特許第6243408号(P6243408)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6243408ドライバとは別に配設される光源ヒートシンクを持つ照明装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243408
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】ドライバとは別に配設される光源ヒートシンクを持つ照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20171127BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20171127BHJP
   F21V 29/70 20150101ALI20171127BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20171127BHJP
   F21V 29/508 20150101ALI20171127BHJP
   F21V 29/10 20150101ALI20171127BHJP
   F21V 7/04 20060101ALI20171127BHJP
   F21V 7/00 20060101ALI20171127BHJP
   F21V 29/507 20150101ALI20171127BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20171127BHJP
【FI】
   F21S2/00 224
   F21S2/00 219
   F21S2/00 217
   F21V23/00 160
   F21V29/70
   F21V29/503
   F21V29/508
   F21V29/10
   F21S2/00 215
   F21V7/04 100
   F21V7/00 320
   F21V29/507
   F21Y115:10
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-514629(P2015-514629)
(86)(22)【出願日】2013年5月14日
(65)【公表番号】特表2015-521356(P2015-521356A)
(43)【公表日】2015年7月27日
(86)【国際出願番号】IB2013053931
(87)【国際公開番号】WO2013179172
(87)【国際公開日】20131205
【審査請求日】2016年5月12日
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2012/076219
(32)【優先日】2012年5月29日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ワーン バオ
(72)【発明者】
【氏名】ドワン シャオチーン
(72)【発明者】
【氏名】グオ ローセン
(72)【発明者】
【氏名】ユエン チュワン
【審査官】 河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/144572(WO,A2)
【文献】 国際公開第2012/011279(WO,A1)
【文献】 特開2011−146253(JP,A)
【文献】 特開2011−040238(JP,A)
【文献】 特開2010−062005(JP,A)
【文献】 米国特許第04143411(US,A)
【文献】 特開2011−134616(JP,A)
【文献】 特表2002−542588(JP,A)
【文献】 特開2004−342411(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21K 9/00
F21V 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置であり、
前記照明装置の基部に配設されるドライバと、
前記照明装置の、前記ドライバとは別の部分に配設されるヒートシンクと、
前記ヒートシンクに取り付けられる光源と、
前記基部から前記照明装置の前記部分へ延在すると共に、前記光源を前記ドライバに電気的に接続するよう配設されるワイヤであって、さらされる部分を持つワイヤと、
少なくとも、前記光源、及び前記ワイヤのさらされる部分を囲むよう配設されるエンベロープとを有する照明装置であって
前記ワイヤが、前記エンベロープとは別に配設され、前記基部から前記照明装置の前記部分まで自由に走らされ、
前記ワイヤのさらされる部分が、前記光源からの光にさらされるよう配設され、前記ワイヤのさらされる部分の一部が、巻かれる照明装置。
【請求項2】
