠である。バッテリの作動は、正確な電圧及び電流制御で形成装置がバッテリを充放電することを必要とする。したがって、このような形成装置は、電圧及び電流制御の精度を維持するために時々較正され検証される必要があり、それにより高品質のバッテリの製造が維持される。
【0003】
しかしながら、実際には、バッテリ生産フローはより複雑になっているため、生産能力がより高くなり、生産ラインが益々自動化されている。このような状況の下、従来の試験方法ではニーズを満たすには不十分となってきている。したがって、形成装置の試験効率性をシステム的に向上させることができる自動試験装置及び方法が開発することが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、試験手順の柔軟性及び効率性を向上させることができる自動試験装置及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つ以上の実施形態によると、本発明は自動試験システムを提供する。本発明の一実施形態によると、自動試験システムは、少なくとも1つのバッテリ形成装置と、試験装置とを含む。バッテリ形成装置は、ネットワークから第1の制御コマンドを受信し、第1の制御コマンドに応じて試験手順を実施する。試験手順は、充電モード及び放電モードを含む。試験装置は、無線送信インターフェイスを含み、少なくとも1つのバッテリ形成装置に選択的に接続される。少なくとも1つのバッテリ形成装置に結合されると、試験手順に応じて、試験装置は、第1の測定結果を生成し、無線送信インターフェイスを介して第1の測定結果を少なくとも1つのバッテリ形成装置に送信する。
【0006】
前記ネットワークから第2の制御コマンドを受信し、前記第2の制御コマンドに応じて前記試験装置を移動させ、前記試験装置を前記少なくとも一つのバッテリ形成装置に接続させるロボット装置を更に備えてもよい。
【0007】
前記試験装置は、前記試験装置が前記少なくとも一つのバッテリ形成装置に接続されると前記少なくとも一つのバッテリ形成装置に電気的に接続される接続ポートモジュールと、前記接続ポートモジュールに接続され、前記接続ポートモジュールを介して前記充電モード及び前記放電モードを実施する制御モジュールと、前記接続ポートモジュールに接続され、前記充電モード及び前記放電モードの下で前記接続ポートモジュールを測定して前記第1の測定結果を生成し、前記無線送信インターフェイスを介して前記少なくとも一つのバッテリ形成装置に前記第1の測定結果を送信する測定モジュールと、を含んでもよい。
【0008】
前記少なくとも一つのバッテリ形成装置は、前記第1の測定結果を受信した後、前記第1の測定結果に応じて試験値を生成してもよい。
【0009】
前記少なくとも一つのバッテリ形成装置は、前記充電モード及び前記放電モードと関連する第2の測定結果を生成し、前記第1の測定結果を前記第2の測定結果と比較して試験結果を生成してもよい。
【0010】
本発明の一実施形態によると、少なくとも一つのバッテリ形成装置を較正する自動試験システムであって、ネットワークから第1の制御コマンドを受信し、前記少なくとも一つのバッテリ形成装置を制御して前記第1の制御コマンドに応じて充電モード及び放電モードを含む試験手順を実施させる、少なくとも一つのコンピュータと、無線送信インターフェイスを含み、前記少なくとも一つのバッテリ形成装置に選択的に接続され、前記試験手順に応じて、前記少なくとも一つのバッテリ形成装置に接続されると、第1の測定結果を生成し、前記無線送信インターフェイスを介して前記少なくとも一つのコンピュータに前記第1の測定結果を送信する試験装置と、を備える自動試験システムが提供される。
【0011】
前記ネットワークから第2の制御コマンドを受信し、前記第2の制御コマンドに応じて前記試験装置を移動させて、前記試験装置を前記少なくとも一つのバッテリ形成装置に接続させるロボット装置を更に備えてもよい。
【0012】
前記試験装置は、前記試験装置が前記少なくとも一つのバッテリ形成装置に接続されると前記少なくとも一つのバッテリ形成装置に電気的に接続される接続ポートモジュールと、前記接続ポートモジュールに接続され、前記接続ポートモジュールを介して前記充電モード及び前記放電モードを実施する制御モジュールと、前記接続ポートモジュールに接続され、前記充電モード及び前記放電モードの下で前記接続ポートモジュールを測定して前記第1の測定結果を生成し、前記無線送信インターフェイスを介して前記少なくとも一つのバッテリ形成装置に前記第1の測定結果を送信する測定モジュールと、を含んでもよい。
【0013】
前記少なくとも一つのコンピュータは、前記第1の測定結果を受信した後、前記第1の測定結果に応じて試験値を生成してもよい。
