(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243414
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】イメージングシステム被験者支持部
(51)【国際特許分類】
A61B 6/04 20060101AFI20171127BHJP
【FI】
A61B6/04 332A
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-516715(P2015-516715)
(86)(22)【出願日】2013年6月6日
(65)【公表番号】特表2015-519169(P2015-519169A)
(43)【公表日】2015年7月9日
(86)【国際出願番号】IB2013054654
(87)【国際公開番号】WO2013186671
(87)【国際公開日】20131219
【審査請求日】2016年6月3日
(31)【優先権主張番号】61/658,433
(32)【優先日】2012年6月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ペティナート,ジェレミー デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ソカルスキー,アラン ジョセフ
【審査官】
安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−222228(JP,A)
【文献】
特開2010−131199(JP,A)
【文献】
特開2007−007411(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0003014(US,A1)
【文献】
実開昭55−168312(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0045038(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00−6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージングシステムの被験者支持部であって:
前記イメージングシステムの検査領域で被験者又は対象を支持するテーブルトップ;
リニア機械式アクチュエータを含む、ベース;及び
前記リニア機械式アクチュエータが前記検査領域に出入りするz方向に前記テーブルトップを並進移動させるように前記テーブルトップ及び前記リニア機械式アクチュエータを機械的に結合するカップリング;を含み、
前記カップリングは、2方向に回転し且つ1方向に並進移動し、前記2方向の回転の2つの回転軸の方向及び前記1方向の並進移動の1つの並進移動方向は前記z方向に対して直角である、又は1方向に回転し且つ2方向に並進移動し、前記1方向の回転の1つの回転軸の方向及び前記2方向の並進移動の2つの並進移動方向は前記z方向に対して直角であり、それによって少なくとも3自由度を提供し、前記カップリングが機械加工の不正確さ及び/又はミスアライメントとともに並進移動する及び/又は回転することを可能にし、前記リニア機械式アクチュエータの前記機械加工の不正確さ又は前記ミスアライメントの少なくとも1つを補償する、
被験者支持部。
【請求項2】
前記カップリングは2方向に回転し且つ2方向に並進移動し、それによって4自由度を提供する、
請求項1に記載の被験者支持部。
【請求項3】
前記リニア機械式アクチュエータは、ねじを形成されたスクリュー及び相補的なねじを形成されたナットを含み、前記スクリューは前記ベースに取り付けられ、前記ナットは前記カップリングに取り付けられ、前記カップリングは前記テーブルトップに取り付けられ、前記ナットは、前記スクリューの制御された回転運動に応じて前記スクリューに沿って並進移動し、それによって前記テーブルトップを並進移動させる、
請求項1又は2に記載の被験者支持部。
【請求項4】
前記カップリングは:
第1の可動部材;
前記ねじを形成されたナットに付く第2の可動部材であって、前記第1の可動部材が回転可能に及び並進移動可能に前記第2の可動部材を支持する、第2の可動部材;及び
静止フレームであって:
前記テーブルトップに付くテーブルトップコネクタ;及び
前記第1の可動部材を回転可能及び並進移動可能に支持するボディ;を含む、
静止フレーム;を有する、
請求項3に記載の被験者支持部。
【請求項5】
前記第1の可動部材は、第1の直線方向に並進移動し、前記第2の可動部材は、第2の直線方向に並進移動し、前記第1及び前記第2の直線方向は互いに垂直である、
請求項4に記載の被験者支持部。
【請求項6】
