【実施例】
【0014】
[紙幣取扱い装置の構成]
図1は、実施例の紙幣収容装置を含む紙幣取扱い装置全体を示す模式図である。
図1に示すように、実施例に係る紙幣取扱い装置1は、紙幣2を入出金する入出金部3と、入出金部3に入金された紙幣2を鑑別する鑑別部4と、鑑別部4から搬送された紙幣2を一時的に収容する一時収容部5と、を備える。また、紙幣取扱い装置1は、一時収容部5に収容された紙幣2を還流させる還流部6と、出金する紙幣2が収容された出金部7と、紙幣2を格納庫13に格納する格納部11と、を備える。紙幣取扱い装置1に組み込まれた格納部11が、実施例の紙幣格納装置に相当する。本実施例では、紙葉類の一例として紙幣2を用いるが、紙幣に限定するものではない。
【0015】
[紙幣格納装置の構成]
図2は、実施例の紙幣格納装置を示す斜視図である。
図3は、実施例の紙幣格納装置を示す平面図である。なお、
図2及び
図3において、水平方向をX軸及びY軸(紙幣格納装置の前後方向)で示し、鉛直方向をZ軸で示す。
【0016】
図2及び
図3に示すように、実施例の紙幣格納装置11は、収容部材12と、格納部材としての格納庫13と、一時集積領域17と、押込み機構18と、を有する。収容部材12は、紙幣2が搬入される搬入領域16を有する。格納庫13は、Y方向において収容部材12に隣接して配置されており、紙幣2が格納される。一時集積領域17は、搬入領域16と格納庫13との間に設けられており、格納庫13に格納される紙幣2が一時的に集積される。押込み機構18は、搬入領域16に搬入された紙幣2のすべてを一時集積領域17に押し込むと共に、一時集積領域17内のみに集積された複数枚の紙幣2を格納庫13の内部に押し込む。
【0017】
収容部材12は、
図2及び
図3に示すように、紙幣2が搬入される搬入領域16を構成する空間が、後述する格納庫13の格納口13b側に隣接する略箱状に形成されている。収納部材12の鉛直上方には、紙幣2が搬入される搬入口21aを有するガイド部材21が設けられている。ガイド部材21の搬入口21aには、紙幣2を案内する複数のガイドローラ22(
図4A参照)が設けられている。搬入口21aの一方側に配置されたガイドローラ22は、支軸23に固定されており、支軸23を介して回転される(
図4A参照)。
【0018】
紙幣2は、例えば長辺を水平方向と平行にした状態で、鉛直上方から下方のガイド部材21に向かって搬送され、ガイドローラ22によって搬入口21aから収容部材12に送られる。収容部材12に送られた紙幣2は、搬入領域16に搬入される。収容部材12の搬入領域16には、
図3に示すように、紙幣2の長辺を支持する底板12aが、水平方向に沿って設けられている。このため、搬入領域16に搬入された紙幣2は、短辺方向が鉛直方向と平行になる姿勢で、底板12a上に支持される。
【0019】
一時集積領域17は、搬入領域16に隣接して収容部材12に設けられており、紙幣2を支持する底板12aが、搬入領域16から一時集積領域17まで延ばされている。本実施例では、収容部材12が一時集積領域17を有するが、この構成に限定するものでない。一時集積領域17を有する一時集積部材が、収容部材12と格納庫13との間に、独立した別の部材として配置されてもよい。
【0020】
格納庫13は、
図2及び
図3に示すように、略直方体状をなす箱状に形成されており、紙幣取扱い装置1に対して着脱可能に設けられている。格納庫13は、所定量の紙幣2が格納された後、紙幣取扱い装置1から取り出されることで、紙幣2が回収される。また、格納庫13は、収容部材12の一時集積領域17に隣接する側壁13aを有する。この側壁13aの中央には、一時集積領域17から搬送された紙幣2が押し込まれる格納口13bが設けられている。格納口13bの開口寸法は、紙幣2の外形寸法よりも小さく形成されている。格納口13bから格納庫13内に格納されるときに、紙幣2は、長辺方向の中央で2つ折りに曲げられることで、外形が小さくされる。紙幣2は、2つ折りに曲げられた状態で格納口13bに押し込まれることで、格納口13bを通って格納庫13の内部に格納される。格納庫13は、格納口13bが紙幣2の外形よりも小さく形成されているので、内部に格納された紙幣2が格納口13bから脱落することを防いでいる。
【0021】