前記ワイヤのさらされる部分が、前記光源からの光を前記照明装置の外へ反射するよう適応される請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記光源からの光を前記照明装置の外へ反射するために、前記照明装置の前記基部に配設される反射器を更に有する請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記反射器が、前記照明装置の前記部分の方へ延在するが、前記照明装置の前記部分までは延在しない請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記反射器が、前記基部から前記光源に向かう方向に先細になっている請求項3又は4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記反射器が、溝、プリズム及び散乱パターンのうちの1つ以上を有する表面構造を持つ請求項3乃至5のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記反射器が、前記ドライバを前記基部のキャビティ内に閉じ込める請求項3乃至6のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記ワイヤのさらされる部分が、少なくとも部分的にエナメル加工される請求項1乃至7のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項9】
前記ワイヤのさらされる部分の巻かれる部分が、コイルのように配設される請求項1乃至8のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項10】
前記ドライバを冷却するために、前記照明装置の前記基部に配設される付加的なヒートシンクを更に有する請求項1乃至9のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項11】
前記照明装置の前記部分が、前記基部とは反対側に配設される請求項1乃至10のいずれか一項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くは、照明装置の熱的性能を改善するために、照明装置のドライバとは別に配設される光源ヒートシンクを持つ照明装置の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
熱的性能は、発光ダイオード、LEDをベースにした照明装置の寿命の重要な問題である。通常、LEDが、照明装置における熱の体部分を発生させる一方、(LEDを電気的に駆動するための)ドライバは、前記熱のごく一部しか発生させない。LEDは、ドライバに比べて相対的に高い温度に耐えることができる。ドライバの幾つかの構成要素は、高い温度に影響されやすく、熱にさらされる場合に経時劣化する。しかしながら、現在のLEDをベースにした照明装置においては、LED及びドライバは、通常、同じヒートシンクに接続するよう、互いの近くに配設される。LEDによって発生される熱は、ドライバに悪影響を及ぼすので、このような照明装置の許容可能な寿命を得るためには、ドライバからの熱放散について高い要求が課される。熱放散を向上させるため、ドライバは、通常、熱接着剤(又は熱充填材料)によってヒートシンクのキャビティ内に固定されるが、これは、費用がかかり、且つ組立て及びリサイクルをよりわずらわしくする。
WO 2011/042357は、照明装置であって、最上部に配設されるヒートシンクと、ヒートシンクの下側に取り付けられるLEDと、照明装置の下部に配設されるドライバのためのキャビティとを有する照明装置を示している。先細の反射器が、下部からヒートシンクまで延在し、LEDとドライバのワイヤ接続を取り囲む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、改善された熱的性能を持つ照明装置を提供することである。本発明の目的はまた、従来の白熱照明装置に似ている照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これら及び他の目的は、独立請求項によって規定されるような照明装置によって達成される。本発明の実施例は、従属請求項によって規定されている。
本発明の或る態様によれば、照明装置が提供される。前記照明装置は、前記照明装置の基部に配設されるドライバと、前記照明装置の、前記ドライバとは別の部分に配設されるヒートシンクと、前記ヒートシンクに取り付けられる光源と、前記光源を前記ドライバに電気的に接続するよう配設されるワイヤとを有する。前記基部から前記照明装置の前記部分へ延在する前記ワイヤの一部は、前記光源からの光にさらされるよう配設される。
【0005】
本発明は、前記光源が取り付けられる前記ヒートシンクを、前記ドライバから分離して配設することによって、前記光源と前記ドライバとを、空間的に及び熱的に分離し、それによって、前記照明装置の熱的性能を改善するという概念を用いている。前記光源からの熱は、前記ヒートシンクを介して放散され、前記ヒートシンクから前記ドライバへの伝熱は、これらの2つの構成要素の分離により、減らされ、これは、前記熱的性能を改善し、前記照明装置の寿命を増やす。前記ヒートシンクから前記ドライバへの伝熱の減少は、前記ドライバを支持する熱充填材料の必要性を減らし、それによって、組み立て及び分解が容易になり、材料コストが減らされる。熱的性能の改善は、前記光源によって発生される熱が前記ドライバにあまり影響を及ぼさなくなるので、前記光源への入力電力の増大も可能にする。
