【0046】
本発明の好ましい変形例において、式(I)のシグマリガンドは、以下:
[1]4−(2−(7−フェニル−1H−インデン−3−イル)エチル)モルホリンマレエート、
[2]1−(2−(7−(4−フルオロフェニル)−1H−インデン−3−イル)エチル)アゼパンヒドロクロリド、
[3]4−(2−(7−(ピリジン−4−イル)−1H−インデン−3−イル)エチル)モルホリンマレエート、
[4]1−(2−(7−(3−フルオロピリジン−4−イル)−1H−インデン−3−イル)エチル)−4−メチルピペラジンマレエート、
[5]1−メチル−4−(2−(7−フェニル−1H−インデン−3−イル)エチル)ピペラジンマレエート、
[6]1−フェニル−4−(2−(7−フェニル−1H−インデン−3−イル)エチル)ピペラジンマレエート、
[7]1−(3−クロロフェニル)−4−(2−(7−フェニル−1H−インデン−3−イル)エチル)ピペラジンマレエート、
[8]1−(2−(7−フェニル−1H−インデン−3−イル)エチル)ピペリジンマレエート、
[9]1−(2−(7−フェニル−1H−インデン−3−イル)エチル)アゼパンマレエート、
[10]4−フェニル−1−(2−(7−フェニル−1H−インデン−3−イル)エチル)ピペリジンマレエート、
[11]4−(2−(2−メチル−7−フェニル−1H−インデン−3−イル)エチル)モルホリンマレエート、
[12]1−メチル−4−(2−(2−メチル−7−フェニル−1H−インデン−3−イル)エチル)ピペラジンマレエート、
[13]4−(2−(7−(4−フルオロフェニル)−1H−インデン−3−イル)エチル)モルホリンマレエート、
[14]1−(2−(7−(4−フルオロフェニル)−1H−インデン−3−イル)エチル)−4−フェニルピペラジンマレエート、
[15]1−(2−(7−(4−フルオロフェニル)−1H−インデン−3−イル)エチル)ピペリジンマレエート、
[16]1−(2−(7−(4−フルオロフェニル)−1H−インデン−3−イル)エチル)−4−メチルピペラジンマレエート、
[17]1−(2−(7−(3−フルオロフェニル)−1H−インデン−3−イル)エチル)−4−メチルピペラジンマレエート、
[18]4−(2−(7−(3−フルオロフェニル)−1H−インデン−3−イル)エチル)モルホリンマレエート、
[19]4−(2−(7−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−インデン−3−イル)エチル)モルホリンマレエート、
[20]1−(2−(7−(3,4−ジクロロフェニル)−1H−インデン−3−イル)エチル)−4−メチルピペラジンマレエート、
[21]4−(2−(7−(4−メトキシフェニル)−1H−インデン−3−イル)エチル)モルホリンマレエート、
[22]1−(2−(7−(4−メトキシフェニル)−1H−インデン−3−イル)エチル)−4−メチルピペラジンマレエート、
[23]1−(2−(7−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−インデン−3−イル)エチル)−4−メチルピペラジンマレエート、
[24]4−(2−(7−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−インデン−3−イル)エチル)モルホリンマレエート、
[25]4−(2−(7−(チオフェン−3−イル)−1H−インデン−3−イル)エチル)モルホリンマレエート、
[26]1−メチル−4−(2−(7−(チオフェン−3−イル)−1H−インデン−3−イル)エチル)ピペラジンマレエート、
[27]1−(2−(7−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−1H−インデン−3−イル)エチル)−4−メチルピペラジンマレエート、
[28]3,5−ジメチル−4−(3−(2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル)−1H−インデン−7−イル)イソオキサゾールマレエート、
[29]5−(3−(2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル)−1H−インデン−7−イル)ピリミジンマレエート、
[30]1−メチル−4−(2−(7−(ピリジン−4−イル)−1H−インデン−3−イル)エチル)ピペラジンマレエート、
[31]1−メチル−4−(2−(7−(ピリジン−4−イル)−1H−インデン−3−イル)エチル)−1,4−ジアゼパンマレエート、
[32]1−メチル−4−(2−(2−メチル−7−(ピリジン−4−イル)−1H−インデン−3−イル)エチル)ピペラジンマレエート、
[33]1−(2−(7−(2−フルオロピリジン−4−イル)−1H−インデン−3−イル)エチル)−4−メチルピペラジンマレエート、
[34]4−(2−(7−(ピリジン−3−イル)−1H−インデン−3−イル)エチル)モルホリンマレエート、
[35]1−メチル−4−(2−(7−(ピリジン−3−イル)−1H−インデン−3−イル)エチル)ピペラジンマレエート、
[36]1−(2−(7−(6−メトキシピリジン−3−イル)−1H−インデン−3−イル)エチル)−4−メチルピペラジンマレエート、
[37]1−(2−(7−(6−フルオロピリジン−3−イル)−1H−インデン−3−イル)エチル)−4−メチルピペラジンマレエート、
[38]1−メチル−4−(2−(7−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−1H−インデン−3−イル)エチル)ピペラジンマレエート、
[39]4−(2−(7−(6−メトキシピリジン−3−イル)−1H−インデン−3−イル)エチル)モルホリンマレエート、
