特許第6243522号(P6243522)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6243522正則化された検出再構成を使用するマルチエコーディクソン水−脂肪分離及びB0歪補正による並列MRI
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243522
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】正則化された検出再構成を使用するマルチエコーディクソン水−脂肪分離及びB0歪補正による並列MRI
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20171127BHJP
   A61B 5/05 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   A61B5/05 376
   A61B5/05 374
   A61B5/05ZDM
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-517592(P2016-517592)
(86)(22)【出願日】2014年6月5日
(65)【公表番号】特表2016-519994(P2016-519994A)
(43)【公表日】2016年7月11日
(86)【国際出願番号】EP2014061644
(87)【国際公開番号】WO2014195384
(87)【国際公開日】20141211
【審査請求日】2017年6月1日
(31)【優先権主張番号】13170826.5
(32)【優先日】2013年6月6日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(72)【発明者】
【氏名】デ ウェルト エルウィン
(72)【発明者】
【氏名】コペルマン スティフェン
(72)【発明者】
【氏名】ペータース ヨハネス マルティヌス
【審査官】 姫島 あや乃
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0030025(US,A1)
【文献】 J. Ma ,et al,Multipoint Dixon Imaging using Sensitivity Encoding,Proc. Intl. Soc. Mag. Reson. Med. 11,2003年,#1069
【文献】 C. A. McKenzie, et al,Abdominal Three Point Dixon Imaging with Self Calibrating Parallel MRI,Proc. Intl. Soc. Mag. Reson. Med. 11,2004年,#917
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
MR装置の検査ボリュームにおいて位置される対象物のMRイメージングの方法であって、
-マルチポイントディクソン技術を使用して、及び空間感度プロファイルを示す感度マップを持つ二つ又はそれより多くのRF受信コイルを用いて、前記対象物から参照MR信号データを収集するステップと、
-前記参照MR信号データからB0マップを引き出すステップと、
-前記参照MR信号データからマルチポイントディクソン水マップ及びマルチポイントディクソン脂肪マップを引き出すステップと、
-前記感度マップの幾何学的歪に対して、前記B0マップによって前記感度マップを補正するステップと、
-k-スペースのサブサンプリングにより、前記二つ又はそれより多くの受信コイルを介して前記対象物からイメージングMR信号データを収集するステップと、
-前記イメージングMR信号データからMR画像を再構成し、サブサンプリングアーチファクトが、前記補正された感度マップを使用して除去される、ステップと
を有する方法において、
-前記感度マップの前記補正は、水からの信号及び脂肪からの信号にそれぞれ関連する前記補正された感度マップの計算を含み、
-前記MR画像の前記再構成は、水画像及び脂肪画像を同時に展開するために、前記補正された感度マップを使用する、正則化されたSENSE再構成スキームによって実行され、
-前記正則化は、正則化マップとして、前記参照MR信号データから引き出された前記マルチポイントディクソン水マップ及び/又は前記マルチポイントディクソン脂肪マップを使用する、
方法。
【請求項2】
前記参照MR信号データは、前記イメージングMR信号データの画像分解能より低い画像分解能で収集される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記参照MR信号データ及び/又は前記イメージングMR信号データは、エコープレーナイメージングを用いることによって収集される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
