特許第6243403号(P6243403)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6243403適切な胸部圧迫の修正プロンプトシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243403
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】適切な胸部圧迫の修正プロンプトシステム
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/39 20060101AFI20171127BHJP
   A61H 31/00 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   A61N1/39
   A61H31/00
【請求項の数】13
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-506983(P2015-506983)
(86)(22)【出願日】2013年1月29日
(65)【公表番号】特表2015-514501(P2015-514501A)
(43)【公表日】2015年5月21日
(86)【国際出願番号】US2013023567
(87)【国際公開番号】WO2013158185
(87)【国際公開日】20131024
【審査請求日】2016年1月28日
(31)【優先権主張番号】61/636,419
(32)【優先日】2012年4月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507055084
【氏名又は名称】カーディアック・サイエンス・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Cardiac Science Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ティアガラジャン、スリカンス
(72)【発明者】
【氏名】テイラー、ジェームズ ダブリュ.
【審査官】 松浦 陽
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−529714(JP,A)
【文献】 特表2010−509014(JP,A)
【文献】 特表2009−507609(JP,A)
【文献】 特表2008−515485(JP,A)
【文献】 特表2008−504073(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0010543(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/38 − 1/39
A61N 1/36 − 1/378
A61H 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
修正心肺蘇生(CPR)促進システム(300)を有する自動体外式除細動器(AED)であって、
CPR胸部圧迫を表す圧迫測定データを提供するセンサ手段と、
前記圧迫測定データの分析を実行するように構成される制御システム(202)であって、前記分析は、
前記センサ手段によって提供された前記圧迫測定データをランク付けすることと、
レビューのために、将来のプロンプト時間Tを決定することと、
で前記ランク付けられた圧迫測定データを、上限及び下限を有する前記圧迫データ測定値の深度側面及び速度側面のヒストグラムを生成する初期予期ヒストグラムに配置することであって、前記上限及び下限は、前記ヒストグラムの間隔を複数のセクションに分割する、配置することと、
複数の要因に基づいて、前記ヒストグラムにおける前記複数のセクションに配置された前記圧迫測定データを重み付けすることと、
前記ヒストグラムにおける前記複数のセクションに配置され、重み付けされた圧迫測定データに基づいて、確率密度関数を生成することと、
前記確率密度関数を情報量関数にマッピングすることによって、前記圧迫測定データの情報量を導出することと、
前記導出された圧迫測定データの情報量に基づいて、複数の修正プロンプトのうちの1つが必要か否かを判断することと、
を含む、制御システム(202)と、
前記制御システムによって必要であると判断された前記複数の修正プロンプトのうちの1つに対応する修正CPR命令を提供するプロンプト装置(114、116)と、
を備える、自動体外式除細動器(AED)。
【請求項2】
前記センサ手段は、前記圧迫測定データを提供する複数のセンサを含む、請求項1に記載の自動体外式除細動器(AED)。
【請求項3】
前記センサ手段は心臓補助装置(108)の一部である、請求項1又は2に記載の自動体外式除細動器(AED)。
【請求項4】
前記複数の要因は、時間の近さ、測定誤差の非対称性、第1応答者によって指定される耐性、及び外れ値データを含む、請求項1〜3の何れか一項に記載の自動体外式除細動器(AED)。
【請求項5】
前記ヒストグラムの前記間隔は3つのセクションに分割される、請求項1〜4の何れか一項に記載の自動体外式除細動器(AED)。
【請求項6】
ECGデータを提供するように構成される更なるセンサ手段を含む、請求項1〜5の何れか一項に記載の自動体外式除細動器(AED)。
【請求項7】
前記センサ手段は、以下のセンサ、すなわち、圧電センサ、圧力センサ、加速度計、力センサ、超音波センサ、赤外線センサのうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜6の何れか一項に記載の自動体外式除細動器(AED)。
【請求項8】
前記提供される圧迫測定データをランク付けすることは、処置された圧迫の深度測定値をランク付けすることを含む、請求項1〜7の何れか一項に記載の自動体外式除細動器(AED)。
【請求項9】
前記提供される圧迫測定データをランク付けすることは、圧迫深度、圧迫深度の絶対値、圧迫の力、及び呼吸周期の中でいつ、圧迫が処置されるかのうちの1つ又は複数に基づく、請求項1〜7の何れか一項に記載の自動体外式除細動器(AED)。
【請求項10】
前記制御システムによって実行される分析は、深度パラメータデータの分布を、予期される許容可能な分布と比較することを含み、
前記修正心肺蘇生促進システムは、圧迫の不適切な深度又は不適切な速度に修正プロンプトを提供する、請求項1に記載の自動体外式除細動器。
【請求項11】
前記センサ手段は、前記自動体外式除細動器(100)に結合される心臓補助装置に配置される1つ又は複数のセンサを含む、請求項10に記載の自動体外式除細動器。
