特許第6243418号(P6243418)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6243418最適認識装置および方法のためのシリアルテキストディスプレイ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243418
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】最適認識装置および方法のためのシリアルテキストディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/14 20060101AFI20171127BHJP
【FI】
   G06F3/14 360A
【請求項の数】49
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-521810(P2015-521810)
(86)(22)【出願日】2013年7月11日
(65)【公表番号】特表2015-523662(P2015-523662A)
(43)【公表日】2015年8月13日
(86)【国際出願番号】US2013050081
(87)【国際公開番号】WO2014011884
(87)【国際公開日】20140116
【審査請求日】2016年7月6日
(31)【優先権主張番号】13/547,982
(32)【優先日】2012年7月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517191334
【氏名又は名称】スプリッツ ホールディング エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マウラー,マイク シュテッフェン
(72)【発明者】
【氏名】クライン,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ワルドマン,フランシス アボット
【審査官】 鈴木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭51−090237(JP,A)
【文献】 国際公開第2002/037256(WO,A2)
【文献】 特開2002−215282(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/051510(WO,A2)
【文献】 特開2011−138234(JP,A)
【文献】 石原 由紀夫、守田 了,読書時の視点移動における時間特性,情報処理学会研究報告,社団法人情報処理学会,2001年 1月19日,Vol.2001 No.4,第33−38頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
3/048 − 3/0489
3/14 − 3/153
17/20 − 17/26
G09G 5/00 − 5/36
5/377 − 5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ディスプレイ上にテキストを表示する方法であって、前記テキストは複数の個々の表示要素に分割可能であり、前記複数の個々の表示要素のうち少なくともいずれかは個々の単語に対応し、前記単語は1以上の文字のセットを含み、前記単語の少なくともいずれかは最適認識位置を有し、前記方法は、
前記電子ディスプレイ上で、前記複数の個々の表示要素のうち少なくともいずれかの前記最適認識位置が前記電子ディスプレイ上の実質的に同一位置(固定表示位置)に表示されるように、前記複数の個々の表示要素を順次表示するステップを有し、
前記表示要素の少なくともいずれかは、前記電子ディスプレイの読み手の視点に沿って前記固定表示位置が前記表示要素の中央から開始位置に向かってオフセットするように表示され
前記最適認識位置は、前記表示要素の長さに基づき定められる
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記表示要素の少なくともいずれかは、3文字超の長さを有する表示要素を含む
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記表示要素の少なくともいずれかは、4文字超の長さを有する表示要素を含む
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、前記固定表示位置をマークする視覚補助を提供するステップをさらに有する
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記視覚補助は、前記固定表示位置の上側および下側の垂直線を有する
ことを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記視覚補助を提供するステップは、前記固定表示位置に表示される文字についてその他文字とは異なる色フォントを用いるステップを有する
ことを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項7】
前記文字は、アルファベット文字、数字、記号を含むグループのなかの少なくともいずれかである
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記最適認識位置は、表示要素内の文字(最適認識位置文字)として識別され、
前記最適認識位置文字は、前記固定表示位置に表示される
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記表示要素内の総文字数は、3、4、または5であり、
前記最適認識位置文字は、前記表示要素内の2番目の文字である
ことを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記表示要素内の総文字数は、6、7、8、または9であり、
前記最適認識位置文字は、前記表示要素内の3番目の文字である
ことを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項11】
前記表示要素内の総文字数は、10、11、12、または13であり、
前記最適認識位置文字は、前記表示要素内の4番目の文字である
ことを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項12】
前記テキストは、少なくとも単語と文にパースされ、
前記方法はさらに、第1文の終端と第2文の開始との間のブランク要素を、少なくとも部分的に前記第1文の単語数に基づき定められる表示時間だけ表示するステップを有する ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記第1文内の単語数が第1所定数以下である場合、前記ブランク要素の表示時間は第1量であり、
前記第1文内の単語数が前記第1所定数超である場合、前記ブランク要素の表示時間は少なくとも第2量であり、前記第2量は前記第1量よりも大きい
ことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記単語数が第2所定数超である場合、前記ブランク要素の表示時間は少なくとも第3量であり、
前記第3量は前記第2量よりも大きく、前記第2所定数は前記第1所定数よりも大きい ことを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記第1所定数は12であり、前記第2所定数は22である
ことを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項16】
13文字超の単語は、少なくとも第1および第2表示要素へ分割され、前記第1表示要素は前記単語の第1部分とハイフンを含み、前記第2表示要素は前記単語の第2部分を含み、前記方法はさらに、
前記第1表示要素と前記第2表示要素を順次表示するステップを有する
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項17】
テキストデータを処理して電子ディスプレイ上におけるシリアルテキスト提示のために用いることができる処理済テキストを取得する、コンピュータ実装された方法であって、前記方法の各ステップは1以上のコンピュータを使用し、前記方法は、
