【文献】
塩見 昌裕ほか,半自律型コミュニケーションロボットの開発,電子情報通信学会論文誌,日本,社団法人電子情報通信学会,2009年11月 1日,第J92-A巻 第11号,p.773-783
【文献】
“マイナスの顧客体験”を防ぐ「デジタル・エクスペリエンス」の重要性 Part.2 ケーススタディ スマホに“企業の顔”を置く! 4社にみるチャット/アプリの有効活用,Computer TELEPHONY,日本,株式会社リックテレコム,2015年11月20日,第18巻 第12号,p.14-19
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位及び処理には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
実施形態に係る情報処理装置(以下、単に「情報処理装置」と記載する)は、通信ネットワークを介して端末装置と接続され、端末装置のユーザとの間で端末装置を利用した対話によるインタラクションを行う装置である。
【0011】
以下では、端末装置を用いてポータルサイトを閲覧するユーザ(以下、単に「ユーザ」と記載する)に対して、情報処理装置がポータルサイトのヘルプサービスをインタラクションによって提供する場合を例に挙げて説明する。
【0012】
〔1.情報処理の概念〕
まず、
図1を用いて、情報処理装置が実行する情報処理の概念について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理装置が発揮する作用効果の一例を説明するための図である。
【0013】
情報処理装置は、サーバ装置やクラウドシステム等、単数または複数の情報処理装置により実現され、移動通信網や無線LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して、ユーザが使用する端末装置40と通信可能な装置である。
【0014】
また、
図1に示すように、端末装置40は、例えば、スマートフォンである。なお、端末装置40は、ネットワークを介して情報処理装置と通信可能なタブレット端末やPDA(Personal Digital Assistant)、ノート型PC(Personal Computer)、デスクトップ型PC等であってもよい。
【0015】
端末装置40のユーザは、例えば、ポータルサイトの閲覧に関して、解決を所望する課題が生じた場合、ポータルサイト内のヘルプアイコンを選択することによって、ヘルプサービスを利用することができる。端末装置40は、所定のUI(User Interface)を介して、ユーザによるヘルプアイコンの選択操作を受け付けると、情報処理装置との接続を確立する。
【0016】
一方、情報処理装置は、端末装置40との接続が確立すると、その後、ユーザとの間で端末装置40を利用した対話によってユーザの課題を解決するためのインタラクションを行う。
【0017】
例えば、
図1に示すように、情報処理装置は、端末装置40の表示領域41を使用して、ユーザとの間でメッセージのテキスト情報をリアルタイムでやり取りするチャット形式のインタラクションを行う。なお、以下の説明では、端末装置40と情報処理装置との間でやり取りされるメッセージのテキスト情報をメッセージと記載することがある。
【0018】
図1に示す例では、情報処理装置から端末装置40へメッセージが出力された場合に、表示領域41内の左端に情報処理装置のプロフィール画像MIが表示される。そして、情報処理装置のプロフィール画像MIの右側に、情報処理装置から端末装置40へ出力されたメッセージが表示される。
【0019】
また、端末装置40から情報処理装置へメッセージが出力された場合に、表示領域41内の右端にユーザのプロフィール画像UIが表示される。そして、ユーザのプロフィール画像UIの左側に、端末装置40から情報処理装置へ出力されたメッセージが表示される。
【0020】
例えば、情報処理装置は、端末装置40との接続が確立すると、「こんにちは、何かお困りですか?ご質問の内容を入力してください。」というメッセージM11を端末装置40へ出力する。
【0021】
ユーザは、表示領域41内の下部に設けられる文字入力枠42内にメッセージを入力し、文字入力枠42の右側に設けられる送信ボタン43を操作することによって、情報処理装置へメッセージを出力することができる。
【0022】
これにより、ユーザは、例えば、「パスワードを忘れて、マイページにログインできません。」というメッセージU11を端末装置40から情報処理装置へ出力することができる。
【0023】
なお、ここでのマイページは、ポータルサイトをユーザが自分用にカスタマイズした個人専用のウェブページのことであり、ユーザが所定のIDおよびパスワードを入力してログインすることにより閲覧が可能になる。
【0024】
その後、情報処理装置は、メッセージU11に対する応答として、ユーザが解決を所望する課題を解決するインタラクションを行う。例えば、情報処理装置は、「パスワードの再設定方法をご紹介します。1.YYIDを確認する 2.本人確認方法を選択する 3.パスワードを再設定する 以上です。」というメッセージM12を端末装置40へ出力する。
【0025】
さらに、情報処理装置は、「お困りの状況は、解決しましたか?」というメッセージM13を端末装置40へ出力する。その結果、ユーザは、課題が解決した場合、例えば、「はい」というメッセージM12を端末装置40から情報処理装置へ出力することができる。このように、情報処理装置は、ユーザとの間で端末装置40を利用した対話によってユーザの課題を解決するヘルプサービスを提供することができる。
