(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記モード制御部は、前記第2モードにおいて前記情報処理が終了したことに応じて動作モードを前記第3モードへ移行させる、請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
前記第2モード処理部は、前記第2モードにおいて、前記情報処理システムが実行可能なソフトウェアを更新および/または追加するためのデータを前記ネットワークを介して取得する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
前記第2モード処理部は、前記第2モードにおいて、前記ネットワークを介して新たなアプリケーションを前記外部装置から取得し、取得した新たなアプリケーションをインストールする情報処理を実行する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の情報処理システム。
前記第2モード処理部は、前記第1モード終了後における最初の第2モードにおいて、所定の設定処理を少なくとも実行し、前記設定処理の完了後において行われる第2モードにおいては、前記設定処理と関連する情報処理を実行する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の情報処理システム。
前記第2モード処理部は、前記設定処理として、当該設定処理の完了後において行われる第2モードで実行される情報処理に用いられる情報を取得する処理を実行する、請求項8または請求項9に記載の情報処理システム。
前記第2モード処理部は、前記第1モードの終了後における最初の第2モードにおいて、前記設定処理の処理結果から前記情報処理が実行できないと判断される場合、次の第2モードにおいて前記設定処理を再度実行する、請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の情報処理システム。
前記モード制御部は、前記情報処理システムの動作モードを前記第1モードから前記第3モードへと移行させた後、当該動作モードを前記第3モードから前記第2モードへと定期的に、または所定のタイムスケジュールに従って移行させる、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の情報処理システム。
前記モード制御部は、前記第1モードの終了から最初の第2モードへ移行するまでの時間間隔を、第2モードと次の第2モードとの時間間隔よりも短く設定する、請求項12に記載の情報処理システム。
前記モード制御部は、前記情報処理システムが前記第3モードで動作する場合における前記第2モードへ移行するタイミングを、前記第3モードへ移行する前の前記第1モードにおいて行われたユーザの指示に基づいて決定する、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の情報処理システム。
前記第2モードにおいて、前記情報処理システムがアクセス可能な記憶装置の予め取得された記憶内容に基づいて、前記記憶装置を起動するか否かを決定する記憶装置制御部をさらに備える、請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の情報処理システム。
前記モード制御部は、前記第3モードにおいて、前記第2モードへ移行する場合の条件とは異なる所定の条件が満たされたことに応じて、動作モードを前記第1モードへと移行させる、請求項1から請求項21のいずれか1項に記載の情報処理システム。
前記モード制御部は、前記第3モードにおいて、定期的に到来する所定のタイミングまたは所定のタイムスケジュールに基づくタイミングとなったことを条件として動作モードを前記第2モードへ移行させ、ユーザによる起動指示があったことを条件として動作モードを前記第1モードへ移行させる、請求項22に記載の情報処理システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
情報処理装置には、さらなる省電力化が求められる。
【0005】
それ故、本発明の目的は、省電力化を図ることができる情報処理システム、情報処理装置、情報処理プログラム、および、動作モードの制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決すべく、本発明は、以下の(1)〜(28)の構成を採用した。
【0007】
(1)
本明細書には、ネットワークを介して外部装置と通信可能な情報処理システムが開示される。情報処理システムは、第1モードと、第1モードよりも消費電力が小さい第2モードと、第2モードよりも消費電力が小さく、ネットワークを介した通信を行わない第3モードとの少なくとも3つの動作モードで動作可能である。情報処理システムは、モード制御部と、第2モード処理部とを備える。モード制御部は、情報処理システムが第3モードで動作する場合において動作モードを定期的に、または所定のタイムスケジュールに従って第2モードへと移行させる。第2モード処理部は、第2モードにおける情報処理として、ネットワークを介した通信処理を実行する。
【0008】
(2)
また、本明細書には、ネットワークを介して外部装置と通信可能な情報処理システムが開示される。情報処理システムは、(a)ユーザの操作に応じてアプリケーションを実行する第1処理ユニットが少なくとも起動する第1モードと、(b)第1モードよりも消費電力が小さく、第1処理ユニットが起動せず、ネットワークを介した通信処理を自動的に実行する第2処理ユニットが起動する第2モードと、(c)第1処理ユニットおよび第2処理ユニットが起動せず、時間を計測し、計測された時間に基づいて第2処理ユニットの起動を制御する電源制御ユニットが起動する第3モードとの少なくとも3つの動作モードで動作可能である。情報処理システムは、モード制御部と、第2モード処理部とを備える。モード制御部は、情報処理システムが第3モードで動作する場合において動作モードを定期的に、または所定のタイムスケジュールに従って第2モードへと移行させる。第2モード処理部は、第2モードにおける情報処理として、第2処理ユニットによってネットワークを介した通信処理を実行する。
【0009】
なお、上記(1)および(2)における「動作モードを定期的に、または所定のタイムスケジュールに従って前記第2モードへと移行させる」の表現は、動作モードを定期的に第2モードへと移行させてもよいし、動作モードを所定のタイムスケジュールに従って第2モードへと移行させてもよいことを意味する。つまり、上記の表現は、動作モードを定期的に、かつ、所定のタイムスケジュールに従って第2モードへと移行させる態様を含む意味である。
【0010】
上記(1)または(2)の構成によれば、ユーザが情報処理システムを利用しない期間(第1モード以外の期間)においては、第2モードによって情報処理(通信処理)が実行されるとともに、当該情報処理が実行されない間は、情報処理システムはより消費電力が低い状態(第3モード)となる。これによって、上記期間における電力消費を低減することができ、情報処理システムの省電力化を図ることができる。
【0011】
(3)
モード制御部は、第2モードにおいて情報処理が終了したことに応じて動作モードを第3モードへ移行させてもよい。
【0012】
上記(3)の構成によれば、第2モードから第3モードへと迅速に移行することができ、情報処理システムの省電力化を図ることができる。
【0013】
(4)
第1モードは、ユーザの指示に応じてソフトウェアを実行することが可能なモードであってもよい。第2モードは、情報処理として、ネットワークを介して外部装置から取得したデータを用いてソフトウェアの追加および/または更新を行うことが可能なモードであってもよい。第3モードは、ソフトウェアの実行、追加および更新が行われないモードであってもよい。
【0014】
上記(4)の構成によれば、第1モードにおいて、ユーザにソフトウェアを利用させることができるとともに、ソフトウェアを利用しない期間(第1モード以外の期間)において、ソフトウェアの更新および/または追加を自動的に行うことができる。
【0015】
(5)
第2モード処理部は、第2モードにおいて、情報処理システムが実行可能なソフトウェアを更新および/または追加するためのデータをネットワークを介して取得してもよい。
【0016】
上記(5)の構成によれば、ソフトウェアの更新および/または追加を第2モード中において(ユーザが意識しない間に)行うことができる。
【0017】
(6)
情報処理システムは、情報処理システムが実行可能なアプリケーションを示すアプリケーション情報を記憶するアプリ情報記憶部をさらに備えていてもよい。第2モード処理部は、アプリケーション情報により示されるアプリケーションに関するデータを取得してもよい。
【0018】
上記(6)の構成によれば、情報処理システムは、実行可能なアプリケーションに関するデータを外部装置から確実に取得することができる。
【0019】
(7)
第2モード処理部は、第2モードにおいて、ネットワークを介して新たなアプリケーションを外部装置から取得し、取得した新たなアプリケーションをインストールする情報処理を実行してもよい。
【0020】
上記(7)の構成によれば、第2モード中において新たなアプリケーションのインストールを行うことで、第1モード中において実行する処理の負担を軽減することができる。また、情報処理システムは、ユーザが知らない間に新たなアプリケーションを提供することができる。
【0021】
(8)
第2モード処理部は、第1モード終了後における最初の第2モードにおいて、所定の設定処理を少なくとも実行し、設定処理の完了後において行われる第2モードにおいては、設定処理と関連する情報処理を実行してもよい。
【0022】
上記(8)の構成によれば、最初の第2モードにおいて設定処理を実行しておき、以降の第2モードにおいて他の情報処理を実行することで、第2モードにおける処理を効率良く行うことができる。
【0023】
(9)
第2モード処理部は、設定処理による処理結果に基づいて、当該設定処理の完了後における第2モードの動作を実行してもよい。
【0024】
上記(9)の構成によれば、第1モードが終了する度に第2モードの動作を設定することができ、状況に応じた適切な動作で第2モードを実行することができる。
【0025】
(10)
第2モード処理部は、設定処理として、当該設定処理の完了後において行われる第2モードで実行される情報処理に用いられる情報を取得する処理を実行してもよい。
【0026】
上記(10)の構成によれば、設定処理の後で実行される情報処理を簡易化することができる。
【0027】
(11)
第2モード処理部は、第1モードの終了後における最初の第2モードにおいて、設定処理の処理結果から情報処理が実行できないと判断される場合、次の第2モードにおいて設定処理を再度実行してもよい。
【0028】
上記(11)の構成によれば、設定処理の処理結果をより確実に取得することができる。
【0029】
(12)
モード制御部は、情報処理システムの動作モードを第1モードから第3モードへと移行させた後、当該動作モードを第3モードから第2モードへと定期的に、または所定のタイムスケジュールに従って移行させてもよい。
【0030】
上記(12)の構成によれば、第1モードの終了後に、第2モードの処理に悪影響を与えるおそれがある作業をユーザが行っても、当該作業が第2モード中に行われる可能性を低減することができる。その結果、第2モード中における処理が正しく実行される可能性を向上することができる。
【0031】
(13)
モード制御部は、第1モードの終了から最初の第2モードへ移行するまでの時間間隔を、第2モードと次の第2モードとの時間間隔よりも短く設定してもよい。
【0032】
上記(13)の構成によれば、第1モードが終了してから最初の第2モードを迅速に起動することができるとともに、その後においては適切な頻度で第2モードを繰り返し起動することができる。
【0033】
(14)
モード制御部は、情報処理システムが第3モードで動作する場合における第2モードへ移行するタイミングを、第3モードへ移行する前の第1モードにおいて行われたユーザの指示に基づいて決定してもよい。
【0034】
上記(14)の構成においては、上記「第2モードへ移行するタイミング」として、例えば、第2モードと次の第2モードとの時間間隔、あるいは、第2モードを起動する時刻等がユーザの指示によって決定される。
【0035】
上記(14)の構成によれば、エコモードの時間間隔をユーザの都合に合わせて設定することができる。
【0036】
(15)
第2モード処理部は、第2モードにおいて、次に第2モードへ移行する時間を示す移行時間情報をネットワークを介して取得してもよい。モード制御部は、移行時間情報の取得後、第3モードから第2モードへの移行が次に行われる時間を当該移行時間情報に基づいて決定してもよい。
【0037】
上記(15)の構成によれば、第2モードの時間間隔を外部装置の側で管理することができる。
【0038】
(16)
情報処理システムは、第2モードにおいて、情報処理システムがアクセス可能な記憶装置の予め取得された記憶内容に基づいて、記憶装置を起動するか否かを決定する記憶装置制御部をさらに備えていてもよい。
【0039】
上記(16)の構成によれば、記憶装置の記憶内容によっては記憶装置を起動しない機会を設けることができ、第2モード中における電力消費を低減することができる。
【0040】
(17)
情報処理システムは、付加記憶装置を接続可能であってもよい。このとき、記憶装置制御部は、第2モードにおいて、予め取得された付加記憶装置の記憶内容に基づいて、付加記憶装置を起動するか否かを決定してもよい。
【0041】
上記(17)の構成によれば、付加記憶装置の記憶内容によっては付加記憶装置を起動しない機会を設けることができ、第2モード中における電力消費を低減することができる。
【0042】
(18)
第2モード処理部は、第1モード終了後における最初の第2モードにおいて、付加記憶装置の記憶内容を取得してもよい。
【0043】
上記(18)の構成によれば、情報処理システムは、第1モード終了時の記憶内容を取得することができ、付加記憶装置を起動するか否かの判定を精度良く行うことができる。
【0044】
(19)
情報処理システムは、付加装置を接続可能であってもよい。第2モード処理部は、ネットワークを介して外部装置からデータを取得し、取得されたデータに関する処理のために付加装置へのアクセスが必要か否かを判定してもよい。情報処理装置は、付加装置へのアクセスが必要か否かの判定結果に基づいて、付加装置を起動するか否かを決定する付加装置制御部をさらに備えていてもよい。
【0045】
上記(19)の構成によれば、付加装置へのアクセスの有無を考慮して、付加装置を起動しない機会を設けることができる。したがって、第2モード中における電力消費を低減することができる。