前記テキストデータをパースして少なくとも単語と文を識別するステップ、
前記テキストデータから識別した個々の単語を表示するための個々の表示要素を生成するステップ、
個々の表示データを個々の前記表示要素と対応付けるステップであって、個々の前記表示データは、個々の前記表示要素のうち少なくともいずれかについて最適認識位置が前記電子ディスプレイ上の同一位置(固定表示位置)に表示されるように個々の前記表示要素を表示するために用いることができる、ステップ、
前記電子ディスプレイ上で個々の前記表示要素を表示するために個々の前記表示要素と個々の前記表示データを電子通信するステップ、
を有し、
前記最適認識位置は、前記表示要素の長さに基づき定められる
ことを特徴とする方法。
【請求項18】
前記表示要素の少なくともいずれかは、3文字超の長さを有する表示要素を含む
ことを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記表示要素の少なくともいずれかは、4文字超の長さを有する表示要素を含む
ことを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項20】
複数のブランク要素を生成するステップであって、前記ブランク要素は第1文の終端と第2文の開始との間に表示される、ステップ、
前記第1文の単語数を判定するステップ、
前記第1文の単語数を用いて前記ブランク要素の相対表示時間パラメータを判定するステップであって、前記第1文の単語数が第1所定数以下である場合は前記ブランク要素の相対表示時間は第1量であり、前記第1文の単語数が前記第1所定数よりも多い場合は前記ブランク要素の相対表示時間は少なくとも第2量であり、前記第2量は前記第1量よりも大きい、ステップ、
前記ブランク要素と前記ブランク要素の前記相対表示時間パラメータをデータセットに対して追加し、前記ブランク要素を前記ブランク要素の前記相対表示時間パラメータと対応付けるステップ、
を有することを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項21】
前記第1文の単語数が第2所定数超である場合、前記ブランク要素の前記相対表示時間は少なくとも第3量であり、
前記第3量は前記第2量よりも大きく、前記第2所定数は前記第1所定数よりも大きい ことを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記第1所定数は12であり、前記第2所定数は22である
ことを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記表示データは、前記表示要素の最適認識位置文字を識別するデータを含み、
前記最適認識位置文字は、前記固定表示位置に表示される
ことを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項24】
前記表示要素内の総文字数は、3、4、または5であり、
前記最適認識位置文字は、前記表示要素内の2番目の文字である
ことを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記表示要素内の総文字数は、6、7、8、または9であり、
前記最適認識位置文字は、前記表示要素内の3番目の文字である
ことを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記表示要素内の総文字数は、10、11、12、または13であり、
前記最適認識位置文字は、前記表示要素内の4番目の文字である
ことを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項27】
個々の前記表示要素を生成するステップは、13文字超の単語を少なくとも第1および第2表示要素へ分割するステップであって、前記第1表示要素は前記単語の第1部分とハイフンを含み、前記第2表示要素は前記単語の第2部分を含む、ステップを有する
ことを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項28】
電子ディスプレイ上にテキストを表示するコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品は、コンピュータ読取可能媒体に格納された実行可能命令を備え、前記テキストは複数の表示要素に分割可能であり、前記複数の表示要素のうち少なくともいずれかは単語に対応し、前記単語は1以上の文字のセットを含み、前記単語の少なくともいずれかは最適認識位置を有し、前記実行可能命令は、
前記電子ディスプレイ上で、前記複数の表示要素のうち少なくともいずれかの前記最適認識位置が前記電子ディスプレイ上の実質的に同一位置(固定表示位置)に表示されるように、前記複数の表示要素を順次表示するステップを有し、
前記表示要素のうち少なくとも4文字超のものについては、前記電子ディスプレイの読み手の視点に沿って前記固定表示位置が前記表示要素の中央から開始位置に向かってオフセットするように表示され
前記最適認識位置は、前記表示要素の長さに基づき定められる
ことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項29】
前記表示要素の少なくともいずれかは、3文字超の長さを有する表示要素を含む
ことを特徴とする請求項28記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項30】
前記表示要素の少なくともいずれかは、4文字超の長さを有する表示要素を含む
ことを特徴とする請求項28記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項31】
前記命令は、前記固定表示位置をマークする視覚補助を提供するステップをさらに有する
ことを特徴とする請求項28記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項32】
前記視覚補助は、前記固定表示位置の上側および下側の垂直線を有する
ことを特徴とする請求項31記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項33】
前記文字は、アルファベット文字、数字、記号を含むグループのなかの少なくともいずれかである
ことを特徴とする請求項28記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項34】
前記命令は、前記最適認識位置を表示要素内の文字(最適認識位置文字)として識別するステップを有し、
前記命令は、前記最適認識位置文字を前記固定表示位置に表示するステップを有する
ことを特徴とする請求項28記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項35】
前記表示要素内の総文字数は、3、4、または5であり、
前記命令は、前記最適認識位置文字を前記表示要素内の2番目の文字として認識する
ことを特徴とする請求項34記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項36】
前記表示要素内の総文字数は、6、7、8、または9であり、
前記命令は、前記最適認識位置文字を前記表示要素内の3番目の文字として認識する
ことを特徴とする請求項34記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項37】
前記表示要素内の総文字数は、10、11、12、または13であり、
前記命令は、前記最適認識位置文字を前記表示要素内の4番目の文字として認識する
ことを特徴とする請求項34記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項38】
電子ディスプレイ、
テキストデータの単語を順次表示するように構成されたディスプレイプロセッサであって、前記単語のうち少なくともいずれかは、前記電子ディスプレイ上の固定表示位置に表示される最適認識位置とともに表示され、前記固定表示位置は、前記単語が表示されるときの開始位置に向かって前記単語の中央からオフセットされている、ディスプレイプロセッサ、