また、格納庫13は、格納口13bから格納された紙幣2を集積するために、紙幣2を側壁13aに押圧する押圧部材25を有する。押圧部材25は、紙幣2を長辺方向にわたって押圧可能な大きさに形成されている。また、押圧部材25は、コイルバネ26によって、側壁13aに向かって付勢されている。また、格納庫13は、格納口13bを有する側壁13aに対して近接離間する方向に、押圧部材25を移動可能にガイドするガイド機構27を有する。ガイド機構27は、側壁13aに対して近接離間する方向に沿って形成された一組のガイドレール28と、ガイドレール28に沿って移動するギア29と、を有する。押圧部材25は、ギア29を介して一組のガイドレール28に跨って設けられている。
【0022】
[押込み機構の構成]
図4Aは、実施例の紙幣格納装置11において、押込み部材が待機位置にある状態を示す斜視図である。
図4Bは、実施例の紙幣格納装置11において、押込み部材が一時集積領域17に移動した状態を示す斜視図である。
図4Cは、実施例の紙幣格納装置11において、押込み部材が格納庫13の内部に移動した状態を示す斜視図である。なお、
図4A、
図4B及び
図4Cでは、便宜上、収容部材12の底板12aを図示していない。
【0023】
押込み機構18は、
図4A、
図4B及び
図4Cに示すように、搬入領域16に搬入された紙幣2を一時集積領域17及び格納庫13の内部に押し込むための押込み部材31と、押込み部材31を駆動するための一組のクロスリンク部材32と、を有する。
【0024】
押込み部材31は、
図3に示すように、搬入領域16内に位置する待機位置と、一時集積領域17に位置する第1の前進位置と、格納庫13の内部に位置する第2の前進位置とに移動可能に設けられている。
【0025】
また、押込み部材31の外形寸法は、格納庫13の格納口13bよりも小さく形成されており、格納口13bを通過可能とされている。また、押込み部材31は、
図4Cに示すように、紙幣2の短辺の長さよりも十分に長い矩形状の押込み面31aを有する。これにより、押込み部材31は、搬入領域16に搬入された紙幣2を、一時集積領域17及び格納庫13の内部に適切に押し込むことが可能にされている。
【0026】
図4B及び
図4Cに示すように、一組のクロスリンク部材32は、回動軸33を介して回動可能に連結されている。一組のクロスリンク部材32のうちの、一方のクロスリンク部材32の一端が、図示しない駆動モータによって移動されることで、一組のクロスリンク部材32は、格納庫13側に向かって伸びる。一組のクロスリンク部材32が伸びることで、押込み部材31は、待機位置から、第1の前進位置及び第2の前進位置に移動される。また、搬入領域16及び一時集積領域17の底板12aには、
図3に示すように、押込み部材31及び一組のクロスリンク部材32を移動可能にするガイドスリット12bが形成されている。
【0027】
[仕切り部材の構成]
また、紙幣格納装置11の収容部材12は、
図3及び
図4Aに示すように、一時集積領域17に移動された紙幣2を支持する一組の仕切り部材34を有する。一組の仕切り部材34は、平板状に形成されており、
図3に示すように、搬入領域16と一時集積領域17との間に沿って並んで配置されている。一組の仕切り部材34は、第1の位置である仕切り位置と、第2の位置である開放位置とに回動可能に設けられている。仕切り位置では、一組の仕切り部材34が、
図4Aに示すように搬入領域16と一時集積領域17との間を仕切る。開放位置では、一組の仕切り部材34が、
図4Bに示すように搬入領域16と一時集積領域17との間を開放する。
【0028】
一組の仕切り部材34は、
図4A及び
図4Bに示すように、収容部材12の対向する側壁12cに回動可能に支持されている。一組の仕切り部材34は、収容部材12の側壁12cに回動可能に支持される軸部35aが設けられた基端部35と、基端部35に連結された先端部36と、を有する。また、一組の仕切り部材34は、仕切り位置において対向する先端部36同士の間に、待機位置と第1の前進位置との間を移動する押込み部材31を通過可能にする所定の間隔をあけて配置されている。
【0029】
また、仕切り部材34の先端部36は、弾性変形可能に形成されている。仕切り部材34の基端部35は、剛性を有する材料によって矩形枠状に形成されている。基端部35は、剛性が確保されることで、軸部35a回りの回転動作の安定性が確保されている。また、仕切り部材34の先端部36は、例えば樹脂フィルムやゴム板等の弾性を有する材料によって矩形板状に形成されており、基端部35に固定されている。