【0046】
(20)
情報処理システムは、第1モードにおいて、ユーザの指示に応じてアプリケーションを実行するアプリ実行部をさらに備えていてもよい。このとき、第2モード処理部は、第1モードにおいて所定の条件が満たされた場合に情報処理を実行し、アプリケーションが実行中である場合には少なくとも当該情報処理をバックグラウンドで実行してもよい。
【0047】
上記(20)の構成によれば、第2モードにおける情報処理が第1モードにおいて実行される場合であっても、当該情報処理をユーザに意識させることなく実行することができる。
【0048】
(21)
モード制御部は、第2モードにおいて所定の条件が満たされたことに応じて、情報処理システムの動作モードを第1モードへと移行させてもよい。第2モード処理部は、第2モードにおける情報処理の実行途中に第1モードへの移行が行われた場合、実行途中であった情報処理を第1モードにおいて引き続き実行してもよい。
【0049】
上記(21)の構成によれば、第2モード中において第1モードへ移行した場合であっても、第2モード中において実行された処理を無駄にすることなく、第2モードにおける情報処理を完了することができる。
【0050】
(22)
第2モード処理部は、第2モードにおいて、第1処理と第2処理とを並行して実行可能であってもよい。このとき、第2モード処理部は、第2モードにおいて第2処理を繰り返し実行するとともに、少なくとも第1処理の完了を条件として第2モードを終了してもよい。
【0051】
上記(22)の構成によれば、第2モード中において、第1処理を確実に完了することができるとともに、第2処理を適切な頻度で実行することができる。
【0052】
(23)
モード制御部は、第3モードにおいて、第2モードへ移行する場合の条件とは異なる所定の条件が満たされたことに応じて、動作モードを第1モードへと移行させてもよい。
【0053】
上記(23)の構成によれば、第3モード中においても第1モードへ動作モードを移行させることができる。
【0054】
(24)
モード制御部は、第3モードにおいて、定期的に到来する所定のタイミングまたは所定のタイムスケジュールに基づくタイミングとなったことを条件として動作モードを第2モードへ移行させ、ユーザによる起動指示があったことを条件として動作モードを第1モードへ移行させてもよい。
【0055】
上記(24)の構成によれば、第3モードにおいて、定期的に(または、所定のタイムスケジュールに従って)第2モードへ移行させることができるとともに、ユーザによる所望のタイミングで第1モードへ移行させることができる。
【0056】
(25)
モード制御部は、時間を計測可能な回路であって、第3モードにおいて動作する第1処理回路を有していてもよい。第2モード処理部は、第2モードにおける情報処理を実行する回路であって、第2モードにおいて動作し、第3モードにおいて動作しない第2処理回路とをさらに備えていてもよい。第2処理回路は、第2モードにおける処理が完了すると、次に第2モードへと移行するための時間情報を第1処理回路に通知して休止してもよい。第1処理回路は、第3モードにおいて、計測される時間が、第2処理回路から通知された時間情報により示される時間となった場合、第2処理回路を起動させることによって第3モードから第2モードへと移行させてもよい。
【0057】
上記(25)の構成によれば、第2モードにおける処理を実行するための第2処理回路を第3モードにおいて休止させることができ、省電力化を図ることができる。また、第2モードにおける処理を実行するための第2処理回路によって、第2モードの起動時間を容易に管理することができる。
【0058】
(26)
情報処理システムは、情報処理システムにおける情報処理部を冷却するための冷却ファンと、ファン制御部とを備えていてもよい。ファン制御部は、第2モードにおいて、第1モードよりも低い回転速度で冷却ファンを駆動させる。
【0059】
上記(26)の構成によれば、第2モードにおける情報処理システムの動作音を軽減することができるとともに、省電力化を図ることができる。
【0060】
(27)
情報処理システムは、第3モードにおいて動作し、時間を計測可能なタイマ回路をさらに備えていてもよい。モード制御部は、タイマ回路を用いてタイムスケジュールを管理してもよい。
【0061】
上記(27)の構成によれば、第3モードにおいてはタイマ回路が起動すればよく、他の回路を必要に応じて休止させることができるので、省電力化を図りつつタイムスケジュールを管理することができる。
【0062】
(28)
情報処理システムは、少なくとも第2モードと第3モードとを識別可能に表示するモード表示部をさらに備えていてもよい。
【0063】
上記(28)の構成によれば、情報処理システムが第2モードであるか第2モードであるかをユーザに通知することができる。
【0064】
なお、本発明の別の一例は、上記(1)〜(28)の情報処理システムにおける各部と同等の手段を備える情報処理装置であってもよいし、上記(1)〜(28)の情報処理システムにおける各部と同等の手段として情報処理装置のコンピュータを機能させる情報処理プログラムであってもよい。また、本発明の別の一例は、上記(1)〜(28)の情報処理システムにおいて実行される、動作モードの制御方法であってもよい。
【発明の効果】
【0065】
本発明によれば、ユーザが情報処理システムを利用しない期間における電力消費を低減することができ、情報処理システムの省電力化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0067】
[1.情報処理システムの構成]
以下、本実施形態の一例に係る情報処理システム、情報処理装置、情報処理プログラム、および、動作モードの制御方法について説明する。まず、情報処理システムの構成について説明する。
図1は、通信システムの一例の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、通信システム1は、端末システム2と、付加記憶装置3と、サーバ4と、ネットワーク5とを含む。端末システム2は、ネットワーク5を介してサーバ4と通信可能である。
【0068】
端末システム2は、アプリケーションを実行可能な情報処理装置(情報処理システム)の一例である。端末システム2は通信部11を備える。通信部11は、ネットワーク5を介してサーバ4とデータの送受信を行う。また、端末システム2は入力受付部12を備える。入力受付部12は、ボタン(キー)、タッチパネル、および/または、マウス等、ユーザから入力を受け付ける任意の入力装置である。また、端末システム2は表示部13を備える。表示部13は、端末システム2における情報処理によって生成される画像を表示する表示装置を含む。なお、端末システム2は、表示部13を備えていなくてもよく、例えばテレビを表示装置として用いる構成であってもよい。また、表示部13は、端末システム2に設けられる発光部(具体的にはLED)を含む。詳細は後述するが、発光部は、端末システム2の動作モードを表示するために用いられる。
【0069】
端末システム2は制御部14を備える。制御部14は、端末システム2において実行されるべき各種の情報処理を実行する。制御部14はCPU(Central Processing Unit)およびメモリを有し、CPUがメモリを用いて所定の情報処理プログラムを実行することによって上記各種の情報処理が実行される。なお、制御部14の詳細は構成については後述する(
図2参照)。
【0070】
端末システム2は記憶部15を備える。記憶部15は、端末システム2の情報処理装置が備える任意の記憶装置(記憶媒体)である。記憶部15は、情報処理装置に内蔵されるメモリおよび/またはハードディスク等の記憶装置である。本実施形態において、記憶部15は、端末システム2が実行可能なソフトウェアを記憶する。具体的には、記憶部15は、OS(オペレーティングシステム)等のシステムソフトウェアと、アプリケーションとを記憶する。アプリケーションは、例えばゲームのアプリケーション等、どのような種類であってもよい。
【0071】
端末システム2は、制御部14(CPU)を冷却する冷却ファン16を備える。本実施形態においては、冷却ファン16は、少なくとも2段階の回転速度で駆動可能である。冷却ファン16の回転速度は、制御部14によって制御される。
【0072】
付加記憶装置3は、端末システム2(制御部14)がアクセス可能な記憶装置である。本実施形態においては、付加記憶装置3は、例えばハードディスクドライブ等のディスク記憶装置である。また、付加記憶装置3は、端末システム2に対して着脱可能である。付加記憶装置3は、端末システム2が実行可能なアプリケーションを記憶する。なお、端末システム2には、記憶装置以外の他の種類の付加装置(例えばキーボード等の入力装置)が着脱可能に接続されてもよい。
【0073】
以上より、端末システム2は、自機の記憶部15に記憶されるソフトウェアを実行することが可能であるとともに、付加記憶装置3に記憶されるアプリケーションを実行することが可能である。なお、これらのソフトウェアは、任意の方法で端末システム2に対して提供されてよく、後述するようにサーバ4から端末システム2に提供されてもよいし、端末システム2が読み取り可能な可搬型の記憶媒体(例えば光ディスク)によって端末システム2に提供されてもよい。
【0074】
端末システム2は、1以上の情報処理装置で構成される。端末システム2は、1つの情報処理装置(例えば携帯型の情報処理装置)で構成されてもよいし、主な情報処理を行うメインの情報処理装置と、入力装置および表示装置を有する端末装置とを含む構成であってもよい。また、他の実施形態においては、端末システム2において実行される情報処理の少なくとも一部が、ネットワーク(広域ネットワークおよび/またはローカルネットワーク)によって通信可能な複数の装置によって分散して実行されてもよい。
【0075】
サーバ4は、端末システム2とネットワークを介して通信可能な外部装置の一例である。本実施形態において、サーバ4は、端末システム2において実行可能なソフトウェア(上記システムソフトウェアおよびアプリケーション)に関するデータを提供する。すなわち、サーバ4は、上記ソフトウェア自体、および、上記ソフトウェアについての更新用データ(例えばパッチ)を格納しており、必要に応じて端末システム2へ提供する。なお、サーバ4は、アプリケーションを提供するサービスを行うためのサーバ(例えばショップサーバ)であってもよい。
【0076】
サーバ4は、1以上の情報処理装置(サーバ装置)で構成される。例えば、ソフトウェア(アプリケーション)の種類毎にサーバ装置が設けられてもよい。このようにサーバが複数のサーバ装置によって構成される場合、サーバ装置群全体をサーバと呼ぶこととする。
【0077】
図2は、制御部14の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、制御部14は、第1処理ユニット21、第2処理ユニット22、および電源制御ユニット23を有する。本実施形態においては、各ユニット21〜23は、それぞれ別個の回路として構成される。端末システム2は、各ユニット21〜23に対してそれぞれ別個に給電を制御することが可能である。詳細は後述するが、本実施形態においては、端末システム2は複数の動作モードで動作することが可能であり、各ユニット21〜23のうちのどのユニットが動作するかは動作モード毎に異なる。
【0078】
第1処理ユニット21は、CPUを含み、当該CPUによってアプリケーションを実行する。本実施形態においては、第1処理ユニット21は、アプリケーションを実行するための情報処理回路である。本実施形態においては、第1処理ユニット21は、後述するフルモードにおいて給電され、動作することが可能である。
【0079】
第2処理ユニット22は、CPUを含み、個別のアプリケーションの実行処理を除く、端末システム2における処理全般を当該CPUによって実行する。具体的には、第2処理ユニット22は、システムソフトウェアを実行したり、サーバ4との通信処理を実行したりする。また、本実施形態においては、第2処理ユニット22は、GPUを含み、第1処理ユニット21によるアプリケーションの実行に応じて、アプリケーションによる画像を生成する処理を行う。本実施形態においては、第2処理ユニット22は、後述するフルモードおよびエコモードにおいて給電され、動作することが可能である。
【0080】
電源制御ユニット23は、RTC(Real Time Clock)を含み、時間を計測する。詳細は後述するが、端末システム2の動作モードを所定のタイムスケジュールに従って変更するために、電源制御ユニット23で計測される時間が用いられる。また、電源制御ユニット23は、端末システム2の各部に対する給電を制御する。例えば、電源制御ユニット23は、計測された時間に基づいて第2処理ユニット22の起動を制御する。また、本実施形態においては、電源制御ユニット23は、フルモード、エコモード、およびオフモードのいずれの動作モードにおいても給電され、動作することが可能である。
【0081】
本実施形態においては、端末システム2(の各部)は、外部電源から取得される電力で動作する。電源制御ユニット23は、外部電源からの電力を端末システム2の各部に対して供給する。例えば、端末システム2は、家庭用電源からACアダプタ(図示せず)を介して電力を取得してもよい。また、他の実施形態においては、端末システム2は、内部電源(端末システム2が備えるバッテリ等)から取得される電力で動作してもよい。
【0082】
[2.端末システム2の動作モード]
次に、端末システム2の動作モードについて説明する。本実施形態において、端末システム2は、フルモード、エコモード、およびオフモードという3つの動作モードで動作する。
図3は、端末システム2の各構成要素に対する給電の有無の一例をモード毎に示す図である。
図3から明らかなように、上記3つの動作モードは、端末システム2における消費電力が互いに異なる。端末システム2は、3つの動作モードを適宜切り替えて動作することによって、省電力化を図るものである。以下、各モードについて説明する。
【0083】
なお、本実施形態においては、「端末システム2における消費電力」とは、端末システム2が1つの情報処理装置で構成される場合には、その情報処理装置における消費電力を意味する。一方、端末システム2が複数の装置で構成される場合には、「端末システム2における消費電力」とは、端末システム2における情報処理を実行する装置(制御部14を有する情報処理装置)における消費電力を意味する。
【0084】
(2−1:フルモード)
フルモードは、ユーザが端末システム2を利用する(アプリケーションを利用する)場合のモードである。