を備え
前記最適認識位置は、前記単語の長さに基づき定められる
ことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項39】
前記単語の少なくともいずれかは、3文字超の長さを有する
ことを特徴とする請求項38記載のディスプレイ装置。
【請求項40】
前記単語の少なくともいずれかは、4文字超の長さを有する
ことを特徴とする請求項38記載のディスプレイ装置。
【請求項41】
前記単語の最適認識位置は、前記単語の特定文字として認識される
ことを特徴とする請求項38記載のディスプレイ装置。
【請求項42】
前記単語の最適認識位置は、前記単語の全ピクセル幅に対する比率位置として認識される
ことを特徴とする請求項38記載のディスプレイ装置。
【請求項43】
電子ディスプレイ上にテキストデータの単語を順次表示する手段、
前記単語の最適認識位置が前記電子ディスプレイ上の同一位置(固定表示位置)に提示されるように、前記単語のうち少なくともいずれかを表示する手段、
を備え
前記最適認識位置は、前記単語の長さに基づき定められる
ことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項44】
前記テキストデータを少なくとも単語と文へパースする手段、
第1文と第2文との間にブランク要素を表示する手段であって、前記ブランク要素の表示時間が前記第1文内の単語数に少なくとも部分的に依拠する、手段、
を備えることを特徴とする請求項43記載のディスプレイ装置。
【請求項45】
前記方法はさらに、前記複数の表示要素それぞれを、個々の前記表示要素内の文字長(表示要素長)に少なくとも部分的に依拠する表示時間だけ表示するステップを有する
ことを特徴とする請求項1から11いずれか1項記載の方法。
【請求項46】
前記テキストは、少なくとも単語と文にパースされ、
前記方法はさらに、第1文の終端と第2文の開始との間に、前記第1文の単語数によって少なくとも部分的に定められる表示時間だけ、ブランク要素を表示するステップを有する
ことを特徴とする請求項2から11いずれか1項記載の方法。
【請求項47】
13文字超の単語は第1および第2表示要素に分割され、
前記第1表示要素は前記単語の第1部分とハイフンを含み、
前記第2表示要素は前記単語の第2部分を含み、
前記方法はさらに、前記第1表示要素と前記第2表示要素を順次表示するステップを有する
ことを特徴とする請求項1から15いずれか1項記載の方法。
【請求項48】
前記命令はさらに、前記テキストを複数の表示要素へ分割するステップを有する
ことを特徴とする請求項28から37いずれか1項記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項49】
前記命令はさらに、前記テキストを複数の表示要素へ分割するステップを有し、
前記テキストを複数の表示要素へ分割するステップは、13文字超の単語について、少なくとも第1および第2表示要素へ分割するステップを有し、前記第1表示要素は前記単語の第1部分とハイフンを含み、前記第2表示要素は前記単語の第2部分を含む
ことを特徴とする請求項28から37いずれか1項記載のコンピュータプログラム製品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ディスプレイにおける読み取りを改善することができる装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
技術(デジタル)が大きく進歩したにも関わらず、テキスト情報の表示は基本的に変わっていない。テキストは通常ライン上に表示され、読み手の眼は単語から単語へ順に移動する。眼が移動する(サッカード)毎に、眼を新しい単語へ再固定してその単語を認識し意味を解釈するための時間を要する。この固定時間は、単語毎に平均約240ミリ秒(ms)である。コンテンツを解釈するために用いられる時間は、固定時間の20%に過ぎない。サッカードが正しい固定点に到達しない場合もよくあり、したがって単語を読むために改めて眼を動かす必要がある。
【0003】
サッカードを減少させるディスプレイ技術として、Rapid Serial Visual Presentation(以下RSVPと呼ぶ)がある。RSVPは、ディスプレイ上で1単語ずつテキストを提示する技術として、1970年代に初めて導入された。以後様々なアプリケーションにおいて、RSVPを用いることに関する多くの参照情報が提供されてきた。RSVPに基づく商用利用可能な製品として、「Zap Reader」(www.zapreader.com/reader)と「Spreeder」(www.spreeder.com)がある。単語長と単語タイプ(McIan等の米国特許第6,130,968号(McIan))および単語頻度(Goldstein等の国際公開特許WO/37256号(Goldstein2002))に基づきディスプレイ上の単語の表示時間を変化させることにより、RSVPの効率を改善するための従来手法が存在する。これら技術は表示されているテキストの理解を改善するのに有用であるが、RSVPディスプレイに単語を提示する間におけるサッカード移動を最小化する手法についてこれら文献は開示していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
RSVPはサッカードを減少させるが、完全には除去しない。RSVPに関する従来手法において、各単語(または実装によっては複数単語)がディスプレイの中央に配置される。しかし単語認識に関するこれまでの研究によれば、眼は中央左側の文字に固定される傾向がある。O’Reganは、11文字までの範囲にわたる単語の固定点に関して実験を実施した。これによれば、単語認識(理解の速さ)は、単語が現れたとき目が固定される単語中の位置に強く依拠することが明らかとなった(“Convenient Fixation Location Within Isolated Words of Different Length and Structure”,J.K.O’Regan et al.in Journal of Experimental Psychology,1984,Vol.10,No.2,250−257(O’Regan))。BrysbaertとNazir(“VISUAL CONSTRAINTS IN WRITTEN WORD RECOGNITION:EVIDENCE FROM THE OPTIMAL VIEWING POSITION EFFECT”,paper by Marc Brysbaert,Royal Holloway,University of London and Tatjana Nazir,Universite Lyon 1,contact address:Marc Brysbaert Royal Holloway,University of London,Department of Psychology Egham TW20 OEX,United Kingdom,marc.brysbaert@rhul.ac.uk)(Brysbaert and Nazir)によれば、読取速度を最大化する最適な視点位置が存在し、また3文字、5文字、7文字、9文字の単語について実験によりこの視点位置を判定した。しかしこの研究はRSVPへ適用されておらず、また実際のRSVPアプリケーションにおいて用いるには情報が不十分である。したがって本発明の実施形態は、4文字、6文字、8文字、10〜13文字の単語についてORP文字位置を確定した本願発明者等の発明に依拠する。
【0005】