【0026】
しかしながら、情報処理装置は、端末装置40との間で上記のように一つの話題についてメッセージのやり取りを行うだけでは、極限られた情報のやり取りを行うに過ぎないため、有用性が高いとは言えない。つまり、情報処理装置は、受け付けたメッセージに対して応答するメッセージを出力するという単調な形態のインタラクションを行うだけでは有用性を向上させることはできない。
【0027】
そこで、実施形態に係る情報処理装置は、インタラクションの局面(以下、単に「局面」と記載する場合がある)の遷移を検知する。このとき、情報処理装置は、端末装置40を用いたユーザとの対話のなかで話題遷移がないインタラクション中の局面の遷移を検知する。そして、情報処理装置は、局面の遷移を検知した場合に、インタラクションの形態を変更させることによって有用性を向上させる。
【0028】
図1に示す例では、情報処理装置は、「ユーザがパスワードを忘れて、マイページにログインできない」という一つの話題についてインタラクションを行っている期間に起こる局面の変化を検知する。
【0029】
このとき、ユーザは、ポータルサイト内のヘルプアイコンを選択してから、マイページにログインできないという課題が解決される前までは、心理状態がネガティブな状態である。以下、かかるユーザの心理状態がネガティブな状態の局面をネガティブな局面と称する。
【0030】
これに対して、ユーザは、情報処理装置によるヘルプサービスによって、ユーザの課題が解決して以降は、心理状態がポジティブな状態になる。以下、かかるユーザの心理状態がポジティブな状態の局面をポジティブな局面と称する。
【0031】
このように、情報処理装置が端末装置40との間でインタラクションを行う場合には、インタラクションの局面がネガティブな局面からポジティブな局面へ遷移することがある。そして、ユーザは、ポジティブな局面では、新たな情報の受け入れに寛容になる可能性が高い。
【0032】
そこで、情報処理装置は、このような局面の遷移を検知した場合に、それまでの受け付けたメッセージに対して応答するメッセージを出力するという形態とは異なる形態でインタラクションを行う。
【0033】
例えば、情報端末装置は、
図1に示すように、「お困りの状況は、解決しましたか?」というメッセージM13の返信として、端末装置40から「はい」というメッセージU12を受け付けた場合に、局面の遷移を検知する。
【0034】
そして、情報処理装置は、「お役に立てて幸いです。今回パスワードを再設定されたYYIDを使うと、○○アプリも大変便利に利用できます。是非ご利用をご検討ください。」というメッセージM14を端末装置40へ出力する。このとき、情報処理装置は、○○アプリをダウンロード可能なURL(Uniform Resource Locator)を含めたメッセージM14を端末装置40へ出力する。
【0035】
その後、情報処理装置は、「ご利用ありがとうございました。また、何かお困りのことがありましたらお問い合わせください。」というメッセージM15を端末装置40へ出力して、ヘルプサービスを終了する。
【0036】
このように、情報処理装置は、局面の遷移を検知した場合、それまでの受け付けたメッセージに応答するメッセージを出力するという形態とは異なる形態でインタラクションを行うように、インタラクションの形態を変更する。
【0037】
具体的には、情報処理装置は、マイページにログインできないという課題が解決し、ネガティブな局面からポジティブな局面への遷移を検知した場合に、課題の解決策とは無関係なメッセージを端末装置40へ出力する。
【0038】
これにより、情報処理装置は、課題の解決策に加え、例えば、ユーザにとって有用な○○アプリに関する情報をユーザへ提供することができるので、ユーザにとっての有用性を向上させることができる。
【0039】
また、情報処理装置は、課題の解決を求めてきたユーザに対して○○アプリを広告することによる収益を情報処理装置の管理者へもたらすことで、情報処理装置の管理者にとっての有用性も向上させることができる。
【0040】
なお、インタラクションの局面は、ネガティブな局面から、さらにネガティブな局面へ遷移することもある。情報処理装置は、かかる局面の遷移を検知した場合にも、インタラクションの形態をそれまでの形態とは異なる形態に変更する。かかる情報処理については、
図8および
図9を参照して後述する。以下、上述した情報処理を実現する情報処理装置の機能構成および作用効果の一例を説明する。
【0041】
〔2.情報処理装置が有する機能構成の一例〕
図2は、実施形態に係る情報処理装置が有する機能構成の一例を説明する図である。
図2に示すように、情報処理装置1は、通信部10、制御部20、および記憶部30を有する。通信部10は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部10は、ネットワークNと有線または無線で接続され、端末装置40およびオペレータ装置50との間で、各種情報の送受信を行う。
【0042】
なお、オペレータ装置50は、情報処理装置1がユーザの課題を解決できない場合に、情報処理装置1に代わってユーザの課題解決を担当するオペレータが操作する装置であり、例えばPC等によって実現される。
【0043】
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、記憶部30は、情報処理装置1がインタラクションを行う情報処理を実行するための各種データであるインタラクションモデルデータベース31、局面検知ワードデータベース32、および広告データベース33を有する。
【0044】