図3に示すように、フルモードにおいては、端末システム2の各部および付加記憶装置3に対して給電が行われる。フルモードは、上記3つの動作モードのうちで、消費電力が最も大きいモードである。ただし、フルモードにおいては、端末システム2の機能が全て実行可能である必要は無い。例えば他の実施形態においては、端末システム2の機能には、フルモードにおいて実行されない機能(エコモードあるいはオフモードにおいてのみ実行される機能)があってもよい。
【0085】
フルモードでは、ユーザが端末システム2を利用するための通常の動作が行われる。例えば、端末システム2は、メニュー画面を表示部13に表示させ、メニュー画面においてユーザがアプリケーションを指定することに応じて当該アプリケーションを実行する。フルモードにおいては、第2処理ユニット22がシステムソフトウェアを実行するとともに、第1処理ユニット21がユーザの指示に応じてアプリケーションを実行する。また、通信部11、入力受付部12、表示部13、および記憶部15はそれぞれ、上記通常の動作のために適宜の動作を行う。冷却ファン16は、通常の回転速度で動作する。また、端末システム2は付加記憶装置3を起動する。以上のように、フルモードは、ユーザの指示に応じてソフトウェア(アプリケーション)を実行することが可能なモードである。フルモードは、アプリ実行モードと言うことができる。
【0086】
(2−2:エコモード)
エコモードは、ユーザが端末システム2を利用していない(アプリケーションを利用していない)間において、ソフトウェア(アプリケーション)の追加および/または更新を行う場合のモードである。
図3に示すように、エコモードにおいては、制御部14の各ユニット21〜23のうち、第2処理ユニット22および電源制御ユニット23に対して給電が行われる。また、通信部11、入力受付部12、記憶部15、冷却ファン16、および付加記憶装置3に対して給電が行われる。このように、エコモードは、端末システム2の各部のうちで動作する部材(給電される部材)がフルモードよりも少ないモードである。エコモードは、フルモードよりも消費電力が小さいモードである。
【0087】
本実施形態においては、エコモードにおいて、第2処理ユニット22によってサーバ4との通信処理が(自動的に)行われ、ソフトウェアの追加および/または更新が行われる。このように、エコモードは、サーバ4から取得したデータを用いてソフトウェアの追加および/または更新を行うことが可能なモードである。本実施形態においては、エコモードは、ソフトウェア更新モードと言うことができる。
【0088】
なお、エコモードにおいて実行される処理は、上記通信処理に限らず、任意の処理であってもよい。また、エコモードにおいて実行される処理は、フルモードにおいても実行されてもよいし、フルモードにおいては実行されない処理であってもよい。
【0089】
本実施形態においては、エコモードにおける第2処理ユニット22の機能は、フルモード時よりも制限される。すなわち、エコモードにおいては、第2処理ユニット22の一部の回路(例えば上記GPU)は、給電が停止される。また、第2処理ユニット22のCPUは、フルモードよりもエコモードの方が低い動作周波数(クロック周波数)で動作するように制御される。以上より、エコモードにおける第2処理ユニット22の消費電力は、フルモードにおける第2処理ユニット22の消費電力よりも小さくなる。なお、他の実施形態においては、第2処理ユニット22のCPUの動作周波数は任意であり、エコモードとフルモードで同じであってもよい。
【0090】
また、端末システム2は、エコモードにおいて、フルモードよりも低い回転速度で冷却ファン16を駆動させる。これによって、エコモードにおける端末システム2の動作音を軽減することができるとともに、省電力化を図ることができる。なお、エコモードにおける冷却ファン16の回転速度は任意であるが、本実施形態においてはフルモード時の回転速度の半分であるとする。なお、後述するオフモードにおいては、端末システム2は、ファンをエコモードよりも低い回転速度で回転させる、または駆動させないものとする。
【0091】
また、エコモードにおいては、端末システム2は、付加記憶装置3の起動を制限する。詳細は後述するが、基本的には、エコモードにおいて付加記憶装置3にアクセスする場合に付加記憶装置3が起動される。
【0092】
上記のように、本実施形態においては、エコモードにおいては、冷却ファン16および付加記憶装置3といった駆動音が大きい構成要素の駆動が抑えられる。これによって、ユーザが端末システム2を利用していない状態(エコモード)における端末システム2の動作音を軽減することができ、ユーザに与える不快感を抑えることができる。
【0093】
(2−3:オフモード)
オフモードは、ユーザが端末システム2を利用していない(アプリケーションを利用していない)間であって、上記の通信処理が実行されないモードである。
図3に示すように、オフモードにおいては、制御部14の各ユニット21〜23のうち、電源制御ユニット23に対してのみ給電が行われる。また、入力受付部12に対して給電が行われる。このように、オフモードは、端末システム2の各部のうちで動作する部材(給電される部材)がエコモードよりも少ないモードである。オフモードは、エコモードよりも消費電力が小さいモードである。
【0094】
オフモードにおいては、端末システム2の動作モードを所定のタイムスケジュールに従って変更するために、上記電源制御ユニット23によって時間が計測される(詳細は後述する)。また、入力受付部12は、端末システム2に対する起動指示を受け付けることができるように、動作可能な状態とされる。起動指示は、端末装置2の動作モードをフルモードへ移行させる指示である。なお、端末システム2において、制御部14を含む装置(本体装置)と入力受付部12を含む装置(コントローラ)とが別体である場合、本体装置においてコントローラと通信を行う部材が動作していればよい。換言すれば、本体装置においてコントローラと通信を行う部材に対して給電が行われればよい。
【0095】
上記のように、オフモードにおいては、端末システム2のほとんどの機能が休止され、端末システム2は休止状態となる。なお、本実施形態において、「休止状態」とは、フルモードにおけるアプリ実行処理およびエコモードにおける通信処理が実行されない状態を意味する。オフモードにおいて、全く動作が行われないわけではなく、一部の回路(ここでは電源制御ユニット23)により所定の動作が行われていてもよい。つまり、オフモードは、ソフトウェアの実行、追加および更新が行われないモード(休止モードとも言うことができる)である。
【0096】
上記のように、本実施形態においては、端末システム2は、3つの動作モードのいずれかで動作する。動作モードの制御はどのような方法(回路)によって行われてもよい。本実施形態においては、動作モードの制御は、給電を制御する電源制御ユニット23と、動作モードに関する指示を電源制御ユニット23に対して(必要に応じて)行う第2処理ユニット22とによって行われる。なお、他の実施形態においては、端末システム2は、上記3つのモード以外のモードで動作可能であってもよい。
【0097】
なお、本実施形態においては、端末システム2は、上記発光部を用いて動作モードを表示する。具体的には、発光部は、各動作モードにおいて発光形態(色、および/または、点滅速度等)が異なるように電源制御ユニット23によって制御される。なお、発光部は、少なくともエコモードとオフモードとを識別可能に表示してもよい。フルモードはユーザにとって容易に識別可能だからである。また、他の実施形態においては、表示部13が有するディスプレイに動作モードが表示されてもよい。以上のように、端末システム2は、少なくともエコモードとオフモードとを識別可能に表示するモード表示部(上記発光部および/またはディスプレイ等)を備えてもよい。なお、他の実施形態においては、端末システム2は、少なくともエコモードとオフモードとを識別可能に音を出力する音出力部(例えばスピーカ)を備えてもよい。このように、エコモードであるかオフモードであるかを通知する手段を端末システム2が備えることによって、端末システム2がエコモードであるかオフモードであるかをユーザに通知することができる。
【0098】
[3.端末システム2におけるエコモードの間欠起動の概要]
次に、端末システム2において、上記エコモードが間欠的に起動される動作の概要について説明する。
図4は、エコモードが間欠的に起動される動作の一例を示す図である。
図4は、端末システム2の動作モードがフルモードからオフモードに移行する前後の期間と、その後の期間における動作モードの遷移を示している。なお、
図4においては、エコモードの間欠動作の概要を説明する目的で、フルモードおよびエコモードにおける一部の処理(後述する設定処理等)を省略している。
【0099】
本実施形態においては、ユーザが端末システム2を利用する場合における動作モードはフルモードである。
図4に示すように、フルモードにおいては、アプリ実行処理が実行される。アプリ実行処理は、ユーザの指示に応じてアプリケーションを実行する処理である。フルモードにおいて所定の終了条件(例えば、ユーザが終了指示を行ったこと等)が満たされると、動作モードはフルモードからオフモードへ遷移する。
【0100】
図4に示すように、本実施形態においては、オフモードにおいて、エコモードの起動(オフモードからエコモードへの移行)が間欠的に行われる。端末システム2は、ユーザの指示にかかわらず(ユーザの指示とは独立して)、自動的にエコモードを起動する。エコモードにおいては、上述の通信処理が実行される。詳細は後述するが、通信処理が終了すると、エコモードからオフモードへと移行する。
【0101】
本実施形態においては、端末システム2は、所定の起動指示が行われるまで、オフモードの動作とエコモードの動作とを繰り返す(
図4参照)。なお、本実施形態においては、エコモードの起動は定期的に行われる。つまり、エコモードが終了してから所定時間が経過すると、エコモードが再度起動される。このように、本実施形態においては、エコモードの起動は、所定のタイムスケジュールに従って行われる。
【0102】
以上のように、本実施形態においては、端末システム2は、消費電力が異なる3つのモードで動作可能であり、オフモードで動作する場合において、動作モードを定期的に(あるいは、「所定のタイムスケジュールに従って」と言ってもよい)エコモードへと移行させる。また、エコモードにおいては、所定の情報処理(ネットワーク5を介した通信処理)が実行される。したがって、本実施形態においては、ユーザが端末システム2を利用しない期間(フルモード以外の期間)においては、情報処理(通信処理)が実行されるとともに、当該情報処理が実行されない間は、端末システム2はより消費電力が低い状態(オフモード)となる。これによって、上記期間における電力消費を低減することができ、端末システム2の省電力化を図ることができる。換言すれば、上記期間において省電力化を図りながらも、有用な情報処理を実行することができる。
【0103】
[4.端末システム2における動作]
次に、端末システム2における動作を説明する。以下では、エコモードにおける動作を説明するとともに、他の動作モードにおける動作についてもエコモードに関連する動作を中心に説明する。
【0104】
(4−1:フルモードからオフモードへの移行)
図5は、フルモードが終了する際およびその後における動作モードの遷移の一例を示す図である。
図5に示すように、本実施形態においては、フルモードにおいて所定の終了条件が満たされると、フルモードが終了し、オフモードへと移行する。そして、オフモードへの移行後にエコモードが間欠的に起動される。なお、本実施形態においては、上記終了条件は、ユーザが所定の終了指示を行ったことである。つまり、端末システム2は、ユーザが終了指示の操作(例えば、電源ボタンを押下する操作や、メニュー画面において終了指示を選択する操作)を行ったことに応じて、フルモードを終了する。
【0105】
なお、上記終了条件は任意であり、上記の条件に加えて(または代えて)他の条件が終了条件として設定されてもよい。例えば、上記終了条件は、「処理待ち中でない状態でユーザが所定時間(例えば1時間)入力を行わなかったこと」という条件を含んでもよい。なお、処理待ち中の状態とは、例えば、アプリケーションの更新中、あるいは、新たなアプリケーションのインストール中の状態である。つまり、端末システム2は、処理待ち中の状態でない場合には、ユーザが所定時間の間入力を行わなかったことに応じて、自動的にフルモードを終了してもよい。
【0106】
(接続情報の記憶)
本実施形態においては、端末システム2は、終了条件が満たされた後、接続情報を記憶してからフルモードを終了する(
図5参照)。接続情報とは、端末システム2に対して接続される各種の付加装置(付加記憶装置3を含む)に関する情報である。なお、接続情報は、エコモードにおいて実行される処理(後述の更新処理および追加処理)で用いられる。以下、
図6を参照して、接続情報の一例について説明する。
【0107】
図6は、端末システム2における各ポートと付加装置との接続例を示す図である。本実施形態においては、端末システム2は、付加装置を接続するためのポートとして、第1ポート31、第2ポート32、第3ポート33、および第4ポート34を有する。なお、端末システム2が有するポートの数は任意である。本実施形態においては、各ポート31〜34はUSBポートであり、付加記憶装置3は、USB接続が可能な記憶装置である。ただし、端末システム2と付加装置とを接続する方式は任意である。
【0108】
本実施形態においては、端末システム2が有する複数のポート31〜34のうち、一部(いくつか)のポートの給電の制御がまとめて行われる。具体的には、
図6に示すように、端末システム2が接続される外部電源37と第1および第2ポート31および32との間に第1スイッチ35が設けられる。また、外部電源37と第3および第4ポート33および34との間に第2スイッチ36が設けられる。なお、図示しないが、各スイッチ35および36は、制御部14によって制御される。上記のように、本実施形態においては、第1ポート31および第2ポート32に対する給電がまとめて制御され、第3ポート33および第4ポート34の給電がまとめて制御される。これによって、異なるポートに接続される複数の付加装置に対する給電がまとめて制御される。したがって、本実施形態においては、端末システム2は、付加装置に対する給電を制御するための構成を簡易化することが可能であるとともに、端末システム2に接続される付加装置のうちの一部の付加装置に対する給電を停止することも可能である。なお、他の実施形態においては、端末システム2は、ポート毎に給電が制御可能な構成を有していてもよい。
【0109】
本実施形態においては、端末システム2は、上記接続情報として、各ポート31〜34に接続される付加装置の接続状態を記憶部15に記憶する。例えば、