[40]1−メチル−4−(2−(6−ピリジン−4−イル)−1H−インデン−3−イル)エチル)ピペラジンマレエート、
[41]1−(2−(6−(2−フルオロピリジン−4−イル)−1H−インデン−3−イル)エチル)−4−メチルピペラジンマレエート、
またはこれらの薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、もしくは溶媒和物、
から選択される。
【実施例】
【0086】
実施例1(方法A):4−(2−(7−フェニル−1H−インデン−3−イル)エチル)モルホリンマレエートの合成
a)4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オンの合成
【化15】
【0087】
4−ブロモインダン−1−オン(500mg、2.36mmol)、フェニルボロン酸(317mg、2.6mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド(761mg、2.36mmol)、およびK
2CO
3(3.26g、23.6mmol)の混合物を、アルゴンパージした水(7.0mL)に懸濁させ、さらに15分間アルゴンでパージした。Pd(OAc)
2(6.0mg、0.024mmol)を加え、結果として得られる懸濁液を80℃で3時間加熱した。当該溶液を室温まで冷却した後、水で希釈し、CH
2Cl
2で抽出した。収集した抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、乾固するまで蒸発させた。得られた残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液として、極性を増加させたヘキサン:CH
2Cl
2混合物)によって精製して、黄色固体として所望の生成物を得た(404mg、82%)。
【0088】
[NMR]
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) d: 7.78 (dd, J= 7.6, 1.2 Hz, 1H), 7.6 (dd, J= 7.2, 1.2 Hz, 1H), 7.50-7.45 (m, 5H), 7.41 (m, 1H), 3.17 (t, J= 6 Hz, 2H), 2.70 (m, 2H) ppm.
EI-MS m/z: 208.1 (M).
【0089】
b)4−(2−(7−フェニル−1H−インデン−3−イル)エチル)モルホリンマレエートの合成
【化16】
【0090】
−78℃に冷却した4mLのTHFに、アルゴン雰囲気下においてLDAの溶液(THF中における1.5M、2mL、2.95mmol)を加えた。次いで、N−アセチルモルホリン(274μL、2.36mmol)を加え、結果として得られる混合物を、−78℃で1時間撹拌した。最後に、THF(10mL)中における4−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(246mg、1.18mmol)の溶液を加え、結果として得られる混合物を−78℃で4時間維持した。当該反応混合物を、1NのHClで酸性化し、EtOAcで抽出した。当該有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、乾固するまで蒸発させた。CH
2Cl
2(12mL)中における前の残留物の溶液に、p−トルエンスルホン酸(30mg、0.12mmol)を加え、結果として得られる混合物を一晩撹拌した。当該反応混合物を、飽和NaHCO
3水溶液で塩基性化し、CH
2Cl
2で抽出した。当該有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、乾固するまで蒸発させた。0℃に冷却したTHF(15mL)中における前の残留物の溶液に、AlH
3−NMe
2Et(トルエン中における0.5M、4.8mL、2.38mmol)を加え、結果として得られる混合物を5時間撹拌した。当該反応混合物にEtOAc:H
2O(40mL、1:1)を加え、結果として得られる懸濁液をCelite(登録商標)を通してろ過した。当該層を分離し、水相をEtOAcで抽出した。当該有機抽出物を、Na
2SO
4で乾燥させた後、乾固するまで蒸発させた。37%HCl:EtOH(30mL、1:1)中における前の残留物の溶液を一晩還流させた。当該反応混合物を乾固するまで蒸発させ、水に溶解させ、KOHで塩基性化し、EtOAcで抽出した。当該有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、乾固するまで蒸発させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液として、極性を増加させたヘキサン:EtOAc混合物)による当該残留物の精製により、所望の生成物を得た(100mg、28%)。アセトン(0.6mL)中におけるマレイン酸(39mg、0.33mmol)を加えることにより、当該生成物を対応するマレイン酸塩へと転化させ、続いて、結果として得られる固体をろ過し、真空下において乾燥させた。
【0091】
[NMR]
1H-NMR (DMSO-d
6, 300 MHz) d: 7.60 (dd, J=8.4, 1.5 Hz, 2H), 7.50-7.44 (m, 4H), 7.40 (m, 1H), 7.26 (dd, J=6.0, 2.4 Hz, 1H), 6.40 (s, 1H), 6.04 (s, 2H), 3.79 (m, 4H), 3.47 (s, 2H), 3.31 (m, 8H), 2.95 (m, 2H) ppm.