【請求項12】
前記複数の要因は、時間の近さ、測定誤差の非対称性、第1応答者によって指定される耐性、及び外れ値データを含む、請求項10又は11に記載の自動体外式除細動器。
【請求項13】
前記修正プロンプトは、可聴的又は可視的に発行される、請求項1〜12の何れか一項に記載の自動体外式除細動器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、心停止に見舞われた人に心肺蘇生(CPR)を処置するに当たり、ユーザを支援する改善された方法及び装置に関する。特に、本発明は、CPR実行に関するセンサデータを利用して、心臓蘇生に携わっている個人に適時の正確且つ明確な修正指示を提供するAED(自動体外式除細動器)の改善されたプロンプトシステム、医療蘇生装置、及び関連付けられた方法に関する。
【背景技術】
【0002】
AEDは周知であり、今日、除細動及びCPRの両方の支援に広く使用される。AEDは、心停止状態の患者の救護状況中、緊急治療選択肢を提供するために、数十年前に開発された。AEDは、オフィス、ショッピングセンター、スタジアム、及び歩行者交通が多い他のエリア等の公共の場に広く行き渡るようになった。AEDは、以前は、医療扶助が心臓事象の極めて重要な初期段階で以前は利用できなかった公共の場で、心臓緊急状態中に医療扶助を提供する力を市民に与える。
【0003】
最近の臨床指針は、意識のない患者の循環を維持するとともに、電気ショックで生き残る可能性を改善するために、良質の心肺蘇生の重要性を強調している。大半の心停止は病院外の公共の場で発生するため、一般市民のうちCPR訓練を受けた一員がよりよい圧迫を実行するのを支援することができるAEDのような装置は、コミュニティにとって非常に価値の大きなものである。現在、AEDによっては、圧電センサ、圧力センサ、加速度計、力センサ等を含むが、これらに限定されない、圧迫の深度、圧迫の速度、及び圧迫の有効性を測定するセンサへのインタフェースを提供するものがある。しかし、多くの装置では、これらの測定値は、救護者に有効な指示を提供すると証明されていないため、特に有用ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、CPRが有効に処置されているか否かを素早く評価し、適切な修正プロンプトを救護者に素早く届ける改善された方法及び装置が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、請求項1及び10によって定義される。下位クレームは好ましい実施形態に関する。
本発明の実施形態は、情報−理論基準を使用して、CPR中に修正プロンプトを提供する方法及び装置を提供することにより、従来技術の問題を解消し、様々なセンサからのデータが、CPR中に処理され、修正プロンプトを生成し、適応ユーザインタフェースが提供されて、プロンプトを制御する。本発明の実施形態は、CPR圧迫履歴の分析を含み、それにより、一貫した有効な修正プロンプトを与えることができる。さらに、そのような実施形態は、単なる些細なミス及び差異から、即時修正が必要な圧迫での重大なミスを認識する。より高度なユーザインタフェース及び複数のCPRプロンプト選択も同様に開示される。
【0006】
一実施形態は、修正CPRプロンプトシステムを有するAEDに関する。AEDは、CPR胸部圧迫の圧迫測定データを取得するセンサを含む。AEDは、圧迫測定データの非パラメトリック情報−理論分析を自動的に実行し、制御システム内のメモリ評価に結果を記憶するようにプログラムされるマイクロプロセッサを含む制御システムを更に含む。分析は、圧迫測定データをランク付けすることと、プロンプト時間を決定することと、プロンプト時間での深度測定値及び速度測定値のヒストグラムを作成することであって、プロンプト時間はヒストグラムの間隔を複数のセクションに分割する、作成することと、複数の要因に基づいて圧迫測定データを重み付けすることと、確率密度関数を情報量関数にマッピングすることにより、圧迫測定データの情報量を導出することと、特定の修正プロンプトが必要であるか否かを判断することと、修正プロンプトが必要であると判断される場合、修正CPR指示を提供するプロンプト装置をAEDで使用することとを含む。
【0007】
本発明の別の実施形態は、修正CPRプロンプトシステムを有するAEDに関する。AEDは、複数のセンサと、制御システムと、プロンプトモジュールと、適応ユーザインタフェースとを含む。複数のセンサは、CPR胸部圧迫の圧迫測定データと、ECGデータとを取得する。制御システムは、圧迫測定データの非パラメトリック情報−理論基準を使用して、圧迫測定データの履歴を分析し、修正プロンプトが必要であるか否かを判断する手段を有する。プロンプトモジュールは、修正プロンプトが必要であると制御システムによって判断される場合、修正CPR指示を提供する。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、情報−理論基準を使用して、AEDを用いて修正CPRをプロンプトする方法が提供される。この方法は、AEDに結合された1つ又は複数のセンサを使用して、心停止に見舞われた人に実行される胸部圧迫に関する圧迫測定データを受信又は検知することを含む。この方法は、圧迫測定データがAEDによって受信されると、その圧迫測定データをランク付けすることと、マイクロプロセッサを含むAEDの制御システムを使用して、プロンプト時間を決定することと、制御システムを用いて、プロンプト時間での深度測定値及び速度測定値のヒストグラムを作成することと、制御システムを用いて、複数の要因に基づいてデータを重み付けすることと、深度パラメータデータの分布を、AEDを使用して予期される許容可能な分布と比較することと、不適切な深度又は不適切な速度の圧迫に対して修正プロンプトを発行することとも含む。
【0009】
プロンプト又は指示を提供する方法が、治療を実行する必要なく動作することに留意することが重要である。特に、実際に心不全に見舞われた人なしで、訓練状況において指示を提供することが可能である。
【0010】
さらに、方法は、完全に自動化されたCPR、すなわち、医師等の参加を含まずに自動CPR装置によって行われるCPRに使用することができる。これに関連して、プロンプト提供とは、自動CPR装置に指示を与えることとして理解されるべきである。以下の説明は、説明を容易にするために、プロンプトを第1救護者のみに提供することを参照し得る。それにもかかわらず、そのような参照は、指示を、自律的に動作するCPR装置に提供する開示を含むべきである。