【0006】
更に、本発明は、前記基部から前記照明装置の(前記ヒートシンク及び前記光源が配置される)前記部分へ延在する前記ワイヤの一部が、前記光源からの光にさらされるよう配設されるので、前記ワイヤ(又はケーブル)が、前記反射器によって完全には覆われない点で有利である。従って、さらされる前記ワイヤは、前記光源によって照らされ、前記照明装置の外部から見え、それによって、フィラメントの外観を持ち得る。それに応じて、前記照明装置は、前記ワイヤが反射器によって完全に覆われる従来技術の照明装置と比べて、白熱照明装置によりよく似ている。白熱照明装置との類似性は、LEDをベースにした置き換えランプにおいて重要な問題であり、技術的難関を意味する。前記類似性は、LEDをベースにした置き換えランプの使用を増大させ、それによって、エネルギ消費を減らすための重要な要素である。本発明では、前記白熱照明装置との類似性は、前記光源と前記ドライバとを相互接続する前記ワイヤを利用することによって、改善されており、従って、フィラメントに似ている付加的な構成要素は必要ない。従来技術の照明装置は、前記光源と前記ドライバとを相互接続する前記ワイヤを隠すよう設計されているが、本願発明者は、それが、フィラメントとの類似のために利用され得ることに気付いた。
【0007】
本発明の実施例においては、前記ワイヤのさらされる部分は、前記光源からの光を前記照明装置の外へ反射するよう適応され、それによって、前記ワイヤを前記照明装置の外部からよりよく見えるようにすると共に、前記ワイヤの(例えば白熱灯の)フィラメントとの類似性を向上させてもよい。更に、前記ワイヤの反射部は、前記光源からの光を向け直すので、前記照明装置の光分布に影響を及ぼし、前記光分布をわずかにより全方向性にするのに寄与し得る。
【0008】
実施例によれば、前記照明装置は、前記光源からの光を前記照明装置の外へ反射するために、前記照明装置の前記基部に配設される反射器を更に含み得る。本実施例は、前記光源から前記基部の方へ発される光が、前記照明装置の外へ向け直されるので、前記照明装置の光出力が増大される点で、有利である。例えば、前記反射器と前記光源とは、向かい合って配設され得る。更に、前記反射器の形状は、前記光源からの光を、前記光源の主要前方発光方向に対して横方向及び後方向などの、前記光源からの照明が乏しい方向に、向け直すよう適応され得る。さもなければ、このような横方向及び後方向の光は、前記光源が取り付けられる前記ヒートシンクによって遮られ得る。更に、前記反射器は、前記ドライバのためのカバーとして機能し得る。
【0009】
実施例においては、前記反射器は、前記照明装置の前記部分の方へ延在するが、前記照明装置の前記部分までは延在せず、それによって、前記反射器の上端部(即ち、前記反射器の、前記照明装置の前記部分に面する端部)と、前記ヒートシンクが配設される前記部分との間にスペースを空ける。好ましくは、前記反射器は、前記ヒートシンクの方へ延在するが、前記ヒートシンクまでは延在しないだろう。本実施例では、前記反射器が、前記ワイヤをあまり隠さないので、前記ワイヤが、あらゆる視野角からより見えるようになり、それによって、白熱照明装置との類似性を更に改善する。
【0010】
実施例においては、前記反射器は、前記基部から前記光源に向かう方向に先細になっていてもよく、それによって、前記反射器は、前記光源からの光を、前記光源の主要前方発光方向に対して横方向及び後方向に反射するよう適応される。本実施例は、前記反射器が、前記光出力プロファイルを広げ、それによって、前記光出力プロファイルをより全方向性にする点で、有利である。
【0011】
本発明の実施例によれば、前記反射器は、溝、プリズム及び散乱パターンのうちの1つ以上を有する表面構造を持っていてもよく、それによって、前記光出力プロファイルを滑らかにする。前記散乱パターンは、例えば、ドット又は格子を含み得る。更に、前記散乱パターンは、前記反射器における粗(若しくは拡散)面構造、又は散乱粒子を含み得る。
【0012】
実施例によれば、前記反射器が、前記ドライバを前記基部のキャビティ内に閉じ込めてもよく、それによって、前記ドライバを保護すると共に、前記ドライバを前記照明装置の外部から見えにくくする(場合によっては、全く見えなくする)。例えば、前記キャビティは、前記ドライバを冷却するための付加的なヒートシンクによって規定され得る(このようなヒートシンクは、本開示においては、更に下でより詳細に説明される)。更に、前記ドライバの、前記基部内への閉じ込めは、一方の端部にある前記ドライバと、他方の端部にある前記光源及びそのヒートシンクとの間の断熱を改善する。前記反射器は、例えば、プラスチック又はセラミックで作成されてもよく、好ましくは、前記ドライバを前記光源から熱的に保護するために低い熱伝導率を持つ。
【0013】
