(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243529
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】燃料電池システムの始動準備方法
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04225 20160101AFI20171127BHJP
H01M 8/04302 20160101ALI20171127BHJP
H01M 8/04228 20160101ALI20171127BHJP
H01M 8/04303 20160101ALI20171127BHJP
H01M 8/10 20160101ALI20171127BHJP
【FI】
H01M8/04 X
H01M8/04 Y
H01M8/10
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-524428(P2016-524428)
(86)(22)【出願日】2014年10月14日
(65)【公表番号】特表2016-534497(P2016-534497A)
(43)【公表日】2016年11月4日
(86)【国際出願番号】EP2014002772
(87)【国際公開番号】WO2015058842
(87)【国際公開日】20150430
【審査請求日】2016年5月6日
(31)【優先権主張番号】102013017543.7
(32)【優先日】2013年10月22日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Daimler AG
(74)【代理人】
【識別番号】100090583
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 清
(74)【代理人】
【識別番号】100098110
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 みどり
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー・リヒター
(72)【発明者】
【氏名】アルミン・ミュットシェレ
【審査官】
大内 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−207716(JP,A)
【文献】
特開2008−10348(JP,A)
【文献】
特開2009−26737(JP,A)
【文献】
特表2006−526271(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00−8/2495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池システム(2)の始動準備方法であって、前記燃料電池システム(2)の停止時に及び/又は温度があらかじめ設定された温度閾値を下回った時に、水及び水蒸気を前記燃料電池システム(2)から排出するために始動準備ルーチン(SVR)が実施され、前記始動準備ルーチン(SVR)が、前記燃料電池システム(2)の停止前のあらかじめ設定された時間間隔内で把握される測定値に応じて変更され、前記始動準備ルーチン(SVR)が、その所用時間(t)に関して及び/又はガス搬送装置(6、11)の回転数に関して前記測定値に応じて変更される方法において、
前記測定値が、前記時間間隔内での前記燃料電池システム(2)の負荷状態に応じて個々のクラスに割り当てられ、各クラスに前記始動準備ルーチン(SVR)のあらかじめ設定された手順が割り当てられるものであり、前記燃料電池システム(2)の高負荷での運転時に割り当てられる前記クラスでは、前記始動準備ルーチン(SVR)が、非常に短い時間で及び/又は低回転数で実施されるか又はまったく実施されず、前記燃料電池システム(2)の低負荷での運転時に割り当てられる前記クラスでは、前記始動準備ルーチン(SVR)が最大長さの時間で及び/又は高回転数で実施され、及び両者の間に少なくとも1つの中間段階に割り当てられる前記クラスが存在することを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記測定値が、前記燃料電池システム(2)における負荷要求量を少なくとも間接的に示すものであることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法であって、
