特許第6243572号(P6243572)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6243572掲示物管理システムおよび掲示物管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6243572
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】掲示物管理システムおよび掲示物管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20120101AFI20171127BHJP
【FI】
   G06Q10/00 300
【請求項の数】12
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-164437(P2017-164437)
(22)【出願日】2017年8月29日
【審査請求日】2017年8月31日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514319065
【氏名又は名称】橋本 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】橋本 一幸
【審査官】 宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−284989(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第10−0894917(KR,B1)
【文献】 特開2006−209604(JP,A)
【文献】 特開2014−013512(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
掲示器具に掲示された掲示物の管理を行う為の掲示物管理システムであって、
掲示物の掲示場所に関する掲示器具情報を登録する掲示器具情報登録手段と、
前記掲示器具情報登録手段で登録された掲示器具に掲示する掲示物の掲示物情報を登録する掲示物情報登録手段と、
前記掲示器具情報及び掲示物情報に基づいて、掲示器具及び当該掲示器具に掲示する掲示物、掲示期間が紐づいた掲示情報を登録する掲示情報登録手段と、
掲示物の掲示を行うユーザに対して、確認コードを送付する為の確認コード送付手段と、
掲示の正当性の判断を行う為に、ユーザによって撮影され、前記掲示器具及び掲示物、確認コードが撮影された画像を含む画像情報を受け付ける画像情報登録手段と、
前記画像情報を用いて、前記掲示期間内に、前記掲示物が正当に掲示されていたか否かの判定を行う為の掲示結果登録手段と、を備えることを特徴とする掲示物管理システム。
【請求項2】
前記確認コード送付手段及び画像情報登録手段は、前記掲示期間内に、前記確認コードを送付する処理及び画像情報を受け付ける処理を複数回行い、
前記掲示結果登録手段は、各回で受け付けた画像情報を用いて、判断を行うことを特徴とする請求項1に記載の掲示物管理システム。
【請求項3】
複数回送付される前記確認コードは、別々のコードであることを特徴とする請求項2に記載の掲示物管理システム。
【請求項4】
前記掲示期間は、前記確認コードの登録に応じて更新される複数の期間を有し、
前記掲示結果登録手段において正当に掲示が行われていないと判断された場合、正当に掲示がなされていた期間及び正当に掲示がなされていなかった期間に応じて、掲示の対価を算出する対価算出手段を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の掲示物管理システム。
【請求項5】
前記確認コード送付手段は、前記確認コードを印刷可能なフォーマットでユーザに送付することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の掲示物管理システム。
【請求項6】
前記掲示器具は、前記確認コードを入力する為のコード入力部を備えることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の掲示物管理システム。
【請求項7】
前記掲示結果登録手段は、前記画像情報を画像解析し、画像に含まれたコードを用いて掲示の正当性の判断を行う処理と、
判断結果を登録する処理と、を含むことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の掲示物管理システム。
【請求項8】
前記掲示結果登録手段は、前記画像情報を用いて、掲示物の掲示を依頼した依頼者に掲示の正当性の確認依頼を行う処理と、