ESI(+)-HRMS: 306.1852 [M+H]
+.
【0092】
実施例2(方法A):1−(2−(7−(4−フルオロフェニル)−1H−インデン−3−イル)エチル)アゼパンヒドロクロリドの合成
a)1−(アゼパン−1−イル)エタノンの合成
【化17】
【0093】
EtOH(30mL)中におけるアゼピン(2.0g、20.17mmol)の溶液に、無水酢酸(3.8mL、40.34mmol)を加えた。結果として得られる溶液を一晩攪拌した。当該反応混合物を乾固するまで蒸発させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液として、極性を増加させたCH
2Cl
2:MeOH混合物)による当該残留物の精製により、所望の生成物を得た(2.59g、91%)。
【0094】
[NMR]
1H-NMR (CDCl
3, 300 MHz) d: 3.52 (t, J= 5.7 Hz, 2H), 3.42 (t, J= 6 Hz, 2H), 2.09 (s, 3H), 1.71 (m, 4H), 1.57 (m, 4H) ppm.
【0095】
b)4−(4−フルオロフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オンの合成
【化18】
【0096】
4−ブロモインダン−1−オン(500mg、2.36mmol)、(4−フルオロフェニル)ボロン酸(363mg、2.6mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド(761mg、2.36mmol)、およびK
2CO
3(3.26g、23.6mmol)の混合物を、アルゴンパージした水(7.0mL)に懸濁させ、さらに15分間アルゴンでパージした。Pd(OAc)
2(6.0mg、0.024mmol)を加え、結果として得られる懸濁液を80℃で4時間加熱した。当該溶液を室温まで冷却した後、水で希釈し、CH
2Cl
2で抽出した。収集した有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、乾固するまで蒸発させた。得られた残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液として、極性を増加させたヘキサン:EtOAc混合物)によって精製して、黄色固体として所望の生成物を得た(443mg、82%)。
【0097】
[NMR]
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz) d: 7.78 (dd, J= 7.6, 1.2 Hz, 1H), 7.56 (dd, J= 7.2, 1.2 Hz, 1H), 7.47 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 7.42 (m, 3H), 7.17 (m, 2H), 3.14 (t, J= 5.8 Hz, 2H), 2.70 (m, 2H).
EI-MS m/z: 226.1 (M).
