【実施例】
【0029】
図1および
図2において、10はこの発明の実施例1に係るNFCタグ付販売促進助成物で、このNFCタグ付販売促進助成物10は、シャンプー(商品)11の広告表示部12を陳列棚13から離れた位置に表示させるとともに、広告表示部12を揺動させることにより顧客の関心を集めるスイングPOP(販売促進助成物)14と、このスイングPOP14に設けられ、かつ顧客がスマートフォン(携帯情報端末)15をかざした際に、これを自動起動し、この起動状態で、インターネット回線を介して、あらかじめタグ記憶部16にアドレスが記憶されたクラウドサーバのシャンプー11の口コミ情報サイト(Webサイト)にアクセスさせる近距離無線通信用のNFCタグ17とを備えている。
【0030】
以下、これらの構成体を具体的に説明する。
NFCタグ付販売促進助成物10とは、NFC(Near Field Communication)タグ17が取り付けられた販売促進助成物である。
販売促進助成物としてのスイングPOP14は、表面にシャンプー11の広告が印刷された円形の広告表示部12と、広告表示部12の周縁の一部に先端が一体的に連結され、かつ幅広な基端部19aの表面に両面テープ18が貼着されたT字形の装着部19とを有している。
広告表示部12と装着部19とは、肉薄な合成樹脂シートを型抜きして形成されている。スイングPOP14は、両面テープ18を介して、陳列棚13の最上棚板20の前縁面に、首振り自在に貼着されている。
【0031】
NFCタグ17は、ISO/IEC18092で標準化された周波数13.56MHzの近距離無線通信方式のRFID(Radio frequency identification)タグである。NFCタグ17は、パッシブ型無線タグと同様に、NFCタグ17のリーダ/ライタを有したスマートフォン15から非接触で供給された電力により動作する。
【0032】
図1および
図2のブロック図に示すように、NFCタグ17とは、合成樹脂からなる円形のベースシートSの面に、渦巻状のアンテナaと、NFC通信部21と、タグ記憶部16と、制御部23と、受電部24とが配設されたものである。
NFC通信部(高周波回路)21は、近傍(例えば数m)に存在しているスマートフォン15との近距離無線通信を実行する手段である。
タグ記憶部16は、シャンプー11の口コミ情報サイトのアドレスを記憶する手段である。
制御部23は、CPUを内蔵して、NFCタグ17の全体を制御する手段である。
受電部24は、電源回路を有して、NFC通信部21を通してスマートフォン15からの電力を非接触で受電する手段である。
【0033】
スマートフォン15は、携帯情報端末の一種で、表示部としてのディスプレイ25と、図示しないNFCタグ17のリーダ・ライタとを有している。
クラウドサーバは、インターネット回線に接続され、かつシャンプー11のメーカが運営する図示しないクラウド上のサーバである。なお、クラウドサーバは、メーカではなく店舗が運営してもよい。クラウドサーバのデータベース(記憶部)に、シャンプー11の口コミ情報サイト(Webサイト)のコンテンツが記憶されている。
口コミ情報サイトは、3つのコンテンツを有している。すなわち、そのフロントページには、“シャンプー11の商品情報と、シャンプー11に関連したサービス情報”とからなる第1情報Aが掲載されている(
図3(a))。また、2ページ目には、第2情報Bとしての“シャンプー11の口コミ情報”が掲載されている(
図3(b))。3ページ目には、第3情報Cの“店舗情報”が掲載されている(
図3(c))。
【0034】
なお、口コミ情報サイトには、第1情報および第2情報のみを掲載し、残った第3情報をタグ記憶部16に記憶しておき、NFCタグ17にスマートフォン15をかざした際、近距離無線通信を介して、スマートフォン15に送信するようにしてもよい。このように構成すれば、口コミ情報サイトに、メーカが作成したシャンプー11の商品情報と口コミ情報だけしか掲載がなくても、スマートフォン15をスイングPOP14にかざすことで、ディスプレイ25の画面に、口コミ情報、商品情報および店舗情報を表示することができる。
【0035】
ここでのシャンプー11の商品情報としては、成分表、商品特徴、使用方法、製造会社、販売会社などを挙げることができる。
また、シャンプー11に関連したサービス情報とは、メーカが開催するシャンプー11の体験キャンペーンである。
シャンプー11の口コミ情報とは、シャンプー11を購入したユーザの使用感、シャンプー11の容器やパッケージの感想、価格等についての意見である。
また、顧客は、店舗内でシャンプー11のサンプルを試したときの感想や、容器のデザインなどについて、所持したスマートフォン15を使用し、口コミ情報サイトに書き込むこともできる。
ここでの店舗情報とは、店舗で次回開催される電子ポイントアップデー、バーゲンセールなどのシャンプー11を販売する店舗側の広告である。
【0036】
次に、
図1〜
図3を参照して、本発明のNFCタグ付販売促進助成物10の使用方法を説明する。