脂肪比率は、前記マルチポイントディクソン水マップ及び前記マルチポイントディクソン脂肪マップから計算され、前記脂肪比率は、それぞれの画像位置における水及び脂肪プロトンの信号寄与の関係を示し、前記脂肪比率は、前記MR画像を再構成する前記ステップにおいて使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記水画像は、水感度マップを使用して再構成され、前記脂肪画像は、前記水感度マップと異なる脂肪感度マップを使用して再構成される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記脂肪感度マップは、脂肪シフトの方向における変換によって前記水感度マップから計算される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記水画像は、水正則化マップを使用して再構成され、前記脂肪画像は、脂肪正則化マップを使用することによって再構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記水正則化マップは、前記マルチポイントディクソン水マップからもたらされ、脂肪正則化マップは、前記マルチポイントディクソン脂肪マップからもたらされる、請求項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れかの一項に記載の方法を実行するためのMR装置であって、前記MR装置は、検査ボリューム内において均一な定常磁場B0を生成するための少なくとも一つの主磁石コイルと、前記検査ボリューム内における異なる空間方向において、スイッチされる磁場傾斜を生成するためのいくつかの傾斜コイルと、前記検査ボリューム内においてRFパルスを生成するための、少なくとも一つのRFコイルと、前記検査ボリュームにおいて位置される対象物からMR信号を受信するための、一つ又はそれより多くの受信コイルと、スイッチされる磁場傾斜及びRFパルスの時間連続性を制御するための制御ユニットと、再構成ユニットとを含み、前記MR装置は、
-空間感度プロファイルを示す感度マップを持つ二つ又はそれより多くのRF受信コイルを用いて、マルチポイントディクソン技術を使用して、前記対象物から参照MR信号データを収集するステップと、
-前記参照MR信号データからB0マップを引き出すステップと、
-前記参照MR信号データからマルチポイントディクソン水マップ及びマルチポイントディクソン脂肪マップを引き出すステップと、
-前記感度マップの幾何学的歪に対して、前記B0マップによって前記感度マップを補正するステップと、
-k-スペースのサブサンプリングにより、前記二つ又はそれより多くの受信コイルを介して前記対象物からイメージングMR信号データを収集するステップと、
-前記イメージングMR信号データからMR画像を再構成し、サブサンプリングアーチファクトが、前記補正された感度マップを使用して除去される、ステップと
を実行するように構成され、
-前記感度マップの前記補正は、水からの信号及び脂肪からの信号にそれぞれ関連する前記補正された感度マップの計算を含み、
-前記MR画像の前記再構成は、水画像及び脂肪画像を同時に展開するために、前記補正された感度マップを使用する、正則化されたSENSE再構成スキームによって実行され、
-前記正則化は、正則化マップとして、前記参照MR信号データから引き出された前記マルチポイントディクソン水マップ及び/又は前記マルチポイントディクソン脂肪マップを使用する、
MR装置。
【請求項10】
MR装置上で実行されるべきコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、
-マルチポイントディクソン技術を使用して、及び空間感度プロファイルを示す感度マップを持つ二つ又はそれより多くのRF受信コイルを用いて、対象物から参照MR信号データを収集するステップと、
-前記参照MR信号データからB0マップを引き出すステップと、
-前記参照MR信号データからマルチポイントディクソン水マップ及びマルチポイントディクソン脂肪マップを引き出すステップと、
-前記感度マップの幾何学的歪に対して、前記B0マップによって前記感度マップを補正するステップと、
-k-スペースのサブサンプリングにより、前記二つ又はそれより多くの受信コイルを介して前記対象物からイメージングMR信号データを収集するステップと、
-前記イメージングMR信号データからMR画像を再構成し、サブサンプリングアーチファクトが、前記補正された感度マップを使用して除去される、ステップと
のための命令を有し、
-前記感度マップの前記補正は、水からの信号及び脂肪からの信号にそれぞれ関連する前記補正された感度マップの計算を含み、
-前記MR画像の前記再構成は、水画像及び脂肪画像を同時に展開するために、前記補正された感度マップを使用する、正則化されたSENSE再構成スキームによって実行され、
-前記正則化は、正則化マップとして、前記参照MR信号データから引き出された前記マルチポイントディクソン水マップ及び/又は前記マルチポイントディクソン脂肪マップを使用する、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴(MR)イメージングの分野に関する。MR装置の検査ボリューム(体積)において位置される対象物のMRイメージングの方法に関する。本発明は、MR装置及びMR装置上において実行されるべきコンピュータプログラムにも関する。
【背景技術】
【0002】
二次元又は三次元画像を形成するために、磁場と核スピンとの間の相互作用を利用する、画像形成MR方法は、軟組織のイメージングのために、それらは、多くの点において他のイメージング方法よりも優れており、電離放射線を必要とせず、通常、非侵襲性であるため、特に医用診断の分野において、近年広く使われている。
【0003】