【0011】
本発明は、添付図面と併せて、以下の本発明の様々な実施形態の詳細な説明を考慮することでより完全に理解し得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】本発明の一実施形態による、CPR及びAEDを用いて処置中の心停止に見舞われた人の一例を概して示す。
図1B】本発明の一実施形態による、AEDのCPR支援装置の一例を示す。
図1C】本発明の一実施形態による、心停止に見舞われた人に使用されているAEDのCPR支援装置の一例を示す。
図2】本発明の一実施形態による、AEDのハードウェアの概略図面の一例を概して示す。
図3】本発明の一実施形態による、CPRプロンプトシステムの全体図を記載するフローチャートを示す。
図4】本発明の一実施形態による、胸部圧迫の修正プロンプトシステムの流れ図を概して示す。
図5A-C】本発明の一実施形態による、深部の下限閾値及び上限閾値の潜在的なヒストグラムバリエーションのサンプルを概して示す。
図6A-C】本発明の一実施形態による、図5A図5Cでの対応する確率密度関数からマッピングされる情報量I(X)を概して示す。
図7】本発明の一実施形態による、CPRフィードバックシステムの分析ステップ及び判断ステップの一般化された実施形態のフローチャートを概して示す。
図8】本発明の一実施形態による、修正プロンプトの測定・プロンプトシステムのフローチャートを概して示す。
図9A-C】本発明の一実施形態による、センサからのCPR圧迫周期波形の例を概して示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の様々な実施形態は、特許請求の範囲を用いて他の特定の形態で実施することも可能である。したがって、実施形態はあらゆる点で、限定ではなく例示としてみなされるべきである。
【0014】
本発明の様々な実施形態では、患者からのセンサ圧迫データを素早く確実に評価し、適切な修正プロンプト指示を発行する装置及び方法が開示される。図1Aは、蘇生の試みを受けており、CPRで処置中の心停止に見舞われた人を示す。救護者10は、胸部圧迫を患者20に素早く提供する位置に示されている。米国心臓協会(AHA)は、全ての救護者が、訓練に関係なく、胸部圧迫を全ての心停止に見舞われた人に提供すべきであり、胸部圧迫が、年齢に関係なく全ての心停止患者に対する初期CPR動作であるべきことを推奨している。CPRは通常、心臓及び脳内の極めて重要な血液循環を提供することにより、患者の生き残るチャンスを改善する。
【0015】
多くの現在のAEDは、音声及び/又は視覚的なプロンプトを救護者に提供することにより、CPRを支援するように備えられている。図1Aでは、AED100は、患者の胸部に配置された一対の電極104及び106に結合されて示されている。救護の試みにおいて、更に中央に配置されたCPR支援装置108(「CPRパック」と呼ばれることもある)もAEDと併せて使用することができる。幾つかの実施形態では、AED100は、ヒンジで連結された蓋112を有する中央区画を備え、中央区画は、AED100が使用されていないときに電極パッド104及び106と、CPR支援装置108とを収容し得る。蓋112は、図1Aでは開構成で示されており、したがって、使用する準備ができている。一実施形態では、この蓋112を開くことにより、AED100がアクティブ化し、ユーザへのプロンプトの送信を開始する。プロンプトは、スピーカ114からの音声プロンプトと、ディスプレイ116からの視覚的プロンプトとを含み得る。他の実施形態は、ボタン又は音声認識及びプロンプト等の、AEDを作動させる他の手法を使用し得る。
【0016】
様々なセンサを使用して、AEDの一環としてCPR実行に関する測定を行い得る。これらのセンサは、CPR支援装置108に組み込んでもよく、又は何らかの他のCPR装置若しくはセンサの一部として実施してもよい。使用することができるセンサの例としては、圧力センサ、力センサ、加速度計、圧電センサ、超音波センサ、光学センサ等が挙げられる。図1B及び図1Cは、心停止に見舞われた人20に対して救護者10が使用することができるCPR支援装置108の例を示す。センサは、心臓支援装置108の一部として、AEDへのアタッチメントの一部として、AEDと通信する別個の装置の一部として、又はAED自体の一部として実施し得る。
【0017】
図2は、本発明の一実施形態により開示される改善されたCPRプロンプトシステムを実施するAED200の構成要素の概略ブロック図を示す。デジタルマイクロプロセッサベースの制御システム202を使用して、AED200の全体動作を制御する。電気制御システム202は、電極204及び206の相互接続及び動作可能性をテストするインピーダンス測定回路を更に含む。制御システム202は、プログラムメモリ210と、データメモリ212と、事象メモリ214と、リアルタイムクロック216とインタフェースするプロセッサ208を含む。プロセッサ208によって実行される動作プログラムはプログラムメモリ210に記憶される。電力は、電池218によって提供され、電力生成回路220に接続される。
【0018】
電力生成回路220は、電力制御ユニット222、蓋スイッチ224、ウォッチドッグタイマ226、リアルタイムクロック216、及びプロセッサ208にも接続される。データ通信ポート228が、データ転送のためにプロセッサ208に結合される。特定の実施形態では、データ転送は、シリアルポート、USBポート、ファイヤワイヤ、802.11X又は3G等のワイヤレス、無線等を利用して実行し得る。救護スイッチ230、保全インジケータ232、診断表示パネル234、音声回路236、及び可聴アラーム238もプロセッサ208に接続される。音声回路236はスピーカ240に接続される。様々な実施形態では、救護光スイッチ242及び視覚的ディスプレイ244がプロセッサ208に接続されて、追加の動作情報を提供する。
【0019】
特定の実施形態では、AEDは、プロセッサ208及びコプロセッサ246を有する。コプロセッサ246は、ハードウェアで実施され、高速データバスを介してプロセッサに動作可能に接続されるCPRプロンプトアルゴリズムであり得る。様々な実施形態では、プロセッサ208及びコプロセッサ246は、同じシリコン上にあり、マルチコアプロセッサで実施し得る。代替的には、プロセッサ208及びコプロセッサは、マルチプロセッサの一部として、さらにはネットワーク化されたプロセッサ装置の一部として実施し得る。これらの実施形態では、プロセッサ208は、計算のうちの幾らかの負荷をコプロセッサに渡し、それにより、電極204及び206からの検知信号の処理を最適化する。他の実施形態では、プロセッサ208は、計算を実行する特定の命令又は最適化を用いて最適化される。したがって、プロセッサ208は、より少数のクロックサイクルで、より少数のハードウェアリソースに命令しながら、計算を実行することができる。他の実施形態では、制御システム202の論理及びアルゴリズムは、ASICの形態でハードウェアにおいて、又はFPGAの形態で組み合わせてなど、論理で実施し得る。