3文字超の単語は、中央文字の左に最適固定点を有している。この点において単語認識のため必要な時間が最短となる。この最適点から1文字外れる毎に、20ミリ秒(ms)の語彙判定時間または理解待ち時間がさらに必要となる。Raynerは同様の研究を実施し、固定点の左側4文字から右側15文字までにおいて単語に関する情報が得られることが分かり、知覚範囲は20文字であった(Keith Rayner et al.,“Asymmetry of the effective visual field in reading”,in Perception and Psychophysics,1980,27(6),537−534(“Rayner1980”))。Hyrskytar(Hyrskykari,Aulikki,“Eyes in Attentive Interfaces:Experiences from Creating iDict,a Gaze−Aware Reading Aid”,Academic Dissertation,Department of Computer Sciences,University of Tampere,in Dissertations in Interactive Technology,Number 4,Tampere 2006,pg 49)とDanhaene(Dehaene,Stanislas,“Les Neurones de la Lecture”,Editions Odile Jacob,France,Sep 2007)によれば、サッカード移動がない単語の最大文字長は20文字である。しかしRaynerのさらなる研究によれば、総文字数が13文字を超えると単語の理解は著しく減退する(Rayner,K.“Eye movements and cognitive processes in reading,visual search,and scene perception” In J.M.Findlay,R.Walker,& R.W. Kentridge(Eds.),Eye movement research:Mechanisms,processes and applications(pp.3−22).Amsterdam:North Holland,1995(Rayner1995))。
【0006】
したがって、13文字までの単語であれば、単語の中央から開始位置側の特定文字上に位置する単一の固定点により良好に認識することができる(例えば左から右へ読む言語であれば中央文字の左側)。13文字超の単語は少ないので(Sigurdによれば、英語においては13文字超の単語は0.4%に過ぎない:Sigurd,B.et al,“Word Length,Sentence Length and Frequency−ZIPF Revisited”,Studia Lingustica 58(1),pp37−52,Blackwell Publishing Ltd,Oxford UK,2004)、ほとんどの単語について固定点の右側の文字数を8文字までにすることが望ましい。
【0007】
単語認識に関する従前の研究のなかでRSVPに対して適用されたものは存在しない。従来のRSVPにおいて、異なる長さの単語がディスプレイ中央に順次表示されると、最適固定点はシフトする。これにより眼は最適固定点へシフトするので、サッカード移動が生じる。読み手は、前の単語とは長さが異なる新たな単語が現れる毎に、ディスプレイ上で改めて焦点を合わせる必要がある。読み手の眼は最適点を見つけるため文字から文字へと移動し、これはリカバリサッカードと呼ばれる。また短い単語の後に長い単語が現れると、サッカード移動方向は右から左となる。従来のパラグラフディスプレイにおいてテキスト行を読むとき、ほとんどのサッカード移動は左から右であり、したがって読み手はそのような眼移動に慣れている。まれに最適固定点が直接的に見つからない場合、読み手は右から左へ眼を戻す。したがって従来のRSVPは、読み手に通常とは異なるサッカード移動をさせることになる。従来のRSVPアプローチは、この課題に対する解決手段を提供していない。
【0008】
RSVPにおけるリカバリサッカードを防ぎまたは最小化するため、最適固定点がディスプレイ上でシフトしないように各単語を表示することが望ましい。これにより読み手の焦点は最適固定点に固定され、これは総文字数または単語幅により定まる各単語上の特定点である。この最適認識位置を以後「ORP」と呼ぶ。最適認識位置は、単語が順次提示されたとき読み手の眼がその場所にフォーカスされるように、ディスプレイ上で識別される。ORPを組み込んだRSVPを、以下では「ORP−RSVP」と呼ぶ。ORP−RSVPによれば、テキストをより速い速度で提示することができる。その提示の間にサッカードが生じないからである。またサッカードをなくすことにより、眼の疲れが少なくなりより快適になる。その結果、ユーザはより良い読み体験を得ることができる。
【0009】
多くのアプリケーション領域において、ORP−RSVPによる利点がある。これにより非常に小さいディスプレイ上でより多くの情報をより速く提示することができる。ORP−RSVPは、長テキストをより速く読むコンピュータにおいてのみならず、ポータブル電子デバイス上においても利用することができる。例えば携帯電話、スマートフォン、マルチメディアプレイヤ、eリーダ、タブレット/タッチパッド、ラップトップPC、その他通信デバイスである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の1実施形態は、電子ディスプレイ上にテキストを順次表示する方法を提供する。前記方法は、表示する複数単語について最適認識位置を識別するステップ、各単語の前記最適認識位置が前記電子ディスプレイ上の固定表示位置に表示されるように前記複数単語を順次表示するステップ、を有する。1実施形態において、前記最適認識位置は前記単語の文字として識別される。他実施形態において、前記最適認識位置は前記単語のピクセル幅に対する比例位置として識別される。実施形態において、視覚補助器を用いて前記固定表示位置をマークし(例えばハッシュマーク)、および/または前記単語内の最適認識位置をマークする(例えば異なるカラーのフォント)。
【0011】
本発明の実施形態は、少なくとも部分的に単語長に基づいて各単語について相対表示乗数を用いるステップを有する。前記相対表示乗数は、前記単語の表示時間を判定する際に用いられる。本発明の実施形態において、第1文と第2文との間にブランク要素が挿入され、前記第1文の単語長に応じて変化する時間長だけ表示される。本発明の実施形態において、13文字超の単語については、前記単語の第1部分は第1表示要素として表示され(ハイフンとともに)、前記単語の第2部分は第2表示要素として表示される。
【0012】
実施形態は、本発明の原理にしたがってテキストを表示する命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。実施形態は、本発明の原理にしたがって表示するテキストを準備しストリーミングする命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。実施形態は、本発明の原理にしたがってシリアルテキスト表示を実施するように構成された装置を提供する。実施形態は、本発明の原理にしたがって表示するテキストを準備しストリーミングするように構成された装置を提供する。
【0013】
これらおよびその他実施形態について以下に詳述する。
【0014】
本発明の新規な特徴は、特許請求範囲に記載される。ただし説明のため、本発明の特定実施形態について以下の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係るテキストディスプレイシステムを示す。
【0016】
図2a図2a〜図2dは、図1の実施形態の表示部を示す。図2aと図2bは、テキストを提示する前における表示領域の例を示す。
図2b図2aと図2bは、テキストを提示する前における表示領域の例を示す。
図2c図2cと図2dは、異なる長さの単語を表示する2例を示す。
図2d図2cと図2dは、異なる長さの単語を表示する2例を示す。
【0017】
図3】本発明の実施形態のアーキテクチャブロック図を示す。
【0018】
図4図3の実施形態のフローチャートアーキテクチャ図を示す。
【0019】
図5a】表示要素(テキストとブランク要素)の表示時間乗数を示す。
図5b】表示要素(テキストとブランク要素)の表示時間乗数を示す。
【0020】
図6】本発明の実施形態に係るテキストプリプロセスのフローチャートである。
【0021】
図7】本発明の実施形態に係るテキスト表示処理のフローチャートである。
【0022】
図8】本発明の別実施形態に係るテキスト処理および表示のフローチャートである。
【0023】