【0014】
前記少なくとも一つのコンピュータは、前記バッテリ形成装置を制御して前記充電モード及び前記放電モードと関連する第2の測定結果を生成し、前記第1の測定結果を前記第2の測定結果と比較して試験結果を生成してもよい。
【0015】
本発明の一実施形態によると、少なくとも一つのバッテリ形成装置及び試験装置を有する自動試験システムに適用され、第1の制御コマンドを生成し、前記試験装置を前記少なくとも一つのバッテリ形成装置に選択的に接続し、前記少なくとも一つのバッテリ形成装置により、ネットワークから前記第1の制御コマンドを受信し、前記第1の制御コマンドに応じて充電モード及び放電モードを含む試験手順を実施し、前記試験装置により、前記試験手順に応じて第1の測定結果を生成し、前記試験装置における無線送信インターフェイスにより、前記少なくとも一つのバッテリ形成装置に前記第1の測定結果を送信すること、を含む自動試験方法が提供される。
【0016】
前記自動試験システムは更にロボット装置を有し、前記試験装置を前記少なくとも一つのバッテリ形成装置に選択的に接続することは、前記ロボット装置によって前記ネットワークから第2の制御コマンドを受信し、前記第2の制御コマンドに応じて前記試験装置を移動させて前記試験装置を前記少なくとも一つのバッテリ形成装置に接続させてもよい。
【0017】
前記少なくとも一つのバッテリ形成装置が前記第1の測定結果を受信した後、前記少なくとも一つのバッテリ形成装置により前記第1の測定結果に応じて試験値を生成することを更に含んでもよい。
【0018】
前記少なくとも一つのバッテリ形成装置により前記充電モード及び前記放電モードと関連する第2の測定結果を生成すること、及び、前記第1の測定結果を前記第2の測定結果と比較して試験結果を生成すること、を更に含んでもよい。
【発明の効果】
【0019】
上述の自動試験システムを鑑みて、バッテリ形成装置は、ネットワークを通じて制御されて試験手順を実施する。さらに、バッテリ形成装置は、バッテリ形成装置を試験し較正するために試験装置と無線で通信する。したがって、本発明の自動試験システムは、試験手順の柔軟性及び効率性を明らかに向上させ、人件費も節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態による、自動試験システムの機能ブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、試験装置の機能ブロック図である。
【
図3】本発明の別の実施形態による、自動試験システムの機能ブロック図である。
【
図4】本発明の別の実施形態による、自動試験システムの機能ブロック図である。
【
図5】本発明の別の実施形態による、自動試験システムの機能ブロック図である。
【
図6】本発明の別の実施形態による、自動試験方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、以下の詳細な説明と添付の図面により、さらに完全に理解されるものであるが、これらはただ説明のため付されるものであり、本発明を限定するものではない。
【0022】
以下の詳細な説明では、説明のために、開示する実施形態をより良く理解するために多数の具体的な詳細が説明されている。しかしながら、1つ以上の実施形態がこれら具体的な詳細を備えることなく実施されてもよいことは明らかであろう。他の例では、周知の構造及び装置は、図面を簡略化するために概略的に示されている。
【0023】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による自動試験システムの機能ブロック図が示される。自動試験システムは、少なくとも一つのバッテリ形成装置10と、試験装置12とを含む。バッテリ形成装置10は、ネットワーク14から制御コマンド(第1の制御コマンドと呼ぶ)を受信し、受信した制御コマンドに応じて試験手順を実施する。試験手順は、充電モードと放電モードを含む。試験装置12は、バッテリ形成装置10に選択的に接続される。
【0024】
試験手順に応じて、試験装置12がバッテリ形成装置10に接続されると、試験装置12は第1の測定結果を生成し、試験装置12の無線送信インターフェイスを介して第1の測定結果をバッテリ形成装置10に送信する。
【0025】
一実施形態において、自動試験システムは複数のバッテリ形成装置10を有する。自動試験システムは、確認のための第1の制御コマンドに応じて複数のバッテリ形成装置10のうちの1つを選択してもよい。
【0026】