【0020】
高電圧生成回路248もプロセッサ208に接続され、プロセッサ208によって制御される。高電圧生成回路248は、半導体スイッチ(図示せず)及び複数のキャパシタ(図示せず)を含み得る。様々な実施形態では、コネクタ250、252は、高電圧生成回路248を電極204及び206にリンクする。ここで、高電圧回路は電池給電され、高電力のものである。
【0021】
インピーダンス測定回路254は、コネクタ250及びリアルタイムクロック216に接続される。インピーダンス測定回路254は、アナログ/デジタル(A/D)コンバータ256を通してリアルタイムクロックにインタフェースされる。別のインピーダンス測定回路258もコネクタ250及びリアルタイムクロック216に接続し、アナログ/デジタル(A/D)コンバータ256を通してプロセッサ208にインタフェースし得る。CPR装置260は任意選択的に、コネクタ252及びA/Dコンバータ256を通してプロセッサ208及びリアルタイムクロック216に接続し得る。CPR装置260は、胸部圧迫検出装置又は手動、自動、若しくは半自動機械式胸部圧迫装置であり得る。幾つかの実施形態では、CPR装置は、上述したCPR支援装置108のようなCPRパックに対応する。幾つかのAED設計の更なる詳細な考察は、米国特許出願公開第2011/0105930号明細書及び米国特許第5474574号明細書、同第5645571号明細書、同第5749902号明細書、同第5792190号明細書、同第5797969号明細書、同第5919212号明細書、同第5999493号明細書、同第6083246号明細書、同第6246907号明細書、同第6289243号明細書、同第6658290号明細書、同第6993386号明細書において見られ、これらのそれぞれは参照により本明細書に援用される。
【0022】
プロンプト機能及びCPR支援装置を有するAEDは、以前から既知であったが、出願人は、従来のプロンプト装置での幾つかの欠陥を認識した。例えば、幾つかの従来のシステムは、リアルタイム信号に適用される場合、複数のフィルタ及び判断システムをサポートすることに問題を有し、サポートが計算的に高価であることがある。さらに、多くの従来のシステムは、高速で変化する状況を確実に検出し、それに適宜応答することができない。
【0023】
有効であり続けるために、戦略的にプロンプトを選ばなければならず、応答の重大な側面に向けられなければならいことに留意されたい。さらに、プロンプトは適宜でなければならず、且つ救護者によって認識可能な行動に関連付けられなければならない。さらに、プロンプトは、救護者の潜在的な混乱にも拘わらず、変更され、識別可能でなければならない。プロンプトはまた、簡潔でなければならず、プロンプトに応答する静かな時間を提供し、救護者が圧倒されるのを回避するようにタイミングがとられなければならない。
【0024】
図3は、出願人のCPRプロンプトシステム300の概略的な全体図を記載する。システムの第1の態様は、310において、物理的なセンサから信号を取得又は受信することを含む。1つ又は複数の物理的なセンサからの信号は、単独で、又は組み合わせて使用して、CPRプロンプトを改善し得る:速度測定値及び深度測定値の正確性及びそれらの測定値の待ち時間。例えば、CPRパック(又は他の心停止装置)に加えられる力、パックの加速度、又は患者の物理的な応答の測定値を提供することにより、パックの位置の正確性の改善と、患者へのCPRの効果の推定改善を提供することができる。
【0025】
データが取得されるか、又は受信されると、320において、データはモデリングされ、CPRを行っている救護者の位置又は他の関連する救護情報を推定する。物理的システムのモデリングは様々な方法で行い、時間でのパックの変位及び位置をよりよく推定し得る。モデルの提供により、測定の正確性が改善するとともに、救護者の現在の行動をよりよく理解することができる。現在の行動及びそれらの行動が認識される即時性は、有用なプロンプトを提供する基本を提供する。
【0026】
次に、330において、CPRの性能でのクリティカルポイントを識別し、それらのクリティカル時間での変位及び速度の推定を更新することにより、測定値をモデルから導出する。これらのパラメータに関連する誤差の原因を理解することで、修正を行うことが可能になる。更なるパラメータをモデルから導出して、CPRの他の側面を改善し得る。幾つかの実施形態では、絶対的な位置又は力を使用して、圧迫の完全な解放をプロンプトし得る。圧迫、ポンピング間隔、及び解放並びに再充満間隔は略同じ時間に維持されるべきである。CPR性能は、これらのパラメータについてプロンプトすることによっても同様に改善し得る。
【0027】
次に、350において、比較のために、パラメータ及び閾値340がシステムに予めプログラミングされる。監視中のパラメータが理想に一致しないことが認識されると、アラームが生成される。作業のいかなる人間の実行も特定のばらつきを有し、これが、様々な量だけ、様々な間隔にわたり、理想前後の任意の許容差に違反し得ることに留意する。同じことが完全自動CPR装置にも当てはまる。システムは、振幅及び時間でのヒステリシスを利用して、影響の程度及び有用最小アラーム時間の両方を認識し指定することができる、安定し、明確に定義されたアラーム状態を生成し得る。
【0028】
360において指定されるように、挙動が追跡され、プロンプト又は指示が生成されて、アラームに応答しての技術への修正を取得する。したがって、本発明の実施形態は、AED又は監視装置が組み込まれたシステムにおいて、これらのアラーム状況を解釈することができるシステムに関連する。速度又は深度の単純な瞬間値は一般に、常に変化し続けているため、あまり重要ではない。換気のための頻繁な一時停止及び時間のギャップは、プロンプトシステムの挙動を複雑にする。本発明の実施形態は、即時修正が必要な圧迫での特定の重大なエラーを考慮に入れながら、圧迫の履歴を分析し、一貫した有効修正プロンプトに辿り着く手段を提供する。実行履歴の傾向、変動及び変動変化、並びに異なるエラーの相対的な重要度が、プロンプトされた修正に対する過去の応答と共に考慮に入れられる。