【0030】
このように、仕切り部材34の先端部36は、仕切り位置から開放位置に回動するときに、待機位置から第1の前進位置に向かう押込み部材31の前進を妨げないように、押込み部材31や紙幣2に接触したときにスムーズに弾性変形するように構成されている。このように先端部36が弾性変形することで、押込み部材31は、搬入領域16から一時集積領域17に紙幣2を安定して搬送することが可能にされている。加えて、一組の仕切り部材34の先端部36同士の間が、押込み部材31が通過可能な程度に狭められているので、一時集積領域17内の紙幣2を、先端部36によって安定して保持することが可能とされている。
【0031】
また、一組の仕切り部材34は、押込み機構18に連動するように構成されており、押込み部材31が待機位置から第1の前進位置に前進する動作に連動して、仕切り位置から開放位置に向かって回動される。一組の仕切り部材34は、押込み部材31が第1の前進位置に移動したときに、押込み機構18によって開放位置に移動される。
【0032】
なお、仕切り部材34は、例えば、基端部35と先端部36とを同一材料によって一体に形成し、基端部35よりも先端部36の厚みを薄く形成することで、先端部36が弾性変形可能に形成されてもよい。また、仕切り部材34の先端部36は、弾性材料によって形成される構成に限定されるものでない。例えば、一組の仕切り部材34は、仕切り位置から開放位置まで回動するときに、第1の前進位置に向かって前進する押込み部材31と先端部36とが接触しないような間隔をあけて配置されてもよい。この場合には、仕切り部材34の基端部35及び先端部36が剛性を有する材料によって一体に形成されてもよい。
【0033】
また、図示しないが、一組の仕切り部材34は、回動する構成に限定されるものではない。一組の仕切り部材34は、例えば、搬入領域16と一時集積領域17との間に沿って、先端部36が互いに近接離間する方向にスライド可能に構成されてもよい。また、一組の仕切り部材34は、収容部材12の底板12aに対して昇降動作するように構成されてもよく、仕切り位置と開放位置とに移動するときに押込み部材31とすれ違う動作を避けることもできる。また、この構成の場合には、搬入領域16と一時集積領域17との間にわたって配置される1つの仕切り部材を用いることが可能になり、一時集積領域17内の紙幣2の保持状態の安定性を高めることが可能になる。
【0034】
[紙幣を格納する動作]
図5は、実施例の紙幣格納装置11の格納動作を説明するためのフローチャートである。
図6Aは、実施例の紙幣格納装置11において、紙幣2が搬入領域16に搬入された状態を示す平面図である。
図6Bは、実施例の紙幣格納装置11において、押込み部材31によって紙幣2が移動される状態を示す平面図である。
図6Cは、実施例の紙幣格納装置11において、押込み部材31によって紙幣2が一時集積領域17に移動された状態を示す平面図である。
図6Dは、実施例の紙幣格納装置11において、押込み部材31が待機位置まで後退する状態を示す平面図である。
図6Eは、実施例の紙幣格納装置11において、押込み部材31が待機位置に戻った状態を示す平面図である。
【0035】
ガイド部材21の搬入口21aから進入した紙幣2は、
図6Aに示すように、収容部材12の搬入領域16に搬入される(
図5中のステップS1)。このとき、紙幣2の一方の面は、待機位置の押込み部材31に接した状態で、搬入領域16の底板12a上に支持される。続いて、
図6Bに示すように、押込み部材31が待機位置から第1の前進位置に前進することで、搬入領域16に搬入された紙幣2のすべてが、一時集積領域17に向かって押し込まれて、移動される。このとき、一組の仕切り部材34は、押込み部材31が前進する動作に連動して、仕切り位置から開放位置に向かって回動される。
【0036】
また、押込み部材31が待機位置から第1の前進位置に移動する途中で、一組の仕切り部材34の先端部36は、押込み部材31によって搬送される紙幣2の長辺方向の両側にそれぞれ接すると共に弾性変形する。紙幣2は、一時集積領域17に移動されながら、一組の仕切り部材34の先端部36が接触することで、長辺が湾曲される。これにより、紙幣2は、湾曲された状態で、一組の仕切り部材34の先端部36の間を通過して、一時集積領域17に進入する。
【0037】