実際には、ネットワーク14は、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク、又は移動体ネットワークであるが、これらに限定されない。無線送信インターフェイスは、例えば、無線LAN、ブルートゥース、又は、IEEE802.15.4(ZigBee:ジグビー)技術によって行われるが、これらに限定されない。
【0027】
図2を参照すると、本発明の実施形態による試験装置の機能ブロック図が示される。試験装置22は、接続ポートモジュール220と、制御モジュール222と、測定モジュール224と、無線送信インターフェイス226とを有する。試験装置22がバッテリ形成装置10に接続されると、試験装置22は、接続ポートモジュール220が仮想バッテリの電極の接続ポートを提供する仮想バッテリをシミュレーションする。試験装置22がバッテリ形成装置10に電気的に接続されると、バッテリ形成装置により実際のバッテリーを充電又は放電するシミュレーションが行われる。
【0028】
制御モジュール222は接続ポートモジュール220に接続され、無線送信インターフェイス226を介してバッテリ形成装置10と試験指示を交換する。試験指示又はデータにより、試験装置22とバッテリ形成装置は、接続ポートモジュール220の電気接続を介してバッテリ充電(即ち、充電モード)又はバッテリ放電(即ち、放電モード)を実施することができる。
【0029】
測定モジュール224は、接続ポートモジュール220に接続され、充電モード及び放電モードの下で接続ポートモジュール220を測定して、第1の測定結果を生成する。更に、測定モジュール224は、無線送信モジュールを介して第1の測定結果をバッテリ形成装置10に送信する。測定モジュール224は、例えばデジタルマルチメータであるが、これに限定されない。
【0030】
詳細には、充電モードを実施するために試験装置22とバッテリ形成装置10が互いに試験指示を送信すると、制御モジュール222は試験指示を送りバッテリ形成装置10に命令して充電電力を供給させ、仮想バッテリを負荷モードに変えて、試験装置22を充電する。試験指示を互いに送信することにより放電モード下で試験装置22とバッテリ形成装置10が動作すると、制御モジュール222は仮想バッテリを仮想バッテリが貯蔵電気を有する電源モードに設定し、試験装置22を放電する。測定モジュール224は、充電モード及び放電モードの下で接続ポートモジュール220における電圧及び電流を測定し、第1の測定結果を生成する。一般的に、バッテリ形成装置10は、多数のバッテリを同時に充電又は放電することができるよう、多数のチャネルと関連する電極を含む。一実施形態では、接続ポートモジュール220は、試験指示のやりとりに応答して多数のバッテリ、チャネル、及びその電極をシミュレーションする多数の電極のセットを含み、試験手順の下で多数の仮想バッテリを充電し、放電し、測定する。
【0031】
更に、一実施形態における試験手順は、バッテリ形成装置10を較正し検証することを含む。バッテリ形成装置10の較正中、バッテリ形成装置10は第1の測定結果を基準値として見なし、基準値を試験値に変換し、バッテリ形成装置10に試験値を記録する。一実施形態において、第1の測定結果は多数の電圧値又は電流値を示し、試験値はこれらの電圧値又は電流値を平均化する、又は、電圧値又は電流値を充電−放電特性曲線に変換することで生成される。したがって、バッテリ形成装置10は、バッテリの製造中に新しい試験値に応じてバッテリを正確に充放電することができる。
【0032】
他方で、バッテリ形成装置10の検証中、バッテリ形成装置10は、第1の測定結果を受信するだけでなく、充電モード及び放電モードの下で仮想バッテリの電圧値及び電流値を自動的に測定して第2の測定結果を生成する。したがって、バッテリ形成装置10は、第1の測定結果を基準として設定し、第1の測定結果を第2の測定結果と比較して、測定値と基準値の関係を示し、且つ機器の状態を示す試験結果を生成する。例えば、試験結果は、第1の測定結果と第2の測定結果との間の電圧又は電流の差分値を含む。差分値が予め設定された閾値未満の場合、バッテリ形成装置10が標準精度と合致することが示される。反対に、差分値が予め設定された閾値以上の場合、バッテリ形成装置10が標準精度と合致せず、較正によってその精度レベルを向上させる必要があることが示される。
【0033】
図3を参照すると、本発明の別の実施形態による自動試験システムの機能ブロック図が示される。自動試験システムは、少なくとも1つのバッテリ形成装置30と、試験装置32と、例えばロボットアーム等のロボット装置36とを含む。バッテリ形成装置30は、ネットワーク34から第1の制御コマンドを受信し、第1の制御コマンドに応じて試験手順を実施する。ロボット装置36はネットワーク34から第2の制御コマンドを受信し、第2の制御コマンドに応じて試験装置32を動かして試験装置32をバッテリ形成装置30に接続させる。