【0029】
不良に実行されたCPR圧迫に対する正確で適時の修正プロンプトの有効性は、インテリジェントプロンプト又は指示アルゴリズムに依存する。プロンプトエンジンは、第1応答者又は自動CPR装置が、速度及び深度に関して測定される適切な圧迫を届けることに失敗するときは常に、適時の有効修正プロンプト又は指示を提供するアルゴリズムである。速度は1分当たりの圧迫回数で測定され、深度はインチ単位で測定される。また、第1応答者がCPRセンサを正確に配置しない状況、又はセンサ読み取り値がエラーゾーン内にある場合、特別なプロンプトを発行して、第1応答者又はCPR装置が適切なCPR圧迫を提供できるようにし得る。
【0030】
適切な胸部圧迫を生成する修正プロンプトシステム400の方法の関連する概略流れ図を図4に見ることができる。第1のステップ410は、心停止に見舞われた人にCPR胸部圧迫を実行し、監視することである。次に、ステップ420において、AED又はCPR監視装置からのセンサは、圧迫測定データ(すなわち、深度、時間、波形状態)を取得する。430において、出願人のシステムにより、データの計算及び分析が行われ、圧迫が有効であるか否かが判断される。このデータは、そのデータに関連する関連タイミング情報を用いて計算される。次に、440において、判断記録が適用され、実行中の現在のCPRへの修正が必要であるか否かが判断される。最後に、450において、適切であると考えられる場合、修正プロンプト/指示が、可聴的且つ/又は視覚的に発行される。
【0031】
一般に、幾つかの他の従来のCPR監視・データ分析技法からの、本発明の方法論の様々な実施形態の大きな一利点は、パラメトリック統計ではなく非パラメトリック統計を使用することから生じる。
【0032】
パラメトリック統計は、正規分布の状況の中での事象の表現に関して定義され、全体的に平均及び分散に関して定義される。パラメトリック統計は、データがあるタイプの確率分布からのものであると仮定し、分布のパラメータについて推測する統計の一分野である。一般に、最も知られている基本的な統計方法はパラメトリックである。
【0033】
統計での非パラメトリック技法は、任意の特定の分布に属するデータに頼らない。換言すれば、分布によらない方法である。観測のランクに基づく統計が、非パラメトリック手法で大きな役割を果たす。
【0034】
適切な検出及び適切なCPR圧迫の設定アラーム状況が望まれる本状況では、1組の圧迫深度及び間隔は、それらの測定誤差と共に、厳密なパラメータ化分布を満たさない。カウントは、圧迫周期中、1回又は複数回測定される深度及び間隔の実際の値よりも自然になる傾向を有する。圧迫の深度及び間隔の振幅をカウントしランク付けすることにより、より自然なプロンプトシステムが可能になる。
【0035】
本発明の実施形態では、測定セクションは、各周期でM個の深度測定値及び間隔測定値を提供するように設計され、N周期の圧迫では、N*M個の測定値が利用可能である。深度測定値及び間隔測定値の値のランク付けは、深度及び圧迫速度プロファイルのヒストグラムの作成に役立つ。
【0036】
従来の手法とは異なり、本発明の実施形態は一般に、時系列分析の非パラメトリック測定に関する。圧迫深度及び速度の実際の値は、本明細書では判断に取り入れられない。N周期からの最新の4*N個の測定値の初期予期ヒストグラムが、医長の選択に基づいて、又は予め選択される米国心臓協会(AHA)構成に従って生成される。深度変動の特定の予期されるヒストグラム/確率パターンに影響する要因は、(a)圧迫深度の下限閾値及び上限閾値の選択、(b)プロンプト判断時間への特定の圧迫周期の近さ、(c)救急医又は医長によって推奨される許容差、(d)下限閾値及び上限閾値での差動機械性能及び誤差、並びに(e)初期の少数の圧迫で測定される圧迫深度範囲からわかる患者の体格及び肥満度を含む。
【0037】
深度下限閾値(D)502及び深度上限閾値(D)504の特定の値での可能なヒストグラムバリエーションの少数のサンプルを図5A図5B、及び図5Cに示す。図5Aでは、ハード閾値が、ヒストグラムの下限及び上限に提供される。図5Bでは、許容差が、追加のDL1値506及びDH2値508によって導入され、許容差は対称であり、上限及び下限の両方で同じである。図5Cでは、非対称許容差が導入され、非対称許容差は上限と下限とで異なる。
【0038】
ヒストグラムは、本事例でのように、1組の値又は時系列の値の確率分布を表す。本発明では、ビンは、図5A図5B、及び図5Cに示されるように調整可能である。ヒストグラムの振幅は釣り合っており、ヒストグラムの下の総面積は1に等しい。換言すれば、全ての測定値が規定された限度以内である場合、外部面積はゼロである。測定が規定される限度外に生じる場合、限度内部の面積は低減し、外部面積が増大する。
【0039】
情報理論は、情報の定量化に関わる応用数学及び電気工学の一分野である。そのような定量化は、情報の分類と、本発明において有用であり、プロンプトシステムで使用されて、胸部圧迫関連情報が修正プロンプトの必要性を示すか否かを分類する。離散ランダム変数Xの情報量又はエントロピーHは、Xの値に関連付けられた不確実性の量の測定値である。
【0040】
エントロピーの定義を以下に与える。
【0041】
【数1】
式中、p(x)は結果の確率密度関数であるか、又は本発明での測定値(深度若しくは速度の)である。Xは可能な全ての結果の集合である。
【0042】
本発明の実施形態では、前のセクションで示唆されるように、ユーザ及び予め定義される選択に基づいて、良好な圧迫の予期される集合の確率密度関数について幾つかの仮定がなされる。
【0043】
本発明の実施形態では、情報量I(X)は単に、p(x)の関数として考えられる。換言すれば、
I(X)=f(p(x))
である。
【0044】
実際の実施では、この関数は、深度の下限閾値及び上限閾値の選択と、時間の近さ、必要とされる修正の深刻性、及び生じ得る測定誤差に基づく重み付けとによって決定されるマッピングであることができる。
【0045】
図6A図6B、及び図6Cは、図5A図5B、及び図5Cに示される対応する確率密度関数(又は)ヒストグラムからマッピングされる情報量を示す。
CPRフィードバックシステムに関わる任意の判断及びフィードバックは主に、深度及び速度の最新の少数のサンプルの収集を含み、深度及び速度の最新の少数のサンプルの加重平均又は自己回帰移動平均(ARMA)を利用する。そのような手法は幾つかの欠点を有し、欠点は以下を含む:加重平均方式に起因するアラーム又はプロンプト反応時間の遅延;プロンプトシステムが、ARMAモデルによって完全に制約され、通常範囲を超える巨大な変動に適宜反応することができない;1つ又は2つの外れ値がプロンプトシステムの挙動を決定するおそれがある;速度及び深度の正規分布の仮定が常に真であるわけではないことがある。