ここで、
図3〜
図5を用いて、インタラクションモデルデータベース31、局面検知ワードデータベース32、および広告データベース33に登録される情報の一例を説明する。
【0045】
インタラクションモデルデータベース31には、例えば、
図3に示すように、ユーザが解決を所望することが予測される複数の課題の対象事象に、それぞれ複数のインタラクションモデルが対応付けられて登録されている。
【0046】
例えば、「パスワード忘れ」という対象事象には、情報処理装置1がパスワードを忘れたユーザに提案する解決方法#1、解決方法#2等のインタラクションモデルが対応付けられて登録されている。
【0047】
解決方法#1は、例えば、
図1に示したインタラクションで情報処理装置1から端末装置40へ出力されるメッセージM11〜M15等のテキスト情報である。解決方法#2は、例えば、解決方法#1で「パスワード忘れ」という対象事象が解決できなかった場合に、情報処理装置1が端末装置40へ出力する他の解決方法に関するメッセージのテキスト情報である。
【0048】
解決方法#11は、例えば、端末装置40で「コンテンツ再生不能」という対象事象が発生した場合に、情報処理装置1が端末装置40へ出力する解決方法に関するメッセージのテキスト情報である。解決方法#12は、例えば、解決方法#11で「コンテンツ再生不能」という対象事象が解決できなかった場合に、情報処理装置1が端末装置40へ出力する他の解決方法に関するメッセージのテキスト情報である。
【0049】
また、局面検知ワードデータベース32には、例えば、
図4に示すように、インタラクションの異なる局面に、複数の局面検知ワードが対応付けられて登録されている。
【0050】
例えば、ネガティブな局面には、ネガティブな局面で情報処理装置1が端末装置40から受け付けるメッセージに含まれる可能性が高い「〜できない」、「ダメ」、「いいえ」等の局面検知ワードが対応付けられて登録されている。つまり、ネガティブな局面には、ユーザの心理状態がネガティブな状態のときに、ユーザが端末装置40から情報処理装置1へ出力するメッセージに記載しがちなワードが対応付けられて登録されている。
【0051】
一方、ポジティブな局面には、ポジティブな局面で情報処理装置1が端末装置40から受け付けるメッセージに含まれる可能性が高い「〜できた」、「ありがとう」、「はい」等の局面検知ワードが対応付けられて登録されている。つまり、ポジティブな局面には、ユーザの心理状態がポジティブな状態のときに、ユーザが端末装置40から情報処理装置1へ出力するメッセージに記載しがちなワードが対応付けられて登録されている。
【0052】
また、広告データベース33には、例えば、
図5に示すように、ユーザが解決を所望することが予測される複数の課題の対象事象に、それぞれ複数の広告情報が対応付けられて登録されている。
【0053】
例えば、広告#31は、情報処理装置1によるヘルプサービスによって、「パスワード忘れ」という対象事象が解決できた場合に、ユーザが興味を持つ可能性がある広告情報(例えば、
図1に示すメッセージM14)である。広告#32は、「パスワード忘れ」という対象事象が解決できた場合に、ユーザが興味を持つ可能性がある広告#31以外の広告情報である。
【0054】
また、広告#41、広告#42は、情報処理装置1によるヘルプサービスによって、「コンテンツ再生不能」という対象事象が解決できた場合に、ユーザが興味を持つ可能性があるそれぞれ異なる広告情報である。
【0055】
図2に戻り、制御部20の説明を続ける。制御部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムが、RAM等の記憶領域を作業領域として実行されることにより実現される。
【0056】
図2に示す例では、制御部20は、インタラクション部21、検知部22、および変更部23(以下、総称して各処理部21〜23と記載する場合がある)を有する。
【0057】
なお、制御部20が有する各処理部21〜23の接続関係は、
図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。また、各処理部21〜23は、以下に説明するような情報処理の機能・作用(例えば
図1)を実現・実行するものであるが、これらは説明のために整理した機能単位であり、実際のハードウェア要素やソフトウェアモジュールとの一致は問わない。すなわち、以下の情報処理の機能・作用を実現・実行することができるのであれば、情報処理装置1は、任意の機能単位で案内処理を実現・実行してよい。
【0058】
〔3.情報処理装置が実行する処理の一例〕
以下、
図6に示すフローチャートを用いて、各処理部21〜23が実行・実現する情報処理の内容について説明する。
図6は、実施形態に係る情報処理装置1が実行する情報処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
【0059】
ここでは、情報処理装置1と端末装置40との接続が確立し、情報処理装置1から端末装置40へ質問の入力要求を出力した後に、情報処理装置1の各処理部21〜23が実行する処理の一例について説明する。ここでの質問の入力要求は、例えば、
図1に示すメッセージM11である。
【0060】
図6に示すように、インタラクション部21は、まず、端末装置40からユーザが解決を所望する課題の入力があるか否かを判定する(ステップS101)。そして、インタラクション部21は、端末装置40から課題の入力なしと判定した場合(ステップS101,No)、課題の入力があるまでステップS101の判定処理を繰り返す。
【0061】