図6Cに示すように、押込み部材31は、一組の仕切り部材34の先端部36の間を通過し、第1の前進位置まで前進する。これにより、押込み部材31は、搬入領域16に搬入された紙幣2を、一時集積領域17に押し込む(
図5中のステップS2)。一組の仕切り部材34の先端部36同士の間を通過するときに湾曲された紙幣2は、一時集積領域17に搬送されたとき、長辺が伸ばされてまっすぐに戻る。そして、押込み部材31が第1の前進位置に移動したとき、一組の仕切り部材34は、開放位置に回動する。開放位置に回動された仕切り部材34は、先端部36が、収容部材12に押し付けられた状態で停止する。
【0038】
紙幣2を一時集積領域17に搬送した後、押込み部材31は、
図6Dに示すように、第1の前進位置から待機位置に向かって後退する。一組の仕切り部材34は、押込み部材31が第1の前進位置から後退する動作に連動し、開放位置から仕切り位置に向かって回動する。押込み部材31は、仕切り位置に戻る一組の仕切り部材34の先端部36の間を通過して、
図6Eに示すように、第1の前進位置から待機位置まで後退する(
図5中のステップS3)。押込み部材31が待機位置に戻ったときに、一組の仕切り部材34は、開放位置から仕切り位置に戻る。そして、仕切り位置に戻った一組の仕切り部材34は、一時集積領域17に搬送された紙幣2を保持し、一時集積領域17内の紙幣2が搬入領域16に移動することを防ぐ。
【0039】
図6Fは、実施例の紙幣格納装置11において、次の紙幣2が搬入領域16に搬入された状態を示す平面図である。
図6Gは、実施例の紙幣格納装置11において、押込み部材31によって次の紙幣2が一時集積領域17に移動される状態を示す平面図である。
図6Hは、実施例の紙幣格納装置11において、押込み部材31によって次の紙幣2が一時集積領域17に集積された状態を示す平面図である。
図7Aは、実施例の紙幣格納装置11において、一時集積領域17に集積された複数枚の紙幣2が、押込み部材31によって格納庫13に押し込まれる状態を示す平面図である。
図7Bは、実施例の紙幣格納装置11において、格納庫13に紙幣2を格納した後、押込み部材31が待機位置に戻った状態を示す平面図である。
【0040】
引き続き、
図6Fに示すように、次の紙幣2が収容部材12の搬入領域16に搬入される。上述した動作と同様に、押込み部材31は、
図6Gに示すように、搬入領域16に搬入された次の紙幣2を、一時集積領域17に搬送する。一時集積領域17に搬送された紙幣2は、一時集積領域17に保持されている紙幣2に重ねられる。これによって、
図6Hに示すように、一時集積領域17における複数枚の紙幣2は、集積された状態で一組の仕切り部材34によって保持されている。そして、
図5におけるステップS1からステップS3までの動作を複数回繰り返すことで、複数枚の紙幣2が一時集積領域17に集積される。
【0041】
次に、例えば5枚から10枚程度の複数枚の紙幣2が一時集積領域17に集積された後、押込み部材31は、待機位置から第2の前進位置に向かって前進する。このとき、一組の仕切り部材34は、上述した動作と同様に、押込み部材31の動作と連動し、仕切り位置から開放位置に向かって回動される。そして、押込み部材31は、第1の前進位置に移動したときに、一時集積領域17に集積された複数枚の紙幣2に押し当てられる。続いて、押込み部材31は、第1の前進位置から第2の前進位置に向かって移動することで、一時集積領域17内の複数枚の紙幣2を格納口13bから格納庫13の内部に向かって押し込む(
図5中のステップS4)。このとき、一組の仕切り部材34は、開放位置に移動された状態で停止し続ける。
【0042】
複数枚の紙幣2は、格納口13bに押し込まれる際、長辺の中央で2つ折りに曲げられた状態になり、格納口13bから格納庫13の内部に進入する押込み部材31と共に、格納口13bを通過する。押込み部材31は、格納口13bから格納庫13の内部に進入したとき、押込み部材31と押圧部材25との間に複数枚の紙幣2を間に挟んで、押圧部材25に押し当てられる。これにより、2つ折りに曲げられた状態で格納口13bから押し込まれた紙幣2は、押込み部材31と押圧部材25との間に挟まれることで、長辺がまっすぐに伸ばされた状態に戻る。そして、
図7Aに示すように、押込み部材31は、押圧部材25を付勢するコイルバネ26の押圧力に抗して、格納庫13内の第2の前進位置まで押圧部材25と共に更に前進する。
【0043】