【0046】
そのような場合、判断システムは、非パラメトリック及び情報−理論手法を用いるほうが良好なことがわかっている。非パラメトリック及び情報−理論手法は、CPRフィードバックシステムで生じている低頻度の計算を考慮する場合、更に有用になる。プロンプトが、N秒に1回しか生じない場合、非パラメトリック統計をより頻繁に計算する必要はない。修正プロンプトが非常に対する必要性が非常に低い場合であっても、アラーム状況は、1秒当たり2回のみ計算される。
【0047】
図7は、修正プロンプト推奨への情報−理論手法の動作方法の一実施形態の一般化された開示を示す。710において、動作方法700は、圧迫測定データの第1の検知を開示する。特に、測定システムは、深度又は深度に比例するパラメータ、測定時刻、及び測定の状態を測定し、以下のフォーマットで送信する:{時刻(秒),時刻(sample_count),深度,状態}。データが取得されると、圧迫データの分析を自動的に実行し、結果を制御システム内のメモリ評価内に記憶するようにプログラムされるマイクロプロセッサを含む制御システムを含むステップが行われる。
【0048】
ステップ720において、プロンプトシステムは、測定値が到着すると、測定値をランク付ける。測定値のランク付けは、本発明の特定の実施形態に応じて様々な形態をとり得る。幾つかの実施形態では、測定値は、処置中の圧迫の深度に基づいてランク付けられる。幾つかの実施形態では、深度は一般に、水平に配置された患者の胸部の概して平坦な位置の高さから測定される。他の実施形態は、処置された圧迫の深度の絶対値をランク付ける。幾つかの実施形態は、圧迫がどの程度強く、又は力を入れて処置されたかをランク付け、他の実施形態は、処置された圧迫の深度測定値及び圧迫が処置された呼吸周期内の時間又は位置に基づいてランク付けを提供する。実施形態は、圧迫深度、圧迫深度の絶対値、圧迫の力、及び呼吸周期の中でいつ、圧迫が処置されるか、ノルム(例えば、標準偏差)若しくは所定の値に相対するこれらの値のうちの任意の1つ若しくは複数の統計分析、又は上記ランク付け基準若しくはそれらの変形の任意の組み合わせのうちの1つ又は複数に基づいて圧迫測定データをランク付けることを含み得る。様々な実施形態では、ランク付けは昇順であってもよく、又は降順であってもよい。
【0049】
730において、プロンプト時間Tが前のプロンプト時間Tと、プロンプト間隔(T)と、必要とされる修正の緊急性とによって決まる。次に、740において、データは、プロンプト時間Tでの深度測定値及び速度測定値のヒストグラムに配置され、医長の選択又は医療協会の指針に基づいて限度を有する初期予期ヒストグラムに適用される。ヒストグラム間隔は3つのセクションに分割される:速度測定値及び深度測定値の下限と上限との間のセクション(ユーザ選択及びAHA指針から)(セクション1):下限未満のセクション(セクション2)、及び上限を超えるセクション(セクション3)。次に、750において、セクション2及び3に入るデータ観測値は4つの要因によって更に重み付けられる:時間の近さ(時間に伴って重みが低減、近い事象ほど重みが大きい)、測定誤差での可能な対称性、第1応答者又は医療監督者によって指定される任意の許容差(十分な圧迫回数を超える圧迫と比較して、不十分な圧迫深度により高い優先度を与えるなど)、並びに一時停止及び巨大な測定値又はユーザ関連エラーのような任意の外れ値。
【0050】
760において、750において計算された3つのセクションでの測定サンプルの分布の割合は、予期される許容可能な分布と比較される。770において、割合が、不十分な圧迫、深すぎる圧迫、又は高速すぎる圧迫のより高い確率を示す場合、適切な修正プロンプトが発行される。
【0051】
ステップ760及び770への代替として、システムは代わりに、まず、760aにおいて上述した式を使用して、判断窓内で測定の情報量を導出し得る。幾つかの実施態様形態では、確率密度関数は、テーブル又は同様の技法を使用して情報量関数にマッピングされる。次に、770aにおいて、情報量を使用して、特定の修正プロンプトの必要性を判断し得る。
【0052】
次に、780において、情報量を使用して、即時修正の必要性を示す測定値が1つであってさえも、修正プロンプトのトリガーを有効化し得る。最後に、790において、Tにおいて修正プロンプトが要求されない場合、計算は、0.5秒後(T+0.5)に繰り返され、初期ステップが繰り返される。(プロンプトシステムの設計に応じて、計算を繰り返す頻度はより高くてもよく、又はより低くてもよい。特に、幾つかの実施形態では、計算は、0.5秒を超える期間後に繰り返され、幾つかの実施形態では、計算は、0.5秒未満の期間後に繰り返される)。その他の場合、初期ステップを繰り返す前に、プロンプトの最小間隔時間(T)を待つべきである。図8は、測定システム及びプロンプトシステム800の一実施形態を提供する。ここで示される測定システム及びプロンプトシステムは、同じシステム内にあってもよく、又は通信チャネルによって接続される2つの独立したシステムであってもよい。
【0053】
AEDは、CPR圧迫を表す信号を取得することができ、圧迫の深度及び速度を直接又は間接的に測定することができる。AEDは、電極パッドの配置後の患者の心電図(ECG)信号も記録する。これらの圧迫は、図8の測定システム800によって表される。本発明の実施形態は、CPR中の循環及び圧迫を表す信号を測定するシステムを記載する。そのような信号は、圧電トランスデューサ、抵抗トランスデューサ、容量性トランスデューサ、磁気トランスデューサ、光学トランスデューサ、及び/又は音響トランスデューサを用いて測定することができる。
【0054】
CPR胸部圧迫中、これらの変動の周波数は、圧迫の速度を示すことができ、入念な較正が、圧迫の適切性を提供することができ、加速度計又は力センサのような測定センサの幾つかの場合では、実際の圧迫深度を提供することができる。計算及びプロンプトシステム820を表す構成要素も図8に同様に示される。
【0055】
センサ(非較正)からのCPR圧迫周期波形の少数の典型的な変動が、図9A図9Cに示される。波形の形状、振幅、及び符号は一般に、記録センサの性質、患者の体格、及び電子機械特性、信号取得の背後の物理学、関わる任意の事前処理、及びその時点で発生している圧迫又は自然循環の性質に依存する。
