(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
需要家におけるエネルギー量を計測し、所定本数の信号線を介してパルスを出力するメータを有するエネルギー管理システムにおいて、前記パルスを受信するエネルギー管理装置に適用される管理方法であって、
前記エネルギー管理装置が、前記信号線の本数に応じた、1パルス辺りのエネルギー量であるパルスレートの入力を受信するステップと、
記憶部に記憶された、受信した1つのパルスが示す流量に相当し、前記信号線の本数に基づいて算出される基準パルスレート、受信したパルスの数および前記入力されたパルスレートに基づいて前記需要家のエネルギー使用量を算出するステップとを備えたことを特徴とする管理方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、メータは、信号線及び接地線を含む複数の配線と接続されるが、エネルギー管理装置におけるパルス受信数は、メータと接続される信号線の本数によって異なる。そこで、エネルギー管理装置は、パルスレートに代えて、パルスレートを信号線の本数に応じて読み替えた数値を用いて、エネルギー使用量を算出することもできる。しかしながら、メータの仕様書においては、パルスレートとして、単位エネルギー量をそのまま記載したものと、単位エネルギー量を信号線の本数に応じて読み替えた値を記載したものとが混在している。
【0007】
従って、仕様書に記載されたパルスレートをエネルギー管理装置に設定すると、エネルギー管理装置がエネルギー使用量を正しく算出できない場合がある。
【0008】
そこで、本発明は、エネルギー使用量を正しく算出できる管理装置、管理システム、及び管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の特徴に係る管理装置は、需要家におけるエネルギー量を計測するメータから所定本数の信号線を介してパルスを受信するパルス受信部と、前記信号線の本数に応じた、1パルス当たりのエネルギー量であるパルスレートの入力を受信する制御部と、単位流量、前記信号線の本数、受信した1つのパルスが示す流量に相当する基準パルスレートを記憶する記憶部と、を備え、前記制御部は、
前記信号線の本数、受信したパルスの数および前記入力されたパルスレートに基づいて前記需要家のエネルギー使用量を算出することを特徴とする。
【0010】
第2の特徴に係る管理システムは、需要家におけるエネルギー量を計測し、所定本数の信号線を介してパルスを出力するメータと、前記パルスを受信するエネルギー管理装置とを備える管理システムであって、前記エネルギー管理装置は、前記信号線の本数に応じた、1パルス当たりのエネルギー量であるパルスレートの入力を受信する制御部と、単位流量、前記信号線の本数、受信した1つのパルスが示す流量に相当する基準パルスレートを記憶する記憶部と、を備え、を備え、前記制御部は、
前記信号線の本数、受信したパルスの数および前記入力されたパルスレートに基づいて前記需要家のエネルギー使用量の算出することを特徴とする。
【0011】
第3の特徴に係る管理方法は、需要家におけるエネルギー量を計測し、所定本数の信号線を介してパルスを出力するメータを有するエネルギー管理システムにおいて、前記パルスを受信するエネルギー管理装置に適用される管理方法であって、前記エネルギー管理装置が、前記信号線の本数に応じた、1パルス辺りのエネルギー量であるパルスレートの入力を受信するステップと、記憶部に記憶された、受信した1つのパルスが示す流量に相当
し、前記信号線の本数に基づいて算出される基準パルスレート、受信したパルスの数および前記入力されたパルスレートに基づいて前記需要家のエネルギー使用量を算出するステップとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、エネルギー使用量を正しく算出できる管理装置、管理システム、及び管理方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下において、本発明の実施形態に係るエネルギー管理システム、管理装置、及びエネルギー管理方法について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0015】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0016】
[実施形態の概要]
実施形態に係るエネルギー管理装置は、所定本数の信号線を介してパルスを出力するメータを有するエネルギー管理システムにおいて、前記パルスを受信する。エネルギー管理装置は、受信したパルスの数に、1パルス当たりのエネルギー量であるパルスレートを乗じた値を、エネルギー使用量として算出する制御部を備える。前記制御部は、前記パルスレートが指定された場合であって、かつ、前記信号線の本数と、前記指定されたパルスレートとの組み合わせが、前記信号線の本数と、受信した1つのパルスが示すエネルギー量である基準パルスレートとの組み合わせである基準の組み合わせと異なる特定の組み合わせである場合に、前記指定されたパルスレートに代えて、前記基準パルスレートを前記エネルギー使用量の算出に使用する。