前記測定値が、前記燃料電池システム(2)の冷却水温度を含むものであることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、
異なる冷却水温度閾値があらかじめ設定され、前記測定値は、前記冷却水温度が各前記冷却温度閾値を上回っていた時間を含むものであることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の方法であって、
前記時間間隔は、前記燃料電池システム(2)の停止前の5〜20分にあらかじめ設定されることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の方法であって、
前記測定値又は前記測定値が割り当てられるクラスが、特性マップによって異なる始動準備ルーチン(SVR)と関係付けられることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に詳細に定義された種類の始動動作のための燃料電池システムの始動準備方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池システムは一般的な従来技術により公知である。このシステムは例えば車両内で電気駆動出力の準備のために使用され得る。この際、燃料電池システムにおける問題の1つは、運転中に極めて純粋な水が燃料電池システム内に発生することである。温度が、特に車両使用時には避けられない温度である氷点を下回ると、燃料電池システムが凍結する可能性があり、新たに始動動作を行う際に当該問題が生じるか、又は燃料電池システムの始動に非常に時間がかかり得る。その原因は、凝縮し凍結する水分のため、氷の形成によって、例えばガス導管及び/又はバルブがふさがれ、また他の構成部材の機能が損なわれ得るからである。
【0003】
この問題を緩和するため、燃料電池システムの始動動作準備のために、燃料電池システムのスイッチオフ時に始動準備ルーチンを実施して水と水蒸気を燃料電池システムから排出することが、一般的な従来技術から公知である。この場合典型的には、燃料電池システムがガスを使ってフラッシングされ、これは例えば空気搬送装置及び/又は水素再循環送風機又は他の種類の送風機によって行われる。これにより水蒸気は燃料電池システムからブローアウトされ、場合によっては水分離器及び同類のものによって空にしてフラッシングされ得、ここでも可能な限り多くの水蒸気が排出される。燃料電池システムは停止時及び後に続く停止プロセス時には通常はまだ非常に暖かいため、場合によっては蒸気が燃料電池システム内に残っており、この蒸気が後に凝縮し、温度が氷点以下になると同じく上述の問題が生じ得る。従って、別の一般的な従来技術では、上述の始動準備ルーチンの追加又は代替の方法として、始動準備ルーチンを停止状態の燃料電池システムで実施することも公知である。このために、燃料電池システムは、例えば周囲温度があらかじめ設定された閾値を下回ると起動され、始動準備ルーチンが実施されてシステムが乾燥される。燃料電池システム停止直後の乾燥と比べて、しばしば調整又は停止時調整と呼ばれるこの始動準備ルーチンの利点は、後になってから凝縮した水であっても除去できることである。したがって両方のルーチンを実施することもまた有意義である。
【0004】
典型的には、一般的な従来技術により、始動準備ルーチンは常に同じパターンで進行する。すなわち、あらかじめ設定された量のガス、例えば空気が、燃料電池システムを通って運ばれ、水蒸気を排出し、水をブローアウトする。これを実施するために、例えばすべてのガス搬送装置を一定の回転数で、あらかじめ設定された一定時間運転させる。ここで分量は、典型的には、いかなる場合も確実で信頼性のある乾燥が得られるよう常に決められている。
【0005】
特許文献1より、フラッシングが膜水和及び平均的に発生する電流密度の時間プロファイル及び同様の事柄に応じて、実施に非常に費用がかかることが公知である。これは極めて費用がかかる上に複雑であり、特に停止調整の目的で実施される始動準備ルーチンのために必要な測定値を把握するには著しくコストがかかる。
特許文献2、特許文献3、及び特許文献4を含む従来の技術には、請求項1の前提部分の形態が開示されており、そこでは始動準備ルーチンは、燃料電池システムの運転中に把握される測定値をもとに適合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】DE 10 2007 050 856 A1