【0098】
c)1−(2−(7−(4−フルオロフェニル)−1H−インデン−3−イル)エチル)アゼパンの合成
【化19】
【0099】
−78℃に冷却したTHF(6mL)中における1−(アゼパン−1−イル)エタノン(500mg、3.54mmol)の溶液に、LDAの溶液(THF中における1.5M、2.9mL、4.43mmol)を加え、結果として得られる混合物を、アルゴン雰囲気下において−78℃で1時間撹拌した。最後に、THF(12mL)中における4−(4−フルオロフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(400mg、1.77mmol)の溶液を加え、結果として得られる混合物を−78℃で5時間維持した。当該反応混合物を、1NのHClで酸性化し、EtOAcで抽出した。当該有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、乾固するまで蒸発させた。AcOH:H
2SO
4:H
2O(26mL、85:10:5)中における前の残留物の溶液を、5時間撹拌した。当該反応混合物を水に注ぎ入れ、5MのNaOHで塩基性化し、EtOAcで抽出した。当該有機抽出物を、Na
2SO
4で乾燥させた後、乾固するまで蒸発させた。0℃に冷却したTHF(20mL)中における前の残留物の溶液に、AlH
3−NMe
2Et(トルエン中における0.5M、7.9mL、3.97mmol)を加え、結果として得られる混合物を4時間撹拌した。当該反応混合物にEtOAc:H
2O(20mL、1:1)を加え、結果として得られる懸濁液をCelite(登録商標)を通してろ過した。当該層を分離し、水相をEtOAcで抽出した。当該有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、乾固するまで蒸発させた。37%HCl:トルエン(44mL、1:1)中における前の残留物の溶液を一晩還流させた。当該反応混合物を乾固するまで蒸発させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液として、極性を増加させたEtOAc/NH
3:MeOH混合物)による当該残留物の精製により、所望の生成物を得た(116mg、21%)。HCl(ジエチルエーテル中における1M、0.25mL)の溶液を加えることにより、当該生成物を対応する塩酸塩へと転化させ、続いて、結果として得られる固体をろ過し、真空下において乾燥させた。
【0100】
[NMR]
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) d: 9.90 (s, 1H), 7.64 (m, 2H), 7.51 (d, J= 6.4 Hz, 1H), 7.44 (t, J= 7.6 Hz, 1H), 7.31-7.25 (m, 2H), 6.45 (s, 1H), 3.48 (m, 2H), 3.41 (m, 2H), 3.31 (s, 4H), 3.20 (m, 2H), 3.01 (m, 2H), 1.84 (4H), 1.64 (m, 4H) ppm.
ESI(+)-HRMS: 336.2021 [M+H]
+
【0101】
実施例3(方法A):4−(2−(7−(ピリジン−4−イル)−1H−インデン−3−イル)エチル)モルホリンマレエートの合成
a)4(−ピリジン−4−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オンの合成
【化20】
【0102】
4−ブロモインダン−1−オン(1.25g、5.90mmol)、Pd(PPh
3)4(1.7g、1.48mmol)、ピリジン−4−イルボロン酸(940mg、6.49mmol)、およびTHF(70mL)中におけるK
2CO
3(15mL)の2M溶液の混合物を、アルゴン雰囲気下において、撹拌しながら1日還流させた。当該反応混合物を1NのHClで抽出した。当該水層を2NのNaOHで塩基性化し、EtOAcで抽出した。当該有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、乾固するまで蒸発させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液として、極性を増加させたヘキサン:EtOAc混合物)による当該残留物の精製により、所望の生成物を得た(756mg、60%)。
【0103】
[NMR]
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) d: 8.75 (m, 2H), 7.84 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 7.63 (dd, J= 7.6, 0.8 Hz, 1H), 7.53 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 7.42 (d, J= 5.2 Hz, 2H), 3.19 (t, J= 6 Hz, 2H), 2.73 (t, J= 5.8 Hz, 2H) ppm.
EI-MS m/z: 209.2 (M).
【0104】
b)4−(2−(7−(ピリジン−4−イル)−1H−インデン−3−イル)エチル)モルホリンの合成
【化21】
【0105】
−78℃に冷却したTHF(10mL)中におけるN−アセチルモルホリン(0.42mL、3.61mmol)の溶液に、LDAの溶液(THF中における1.5M、3mL、4.52mmol)を加え、結果として得られる混合物を、アルゴン雰囲気下において−78℃で1時間撹拌した。最後に、THF(15mL)中における4−(−ピリジン−4−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(378mg、1.81mmol)の溶液を加え、結果として得られる混合物を−78℃で4時間維持した。当該反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。当該有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、乾固するまで蒸発させた。AcOH:H
2SO
4:H
2O(28mL、85:10:5)中における前の残留物の溶液を、2.5日撹拌した。当該反応混合物を水に注ぎ入れ、4MのNaOHで塩基性化し、EtOAcで抽出した。当該有機抽出物を、Na
2SO
4で乾燥させた後、乾固するまで蒸発させた。0℃に冷却したTHF(12mL)中における前の残留物の溶液に、AlH
3−NMe
2Et(トルエン中における0.5M、7mL、3.49mmol)を加え、結果として得られる混合物を4時間撹拌した。当該反応混合物にEtOAc:H
2O(40mL、1:1)を加え、結果として得られる懸濁液をCelite(登録商標)を通してろ過した。当該層を分離し、水相をEtOAcで抽出した。当該有機抽出物を、Na
2SO
4で乾燥させた後、乾固するまで蒸発させた。37%のHCl:トルエン(50mL、1:1)中における前の残留物の溶液を一晩還流させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液として、極性を増加させたEtOAc/NH
3:MeOH混合物)による当該残留物の精製により、所望の生成物を得た(54mg、10%)。アセトン(0.3mL)中におけるマレイン酸(20mg、0.18mmol)を加えることにより、当該生成物を対応するマレイン酸塩へと転化させ、続いて、結果として得られる固体をろ過し、真空下において乾燥させた。
【0106】
[NMR]
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) d: 8.65 (d, J= 5.2 Hz, 2H), 7.65 (d, J= 4.4 Hz, 2H), 7.56-7.48 (m, 2H), 7.37 (dd, J= 7.4, 1 Hz, 1H), 6.48 (s, 1H), 6.05 (s, 2H), 3.82 (m, 4H), 3.55 (s, 2H), 3.36 (m, 2H), 3.25 (m, 4H), 2.96 (m, 2H) ppm.