【0017】
これによって、エネルギー使用量を正しく算出できるエネルギー管理装置、エネルギー管理システム、及びエネルギー管理方法を提供することができる。
【0018】
[本実施形態]
(エネルギー管理システム)
以下において、本実施形態に係るエネルギー管理システムについて説明する。
図1は、本実施形態に係るエネルギー管理システム100を示す図である。
【0019】
図1に示すように、エネルギー管理システム100は、分電盤110と、負荷120と、PV装置130と、蓄電池装置140と、燃料電池装置150と、貯湯装置160と、メータ180と、EMS200と、表示装置255とを有する。各機器は、任意の順で電力線に接続されてよい。
【0020】
分電盤110は、系統に接続されている。分電盤110は、電力線を介して、負荷120、PV装置130、蓄電池装置140及び燃料電池装置150に接続されている。
【0021】
負荷120は、電力線を介して供給を受ける電力を消費する装置である。例えば、負荷120は、冷蔵庫、冷凍庫、照明、エアコンなどの装置を含む。
【0022】
PV装置130は、PV131と、PCS132とを有する。PV131は、発電装置の一例であり、太陽光の受光に応じて発電を行う太陽光発電装置である。PV131は、発電されたDC電力を出力する。PV131の発電量は、PV131に照射される日射量に応じて変化する。PCS132は、PV131から出力されたDC電力をAC電力に変換する装置(Power Conditioning System)である。PCS132は、電力線を介してAC電力を分電盤110に出力する。
【0023】
蓄電池装置140は、蓄電池141と、PCS142とを有する。蓄電池141は、電力を蓄積する装置である。PCS142は、配電線31(系統)から供給を受けるAC電力をDC電力に変換する装置(Power Conditioning System)である。また、PCS142は、蓄電池141から出力されたDC電力をAC電力に変換する。
【0024】
燃料電池装置150は、燃料電池151と、PCS152とを有する。燃料電池151は、発電装置の一例であり、燃料ガスを利用して電力を出力する装置である。燃料電池151は、例えば、SOFC(Solid Oxide Fuel Cell)であってもよく、PEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell)であってもよい。PCS152は、燃料電池151から出力されたDC電力をAC電力に変換する装置(Power Conditioning System)である。
【0025】
貯湯装置160は、電力を熱に変換し、変換された熱を湯として蓄積したり、燃料電池装置150等のコージェネレーション機器が発生する熱を湯として蓄えたりする蓄熱装置の一例である。具体的には、貯湯装置160は、貯湯槽を有しており、燃料電池151の運転(発電)によって生じる排熱によって、貯湯槽から供給される水を温める。詳細には、貯湯装置160は、貯湯槽から供給される水を温めて、温められた湯を貯湯槽に還流する。
【0026】
メータ180は、需要家におけるエネルギー使用量を計量する機器である。メータ180は、単位エネルギー量に相当するエネルギーを検出すると、EMS200にパルスを出力する。例えば、メータ180は、ガス使用量を計量するためのガスメータである。あるいは、エネルギーを、生活又は生産に必要な資源として解釈する場合、メータ180は、水道使用量を計量するための水道メータであってもよい。
【0027】
EMS200は、エネルギー管理装置の一例であり、PV装置130、蓄電池装置140、燃料電池装置150及び貯湯装置160を制御する装置(Energy Management System)である。具体的には、EMS200は、PV装置130、蓄電池装置140、燃料電池装置150及び貯湯装置160に信号線を介して接続されている。EMS200は、PV装置130、蓄電池装置140、燃料電池装置150及び貯湯装置160を、Echonet LiteあるいはZig Bee(登録商標)などの通信プロトコルに準拠した信号を用いて制御する。
【0028】
また、EMS200は、メータ180が計量したエネルギー使用量を管理する。具体的には、EMS200は、メータ180が信号線を介して出力したパルスを受信し、受信したパルスに基づいてエネルギー使用量を算出する。
【0029】
表示装置255は、EMS200と接続されており、EMS200に格納された各種情報をアプリケーションによって可視化して表示する。EMS200と表示装置255との接続形式は、有線であってもよく、無線であってもよい。また、表示装置255は、ユーザの入力を受け付けるタッチパネル等であってもよい。このようなケースにおいては、ユーザは、EMS200に接続された装置を制御するための情報を、表示装置255を介して入力し、表示装置255は、ユーザが入力した制御情報を、EMS200に送信する。
【0030】
(メータ及びEMSの構成)