また、インタラクション部21は、端末装置40から課題の入力ありと判定した場合(ステップS101,Yes)、ネガティブな局面であると認識し、課題を解決するインタラクションを行う(ステップS102)。
【0062】
インタラクション部21は、端末装置40から、例えば、
図1に示すメッセージU11が入力された場合に、メッセージU11の内容を解析してユーザが解決を所望する課題の有無および内容を推定する。
【0063】
インタラクション部21は、例えば、自然言語処理や深層学習などの人工知能関連技術を用いた情報処理を行うことによって、
図1に示すメッセージU11からユーザの課題を「パスワード忘れ」であると推定する。
【0064】
この場合、インタラクション部21は、例えば、
図3に示すインタラクションモデルデータベース31から「パスワード忘れ」に対応付けられた解決方法#1を取得する。そして、インタラクション部21は、解決方法#1を用いて、
図1に示すメッセージM12、M13を端末装置40へ出力することによって、課題を解決するインタラクションを行う。
【0065】
その後、検知部22は、ネガティブな局面からポジティブな局面への遷移を検知したか否かを判定する(ステップS103)。このとき、検知部22は、端末装置40から、例えば、
図1に示すメッセージU12を受け付けた場合、
図4に示す局面検知ワードデータベース32に基づいて局面が遷移したか否かを判定する。
【0066】
検知部22は、例えば、
図1に示すメッセージU12に「はい」というポジティブな局面に対応付けられた局面検知ワードが含まれているため、課題が解決した認識とする。つまり、検知部22は、ネガティブな局面からポジティブな局面への遷移を検知したと判定する。
【0067】
このように、検知部22がネガティブな局面からポジティブな局面への遷移を検知したと判定した場合(ステップS103,Yes)、変更部23は、インタラクション部21によるインタラクションの形態を変更させる。
【0068】
その結果、インタラクション部21は、それまでの受け付けたメッセージに対して応答するメッセージを出力するという形態とは異なる形態でインタラクションを行う。ここでは、インタラクション部21は、ポジティブな局面でユーザにとって有用な情報を端末装置40へ出力する(ステップS104)。
【0069】
図1に示す例では、インタラクション部21は、
図5に示す広告データベース33から「パスワード忘れ」に対応付けられた広告#31を取得して、
図1に示すメッセージM14を端末装置40へ出力する。その後、インタラクション部21は、例えば、
図1に示すメッセージM15を端末装置40へ出力してから処理を終了する。
【0070】
なお、ここでは、情報処理装置1から端末装置40へ一度の提案を出力することによってユーザの課題が解決する場合を例に挙げたが、一度の提案でユーザの課題が解決しない場合もある。かかる場合、情報処理装置1は、ユーザの課題を解決すべく、端末装置40へさらなる提案を出力することもできる。
【0071】
また、ここでは、ユーザの課題が解決した場合に、ネガティブな局面からポジティブな局面へ遷移する例を挙げて説明したが、課題が解決しなくても、ネガティブな局面からポジティブな局面へ遷移することもある。
【0072】
ここで、
図7を合わせて参照しながら、かかる場合のインタラクションの一例について説明する。
図7は、実施形態に係る情報処理装置1が行うインタラクションの他の一例を示す説明図である。
【0073】
例えば、
図7に示すように、インタラクション部21は、端末装置40から「動画を再生することができません。」というメッセージU21を受け付ける場合がある。
【0074】
かかる場合、インタラクション部21は、端末装置40からユーザが解決を所望する課題の入力ありと判定し(ステップS101,Yes)、課題を解決するインタラクションを行う(ステップS102)。
【0075】
インタラクション部21は、例えば、
図7に示す「端末装置の動作環境を確認してみてください。・・・どうでしたか?」というメッセージM21を端末装置40へ出力する。
【0076】
その後、インタラクション部21は、端末装置40から、例えば、
図7に示す「動作環境に問題ないようです。」というメッセージU22を受け付ける場合がある。
【0077】
かかる場合、検知部22は、メッセージU22にポジティブな局面に対応付けられた局面検知ワードが含まれない場合、ネガティブな局面からポジティブな局面への遷移を検知しないと判定する(ステップS103,No)。
【0078】
このとき、検知部22は、例えば、ネガティブな局面に対応付けられた局面検知ワードがメッセージU22に含まれない場合がある。かかる場合、検知部22は、ネガティブな局面からさらにネガティブな局面への遷移を検知しないと判定し(ステップS105,No)、処理をステップS102へ移す。
【0079】
そして、インタラクション部21は、再度、課題を解決するインタラクションを行う(ステップS102)。インタラクション部21は、例えば、
図7に示す「では、端末装置の通信速度を確認してみてください。・・・どうでしたか?」というメッセージM22を端末装置40へ出力する。
【0080】
その後、インタラクション部21は、端末装置40から例えば、
図7に示す「通信速度が適合していなかったようです。原因が分かりました。ありがとう。」というメッセージU23を受け付ける場合がある。
【0081】
かかる場合、ポジティブな局面に対応付けられた「ありがとう」という局面検知ワードがメッセージU23に含まれる。このため、検知部22は、ネガティブな局面からポジティブな局面への遷移を検知したと判定する。