前記依頼者からの確認結果を受け付ける処理と、を含むことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の掲示物管理システム。
【請求項9】
前記掲示器具情報は、掲示器具コードに紐づけられ、
前記画像情報は、前記掲示器具及び掲示物、確認コード、掲示器具コードを撮影した画像を含むことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の掲示物管理システム。
【請求項10】
前記画像情報は、掲示器具の全体を撮影した画像及び掲示物の少なくとも一部並びに確認コードが含まれた画像を含むことを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の掲示物管理システム。
【請求項11】
前記掲示物は、掲示物コードを備え、
前記掲示物の少なくとも一部並びに確認コードが含まれた画像には、前記掲示物コードが含まれることを特徴とする請求項10に記載の掲示物管理システム。
【請求項12】
掲示器具に掲示された掲示物の管理を行う為の掲示物管理方法であって、
掲示物の掲示場所に関する掲示器具情報を登録するステップと、
登録された掲示器具に掲示する掲示物の掲示物情報を登録するステップと、
前記掲示器具情報及び掲示物情報に基づいて、掲示器具及び当該掲示器具に掲示する掲示物、掲示期間が紐づいた掲示情報を登録するステップと、
掲示物の掲示を行うユーザに対して、確認コードを送付する為のステップと、
掲示の正当性の判断を行う為に、ユーザによって撮影され、前記掲示器具及び掲示物、確認コードが撮影された画像を含む画像情報を受け付けるステップと、
前記画像情報を用いて、前記掲示期間内に、前記掲示物が正当に掲示されていたか否かの判定を行う為のステップと、を掲示物管理サーバのプロセッサが実行する掲示物管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掲示器具への掲示物を管理する為の掲示物管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、駅や街頭に設置された掲示板や掲示パネル等の掲示器具に、ポスターやチラシ等の印刷物を張り付けることで、広告が掲示されている。こうした掲示器具は、近年では、駅など主要な施設において、デジタルサイネージへの置き換えが進んでいるが、マンション等の集合住宅やその他町内などに設置された掲示器具においては、まだ置き換えが進んでいないのが現状である。
【0003】
また、ポスター等の掲示物にIT技術を付加した例としては、識別情報と個別情報とを備えた掲示物、及び掲示物を掲示する掲示領域と、掲示物に関する情報を有する掲示物情報を取得する手段と、掲示領域に掲示された掲示物又は個別情報の掲示位置を検出する手段と、掲示物の掲示位置を登録する手段と、掲示物及び個別情報の掲示位置を対応づける手段と、個別情報に関する情報を選択可能に内部又は外部から取得する手段と、個別情報を特定する手段と、関連情報を出力する手段と、を備えた掲示板システムに関する技術が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−11422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、社会問題にも発展しつつある集合住宅の管理費上昇や積立金の枯渇に対して、経済的な解決策が求められていた。しかしながら、集合住宅の管理者サイドは、空車となった駐車スペースの貸し出し程度でしか、新たな収益源を創出することができない現状がある。そのため、これまでにコンテンツとして認識されていなかった掲示器具に広告掲示物を付することができれば、新たな経済的価値を付与し、ユーザ、即ち集合住宅の管理者サイドに収益をもたらすことが可能となる。また、集合住宅以外にも、例えば、商業施設や駅などの公共施設、医療機関等においても、新たな掲示材価値を付与し、管理者サイドに収益をもたらすことが可能となる。
【0006】
マンション等の集合住宅や他の施設、その他町内などに設置される掲示器具に、広告用の掲示物を張り付けて広告主から対価を受けることを考えた場合、掲示器具の管理者側に対して余分なコストを掛けないことが必要である。
【0007】
更に、これら掲示器具は、特定の従業員や居住者、利用者、顧客等しか出入りしない施設内の半密室的な立地に設置されている場合が多く、広告主の視点では、掲示物が契約期間内掲示されていた担保が、簡易に取れる環境を実現することが重要である。
【0008】