少なくとも1つのベアリングをさらに有し、前記第1の可動部材は、前記少なくとも1つのベアリングを介して前記ボディに結合され、前記第1の可動部材は、前記少なくとも1つのベアリングによって並進移動する、
請求項5に記載の被験者支持部。
【請求項7】
前記ボディは、それぞれの凹部を持つ少なくとも2つの対向する側部を含み、前記第1の可動部材は、それぞれの凹部を持つ少なくとも2つの対向する側部を含み、前記少なくとも1つのベアリングは2つのベアリングを含み、前記ベアリングの一方は、前記ボディの前記側部の前記凹部の一方及び前記第1の可動部材の前記側部の前記凹部の一方の中に延び、前記ベアリングの他方は、前記ボディの前記側部の前記凹部の他方及び前記第1の可動部材の前記側部の前記凹部の他方の中に延びる、
請求項6に記載の被験者支持部。
【請求項8】
前記第1の可動部材は、第1の回転方向に回転し、前記第2の可動部材は、第2の回転方向に回転し、前記第1及び前記第2の回転方向は、互いに垂直である、
請求項4乃至7のいずれか1項に記載の被験者支持部。
【請求項9】
少なくとも1つの第2のベアリングをさらに有し、
前記第2の可動部材は、前記第1の可動部材に前記少なくとも1つの第2のベアリングを介して結合され、前記第2の可動部材は、前記少なくとも1つの第2のベアリングによって回転する、
請求項8に記載の被験者支持部。
【請求項10】
前記ボディは、それぞれの凹部を持つ少なくとも2つの対向する側部の第2のペアを含み、前記第2の可動部材は、それぞれの凹部を持つ少なくとも2つの突出部を含み、前記少なくとも1つのベアリングは、2つのベアリングを含み、前記ベアリングの一方は、前記ボディの前記側部の前記凹部の一方及び前記突出部の前記側部の前記凹部の一方の中に延び、前記ベアリングの他方は、前記ボディの前記側部の前記凹部の他方及び前記突出部の前記側部の前記凹部の他方の中に延びる、
請求項9に記載の被験者支持部。
【請求項11】
前記被験者支持部は、前記被験者支持部の側部又は中央領域に配置された1つの前記リニア機械式アクチュエータのみを含む、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の被験者支持部。
【請求項12】
前記被験者支持部は、2以上の前記リニア機械式アクチュエータ及び対応する前記カップリングを含む、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の被験者支持部。
【請求項13】
前記カップリングは、前記リニア機械式アクチュエータの前記機械加工の不正確さ及び/又は前記ミスアライメントを前記テーブルトップから切り離す、
請求項1乃至12のいずれか1項に記載の被験者支持部。
【請求項14】
リニアスライドベアリングをさらに有し、
前記テーブルトップは、前記リニアスライドベアリングによって前記ベースに対して並進移動する、
請求項1乃至13のいずれか1項に記載の被験者支持部。
【請求項15】
被験者支持部のベースに対してイメージングシステムの前記被験者支持部のテーブルトップをカップリング及びリニア機械式アクチュエータによって並進移動させるステップを含み、
前記カップリングは、前記テーブルトップ及び前記リニア機械式アクチュエータの細長いネジ付きシャフトに沿って並進移動するように構成される前記リニア機械式アクチュエータのネジを形成されたナットに取り付けられ、前記リニア機械式アクチュエータは前記ベースに取り付けられ、
前記カップリングは、前記ネジを形成されたナットが機械加工の不正確さ及び/又はミスアライメントとともに並進移動する及び回転することができるように、前記リニア機械式アクチュエータに対する3以上の自由度を前記ネジを形成されたナットに与え、前記リニア機械式アクチュエータの前記機械加工の不正確さ又は前記ミスアライメントの少なくとも1つを補償する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下は、対象又は被験者をスキャンする前、スキャン中及び/又はスキャン後にイメージングシステムの検査領域に対象又は被験者を支持するように構成されるイメージングシステム被験者支持部に概して関連し、コンピュータ断層撮影(CT)への特定の適用とともに記載される。しかし、以下は、陽電子放出型コンピュータ断層撮影(PET)、単光子放出型コンピュータ断層撮影(SPECT)、磁気共鳴画像形成(MRI)、超音波(US)X線、及び/又は他のイメージングモダリティ、並びに/又はこれらの組み合わせ等、他のイメージングモダリティにも適している。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ断層撮影(CT)スキャナは、静止部によって回転可能に支持される回転部を含む。回転部は、検査領域及び対象又は被験者を通過する放射線を放射するX線管、及び検査領域を通過する放射線を検出するとともに検出された放射線を示す信号を生成する検出器アレイを支持する。被験者支持部は、対象又は被験者をスキャンする前、スキャン中及び/又はスキャン後、例えば、対象又は被験者を載せる、対象又は被験者を検査領域に送る又は対象又は被験者を検査領域から取り除く、及び対象又は被験者を降ろすために、対象又は被験者を検査領域で支持する。再構成器は、信号を再構成し、検査領域の対象又は被験者の部分を示すボリュメトリック画像データを生成する。