図9】本発明の実施形態に係るディスプレイを示す。ユーザコントロールとインディケータを併せて示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の説明は、当業者が本発明を作成および使用するために提示するものであり、特定アプリケーションおよびその要件に関する文脈のなかで提示する。実施例に対する様々な変更ができることは当業者にとって明らかであり、本明細書が規定する一般的原理は本発明の要旨から逸脱することなくその他実施形態やアプリケーションに対して適用することができる。したがって本発明は、説明する実施形態に限定することを意図したものではなく、本明細書が説明する原理や特徴に合致する最も広い範囲で解釈されるべきである。
【0025】
図1は、本発明の実施形態に係るテキストディスプレイシステム2000を示す。本実施形態において、テキストディスプレイシステムはエンドユーザデバイス210上に実装される。エンドユーザデバイス210は、コンピュータプログラム製品211によって構成され、本発明の実施形態を実装する。
【0026】
エンドユーザデバイス210は、ディスプレイ205を備える。コンピュータプログラム製品211は、ディスプレイ205のRapid Serial Visual Presentation(RSVP)表示領域200(便宜上、以下では「RSVPディスプレイ200」とする)上でテキストを順次提示するようにデバイス210を構成する。ユーザデバイス210は、テキスト表示を制御することができる任意タイプの電子デバイスを含む。例として、デスクトップコンピュータや、携帯電話、スマートフォン、マルチメディアプレイヤ、eリーダ、タブレット/タッチパッド、ノートブック、ラップトップPC、その他通信デバイスなどのポータブル電子デバイスがある。実施例において(例えばスマートフォンやeリーダ)、ディスプレイ205はデバイス210のその他部分とともにパッケージ化することができる。他実施例において、別のディスプレイデバイス(例えばモニタ)をデバイス210に取り付けることができる。図示する実施形態はRSVPディスプレイ200周りの図形的境界を示しているが、RSVPディスプレイ200は単にディスプレイ205上におけるテキストが実施形態に基づき順次提示される領域(例えばウインドウ)のことを指す。特定の実施例において、RSVPディスプレイ200は図形的境界によって区切ってもよいし、区切らなくてもよい。
【0027】
1実施形態において、ユーザデバイス210は通常のコンピュータ部品を有する。これはプロセッサ、メモリ、入力/出力サブシステムを含む。図示する実施形態において、コンピュータプログラム製品211はメモリへ読み出され(図示していない)、本発明に基づきデバイス210を構成する。1実施形態において、テキストデータはメモリへ読み出され、以下に説明する用にデバイス210はこれを処理および表示する。テキスト処理および表示のためメモリに読み出されたテキストデータは、デバイス210などのユーザデバイス上の永続記憶装置から取得され、および/またはインターネット102(またはその他コンピュータネットワーク)への接続を介して1以上のサーバコンピュータ101から受信される。別実施形態において、本明細書が説明する原理に基づくテキストデータ表示の少なくともいずれかのプロセス/プリプロセスは、サーバコンピュータ101などの1以上のリモートコンピュータによって実施し、エンドユーザデバイス210へ送信してディスプレイ205のRSVPディスプレイ200上で表示することができる。この実施形態において、本発明の実施形態を実装するコンピュータプログラム製品211などのコンピュータプログラム製品の一部または全部は、サーバコンピュータ101などのエンドユーザデバイス210から離れた1以上のコンピュータ上に配置することができる。実施形態において、リモートコンピュータ上にコンピュータプログラム製品全体を格納および実行し、その結果をユーザデバイス210のブラウザアプリケーションコンポーネント(例えばメディアプレイヤアプリケーション)内で提示することができる(ブラウザアプリケーションとメディアプレイヤアプリケーションは図示していない)。
【0028】
本発明の実施形態において、テキスト(例えば、単語、数値、句読点と記号の組み合わせなどを構成する文字列(例:文字、数字、記号など)を含む)はRSVPディスプレイ200内で順次提示される(例えば1度に1単語)。本明細書における「表示要素」は、RSVPディスプレイ200内に同時に表示されるテキストデータのグループのことを指す。換言すると表示要素は、順次表示される。本明細書の主実施形態において、表示要素は一般に1単語によって構成される。ただし別実施形態において、2単語を単一表示要素として提示することもできる。また主実施形態において、2単語が単一表示要素の一部である場合もある。例えば数値「9」が「feet」とともに表示されるとき、テキスト「9 feet」は単一表示要素を構成し、併せて提示することができる。
【0029】
また実施形態において、13文字超の長さを有する単語は、第1表示要素と第2表示要素へ分割され、当該単語の第1部分が最初に表示され(ハイフンとともに)、第2部分が次に表示される。
【0030】
本発明の実施形態において、各表示要素の実験的に定められた最適認識位置(ORP)が、RSVPディスプレイ200の固定位置において提示される。例えば複数単語内の各単語は、ORPがディスプレイ200内の固定表示位置に表示されるように、ディスプレイ内で順次提示および配置される。これにより各単語の認識は、読み手のサッカードが最少で可能となる。
【0031】
以下ではORP文字位置法と呼ぶ第1実施形態において、最適認識位置は、特定文字がORP内に配置されるように単語を配置することにより、実験的に定められる。この文字を以下ではORP文字と呼び、その位置は単語の開始位置から指定される。Brysbaert and Nazirは、文字長3、5、7、9の単語についてのみORP文字位置を推奨している。本発明の実施形態は、文字長4、6、8、10〜13の単語についてORP文字位置を定めている。ORP文字位置に基づく比率を生成し、文字長3、5、7、9の単語について定められた値の間を補間し、文字長10〜13の単語について推定する。このORP文字位置比率は、以下の数式により定められる:
ORP文字位置比率=(ORP文字位置ー1)/テキスト文字総数
文字長4、6、8、10〜13の単語についてのORP文字位置の値は、ORP文字位置比率を0.20〜0.33に保って上記数式を適用することにより定められる。得られるORP文字位置の値(表1に概略を示す)は、本実施形態に基づき表示するテキストを用いて本発明者等により20被験者について実験的にテストされ確認された。表1は、総文字数3から13まで(20文字は超えない)のORP文字位置の概略を示す(注:ここでいう「文字」、すなわち単語表示要素内における文字数をカウントするためのものは、単語そのものの一部(例えば字)のみを含み、句読点は含まない。ただし図6の説明においては、テキストは句読点が単語の同一表示要素の一部に含まれるものとしてパースされる。)。ORP文字位置は、総文字数が3文字から増えると、単語の中央から順次シフトする。
【表1】
【0032】
表1は全文字に基づきORPの値セットを特定しているが、表示要素のピクセル幅の比率としてORPを定める他実施形態も可能である。その実施形態において(図8で詳述する)、表示要素の開始エッジにおける最初のピクセルを配置する固定表示位置からのピクセルオフセットを示すオフセットを計算する(「開始」は、単語の言語に基づく読み方向において読み手が読む視点の開始位置のことを指す。例えば英語であれば、表示要素の左エッジが「開始」位置となる。)。
【0033】
表1におけるORP文字位置比率値の平均は、平均ORP文字位置比率0.265である。これを用いて、テキスト内におけるORPから最初のピクセルまでのピクセル数の観点から、テキストを配置するORPオフセットを定めることができる。これは以下の数式に基づく:
ORPオフセット=(幅×平均ORP文字位置比率)+(0.5×平均文字幅)