【0082】
このように、検知部22がネガティブな局面からポジティブな局面への遷移を検知したと判定した場合(ステップS103,Yes)、変更部23は、インタラクション部21によるインタラクションの形態を変更させる。
【0083】
その結果、インタラクション部21は、それまでの受け付けたメッセージに対して応答するメッセージを出力するという形態とは異なる形態でインタラクションを行う。ここでも、インタラクション部21は、ポジティブな局面でユーザにとって有用な情報を端末装置40へ出力する(ステップS104)。
【0084】
例えば、インタラクション部21は、
図7に示す「お役に立てて幸いです。光通信に切替えてみませんか?光通信では、「YYムービー」でより高画質の動画コンテンツをお楽しみ頂けますよ。」というメッセージM23を端末装置40へ出力する。このとき、インタラクション部21は、YYムービーのウェブページにアクセス可能なURLを含めたメッセージM23を端末装置40へ出力する。
【0085】
このように、情報処理装置1は、一度の提案でユーザの課題が解決しない場合、ユーザの課題を解決すべく、端末装置40へさらなる提案を出力する。その結果、情報処理装置1は、ユーザの課題が解決しなくても、ネガティブな局面からポジティブな局面へ遷移した場合には、ポジティブな局面でユーザにとって有用な情報を端末装置40へ出力する。これにより、情報処理装置1は、有用性を向上させることができる。
【0086】
また、インタラクションでは、ネガティブな局面からさらにネガティブな局面へ遷移する場合もある。ここで、
図8を参照し、ネガティブな局面からさらにネガティブな局面へ遷移する場合のインタラクションの一例について説明する。
図8は、実施形態に係る情報処理装置1が行うインタラクションの他の一例を示す説明図である。
【0087】
なお、
図8に示すインタラクションのうち、冒頭のメッセージU21から情報処理装置1が2回目の提案を行うメッセージM22までのインタラクションは、
図7に示したものと同様である。このため、ここでは、情報処理装置1が2回目の提案を行って以降のインタラクションについて説明する。
【0088】
図8に示すように、情報処理装置1が2回目の提案を行った後、情報処理装置1は、端末装置40から、例えば、「通信速度は、適合しているようです。」というメッセージU31を受け付ける場合がある。
【0089】
かかる場合、インタラクション部21は、引き続き、課題を解決するインタラクションを行う(ステップS102)。インタラクション部21は、例えば、
図8に示す「では、キャッシュ(インターネット一時ファイル)を削除してみてください。・・・どうでしたか?」というメッセージM31を端末装置40へ出力する。
【0090】
その後、インタラクション部21は、端末装置40から、例えば、
図8に示す「ダメだね。」というメッセージU32を受け付ける場合がある。かかる場合、検知部22は、ポジティブな局面に対応付けられた局面検知ワードがメッセージU32に含まれないため、ネガティブな局面からポジティブな局面への遷移を検知しないと判定する(ステップS103,No)。
【0091】
その後、検知部22は、ネガティブな局面からさらにネガティブな局面への遷移を検知したか否かを判定する(ステップS105)。ここで、メッセージU32には、ネガティブな局面に対応付けられた「ダメ」という局面検知ワードがメッセージU32に含まれている。
【0092】
このため、検知部22は、ネガティブな局面からさらにネガティブな局面への遷移を検知したと判定する(ステップS105,Yes)。このように、検知部22がネガティブな局面からさらにネガティブな局面への遷移を検知したと判定した場合(ステップS105,Yes)、変更部23は、インタラクション部21によるインタラクションの形態を変更させる。
【0093】
その結果、インタラクション部21は、それまでの受け付けたメッセージに対して応答するメッセージを返信するという形態とは異なる形態でインタラクションを行う。
【0094】
ここでは、インタラクション部21は、ネガティブな局面の打開策となる情報を端末装置40へ出力し(ステップS106)、処理を終了する。インタラクション部21は、例えば、
図8に示す「お役に立てず申し訳ありません。では、オペレータに引き継ぎます。」というメッセージM32を端末装置40へ出力し、処理を終了する。
【0095】
なお、情報処理装置1は、ステップS106の処理を終了した後、オペレータが使用するオペレータ装置50と端末装置40との接続を確立させる。これにより、
図8に示すように、端末装置40の表示領域41にオペレータのプロフィール画像OIが表示される。
【0096】
オペレータ装置50は、オペレータの操作に従って、例えば、
図8に示す「動画を再生できないとのことですね。では、これからネットワークプロトコルの設定変更についてご説明しますので・・・」というメッセージO11を端末装置40へ出力する。
【0097】
このように、情報処理装置1は、ネガティブな局面からさらにネガティブな局面への遷移を検知した場合、ネガティブな局面の打開策となる情報を端末装置40へ出力することで、さらに有用性を向上させることができる。
【0098】
なお、上述した実施形態に係る情報処理装置1は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、次に、上記した実施形態の変形例について説明する。
【0099】
〔4.変形例〕