【0034】
試験手順に応じて試験装置32がバッテリ形成装置30に接続されると、試験装置32は第1の測定結果を生成し、試験装置32の無線送信インターフェイスを介して第1の測定結果をバッテリ形成装置30に送信する。
【0035】
一実施形態では、自動試験システムは、複数のバッテリ形成装置30を有する。複数のバッテリ形成装置30のうちの一つは第1の制御コマンドに応じて現在の試験タスクのために選択され、ロボット装置36は第2の制御コマンドに応じて試験装置32を移動させる。それにより、試験装置32は選択されたバッテリ形成装置30に接続される。ある実施例では、ネットワーク34にリンクするコンピュータ統合生産(CIM)機器は、前述の試験手順を可能にするアポイントメントスケジューリングによって制御コマンド(即ち、第1の制御コマンド)を生成するため、更に、ロボット装置36を制御するアポイントメントスケジューリングによって別の制御コマンド(即ち、第2の制御コマンド)を生成するために使用される。
【0036】
一実施形態では、前述の第1の測定結果、第2の測定結果、及び試験結果は、ネットワークを介してコンピュータ統合生産機器に更に送られてもよい。コンピュータ統合生産機器はこれらの結果を記憶し、更に統合及び分析して、バッテリの製造及び機器のメンテナンスのための基準を確立するためのデータベースを確立することができる。
【0037】
一実施形態では、上述のアポイントメントスケジューリングは、予め設定された正常なスケジューリング、又は、試験手順のスケジュールを判断するために測定結果及び試験結果の分析に応じて定められたものである。本発明において、上述のアポイントメントスケジューリングは、実際の適用要件に応じて設計され得る。
【0038】
図4を参照すると、本発明の別の実施形態による自動試験システムの機能ブロック図が示される。自動試験システムは、少なくとも1つのコンピュータ41と試験装置42とを有する。コンピュータ41は、バッテリ形成装置40を制御する。具体的には、コンピュータ41は、ネットワーク44から制御コマンド(以下、第1の制御コマンドと呼ぶ)を受信し、バッテリ形成装置40を制御して第1の制御コマンドに応じて試験手順を実施させる。試験手順は、充電モードと放電モードとを含む。試験装置42は、バッテリ形成装置40に選択的に接続される。試験手順に応じて試験装置42がバッテリ形成装置40に接続されると、試験装置42は第1の測定結果を生成し、試験装置42の無線送信インターフェイスを介して第1の測定結果をコンピュータ41に送信する。
【0039】
一実施形態では、試験装置42は、接続ポートモジュールと、制御モジュールと、測定モジュールとを有する。制御モジュールは、無線送信インターフェイスを介してコンピュータ41と試験指示をやりとりし、接続ポートモジュールの電気接続を介して充電モードと放電モードを実施する。充放電モードの詳細及び測定の詳細については、前述の関連する実施形態を参照し、ここでは繰り返し説明しない。
【0040】
更に、上述の試験手順は、バッテリ形成装置40を較正し検証することを含む。バッテリ形成装置40が較正される際、コンピュータ41は第1の測定結果を基準値として設定して、試験値を生成し、試験値をバッテリ形成装置40に書き込む。バッテリ形成装置40が検証される際、コンピュータ41は第1の測定結果を受信し、バッテリ形成装置40を制御して充電モード及び放電モードの下で電圧値及び電流値を測定し、第2の測定結果を生成する。したがって、コンピュータ41は、第1の測定結果を基準として設定し、第1の測定結果を第2の測定結果と比較して、測定値とバッテリ形成装置40の状態を推定する基準値との関係を示す試験結果を生成する。
【0041】
図5を参照すると、本発明の別の実施形態による自動試験システムの機能ブロック図が示される。自動試験システムは、少なくとも1つのコンピュータ51と、試験装置52と、ロボット装置56とを含む。コンピュータ51は、ネットワーク54から第1の制御コマンドを受信し、第1の制御コマンドに応じて試験手順を実施する。ロボット装置56は、ネットワーク54から第2の制御コマンドを受信し、第2の制御コマンドに応じて試験装置52を移動させて、試験装置52をバッテリ形成装置50に接続させる。試験手順において試験装置52がバッテリ形成装置50に接続されると、試験装置52は、第1の測定結果を生成し、試験装置52の無線送信インターフェイスを介して第1の測定結果をコンピュータ51に送信する。
【0042】
一実施形態では、自動試験システムは更に複数のバッテリ形成装置を含み、第1の制御コマンドに応じて試験タスクのために複数のバッテリ形成装置のうちの1つが選択される。更に、ロボット装置56は、第2の制御コマンドに応じて、試験装置52を移動させて、試験装置52を選択されたバッテリ形成装置に接続させる。