幅は、テキスト(例えば表示する単語)の総ピクセル幅である。平均文字幅は、幅をテキスト内の文字数で除算したものである。これにより、比例的にスペースを有するフォントを用いることができる。幅と平均文字幅はともに、文字の組み合わせに応じて変わるからである。他実施形態において、ORP文字位置値の別の数式または別の配置を用いることもできる。このORP位置比率法(オフセット法と呼ぶ場合もある)において、最適認識位置は単語の開始位置からの表示要素の幅の特定比率における位置に定め得ることに留意されたい。この位置を「最適比率位置」と呼ぶ。
【0034】
本明細書において、「長さ」は文字の観点から単語の長さを表し、単語数の観点から文の長さを表すために用いているが、一方で「幅」はピクセルの観点から単語の文字幅を表すために用いている。ただし本文脈における「幅」「長さ」はともに、読む方向に対して平行に延伸する次元を指すという意味において、単語と文字の同じ「次元」を指す。
【0035】
図2aは、本発明の第1実施形態に基づく基本的なORP−RSVPディスプレイ200を示す。ORP−RSVPディスプレイ200は、サッカードなしで文字長20までのテキストに適合することができる。ただし理解を促進するため、13文字までの表示に限定することが望ましい。13文字超の単語は、2つの連続セグメントとしてハイフンにより分割し表示することができる。研究によれば、約2/3のユーザは単語全体を単一表示するよりもハイフン分割を好む。固定表示位置201は、少なくとも4文字がその左側に配置できるようにディスプレイ200内に配置され、ハッシュマーク202で識別される。例えば円、色、模様などのその他識別子を用いることもできる。図2bは、単語が順次提示される前に回転矢印203を用いてユーザの眼を固定表示位置201へフォーカスさせるよう促す様子を示す。カウントダウンインディケータ204を利用して、単語が順次提示され始めるまでの時間を示唆することもできる。
【0036】
図2cは、ORP−RSVPディスプレイ200において単語「present」を配置した様子を示す。順次提示が開始すると、最初の単語がORP−RSVPディスプレイ200に表示され、ORP文字205は固定表示位置201に配置される。図2cの例において、単語「present」の総文字数は7であり、表1に基づき3番目の文字「e」が固定表示位置201に配置される。色つきフォント(例えば赤フォント)を利用して、図2cに示すようにORP文字205を強調することもできる。図2dは、より長い単語「presentation」を表示している様子を示す。5番目の文字がORP文字205であり、固定表示位置201に表示されている。
【0037】
図3は、本発明の実施形態に基づくコンピュータアプリケーション300のブロック図である。これは、デジタルプロセッサ、メモリ、ディスプレイ(および/または別ディスプレイと通信するように構成されたもの)を備える電子デバイス上で利用することができる。コンピュータアプリケーション300は、ディスプレイ205などのディスプレイにおけるORP−RSVPディスプレイ200などのORP−RSVPディスプレイ上でテキスト表示を実現するように設計されている。ユーザインターフェースサブシステム301は、グラフィカルウィンドウシステムを通じてユーザインタラクション機能を提供する。これは、ウィンドウ、メニュー、ダイアログなどの機能、マウス、キーパッド、タッチパッド、タッチスティック、ジョイスティック、タッチスクリーン、自然ユーザインターフェースなどの入力デバイスからの入力選択手段、または音声認識システムを含む。ユーザインターフェース301により、ユーザは標準フォーマットまたは必要なORP表示フォーマットへプリプロセスされたテキスト形式で表示するテキストを選択し、さらに表示設定を作成もしくは変更することができる。アプリケーション300が処理するテキストは、様々な標準フォーマットでメモリ302内に格納することができる。例えばxml、txt、pdf、docなどである。ORPテキストプロセッササブシステム303は、格納されているテキストをORPディスプレイプロセッサ307が表示するために必要な形式へ変換する。ORPテキストプロセッササブシステム303は、テキストパーササブシステム304、表示要素構築器305、処理済テキストを表示要素として表示パラメータとともに格納するデータリポジトリ306、を備える。ORPディスプレイプロセッササブシステム307は、メモリ内のデータリポジトリ306または格納されているORPファイル311からテキストを取得し、電子デバイスディスプレイ205上のORP−RSVPディスプレイ200においてRSVP提示するための準備をする。本例においてORPディスプレイプロセッサ307はさらに、ディスプレイ設定モジュール308を備える。これによりユーザは、平均単語表示速度/分や平均単語表示時間などのディスプレイ設定を作成または変更することができる。
【0038】
図4は、図3のコンピュータアプリケーション300の情報処理を実装した処理400のハイレベルフローチャートを示す。ユーザはステップ401においてマニュアル入力を提供し、ユーザインターフェース301(図3参照)はこれを受け取る。ステップ401のユーザマニュアル入力に応じて、ステップ402において提示するテキストが選択される。例えばマウス、キーパッド、タッチスクリーンを用いて、リストからテキストファイルを選択することができる。現在表示しているフルテキストから選択することもできる。本例において、表示のため選択するテキストは電子デバイス上に格納されているものと想定する。ステップ403において、格納されているテキストデータを取得する。別実施例において、テキストはリモートデバイスから取得することもできる。ORPテキストプロセッサ303はステップ404を開始してデータを読み出し、テキストパーサ302を用いてテキストをパースし、セクション(例えば段落、章など)、文、単語、数値、句読点などを識別する。表示要素構築器305はステップ405を開始し、表示要素の配列シーケンスを生成する。これは各文の最後にブランク要素を挿入することを含む。
【0039】
ステップ405においてさらに、各表示要素の表示時間に関するパラメータを計算する。他実施形態において、各要素を同時間表示することもできるが、実験によれば長い単語については表示時間を長くすると理解し易い。また実験によれば、長い文についてはポーズ時間を長くすると理解し易い。
【0040】
図5aは、テキスト要素表示乗数502の推奨値セットを、テキスト要素文字長501の関数として示す。図5bは、ブランク要素表示乗数504の推奨値セットを、文のテキスト要素個数503の関数として示す。計算した表示パラメータは配列の各表示要素について格納され、ステップ406においてメモリ内で整形され、ファイル311として不揮発メモリ内に格納される。
【0041】
図4に戻って、ユーザマニュアル入力401によりステップ407において選択された表示速度の設定に基づき、ステップ408において各表示要素の表示時間パラメータを調整する。上記のようにORPディスプレイプロセッサ307はディスプレイ設定モジュール308を備え、ディスプレイ設定モジュール308はユーザがあらかじめ選択したプロファイルなどの表示設定を格納する。速度設定に加えて、表示設定はその他設定に関するオプションを含むことができる。例えば初期表示速度(最初は低速から開始して高速設定へ向かう)、ディスプレイ背景色、ORPインディケータのテクスチャ色、テキストフォントのタイプとサイズなどである。ORPディスプレイプロセッサ307はステップ409を実施し、ORP文字位置法を用いる場合は電子デバイスディスプレイ205上のORP−RSVPディスプレイ200の固定表示位置201に配置されたORP文字とともに、あらかじめ調整した時間だけ各表示要素を順次表示する。ORP比率位置法を用いる場合、ORPディスプレイプロセッサ307はステップ409を実施し、あらかじめ調整した時間だけ各表示要素を順次表示し、最初の文字はその特定表示要素について計算したORPオフセットに等しい距離だけ固定表示位置201から離れた場所に配置される。
【0042】