特許文献1において、掲示物にRFIDタグを設け、情報を読み出し可能にする構成、掲示物の掲示位置を登録する手段、掲示位置を検出する手段と、掲示位置を対応付ける手段等については開示されているものの、これらの手段を利用したとしても、所定の契約期間内掲示物が掲示されていたか否かについて、正当性を確認することはできない。
【0009】
また、個々の掲示物にRFIDタグを設けることや、掲示器具周辺に監視カメラを設置すること、掲示器具そのものをデジタルサイネージに置き換えるなどして、ネットワーク等を介して広告が契約期間内掲示されていたことを担保しようすると、設備コストが増大してしまう。
【0010】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、掲示物が正当に掲示器具に掲示されたことを担保し、掲示器具を介して広告を提供するための掲示物管理システムを提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、掲示器具に掲示された掲示物の管理を行う為の掲示物管理システムであって、
掲示物の掲示場所に関する掲示器具情報を登録する掲示器具情報登録手段と、
前記掲示器具情報登録手段で登録された掲示器具に掲示する掲示物の掲示物情報を登録する掲示物情報登録手段と、
前記掲示器具情報及び掲示物情報に基づいて、掲示器具及び当該掲示器具に掲示する掲示物、掲示期間が紐づいた掲示情報を登録する掲示情報登録手段と、
掲示物の掲示を行うユーザに対して、確認コードを送付する為の確認コード送付手段と、
掲示の正当性の判断を行う為に、ユーザによって撮影され、前記掲示器具及び掲示物、確認コードが撮影された画像を含む画像情報を受け付ける画像情報登録手段と、
前記画像情報を用いて、前記掲示期間内に、前記掲示物が正当に掲示されていたか否かの判定を行う為の掲示結果登録手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
このような構成とすることで、確認コードをユーザに付与して画像の撮影を行わせることで、他所の画像等を流用した不正な画像の登録を防止し、現実に掲示器具に掲示された掲示物の撮影を促すことが可能となり、掲示物が正当に掲示されることを一定程度担保することができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記確認コード送付手段及び画像情報登録手段は、前記掲示期間内に、前記確認コードを送付する処理及び画像情報を受け付ける処理を複数回行い、
前記掲示結果登録手段は、各回で受け付けた画像情報を用いて、判断を行うことを特徴とする。
このような構成とすることで、掲示期間中、ユーザに複数回画像情報の登録を行わせることができ、掲示物が正当に掲示されることを一定程度担保することができる。また、掲示期間中の過去に登録された画像情報と比較して、掲示の正当性の判断を行うように構成してもよい。
【0014】
本発明の好ましい形態では、複数回送付される前記確認コードは、別々のコードであることを特徴とする。
このような構成とすることで、掲示期間中における画像の流用を防ぎ、現実に掲示器具に掲示された掲示物の撮影を経時的に促すことが可能となり、掲示物が正当に掲示されることを一定程度担保することができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記掲示期間は、前記確認コードの登録に応じて更新される複数の期間を有し、
前記掲示結果登録手段において正当に掲示が行われていないと判断された場合、正当に掲示がなされていた期間及び正当に掲示がなされていなかった期間に応じて、掲示の対価を算出する対価算出手段を備えることを特徴とする。
このような構成とすることで、掲示期間中に掲示物が破損した場合等、広告の価値を果たしていないと認められる場合に、ユーザに支払われる対価の減額等を行うことができる。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記確認コード送付手段は、前記確認コードを印刷可能なフォーマットでユーザに送付することを特徴とする。
このような構成とすることで、ユーザは、確認コードを印刷するのみで準備することができ、容易に画像の撮影、登録を行うことができる。また、人手により掲示の正当性を判断する際に、画像に映り込む確認コードの鮮明度を一定程度担保することができ、作業負担を軽減することができる。また、画像認識によって機械的に掲示の正当性を判断する際には、読取りの精度を高めることができる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記掲示器具は、前記確認コードを入力する為のコード入力部を備えることを特徴とする。