図6においては、第3ポート33に付加記憶装置3が接続されている。したがって、
図6に示す状態においては、記憶される接続情報は、第3ポート33を示す情報と、付加記憶装置3を示す情報とを関連付けた情報を含む。なお、接続情報は、エコモードにおいてアクセスする付加記憶装置3がどのポートに接続されているかを特定することができる任意の情報でよい。
【0110】
なお、端末システム2に複数の付加記憶装置が接続される場合において、一度に利用できる付加記憶装置が制限されてもよい。例えば、端末システム2は、一度に利用できる付加記憶装置を所定数(例えば1つ)に制限してもよい。このとき、上記接続情報には、利用可能な付加記憶装置を特定する情報が含まれてもよい。利用可能な付加記憶装置を特定する情報とは、例えば、当該付加記憶装置を示す情報、あるいは、当該付加記憶装置が接続されるポートを示す情報である。この情報と、上記接続状態を示す情報とによって、エコモードにおいてアクセスすべき付加記憶装置を特定することができる。
【0111】
(フルモード終了後のオフモード)
ここで、フルモードの終了後のエコモードにおける動作は、自動的に行われ、ユーザの意図によって行われる動作ではない。そのため、フルモードが終了すると、ユーザは、端末システム2の動作が終了したと考える可能性がある。その結果、ユーザは、端末システム2の電源を切ったり(コンセントを抜いたり)、あるいは、端末システム2に接続されていた付加記憶装置3を外したりする作業を行う可能性がある。このような作業はエコモード中における処理に悪影響を与えるおそれがある。以上より、仮にフルモードの終了後すぐにエコモードが起動されると、エコモード中にユーザが上記の作業を行ってしまう結果、エコモードにおける処理が正しく実行できないおそれがある。なお、上述のように、本実施形態におけるエコモードにおいては、端末システム2の動作音も小さくなるので、エコモード中の動作はユーザに認識されにくい。このことは、端末システム2による不要な騒音を低減するというメリットがある一方、ユーザが上記の作業を行う一因となり得る。
【0112】
以上より、本実施形態においては、端末システム2は、フルモードからエコモードへと直接移行させずに、フルモードから一旦オフモードへと移行させてからエコモードを起動する。すなわち、
図4および
図5に示すように、端末システム2は、動作モードをフルモードからオフモードへと移行させた後、動作モードをオフモードから第2モードへと定期的に(あるいは、タイムスケジュールに従って)移行させる。これによれば、仮にフルモードの終了後にユーザが上記の作業を行っても、当該作業がエコモード中に行われる可能性を低減することができる。その結果、エコモード中における処理を正しく実行することができる。
【0113】
なお、他の実施形態においては、フルモードにおいて終了指示が行われると、動作モードはまずエコモードに移行し、エコモードの後でオフモードに移行してもよい。
【0114】
また、フルモードの終了時から最初にエコモードが起動されるまでの時間間隔t1(
図5参照)は、ユーザが上記作業を行うのに十分な時間であればよい。例えば、時間間隔t1は、10秒から数分程度に設定されてもよい。なお、詳細は後述するが、本実施形態においてエコモードにおいて実行される通信処理は、ソフトウェアを更新または追加したり、メッセージを受信したりする目的で、取得すべきデータの有無をサーバ4に確認し、必要に応じてサーバ4からデータを取得する処理である。そのため、エコモードと次のエコモードとの時間間隔(エコモードの起動間隔)t2は、比較的長く設定されてもよい。したがって、上記時間間隔t1は、エコモードの起動間隔t2よりも短く設定されてもよい。これによれば、フルモードが終了してから最初のエコモードを迅速に起動することができるとともに、その後においては適切な頻度でエコモードを間欠的に起動することができる。
【0115】
(4−2:終了時エコモード)
次に、再び
図5を参照して、フルモードが終了した後で最初に起動されるエコモード(終了時エコモードと呼ぶ)における動作について説明する。
図5に示すように、終了時エコモードにおいては、所定の設定処理が実行される。
【0116】
本実施形態において、設定処理は、付加記憶装置3の記憶内容を取得する処理である。より具体的には、端末システム2は、付加記憶装置3にデータが記憶されているアプリケーションを特定するための情報(アプリケーションの識別情報)を取得する。この識別情報は、アプリケーションを特定することができる任意の情報でよく、例えば、アプリケーションのタイトルの情報や、アプリケーション毎に付されるID番号の情報である。したがって、アプリケーションのプログラム、および/または、アプリケーションで用いられるデータ(セーブデータ等)が付加記憶装置3に記憶されている場合、そのアプリケーションの識別情報が取得される。
【0117】
設定処理においては、まず、端末システム2は、付加記憶装置3を起動する。すなわち、第2処理ユニット22の指令に応じて電源制御ユニット23が付加記憶装置3に対して給電を行う。なお、第2処理ユニット22は、アクセスする付加記憶装置3を、上述の接続情報に基づいて特定する。そして、特定された付加記憶装置3が接続されるポートに対して給電が行われるように、各スイッチ35および36が制御される。これによって、特定された付加記憶装置3に対して給電が行われ、付加記憶装置3が起動する。その後、端末システム2は、付加記憶装置3からアプリケーションの識別情報を取得し、取得した識別情報を記憶部15に記憶する。
【0118】
なお、フルモード終了時において端末システム2に付加記憶装置3が接続されていない場合もある。端末システム2に付加記憶装置3が接続されていないことは、上記接続情報に基づいて判別することができる。したがって、上記の場合、端末システム2は、付加記憶装置3に記憶されるアプリケーションが無いと判断し、その旨を示す情報を記憶部15に記憶する。この場合、端末システム2は、設定処理は正常に完了した(成功した)と判断する。一方、端末システム2に付加記憶装置3が接続されていることを接続情報が示すものの、終了時エコモードにおいて何らかの理由で付加記憶装置3にアクセスできない場合も考えられる。詳細は後述するが、この場合、端末システム2は、設定処理が失敗したと判断する。
【0119】
本実施形態においては、端末システム2は、上記のようにして取得した識別情報のリスト(「付加アプリリスト」と呼ぶ)を記憶部15に記憶する。なお、端末システム2の内部のメモリ(記憶部15)にもアプリケーションが記憶されている場合がある。この場合、記憶部15には、当該アプリケーションのリスト(「本体アプリリスト」と呼ぶ)が記憶される。したがって、上記付加アプリリストと本体アプリリストとによって、端末システム2が実行可能なアプリケーションの情報が記憶部15に記憶されることとなる。
【0120】
詳細は後述するが、設定処理が完了した後のエコモードにおいては、上記のようにして取得された識別情報(付加アプリリスト)を用いて通信処理が実行される。つまり、本実施形態における設定処理は、エコモードの動作において用いられる情報を設定(取得)する処理である。
【0121】
また、
図5に示すように、本実施形態においては、終了時エコモードにおいて、上記設定処理が完了すると(識別情報が取得されると)、通信処理が実行される。通信処理の内容は後述するが、終了時エコモードにおける通信処理と、2回目以降におけるエコモードにおける通信処理は同様である。なお、他の実施形態においては、端末システム2は、終了時エコモードにおいては(通信処理を実行せずに)設定処理のみを実行してもよい。
【0122】
以上のように、端末システム2は、フルモード終了後における最初のエコモードにおいて、所定の設定処理を少なくとも実行し、設定処理の完了後において行われるエコモードにおいては、設定処理と関連する情報処理(通信処理)を実行する。このように、最初のエコモード(終了時エコモード)において設定処理を実行しておき、以降のエコモードにおいて(設定処理を実行せずに)通信処理を実行することで、エコモードにおける処理を効率良く行うことができる。
【0123】
具体的には、端末システム2は、設定処理による処理結果に基づいて、当該設定処理の完了後におけるエコモードの動作を実行する。これによれば、フルモードが終了する度にエコモードの動作を設定することができ、状況に応じた適切な動作でエコモードを実行することができる。例えば、本実施形態においては、端末システム2は、フルモードが終了した時点でのアプリケーションの識別情報を取得するので、付加記憶装置3に記憶されるアプリケーションに関して最新の情報を用いてエコモードにおける動作(通信処理)を行うことができる。
【0124】
より具体的には、端末システム2は、設定処理として、当該設定処理の完了後において行われるエコモードで実行される情報処理(通信処理)に用いられる情報(アプリケーションの識別情報)を取得する処理を実行する。これによって、後で実行される通信処理を簡易化することができる。
【0125】
なお、設定処理は、通信処理において用いられる情報を取得する処理に限らない。例えば、設定処理による処理結果に基づいて、当該設定処理の完了後におけるエコモードの動作を実行する他の例としては、エコモードのタイムスケジュールを設定処理の結果に基づいて決定することが考えられる。具体的には、端末システム2は、付加記憶装置3に記憶されるアプリケーションの数に基づいて、エコモードの起動間隔を設定したり、付加記憶装置3に記憶されるアプリケーションの種類に基づいてエコモードの起動時刻を設定したりしてもよい。
【0126】
(設定処理が失敗する場合)
上述のように、終了時エコモードにおいて、設定処理が何らかの原因で失敗する(アプリケーションの識別情報が取得されない)場合が考えられる。例えば、フルモード終了後に移行したオフモードにおいて、付加記憶装置3が端末システム2から外された場合、端末システム2はアプリケーションの識別情報を取得することができず、設定処理が失敗する。
【0127】
本実施形態においては、端末システム2は、終了時エコモードにおいて設定処理が失敗した場合、次のエコモードにおいて設定処理を再度実行する。
図7は、設定処理が失敗した場合における動作モードの遷移の一例を示す図である。
図7に示すように、終了時エコモードにおいて設定処理が失敗した場合、端末システム2は、通信処理を行わずにエコモードを終了する。そして、次のエコモードにおいて、端末システム2は設定処理を再度実行する。2回目以降のエコモードにおける設定処理は、初回のエコモード(終了時エコモード)における設定処理と同様である。すなわち、設定処理が(再度)失敗した場合、端末システム2は、通信処理を行わずにエコモードを終了し、次のエコモードにおいて再度設定処理を実行する(
図7参照)。一方、設定処理が成功した場合、端末システム2は、通信処理を実行してエコモードを終了し、次以降のエコモードにおいては通信処理のみを実行する(
図7参照)。このように、本実施形態においては、端末システム2は、エコモードにおいて設定処理が成功するまで設定処理を繰り返し、設定処理が成功した後で通信処理を実行する。
【0128】
以上のように、端末システム2は、フルモードの終了後における最初のエコモードにおいて、設定処理の処理結果から情報処理(通信処理)が実行できないと判断される場合(設定処理が失敗した場合)、次のエコモードにおいて設定処理を再度実行する。これによれば、設定処理の処理結果を確実に取得することができる。
【0129】
なお、他の実施形態においては、端末システム2は、設定処理が成功していない場合であっても、その後のエコモードにおいて通信処理を実行してもよい。例えば、端末システム2は、設定処理の結果を用いずに通信処理を実行してもよい。例えば本実施形態においては、付加記憶装置3にアクセスすることなく(付加記憶装置3が接続されていないものとして)通信処理を実行してもよい。また、端末システム2は、以前に成功した設定処理の処理結果を用いて通信処理を実行してもよい。
【0130】
(4−3:エコモードの起動間隔)
上述のように、本実施形態において、エコモードは間欠的に起動する。本実施形態においては、エコモードの起動間隔は一定であるとする。ここで、上述のように、エコモードと次のエコモードとの時間間隔(エコモードの起動間隔)は、比較的長く設定されてもよい。エコモードの起動間隔は、例えば、1時間〜数日程度に設定されてもよい。
【0131】
なお、本実施形態においては、「エコモードの起動間隔」とは、エコモードが終了してから、次にエコモードが起動されるまでの間隔を意味するものとする。ただし、「エコモードの起動間隔」は、エコモードが起動してから、次にエコモードが起動されるまでの間隔を意味するものでもよく、この意味でエコモードの起動間隔は一定であってもよい。
【0132】
また、他の実施形態においては、エコモードの起動間隔は必ずしも一定である必要は無い。例えば、端末システム2は、所定のタイムスケジュールに従って、例えば毎日午前9時と午後7時にエコモードを起動するようにしてもよい。また、端末システム2は、オフモードで動作する場合において、繰り返し、かつ、自動的にエコモードを起動してもよい。
【0133】
また、本実施形態においては、エコモードの起動タイミングは、以前のフルモードにおいてユーザが設定可能である。すなわち、フルモードにおいては、端末システム2は、エコモードの起動間隔を含む各種設定を変更するための設定変更画面を、ユーザの指示に応じて表示部13に表示させる。そして、端末システム2は、設定変更画面において、エコモードの起動間隔の入力をユーザから受け付ける。例えば、1〜25時間の範囲で1時間単位でユーザが起動間隔を選択できるようにしてもよい。また、他の実施形態においては、エコモードを起動する時刻をユーザが設定できるようにしてもよい。入力された起動タイミング(ここでは、起動間隔)を示す情報は、記憶部15に記憶される。フルモードの終了後においては、端末システム2は、記憶部15に記憶された上記情報を参照し、当該フルモードにおいてユーザが設定した起動間隔でエコモードを起動する。
【0134】
上記のように、端末システム2は、オフモードで動作する場合におけるエコモードの起動間隔を、オフモードへ移行する前のフルモードにおいて行われたユーザの指示に基づいて決定する。これによれば、エコモードの起動間隔をユーザの都合に合わせて設定することができる。
【0135】
また、エコモードの起動間隔は、ユーザが端末システム2を利用しない期間において、エコモードよりもオフモードの方が長くなるように設定されてもよい。すなわち、端末システム2がオフモードで動作する場合におけるエコモードの起動間隔は、エコモードにおける基本処理のみが実行される場合におけるエコモードに要する時間よりも長くなるように設定されてもよい。ここで、「エコモードにおける基本処理」とは、1回のエコモードにおいて少なくとも実行される処理であり、本実施形態においては、サーバ4に対する問い合わせの処理(後述するステップS11,S21,およびS31)である。つまり、ソフトウェアの更新および追加やメッセージの受信が行われないとした場合にエコモードの時間よりもオフモードの時間の方が長くなるように、エコモードの起動間隔が設定されてもよい。上記によれば、エコモードを適切な頻度で起動することができる。