【0003】
被験者支持部は、検査室の床に固定されるとともに電子制御の下で床に対して垂直に動くように構成されるベース、及びベースに固定されるとともに、電子制御の下で又はユーザによる手動で、スキャンする前、スキャン中及び/又はスキャン後に検査領域の内外に、ベースに対して推定に並進移動するように構成されるテーブルトップを含む。テーブルトップは、リニアスライドベアリング及び、リードねじのような、ベースに取り付けられたネジ付きシャフト及びテーブルトップに固定された相補的なネジ付きナットを含む機械的なリニアアクチュエータを通じてベースに移動可能に固定されている。ネジ付きシャフトは回転し、これはナットに対する螺旋状の軌道を提供し、このナットは、ネジ付きシャフトに沿って並進移動する。ネジ付きシャフトを回転させることは、ネジ付きシャフトの軸に沿ってナットを直線的に並進移動させ、したがってテーブルトップをスライドに沿って直線的に並進移動させる。
【0004】
一般的に、ネジ付きシャフトは、機械加工の不正確さ及び/又はミスアライメントが、ナットがネジ付きスクリューに沿って並進移動することを妨げる、望ましくない水平流れ力を生じさせ得るので、厳しい機械加工及び/又はアライメントの公差を必要とする。望ましくない水平流れ力は、(例えば、ネジを交換又再調整するための)イメージングシステムダウンタイムの原因となり得るとともに、患者を他の日に及び/又は他のイメージングシステムにスケジュール変更しなければならない。厳しい機械加工及び/又はアライメントの公差は、製造組立時間を及び/又は全体のシステムコストを増加させ得る。1つのシステムでは、ナットが、2自由度を提供するカップリングに取り付けられ、これは機械加工の不正確さ及び/又はミスアライメント並びに望ましくない水平流れ力を補償するのに十分であり、より精巧なシステムの追加的なコストは必要とされていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書に記載される態様は上述の問題及び他に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様では、イメージングシステムの被験者支持部は、イメージングシステムの検査領域で被験者又は対象を支持するテーブルトップ、リニア機械式アクチュエータを含む、ベース、並びにリニア機械式アクチュエータが検査領域に対してテーブルトップを並進移動させるようにテーブルトップ及びリニア機械式アクチュエータを機械的に結合するカップリングを含む。カップリングは2方向に回転し且つ2方向に並進移動し、それによって4自由度を提供し、リニア機械式アクチュエータの機械加工の不正確さ又はミスアライメントの少なくとも1つを補償する。
【0007】
他の態様では、方法は、被験者支持部のベースに対してイメージングシステムの被験者支持部のテーブルトップをカップリング及びリニア機械式アクチュエータによって並進移動させるステップを含み、カップリングは、テーブルトップ及びリニア機械式アクチュエータに取り付けられ、このリニア機械式アクチュエータはベースに取り付けられ、カップリングはリニア機械式アクチュエータに対して4自由度を提供する。
【0008】
他の態様では、イメージングシステムは、検査領域を通過する放射線を放射する放射線源、検査領域を通過する放射線を検出する放射線検出器アレイ、及び検査領域に被験者又は対象を支持する被験者支持部を含む。被験者支持部は、イメージングシステムの検査領域で被験者又は対象を支持するテーブルトップ、リニア機械式アクチュエータを含む、ベース、並びに、テーブルトップ及び、検査領域に対してテーブルトップを並進移動させる、リニア機械式アクチュエータを機械的に結合するカップリングを含む。カップリングは2つの反対方向に回転するとともに2つの反対方向に並進移動し、それによって、リニア機械式アクチュエータの機械加工の不正確さ又はミスアライメントの少なくとも1つを補償する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は、様々な要素及び要素の構成、並びに様々なステップ及びステップの構成の形を取り得る。図面は、好適な実施形態を示す目的のみのためであり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【