【0056】
波形のそれぞれ1つを較正する必要があり、速度及び深度(可能な場合)を測定することができる。これらの波形のうちの幾つかは、圧迫の実際の深度よりも、血流及び循環を示す。しかし、波形は全て、胸部圧迫の速度についての情報を保持する。
【0057】
図9A及び図9Bは、センサからの非較正測定値のCPR圧迫周期波形の幾つかの例を提供する。図9Cは、測定波形特性の多様性を表すCPR圧迫周期波形の幾つかの例を提供する。
【0058】
本発明の実施形態では、プロンプトシステムが動作するために必要な幾つかの入力がある。第1に、あらゆるサンプルにおいて、詳細を有する構造[sample_count;時間(秒);深度;状態]が、測定モジュールからプロンプトエンジンに渡される。次に、元のセンサ入力は、予め固定されるサンプリングレートで、又は深度の新しい測定が測定周期で行われたときは常に、プロンプトエンジンに到着する。「深度」情報は、FsHzの特定のサンプリングレートでの、又は測定が、完全なプッシュからボトム及び完全なリリースからトップに対応する状態で行われるときのみ、離散時間での瞬間連続振幅であることができる。「状態」は、4つの状態のうちの1つであることができる:プッシュ、ボトム、リリース、及びトップ。圧迫周期は、特定の深度センサによって明らかになる単一の特性のように定義することができる。
【0059】
したがって、プロンプトシステムの様々な実施形態は、あらゆるサンプルの以下の出力のうちの1つを送信し得る:DO_NOTHING(何もしない)、PROMPT_PRESS(押すプロンプト)、PROMPT_PRESS_HARDER(より強く押すプロンプト)、PROMPT_PRESS_SOFTER(より短く弱く押すプロンプト)、PROMPT_PRESS_FASTER(より高速で押すプロンプト)、PROMPT_PRESS_SLOWER(より低速で押すプロンプト)。
【0060】
ユーザオプションは、PROMPT_BOTH(深度及び速度の両方の修正をプロンプト)、PROMPT_DEPTH_ONLY(深度のみをプロンプト)、及びPROMPT_RATE_ONLY(速度のみをプロンプト)を含む。ユーザ選択は、PROMPT_TIME、PRIORITY、及びPATIENT ADAPTIVE vs.FIXEDを含み得る。
【0061】
深度(「adepth」)の更新は、上述した4つ全ての状態で発生し、M個の前の圧迫(4*M個の測定値)を収容可能なローリングバッファに記憶される。間隔及び速度の更新は、上記状態で発生し、M個の前の圧迫周期(4*M個の測定値)を収容することができるローリングバッファに記憶することができる。
【0062】
本発明の実施形態では、修正プロンプト判断がt=Tにおいて行われる場合、各入力測定値は、その値、システム又は医長によって選択される上限及び下限、判断点までの時間の近さ、測定での可能な誤差、指定される許容差、及び外れ値である測定値に基づいて、ヒストグラムに配置され、重み付けられる。
【0063】
例えば、速度の有効限度内部の測定値は重み1を有し、有効限度外部の測定値は、上記要因の関数である重みを有する。換言すれば、RとRとの間に入る速度の測定値は、ヒストグラム計算でカウント1を有し、Rの真上の速度の測定値はカウント1.1を有し、Rから遠く離れた測定値はカウント1.2を有し、以下同様である。規定された限度から更に離れた外れ値は、規定される限度により近いものと比較して、修正プロンプトにより大きな影響を有する。別のモデルでは、より大きな一時停止の存在は、CPR活動の停止を示すことがあり、有効CPR速度の連続計算が停止することがある。換言すれば、全ての重みを0にリセットすることができる。
【0064】
深度判断規則は、上述した速度判断記録と同様である。別のモデルでは、より大きな一時停止の存在は、CPR活動の停止を示すことがあり、有効CPR深度の連続計算が停止することがある。換言すれば、全ての重みを0にリセットすることができる。速度及び深度判断システムの両方において、上限と下限との間のビン内部の面積と、上限を超える面積と、下限未満の面積との割合が、修正プロンプト方式を決定する。
【0065】
仮定される4つの修正プロンプトは、以下である:{より強く押す、より弱く押す、より高速で押す、より低速で押す}。測定プロセス/アルゴリズム又は第1応答者/送信者対話で、未知のミスが検出される場合、追加の標準プロンプトは{より強く押し、十分に解放する}であることができる。N秒毎に、修正プロンプトが生成される。PROMPT_BOTHが選ばれる場合、深度関連プロンプトは、速度関連プロンプトと交互になる。例えば、t=T秒、3T秒、5T秒等での深度関連プロンプト及びt=2T秒、4T秒、6T秒等での速度関連プロンプト。修正速度プロンプトは、[R,R]範囲外部の速度に対して与えられる。修正深度プロンプトは、[D,D]範囲外部の深度に対して与えられる。必要な修正がない場合、修正プロンプトは与えられる。CPR中、圧迫状況がない(一時停止)場合、デフォルトプロンプトは、より強く押す及びより弱く押す、である。
【0066】
一時停止は、前のプッシュ状態から、T秒を超える任意の時間によって識別され、換言すれば、新しい圧迫がT=1.2秒内で検出されない場合、続く更新が間隔測定値及び深度測定値で行われる:T秒毎に{0.0,0.0}。
【0067】
様々な実施形態は、開示されるシステムによって可能になる。第1の実施形態では、固定時間、深度/速度交互修正システムが提供される。このモデルでは、プロンプト間の時間は固定され、第1のプロンプトは深度修正に向けられ、その後、速度修正プロンプトが続き、このシーケンスは、CPR圧迫の周期が終わるまで繰り返される。時間T、3T、...において、限度<D,D>を有する深度の修正プロンプトアラーム状況のチェックは、限度外部の場合、修正プロンプトアラーム又はフラグを発行する。その他の場合、何もしない。時間2T、4T、...において、限度<R,R>を有する速度の修正プロンプトアラーム状況のチェックは、限度外部の場合、修正プロンプトアラーム又はフラグを発行する。その他の場合、何もしない。このモデルでの最大実行頻度は、プロンプト間の時間によって制限される。プロンプトの平均頻度は、CPRセッションで必要とされる深度プロンプト及び速度プロンプトの必要性によって決まる。
【0068】
第2の実施形態では、固定時間、深度のみ修正システムが提供される。この実施形態は第1の実施形態の一変形であるが、深度プロンプトの頻度は2倍に増大する。時間T、2T、3T、...において、限度<D,D>を有する深度の修正プロンプトアラーム状況のチェックは、限度外部の場合、修正プロンプトアラーム又はフラグを発行する。その他の場合、何もしない。