【0136】
(4−4:エコモードにおける通信処理)
次に、エコモードにおける通信処理について説明する。本実施形態における通信処理は、ネットワーク5を介してサーバ4から必要に応じてデータを取得し、端末システム2および/または付加記憶装置3における記憶内容を制御(追加・変更)する処理である。具体的には、本実施形態においては、通信処理として、更新処理、追加処理、およびメッセージ処理という3種類の処理が実行される。更新処理は、端末システム2が実行可能なアプリケーション(以下、「実行可能アプリケーション」と呼ぶ)に関する更新用データ(例えばパッチ)を取得し、更新用データを用いてアプリケーションを更新する処理である。追加処理は、新たなアプリケーション(プログラム)を取得し、新たなアプリケーションをインストールする処理である。メッセージ処理は、サーバ4からのメッセージを受信する処理である。以下、これらの処理について説明する。
【0137】
(4−4−1:更新処理)
まず、
図8〜
図10を参照して、更新処理における動作の概要ついて説明する。
図8は、更新処理が開始される前の端末システム2および付加記憶装置3の一例を示す図である。
図9は、記憶部15に記憶されたアプリケーションに対して更新が行われる場合の端末システム2および付加記憶装置3の一例を示す図である。
図10は、付加記憶装置3に記憶されたアプリケーションに対して更新が行われる場合の端末システム2および付加記憶装置3の一例を示す図である。
【0138】
図8に示す例においては、アプリケーションAが端末システム2の記憶部15に記憶され、アプリケーションBが付加記憶装置3に記憶されている。この例において、アプリケーションAの更新がある場合、アプリケーションAに対応する更新用データがサーバ4から端末システム2へ送信される(
図9参照)。この更新用データを受信すると、
図9に示すように、端末システム2は、記憶部15内のアプリケーションAに対して更新を行う。このとき、端末システム2は、付加記憶装置3にアクセスする必要が無いので、付加記憶装置3は起動されない。
【0139】
一方、上記例において、アプリケーションBの更新がある場合、アプリケーションBに対応する更新用データがサーバ4から端末システム2へ送信される(
図10参照)。この更新用データを受信すると、
図10に示すように、端末システム2は、まず付加記憶装置3を起動し、その後、付加記憶装置3内のアプリケーションBに対して更新を行う。このように、本実施形態においては、端末システム2は、エコモードにおいて必要な場合にのみ(ただし、後述する例外がある)付加記憶装置3を起動するようにしている。
【0140】
以下、更新処理における具体的な処理の一例について説明する。
図11は、更新処理における処理の流れの一例を示すタイミングチャートである。
図11に示すタイミングチャートは、1回のエコモードにおいて実行される更新処理の流れを示している。
【0141】
エコモードが起動されると、端末システム2はまず、更新の要否を判定する(ステップS11〜S13)。すなわち、端末システム2は、上記実行可能アプリケーションのうちで、更新を行うべきアプリケーションがあるか否かを判定する。具体的には、端末システム2は、更新情報の有無をサーバ4に対して問い合わせる(ステップS11)。更新情報とは、アプリケーション毎に更新の有無を判定可能な情報である。本実施形態においては、更新情報は、アプリケーションの識別情報(具体的にはタイトル情報)と、アプリケーションのバージョンを表す情報(バージョン情報)とが関連づけられた情報である。
【0142】
上記の問い合わせに応じて、サーバ4は、更新情報を端末システム2へ送信する(ステップS12)。送信される更新情報は、(端末システム2における実行可能アプリケーションにかかわらず)サーバ4が提供している全てのアプリケーションについての情報を含んでいてもよいし、上記実行可能アプリケーションについての情報のみを含んでいてもよい。
【0143】
サーバ4からの更新情報を受信すると、端末システム2は、実行可能アプリケーションについての更新の有無を更新情報に基づいて判定する(ステップS13)。この判定は、実行可能アプリケーションの現在のバージョン情報と、更新情報に含まれる当該アプリケーションのバージョン情報とを比較することで行うことができる。なお、本実施形態においては、実行可能アプリケーションの現在のバージョン情報は、アプリケーションがインストールされた場合、および、アプリケーションが更新された場合に記憶部15に記憶されて保存されているものとする。
【0144】
図示しないが、更新がないと判定される場合、端末システム2は更新処理を終了する。このとき、今回のエコモードにおいては、ステップS14以降の処理は実行されない。
【0145】
一方、更新があると判定される場合、端末システム2は、更新があるアプリケーションに関する更新用データをサーバ4から取得する。更新用データは、例えば、アプリケーションに対して修正および/または追加を行うパッチデータや、あるいは、アプリケーションにおいて用いられる追加データ等である。具体的には、端末システム2は、更新用データをサーバ4に対して要求する(ステップS14)。この要求に応じて、サーバ4は、更新用データを端末システム2へ送信する(ステップS15)。
【0146】
サーバ4からの更新用データを受信すると、端末システム2は、更新用データを用いてアプリケーションの更新を行う(ステップS16〜S18)。具体的には、まず、端末システム2は、更新に係るアプリケーション(更新用データに対応するアプリケーション)の記憶先を判定する(ステップS16)。つまり、更新に係るアプリケーションが、端末システム2の内部メモリ(記憶部15)に記憶されているか、それとも、付加記憶装置3に記憶されているかを判定する。換言すれば、上記ステップS16の判定処理は、アプリケーションの更新のために付加記憶装置3にアクセスするか否かを判定する処理である。
【0147】
ステップS16の判定は、上記設定処理で生成された付加アプリリストを用いて行われる。すなわち、更新に係るアプリケーションの識別情報が付加アプリリストに含まれている場合、当該アプリケーションの記憶先は付加記憶装置3であると判定される。一方、更新に係るアプリケーションの識別情報が付加アプリリストに含まれていない(本体アプリリストに含まれている)場合、当該アプリケーションの記憶先は記憶部15であると判定される。このように、更新処理は、上述の設定処理において取得された情報(付加アプリリスト)を用いて実行される。
【0148】
次に、端末システム2は、更新用データを用いてアプリケーションの更新を行う。ここで、更新に係るアプリケーションの記憶先が付加記憶装置3であると判定される場合、端末システム2が付加記憶装置3にアクセスすることによって更新が行われる。すなわち、端末システム2は、付加記憶装置3を起動し(ステップS17)、付加記憶装置3に記憶されているアプリケーションのデータを、更新用データを用いて更新する(ステップS18)。なお、付加記憶装置3の起動は、第2処理ユニット22が電源制御ユニット23を用いて付加記憶装置3に給電を行うことによって行われる。アプリケーションの更新は、元のアプリケーションのプログラム自体を実際に変更することによって行われてもよいし、元のプログラムとパッチデータとを関連付けて記憶し、更新後の内容でアプリケーションが実行される状態にすることによって行われてもよい。
【0149】
一方、図示しないが、更新に係るアプリケーションの記憶先が記憶部15であると判定される場合、端末システム2が記憶部15にアクセスすることによって更新が行われる。この場合、付加記憶装置3は起動されない。
【0150】
なお、複数の実行可能アプリケーションについて更新があると判定される場合には、上記ステップS14〜S18の処理が実行可能アプリケーション毎に実行される。そして、更新が必要な全ての実行可能アプリケーションについて更新が行われると、端末システム2は更新処理を終了する。
【0151】
上記のように、本実施形態においては、端末システム2は、基本的には、エコモード中において付加記憶装置3にアクセスする必要がある場合にのみ付加記憶装置3を起動する。ただし、本実施形態においては、2つのポートに対して給電制御がまとめて行われる(
図6参照)。また、付加記憶装置3が接続されるポートと給電制御がまとめて行われるポートに対して、エコモード中において起動すべき付加装置が接続される場合がある。なお、エコモード中において起動すべき付加装置とは、例えば、ネットワーク5と接続する機能を有する通信装置である(つまり、当該通信装置が通信部11として機能する)。上記の場合、エコモード中において起動すべき付加装置が接続されるポートに対して給電を行う結果、付加記憶装置3にも給電が行われることとなる。つまり、本実施形態においては、上記の場合には例外的に、付加記憶装置3にアクセスする必要がなくても付加記憶装置3が起動される。
【0152】
また、端末システム2は、端末システム2が実行可能なアプリケーションを示すアプリケーション情報(付加アプリリストおよび本体アプリリスト)を記憶し、当該アプリケーション情報により示されるアプリケーションに関するデータを取得する。これによれば、端末システム2は、実行可能なアプリケーションに関するデータをサーバ4から確実に取得することができる。
【0153】
また、本実施形態においては、端末システム2は、エコモードにおいて、予め取得された付加記憶装置3の記憶内容(設定処理において取得されたアプリケーションの識別情報)に基づいて、付加記憶装置3を起動するか否かを決定する。これによれば、付加記憶装置3の記憶内容によっては付加記憶装置3を起動しない機会を設けることができ、エコモード中における電力消費を低減することができる。また、付加記憶装置3が駆動音を発生する場合には、エコモードにおいて発生する駆動音を低減することができる。
【0154】
なお、上述のように、本実施形態においては、付加記憶装置3にアクセスする必要がなくても付加記憶装置3が例外的に起動される場合がある。このような場合があっても、付加記憶装置3の記憶内容に基づいて付加記憶装置3を起動するか否かを決定することによって、付加記憶装置3を起動しない機会を設けることができ、上記の効果を奏することができる。
【0155】
また、本実施形態においては、端末システム2は、フルモード終了後における最初のエコモードにおいて、付加記憶装置3の記憶内容を取得する(
図5に示す設定処理を参照)。これによれば、端末システム2は、フルモード終了時の記憶内容を取得することができ、付加記憶装置3を起動するか否かの判定を精度良く行うことができる。
【0156】
なお、上記においてはアプリケーションが更新される場合について説明したが、更新処理において端末システム2のシステムソフトウェアが更新されてもよい。なお、システムソフトウェアは記憶部15に記憶されているので、システムソフトウェアが更新される場合には、端末システム2は付加記憶装置3を起動しなくてもよい。
【0157】
(4−4−2:追加処理)
次に、エコモード中に実行される追加処理について説明する。本実施形態においては、サーバ4から端末システム2へ新たなアプリケーションがダウンロードされて追加される場合がある。なお、このような場合の一例としては、例えば、端末システム2のユーザが何らかの方法で購入手続を行った(例えば、端末システム2とは別の情報処理装置からサーバ4にアクセスして購入手続を行った)アプリケーションがサーバ4から端末システム2へダウンロードされる場合が考えられる。また、上記の場合の他の例として、アプリケーションの提供者が無料版(試用版や体験版)のアプリケーションをサーバ4から端末システム2へ(ユーザの意図にかかわらず)ダウンロードさせる場合が考えられる。上記のような追加のアプリケーションがサーバ4において用意される場合、エコモード中の追加処理によって追加のアプリケーションが端末システム2に取得される。
【0158】
図12は、追加処理における処理の流れの一例を示すタイミングチャートである。
図12に示すタイミングチャートは、1回のエコモードにおいて実行される追加処理の流れを示している。
【0159】
エコモードが起動されると、端末システム2はまず、端末システム2に追加されるアプリケーションの有無を判定する。すなわち、端末システム2は、追加されるアプリケーションがあるか否かをサーバ4に問い合わせる(ステップS21)。このとき、例えば端末システム2の識別情報と、実行可能アプリケーションの識別情報とがサーバ4へ送信される。
【0160】
上記の問い合わせに応じて、サーバ4は、問い合わせを行った端末システム2に対して追加するアプリケーションがあるか否かを判定する。サーバ4は、端末システム2に追加されるべきアプリケーションの識別情報と、当該端末システム2の識別情報とを関連付けて記憶している。したがって、サーバ4は、端末システム2からの上記問い合わせに含まれる情報を参照することで、当該端末システム2に追加(ダウンロード)するべきアプリケーションを特定することができる。
【0161】
端末システム2に対して追加するアプリケーションがあると判定される場合、サーバ4は、追加すべきアプリケーションのデータを端末システム2へ送信する(ステップS22)。一方、図示しないが、端末システム2に対して追加するアプリケーションがないと判定される場合、サーバ4は、追加のアプリケーションがない旨を端末システム2へ通知する。この場合、端末システム2は、後述するステップS23〜S25の処理を実行せずに、今回のエコモードにおける追加処理を終了する。
【0162】
追加すべきアプリケーションのデータをサーバ4から受信する場合、端末システム2は、受信したデータの記憶先(アプリケーションのインストール先)を判定する(ステップS23)。すなわち、端末システム2は、追加のアプリケーションを記憶部15に記憶するか、それとも、付加記憶装置3に記憶するかを判定する。ここで、本実施形態においては、フルモード終了時において付加記憶装置3が端末システム2に接続されていた場合には、追加のアプリケーションは付加記憶装置3にインストールされる。一方、フルモード終了時において付加記憶装置3が端末システム2に接続されていなかった場合には、追加のアプリケーションは記憶部15にインストールされる。なお、端末システム2は、フルモード終了時において付加記憶装置3が端末システム2に接続されていたか否かを、上述の接続情報を参照することで知ることができる。つまり、端末システム2は、追加のアプリケーションの記憶先を、上記接続情報に基づいて決定する。