【特許文献2】DE 11 2007 000 300 T5
【特許文献3】US 2006/222924 A1
【特許文献4】DE 10 2012 01947 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って本発明の課題は、非常に単純かつ効率的に機能し、非常に迅速で低騒音で、エネルギー効率よく実施可能な、始動準備ルーチンを使った、燃料電池システムの始動準備方法を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に従い、この課題は請求項1の特徴部分により解決される。本方法のその他の有利な実施形態は、残りの従属請求項により提示される。
【0009】
本発明による方法では、始動準備ルーチンが燃料電池システム内の測定値に応じて変更されることが企図される。この測定値は、燃料電池システムの停止前のあらかじめ設定された時間間隔内で把握される。燃料電池システムの停止前でシステムがまだ運転中には、測定値は非常に簡単に把握できるか、又は特定の制御タスク及び燃料電池システム内での運転プロセスに作用するために通常測定値は既に存在している。この既に存在する測定値又は簡単に把握できる測定値は、システム準備ルーチンに適切に適合させるために使用できる。その背後にある考えの核心は、燃料電池システムの全負荷状態においては、例えば燃料電池システムが停止する前の約15分という時間間隔内では、燃料電池システム内に残された水蒸気は、温度と体積流量が比較的高いために非常に少ない、ということである。そうであれば、場合によっては始動準備ルーチンを完全に省略するか、又は相応に短時間で、又はガス搬送装置を低回転数で、燃料電池システムを乾燥させるための空気流供給を行うことが可能である。これにより、エネルギー効率よく、迅速かつ低騒音になる。それとは逆に、燃料電池システムの停止前の時間間隔内で把握される測定値によって、部分負荷状態又は極度に低負荷状態が生じていることが確認された場合は、非常に多くの水蒸気が燃料電池システム内にあることが見込まれ、その結果燃料電池システムを入念に乾燥させるために、システム準備ルーチンを相応により長時間で及び/又はガス搬送装置をより高回転数で実施しなければならない。本発明による方法では、燃料電池システムの停止前のあらかじめ設定された時間間隔内で把握される測定値を使用することで、システム準備ルーチン中の測定とは無関係に、エネルギー必要量、騒音放出及び時間の観点からそれぞれ燃料電池システムの必要性に合わせて最適化されたシステム準備ルーチンが適用できる。
【0010】
本発明による方法の非常に有利な一発展形態では、測定値が燃料電池システム内の冷却水温度を含んでいる。負荷要求量の純粋な評価と並んで、特に燃料電池システム内の冷却水温度は非常に簡単に効率よく把握できる数値であり、この数値は間接的には負荷要求量に、直接的には燃料電池システム停止後に存在する湿度に関する状況に、関係している。冷却水値を把握するために、非常に簡単で効率的に適切な始動準備ルーチンが選択される。
【0011】
これに関して有利な発展形態では、異なる冷却水温度閾値があらかじめ設定されてよく、その際測定値は、冷却水温度が各冷却水温度閾値を上回る時間を含んでいる。例えば冷却水温度が、燃料電池システムの運転の最後の15分間の80%で冷却水温度の上限閾値、例えば60℃を上回った場合は、冷却水温度がその時間の10%で冷却水温度の上限閾値を上回りかつ残りの時間で冷却水温度の下限閾値を上回っている場合と比べて、実施するシステム準備ルーチンは非常に短時間になる。
【0012】
本発明の非常に好都合な一発展形態ではさらに、燃料電池システムの負荷状況及び/又は冷却水温度に応じて、測定値が時間間隔内に個々のクラスに割り当てられることが企図される。どのクラスも、システム準備ルーチンのあらかじめ設定された手順が割り当てられる。このようなクラス割当ては、燃料電池システム停止直後に実施される。こうして例えば5つの異なるクラスへの割当てが実施され、これらクラスは象徴的に全負荷、低負荷、低部分負荷、中部分負荷及び高部分負荷である。負荷状態に応じて、燃料電池システムの停止時に、及び理想的には後になってから場合によっては温度に応じて、適切なシステム準備ルーチンが行われて停止調整が実施され得る。理想的には、測定値又は測定値が割り当てられるクラスは、特性マップによって異なるシステム準備ルーチンと関係付けることが可能である。
【0013】