本発明の実施例によれば、前記ワイヤのさらされる部分は、少なくとも部分的にエナメル加工されてもよく、それによって、前記ワイヤの、フィラメントとの類似性を更に向上させる。例えば、前記エナメル(又は前記ワイヤの任意の他のカバー)は、透明であってもよく、それによって、前記ワイヤの金属(銅)コアを見えるようにし、前記ワイヤをタングステンフィラメントにより一層似ているようにする。
【0014】
本発明の実施例においては、前記ワイヤのさらされる部分の一部は、前記ワイヤのフィラメントのような外観を更に改善するために、コイルのように配設されてもよい。前記ワイヤのさらされる部分の前記一部は、換言すれば、巻かれ得る。
【0015】
実施例によれば、前記照明装置は、前記ドライバを冷却するために、前記照明装置の前記基部に配設される(ドライバヒートシンクと呼ばれ得る)付加的なヒートシンクを更に含み得る。本発明は、前記ドライバからの熱放散が向上され、それによって、前記照明装置の熱的性能を更に改善する点で、有利である。前記ドライバヒートシンクは、前記ドライバと前記光源との両方からの熱の放散を成し遂げるために十分に大きくなければならない従来技術の照明装置におけるヒートシンクと比べて、縮小されたサイズを持ち得る。本実施例においては、前記光源からの熱の放散は、(光源ヒートシンクと呼ばれ得る)他のヒートシンクによって達成されるので、前記ヒートシンクのサイズは、単に前記ドライバからの熱の放散だけを成し遂げるよう適応され得る。
【0016】
実施例においては、前記照明装置は、少なくとも、前記光源、及び前記ワイヤのさらされる部分を囲むよう配設されるエンベロープを更に含み得る。前記エンベロープは、前記光源からのグレアを減らすために拡散性であってもよく(散乱構造を有してもよく)、又は(前記ワイヤを含む)前記照明装置の内部を前記照明装置の外部から見えるようにする透明であってもよい。
【0017】
本発明の実施例によれば、前記照明装置の前記部分は、前記基部とは反対側に配設されてもよく、それによって、前記光源ヒートシンクを前記ドライバから空間的に分離する。本実施例においては、前記照明装置の前記部分は、(前記基部に対して)前記照明装置の上部と呼ばれ得る(その場合、前記基部は、下部と呼ばれ得る)。本実施例においては、それに応じて、前記照明装置の前記上部に配置される前記光源は、好ましくは反射器が配設される前記基部の方へ光を発するよう配設され得る。
【0018】
本発明は、請求項において列挙されている特徴の全てのあり得る組み合わせに関することに注意されたい。本発明の他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な明細、図面及び添付の請求項の研究時に、明らかになるだろう。当業者は、本発明の様々な特徴は、以下に記載されている実施例以外の実施例を作成するために組み合わされることができることを理解する。
【0019】
ここで、本発明のこの及び他の態様を、本発明の実施例を示している添付の図面を参照して、より詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施例による照明装置を示す。
図2図1に示されている照明装置の断面図である。
図3図1に示されている照明装置の分解図である。
図4】本発明の別の実施例による照明装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図は、全て、概略的なものであり、必ずしも、縮尺通りではなく、一般に、本発明を説明するために必要である部分しか示しておらず、他の部分は、省かれている場合があり、又は単に示唆されている場合がある。
【0022】
図1乃至3を参照して、本発明の実施例による照明装置を説明する。
【0023】
図1乃至3は、基部2(又は下部)、及び基部2とは反対側の上部3を有する照明装置1を示している。照明装置1の基部2には、ランプ取り付け具に照明装置1を嵌めるための(ねじ切りされた口金などの)口金4と、キャビティ6を規定する(本開示においては付加的なヒートシンクとも呼ばれる)ドライバヒートシンク5とが、配設される。キャビティ6内には、照明装置1の光源13を駆動するための(プリント回路基板、PCBのドライバなどの)ドライバ7が配設される。好ましくは、ドライバ7は、照明装置1の組立て及びリサイクルを容易にするために、熱接着剤又は充填材料を用いずに(又は少なくともごく少量しか用いずに)キャビティ6内に取り付けられる。ドライバヒートシンク5は、金属、例えばアルミニウムなどの高い熱伝導率を持つ材料で作成され得る。他の例においては、ドライバヒートシンク5は、省かれてもよく、その代わりに、例えばセラミック又はプラスチックで作成される、同様の形状の支持素子が、キャビティ6を規定し得る。このような代わりの支持素子は、ドライバ7が、かなり少量の熱しか発生させず、それによって、場合によっては、ドライバを冷却するためのヒートシンクは、必須でなくなり得ることから、あり得る。
【0024】