このような構成とすることで、撮影された画像中に一定品質でコードを表示させることができ、掲示の正当性を判断する際の作業を容易にすることができる。
【0018】
本発明の好ましい形態では、前記掲示結果登録手段は、前記画像情報を画像解析し、画像に含まれたコードを用いて掲示の正当性の判断を行う処理と、
判断結果を登録する処理と、を含むことを特徴とする。
このような構成とすることで、画像認識によって機械的に掲示の正当性を判断することができる。
【0019】
本発明の好ましい形態では、前記掲示結果登録手段は、前記画像情報を用いて、掲示物の掲示を依頼した依頼者に掲示の正当性の確認依頼を行う処理と、
前記依頼者からの確認結果を受け付ける処理と、を含むことを特徴とする。
このような構成とすることで、人手により掲示の正当性を判断することができる。
【0020】
本発明の好ましい形態では、前記掲示器具情報は、掲示器具コードに紐づけられ、
前記画像情報は、前記掲示器具及び掲示物、確認コード、掲示器具コードを撮影した画像を含むことを特徴とする。
このような構成とすることで、掲示物が張り付けられた掲示器具を特定することができ、掲示の正当性の判断に活用することができる。
【0021】
本発明の好ましい形態では、前記画像情報は、掲示器具の全体を撮影した画像及び掲示物の少なくとも一部並びに確認コードが含まれた画像を含むことを特徴とする。
このような構成とすることで、複数の画像を用いて掲示の正当性の判断精度を高めることができる。
【0022】
本発明の好ましい形態では、前記掲示物は、掲示物コードを備え、
前記掲示物の少なくとも一部並びに確認コードが含まれた画像には、前記掲示物コードが含まれることを特徴とする。
このような構成とすることで、掲示器具に張り付けられた掲示物を特定することができ、掲示の正当性の判断に活用することができる。
【0023】
本発明は、掲示器具に掲示された掲示物の管理を行う為の掲示物管理方法であって、
掲示物の掲示場所に関する掲示器具情報を登録するステップと、
登録された掲示器具に掲示する掲示物の掲示物情報を登録するステップと、
前記掲示器具情報及び掲示物情報に基づいて、掲示器具及び当該掲示器具に掲示する掲示物、掲示期間が紐づいた掲示情報を登録するステップと、
掲示物の掲示を行うユーザに対して、確認コードを送付する為のステップと、
掲示の正当性の判断を行う為に、ユーザによって撮影され、前記掲示器具及び掲示物、確認コードが撮影された画像を含む画像情報を受け付けるステップと、
前記画像情報を用いて、前記掲示期間内に、前記掲示物が正当に掲示されていたか否かの判定を行う為のステップと、を掲示物管理サーバのプロセッサが実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、掲示物が正当に掲示器具に掲示されたことを担保し、掲示器具を介して広告を提供するための掲示物管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態1に関る掲示物管理システムの概要を示す図である。
図2】本発明の実施形態1に係る掲示物管理サーバのハードウェア構成図である。
図3】本発明の実施形態1に関る掲示物管理サーバの機能ブロック図である。
図4】本発明の実施形態1に関る記憶部に記憶された情報の一例を示す図である。
図5】本発明の実施形態1に関る広告主が入札を行う際の入札画面の画面表示例である。
図6】本発明の実施形態1に関る掲示物を掲示した掲示器具の一例を示す図である。
図7】本発明の実施形態1に関る画像データの一例を示す図である。
図8】本発明の実施形態1に関る確認コードの配布と判断の流れを示す図である。
図9】本発明の実施形態1に関る掲示物の掲示の流れを示す図である。
図10】本発明の実施形態2に関る掲示物を掲示した掲示器具の一例を示す図である。
図11】本発明の実施形態2に関る掲示物を掲示した別の掲示器具の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<実施形態1>
以下、図面を用いて、本発明に関る掲示物管理システムについて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。
【0027】
例えば、本実施形態では掲示物管理システムの構成、動作などについて説明するが、同様の構成の方法、装置、コンピュータプログラム、記録媒体なども、同様の作用効果を奏することができる。また、プログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。この記録媒体を用いれば、例えばコンピュータに前記プログラムをインストールすることができる。ここで、前記プログラムを記憶した記録媒体は、例えばCD−ROM等の非一過性の記録媒体であっても良い。