本発明による方法のその他の有利な実施形態は、残りの従属請求項により、及び以下に図を使用して詳細に記述した実施例によって明確に提示される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明による方法の実施に適した燃料電池システムを有する乗物の図である。
【
図2】本発明による方法の実施に使用可能な大幅に簡略化した特性マップの図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1には、乗物1が大幅に模式化して示されている。乗物1は、例えば乗用車、トラックとして、軌道車両として、物流用荷役自動車として形成し得る。まったく同様に、乗物1は例えば船舶又は航空機として使用してよい。乗物1内には、原理的に示された燃料電池システム2があり、燃料電池3がその中心部を形成している。この燃料電池3は、PEM単一セルの積層体として、いわゆるセルスタック又は燃料電池スタックとして構成されている。燃料電池3内にはカソード室4及びアノード室5が象徴的に示されている。カソード室4には、通常運転時には空気搬送装置6により酸素供給源として空気が送り込まれる。排気は、排気管7を通って燃料電池システム2から排出される。燃料電池3のアノード室5には、圧縮ガス貯蔵タンク8から圧力調整及び計量装置9を介して水素が送られる。アノード室5の範囲に生じる、使用されなかった水素及び不活性ガス及び水は、再循環管10を通って戻され、新鮮な水素と混合されてアノード室5に再度送られる。再循環管10内には、ここに示されている実施例では水素再循環ブロワ又はHRB(Hydrogen Recirculation Blower)として形成された再循環搬送装置11が配置されている。再循環搬送装置11は、ガスジェットポンプとして、又はガスジェットポンプとブロワとの組み合わせとして実現されてよい。さらに、再循環管10内には水分離器12があり、これはバルブ装置14を備えた排出管13を介して燃料電池システム2からの排気管7と接続されている。水分離器12とバルブ装置14によりこうして水を集め、例えば時々排出することが可能である。同じように、水が充填レベルに応じて水分離器内に又は凝縮に応じていわゆるアノード循環系に排出されることも考えられる。水14と一緒にさらにガスも排出できる。なぜなら、不活性ガスが燃料電池3の膜を通ってカソード室4からアノード室5へ拡散し、アノード循環系内で時間の経過と共に不活性ガスが濃くなるからである。これによって一定の体積を有するアノード循環系内で水素濃度が低下するのであれば、このガスも同様に一緒に排出しなければならない。これは専用の管を通して行われるか、又は水と一緒に排出管13及びバルブ装置14を通して行われてよい。
【0016】
図1ではさらに、バルブ装置16を備えた接続管15が示されている。この接続管はアノード循環系を空気供給管17によって燃料電池3のカソード室4と接続している。接続管15を介して、バルブ装置16が開いている場合は、燃料電池システム2のカソード側とアノード側との間で接続が生じ得る。この接続管15は、配置及び構成に応じて、例えば水の排出と平行して水分離器12及び排出管13を介してガスを排出するためにも使用でき、その際分岐点は典型的には水分離器12と再循環搬送装置11との間に配置されよう。ブローアウトされたガスを空気供給管17に導くことは、一般に公知であり、よくあるやり方である。なぜなら通常水素は少量しか排出されず、排出された場合もカソード室4の触媒と反応し、環境への水素排出を防止し得るからである。
【0017】
例えば燃料電池システム2の停止後、スイッチオフ中に同様のことが実施されるところの、又は停止調整の形で実施されるところの始動準備ルーチンSVRでは、乗物1の周囲温度があらかじめ設定された閾値、例えば3℃を下回ると、理想的には空気搬送装置6と再循環搬送装置11があらかじめ設定された回転数で、例えばここには図示されていないバッテリーの出力により駆動されるよう実施される。このことにより、まずカソード室4が相応にフラッシングされ、及びアノード循環系内に循環流が形成される。接続管のバルブ装置16が開かれると、アノード側も相応に、乾燥した空気によりフラッシングされ、その際理想的には空気と水が、水分離器12と水排出管13を通って、開いたバルブ装置14からブローアウトされる。このことにより、燃料電池システム2は適切に乾燥され、そのときたとえ温度が氷点を下回っていても、理想的に再始動の準備が可能になる。
【0018】