【0069】
第3の実施形態では、固定時間、速度のみ修正システムが提供される。この実施形態は第1の実施形態の一変形であるが、速度プロンプトの頻度は2倍に増大する。時間T、2T、3T、...において、限度<R,R>を有する速度の修正プロンプトアラーム状況のチェックは、限度外部の場合、修正プロンプトアラーム又はフラグを発行する。その他の場合、何もしない。
【0070】
第4の実施形態では、固定時間、優先度で深度の後に速度が続く修正システムが提供される。この実施形態では、修正プロンプト間の時間は一定に保たれる。深度関連修正プロンプトが必要ない場合、必要であれば、速度関連プロンプトのみが与えられる。
【0071】
第5の実施形態では、可変時間、優先度で深度の後に速度が続く修正システムが提供される。この実施形態では、隣接する修正プロンプト間の時間は可変であり、それにより、最小の実効待ち時間を可能にする。修正プロンプト間の最小時間は固定され(TMin)、修正プロンプトは任意の時点(TMin+nT)で行うことができる。通常、TMin>>Tであり、n=0、1、2、...である。プロンプトシステムは常に、深度関連修正プロンプトに対する任意の必要性を探しており、深度の修正が必要ない場合に、速度関連修正プロンプトを探す。
【0072】
第6の実施形態では、可変時間、可変適応閾値に基づくシステムが提供される。この実施形態は第5の実施形態と同様であるが、主な違いは、患者のプロファイルに基づく適応閾値処理にある。最初の数秒での有効深度圧迫に基づいて、プロンプトシステムは、巨体の患者に向けて調整する。同様に、応答者毎に、システムは、初期数秒の圧迫に基づいて適応することができる。この動作方式は、全ての初期モデルに適用可能である。
【0073】
第7の実施形態では、測定誤差及びCPR品質に基づくアラーム状況が提供される。センサシステムの突然の故障及び/又は不良な品質のCPRが、不明確な「押す−解放」周期に関して届けられている場合。
【0074】
第8の実施形態では、深度/速度修正システムの複数センサソースが提供される。深度測定に使用されてない厳密なセンサがない場合、1つ又は複数の他のセンサが、深度のみ(又は)速度のみの修正プロンプトを提供することができる。以下の状況では、第1応答者の手に取り付けられたセンサは、手の動きの測定値を提供することができ、患者の胸部の二次センサに接触する場合、手の動きの深度及び速度を示すことができる。
【0075】
第9の実施形態では、マシンCPR適応判断規則が提供される。マシンによって実行されるCPRの場合、プロンプトシステムが、速度及び深度に関して圧迫の厳密性を学習すると、プロンプトシステムはサイレントモードを保ち、予期された時間でのブレーク又は一時停止のみを観測する。
【0076】
第10の実施形態では、学習装置及びマネキン判断規則が提供される。この実施形態では、デモンストレーション向けの適応装置が視覚化される。ユーザは、PCベースのシステムで可能な実施形態を選び、マネキンに対して圧迫を開始することができる。マネキンの使用に対応する修正要因が適用され、プロンプトシステムは適切な修正プロンプトを提供する。
【0077】
これらの10個の実施形態は、別個に上述されたが、他の実施形態は、上記実施形態又はその部分のうちの2つ以上の組み合わせを含み得る。
例示的な1つ又は複数の実施形態が単なる例であり、決して本発明の範囲、適用性、又は構成の限定を意図しないことも理解されたい。むしろ、上記詳細な説明は、例示的な1つ又は複数の実施形態を実施することを可能にする開示を当業者に提供する。添付の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲及びその法的均等物から逸脱せずに、要素の機能及び構成に様々な変更を行うことができることを理解されたい。
【0078】
上記実施形態は、限定ではなく例示のためのものである。追加の実施形態も特許請求の範囲内にある。本発明について特定の実施形態を参照して説明したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに、形態及び詳細に変更を行い得ることを当業者は認識するだろう。
【0079】
本発明への様々な変更形態が、本開示を読めば当業者には明らかであろう。例えば、本発明の趣旨内で、本発明の異なる実施形態について説明された様々な特徴は、適宜組み合わせることができ、切り離すことができ、及び単独で、又は異なる組み合わせで、他の特徴と再び組み合わせることができることを関連分野の当業者は認識するだろう。同様に、上述した様々な特徴は全て、本発明の範囲又は趣旨への限定というよりはむしろ、実施形態例として見なされるべきである。したがって、上記は、特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を限定するものではない。
【0080】
上記説明は、方法ステップ又は特徴に関連し得る。そのような開示は、制御システムが、AEDの動作での各方法ステップ又は特徴を提供するように構成されるAEDの制御システムにも適用される。制御システムは、適する手段、例えば、分析を自動的に実行し、結果を制御システム(202)内のメモリ(210)に記憶するようにプログラムされるマイクロプロセッサ(208)を備え得る。さらに、分析は、全ての実施形態において非パラメトリック情報−理論分析であり得る。
【0081】
本発明の概念は、以下のようにまとめることができる:修正CPRプロンプトシステムの自動体外式除細動器(AED)及び方法。AEDは、CPR胸部圧迫の圧迫測定データを取得するセンサと、圧迫測定データの非パラメトリック情報−理論分析を実行するようにプログラムされるマイクロプロセッサを含む制御システムとを含む。分析は、提供される圧迫測定データをランク付けすることと、レビューするプロンプト時間Tを決定することと、上限及び下限を有する圧迫データ測定値の深度側面及び速度側面の初期予期ヒストグラムにTでの圧迫測定データを配置することであって、上限及び下限はヒストグラムの間隔を複数のセクションに分割する、配置することと、複数の要因に基づいて圧迫測定データを重み付けすることと、確率密度関数を情報量関数にマッピングすることにより、圧迫測定データの情報量を導出することと、特定の修正プロンプトが必要であるか否かを判断することとを含む。AEDは、修正CPRを提供するプロンプト装置も含む。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9A
図9B
図9C