【0043】
図6を参照すると、本発明の別の実施形態による自動試験方法のフローチャートが示される。自動試験方法は、少なくとも1つのバッテリ形成装置と試験装置とを含む自動試験システムに適用される。最初に、第1の制御コマンドを生成して試験手順を可能にする(S60)。続いて、試験装置をバッテリ形成装置に選択的に接続する(S62)。次に、バッテリ形成装置がネットワークから第1の制御コマンドを受信し、バッテリ形成装置により第1の制御コマンドに応じて試験手順を実施する(S64)。試験手順は、充電モード及び放電モードを含む。更に、試験装置によって試験手順の下で第1の測定結果を生成する(S66)。続いて、試験装置が試験装置の無線送信インターフェイスを介して第1の測定結果をバッテリ形成装置に送信する(S68)。
【0044】
自動試験方法の別の実施形態では、試験装置は接続ポートモジュールと、制御モジュールと、測定モジュールとを有し、自動試験方法は更に以下のステップを有する。充電モードの下では、制御モジュールは試験指示を用いてバッテリ形成装置に命令して電力を供給させる。更に、制御モジュールは、試験装置によってシミュレーションされた仮想バッテリを負荷モードに変えて、それにより、バッテリ形成装置及び試験装置を充電モードの下で動作させる。放電モードの下、制御モジュールは、仮想バッテリを、仮想バッテリが電気を有するよう設定された電源モードに変えて、バッテリ形成装置及び試験装置を制御して放電モードの下で動作させる。測定モジュールは、充電モード及び放電モードの下で接続ポートモジュールでの電圧値及び電流値を測定して、第1の測定結果を生成する。
【0045】
別の実施形態では、自動試験方法は、更にバッテリ形成装置の較正及び検証を含む。バッテリ形成装置の較正(即ち、較正手順)中、自動試験方法は、更に受信した第1の測定結果をバッテリ形成装置に書き込むことを含む。バッテリ形成装置の検証(即ち、検証手順)中、自動試験方法は、更に以下のステップを含む。最初に、バッテリ形成装置は、充電モード及び放電モードの下で接続ポートモジュールでの電圧値及び電流値を自動的に測定して、第2の測定結果を生成する。続いて、バッテリ形成装置は、第1の測定結果を第2の測定結果と比較して、検証結果を生成する。実際には、バッテリ形成装置は、ネットワークを介して第1の測定結果、第2の測定結果、及び検証結果をコンピュータ統合生産機器に送り、それによりコンピュータ統合生産機器は、第1の測定結果、第2の測定結果、及び検証結果を統合及び分析することができる。
【0046】
自動試験方法の別の実施形態では、自動試験システムはロボット装置を更に含み、試験装置をバッテリ形成装置に結合することは、更にロボット装置がネットワークから第2の制御コマンドを受信し、第2の制御コマンドに応じて試験装置を移動させて、試験装置とバッテリ形成装置とを接続させることを含む。自動試験システムが複数のバッテリ形成装置を含む場合、試験手順がどのバッテリ形成装置に実施されるかを選択し、タイミングを定めるためにアポイントメントスケジューリングが実施され、対応する第1の制御コマンド及び第2の制御コマンドが生成される。
【0047】
別の実施形態では、自動試験方法は、検証手順が実施される前に、更に以下のステップを含む。最初に、バッテリ形成装置は電源オフコマンドを受信する。電源オフの成功を応答した後、バッテリ形成装置は冷却コマンドを受信する。冷却の成功を応答した後、バッテリ形成装置はロボット装置を制御して、試験装置を移動させて、試験装置とバッテリ形成装置を接続させる。続いて、自動試験方法は、検証手順が終了した後に、更に、以下のステップを含む。最初に、ロボット装置を制御して試験装置を移動させて、試験装置をバッテリ形成装置から離す。次に、バッテリ形成装置はウォーミングアップコマンドを受信する。ウォーミングアップの成功を応答した後、バッテリ形成装置は電力復旧コマンドを受信する。バッテリ形成装置が電力復旧の成功を応答した後、復旧手順が終了する。実際には、コンピュータ統合生産機器は、ネットワークを介して上述のコマンドを供給する。
【0048】
別の実施形態では、自動試験方法は、検証手順中に、更に、以下のステップを含む。最初に、試験装置は、検証手順中に試験装置に供給される電力が正常であることを確認にするために、補助電源が正常に動作しているかを確認する。続いて、試験装置は、電圧及び電流パラメータを設定し、接続ポートの導電状態を制御する。充電モード又は放電モードに入った後、測定モジュールは、測定環境が安定するまで待機又はスタンバイ状態になり、その後、電圧値及び電流値を測定する。