以下において、本実施形態に係るメータ及びEMSについて説明する。
図2は、本実施形態に係るメータ180の構成を示す図である。
図3は、EMS200を示すブロック図である。
図4は、本実施形態に係るEMS200の記憶部220に記憶されるテーブルを示す図である。
【0031】
まず、メータ180の構成について説明する。
図2に示すように、メータ180は、メータ本体部181と、パルス発信器182とを有する。また、メータ180は、複数の配線183と接続されている。
【0032】
メータ本体部181は、エネルギーを伝達する配管180Pに設けられる。以下、エネルギーとしてガスを、メータ180としてガスメータを例に説明する。
【0033】
メータ本体部181は、マグネット式等の流量信号発生器を有する。流量信号発生器は、配管180P(ガス管)を流れるガスを検出すると作動して、パルス発信器182に流量信号を出力する。パルス発信器182は、入力された流量信号を積算し、積算値が単位流量(単位エネルギー量)に達すると、複数の配線183を介して、パルスを出力する。単位流量は、メータ毎に設定されている。
【0034】
複数の配線183は、信号線183Sと接地線183Gとを含む。例えば、複数の配線183は、1本の接地線183Gと、1本又は複数本の信号線183Sとを含む。具体的には、1本の信号線183Sと1本の接地線183Gと接続されるメータを、2線式メータといい、2本の信号線183Sと1本の接地線183Gと接続されるメータを、3線式メータという。パルス発信器182が出力したパルスは、信号線183Sによって伝達される。
【0035】
ここで、パルス発信器182がパルスを出力すると、信号線183Sの本数に応じた数のパルスが、信号線183Sを伝達されることに留意すべきである。換言すると、2線式メータが単位流量に相当するガスを検出し、1つのパルスを出力した場合、EMS200におけるパルス受信数は1つである。一方、3線式メータが単位流量に相当するガスを検出し、1つのパルスを出力した場合、EMS200におけるパルス受信数は2つとなる。つまり、EMS200のパルス受信数は、メータ180に接続された信号線183Sの本数がn本(n≧2)の場合、メータ180が出力したパルス数のn倍となる。
【0036】
ところで、メータ180の仕様書においては、1パルス当たりの流量が、パルスレートとして記載される。一般的には、メータ180が出力する1パルス当たりの流量(すなわち、単位流量)が、パルスレートとして記載される。一方で、メータ180の仕様書において、EMS200がメータ180から受信した1パルス当たりの流量が、パルスレートとして記載されるケースも存在することに留意すべきである。
【0037】
次に、EMS200の構成について説明する。
図3に示すように、EMS200は、通信部210と、記憶部220と、パルス受信部230と、制御部240と、表示部250とを有する。
【0038】
通信部210は、接続された装置との間で信号線を介して各種信号を送受信する。例えば、通信部210は、PV131の発電量を示す情報をPV装置130から受信してもよい。通信部210は、蓄電池141の蓄電量Vを示す情報を蓄電池装置140から受信してもよい。通信部210は、燃料電池151の発電量を示す情報を燃料電池装置150から受信してもよい。通信部210は、貯湯装置160の貯湯量を示す情報を貯湯装置160から受信してもよい。通信部210は、例えば、表示装置255がタッチパネルである場合には、表示装置255を介してユーザが入力した情報を、表示装置255から受信してもよい。また、通信部210は、例えば、PV装置130、蓄電池装置140、燃料電池装置150及び貯湯装置160を制御するための信号を、各装置に送信する。
【0039】
記憶部220は、通信部210が受信した情報を記憶する。また、記憶部220は、接続された装置を制御するために制御部240が設定した制御情報を記憶する。
【0040】
図4に示すように、記憶部220は、パルスレートについての情報を記憶するテーブルを有する。具体的には、記憶部220は、メータ種別と、単位流量と、信号線の本数と、基準パルスレートとを、関連付けて記憶する。メータ種別は、メータが計量するエネルギーの種類(例えば、ガス又は水道)を識別する情報である。単位流量は、例えば、ガスメータの場合は、10L、100L、又は1000Lであり、水道メータの場合は、1L、10L、又は100Lである。信号線の本数は、配線183の本数から接地線183Gの本数(例えば、1本)を差し引いた数値である。基準パルスレートは、詳しくは後述するが、単位流量を信号線の本数で除算した数値である。
【0041】
パルス受信部230は、メータ180が信号線183Sを介して出力したパルスを受信する。
【0042】
制御部240は、負荷120、PV装置130、蓄電池装置140、燃料電池装置150、貯湯装置160、及び表示装置255を、Echonet Lite等の通信プロトコルに準拠した信号を用いて制御する。
【0043】
また、本実施形態において、制御部240は、パルス受信部230が受信したパルスの数に、パルスレートを乗じて、ガス使用量(エネルギー使用量)を算出する。