上記した実施形態では、検知部22は、ネガティブな局面に対応付けられた局面検知ワードを含むメッセージを端末装置40から受け付けた場合に、ネガティブな局面からさらにネガティブな局面への遷移を検知した。しかしながら、ネガティブな局面からさらにネガティブな局面への遷移を検知する条件は、これに限定されるものではない。
【0100】
例えば、検知部22は、ネガティブな局面に対応付けられた局面検知ワードのうち、比較的語気の強い「ダメ」等の局面検知ワードを含むメッセージを受け付けた場合に、さらにネガティブな局面への遷移を検知してもよい。
【0101】
かかる構成の場合、検知部22は、比較的語気の弱い「いいえ」等の局面検知ワードを含むメッセージを受け付けても、さらにネガティブな局面への遷移を検知しないこととする。
【0102】
これにより、変更部23は、検知部22が比較的語気の弱いネガティブな局面検知ワードを含むメッセージを受け付けた場合に、頻繁に不必要なインタラクションの態様変更を行うことを抑制することができる。
【0103】
ただし、かかる構成とした場合、例えば、ユーザが比較的語気の弱い「いいえ」という局面検知ワードを含むメッセージを繰り返し端末装置40からインタラクション部21へ出力する場合がある。
【0104】
かかる場合に、検知部22は、実際にはネガティブな局面からさらに深刻なネガティブな局面へ局面が遷移していても、かかる局面の遷移を見落とすおそれがある。
【0105】
そこで、検知部22は、かかる深刻な局面の遷移の見落としを抑制する情報処理を行うこともできる。ここで、
図9を参照し、検知部22がネガティブな局面からさらにネガティブな局面への遷移を検知する条件の変形例について説明する。
図9は、実施形態に係る情報処理装置1が行うインタラクションの他の一例を示す説明図である。
【0106】
図9に示すように、インタラクション部21は、端末装置40から、例えば、「動画を再生することができません。」というメッセージU21を端末装置40から受け付ける場合がある。かかる場合、その後、インタラクション部21と端末装置40との間でやり取りされるメッセージが堂々巡りとなり、会話がループする状態になることがある。
【0107】
例えば、インタラクション部21は、端末装置40へある解決策を出力した後、
図9に示す「再生できましたか?」というメッセージM41を出力する。その後、インタラクション部21は、端末装置40から
図9に示す「いいえ。」というメッセージU41を受け付ける場合がある。
【0108】
かかる場合、インタラクション部21は、端末装置40へ別の解決策を出力した後、
図9に示す「再生できましたか?」というメッセージM42を出力する。その後、インタラクション部21は、端末装置40から
図9に示す「いいえ。」というメッセージU42を受け付ける場合がある。
【0109】
その後、インタラクション部21は、端末装置40へさらに別の解決策を出力した後、
図9に示す「再生できましたか?」というメッセージM43を出力する。その後、インタラクション部21は、端末装置40から
図9に示す「いいえ。」というメッセージU43を受け付ける場合がある。
【0110】
このように、インタラクション部21と端末装置40との間でやり取りされるメッセージが堂々巡りとなり、会話がループする状態になると、ユーザが情報処理装置1に対して悪印象を抱く可能性が高い。
【0111】
そこで、検知部22は、端末装置40とインタラクション部21との間で内容が同様の会話のやり取りが行われた回数が所定数に達した場合に、ネガティブな局面からさらにネガティブな局面への遷移を検知する。
【0112】
そして、検知部22がネガティブな局面からさらにネガティブな局面への遷移を検知したと判定した場合、変更部23は、インタラクション部21によるインタラクションの形態を変更させる。
【0113】
その結果、インタラクション部21は、受け付けたメッセージに対して応答するメッセージを出力するというそれまでのインタラクションの形態とは異なる形態でインタラクションを行う。
【0114】
例えば、インタラクション部21は、
図9に示すように、
図8を参照して説明したインタラクションの後半部分と同じく、メッセージM32を端末装置40へ出力する。そして、インタラクション部21は、ユーザの対応をオペレータに引き継ぎ、オペレータ装置50から端末装置40へ
図9に示すメッセージO11を出力してもらう。
【0115】
これにより、検知部22は、比較的語気の弱い局面検知ワードを連続して受け付け、深刻でないネガティブな局面が継続しているように見える場合に、実際に発生している深刻な局面の遷移の見落としを抑制することができる。
【0116】
また、検知部22は、例えば、端末装置40とインタラクション部21との会話の回数が所定回数(例えば、3回)に達しても、ユーザの課題が解決されない場合に、さらにネガティブな局面への遷移を検知することもできる。
【0117】
これによっても、検知部22は、一見深刻でないネガティブな局面が継続しているように見える場合に、実際に発生している深刻な局面の遷移の見落としを抑制することができる。
【0118】
また、上記した実施形態では、検知部22は、端末装置40から受け付けるメッセージに含まれる局面検知キーワードに基づいて、局面の遷移を検知したが、これは一例である。
【0119】
例えば、検知部22は、端末装置40の動作状態に基づいて、局面の遷移を検知してもよい。具体的には、検知部22は、ユーザの課題が前述した「パスワード忘れ」の場合、その後、端末装置40の動作状態を示す情報を端末装置40から取得する。
【0120】
そして、検知部22は、端末装置40がユーザのマイページにログインできたことを示す情報を端末装置40から取得した場合に、ネガティブな局面からポジティブな局面へ遷移したと判定してもよい。