【0028】
本実施形態における掲示物管理システムは、掲示板に掲示された掲示物の管理を行う為のシステムである。集合住宅に設置された掲示板の管理者(ユーザ)は、掲示物管理システムを利用して、掲示する掲示物を広告主より募り、掲示物を掲示することで、広告主から報酬を受け取ることができる。
【0029】
ここで、掲示物は、定期的あるいは不定期にマンション(集合住宅)の管理組合などから居住者に向けて掲示される掲示物(お知らせ)に、広告を付したもの等、広告以外の目的を兼ねた印刷物であっても構わない。
【0030】
また、本実施形態では、マンション等の集合住宅に設置された掲示板(掲示器具)へ掲示する掲示物の管理を行う場合について説明するが、本発明は、集合住宅に設置された掲示板に対する管理に限らず、商業施設や公共施設、街頭等に設置された掲示器具を管理する場合等に利用することも可能である。
【0031】
掲示器具は、施設にある既存の掲示器具であってもよいし、本システムを利用するにあたり、所定の場所に新たに設けられた掲示器具等であってもよい。例えば、商業施設においては、トイレの個室やエレベータ内等に掲示器具を設けることで、本システムを好適に利用することができる。
【0032】
また、掲示器具の種類やその設置場所には特に制限はなく、掲示物管理システムを利用して、掲示する掲示物を広告主より募り、掲示物を掲示することで、広告主から報酬を受け取ることができる。掲示器具とは、掲示板や掲示パネル等、ポスターやチラシなどの掲示物の掲示を行う為の器具である。掲示器具は、鋲やシール、テープ、挟み込む等して掲示物を保持する機構等によって、掲示物を掲示する。
【0033】
図1は、本発明の実施形態に関る掲示物管理システムの概要を示す図である。掲示物管理システム1は、掲示物管理サーバ2と、集合住宅の管理組合等、本システムの主たる利用者である掲示板の管理者(ユーザ)が利用するユーザ端末8(81〜8m)と、掲示物の掲載を依頼する広告主が利用する広告主端末9(91〜9n)と、を備えており、これらはネットワークNを介して通信可能に構成されている。
【0034】
図2は、掲示物管理サーバ2のハードウェア構成を示す図である。掲示物管理サーバ2は、演算装置(CPU201)と、主記憶装置(RAM202)と、HDDやSSD、フラッシュメモリなどの補助記憶装置(記録部203)と、外部の装置とネットワークを介して通信を行うためのインタフェースである通信部204と、入力部205と、出力部206と、を備えている。また、記録部203は、オペレーティングシステム207と、オペレーティングシステム207と協調してその機能を発揮する掲示物管理プログラム208等が記録されている。
【0035】
ユーザ端末8は、CPU等の演算装置、RAM等の主記憶装置、HDDやSSD、フラッシュメモリ等の補助記憶装置、ネットワークNへの接続手段を含む各種の入出力装置等を備えた、汎用的なコンピュータ装置を用いることができる。ここで、ユーザ端末8は、掲示物管理システム1を利用する為のアプリケーションや掲示物管理用のウェブページを利用する為のウェブブラウザと、画像を撮像する為のカメラと、を備えている。
【0036】
広告主端末9は、CPU等の演算装置、RAM等の主記憶装置、HDDやSSD、フラッシュメモリ等の補助記憶装置、ネットワークNへの接続手段を含む各種の入出力装置等を備えた、汎用的なコンピュータ装置を用いることができる。ここで、広告主端末9は掲示物管理システム1を利用する為のアプリケーションや、掲示物管理用のウェブページを利用する為のウェブブラウザを備えている。
【0037】
図3は、本発明の実施形態に係る掲示物管理サーバ2の機能ブロック構成の一例を示す図である。掲示物管理サーバ2は、記憶部3と、登録手段4と、募集手段5と、結果登録手段6、支払手段7と、を備えている。
【0038】
本実施形態では、記憶部3と、登録手段4と、募集手段5と、結果登録手段6、支払手段7と、がすべてサーバ装置(掲示物管理サーバ2)に備えられている。これらの機能の少なくとも一部は、1以上のサーバ装置に備えられていてもよい。
【0039】
記憶部3は、ユーザ情報記憶部31と、掲示場所記憶部32と、掲示物情報記憶部33と、掲示情報記憶部34と、画像情報記憶部35と、対価記憶部36と、を備えている。図4は、記憶部3に記憶された情報の一例示す図である。
【0040】