【0163】
付加記憶装置3が端末システム2に接続されていたと判定される場合、端末システム2は、追加のアプリケーションを付加記憶装置3にインストールする。すなわち、端末システム2は、付加記憶装置3を起動し(ステップS24)、その後、追加のアプリケーションを付加記憶装置3に記憶(インストール)する(ステップS25)。
【0164】
一方、図示しないが、付加記憶装置3が端末システム2に接続されていなかったと判定される場合、端末システム2は、追加のアプリケーションを記憶部15にインストールする。この場合、付加記憶装置3は起動されない(ただし、上記“(4−4−1:更新処理)”で述べた例外がある)。
【0165】
以上に説明した更新処理および追加処理のように、本実施形態においては、端末システム2は、エコモードにおいて、端末システム2が実行可能なソフトウェアを更新および/または追加するためのデータを、ネットワーク5を介して取得する。これによって、ソフトウェアの更新および/または追加をエコモード中において(ユーザが意識しない間に)行うことができる。
【0166】
また、本実施形態においては、端末システム2は、エコモードにおいて、ネットワーク5を介して新たなアプリケーションを外部装置(サーバ4)から取得し、取得した新たなアプリケーションをインストールする情報処理を実行する。したがって、本実施形態においては、ユーザが端末システム2を利用していないエコモード中に新たなアプリケーションが端末システム2に追加される。このように、エコモード中において追加処理を実行することで、フルモード中において実行する処理を軽減することができる。また、ユーザが知らない間に新たなアプリケーションを提供することができる。
【0167】
なお、上記追加処理においても更新処理と同様、端末システム2は、予め取得された付加記憶装置3の記憶内容に基づいて、付加記憶装置3を起動するか否かを決定してもよい。例えば、端末システム2は、付加記憶装置3の空き容量に応じて、追加のアプリケーションを付加記憶装置3に記憶するか否かを判定してもよい。また、端末システム2は、追加のアプリケーションに関連するアプリケーションが付加記憶装置3に記憶されているか否かに応じて、追加のアプリケーションを付加記憶装置3に記憶するか否かを判定してもよい。なお、端末システム2は、追加のアプリケーションを付加記憶装置3に記憶するか否かをユーザが設定可能な構成であってもよい。
【0168】
以上のように、上述の更新処理においては、更新するアプリケーションの有無に応じて、および、更新するアプリケーションの記憶先に応じて、付加記憶装置3にアクセスするか否かが判定される。また、追加処理においては、追加のアプリケーションの有無に応じて、付加記憶装置3にアクセスするか否かが判定される。このように、本実施形態においては、端末システム2は、ネットワーク5を介して外部装置(サーバ4)からデータを取得し、取得されたデータに関する処理(アプリケーションを更新または追加する処理)のために付加記憶装置3にアクセスするか否かを判定する。そして、端末システム2は、付加記憶装置3にアクセスするか否かの判定結果に基づいて、付加記憶装置3を起動するか否かを決定する。これによれば、付加記憶装置3へのアクセスの有無を考慮して、付加記憶装置3を起動しない機会を設けることができる。したがって、エコモード中における電力消費を低減することができ、エコモードにおいて発生する駆動音を低減することができる。
【0169】
なお、上記更新処理および追加処理においては、付加記憶装置3にデータを記憶する際に付加記憶装置3の記憶容量が足りない場合が考えられる。この場合、本実施形態においては、端末システム2は処理を中止する。そして、端末システム2は、次に起動されるフルモードにおいて、処理を中止したことをユーザに通知する。また、上記のように処理が中止された場合、端末システム2は、エコモードを終了し、さらに、以降においてエコモードを起動しないようにしてもよい。また、他の実施形態においては、付加記憶装置3の記憶容量が足りない場合には、記憶部15にデータを記憶するようにしてもよい。
【0170】
(4−4−3:メッセージ処理)
次に、エコモード中に実行されるメッセージ処理について説明する。本実施形態においては、サーバ4から端末システム2へメッセージが送信される場合がある。メッセージの内容は任意であるが、例えば、アプリケーションまたはシステムソフトウェアの更新を通知するためのメッセージや、新たに発売されたアプリケーションの広告のメッセージ等がサーバ4において用意される。上記のようなメッセージがサーバ4において用意される場合、エコモード中のメッセージ処理によってメッセージが端末システム2に取得される。なお、取得されたメッセージについては、フルモード中においてユーザが閲覧することができる。
【0171】
図13は、メッセージ処理における処理の流れの一例を示すタイミングチャートである。
図13に示すタイミングチャートは、1回のエコモードにおいて実行されるメッセージ処理の流れを示している。
【0172】
エコモードが起動されると、端末システム2はまず、端末システム2に対するメッセージの有無を判定する。すなわち、端末システム2は、端末システム2に対するメッセージがあるか否かをサーバ4に問い合わせる(ステップS31)。このとき、例えば端末システム2の識別情報がサーバ4へ送信される。
【0173】
上記の問い合わせに応じて、サーバ4は、問い合わせを行った端末システム2に対するメッセージがあるか否かを判定する。端末システム2に対するメッセージがある場合、サーバ4は、当該メッセージを端末システム2へ送信する(ステップS32)。一方、図示しないが、端末システム2に対するメッセージがない場合、サーバ4は、メッセージがない旨の通知を端末システム2へ送信する。この場合、端末システム2は、後述するステップS33の処理を実行しない。
【0174】
メッセージをサーバ4から受信する場合、端末システム2は、受信したメッセージを記憶部15に記憶する(ステップS33)。なお、本実施形態においては、メッセージは常に記憶部15に記憶されるので、メッセージ処理においては付加記憶装置3を起動する必要はない。ただし、他の実施形態においては、メッセージを付加記憶装置に記憶するようにしてもよい。また、メッセージ処理においても上記更新処理と同様、端末システム2は、予め取得された付加記憶装置3の記憶内容に基づいて、メッセージを付加記憶装置3に記憶するか否か(付加記憶装置3を起動するか否か)を決定してもよい。
【0175】
本実施形態においては、1回のエコモード中において、メッセージ処理(ステップS31〜S33の処理)は定期的に繰り返される(
図13参照)。すなわち、端末システム2は、所定時間(例えば1時間)間隔でメッセージ処理を繰り返す。本実施形態においては、上記更新処理および追加処理が完了したことを条件として、端末システム2はエコモードを終了する。つまり、メッセージ処理は、更新処理および追加処理のいずれかが継続している間は所定時間間隔で繰り返し実行される。
【0176】
以上のように、本実施形態においては、端末システム2は、エコモードにおいて、ネットワーク5を介してメッセージを外部装置(サーバ4)から取得し、取得したメッセージを記憶する。したがって、本実施形態においては、端末システム2は、ユーザが端末システム2を利用していないエコモード中にメッセージを受信することができる。このように、エコモード中においてメッセージ処理を実行することで、フルモード中において実行する処理を軽減することができる。また、ユーザは、知らない間にメッセージを受け取ることができる。
【0177】
(4−4−4:通信処理におけるタスクの並行処理)
上記のように、エコモード中の通信処理においては、上記3つの処理(更新処理、追加処理、およびメッセージ処理)が実行される。本実施形態においては、端末システム2は、これら3つの処理におけるタスク(
図11〜
図13における各ステップの処理)を並行して処理する。
【0178】
具体的には、エコモードが開始されるとまず、端末システム2は、サーバ4に対する問い合わせの処理である、ステップS11,S21,およびS31の各処理を順に実行する。その後、問い合わせに応じてサーバ4から送信されてくるデータを受信した場合、端末システム2は、受信したデータに応じた処理を実行する。すなわち、更新情報を受信した場合、更新処理におけるステップS13〜S18の処理が実行され、追加のアプリケーションのデータを受信した場合、追加処理におけるステップS23〜S25の処理が実行され、メッセージを受信した場合、メッセージ処理におけるステップS33の処理が実行される。
【0179】
なお、更新処理および追加処理において、サーバ4からデータをダウンロードし、データを用いた処理(アプリケーションを更新したり追加したりする処理)を実行する場合には、比較的長い時間を要する場合がある。一方、上述のように、メッセージ処理は1回のエコモードにおいて繰り返し実行される(
図13参照)。したがって、更新処理および追加処理の実行中に、メッセージ処理の実行タイミングが再度到来する場合がある。この場合、端末システム2は、更新処理および追加処理の実行中に、メッセージ処理を再度実行する。
【0180】
以上のように、端末システム2は、エコモードにおいて、異なる2種類の処理を実行可能である。第1の種類の処理は、その処理の完了を少なくとも条件としてエコモードが終了される処理(更新処理および追加処理)である。また、第2の種類の処理は、第1の種類の処理と並行して実行され、エコモードが終了するまで繰り返し実行される処理(メッセージ処理)である。上記によれば、エコモード中において第1の種類の処理を確実に完了することができるとともに、第2の種類の処理を適切な頻度で実行することができる。例えば、エコモードの起動間隔と同じ間隔で実行することが好ましい処理と、エコモードの起動間隔よりも短い間隔で実行することが好ましい処理との両方を通信処理において実行する場合も考えられる。この場合、前者の処理を第1の種類の処理とし、後者の処理を第2の種類の処理とすればよい。これによって、両方の処理を適切な間隔で実行することができる。なお、端末システム2は、3種類以上の処理を並行して実行してもよい。
【0181】
(4−4−5:エコモード中にフルモードへ移行する場合の動作)
上述のように、本実施形態においては、ユーザの起動指示に応じてフルモードが起動する。そのため、エコモード中に起動指示が行われると、端末システム2の動作モードはエコモードからフルモードへ移行する。このとき、端末システム2は、エコモード中において実行中であった通信処理を、フルモードへ移行した後において継続して実行する。以下、詳細を説明する。
【0182】
図14は、エコモードからフルモードへ移行する場合における動作モードの遷移の一例を示す図である。
図14に示すように、エコモードにおいてユーザの起動指示が行われると、端末システム2はフルモードへ移行する。このとき、端末システム2は、エコモードにおいて実行中であった通信処理を中断し、通信処理の再開に必要な情報を記憶部15に記憶する。例えば、上記更新処理あるいは追加処理においてサーバ4からデータを受信中であった場合には、受信処理を中断する。また例えば、上記更新処理あるいは追加処理においてアプリケーションを更新または追加(インストール中)する処理の途中であった場合には、当該処理を中断する。その後、端末システム2は、エコモードを終了してフルモードを起動する。なお、他の実施形態においては、端末システム2(第2処理ユニット22)は、エコモードからフルモードへ移行する場合において、通信処理を中断せずに継続して実行してもよい。
【0183】
フルモードへ移行後、端末システム2は、フルモードにおけるアプリ実行処理を実行する。さらに、端末システム2は、適宜のタイミングで、エコモードにおいて実行中であった通信処理を再開する(
図14参照)。なお、
図14においては、フルモードの起動と同時に通信処理を再開することを示しているが、通信処理を再開するタイミングは任意である。通信処理を再開する場合、端末システム2は、通信処理を中断した時点の処理から再開する必要は無く、エコモード中に実行した一部の処理をフルモードにおいてやり直すようにしてもよい。また、エコモード中において1回のメッセージ処理が完了していれば、フルモード中においては端末システム2はメッセージ処理を新たに実行しなくてもよい。フルモードにおいて再開した通信処理が完了した場合、端末システム2は、通信処理を終了する。
【0184】
なお、他の実施形態においては、端末システム2は、エコモード中における通信処理と同様の通信処理をフルモード中においても実行(実行開始)してもよい。このとき、通信処理は、フルモード中において定期的に(あるいは所定のタイムスケジュールに従って)実行されてもよい。なお、エコモードが起動されて通信処理が実行される頻度と、フルモード中において通信処理が実行される頻度は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0185】
以上のように、本実施形態においては、端末システム2は、エコモードにおいて所定の条件が満たされた(起動指示が行われた)ことに応じて、動作モードをフルモードへと移行させる。ここで、エコモードにおける情報処理(通信処理)の実行途中にフルモードへの移行が行われた場合、端末システム2は、実行途中であった情報処理をフルモードにおいて引き続き実行する(
図14参照)。これによれば、エコモード中においてフルモードへ移行した場合であっても、エコモード中において実行された処理を無駄にすることなく、通信処理を完了することができる。したがって、エコモード中における通信処理を効率良く実行することができる。
【0186】
また、本実施形態においては、端末システム2は、通信処理(エコモードにおいて実行途中であった通信処理、および/または、フルモードにおいて実行が開始される通信処理)をフルモード中において実行する場合、当該通信処理をバックグラウンドで実行する(
図14参照)。すなわち、端末システム2は、上記通信処理中において、通信処理に関する出力を行わず、通信処理が実行中であることをユーザに通知しない。これによれば、ユーザは通信処理を気にすること無く、通常(オフモードからフルモードへと移行した場合)と同様に、端末システム2を利用することができる。
【0187】
なお、本実施形態のように通信処理をバックグラウンドで実行する場合であっても、端末システム2は、フルモードにおいて通信処理が完了したことに応じて、ユーザに対して通知を行うようにしてもよい。ここで、端末システム2は、エコモード中に通信処理が完了した場合、その後のフルモードにおいて、通信処理の結果を通知する。例えば、フルモードの開始後において、「更新されたアプリがあります。」といったメッセージや、「新しいアプリが追加されました。」といったメッセージが表示される。端末システム2は、フルモードにおいて通信処理が完了した場合においても、例えば上記と同様のメッセージを表示するようにしてもよい。これによれば、フルモード中において通信処理が完了した場合でも、通信処理の結果をユーザに通知することができる。