図6は、処理600のフローチャートを示す。本フローチャートは、図3の実施形態のコンピュータアプリケーション300が実施する処理の詳細を示す。処理600は、図3のORPテキストプロセッサ303によって実施される。ステップ601において、テキストを受け取る。ステップ602において、表示要素とその表示パラメータのペアを整列した配列の初期値を生成する。テキスト内の単語数のカウンタ(wit)と相対テキスト時間(rtd)を0に初期化する。ステップ603において、テキストをパースして文へ分解し、各文の最後にブランク要素を挿入する。ステップ604において文を選択し、ステップ605においてその文を処理する(最初の処理ループにおける最初の文、またはステップ625の後の次文)。その文をステップ605において単語に分割し、文内単語数カウンタ(wis)をゼロに初期化する。ステップ606において単語を選択し、ステップ607においてその単語を処理する(特定文の最初の処理ループにおける最初の単語、またはステップ616の後の次単語)。その単語について、ステップ607において句読点を除いた単語長(wl)を計算する。本実施形態において、表示乗数を計算し最適認識位置文字またはオフセットを判定するため(後述する)、wlは句読点を含めずに計算される。別実施形態において、句読点(または特定タイプの句読点)を利用して特定の表示パラメータを計算することもできる。実験結果によれば、句読点におけるファクタリングは読取結果に対してある程度有用である。
【0043】
ステップ608において、wlの値に基づき乗数(m)をセットする。適切なmの値が選択されるまで、wlを順次テストする。ステップ608において特定したmの値は実験的に定められるが、他実施形態においてその他の値を利用し、可変長単語について追加表示時間を提供することもできる。ステップ609において、wlが13超であるか否かを判定する。ステップ609の結果がyesである場合、ステップ610においてmを1.6にセットする。ステップ609の結果がnoである場合、ステップ611においてwlが7超であるか否かを判定する。ステップ611の結果がyesである場合、ステップ612においてmを1.3にセットする。ステップ611の結果がnoである場合、ステップ613においてmを1.0にセットする。mがセットされると(ステップ610、612、または613)、ステップ614において表示要素がブランク要素であるか否か(wl=0)をテストする。ステップ614の結果がnoである場合、ステップ615においてカウンタwisとwitを1増やし、カウンタrtdをmの値だけ増やす。ステップ616において次の単語を選択し、処理600はステップ606へ戻って次の単語を処理する。
【0044】
ステップ614の結果がyesである場合(すなわち現在の表示要素がブランク要素である)、文の終端に達している(ステップ603において文間にブランク要素を挿入しているので)。ステップ617において、wisの値に基づきブランク要素乗数をセットする。適切なmの値が選択されるまで、その値を順次テストする。ステップ617におけるwisの閾値と対応するmの値は実験的に定められるが、他実施形態においてその他の値を利用し、可変長文のブランク要素について追加表示時間を提供することもできる。ステップ618において、wisが22超であるか否かを判定する。ステップ618の結果がyesである場合、ステップ619においてmを3.3にセットする。ステップ618の結果がnoである場合、ステップ620においてwisが7超であるか否かを判定する。ステップ620の結果がyesである場合、ステップ621においてmに2.2をセットする。ステップ620の結果がnoである場合、ステップ622においてmに1.0をセットする。文末のブランク要素についてmがセットされると(ステップ619、621、または622)、ステップ623においてその文の全表示要素(ステップ608において処理される単語表示要素、およびステップ618において処理される文末ブランク表示要素を含む)を、配列306内の対応する乗数値とともに格納する。ステップ624において、テキスト終端に達したか否かを判定する。ステップ624の結果がnoである場合、処理600はステップ604に戻り、次の文を処理する。ステップ624の結果がyesである場合、テキスト処理はステップ626において終了する。
【0045】
図7は、図3の実施形態のコンピュータアプリケーション300が実施する処理の詳細を示す処理700のフローチャートを示す。処理700は、図3のORPディスプレイプロセッサ307によって実施される。図7に示す実施形態において、ORPディスプレイプロセッサ307は先に説明したORP文字位置法を実装する。具体的には、ORP文字は固定表示位置201において識別および配置される。処理700はステップ701から開始し、同ステップにおいてORPテキストプロセッサ303または格納しているテキストデータ311から処理するテキストを受け取る。
【0046】
ステップ702において、処理および表示する単語ー乗数ペアを選択し読み出す(最初の処理ループにおける図6の623が参照する配列内の最初のペア、またはステップ721の後の次ペア)。ステップ703において、表示する単語の文字長(単語長またはwl)を判定する。図6において説明したように、本実施形態における単語長は句読点を除く文字数である。ただし他実施形態において、図6のステップ607で計算した単語長を単語配列に格納し(表示要素と単語乗数とともに)、ステップ703において再計算する必要がないようにしてもよい。
【0047】
ステップ704において、wlの値に基づきORP文字(orpc)をセットする。表1の推奨値に基づき当該単語について適切なorpcの値が選択されるまで、単語長を順次テストする。ステップ705において、wl=1であるか否かを判定する。ステップ705の結果がyesである場合、ステップ706においてorpcを1にセットし、処理700はステップ714へ進む。ステップ705の結果がnoである場合、ステップ707においてwlが1超6未満であるか否かを判定する。ステップ707の結果がyesである場合、ステップ708においてorpcを2にセットし、処理700はステップ714へ進む。ステップ707の結果がnoである場合、ステップ709においてwlが5超10未満であるか否かを判定する。ステップ709の結果がyesである場合、ステップ710においてorpcを3にセットし、処理700はステップ714へ進む。ステップ709の結果がnoである場合、ステップ711においてwlが9超14未満であるか否かを判定する。ステップ711の結果がyesである場合、ステップ712においてorpcを4にセットし、処理700はステップ714へ進む。ス・BR>Eップ711の結果がnoである場合、ステップ713においてorpcを5にセットし、処理700はステップ714へ進む。
【0048】
ステップ714において、ORP文字(ステップ706、708、710、712、または713で選択される)をORPディスプレイ200の固定表示位置201に表示する(図7においてステップ714右側のウインドウに例示している)。ステップ715において、フォント幅によって定まるオフセットを施したうえでORP文字の左側に文字を1つずつ表示する(図7のステップ715右側のウインドウに例示している)。ステップ716において、同様にORP文字の右側に文字を表示する(図7のステップ716右側のウインドウに例示している)。
【0049】
ステップ717において、テキストの終端に到達したか否かをテストする。ステップ717の結果がnoである場合、ステップ718においてrtdをwitで除算することにより平均単語相対位置(awdr)を計算する。ステップ719において、更新時間(ut)(図3のディスプレイ設定モジュール308より取得する)をawdrで除算することによりデフォルト更新時間(dut)を計算する。ステップ720においてタイマを設定し、単語は相対時間乗数とdutの積に等しい時間だけ表示される。ステップ721において次の単語ー乗数ペアを選択し、処理700はステップ702に戻って次の単語ー乗数を処理する。ステップ717の結果がyesである場合、ステップ722において表示処理は終了する。
【0050】
図8は、図7に示すORPディスプレイプロセッサ307の処理の実施形態の別例として、処理800のフローチャートを示す。具体的には、図8の実施形態において、先に説明したORP比率位置法を用いる。処理800は、識別したORP文字を用いるのではなく、最適認識位置に対する比例位置を利用する。これに単語幅を乗算し、単語の開始位置においてピクセルを配置する固定表示位置からのオフセット値を提供することができる。
【0051】