ドライバ7は、照明装置1の上部3の方へ先細になる形状を持つ反射器8によって、基部2のキャビティ6内に閉じ込められる。例えば、反射器8は、円錐形のものであり得る。反射器8は、好ましくは、(安価で、軽く、成形し易い)プラスチック、又は任意の他の断熱材料で作成され得る。更に、反射器8の、上面、即ち、上部3に面する面は、フィルム又は層などの、反射性材料で覆われる。実施例においては、所望の光出力プロファイルを達成するための構造が、反射器8に含まれ得る。図3に示されている例においては、光分布を滑らかにするために、反射器に溝9が設けられる。他の例においては、又は補完的役割をするものとして、反射器8に、プリズム形状及び/又は散乱パターン(図示せず)が設けられ得る。
【0025】
照明装置1の、最上部などの上部3には、ヒートシンク14が配設され、ヒートシンク14の下面15(即ち、ヒートシンク14の、照明装置1の基部2に面する面15)には、光源13が配設される。光源13(又は光源13が接続されるPCB)は、例えば接着剤又はねじで、ヒートシンク14に取り付けられ得る。ヒートシンク14は、光源13からの熱を放散させるよう適応されており、それ故、(アルミニウムなどの)金属で作成されてもよく、好ましくは、光源13からの熱放散をさらに改善するためのフィン16(又はリブ)が設けられてもよい。
【0026】
エンベロープ12は、照明装置1の内部を囲み、少なくとも、照明装置1の基部2から上部3に及ぶ。エンベロープ12は、拡散性であってもよく(その場合、エンベロープ12内に散乱粒子が閉じ込められていてもよく)、又は透明で、例えばガラス又はプラスチックで作成されてもよい。
【0027】
光源13は、基部2内のドライバ7から上部3の光源13までエンベロープ12内を走るワイヤ10によって、ドライバ7に電気的に接続される。反射器8も、照明装置1の如何なる他の構成要素も、ワイヤ10を覆い隠さないので、ワイヤ10は、光源13からの光にさらされ、とりわけ、エンベロープ12が透明である場合には、照明装置1の外部から、エンベロープ12を通して、目に見え得る。光源13がオン又はオフである場合の両方でワイヤ10が目に見え得ることは理解されるだろう。ワイヤ10が、さらされ、従って、照明装置1の外部から見えるので、ワイヤ10は、白熱灯などのためのフィラメントと似させられ得る。ワイヤ10は、エンベロープ12とは別に配設されてもよく、基部2から上部3まで自由に走らされてもよい。(光源13への及び光源13からの)両方の電流方向のための導体が、同じワイヤ10に含まれてもよく、それによって、(図1乃至3に示されているように)単一のワイヤ10で十分である。しかしながら、2つの電流方向のための導体が、別々のワイヤに含まれてもよく、それによって、2本のワイヤが、ドライバから光源13へ延在してもよい(図示せず)ことは理解されるだろう。照明装置が、幾つかの光源を含んでもよく(図示せず)、1本以上のワイヤが、光源をドライバに接続してもよいことも考えられる。
【0028】
フィラメントとの類似性を更に改善するため、ワイヤ10のさらされる部分の少なくとも一部に、コーティングが設けられ得る。コーティングは、例えば、光源13からの光を、照明装置1の外へわずかに反射するためのエナメルを含み得る。エナメル(又はコーティング)は、透明であってもよく、それによって、ワイヤ10の金属コアが目に見える。他の例においては、又は組み合わせにおいて、コーティングは、当たっている光を色に関して調整するための、黄色/赤色の顔料又は色素などのルミネッセンス材料を含み得る。その場合、ワイヤ10は、白熱光を放つフィラメントによりよく似ているだろう。
【0029】
本実施例においては、ワイヤ10は、基部2から上部3までまっすぐに走っているが、ワイヤ10は、任意の所望の形状を持ち得ることは、理解されるだろう。
【0030】
図4を参照して、本発明の別の実施例による照明装置を説明する。
【0031】
図4は、ワイヤ20の形状を除いて、図1乃至3を参照して説明した照明装置1と同一であり得る照明装置2を示している。本実施例においては、ワイヤ10のさらされる部分の一部が、フィラメントとの類似性を更に改善するため、コイル21のように配設される。更に、ドライバと光源との間の2つの電流方向のための導体が、別々のワイヤ20に含まれ、それによって、2本のワイヤ20が、ドライバから光源へ延在する。
【0032】
当業者には、本発明が、決して、上記の好ましい実施例に限定されないことは分かるであろう。逆に、添付の請求項の範囲内で多くの修正及び変更が可能である。上記の実施例は、本発明を限定するものではなく、本発明を説明するものであり、当業者は、添付の請求項の範囲から逸脱することなく他の実施例を設計することができるだろうことに注意されたい。請求項において、括弧内に配置されるいかなる参照符号も、請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。「有する」という用語は、請求項に列挙されていない要素又はステップの存在を除外しない。要素の単数形表記は、このような要素が複数存在することを除外しない。第1、第2及び第3などの用語の使用は、いかなる順序も示さない。これらの単語は名称と解釈されるべきである。特に示されない限り、動作の特定の順序が必要とされるよう意図されてはいない。
図1
図2
図3
図4