【0188】
また、端末システム2は、フルモード中において常に通信処理をバックグラウンドで実行することに代えて、アプリケーションが実行されている場合に通信処理をバックグラウンドで実行するようにしてもよい。例えば、アプリケーションが実行中でなく、表示部13にメニュー画面が表示されている場合には、端末システム2は、通信処理の進捗状況を示す画像をメニュー画面とともに表示してもよい。これによれば、ユーザは、アプリケーションを利用する際には通信処理を気にすること無く操作を行うことができるとともに、アプリケーションを利用していない場合には、通信処理の状況を確認することができる。
【0189】
また、他の実施形態においては、端末システム2は、フルモード中において通信処理をバックグラウンドで実行しなくてもよい。例えば、端末システム2は、通信処理が実行されていることをユーザに通知したり、通信処理の処理状況をリアルタイムで表示したりしてもよい。
【0190】
(4−5:オフモードから他のモードへの移行)
図15は、オフモードから他のモードへ移行する場合における動作モードの遷移の一例を示す図である。上記のように、端末システム2がオフモードで動作する場合においては、動作モードが定期的にエコモードへと移行される。また、
図15に示すように、オフモードにおいてユーザによって起動指示が行われたことに応じて、動作モードはフルモードへと移行される。なお、本実施形態において、オフモードからエコモードへ移行される条件は、時間の経過に応じて(定期的に)満たされる条件であるのに対して、オフモードからフルモードへ移行される条件は、時間の経過とは独立して(不定期に)満たされる条件と言える。
【0191】
以上のように、端末システム2は、オフモードにおいて、エコモードへ移行する場合の条件とは異なる所定の条件(起動指示が行われたこと)が満たされたことに応じて、動作モードをフルモードへと移行させる。これによれば、オフモード中においてもフルモードへ動作モードを移行させることができる。
【0192】
具体的には、端末システム2は、オフモードにおいて、定期的に到来する所定のタイミングとなったことを条件として動作モードをエコモードへ移行させ、ユーザによる起動指示があったことを条件として動作モードをフルモードへ移行させる。これによれば、オフモードにおいて、定期的にエコモードへ移行させることができるとともに、ユーザによる所望のタイミングでフルモードへ移行させることができる。
【0193】
また、本実施形態においては、端末システム2は、オフモード中であってもエコモード中であっても、所定の条件(起動指示が行われたこと)が満たされたことに応じて、動作モードをフルモードへと移行させる。これによれば、ユーザは、オフモードとエコモードとを意識せずに、所望のタイミングで動作モードをフルモードへ移行させることができる。
【0194】
(4−6:オフモードと他のモードとの間でモードが移行する場合における制御部の動作)
次に、オフモードと他のモードとの間でモードが移行する場合における制御部14の動作の詳細について説明する。本実施形態においては、オフモードへ移行する際には、第2処理ユニット22が電源制御ユニット23に対して指示を行っておくことで、第2処理ユニット22自体は動作を休止する。そして、オフモードにおいては、電源制御ユニット23が動作して他のモードへの移行を管理する。これによれば、オフモードにおいて第2処理ユニット22を休止させることができ、省電力化を図ることができる。以下、詳細を説明する。
【0195】
(フルモードからオフモードへ移行する場合)
フルモードにおいて上述の終了指示が行われると、第1処理ユニット21は動作を終了する。また、第2処理ユニット22は、フルモードを終了するための処理を実行する。この処理には、OSを終了する処理、および、上述の接続情報を記憶する処理が含まれる。さらに、第2処理ユニット22は、次に第2処理ユニット22が起動するまでの移行時間情報を電源制御ユニット23に対して通知して、動作を終了する。本実施形態においては、移行時間情報は、現在のエコモードが終了してから、次に第2処理ユニット22が起動するまでの時間(次回起動時間)を示す。なお、移行時間情報は、次のエコモードを起動するタイミングを特定することができる任意の情報でよい。例えば、移行時間情報は、次にエコモードが起動されるべき時刻を示してもよい。以上によって、動作モードがフルモードからオフモードへ移行する。なお、フルモードからオフモードへ移行する場合、次回起動時間は、
図5に示す時間t1である。この時間t1は、予め記憶部15に記憶されており、第2処理ユニット22は記憶部15から時間t1を示す情報を取得して、電源制御ユニット23へ通知する。第2処理ユニット22からの通知に応じて、電源制御ユニット23は、次回起動時間を記憶し、RTCを用いて時間の計測を開始する。また、電源制御ユニット23は、端末システム2の各部(第1処理ユニット21および第2処理ユニット22を含む)に対する給電を停止する(
図3参照)。
【0196】
(オフモードからエコモードへ移行する場合)
図16は、オフモードからエコモードへ移行する場合における制御部14の動作を示す図である。上記のように、オフモードにおいて、電源制御ユニット23は、オフモードが開始してからの時間を計測している。そして、計測時間が、オフモード移行時に第2処理ユニット22から通知された次回起動時間となった場合(
図16に示す(1))、起動情報として、起動時間が到来したことを示す第1情報を記憶しておく(
図16に示す(2))。
【0197】
ここで、起動情報は、オフモードから他のモードが起動される場合における起動原因を示す情報である。本実施形態においては、上記の次回起動時間が到来したことを示す第1情報、あるいは、起動指示があったことを示す第2情報(後述する)が、起動情報として記憶される。起動情報は、オフモードからフルモードへ移行するかエコモードへ移行するかを判断することができる任意の内容でよい。例えば、起動情報は、起動を指示する信号の送信先(本実施形態においては、入力受付部12であるか、電源制御ユニット23内のRTCであるか)を示す情報でもよい。
【0198】
また、計測時間が次回起動時間となったことに応じて、電源制御ユニット23は、第2処理ユニット22に対する給電を開始して、第2処理ユニット22に対して起動命令を送信する(
図16に示す(3))。この起動命令に応じて、第2処理ユニット22が起動する。起動すると、第2処理ユニット22は、電源制御ユニット23に記憶される起動情報を参照する(
図16に示す(4))。なお、他の実施形態においては、電源制御ユニット23が第2処理ユニット22へ起動情報を通知するようにしてもよい。
【0199】
ここで、オフモードからエコモードに移行する場合には、起動情報は、次回起動時間が到来したことを示す第1情報である。このように、第1情報が起動情報として記憶されている場合、第2処理ユニット22は、エコモードに移行すると判断する。そして、第2処理ユニット22は、エコモードにおける処理を開始する(
図16に示す(5))。具体的には、第2処理ユニット22は、電源制御ユニット23に対して、エコモードで動作する各部に対する給電を行うように指示する。また、第2処理ユニット22は、通信処理(終了時エコモードにおいては設定処理)の実行を開始する。
【0200】
(エコモードからオフモードへ移行する場合)
エコモードにおける処理(通信処理)が完了すると、第2処理ユニット22は、電源制御ユニット23に対して次回起動時間を通知して、動作を終了する。これによって、エコモードからオフモードへ移行される。なお、エコモードからオフモードへ移行する場合、次回起動時間は、エコモードの起動間隔(
図5に示す時間t2)である。この時間t2は、フルモードにおいて予め記憶部15に記憶されており、第2処理ユニット22は記憶部15から時間t2を示す情報を取得して、電源制御ユニット23へ通知する。第2処理ユニット22からの通知に応じて、電源制御ユニット23は、次回起動時間を記憶し、RTCを用いて時間の計測を開始する。また、電源制御ユニット23は、端末システム2の各部(第2処理ユニット22を含む)に対する給電を停止する。
【0201】
上記のように、本実施形態においては、端末システム2は、時間を計測可能な回路であって、オフモードにおいて動作する第1処理回路(電源制御ユニット23)と、エコモードにおける情報処理を実行する回路であって、エコモードにおいて動作し、オフモードにおいて動作しない第2処理回路(第2処理ユニット22)とを備える。ここで、第2処理回路は、エコモードにおける処理が完了すると、次にエコモードへと移行するための時間情報(移行時間情報)を第1処理回路に通知して休止する。第1処理回路は、オフモードにおいて、計測される時間が、第2処理回路から通知された時間情報により示される時間(次回起動時間)となった場合、第2処理回路を起動させることによってオフモードからエコモードへと移行させる。上記によれば、エコモードにおける処理を実行するための処理回路をオフモードにおいて休止させることができ、省電力化を図ることができる。また、エコモードにおける処理を実行するための処理回路によって、エコモードの起動間隔を容易に管理することができる。
【0202】
(オフモードからフルモードへ移行する場合)
図17は、オフモードからフルモードへ移行する場合における制御部14の動作を示す図である。オフモードにおいて上記の起動指示が行われると、入力受付部12は、起動指示があったことを電源制御ユニット23に通知する(
図17に示す(1))。この通知を受け取ると、電源制御ユニット23は、起動指示があったことを示す第2情報を起動情報として記憶する(
図17に示す(2))。例えば、複数のスイッチ(例えば、端末システム2の本体に設けられるスイッチと、本体とは別のコントローラに設けられるスイッチ)によって起動指示を行うことができる場合、上記第2情報は、起動指示が行われたスイッチを識別する情報であってもよい。
【0203】
また、入力受付部12からの通知を受け取った場合、電源制御ユニット23は、第2処理ユニット22に対する給電を開始して、第2処理ユニット22に対して起動命令を送信する(
図17に示す(3))。この起動命令に応じて、第2処理ユニット22が起動する。起動すると、第2処理ユニット22は、電源制御ユニット23に記憶される起動情報を参照する(
図17に示す(4))。ここで、オフモードからフルモードに移行する場合には、起動情報は、起動指示があったことを示す第2情報である。このように、第2情報が起動情報として記憶されている場合、第2処理ユニット22は、フルモードに移行すると判断する。そして、第2処理ユニット22は、フルモードにおける処理(アプリ実行処理)を開始する(
図17に示す(5))。具体的には、第2処理ユニット22は、電源制御ユニット23に対して、フルモードで動作する各部(第1処理ユニット21を含む)に対する給電を行うように指示する。また、第2処理ユニット22は、第1処理ユニット21を起動させたり、OSを実行したりする。
【0204】
以上のように、本実施形態においては、端末システム2は、オフモードにおいて動作し、時間を計測可能なタイマ回路(RTC)を備え、動作モードの移行に関するタイムスケジュールをタイマ回路によって管理する。これによれば、オフモードにおいては上記タイマ回路が起動すればよく、他の回路を必要に応じて休止させることができるので、省電力化を図りつつタイムスケジュールを管理することができる。
【0205】
なお、エコモードからフルモードへ移行する場合には、制御部14は以下のように動作する。すなわち、入力受付部12からの通知を受け取った場合、電源制御ユニット23は、第2処理ユニット22に対して起動指示があったことを通知する。この通知に応じて、第2処理ユニット22は、オフモードからフルモードへ移行する場合(
図17に示す(5)参照)と同様に、フルモードにおける処理(アプリ実行処理)を開始する。
【0206】
[5.端末システムにおける処理の具体例]
以下、本実施形態において端末システム2で実行される処理の具体的な一例について説明する。
図18は、フルモード中において端末システム2の制御部14が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。本実施形態においては、
図18に示す一連の処理は、制御部14の第2処理ユニット22のCPUが、記憶部15に記憶される情報処理プログラム(システムソフトウェア)を実行することによって行われる。
図18に示す一連の処理は、フルモードが開始されたことに応じて開始される。
【0207】
フルモードにおいては、まずステップS51において、CPUは初期処理を実行する。初期処理は、例えば、フルモード中における処理に用いるメモリ領域(記憶部15の一部や、第2処理ユニット22が有するメモリ)を初期化する等の処理である。
【0208】
続くステップS52において、CPUは、アプリ実行処理を開始する。アプリ実行処理は、ユーザの指示に応じてアプリケーションを実行する処理である。例えば、CPUは、実行可能なアプリケーションのアイコンを含むメニュー画面を表示部13に表示し、ユーザによって指定されたアプリケーションを実行する。このとき、アプリケーションの実行には第1処理ユニット21のCPUも用いられる。フルモードにおいては、ステップS52の処理以降、ステップS57においてフルモードにおける処理を終了すると判定されるまで、アプリ実行処理が実行される。
【0209】
ステップS53において、CPUは、通信処理を実行するか否かを判定する。上述のように、エコモードからフルモードに移行した場合には、エコモード中における通信処理が中断されていることがある。CPUは、直前のエコモードにおける通信処理が中断されているか否かを判定する。ステップS53における判定結果が肯定である場合、ステップS54の処理が実行される。一方、ステップS53における判定結果が否定である場合、ステップS54の処理がスキップされてステップS55の処理が実行される。
【0210】
ステップS54において、CPUは、中断されている通信処理の実行を開始(再開)する。すなわち、CPUは、上記“(4−4−5:エコモード中にフルモードへ移行する場合の動作)”で説明したように、中断されていた通信処理を実行する。本実施形態においては、ステップS54の処理以降、通信処理が完了するまで、通信処理がバックグラウンドで実行される。
【0211】