【0044】
制御部240は、ユーザ(又は設定業者)の入力を介して、メータ180の仕様書に記載されたパルスレートを取得し、ガス使用量の算出に用いる。ただし、前述したように、パルスレートは、メータ180が出力する1パルス当たりの流量(すなわち、単位流量)である場合と、メータ180から受信した1パルス当たりの流量である場合とが存在する。具体的には、2本の信号線183Sを備える3線式メータにおいて、単位流量が10Lの場合、仕様書において、パルスレートが10Lとして記載されるケースもあれば、パルスレートが5Lとして記載されるケースもある。前者のケースにおいては、パルス受信数にパルスレートを乗じると、実際のガス使用量の2倍の値が算出されてしまう。
【0045】
そこで、制御部240は、記憶部220を参照し、信号線183Sの本数と基準パルスレートとの組み合わせである基準の組み合わせを取得する。基準パルスレートは、受信した1つのパルスが示す流量に相当し、パルス受信数を乗じることによって、ガス使用量の算出に用いることができる数値である。具体的には、基準パルスレートは、前述したように、単位流量を信号線の本数で除算した数値である。
図4に示すテーブルにおいて、基準の組み合わせは、信号線の本数と、対応する基準パルスレートとの組み合わせに相当する。制御部240は、指定された信号線183Sの本数と、指定されたパルスレートとの組み合わせ(以下、「指定された組み合わせ」という)を、基準の組み合わせと比較する。指定された組み合わせが基準の組み合わせと一致する場合、制御部240は、指定されたパルスレートと、パルス受信数とを乗じて、ガス使用量を算出する。
【0046】
指定された組み合わせが基準の組み合わせと異なる場合、制御部240は、指定された組み合わせと特定の組み合わせとを比較する。特定の組み合わせとは、信号線183Sの本数と、全ての信号線183Sを介して同時に受信した複数のパルスが示す流量(すなわち、メータ180が出力するパルス1つ当たりの単位流量)との組み合わせに相当する。
図4に示すテーブルにおいて、特定の組み合わせは、信号線の本数と、対応する単位流量との組み合わせに相当する。指定された組み合わせが特定の組み合わせと一致する場合、制御部240は、指定されたパルスレートに代えて、基準パルスレートと、パルス受信数とを乗じて、ガス使用量を算出する。
【0047】
表示部250は、前述した表示装置255と同様の機能を有する。表示部250は、記憶部220に格納された各種情報を、アプリケーションによって可視化して表示する。表示部250は、ユーザの入力を受け付けるタッチパネルであってもよい。このようなケースにおいては、ユーザは、EMS200に接続された装置を制御するための情報を、表示部250を介して入力してもよい。
【0048】
(表示部)
図5は、本実施形態における、表示部における表示の一例を示す。本実施形態において、表示部250は、信号線183Sの本数とパルスレートとの組み合わせを指定するための複数の選択肢を表示する。
【0049】
具体的には、
図5(a)に示すように、表示部250は、配線183の本数を指定するための配線選択肢251と、パルスレートを指定するためのパルスレート選択肢252とを表示する。配線選択肢251は、1本の信号線183Sを含む2線式メータを指定するためのラジオボタン251aと、2本の信号線183Sを含む3線式メータを指定するためのラジオボタン251bとを含む。表示部250は、配線選択肢251の中から、メータ180の配線183の本数に対応するラジオボタンを選択する操作を、ユーザから受け付ける。
【0050】
図5(b)に示すように、配線選択肢251の中からラジオボタン251aが選択された場合、表示部250は、パルスレート選択肢252の中から、2線式メータに対応するプルダウンメニュー252aを表示する。プルダウンメニュー252aは、2線式メータに対応するパルスレートを選択するための選択肢を示す。表示部250は、プルダウンメニュー252aの中から、メータ180の仕様書に記載されているパルスレートに対応する数値を選択する操作を、ユーザから受け付ける。
【0051】
図5(c)に示すように、配線選択肢251の中からラジオボタン251bが選択された場合、表示部250は、パルスレート選択肢252の中から、3線式メータに対応するプルダウンメニュー252bを表示する。プルダウンメニュー252bは、3線式メータに対応するパルスレートを選択するための選択肢を示す。ここで、メータ180の仕様書において、パルスレートとして単位流量が記載されているケースと、パルスレートとして基準パルスレートが記載されているケースとの両方に対応するために、プルダウンメニュー252bは、基準パルスレートに加えて、単位流量をも示すことに留意すべきである。表示部250は、プルダウンメニュー252bの中から、メータ180の仕様書に記載されているパルスレートに対応する数値を選択する操作を、ユーザから受け付ける。
【0052】