ESI(+)-HRMS: 307.1809 [M+H]
+
【0107】
実施例4(方法B):1−(2−(7−(3−フルオロピリジン−4−イル)−1H−インデン−3−イル)エチル)−4−メチルピペラジンマレエートの合成
a)1−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタノンの合成
【化22】
【0108】
EtOH(60mL)中におけるN−メチルピペラジン(2.0g、19.97mmol)、トリエチルアミン(3.35mL、23.96mmol)、および無水酢酸(2.3mL、23.96mmol)の溶液を、室温で一晩撹拌した。当該反応混合物を乾固するまで蒸発させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液として、極性を増加させたCH
2Cl
2:MeOH混合物)による当該残留物の精製により、黄色オイルとして所望の生成物を得た(2.16g、76%)。
【0109】
[NMR]
1H-NMR (CDCl
3, 300 MHz) d: 3.65 (t, J= 6.8 Hz, 2H), 3.49 (t, J= 6.8 Hz, 2H), 2.46-2.39 (m, 4H), 2.32 (s, 3H), 2.10 (s, 3H) ppm.
【0110】
b)1−(2−(7−ブロモ−1H−インデン−3−イル)エチル)−4−メチルピペラジンの合成
【化23】
【0111】
−78℃に冷却したTHF(25mL)中における1−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタノン(1.68g、11.8mmol)の溶液に、LDAの溶液(THF中における1.5M、9.8mL、14.75mmol)を加え、結果として得られる混合物を、アルゴン雰囲気下において、−78℃で1時間撹拌した。最後に、THF(50mL)中における4−ブロモインダン−1−オン(1.25g、5.9mmol)の溶液を加え、結果として得られる混合物を−78℃で4時間維持した。当該反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。当該有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、乾固するまで蒸発させた。AcOH:H
2SO
4:H
2O(79mL、85:10:5)中における前の残留物の溶液を、6時間撹拌した。当該反応混合物を水に注ぎ入れ、50%のNaOHで塩基性化し、EtOAcで抽出した。当該有機抽出物を、Na
2SO
4で乾燥させた後、乾固するまで蒸発させた。0℃に冷却したTHF(75mL)中における前の残留物の溶液に、AlH
3−NMe
2Et(トルエン中における0.5M、20mL、10.34mmol)を加え、結果として得られる混合物を5時間撹拌した。当該反応混合物にEtOAc:H
2O(90mL、1:1)を加え、結果として得られる懸濁液をCelite(登録商標)を通してろ過した。当該層を分離し、水相をEtOAcで抽出した。当該有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、乾固するまで蒸発させた。37%のHCl:EtOH(150mL、1:1)中における前の残留物の溶液を一晩還流させた。当該反応混合物を乾固するまで蒸発させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液として、極性を増加させたEtOAc/NH
3:MeOH混合物)による当該残留物の精製により、所望の生成物を得た(981mg、51%)。
【0112】
[NMR]
1H-NMR (CDCl
3, 300 MHz) d: 7.32 (m, 2H), 7.18 (t, J= 7.6 Hz, 1H), 6.30 (s, 1H), 3.31 (d, J= 1.8 Hz, 2H), 2.72 (m, 4H), 2.60 (m, 4H), 2.51 (m, 4H), 2.30 (s, 3H) ppm.