概して、MR方法によれば、方向は、測定が基づかれる座標系の軸(通常z軸)を同時に規定する、強力で、均一な磁場B0において、検査されるべき患者の身体は配置される。磁場B0は、既定の周波数(いわゆるラーモア周波数又はMR周波数)の交番電磁界(RF場)の印加によって励起される磁場強度(スピン共鳴)に依存して、個々の核スピンのための、異なるエネルギー準位(レベル)を生成する。巨視的な見地からすると、個々の核スピンの分布は、磁場B0がz軸と直角に延在する間、適切な周波数(RFパルス)の電磁パルスの印加によって平衡状態から偏らされ得る全磁化を生成するので、磁化は、z軸のまわりに歳差運動を行う。歳差運動は、アパーチャの角度がフリップ角と称されるコーンの表面を描く。フリップ角の大きさは、もたらされた電磁パルスの強度及び持続期間に依存する。いわゆる90°パルスの場合、スピンは、z軸から水平面(フリップ角90°)まで偏らされる。
【0004】
RFパルスの終了後、磁化は、平衡の元の状態に再び緩和され、z方向における磁化は第一の時定数T1(スピン格子又は縦緩和時間)で再びビルドアップされ、z方向に対して直角な方向における磁化は、第二の時定数T2(スピン-スピン又は横緩和時間)で緩和する。磁化の変化がz軸と直角をなす方向で測定されるような態様で、磁化の変化は、MR装置の検査ボリューム内において配置され、方向付けられる、受信RFコイルによって検出されることができる。例えば、90°パルスの印加の後、同じ位相(フェーズ)を備える秩序状態から、すべての位相角が均一に分布される(デフェージング)状態への、(局所的な磁場不均一性によって誘導される)核スピンの遷移によって、横磁化の減衰は達成される。デフェージングは、リフォーカシングパルス(例えば180°パルス)によって補償されることができる。これにより、エコー信号(スピンエコー)が受信コイルにおいて生成される。
【0005】
体内において空間的分解能を実現するため、三つの主軸に沿って延在する線形磁場傾斜は、均一磁場B0上において重ねられ、スピン共鳴周波数の線形空間依存性がもたらされる。受信コイルにおいてピックアップされる信号はそれから、体内における異なる位置に関連し得る、異なる周波数の成分を含む。受信コイルを介して得られる信号データは、空間周波数領域(ドメイン)に対応しており、k-スペースデータと称される。k-スペースデータは通常、異なる位相エンコーディング(符号化)を用いて収集される複数のラインを含む。各々のラインは、いくつかのサンプルを集めることによってデジタル化される。1セットのk-スペースデータは、フーリエ変換によってMR画像に変換される。
【0006】
近年、並列収集(パラレルアクイジション)と称される、MR収集を速めるための技術が開発されている。このカテゴリーにおける方法は、SENSE(プルスマン(Pruessmann)他、「SENSE:高速MRI用感度(センシビティ)エンコーディング法」、医療における磁気共鳴1999、42(5)、1952-1962)及びSMASH(ソディクソン(Sodickson)他、「空間ハーモニックスの同時収集法(SMASH):高周波コイルアレイによる高速イメージング」、医療における磁気共鳴1997、38、591-603)である。SENSE及びSMASHは、並列に複数のRF受信コイルから得られる、サブサンプリングされたk-スペースデータ収集を使用する。これらの方法において、複数のコイルからの(複素)信号データは、最終的に再構成されたMR画像における、サブサンプリングアーチファクト(エイリアシング)を抑制するような方法で複素重み付けと組み合わされる。この種の複素アレイ組合せは、時々空間フィルタリングと称され、k-スペース領域(SMASHの場合のように)、又は画像領域(SENSEの場合のように)において、更にはハイブリッドである方法において、実行される組合せを含む。SENSE又はSMASHの何れかにおいて、十分な精度を備える受信コイルの適切な重み付け又は空間感度を知ることは本質的である。コイル感度、すなわち信号検出のために使われる受信コイルの空間感度プロファイルを得るため、較正プレスキャンは通常、実際の画像収集の前、及び/又はその後に実行される。プレスキャンにおいて、MR信号は通常、診断MR画像のために必要とされる分解能よりもかなり低い分解能で収集される。低分解能プレスキャンは通常、ボリュームコイル、例えばMR装置の直交体コイルを介した信号収集及び受信コイルのアレイを介した信号収集のインターリービングから構成される。低分解能MR画像は、アレイ受信コイルを介して、及びボリュームRFコイルを介して受信される、MR信号から再構成される。受信コイルの空間感度プロファイルを示している感度マップはそれから、例えば、ボリュームコイル画像による受信コイル画像の分割によって計算され得る。
【0007】
場の強度を増やすことにより、B0不均一性によってもたらされるオフレゾナンス効果は、より深刻になり、ほとんどすべてのMRアプリケーションに影響を及ぼす。
【0008】