図4(a)に示すように、ユーザ情報記憶部31は、本システムを利用するユーザに関する情報を有している。本例では、ユーザ番号と、ユーザ名と、管理者や広告主といったユーザ属性と、ユーザが掲示に対する報酬の支払・受取を行う為の支払情報(例えば口座番号やクレジットカード番号等)と、住所と、メールアドレスと、を有している。
【0041】
図4(b)に示すように、掲示場所記憶部32は、掲示物の掲示場所に関する情報を有している。本例では、掲示板番号(掲示器具番号)と、当該掲示板を管理する管理者などが登録したユーザ番号と、掲示板コード(掲示器具コード)と、掲示板の設置場所等を示す掲示板(掲示器具)の属性と、掲示板が設置された施設の住所と、その総戸数や居住者の属性を示す居住者属性等、広告を閲覧する閲覧者に関する情報を有している。居住者属性とは、例えば、居住者の平均年齢層や、居住者の平均的な家族構成等である。なお、広告を閲覧する閲覧者に関する情報は、広告掲載を希望する広告主が、広告の掲載の依頼に当って、判断材料とするための情報である。
【0042】
別の実施形態として、商業施設や医療施設等での利用を考えた場合、広告を閲覧する閲覧者に関する情報として、客層や平均来客者数等の情報を、広告主に提示することが考えられる。地域の街頭に設置された掲示器具での掲示を考えた場合、例えば、その地域の居住者数や居住者の年齢層の情報が、広告を閲覧する閲覧者に関する情報に相当する。
【0043】
図4(c)に示すように、掲示物情報記憶部33は、登録された掲示物に関する情報を有している。本例では、掲示物番号と、当該掲示物を登録した広告主が登録したユーザ番号と、掲示物に記載された広告の種類を示す広告属性と、掲示物の画像データと、掲示物コードと、を有している。
【0044】
図4(d)に示すように、掲示情報記憶部34は、登録された掲示に関する情報を有している。本例では、掲示番号と、掲示物を掲示する掲示板番号と、掲示する掲示物番号と、確認コードと、掲示期間と、正当に掲示がなされていたか否かの判定結果と、を有している。
【0045】
画像情報記憶部35は、掲示物が、掲示物の掲示を行ったユーザにより登録され、正当に掲示がなされていたか否かの判定を行う為の画像データを記憶している。本例では、画像情報記憶部35は、画像番号と、証明の対象となる掲示を示す掲示番号と、画像データと、を有している。
【0046】
対価記憶部36は、掲示の対価に関する情報を記憶している。本例では、対価記憶部36は、掲示番号と、掲示期間と、報酬の金額情報と、を有している。
【0047】
登録手段4は、ユーザ情報登録手段41と、掲示板情報登録手段42(掲示器具情報登録手段)と、掲示物情報登録手段43と、を備えている。
【0048】
ユーザ情報登録手段41は、ユーザ端末8、広告主端末9からユーザ情報の登録を受け付ける。ユーザは、ユーザ端末8、広告主端末9を用いて、掲示物管理用のウェブページ等からユーザ情報を入力し、入力されたユーザ情報は、ユーザ情報記憶部31に登録される。
【0049】
掲示板情報登録手段42は、ユーザ端末8から、掲示物を掲示する掲示板情報(掲示器具情報)の登録を受け付ける。管理者は、ユーザ端末8を用いて、掲示物管理用のウェブページ等から掲示物の募集を行う為の掲示物情報を入力し、入力された掲示板情報は、掲示場所記憶部32に登録される。なお、本例では、掲示板情報として、掲示板の所在(集合住宅)に係る情報を登録しているが、所在に関する情報が別途設けられていてもよい。
【0050】
掲示物情報登録手段43は、広告主端末9から掲示物情報の登録を受け付ける。広告主は、広告主端末9を用いて、掲示物管理用のウェブページ等から掲示物に関する掲示物情報を入力し、入力された掲示物情報は、掲示物情報記憶部33に記憶される。
【0051】
募集手段5は、掲示物募集手段51と、入札手段52と、掲示物決定手段53と、を備えている。本実施形態における募集手段5は、配布物への掲載広告のオークション形式で受け付ける。掲載する広告は必ずしもオークション形式で決定される必要はない。
【0052】
掲示物募集手段51は、掲示板に掲示する掲示物を、オークション形式で決定する為の情報を入力する。本例では、管理者は、ユーザ端末8を介して、広告費用の入札開始金額や入札の開始時刻・終了時刻、入札可能な広告の分類、掲示期間、等を登録する。掲示期間は、予め設定されていてもよいし、広告主側から設定するようにしても構わない。掲示期間中の画像情報の登録頻度についても、設定可能であってもよい。
【0053】
入札手段52は、掲示物募集手段51において登録された募集条件に基づいて、掲示板への掲示物の掲示を希望する広告主からの入札を受け付ける。図5は、広告主が、広告主端末9を用いて入札を行う際の画面の一例を示す図である。