押込み部材31は、第2の前進位置に移動した後、第2の前進位置から待機位置に向かって後退する。押込み部材31が第2の前進位置から後退するとき、押圧部材25は、コイルバネ26の押圧力によって、押込み部材31と押圧部材25との間に複数枚の紙幣2を挟んだ状態で、押込み部材31と共に移動する。そして、押込み部材31が格納口13bから格納庫13の外方に後退したとき、押圧部材25は、コイルバネ26の押圧力によって、格納口13bを有する側壁13aに向かって押し付けられる。このため、押圧部材25は、側壁13aとの間に、複数枚の紙幣2を挟み込んだ状態で停止する。これによって、格納庫13の内部に格納された紙幣2は、適切に集積された状態で、押圧部材25によって保持される。
【0044】
そして、押込み部材31が第1の前進位置を通過し、待機位置に向かって後退するときに、一組の仕切り部材34は、開放位置から仕切り位置に向かって回動される。最後に、
図7Bに示すように、押込み部材31が待機位置に戻ると共に、一組の仕切り部材34が仕切り位置に戻る。以上により、一時集積領域17に集積された複数枚の紙幣2の格納動作が終了する(
図5中のステップS5)。これ以降、同様に、
図5中のステップS1からステップS3までの動作が繰り返された後、ステップS4及びステップS5の動作が行われる。
【0045】
また、実施例の紙幣格納装置11における紙幣格納方法は、第1のステップと、第2のステップと、を有する。第1のステップは、収容部材12が有する搬入領域16に搬入された紙幣2を、搬入領域16と格納庫13との間に設けられた一時集積領域17に押し込む。第2のステップは、第1のステップを複数回繰り返した後、一時集積領域17に集積された複数枚の紙幣2を格納庫13に格納する。また、第1のステップは、複数枚の紙幣2をまとめて、搬入領域16から一時集積領域17に押し込む。これにより、格納庫13に紙幣2を格納するための処理時間を更に短縮することが可能になる。
【0046】
[紙幣の格納動作の処理時間]
上述した格納動作を行うことで、本実施例において、例えば50枚の紙幣2を格納庫13に格納するための処理時間について説明する。ここで、実施例と、本願の関連技術である参考例とにおいて、押込み部材31の移動速度を同一にした条件で、実施例の格納動作と、参考例の格納動作とを比べる。実施例と参考例において、押込み部材31が待機位置と第2の前進位置との間を往復する時間、すなわち、押込み部材31が、搬入領域16に搬入された紙幣2を格納庫13に格納した後に待機位置に戻るまでの時間を500〔ms〕とする。また、実施例において、押込み部材31が待機位置と第1の前進位置との間を往復する時間、すなわち、押込み部材31が、搬入領域16に搬入された紙幣2を一時集積領域17に搬送した後に待機位置に戻るまでの時間を200〔ms〕とする。
【0047】
参考例では、搬入領域に搬入された紙幣を1枚ずつ、格納庫に格納している。このため、参考例では、50枚の紙幣を格納庫に格納する場合、押込み部材が、待機位置と第2の前進位置との間の往復動作を50回行うことになる。したがって、参考例では、50枚の紙幣の格納動作の処理時間が、500〔ms〕×50〔回〕=25〔s〕となる。
【0048】
これに対して実施例では、50枚の紙幣2を格納庫13に格納する場合に、10枚の紙幣2を一時集積領域17に一旦集積した後、10枚毎に紙幣2を一時集積領域17から格納庫13に格納する動作を一例とする。この場合、押込み部材31は、待機位置と第1の前進位置との間の往復動作を50回行い、待機位置と第2の前進位置との間の往復動作を5回行うことになる。したがって、実施例では、(200〔ms〕×50〔回〕)+(500〔ms〕×5〔回〕)=12.5〔s〕となる。このように実施例によれば、参考例と比べて、50枚の紙幣2を格納するための処理時間を1/2程度に短縮することが可能になる。つまり、実施例では、50枚の紙幣2の格納動作の処理時間が、格納動作における押込み機構18の動作時間を短縮する、すなわち押込み部材31の移動距離を削減することで、処理時間を短縮している。
【0049】
なお、本実施例では、搬入領域16に紙幣2が1枚ずつ収容され、搬入領域16から一時集積領域17に紙幣2を1枚ずつ搬送し、一時集積領域17に集積された複数枚の紙幣2を、格納庫13に格納する動作が用いられている。しかし、この動作に限定するものではない。例えば、搬入領域16に複数枚の紙幣2が搬入された後、複数枚の紙幣2をまとめて搬入領域16から一時集積領域17に搬送する動作が採られてもよい。これによって、紙幣2の格納動作の処理時間を更に短縮することが可能になる。