エコープレーナイメージング(EPI)は、特に収集されたデータにおいて幾何学的(ジオメトリ)歪をもたらすB0場不均一性に影響されやすい。これらの歪は、プレスキャンにおいて収集される感度マップと受信コイルの「真の」空間感度分布との間のずれを引き起こす。通常のSENSE実施例において、EPIスキャン及び非EPIスキャンによって収集されるMR信号データからの再構成の間で区別はなされない。EPIスキャンにおいて、水-脂肪シフトは、非EPIスキャンにおけるものよりかなり大きい。大きな水-脂肪シフトのために、画質は、従来のSENSE再構成でかなり妥協される。脂肪組織から発するMR信号は、水-脂肪シフトの(すなわち位相エンコーディング方向と並行な)方向においてシフトされる。このシフトは、異なるタイプのアーチファクトを引き起こす。一方のタイプのアーチファクトは、検査された解剖部の内側へシフトする脂肪のMR信号からもたらされる。他のタイプのアーチファクトは、検査された解剖部から外側にシフトするが、(サブサンプリングのため、及び検査された解剖部の外側の情報を含まない感度マップのために)解剖部の内部に折り返す、脂肪のMR信号からもたらされる。いずれの場合も、サブサンプリングアーチファクトは、SENSE再構成によって不完全に除去されるだけである。EPIスキャンが、並列収集スキーム(計画)と組み合わされるとき、対応するアーチファクトは、実際にはしばしば発生する。更なるタイプのアーチファクトは、主磁場不均一性のために、イメージングMR信号データの収集の間、測定された解剖部の幾何学的な変形によってもたらされる。この変形は参照スキャンの間に経験されるものと異なる。結果として、感度マップは、MR画像の再構成のために適切にアライン(位置合わせ)されない。これは、サブサンプリングアーチファクトの不完全な除去をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述から、改善されたMRイメージング技術に対する必要性があることは容易に評価される。従って、本発明の目的は、特にサブサンプリングアーチファクトのより十分な抑制を実現することによって、増加された画質を備える並列イメージングを可能にする方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、MR装置の検査ボリュームにおいて位置される対象物のMRイメージングの方法が開示される。本方法は、
-対象物から参照MR信号データを収集するステップと;
-参照MR信号データからB0マップを引き出すステップと;
-感度マップの幾何学的歪を補正するため、B0マップによる感度マップを構成し、感度マップは、一つ又はそれより多くのRF受信コイルの空間感度プロファイルを示す、ステップと;
-k-スペースのサブサンプリングにより、一つ又はそれより多くの受信コイルを介して対象物からイメージングMR信号データを収集するステップと;
-イメージングMR信号データからMR画像を再構成し、サブサンプリングアーチファクトが、もたらされた感度マップを使用して除去される、ステップと
を有する。本発明によれば、感度マップ及び/又はイメージングMR信号データは、EPIを使って収集されてもよい。代わりに、三次元フィールドエコー(FFE)シーケンスが、感度マップの収集のために使用されてもよい。B0不均一性による幾何学歪を補正する構成は、感度マップに適用される。随意に、対応する補正は、収集されたイメージングMR信号データにももたらされてもよい。補正の後、感度マップは、患者の解剖部のそれぞれの位置における、使用された受信コイルの「真の」感度を正確に表す。それによって本発明は、SENSE再構成の後、残留するサブサンプリングアーチファクトを低減することを可能にする。
【0011】
好ましくは、イメージングMR信号データは、異なる空間感度プロファイルを有する二つ又はそれより多くのRF受信コイルを介して並列に収集される。しかしながら、本発明の範囲が、並列イメージングに限定されないことは注意されなければならない。イメージングMR信号データ収集は、単体のRF受信コイルのみを使用して実行されてもよく、MR画像は、例えば、知られている圧縮検出(CS)技術を用いることによって、サブサンプリングされたイメージングMR信号データから再構成される。
【0012】
発明の好ましい実施例において、参照MR信号データは、マルチポイントディクソン技術を使用して収集される。
【0013】
当然知られているマルチポイントディクソン技術によれば、組織を含む水から発するMR信号及び脂肪組織から発するMR信号を分離するために、脂肪と水プロトンとの間の空間的な差(水-脂肪シフトとも称される)が使用される。マルチポイントディクソンにおいて、k-スペースの複数の収集は、異なるエコー時間で繰り返される。最も簡単なディクソン技術、2点ディクソンは、二つの完全なk-スペースデータセットを収集し、第二の収集における脂肪磁化は、それぞれのエコー時間において、第一の収集に対して位相が外れる。分離され、明瞭な水及び脂肪画像は、複素MR信号データセットの単純な加算又は減算によって得られる。概して、B0マップ、水マップ、及び脂肪マップは、マルチポイントディクソン技術によって得られる。
【0014】
本発明によれば、マルチポイントディクソンシーケンスは、実際のイメージングMR信号データの収集に先行する、参照MR信号データの収集の間に、もたらされてもよい。利点は、マルチポイントディクソンを用いるB0マッピングが非常に速いことにあり、B0マップに加えて視野内における水及び脂肪分布に関する有用な情報を提供することにある。B0マップは、感度マップをもたらすための本発明によって利用される。
【0015】
好ましくは、参照MR信号データは、イメージングMR信号データの画像分解能よりも低い画像分解能で収集される。低減された画像分解能のため、参照MR信号データは、イメージングMR信号データよりもずっと高速に収集されることができる。参照MR信号データ収集の分解能は、イメージングMR信号データ収集の分解能より、少なくとも2乃至10倍小さくてもよい。