図1】被験者支持部を含むイメージングシステムを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1はイメージングシステム100を概略的に示す。イメージングシステム100は、CT、PET、SPECT、MRI、US、X線、それらの組み合わせ(例えば、CT/PET等)、及び/又は他のイメージングモダリティイメージングシステムであり得る。しかし、簡潔さ明快さのために、以下はCTスキャナに関して記載される。
【0011】
図示されたイメージングシステム100は概して、静止ガントリ102及び回転ガントリ104を含み、この回転ガントリ104は、静止ガントリ102によって回転可能に支持されるとともにz軸周りに検査領域106の周りを回転する。X線管のような放射線源108が、回転ガントリ104によって回転可能に支持され、回転ガントリ104とともに回転し、検査領域106を通過する放射線を放射する。放射線検出器アレイ110が、検査領域106を横切って放射線源108の反対側の角度円弧に対する。放射線検出器アレイ110は、検査領域106を通過する放射線を検出し、それらを示す信号を生成する。
【0012】
患者用寝椅子のような被験者支持部114は、スキャン前、スキャン中及び/又はスキャン後に検査領域106に対象又は被験者を支持する。図示された被験者支持部114は、ベース116、ベース116に取り付けられた機械式リニアアクチュエータ118、ベース116に取り付けられた1又は複数のベアリング122(この例では2つが示されている)の第1の部分120、テーブルトップ124、テーブルトップ124に取り付けられた1又は複数のベアリング122の第2の部分126、及びカップリング128を含み、このカップリングはテーブルトップ124及び機械式リニアアクチュエータ118を結合する。ベース116は、検査室の床に取り付けられる又は支えられる。機械式リニアアクチュエータ118は、カップリング128を、したがってテーブルトップ124を、長手方向又はz方向に、検査領域の中に及び検査領域の外に並進移動させる。
【0013】
以下に詳細に記載されるように、カップリング128は、機械加工の不正確さ及び/又はミスアライメントを補償するためにカップリング128の一部を少なくとも3自由度で動かすことを可能にすることによって、少なくとも機械式リニアアクチュエータ118の機械加工の不正確さ及び/又はミスアライメントを軽減し、それによって、望ましく水平流れ力を軽減するとともに、テーブルトップが過度の力無しに自由に並進移動することを可能にする。1つの例では、これは、機械式リニアアクチュエータ118を交換又は再調整するためのイメージングシステムダウンタイムを減少させ得る。これはまた、製造組立時間を減少させることができ、被験者支持部及び/又は被験者支持部製品ラインを横切る共通の力の測定を可能にし、緩和された機械加工の公差等を可能にする。少なくとも上述のものは、例えば0.25mm以下及び/又はカップリング128が使用されない被験者支持部114の構成の性能に少なくとも適合する等、0.50mm以下のバックラッシュを持つ、剛性のある組立体を提供しながら、達成することができる。
【0014】
再構成器112は、信号を再構成し、検査領域106に位置する被験者又は対象のスキャンされた部分を示すボリュメトリック画像データを生成する。汎用コンピューティングシステム又はコンピュータは、オペレータコンソール130としての機能を果たす。コンソール130は、モニタ等の人間が読める出力装置及びキーボード、マウス等の入力装置を含む。コンソール130に常駐のソフトウェアは、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)又は他のものを用いて、オペレータがスキャナ100と情報をやりとりすることを及び/又はスキャナ100を操作することを可能にする。加えて、ソフトウェアは、載せる及び/又は降ろすために被験者及び/又は対象を位置決めするために、及び/又は、スキャン前、スキャン中及び/又はスキャン後等に被験者又は対象を位置決めするために、テーブルトップ124を並進移動させるよう、被験者支持部114に指示する。
【0015】
図2は、被験者支持部114の側面図を示し、機械式リニアアクチュエータ118の例を含む。この例では、機械式リニアアクチュエータ118は、細長いネジ付きシャフト202及び相補的なネジ付きナット(ボルト、又は同様のもの)204を含む。(ボールネジ組立体が代替的に使用されることができることに留意されたい。)シャフト202は、シャフト202の端部205においてベース116に取り付けられ、z軸方向に沿って延びる。
【0016】