図1および
図2に示すように、店舗内において、シャンプー11の陳列棚13の前で、顧客が特定のシャンプー11に興味を感じたとき、スマートフォン15をスイングPOP14にかざす。これにより、スマートフォン15から近距離無線発信を通して発信された電力が、アンテナaからNFC通信部21を通して受電部24が受電し、NFCタグ17が作動する。すなわち、タグ記憶部16に記憶されたシャンプー11の口コミ情報サイトのアドレスがスマートフォン15へ送信され、これに基づき、スマートフォン15が口コミ情報サイトに自動アクセスし、そのサイトページをディスプレイ25に表示する。
【0037】
顧客は、口コミ情報サイトのフロントページを見て、まず所望のシャンプー11であるかを確認し、所望のものであれば、フロントページに掲載された第1情報Aである、メーカ側の商品情報を読む(
図3(a))。次に、顧客は2ページ目を開き、シャンプー11を実際に購入したユーザの使用感などが掲載された口コミ情報(第2情報B)を読む(
図3(b))。その後、顧客は、メーカ側が提供した商品情報と、ユーザ側が提供した口コミ情報とを参考にして、シャンプー11を購入するか否かの判断を行う。さらに、顧客は、店舗側が提供した電子ポイントアップデー、各種バーゲンの広告といった店舗情報(第3情報C)を視認する(
図3(c))。
【0038】
このように、NFCタグ付販売促進助成物10は、シャンプー11に関心がある顧客に、口コミ情報サイトに書き込まれたシャンプー11に対するユーザの口コミ情報を店舗内でリアルタイムに提供することができる。また、顧客は、シャンプー11のパッケージや容器を見た感想や、店舗内でサンプル品を試したときの感想などを、スマートフォン15から口コミ情報サイトに書き込むこともできる。
これらの3つの情報は、上述したように所定の順序でディスプレイ25に表示しても、ディスプレイ25の画面を3分割して同時に表示してもよい。
【0039】
また、NFCタグ17は、このようなスイングPOP14だけでなく、例えば、什器26(
図4参照)、商品吊り下げパネル27(
図5参照)、カウンタ用陳列器28(
図6参照)に取り付けてもよい。これらの販売促進助成物26〜28における各NFCタグ17の取り付け位置は、スマートフォン15によるNFCタグ17へのかざし動作が容易なように、4段棚式の縦長な什器26のうち、最上棚板29の前面中央部、3段2列で6本のフック30が突設された縦長な商品吊り下げパネル27の上端中央部、カウンタ用陳列器28の前板31の中央部としている。
【0040】
さらに、NFCタグは、RFIDと異なり、店舗に設置した後は、必ずしも顧客が売場に行かなくても口コミ情報サイトのコンテンツを変更すれば、新しい情報を顧客に提供することができる。また、NFCタグを採用することで、普及が拡大しているスマートメディアにおいて書き込みと読み込みができる。
スマートフォン15に提供されるこれらの情報は、その公開範囲を指定することもできる。具体的には、一般公開だけでなく、スタッフのみの限定公開でもよい。
また、アクセスログを採用すれば、店舗、商品ごと等のアクセス数がわかる。
【0041】
次に、
図7を参照して、本発明の実施例2に係る販売促進システムを説明する。
図7に示すように、本発明の実施例2に係る販売促進システム50は、店舗の会員である顧客が所持する顧客側スマートフォン(会員側携帯情報端末)51から、インターネット回線52を利用して、サーバ53が運営するシャンプー11の口コミ情報サイト(商品の口コミ情報サイト)54にアクセスし、そこで顧客が、別会員の投稿者が投稿した口コミ情報を読み、それを高評価してシャンプー11を店舗で購入した場合、インターネット回線52を利用して、口コミ情報の投稿者が所持する投稿者側スマートフォン(会員側携帯情報端末)55に、サーバ53から電子ポイントを送信するシステムである。
【0042】
以下、販売促進システム50を具体的に説明する。
販売促進システム50は、NFCタグ17付きのスイングPOP14と、インターネット回線52と、顧客側スマートフォン51と、投稿者側スマートフォン55と、サーバ53と、店舗に設置されたレジスタ56と、店舗の事務室に設置された店舗側パソコン(店舗側情報端末)57とを備えている。
【0043】
以下、これらの構成体を具体的に説明する。
顧客側スマートフォン51および投稿者側スマートフォン55は、近距離無線通信を利用してNFCタグ17に対して情報を読み書きするリーダ/ライタ58と、口コミ情報サイト54に投稿する口コミ情報を会員(投稿者)が作成するための文字入力手段59と、口コミ情報サイト54に投稿された口コミ情報を、会員(顧客)が評価するための評価入力手段60と、インターネット回線52を介して、文字入力手段59からの投稿データと評価入力手段60からの口コミ評価信号とをサーバ53に送信する会員側通信手段61とを有している。
【0044】