【0016】
本発明の好ましい実施例によれば、水及び脂肪プロトンからイメージングMR信号データへの信号寄与は、MR画像を再構成するステップにおいて分離され、それによって水画像及び脂肪画像が得られる。すなわち、本発明は、収集されたイメージングMR信号データからのSENSE再構成によって、水画像及び脂肪画像の同時再構成を可能にする。好ましくは、水画像は、水感度マップを使って再構成され、脂肪画像は、水感度マップと異なる脂肪感度マップを使って再構成される。これは、脂肪シフトを考慮に入れる。分離された(構成された)水及び脂肪感度マップの各々は、水及び脂肪組織の位置においてそれぞれ、使用された受信コイルの感度を正確に表す。脂肪感度マップは、脂肪シフトの方向における簡単な変換によって水感度マップから計算されてもよい。
【0017】
本発明のさらに他の好ましい実施例によれば、いわゆる「脂肪比率」は、各々のボクセルに対してディクソン水及び脂肪マップから計算され、脂肪比率は、それぞれの画像位置における水及び脂肪プロトンの信号寄与の関係を示す。脂肪比率は、比率:脂肪信号/(脂肪信号+水信号)と規定され得る。従って、脂肪比率は、各ボクセル位置において、脂肪プロトンから全信号へのそれぞれの信号寄与を反映する。脂肪比率はそれから、水及び脂肪からの互いに対する信号寄与を関連付けるために、MR画像を再構成するステップにおいて使われることができる。再構成における未知数の数は、このようにかなり減らされるため、逆問題のコンディショニング、従って、結果としてもたらされるMR画像の質は改善されることができる。
【0018】
本発明のさらに好ましい実施例において、正則化(例えば、正則化されたSENSEをように)が、MR画像を再構成するために使われる。正則化の適用は、当業者に知られている。例えば適用されたk-スペースサンプリングスキーム及び/又は感度マップのジオメトリのために、MR画像再構成の逆問題が不良条件化される場合、特に有利となる。正則化を用いることによって、再構成問題の解決策は、いくらか先行する情報の方に偏る。この先行する情報は、例えば、検査された解剖部の一つ又はそれより多くの低分解能MR画像であってもよく、正則化マップと称される。正則化は、MR画像再構成の逆問題のコンディショニングを改善する。好ましくは、正則化マップは、幾何学的歪を補正するために、B0マップにより構成される。
【0019】
本発明のさらに他の好ましい実施例によれば、正則化は、収集されたイメージングMR信号データから、水画像及び脂肪画像の同時再構成のために使われる。水及び脂肪画像の両方を再構成するために、一つの正則化マップを使うことは基本的に可能である。しかしながら、好適に選択された分離正則化マップが、水及び脂肪画像を再構成するために使われる場合、画質はかなり改善され得ることが判明している。これは、独立した正則化が、水及び脂肪画像をそれぞれ再構成するためにもたらされることを意味する。例えば、先に述べたように、参照MR信号データが、マルチポイントディクソンを使用して収集される場合、脂肪マップが、脂肪正則化マップとして使われることができる一方、得られた(低分解能の)水マップは、水正則化マップとして有利に使われることができる。マルチポイントディクソン方法を用いて得られる水及び脂肪マップは、検査された解剖部内における、水及び脂肪組織の位置に関する、有用な情報を提供する。この情報は、画質及び再構成問題のコンディショニングを改善するために、本発明により利用される。マルチポイントディクソン技術が、更なる収集時間なしで、水及び脂肪マップをもたらすことは、このコンテキストにおいて注意されるべきである。
【0020】
本発明の方法のさらに好ましい実施例において、脂肪抑制は、イメージングMR信号を収集するステップにおいて使用されてもよい。脂肪抑制は、脂肪プロトンから、結果としてもたらされるMR画像への信号寄与の効果を、最大限可能な範囲で、除去するために、使用されたイメージングシーケンスの特定のパラメータを使用するプロセスである。例えば、脂肪プロトンの磁化の飽和をもたらす、周波数選択RF励起パルスがもたらされてもよい。SENSE再構成のコンディショニングは、脂肪抑制を使用することによって、さらに改善されることができる。(完全に)抑制されない脂肪プロトンからの何れの信号寄与も、本発明の方法によって除去されることができ、従って、非常にロバストな、脂肪抑制されたSENSE再構成スキームがもたらされる。
【0021】
上述の本発明の方法は、検査ボリューム内において均一な定常磁場B0を生成するための少なくとも一つの主磁石コイルと、検査ボリューム内における異なる空間方向において、スイッチされる磁場傾斜を生成するためのいくつかの傾斜コイルと、検査ボリューム内においてRFパルスを生成するための、少なくとも一つのRFコイルと、検査ボリュームにおいて位置される対象物からMR信号を受信するための、一つ又はそれより多くの受信コイルと、スイッチされる磁場傾斜及びRFパルスの時間連続性を制御するための制御ユニットと、再構成ユニットとを含むMR装置によって実行されることができる。本発明の方法は、MR装置の制御ユニット及び/又は再構成ユニットの対応するプログラミングによって実現される。
【0022】