モータ206が、シャフト202に動作可能に結合され、シャフト202を回転させる。コントローラ(見えない)がモータ206を駆動する。カップリング128は、テーブルトップ124に及びネジ付きシャフト202に固定して取り付き、したがって、テーブルトップ124及び機械式リニアアクチュエータ118を結合する。ネジ付きシャフト202を回転させることは、ナット204をz方向に沿って並進移動させ、これはテーブルトップ124をz方向に沿って並進移動させる。
【0017】
図3、4、5及び6は、カップリング128の非限定的な例を示す。図示されたカップリング128は、静止フレーム302、第1の可動部材304、及び第2の可動部材306を含む。
図3は、斜視を及び分解図を示し、
図5は、
図3の後ろからの斜視図を示し、
図4は正面図を示し、
図6は部分図を示す。
【0018】
静止フレーム302は、テーブルトップコネクタ308を含み、このテーブルトップコネクタ308は、テーブルトップ124(
図1及び2)に付く。静止フレーム302はまた、第1の可動部材304を支持するボディ310を含む。図示された実施形態では、ボディ310は、互いに面する、少なくとも2つの対向する側部312及び314を含む“C”形状である。他の実施形態では、ボディ310は、円、長方形、八角形、及び/又は他の形状であり得る。側部312及び314の少なくとも1つは、材料の無い凹部316及び317を含む。
【0019】
第1の可動部材304は、対向する側部318及び320の第1のペア及び対向する側部322及び324の第2のペアを含む“O”形状であり、対向する側部322及び324は概して第1のペアに対して垂直である。静止フレーム302と同様に、他の形状もここでは考えらえる。側部318及び320の少なくとも1つは、材料の無い凹部326及び328を含み、側部322及び324の少なくとも1つは、材料の無い凹部330及び332を含む。
【0020】
第2の可動部材306は、ブラケット334の主要面340から延びる2つの突出部336及び338を持つブラケット334を含む。静止フレーム302及び第1の可動部材304と同様に、他の形状もここでは考えらえる。突出部336及び338の少なくとも1つは、材料の無い凹部342及び344を含む。
図4では、第2の可動部材306は、機械式リニアアクチュエータ118のナット204に取り付けられる。
【0021】
第1の可動部材304は、ボディ310によって移動可能に支持される。
図4に示されるように、1つの例では、これは、ベアリング402及び404を通じて達成されることができ、これらのベアリング402及び404はそれぞれ、凹部316及び326並びに凹部328及び317の中に延びる。第1の可動部材304は、1つの方向に回転して示されているが、軸406周りに回転自在又は枢動自在であることが理解されるべきである。
【0022】
1つの例では、ベアリング402及び404は、第1の可動部材304に固定して取付けられ、ボディ310の凹部316及び317内で並進移動及び回転する。他の例では、ベアリング402及び404は、ボディ310に固定して取付けられ、第1の可動部材304の凹部326及び328内で並進移動及び回転する。さらに他の例では、ベアリング402及び404は、凹部316、317、326、及び328の全ての中で自由に動かせる。
【0023】
図6は、説明目的で静止フレーム302が省略された状態で、第1の可動部材304に設置されたベアリング402及び404を示す。
【0024】
第2の可動部材306は、第1の可動部材304によって移動可能に支持される。
図4に示されるように、1つの例では、これは、ベアリング408及び410を通じて達成されることができ、これらのベアリング408及び410はそれぞれ、凹部330及び342並びに凹部332及び344の中に延びる。回転及び並進移動は、第1の可動部材304のものに対して垂直であることに留意されたい。
【0025】
1つの例では、ベアリング408及び410は、第2の可動部材306に固定して取付けられ、第2の可動部材306の凹部342及び322内で並進移動及び回転する。他の例では、ベアリング408及び410は、第2の可動部材306に固定して取付けられ、第1の可動部材304の凹部330及び332内で並進移動及び回転する。さらに他の例では、ベアリング408及び410は、凹部330、332、342、及び344の全ての中で自由に動かせる。ここに記載されるような、ボディ310に対する第1及び第2の可動部材304及び306の並進移動及び回転の組み合わせは、4自由度を提供し、細長いネジ付きシャフト202に沿って並進移動しながら、細長いネジ付きシャフト202の任意の機械加工の不正確さ及び/又はミスアライメントを備えて、ナットが、カップリング128を介して、上、下、左、右及び/又は斜めに動くことを可能にする。