ステップS55において、CPUは、エコモードの起動間隔を変更するか否かを判定する。すなわち、エコモードの起動間隔を含む各種設定を変更するための設定変更画面を表示するか否かを判定する。この判定は、ユーザによって所定の指示が行われたか否かによって行われる。ステップS55における判定結果が肯定である場合、ステップS56の処理が実行される。一方、ステップS55における判定結果が否定である場合、ステップS56の処理がスキップされてステップS57の処理が実行される。
【0212】
ステップS56において、CPUは、ユーザの入力に従って設定を変更する。すなわち、上記“(4−2:エコモードの起動間隔)”で述べたように、ユーザの入力に従ってエコモードの起動間隔が変更される。CPUは、変更後の起動間隔を示すデータを記憶部15に記憶する。
【0213】
ステップS57において、CPUは、フルモードにおける処理を終了するか否かを判定する。すなわち、CPUは、上述の終了条件がユーザによって行われたか否かを判定する。ステップS57における判定結果が肯定である場合、ステップS58の処理が実行される。一方、ステップS57における判定結果が否定である場合、ステップS55の処理が再度実行される。
【0214】
ステップS58において、CPUは、上記接続情報を記憶する。接続情報は、上記“(接続情報の記憶)”で取得されて記憶部15に記憶される。なお、このとき、CPUは、OSの実行を終了する等、フルモードを終了するための処理を実行する。
【0215】
ステップS59において、CPUは、上述の次回起動時間を設定する。すなわち、上記“(4−6:オフモードと他のモードとの間の移行時における制御部の動作)”で述べた方法で、次回起動時間が電源制御ユニット23に通知される。ステップS59の後、CPUは、フルモードにおける処理を終了する。
【0216】
図19は、エコモード中において端末システム2の制御部14が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。本実施形態においては、
図19に示す一連の処理は、制御部14の第2処理ユニット22のCPUが、記憶部15に記憶される情報処理プログラム(システムソフトウェア)を実行することによって行われる。
図19に示す一連の処理は、エコモードが開始されたことに応じて開始される。
【0217】
エコモードにおいては、まずステップS61において、CPUは、上述の設定処理が完了しているか否かを判定する。この判定は、例えば、設定処理によって取得される、付加記憶装置3の記憶内容が記憶部15に記憶されているか否かによって行うことができる。ステップS61における判定結果が肯定である場合、ステップS62の処理がスキップされてステップS63の処理が実行される。一方、ステップS61における判定結果が否定である場合、ステップS62の処理が実行される。
【0218】
ステップS62において、CPUは、設定処理を実行する。設定処理は、上記“(4−3:終了時エコモード)”で述べた方法で実行される。設定処理が終了すると、CPUは、ステップS63の処理を実行する。
【0219】
ステップS63において、CPUは通信処理を開始する。通信処理は、上記“(4−4:エコモードにおける通信処理)”で述べた方法で実行される。ステップS63の処理以降、エコモードにおいて通信処理が実行される。
【0220】
ステップS64において、CPUは、ユーザによって起動指示が行われたか否かを判定する。ステップS64における判定結果が肯定である場合、ステップS65の処理が実行される。一方、ステップS64における判定結果が否定である場合、ステップS66の処理が実行される。
【0221】
ステップS65において、CPUは、実行途中である通信処理を中断する。通信処理を中断する場合の具体的な動作は、上記“(4−4−5:エコモード中にフルモードへ移行する場合の動作)”に示されている。ステップS65の後、CPUは、エコモード中における処理を終了する。このとき、動作モードはエコモードからフルモードへと移行される。
【0222】
一方、ステップS66において、CPUは、通信処理が完了したか否かを判定する。すなわち、CPUは、上述の更新処理、追加処理、およびメッセージ処理が完了したか否かを判定する。ステップS66における判定結果が肯定である場合、ステップS67の処理が実行される。一方、ステップS66における判定結果が否定である場合、ステップS64の処理が再度実行される。
【0223】
ステップS67において、CPUは、上述の次回起動時間を設定する。すなわち、上記“(4−6:オフモードと他のモードとの間の移行時における制御部の動作)”で述べた方法で、次回起動時間が電源制御ユニット23に通知される。ステップS67の後、CPUは、エコモードにおける処理を終了する。このとき、動作モードはエコモードからオフモードへと移行される。
【0224】
なお、
図18および
図19に示すフローチャートにおける各ステップの処理は、単なる一例に過ぎず、同様の結果が得られるのであれば、各ステップの処理順序を入れ替えてもよいし、各ステップの処理に加えて(または代えて)別の処理が実行されてもよい。また、本実施形態では、上記フローチャートの各ステップの処理をCPUが実行するものとして説明するが、上記フローチャートにおける一部のステップの処理を、CPU以外のプロセッサや専用回路が実行するようにしてもよい。
【0225】
第2処理ユニット22のCPUは、動作モードが移行することに応じて、
図18および
図19に示したフルモードまたはエコモードにおける一連の処理を実行する。なお、上述のように、オフモードにおいては、電源制御ユニット23が動作し、第2処理ユニット22は休止している。
【0226】
[6.変形例]
(各モードにおける給電に関する変形例)
上記実施形態においては、各モードは、以下の状態であると言える。
(a)フルモード:少なくとも第1処理ユニットが起動する。
(b)エコモード:フルモードよりも消費電力が小さく、第1処理ユニット21が起動せず、第2処理ユニット22が起動する。
(c)オフモード:第1処理ユニット21および第2処理ユニット22が起動せず、電源制御ユニットが起動する。
各モードの状態が上記のように設定されることによって、上述のように端末システム2の省電力化を図ることができる。ここで、本実施形態においては、フルモードにおいては制御部14の各ユニット21〜23が起動し、エコモードにおいては制御部14の各処理ユニット21および22が起動した。なお、他の実施形態においては、フルモードにおいては、少なくとも第1処理ユニットが起動すればよく、第2処理ユニット22および/または電源制御ユニット23は起動しなくてもよい。また、エコモードにおいては電源制御ユニット23が起動しなくてもよい。この場合であっても上記実施形態と同様、端末システム2の省電力化を図ることができる。
【0227】
(制御部の構成に関する変形例)
上記実施形態においては、フルモードにおいては第1処理ユニット21と第2処理ユニット22が動作し、エコモードにおいては第2処理ユニット22が動作した。つまり、フルモードにおいて動作する処理回路の一部(第2処理ユニット22のCPU)を用いてエコモードにおける処理が実行された。ここで、他の実施形態においては、エコモードにおける処理を専用の処理回路によって実行するようにしてもよい。
【0228】
図20は、制御部の構成の変形例の一例を示す図である。
図20に示すように、制御部14は、フルモード処理ユニット51と、エコモード処理ユニット52と、上記実施形態と同様の電源制御ユニット23とを有していてもよい。フルモード処理ユニット51は、フルモードにおける処理を実行する情報処理回路である。すなわち、フルモード処理ユニット51は、フルモードにおいて、上記OSを実行したり、ユーザによって指定されたアプリケーションを実行したりする。エコモード処理ユニット52は、エコモードにおける処理を実行する情報処理回路である。すなわち、エコモード処理ユニット52は、上述の設定処理および通信処理を実行する。
【0229】
制御部14が
図20に示す構成である場合、オフモードからフルモードへ移行する場合には、電源制御ユニット23がフルモード処理ユニット51に対して起動命令を送信する(
図20参照)。また、フルモードからオフモードへ移行する場合には、フルモード処理ユニット51は、フルモードにおける処理を終了した後、次回起動時間(時間t1)を電源制御ユニット23に対して通知し、動作を終了する。
【0230】
一方、オフモードからエコモードへ移行する場合には、電源制御ユニット23がエコモード処理ユニット52に対して起動命令を送信する(
図20参照)。また、エコモードからオフモードへ移行する場合には、エコモード処理ユニット52は、エコモードにおける処理を終了した後、次回起動時間(時間t2)を電源制御ユニット23に対して通知し、動作を終了する。
【0231】
また、エコモードからフルモードへ移行する場合には、起動指示があったことに応じて、電源制御ユニット23はフルモード処理ユニット51に対して起動命令を送信する。これによって、フルモード処理ユニット51がフルモードにおける処理の実行を開始し、動作モードはフルモードへ移行する。また、起動指示があったことに応じて、電源制御ユニット23は、起動指示があったことをエコモード処理ユニット52に対して通知する。ただし、エコモード処理ユニット52は、この通知を受けてもすぐにはエコモードにおける処理(通信処理)を終了せず、当該処理を継続して実行する。そして、当該処理が完了した場合、動作を終了する。これによって、上記実施形態と同様に、エコモードからフルモードへ移行する場合においてもエコモードにおける処理を完了することができる。
【0232】
(エコモードの時間間隔に関する変形例)
上記実施形態においては、エコモードの時間間隔(起動間隔)はユーザが設定することができるものとした。ここで、他の実施形態においては、サーバ4が端末システム2に対してエコモードの起動間隔を設定するようにしてもよい。すなわち、エコモードにおいて制御部14がネットワーク5を介してサーバ4と通信を行う際に、サーバ4は、現在のエコモードの次にエコモードを起動する時間を示す情報(移行時間情報)を端末システム2に対して通知するようにしてもよい。なお、移行時間情報は、次のエコモードを起動するタイミングを特定することができる情報であればよい。例えば、移行時間情報は、現在のエコモードが終了してからの時間を示してもよいし、次にエコモードが起動されるべき時刻を示してもよい。
【0233】
上記のように、端末システム2は、エコモードにおいて、次にエコモードへ移行する時間を示す移行時間情報をネットワークを介して取得してもよい。このとき、端末システム2は、移行時間情報の取得後、オフモードからエコモードへの移行が次に行われる時間を当該移行時間情報に基づいて決定する。例えば、現在のエコモードが終了してからの時間を移行時間情報が示す場合、電源制御ユニット23は、RTCにより計測される時間が、移行時間情報により示される時間となった場合に、次のエコモードを起動するようにしてもよい。
【0234】
以上のように、エコモードの起動間隔をサーバ4によって設定する場合には、ソフトウェアの提供者が起動間隔を設定することができる。例えば、ソフトウェアの提供者は、ソフトウェアの更新や追加等がない場合には起動間隔を長くしたり、更新や追加が必要なソフトウェアが多くある場合には起動間隔を短くしたりすることができる。これによって、エコモードの起動間隔を適切な長さに設定することができる。
【0235】
(エコモードの起動に関する変形例)
上記実施形態においては、エコモードを定期的に起動する(あるいは、タイムスケジュールに従ってエコモードを起動する)場合を前提として説明した。ここで、他の実施形態においては、エコモードは定期的に起動されなくてもよく、タイムスケジュールに従って起動されなくてもよい。この場合であっても、例えば、端末システム2は、エコモードにおいて、予め取得された付加記憶装置3の記憶内容に基づいて、付加記憶装置3を起動するか否かを決定することによって、エコモード中における電力消費を低減することができ、エコモードにおいて発生する駆動音を低減することができる。また例えば、端末システム2は、エコモードにおいて、付加記憶装置3にアクセスするか否かの判定結果に基づいて、付加記憶装置3を起動するか否かを決定することによって、エコモード中における電力消費を低減することができ、エコモードにおいて発生する駆動音を低減することができる。
【0236】
また、本実施形態においては、エコモードにおいて起動が制御される装置は、付加記憶装置3であったが、他の実施形態においては、これに限らない。例えば、他の実施形態においては、端末システム2は、端末システム2に含まれる(端末システム2に内蔵の)記憶装置の起動を制御してもよい。具体的には、記憶部15が、半導体記憶装置(例えばNANDフラッシュメモリ)と、ディスク型記憶装置(例えばハードディスク)とを有する場合、端末システム2は、ハードディスクの起動を制御してもよい。上記実施形態および上記変形例のように、駆動音を生じる記憶装置の起動を制御することによって、エコモード中における騒音を低減することができる。
【0237】
なお、上記変形例の場合も上記実施形態と同様、記憶装置を起動するか否かは、記憶装置の記憶内容に基づいて決定されてもよい。つまり、端末システム2は、エコモードにおいて、端末システム2がアクセス可能な記憶装置(上記変形例における記憶部15、あるいは、上記実施形態における付加記憶装置3)の予め取得された記憶内容に基づいて、記憶装置を起動するか否かを決定してもよい。これによれば、端末システム2は、記憶装置の記憶内容によっては記憶装置を起動しない機会を設けることができ、エコモード中における電力消費を低減することができる。
【0238】
また、エコモードにおいて起動が制御される装置は、記憶装置に限らず、端末システム2に接続可能な任意の付加装置であってもよい。例えば、他の実施形態において、端末システム2に付加装置として表示装置あるいはスピーカが接続される場合、端末システム2は、エコモードにおいて、これらの付加装置の起動を制御してもよい。なお、この場合も上記実施形態と同様、付加装置を起動するか否かは、ネットワーク5を介して外部装置(サーバ4)から取得されたデータに基づいて決定されてもよい。つまり、端末システム2は、ネットワークを介して外部装置(サーバ4)からデータを取得し、取得されたデータに関する処理のために付加装置へのアクセスが必要か否かを判定する。そして、端末システム2は、付加装置へのアクセスが必要か否かの判定結果に基づいて、付加装置を起動するか否かを決定してもよい。例えば、取得されたデータがユーザに対する重要なメッセージである場合には、(当該メッセージをユーザに通知するべく)表示装置あるいはスピーカへのアクセスが必要と判定され、表示装置あるいはスピーカが起動されてもよい。このように、付加装置の起動を制御することによって、エコモード中における電力消費を低減することができる。