【0121】
また、検知部22は、例えば、ユーザの課題が前述した「コンテンツ再生不能である場合」その後、端末装置40の動作状態を示す情報を端末装置40から取得する。端末装置40が動作を再生できたことを示す情報を端末装置40から取得した場合に、ネガティブな局面からポジティブな局面へ遷移したと判定してもよい。
【0122】
これにより、検知部22は、端末装置40から返信のメッセージを受け付ける前に、いち早くネガティブな局面からポジティブな局面へ遷移したと判定することができる。その結果、インタラクション部21は、ポジティブな局面でユーザにとって有用な情報を端末装置40へ迅速に出力することができる。
【0123】
また、上記した実施形態では、情報処理装置1がポータルサイトのヘルプサービスをインタラクションによって提供する場合を例に挙げて説明したが、これは一例である。情報処理装置1は、端末装置40のユーザとの端末装置40を利用した対話によるインタラクションを行う任意のサービスを提供するシステムに適用されることができる。
【0124】
また、上記した実施形態では、情報処理装置1が端末装置40との間でテキストのメッセージをやり取りする場合を例に挙げて説明したが、これは一例である。情報処理装置1は、例えば、端末装置40との間で音声のメッセージをやり取りする構成であってもよい。
【0125】
〔5.他の実施形態〕
なお、上記実施形態は例示に過ぎず、本発明は、以下に例示するものやそれ以外の他の実施態様も含むものである。例えば、本出願における機能構成、データ構造、フローチャートに示す処理の順序や内容などは例示に過ぎず、各要素の有無、その配置や処理実行などの順序、具体的内容などは適宜変更可能である。例えば、上述した情報処理は、上記実施形態で例示したように情報処理装置1が実現する以外にも、クラウドシステムにおける装置、方法やプログラムとして実現することもできる。
【0126】
また、情報処理装置1を構成する各処理部21〜23を、さらにそれぞれ独立した装置で実現する構成も一般的である。同様に、外部のプラットフォーム等をAPI(アプリケーション・プログラム・インタフェース)やネットワークコンピューティング(いわゆるクラウドなど)で呼び出すことで、上記実施形態で示した各手段を実現するなど、本発明の構成は柔軟に変更できる。さらに、本発明に関する手段などの各要素は、コンピュータの演算制御部に限らず物理的な電子回路など他の情報処理機構で実現してもよい。
【0127】
また、情報処理装置1は、端末装置40との間でメッセージを送受信するフロントエンドサーバと、端末装置40へ返信するメッセージを生成するバックエンドサーバとにより実現されてもよい。
【0128】
例えば、フロントエンドサーバは、端末装置40からメッセージを受け付けると、受け付けたメッセージをバックエンドサーバへと出力する。このような場合、バックエンドサーバは、受け付けたメッセージについて、上記した各処理部21〜23が行う情報処理を実行して生成したメッセージをフロントエンドサーバへ出力する。そして、フロントエンドサーバは、バックエンドサーバから入力されるメッセージを端末装置40から受け付けたメッセージに対する応答メッセージとして端末装置40へ出力する。
【0129】
〔6.ハードウェア構成〕
なお、実施形態における情報処理装置1は、例えば
図10に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図10は、実施形態に係る情報処理装置1の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU(Central Processing Unit)1100、RAM(Random Access Memory)1200、ROM(Read Only Memory)1300、HDD(Hard Disk Drive)1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、およびメディアインターフェイス(I/F)1700を備える。
【0130】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0131】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラムおよび当該プログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信部10に対応し、通信ネットワークを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信ネットワークを介して他の機器へ送信する。
【0132】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0133】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、当該プログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0134】
コンピュータ1000が情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされた情報提供プログラムを実行する。これにより、コンピュータ1000は、インタラクション部21、検知部22、および変更部23の各機能を実現する。また、HDD1400は、記憶部30の機能を実現し、インタラクションモデルデータベース31、局面検知ワードデータベース32、および広告データベース33等が格納される。