ステップ801において、ORPテキストプロセッサ303からまたはテキストデータ記憶部311からテキストを受け取る。ステップ802において、処理および表示する単語ー乗数ペアを選択し読み出す(最初の処理ループにおいて図6のステップ623が示す格納されている配列における第1ペア、またはステップ721の後における次ペア)。ステップ803において、総ピクセル単語幅(ww)と平均ピクセル文字幅(acw)を計算する。先に説明したように、本明細書における単語「幅」は、同じ次元(読む方向に沿った方向)に沿って計算され、単語「長」についても先の図面で説明した通りである。違う点は、wwがピクセルで測定されるのに対し、wlは文字数で測定される点である。
【0052】
ステップ804において、ORP比率オフセット(ORPRO)を計算することにより、ORP−RSVPディスプレイ200に単語を表示する第1ピクセル位置を判定する(ORPディスプレイ200の例を、図8のステップ805の左側に示す)。ステップ805において、単語のORPRO位置806(固定表示位置201からORPROに等しいピクセル距離離れた位置)に配置された第1文字の第1ピクセルを表示する。これは、ディスプレイを読む者の読み方向の観点から、単語の「開始ピクセル」と呼ばれる。左から右へ読む言語について、開始ピクセルは単語の左エッジである。開始文字の形状に応じて、固定位置からORPRO距離の位置に、複数ピクセルが配置される場合がある(例えば多くのフォントにおいて、文字「b」は単語の左端エッジに複数のピクセルを含む)。本明細書において、「開始ピクセル」は単に単語の開始エッジにおける任意ピクセルのことを指す。
【0053】
固定表示位置201からORPROの位置において開始ピクセルが表示されると、単語のORP(この場合は単語の幅に沿った最適比例位置として識別され、特定文字として識別されるのではない)が固定表示位置201に表示される。
【0054】
ステップ807において、テキストの終端に到達したか否かをテストする。ステップ807の結果がnoである場合、ステップ808においてrtdをwitで除算することにより平均単語相対位置(awdr)を計算する。ステップ809において、更新時間(ut)(図3のディスプレイ設定モジュール308より取得する)をawdrで除算することによりデフォルト更新時間(dut)を計算する。ステップ810においてタイマを設定し、単語は相対時間乗数とdutの積に等しい時間だけ表示される。ステップ811において次の単語ー乗数ペアを選択し、処理800はステップ802に戻って次の単語ー乗数を処理する。ステップ807の結果がyesである場合、ステップ812において表示処理は終了する。
【0055】
図8の例は、表1の値に基づき文字位置比率の平均位置比率を用いる。ただし先に説明したように、その他値を用いて本発明の利点を得ることもできる。これら値により、単語は固定表示位置よりも左(左から右へ読む言語の場合)へいくらか異なる比率で表示されることになる。別実施形態において、単語の開始位置から固定表示位置へ表示される単語の比率(特に、少なくとも4文字超の単語)は、0.2以上0.45以下である。
【0056】
表示処理を開始する前に全テキストを処理することに代えて、各表示要素(例えば単語)を処理後に表示することもできる。図6図7に示すステップ(ORP文字位置法を実装している)の処理順を変更した別実施形態において、ステップ順は以下のように変更される:ステップ615の後において、ステップ703へ進む。ステップ720の後においてステップ606に戻り、次に表示する単語を準備する。ステップ614においてブランク要素であると判定した場合、ステップ617へ進みステップ714においてブランク要素を表示する準備をする。処理はステップ624へ戻って次の文を処理し、またはテキスト処理と表示処理の終端に達する。
【0057】
図6図8のステップ(ORP比率位置オフセット法を実装している)の処理順を変更した別実施形態において、ステップ615の後にステップ803を実施する。ステップ810の後においてステップ606に戻り、次に表示する単語を準備する。ステップ614においてブランク要素であると判定した場合、ステップ617へ進みステップ810においてブランク要素を表示する準備をする。処理はステップ624へ戻って次の文を処理し、またはテキスト処理と表示処理の終端に達する。
【0058】
シリアルテキスト表示において、サッカードは5文字以上の単語に関して特に問題である。したがって本発明の望ましい実施形態は、少なくとも5文字以上の表示要素についてORPを固定表示位置に配置する。その表示要素(および4文字の表示要素)について、最適認識位置は中央から表示要素の開始位置へオフセットされる(ディスプレイの読み手の視点から)。5文字未満の単語について固定表示位置においてORPを表示することは本発明の特定実施形態の利点を得るために必ずしも必要ではないが、望ましい実施形態においてORP文字位置法または比率位置オフセット法を用いて文字長4以下の単語を表示することもできる(3文字以下の単語については、固定表示位置は必ずしも中央から単語の開始位置に向かってオフセットしない)。ただし、そのような単語(4文字以下)を固定表示位置に表示するとき、これら単語の正確にどの文字または比率位置を固定表示位置に表示するかは、サッカードを最小化する際に必ずしも重要ではない。また同時に、4文字以下の単語をその最適認識位置が固定表示位置となるように表示することにより、単語から次の単語への眼移動がスムーズになる利点があり、したがって望ましい実施形態は全単語(4文字以下を含む)の最適認識点を固定表示位置に配置する。
【0059】
図9は、本発明の基本的実施形態に対して追加してその有用性を向上させることができる特徴を示す。ユーザインターフェース301とORPディスプレイ200を拡張して、ユーザが表示プロセスとやり取りできるようにすることができる。図9に示すように、開始コントロール901、ポーズコントロール904、リピートコントロール905、高速再生コントロール906を含む、テキスト表示を制御するための標準コントロールを提供することができる。視覚インディケータ902を提供して、表示するテキスト総量に対する割合により表示の進行を示すことができる。スライダ903を用いて、テキストの任意点へジャンプすることができる。平均毎分単語数に関する表示速度のインディケータ907を提供することができる。これによりユーザは、提示中に速度を変更することができる。ユーザはブックマークアイコン909をクリックして、提示中にブックマークをセットし、そのブックマークがセットされた点から提示を再開することができる。ユーザは設定アイコン908を用いて、提示の設定を変更することができる。例えば初期表示速度、ディスプレイ背景色、ORPインディケータの模様色、テキストフォントタイプおよびサイズなどである。
【0060】
本発明のその他実施形態を様々な電子デバイスへ配置することができる。例えば様々なコンピュータオペレーティングシステム、携帯電話オペレーティングシステム、ビデオゲームプラットフォーム、デジタル時計、カメラ、ミュージックプレイヤなどの携帯電子デバイス、などである。本明細書が説明する基本的実施形態は電子デバイスに格納されているテキストのORP処理を提供するが、標準フォーマットまたは事前処理ORPフォーマットのテキストを有線もしくは無線ネットワーク接続経由でサーバから電子デバイスへストリーミングすることもできる。本発明の望ましい実施形態は小ディスプレイ上におけるテキスト表示であるが、大ディスプレイが利用できる場合は比較ディスプレイにフルテキストを表示し、ORPディスプレイが現在表示している単語に対応する移動ハイライトによりテキストの進行を示すこともできる。
【0061】
本発明を特定の実施形態に関して説明したが、本明細書に基づき様々な変形、変更、調整をなすことができ、それらも本発明の範囲に含まれることを意図している。最も現実的で望ましいと考えられる実施形態とともに本発明を説明したが、本発明は説明した実施形態に限定されるものではなく、むしろ特許請求範囲の範囲内に含まれるさまざまな変更や等価構成をカバーするよう意図していることを理解されたい。
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9