EI-MS m/z: 320.1 (M).
【0113】
c)1−(2−(7−(3−フルオロピリジン−4−イル)−1H−インデン−3−イル)エチル)−4−メチルピペラジンマレエートの合成
【化24】
【0114】
1−(2−(7−ブロモ−1H−インデン−3−イル)エチル)−4−メチルピペラジン(150mg、0.47mmol)、Pd(PPh
3)
4(92mg、0.08mmol)、2−フルオロ−4−ピリジンボロン酸ピナコールエステル(364mg、1.63mmol)、およびトルエン:EtOH(17mL、4:1)中におけるK
2CO
3(4mL)の2M溶液の混合物を、アルゴン雰囲気下において、撹拌しながら1日還流させた。当該反応混合物を水に注ぎ入れ、EtOAcで抽出した。当該水層を2NのNaOHで塩基性化し、EtOAcで抽出した。当該有機層を塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、乾固するまで蒸発させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液として、極性を増加させたEtOAc/NH
3:MeOH混合物)での当該残留物の精製により、所望の生成物を得た(70mg、44%)。アセトン(0.2mL)中におけるマレイン酸(24mg、0.21mmol)を加えることにより、当該生成物を対応するマレイン酸塩へと転化させ、続いて、結果として得られる固体をろ過し、真空下において乾燥させた。
【0115】
[NMR]
1H-NMR (DMSO-d
6, 400 MHz) d: 8.32 (d, J= 5.2 Hz, 1H), 7.62 (dt, J= 5.2, 2 Hz, 1H), 7.53 (dd, J= 7.8, 1 Hz, 1H), 7.50-7.45 (m, 2H), 7.39 (d, J= 7.4 Hz, 1H), 6.43 (s, 1H), 6.12 (s, 2H), 3.54 (s, 2H), 3.29 (m, 8H), 2.85 (m, 2H), 2.79 (m, 2H), 2.70 (m, 3H) ppm.
ESI(+)-HRMS: 338.2025 [M+H]
【0116】
以下の実施例は、示されるように、前述において説明した方法(AまたはB)を用いて得た。
【0117】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【0118】
生物活性
薬理学的研究
脳膜標品およびσ1−レセプターに対する結合アッセイを、いくつかの変更を加えて、(DeHaven−Hudkins,D.L.,LC.Fleissner,and F.Y.Ford−Rice,1992,Characterization of the binding of [
3H](+)pentazocine to σ recognition sites in guinea pig brain,Eur.J.Pharmacol.227,371−378)に記載されているように実施した。モルモット(Guinea pig)の脳を、Kinematica Polytron PT 3000を用いて15000 r.p.mで30秒間、50mMのTris−HClおよび0.32Mのショ糖(pH7.4)の10倍容量(w/v)においてホモジナイズした。当該ホモジネートを1000gにおいて4℃で10分間遠心分離し、上清を収集して、再び48000gにおいて4℃で15分間遠心分離した。当該ペレットを、10倍量のTris−HCl緩衝液(50mM、pH7.4)に再懸濁させ、37℃で30分間インキュベートし、48000gにおいて4℃で20分間遠心分離した。続いて、当該ペレットを新鮮なTris−HCl緩衝液(50mM、pH7.4)に再懸濁させ、使用するまで氷上で保存した。
【0119】
使用する放射性リガンドは、5.0nMの[
3H]−(+)−ペンタゾシンであり、最終体積は200μlであった。およそ5mg/mLの組織正味質量の最終組織濃度において100μlの膜を追加してインキュベートを開始し、インキュベート時間は37℃で150分間であった。インキュベート後、当該膜を、前処理したグラスファイバーフィルタープレート(MultiScreen−FC、ミリポア)上に、ポリエチレンイミン0.1%により収集した。当該フィルターを200μlの洗浄緩衝液(50mMのTris HCl、pH=7.4)で2回洗浄し、次いで25μlのEcoscint H液体シンチレーションカクテルを加えた。マイクロプレートを数時間セットし、続いて液体シンチレーション吸光分光分析法(1450 Microbeta、ウォーレス)により定量化した。1μMのハロペリドールで非特異的結合を特定した。
【0120】
得られた結果のいくつかを表2に示す。
【0121】
【表2-1】
【表2-2】