【0135】
コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信ネットワークを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0136】
〔7.効果〕
上述したように、情報処理装置1は、インタラクション部21と、検知部22と、変更部23とを備える。インタラクション部21は、端末装置40のユーザとの端末装置40を利用した対話によるインタラクションを行う。
【0137】
検知部22は、インタラクションの局面の遷移を検知する。変更部23は、検知部22によって局面の遷移が検知された場合に、インタラクション部21によるインタラクションの態様を変更させる。これにより、情報処理装置1は、単調な形態のインタラクションを継続するような一般的な情報処理装置よりも有用性を向上させることができる。
【0138】
また、検知部22は、対話の話題遷移がないインタラクション中の局面の遷移を検知する。これにより、情報処理装置1は、同じ話題で単調になりがちなインタラクションの中で、インタラクションの形態を変更することにより、多様なインタラクションが可能となるので有用性を向上させることができる。
【0139】
また、変更部23は、ネガティブな局面からポジティブな局面への遷移が検知部22によって検知された場合に、ポジティブな局面でユーザとって有用な情報を端末装置40へ出力するようにインタラクションの態様を変更させる。
【0140】
これにより、情報処理装置1は、ポジティブな局面では新たな情報の受け入れに寛容になる可能性が高いユーザへ有用な情報を提供することによって、有用性を向上させることができる。
【0141】
また、変更部23は、有用な情報として、広告情報を端末装置40へ出力するようにインタラクションの態様を変更させる。これにより、情報処理装置1は、広告情報をユーザへ提供することによる収益を情報処理装置1の管理者へもたらすことで、情報処理装置1の管理者にとっての有用性を向上させることができる。
【0142】
また、変更部23は、ネガティブな局面からさらにネガティブな局面への遷移が検知部22によって検知された場合に、ネガティブな局面の打開策となる情報を端末装置40へ出力するようにインタラクションの態様を変更させる。
【0143】
これにより、情報処理装置1は、ネガティブな局面からさらにネガティブな局面へインタラクションの局面が遷移する場合に、ユーザにとって有用な情報をユーザへ提供することによって、有用性を向上させることができる。
【0144】
また変更部23は、ネガティブな局面の打開策となる情報として、ユーザとの対話の相手をインタラクション部21からオペレータへ切り替えることを示す情報を端末装置40へ出力するようにインタラクションの態様を変更させる。
【0145】
これにより、情報処理装置1は、例えば、ネガティブな局面を打開できない場合に、ユーザとの対話の相手をオペレータへ切り替えることによって、ユーザにとっての有用性を向上させることができる。
【0146】
また、インタラクション部21は、端末装置40からユーザが解決を所望する課題の入力を受け付け、当該課題を解決するインタラクションを行う。そして、検知部22は、課題が解決した場合に、ネガティブな局面からポジティブな局面への遷移を検知する。これにより、情報処理装置1は、課題を抱えるユーザにとっての有用性を向上させることができる。
【0147】
また、検知部22は、端末装置40とインタラクション部21との会話の回数が所定回数に達しても課題が解決されない場合に、ネガティブな局面からさらにネガティブな局面への前記遷移を検知する。
【0148】
これにより、情報処理装置1は、一見深刻でないネガティブな局面が継続しているように見える場合に、実際に発生している深刻な局面の遷移の見落としを抑制することができる。
【0149】
また、検知部22は、端末装置40とインタラクション部21との間で内容が同様の会話のやり取りが行われた回数が所定回数に達した場合に、ネガティブな局面からさらにネガティブな局面への遷移を検知する。
【0150】
これによっても、情報処理装置1は、一見深刻でないネガティブな局面が継続しているように見える場合に、実際に発生している深刻な局面の遷移の見落としを抑制することができる。
【0151】
また、検知部22は、端末装置40とインタラクション部21との会話の内容に基づいて局面の遷移を検知する。これにより、情報処理装置1は、局面が遷移したことをより正確に判定することができる。
【0152】
また、検知部22は、端末装置40の動作状態に基づいて局面の遷移を検知する。これにより、情報処理装置1は、端末装置40から返信のメッセージを受け付ける前に、いち早く局面が遷移したことを判定することができる。
【0153】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0154】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、変更部は、変更手段や変更回路に読み替えることができる。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、インタラクション部と、検知部と、変更部とを備える。インタラクション部は、端末装置のユーザとの端末装置を利用した対話によるインタラクションを行う。検知部は、インタラクションの局面の遷移を検知する。変更部は、検知部によって局面の遷移が検知された場合に、インタラクション部によるインタラクションの態様を変更させる。