サーバ53は、インターネット回線52に接続するためのサーバ側通信手段62と、口コミ情報が投稿された口コミ情報サイト(データベース)54と、各会員が所持する各会員側携帯情報端末(顧客側スマートフォン51、投稿者側スマートフォン55を含む)のメールアドレスを記憶したサーバ記憶部64と、高評価の口コミ評価信号とシャンプー11の商品購入データとを、インターネット回線52からサーバ側通信手段62を通して取得した際、サーバ記憶部64からアドレスを取得した投稿者側スマートフォン55に、インターネット回線52を介して、サーバ側通信手段62から電子ポイントを送信する電子ポイント付与手段65とを有している。
【0045】
レジスタ56は、店舗で顧客が購入したシャンプー11を含む商品の販売額を、自動で計算して記録する金銭登録機である。レジスタ56には、磁気テープ付の会員カードから顧客の会員データを読み取るカード読み取り機(会員データ取得手段)66が搭載されている。レジスタ56と店舗側パソコン57とは、LANケーブルによりデータ通信可能に接続されている。
また、店舗側パソコン57は、カード読み取り機66から送信されたシャンプー11を購入した顧客の会員データと、レジスタ56からのシャンプー11の売り上げデータとを関連付けて商品購入データを作成する商品購入データ作成手段67と、インターネット回線52を介して、商品購入データをサーバ53に送信する店舗側通信手段68とを有している。
【0046】
次に、
図7を参照して、本発明の実施例2に係る販売促進システム50による商品の販売促進方法を説明する。
店舗内で、顧客が顧客側スマートフォン51をスイングPOP14のNFCタグ17にかざす。これにより、近距離無線通信を利用したNFCタグ17からの指令に基づき、顧客側スマートフォン51が自動起動する。なお、顧客が顧客側スマートフォン51をNFCタグ17にかざした時、顧客側スマートフォン51に電子ポイントを付与してもよい。
その後、インターネット回線52を通して、あらかじめタグ記憶部16にアドレスが記憶されたシャンプー11の口コミ情報サイト54に、顧客側スマートフォン51が自動アクセスし、そのサイト画面を顧客側スマートフォン51のディスプレイに表示する。
なお、この口コミ情報サイト54には、あらかじめ投稿者が投稿者側スマートフォン55の文字入力手段59を利用して作成したシャンプー11の口コミ情報が、会員側通信手段61からインターネット回線52より投稿されている。
【0047】
この投稿者の口コミ情報を顧客が読み、それを評価入力手段60により評価して口コミ評価信号を発信する。口コミ評価信号は、会員側通信手段61からインターネット回線52を介してサーバ53へと送られる。なお、顧客が評価入力手段60により口コミ評価信号を発信した時、顧客側スマートフォン51に電子ポイントを付与してもよい。
サーバ53では、サーバ側通信手段62が口コミ評価信号を受信し、これを電子ポイント付与手段65へ送る。電子ポイント付与手段65では、受信した信号が高評価の口コミ評価信号の場合、店舗側パソコン57から商品購入データが届くかを所定時間待つ(例えば1時間)。
【0048】
以下、口コミ評価信号が高評価で、かつ実際に顧客が店舗でシャンプー11を購入した場合について説明する。
レジにおいて、顧客が提示した会員カードから顧客の会員データがカード読み取り機66により読み取られる。このとき、会員カードに電子ポイントを付与してもよい。読み取った会員データは、直後にレジスタ56から入手されるシャンプー11の売り上げデータとともに、LANケーブルを介して店舗側パソコン57に送信される。
店舗側パソコン57では、商品購入データ作成手段67が、シャンプー11を購入した顧客の会員データと、シャンプー11の売り上げデータとを関連付けて商品購入データを作成する。得られた商品購入データは、店舗側通信手段68からインターネット回線52を介して、サーバ53に送信される。
【0049】
サーバ53では、サーバ側通信手段62が商品購入データを受信し、これを電子ポイント付与手段65へ送る。これにより、電子ポイント付与手段65では、顧客が口コミ情報を読んで店舗購入したシャンプー11についての高評価の口コミ評価信号と、商品購入データとが揃うこととなる。これら2つの条件が揃った時、電子ポイント付与手段65が電子ポイントを発行する。発行された電子ポイントは、サーバ側通信手段62から、インターネット回線52を介して、その口コミ情報を投稿した投稿者側スマートフォン55に付与される。
【0050】
このように、店舗の会員となって、顧客がシャンプー11を購入する動機となるような高評価の口コミ情報を口コミ情報サイト54に投稿しておけば、会員は自分でブログを立ち上げなくても、電子ポイントが自動的に付与される可能性がある。一方、店舗側(メーカー側、販売会社側)は、質の高い口コミ情報を入手することができる。さらには、このようなNFCタグ17とシャンプー11の口コミ情報サイト54とを利用した新規な店頭オウンドアフィリエイトにより、シャンプー11の販売促進と、新たな店舗会員の獲得と、ロイヤルカスタマーの確保とを同時に図ることができる。