本発明の方法は、現在臨床使用において大部分のMR装置において有利に実行されることができる。このために、本発明の上記方法のステップを実行するように、MR装置が制御される、コンピュータプログラムを使用することが単に必要とされるだけである。コンピュータプログラムは、MR装置の制御ユニットにおけるインストールのためにダウンロードされるように、データネットワークにおいてもたらされるか、又はデータキャリア上にもたらされてもよい。
【0023】
含まれる図面は、本発明の好ましい実施例を開示する。しかしながら、図面は例示を目的とするのみであり、本発明の限定を規定するものでないことは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の方法を実行するためのMR装置を表す。
図2】本発明によって収集されるB0マップ及びB0マップからもたらされる変形マップを表す。
図3】本発明による感度マップの適用例を示す。
図4】本発明による、正則化されたSENSE再構成のための正則化マップを示す。
図5】従来のSENSEアプローチ(a)、構成されるコイル感度マップ(b)、及び正則化マップとしてのマルチポイントディクソン水及び脂肪マップを用いる、再構成及び収集される生体内MR脳画像を表す。
【本発明を実施するための形態】
【0025】
図1に関して、MR装置1が示される。本装置は、実質的に均一な、時間的に一定の主磁場B0が、検査ボリュームを通じてz軸に沿って生成されるように、超伝導又は抵抗性主磁石コイル2を有する。本装置は、1セットのシミングコイル2'を更に有し、セット2'の個々のシミングコイルを通じる電流が、検査ボリューム内におけるB0逸脱を最小化するために制御可能である。
【0026】
MRイメージングを実行するため、磁気共鳴生成及び操作システムは、核磁気スピンを反転させるか、又は励起し、磁気共鳴を誘導し、磁気共鳴をリフォーカスし、磁気共鳴を操作し、磁気共鳴を空間的に、及びその他の方法でエンコードし、スピンを飽和させるため、一連のRFパルス及びスイッチされた磁場傾斜をもたらす。
【0027】
より特定されることに、傾斜パルス増幅器3は、検査ボリュームのx、y、及びz-軸に沿う、全身(ホールボディ)傾斜コイル4、5、及び6の選択された一つに電流パルスをもたらす。デジタルRF周波数送信器7は、検査ボリュームにRFパルスを送信するために、送信/受信スイッチ8を介して、RFパルス又はパルスパケットをボディ(体)RFコイル9に送信する。通常のMRイメージングシーケンスは、互いにとられる短い期間の、RFパルスセグメントのパケットから構成され、何れの、もたらされた磁場傾斜も、核磁気共鳴の選択された操作を実現する。RFパルスは、飽和させ、共鳴を励起させ、磁化を反転させ、共鳴をリフォーカスさせ、共鳴を操作し、検査ボリュームにおいて位置されるボディ10の部分を選択するために使用される。MR信号は、ボディRFコイル9によってもピックアップされる。
【0028】
並列イメージングによって、ボディ10の限定された領域のMR画像の生成のために、1セットのローカルアレイRFコイル11、12、及び13は、イメージングのために選択される領域に隣接して位置される。アレイコイル11、12、及び13は、ボディ-コイルRF送信によって誘導されるMR信号を受信するために受信コイルとして使われることができる。
【0029】
結果としてもたらされるMR信号は、ボディRFコイル9及び/又はアレイRFコイル11、12、及び13によってピックアップされ、好ましくはプリアンプ(図示略)を含む受信器14によって復調される。受信器14は、送信/受信スイッチ8を介してRFコイル9、11、12、及び13に接続される。
【0030】
ホストコンピュータ15は、エコープレーナイメージング(EPI)のような、複数のMRイメージングシーケンスの何れも生成するために、傾斜パルス増幅器3及び送信器7と共に、シミングコイル2'を制御する。選択されたシーケンスのために、受信器14は、各々のRF励起パルスに後続して高速に連続して単一又は複数のMRデータラインを受信する。データ収集システム16は、受信信号のアナログ・デジタル変換を実行して、各々のMRデータラインを、更なる処理に適しているデジタルフォーマットに変換する。最新のMRデバイスにおいて、データ収集システム16は、生画像データの収集に特化する別個のコンピュータである。
【0031】
最終的に、デジタル生画像データは、フーリエ変換又はSENSEのような他の適切な再構成アルゴリズムを適用する再構成プロセッサ17によって画像表示に再構成される。MR画像は、患者を通じるプレーナスライス、並列プレーナスライスのアレイ、及び三次元ボリューム等を表してもよい。画像はそれから、例えば結果としてもたらされるMR画像の、人により読取り可能な表示をもたらすビデオモニタ18を介して、画像表示の、スライス、プロジェクション、又は他の部分を、視覚化のための、適切なフォーマットに変換するようにアクセスされてもよい、画像メモリに記憶される。
【0032】
本発明の方法の実際的な実施例は、以下のように記述される。
【0033】
ボディ10が主磁石コイル2のアイソセンタに位置された後、プレスキャンが、参照MR信号データを収集するために開始される。プレスキャンは、ボディRFコイル9及びアレイRFコイル11、12、及び13を介してインタリーブ信号収集を使う。アレイRFコイル11、12、及び13の空間感度プロファイルを示している感度マップは、B0マップ、水マップ、及び脂肪マップと共に参照MR信号データからもたらされる。マルチポイントディクソン技術は、この目的のために使用される。参照MR信号データは、低分解能で、すなわちk-スペースの限定された中心部分から収集される。全部のプレスキャンは、数秒以内にこのように実行されることができる。