【0050】
また、本実施例では、押込み部材31が紙幣2を一時集積領域17に搬送した後、押込み部材31が第1の前進位置から待機位置に後退する動作が用いられたが、この動作に限定するものでない。押込み部材31は、所定の枚数の紙幣2を一時集積領域17に搬送した後、第1の前進位置から待機位置に戻る動作が省かれてもよい。この場合、押込み部材31は、複数枚の紙幣2を一時集積領域17に搬送した直後に、第1の前進位置から第2の前進位置まで前進し、一時集積領域17に集積された複数枚の紙幣2を格納庫13に格納する動作が採られてもよい。これによって、紙幣2の格納動作の処理時間を更に短縮することが可能になる。
【0051】
[実施例の効果]
実施例の紙幣格納装置11は、搬入領域16を有する収容部材12と、収容部材12に隣接する格納庫13と、搬入領域16と格納庫13との間に設けられた一時集積領域17と、を有する。また、紙幣格納装置11は、搬入領域16に搬入された紙幣2を一時集積領域17に押し込むと共に、一時集積領域17に集積された複数枚の紙幣2を格納庫13に押し込む押込み機構18を有する。これによって、紙幣2は、一旦、搬入領域16から一時集積領域17に送られ、一時集積領域17に複数枚が集積された後、一時集積領域17から格納庫13に格納される。その結果、押込み機構18の動作時間が短縮され、搬入領域16に搬入された紙幣2を格納庫13に格納するための処理時間を短縮することができる。
【0052】
また、実施例の紙幣格納装置11は、搬入領域16と一時集積領域17との間を仕切る仕切り位置と、搬入領域16と一時集積領域17との間を開放する開放位置とに移動可能に設けられた一組の仕切り部材34を更に有する。これによって、一時集積領域17に集積された紙幣2を、仕切り位置における一組の仕切り部材34によって保持することが可能になる。また、一組の仕切り部材34は、開放位置に移動することで、押込み機構18の押込み動作や紙幣2の移動の妨げになることを避けることができる。
【0053】
また、実施例における一組の仕切り部材34は、押込み機構18と連動し、押込み機構18が紙幣2を一時集積領域17に押し込むときに、仕切り位置から開放位置に移動する。これによって、一組の仕切り部材34を駆動する機構を簡素化し、紙幣格納装置11全体の小型化が図れる。
【0054】
また、実施例における格納庫13は、押込み機構18によって紙幣2が折り曲げて押し込まれる格納口13bを有する。これによって、格納庫13内に格納された紙幣2が、格納口13bから脱落することを防ぐことができる。
【0055】
また、実施例における仕切り部材34は、回動可能に設けられた基端部35と、基端部35に連結された弾性変形可能な先端部36と、を有する。このように、仕切り部材34は、回動可能に設けられることで、一時集積領域17内の紙幣2を保持すると共に押込み機構18によって押し込まれる紙幣2の移動経路から退避する動作を簡素に実現することができる。加えて、仕切り部材34は、押込み機構18や紙幣2と接触したときに弾性変形可能になり、押込み機構18の押込み動作や紙幣2の移動の妨げになることを避けることができる。
【0056】
また、実施例における一組の仕切り部材34は、基端部35が剛性を有する材料からなり、先端部36が弾性を有する材料からなる。仕切り部材34は、基端部35が剛性を有することによって、先端部36を弾性変形可能に構成すると共に、基端部35の回動動作の安定性を高めることができる。
【0057】
また、収容部材12の底板12aは、必要に応じて、一時集積領域17から格納庫13の側壁13aに向かって下がるように水平方向に対して傾斜されてもよい。この構成によれば、一時集積領域17内の紙幣2を格納庫13の側壁13a側に寄せて保持することが可能になり、保持状態の安定性を高めることができる。
【0058】
また、実施例では、格納庫13に格納された紙幣2が、紙幣取扱い装置1の内部でリサイクル(還流)されないように構成されたが、この構成に限定されるものではない。例えば、格納庫13は、格納口13bが設けられた側壁13aとは異なる他の側壁に、格納された紙幣2を排出するための排出口が設けられてもよい。この場合、格納庫13は、排出口から排出される紙幣2が、紙幣取扱い装置1の内部でリサイクルに用いられる。