始動準備ルーチンは、それが燃料電池システムのスイッチオフにより停止後に実施されても、又は燃料電池システム2又は乗物1が運転されていない間に停止調整の形で実施されても、常に対応するエネルギー必要量によって空気搬送装置6又は再循環搬送装置11と接続され、始動準備ルーチンが進行している時間tの間、対応する騒音放出を引き起こす。エネルギー必要量も騒音放出も低減するために、燃料電池システム1内では運転中に多数の測定値が把握され、保存される。この測定値は例えば、乗物1側の燃料電池システム2への負荷要求量であってよい。しかし特に燃料電池システム2の冷却水の温度を把握することは可能である。冷却水温度閾値、例えば通常運転中に普通に現れる温度範囲内に2つ又は3つの異なった閾値が、あらかじめ設定されている場合、特に簡単かつ効率的である。ここでは、燃料電池システム2の運転中、どの時間間隔に冷却水温度があらかじめ設定された閾値より上にあるかを、それぞれ非常に簡単かつ効率的にまとめて記録され得る。燃料電池システム2又は乗物1が停止されると、停止前のあらかじめ設定された時間間隔内に、例えば停止前の最後の15分間にまとめて書き込まれた値の評価が、さかのぼって行われる。このことにより、温度グラフ、及びそれと関連して間接的に燃料電池システム2の負荷グラフが作成できる。例えば温度があらかじめ設定された時間間隔内でその時間の100%にわたって最高冷却水温度閾値を上回っていると、停止前は燃料電池システム1が連続した全負荷運転にあった。冷却水温度があらかじめ設定された時間間隔内でその時間の100%にわたって最低冷却水温度閾値を下回っていると、100%の低負荷運転にあった。これらの間に異なる部分負荷運転が可能であり、この部分負荷運転では、例えば冷却水温度が異なる保持時間で、いずれかの冷却水温度閾値を上回っている。
【0019】
図2には、その例として表の各行に4つの負荷の状態が示されている。一番上は全負荷状態、一番下は低負荷状態であり、その間には2つの状態がある。これら2つの状態は例えば1/3負荷と2/3負荷を象徴している。システム停止の際には本来の停止プロセスの前に、この値が評価されてここに示されたクラスに、例えばクラス1が全負荷に及びクラス4が低負荷に、割り当てられる。その後にスタートする始動準備ルーチンSVR及び/又は後から場合によってまだ進行している始動準備ルーチンSVRでは、乗物1の周囲温度があらかじめ設定された限度温度を下回ると、例えば時間制御によりクラス1が時間t
1に割り当てられ、クラス2が時間t
2に、というように進行する。その際燃料電池システム2の全負荷運転の後では始動準備ルーチンがもともと必ずしも必要ではないか、又は大幅に短縮され得るという状況がある。これによって、時間t
1は0であるか又は0とは異なるかいずれかでよいが、燃料電池システム2の停止前の低負荷状態に相当するクラス4の時間t
4よりもはるかに短い。典型的には、時間は時間t
1<t
2<t
3<t
4のように並ぶ。このことにより、燃料電池システム2の運転に応じて、停止前に非常に簡単かつ効率的に始動準備ルーチンSVRを選択することが可能であり、この始動準備ルーチンSVRは、停止前の各負荷状態として典型的な時間間隔tを始動準備ルーチンSVR実施に使用するならば、エネルギー必要量、騒音放出及び始動準備ルーチンSVRの所用時間を最小化するために適している。これにより、燃料電池システムの負荷状態に応じて、それぞれクラス4に相応するシステム準備ルーチンで運転する構造と比べると、明確に短縮が可能である。なぜならそのような、冷間始動性能を確実にするための、場合により生じるあらゆる「ワーストケース」シナリオが、どうしても必要だからである。
【0020】
個々の始動準備ルーチンSVRがその所用時間tによってのみ異なっている、ここに説明されたケースの他に、所用時間tの代替又はそれに追加する方法として、生じた回転数により異なることも原理的に可能である。
【0021】
さらに、各クラスに応じて例えば燃料電池システム2の停止時の始動準備ルーチンSVRとして、及び燃料電池システム2の停止調整のための停止前始動準備ルーチンSVRとして、同じルーチンを使用することが可能である。しかしここで異なったルーチンを使用することも考えられ、例えば異なった時間を、又は停止調整の場合は対応する低回転数域を、出力要求量と騒音放出を低減するために選択することも考えられる。また異なったクラスに、始動準備ルーチンSVRの異なった進行を、例えば異なった圧力推移を、又は例えばバルブ装置14、16が開閉される異なった時間を、割り当てることも可能である。