【0034】
プレスキャンの後、EPI画像スキャンは、より高い画像分解能、すなわちそれぞれの診断イメージングタスクに十分な画像分解能で実行される。イメージングMR信号データは、k-スペースのサブサンプリングと並列に、アレイRFコイル11、12、及び13を介して、ボディ10から収集される。最終的に、SENSE再構成は、収集されたイメージングMR信号データにもたらされる。その中において、サブサンプリングアーチファクト(エイリアシング)は、プレスキャンから得られる感度マップを使って抑制される。
【0035】
本発明によれば、感度マップは、残留するエイリアシングアーチファクトを低減するため、SENSE画像再構成ステップに先行してもたらされる。このために、変形マップは計算される。変形マップは、各々の画像位置に対して、水-脂肪シフトの機能として、B0不均一性のために、どれくらいの、検査された解剖部が、収集されたイメージングMR信号データにおいて、変形されるかを示す。変形マップは、プレスキャンから得られるB0マップを使って形成される。脳イメージングにおいて使われるB0マップの例が、図2の左の画像において示される。ピクセルの単位における変形とB0オフセットとの間の各々の位置に対する関係は、
によって与えられる。
【0036】
図2の左の画像において示されるB0マップからもたらされる変形マップは、図2の右画像において示される。グレー値は、水-脂肪シフト(WFS)の方向における変形の程度である。
【0037】
変形マップに基づいて、プレスキャンから得られる感度マップ(CSM=コイル感度マップ)は、各々の受信コイル11、12、及び13のための、変形された感度マップを計算することによってもたらされる。これは、何れの補間スキーム(例えば単純な線形補間)も用いてなされる。
【0038】
その中において、CSMdefは、変形された感度マップを表し、CSMorigは、プレスキャンから結果としてもたらされる、対応する「元の」感度マップを表し、x及びyは画像位置であり、Δyはそれぞれの位置(上記参照)における変形を表す。
【0039】
図3における左の画像は、一つの受信コイルの元々収集された感度マップCSMorigの例を示す。図3における右画像は、対応する変形された感度マップCSMdefを示す。各々の画像位置におけるグレー値は、記載の実施例において、患者の額の上に渡って位置される受信コイルの感度を示す。図3における取り囲まれた領域は、B0不均一性によってもたらされる、大きな変形の領域を示す。
【0040】
次のステップとして、変形された感度マップは、シフトされた脂肪信号のために計算される。これは、水-脂肪シフトWFSの量によって、及び水-脂肪シフトの方向において、水CSMwater=CSMdefのための、すでに変形された感度マップの変換によって達成される。
【0041】
CSMfatは、所与の受信コイルに対する脂肪信号のための、変形された感度マップを表す。
【0042】
次のステップとして、イメージングMR信号データmは、k-スペースのサブサンプリングによるEPIシーケンスを使って、受信コイル11、12、及び13を介して並列に、患者のボディ10から収集される。
【0043】
その後、水画像及び脂肪画像は、以下のように一セットの線形方程式を解くことによって、収集されたMR信号データmから同時に再構成される。
【0044】
その中で、mは、すべての使用された受信コイルのための、イメージングMR信号データのベクトルを表し、pwater及びpfatは、水画像及び脂肪画像それぞれの画像値のベクトルである。CSMwater及びCSMfatは、すべての使用された受信コイルに対する、水及び脂肪のための変形された感度マップのマトリックス表示である。正則化されたSENSE再構成スキームがもたらされる。Rwaterは、対応する(対角)正則化マトリックスである。
【0045】
水及び脂肪画像の同時再構成が、もたらされた(サブサンプリングの量を示す)SENSEファクタを2倍に増やすことは注意されるべきである。位置ごとの有効SENSEファクタは、正則化項の適切な規定によって低減される。すなわち、脂肪に対する正則化項は、脂肪信号が所与の位置にない状況に似ている場合、有効SENSEファクタは、その元の値に戻る。再構成問題のコンディショニングは、この場合元のケース(すなわち脂肪画像の同時再構成なしの場合)に近い。
【0046】
水及び脂肪のための正則化の最適な規定は、本発明の技術のために重要であることが判明している。
【0047】
上記の方程式において、元の「水」正則化マップRwaterは、水及び脂肪画像の両方のために使われる(最初、水及び脂肪寄与は識別されることができない)。これは有効な選択であるが、再構成問題のコンディショニングは、元の(水のみの)再構成に関して、低減されるであろう。B0不均一性に起因する、残りのサブサンプリングアーチファクトは、除去されるであろう。しかしながら、信号対雑音比(SNR)におけるかなりの低下が観測され得る。コンディショニングを改善するため、本発明は、水及び脂肪画像それぞれの再構成のための正則化マップとして、マルチポイントディクソンプレスキャンから得られる水及び脂肪マップを使うことを提案する。