制御部240は、表示部250が表示する配線選択肢251及びパルスレート選択肢252を介して指定された配線183の本数及びパルスレートを取得し、信号線183Sの本数とパルスレートとの指定された組み合わせを特定する。指定された組み合わせが基準の組み合わせと一致する場合、制御部240は、指定されたパルスレートと、パルス受信数とを乗じて、ガス使用量を算出する。指定された組み合わせが基準の組み合わせと異なり、かつ、特定の組み合わせと一致する場合、制御部240は、指定されたパルスレートに代えて、基準パルスレートと、パルス受信数とを乗じて、ガス使用量を算出する。
【0053】
(エネルギー管理方法)
以下において、本実施形態に係るエネルギー管理方法について説明する。
図6は、本実施形態に係るエネルギー管理方法を示すフロー図である。
【0054】
ステップS100において、EMS200は、信号線183Sの本数を指定する操作をユーザから受け付ける。次に、ステップS110において、EMS200は、パルスレートを指定する操作をユーザから受け付ける。信号線183Sの本数及びパルスレートは、表示部250が表示する複数の選択肢の中からのユーザによる選択に基づいて指定される。ただし、複数の選択肢の中からの選択に限らず、ユーザが信号線183Sの本数を示す値及びパルスレートを示す値を入力してもよい。
【0055】
ステップS120において、EMS200は、指定された組み合わせが、基準の組み合わせと一致するか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合、EMS200は、ステップS130の処理に進む。ステップS130において、EMS200は、指定されたパルスレートと、パルス受信数とを乗じて、エネルギー使用量(例えば、ガス使用量)を算出する。ステップS120において判定結果が“NO”の場合、EMS200は、ステップS140の処理に進む。ステップS140において、EMS200は、指定された組み合わせが、特定の組み合わせと一致するか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合、EMS200は、ステップS150の処理に進む。ステップS150において、EMS200は、指定されたパルスレートに代えて、基準パルスレートと、パルス受信数とを乗じて、エネルギー使用量を算出する。ステップS140において判定結果が“NO”の場合、EMS200は、指定された信号線183Sの本数又はパルスレートのいずれかに誤りがあると判断し、処理を終了する。
【0056】
以上説明したように、本実施形態では、EMS200は、受信したパルスの数に、1パルス当たりのエネルギー量であるパルスレートを乗じた値を、エネルギー使用量として算出する。EMS200は、パルスレートが指定された場合であって、かつ、信号線183Sの本数と、指定されたパルスレートとの組み合わせが、信号線183Sの本数と、1本の信号線183Sを介して受信した1つのパルスが示すエネルギー量である基準パルスレートとの組み合わせである基準の組み合わせと異なる特定の組み合わせである場合に、指定されたパルスレートに代えて、基準パルスレートをエネルギー使用量の算出に使用する。これによって、EMS200は、エネルギー使用量を正しく算出することができる。
【0057】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0058】
EMS200は、HEMS(Home Energy Management System)であってもよく、SEMS(Store Energy Management
System)であってもよく、BEMS(Building Energy Management System)であってもよく、FEMS(Factory Energy Management System)であってもよい。
【0059】
実施形態では、エネルギー管理システム100は、負荷120、PV装置130、蓄電池装置140、燃料電池装置150及び貯湯装置160を有する。しかしながら、エネルギー管理システム100は、少なくとも、負荷120と、PV装置130、蓄電池装置140、燃料電池装置150及び貯湯装置160の中のいずれかを有していればよい。
【0060】
実施形態では、メータ180によって使用量を計量するエネルギーとして、ガス又は水道を例示した。しかしながら、メータ180は、電力使用量を計量するためのメータであってもよい。このようなケースにおいては、エネルギー管理システム100は、メータ180を、例えば分電盤110に備えてもよい。
【0061】
実施形態では、表示部250が、配線183の本数及びパルスレートを指定するための複数の選択肢を表示する。しかしながら、表示部250に代わり、表示装置255が、配線183の本数及びパルスレートを指定するための複数の選択肢を表示してもよい。
【0062】
また、実施形態では、表示部250は、配線183の本数を選択するための複数の選択肢としてラジオボタン251a,251bを表示する。しかしながら、表示部250は、配線183の本数ではなく、信号線183Sの本数を選択するための複数の選択肢として、ラジオボタン251a,251bを表示してもよい。