【0026】
同時に、カップリング128は、テーブルトップ124から細長いネジ付きシャフト202の機械加工の不正確さ及び/又はミスアライメントを切り離す。1つの例では、上述ものは、相補的なネジ付き要素204がそのようなものとして動くことを可能にしないことによって及び/又は細長いネジ付きシャフト202の機械加工の不正確さ及び/又はミスアライメントがテーブルトップ124に伝達することを許容することによってもたらされるテーブルトップ124の望ましくない水平流れ力を緩和する。
【0027】
カップリング128はまた、テーブルトップ124の望ましくない水平流れ力から生じる望ましくない影響も緩和する。例えば、カップリング128は、望ましくない水平流れ力からのイメージングシステムダウンタイム及びダウンタイムにより患者をスケジュール変更しなければならないことを緩和する。加えて、カップリング128は、(例えば、機械加工の不正確さが補償されることができるので)機械加工の公差を緩和することを許容し、これは、組立時間及び/又は全体のシステムコストを低減し得る。さらに、共通の水平流れ力が、カップリング128が省略された構造とは異なり、被験者支持部及び/又は被験者支持部製品ラインにわたって維持されることができる。
【0029】
図4は4つのベアリング(402、404、408及び410)構成を示す。変形形態では、1つのベアリングが並進移動及び/又は回転運動のそれぞれに対して使用されることができる。他の変形形態では、4より多いベアリングが使用されることができる。さらに他の変形形態では、ベアリングのペアは、互いに対して垂直でない。さらに他の変形形態では、ベアリングのペアの少なくとも1つは、軸406及び412に対してある角度で配置される。さらに他の変形形態では、カップリング128は、1又は複数の他の可動部材を含み得る。さらに他の変形形態では、凹部の1又は複数はスロットであることができ、このスロットは、ベアリングがスロットの長軸に沿ってスライドすることを可能にする。
【0030】
上述の実施形態は1つのリニア機械式アクチュエータを示しているが、当業者は、2以上のリニア機械式アクチュエータが使用される変形形態を認識するであろう。例えば、
図2は、被験者支持部114の一方の側部に配置された1つのリニア機械式アクチュエータを示している。変形形態では、第2のリニア機械式アクチュエータが被験者支持部114の他方の側部に配置されることができる。
図1は、被験者支持部114の中央に沿って配置された1つのリニア機械式アクチュエータを示している。変形形態では、第2のリニア機械式アクチュエータが一方又は他方の側部に配置されることができ、追加的なリニア機械式アクチュエータが被験者支持部114の各側部に配置されることができ、2つのリニア機械式アクチュエータが略中央に配置されることができる、等。
【0031】
他の変形形態では、3自由度のみが提供される。例えば、1つの例では、カップリング128は、2つの回転運動を許容するが、並進運動の1つのみしか許容しない。1つの例では、カップリング128は、2つの並進運動を許容するが、回転運動の1つのみしか許容しない。さらに他の変形形態では、カップリング128は、4自由度より多い自由度を提供する。
【0033】
動作の順序は限定するものでないことが理解されるべきである。このようなものとして、他の順序がここでは考えられる。加えて、1又は複数の動作が省略され得る及び/又は1又は複数の追加的な動作が含められ得る。
【0034】
702において、被験者又は対象がイメージングシステムの被験者支持部のテーブルトップに載せられる。
【0035】
704において、テーブルトップが、イメージングシステムの検査領域に被験者又は対象を位置決めするために被験者支持部のベースに沿って並進移動するように駆動される。
【0036】
706において、テーブルトップが並進移動するとき、テーブルトップを被験者支持部のベースに取り付けられたリニア機械式アクチュエータに結合するカップリングは、機械式リニアアクチュエータの機械加工の不正確さ及び/又はミスアライメントを補償する。
【0037】
ここに記載されるように、これは、ナットが、機械加工の不正確さ及び/又はミスアライメントと共に並進移動する及び/又は回転することができるように、3以上の自由度を機械式リニアアクチュエータのナットに許容するカップリングの構成を通じて達成されることができる。
【0038】
本発明は好適な実施形態を参照して説明されている。上記の詳細な記載を読んで理解すると、他の改良及び変更が発生し得る。このような改良及び変更が添付の特許請求の範囲又はその均等物の範囲内にある限り、本発明が全てのこのような改良及び変更を含むと解釈されることが、意図される。