【0048】
ここで、Rfatは、脂肪のための、対応する(対角)正則化マトリックスである。
これらのマップは、水及び脂肪信号の位置に関して、非常に有用な情報を提供する。水及び脂肪マップは、B0マップに沿って同時に得られる。それ故に、余分な収集時間又は再構成時間は、必要とされない。図4aは、従来のSENSEプレスキャンから結果としてもたらされる正則化マップを示す。図4bは、マルチポイントディクソン水マップから得られる正則化マップを表し、図4cは、マルチポイントディクソン脂肪マップから得られる正則化マップを表す。マルチポイントディクソンマップを使うことにより、コンディショニングはかなり向上させられる。再構成された水及び脂肪画像におけるSNRは、かなり低減される。これは、図5に示される生体内MR画像において、明確に理解されることができる。図5aは、従来のSENSE収集及び再構成スキームと組み合わされて従来のSENSEプレスキャンから得られるヘッド画像を示す。かなりのサブサンプリングアーチファクトは観測される。図5bは、本発明に従うプレスキャン及び感度マップの対応するB0補正による同じ画像を示す。標準的な正則化マップは、図5bにおいてもたらされる。サブサンプリングアーチファクトは、図5aと比較してかなり低減される。図5cにおいて、マルチポイントディクソンプレスキャンから得られる水及び脂肪マップが、正則化マップとして使われる。サブサンプリングアーチファクト低減は、図5cにおいてより強くなる。さらに、SNRは増やされ、画像バックグランドは、図5bにおけるものより非常にきれいになる。
【0049】
随意に、いわゆる「脂肪比率」(FF)は、再構成問題のコンディショニングがさらに向上させられるように、水プロトン及び脂肪プロトンからの、互いに対する信号寄与を関連させるため、本発明の方法において、使われることができる。位置yにおける脂肪比率FFは、以下の通りに、マルチポイントディクソンマップpwater(y)及びpfat(y)から計算されることができる。
【0050】
EPIスキャンのイメージングMR信号データから最終的なMR画像を再構成するために、SENSE再構成スキームにこの関係を含めるため、脂肪信号が、水-脂肪シフトのためにシフトされることは考慮されなければならない。それ故に、脂肪及び水マップの間の関係は、以下に修正されなければならない。
【0051】
ここで、
は、再構成されるべきMR画像におけるボクセル位置を表す。理想的なケースにおいて、この関係は、再構成問題における未知数の数を元のシステムの数に減らすために(すなわち水/脂肪分離なしで)直接用いられることができる。
【0052】
実際の実施例において、いくつかの局面が考慮される必要がある。ディクソン水及び脂肪マップの分解能は、EPI収集のものより低くてもよい。患者の動きは、ディクソンプレスキャン及びEPIスキャンの間で起こってもよい。ディクソンプレスキャンは、EPIスキャンのものと比較して、異なる水/脂肪信号重み付けを持っていてもよい。脂肪抑制がもたらされる場合、ディクソンプレスキャンは、EPIスキャンにもたらされる、同じ脂肪抑制を使用すべきである。
【0053】
本発明の技術を動きに関してロバストにするため、及びディクソンプレスキャンを実現するため、ディクソンプレスキャンの分解能は、低く保たれてもよい。これは、上記式に基づいて得られる脂肪比率が、真の関係の正確な表示というよりもむしろ、水及び脂肪信号寄与の間の関係の粗い見積りであることを意味する。
【0054】
EPIイメージングスキャンによって収集されるイメージングMR信号データからのMR画像の再構成においてディクソンマップからもたらされる脂肪比率を使用するため、シーケンスモデリングが適用されてもよい。
【0055】
例えば、ディクソンプレスキャンがRFスポイルフィールドエコーシーケンスである場合、以下の定常状態信号モデルが使われてもよい(脂肪マップpf,DIX(x,y)が例とされる)。
【0056】
ここで、ρfは脂肪密度を示し、TR,DIXはシーケンスの繰り返し時間であり、T1,fは脂肪プロトンの縦緩和時間であり、
は縦定常状態磁化であり、αDIXはRF励起のフリップ角である。
【0057】
イメージングMR信号データを収集するために使われるEPIスキャンが、(長い繰り返し時間TRを用いる)スピンエコーシーケンスである場合、以下のモデルは使われることができる(脂肪画像pf,EPI(x,y)は、例とされる)。
【0058】
ここで、TE,EPIはEPIスキャンのエコー時間を表し、T2,fは脂肪プロトンの横緩和時間であり、αDIXはEPIスキャンのRF励起のフリップ角である。
【0059】
これらのモデルを用いて、ディクソンプレスキャンを介して得られる水及び脂肪マップからEPIスキャンのイメージングMR信号データにおける脂肪及び水信号寄与の間のボクセルのような関係を引き出すことが可能である。この関係の使用は、SENSE再構成のコンディショニングをかなり改善し、それ故に結果として、画質における、かなりの向上をもたらす。
【0060】
本発明の上記のアプローチが、脂肪抑制と組み合わされて使われることができることは注意されるべきである。SENSE再構成のコンディショニングは、この場合さらに改善される。(完全に)抑制されない脂肪プロトンからの何れの信号寄与も、提案された技術を使用して除去されることができ、それ故に、非常にロバストな、脂肪抑制されたSENSE再構成がもたらされる。
図1
図2
図3
図4
図5