【0054】
画面Wには、入札期間や現在価格など、入札に関する情報が表示された情報表示領域W1と、掲示場所に関する情報を表示した掲示場所情報表示領域W2と、入札を行う為の入札領域W3と、が設けられている。
【0055】
情報表示領域W1には、入札可能な期間や入札を行った人数、現在の最高値、等が表示されている。掲示場所情報表示領域W2には、掲示物の掲示場所(集合住宅、掲示板)の情報が表示されている。図示例では、掲示物の掲示期間、掲示する集合住宅の世帯数、居住者の年齢層(図示例における主要年齢層)、立地(図示例における場所)、入札可能な広告の分類(図示例における入札可能広告分類)など、管理者(ユーザ)がユーザ情報の登録時に登録した情報や、掲示物募集手段51で入力した情報に基づいて、入札を行う為の情報が表示されている。
【0056】
入札領域W3は、入札を行う広告主が、入札に関する情報を登録する箇所である。図示例では、入札金額や掲示を希望する掲示物の掲示物番号を登録する。
【0057】
掲示物決定手段53は、掲示板に掲示する掲示物を決定する。本実施形態では、入札手段52に基づく入札結果に基づいて、掲示板に掲示する掲示物と、その掲示期間が決定する。本実施形態では、入札金額として、最高値を入札した広告主が、掲示物を掲示する権利を得る。掲示物の掲示が決定すると、掲示情報記憶部34に掲示情報が登録される。
【0058】
結果登録手段6は、確認コード送付手段61と、画像情報登録手段62と、掲示結果登録手段63(判断手段64)と、を備えている。支払手段7は、広告費支払手段71と、対価支払手段72と、対価算出手段73と、を備えている。
【0059】
本実施形態では、掲示権を落札した広告主は、広告費支払手段71を用いて、掲示物管理サーバ2側に対して広告費の支払いを行う。本例では、掲示期間の満了後、対価支払手段72により、ユーザに対して掲示の対価の支払いが行われる。
【0060】
また、掲示結果登録手段63において正当に掲示が行われていないと判断された場合、対価算出手段73を用いて、正当に掲示がなされていた期間及び正当に掲示がなされていなかった期間に応じて、掲示の対価を算出する。この算出された対価に応じて、広告主への返金や、ユーザへ支払う対価の変更等を行う。なお、正当に掲示がなされていなかったと判断された場合、直ちに対価が減額される必要はなく、掲示物を再送して、新たに掲示期間を更新する等の対応が可能であってもよい。
【0061】
本実施形態では、掲示物は、掲示物の印刷物を広告主からユーザへ直接送付することで受け渡される。掲示物の印刷データ又は印刷物は、広告主からユーザに対して直接送付されてもよいし、広告主から掲示物管理サーバ2側を介して間接的に送付されてもよい。
【0062】
確認コード送付手段61は、掲示物の掲示を行う管理者のユーザ端末8に対して、確認コードを送付する。確認コードは、正当に掲示が行われていたことを証明する為に利用されるコードである。確認コードを受け取ったユーザは、確認コードを掲示物と共に撮影し、その画像を正当に掲示が行われていたことを証明する画像情報として、登録する。
【0063】
本例では、確認コード、掲示板コードは文字列であるが、マーカーや画像、1次元コード、2次元コードなどであってもよい。本例では、掲示物コードは一次元コードであるが、マーカーや画像、文字列、2次元コード、などであってもよい。また、確認コードは、コードの種別を判断するマーカーや画像、他のコード、画像解析を行う際の位置決め用のマーカーや画像、他のコード等、判断に用いられる文字列やコード以外の要素を備えていて構わない。
【0064】
確認コード送付手段61においてユーザに送付される確認コードは、例えば、Jpeg(Joint Photographic Experts Group)やpdf(Portable Document Format)等、印刷可能なフォーマットでユーザに対して送付されるのが好ましい。例えば、画像フォーマットで登録された確認コードは、ユーザ情報として登録されたメールアドレスに添付ファイルとして送付されたり、掲示物管理用のアプリケーションやウェブサイトで提供されるファイラ機能等により送付される。
【0065】
ユーザは、受け取った確認コードを印刷して、画像撮影時に使用する。確認コードは必ずしも印刷して使用されなくてもよく、メールにてテキストとして提供され、メールを受け取ったユーザが紙等に複写して使用されてもよい。別の方法では、確認コードが紙面などに印刷された状態で、郵送によってユーザに提供されてもよい。
【0066】
掲示結果登録手段63は、掲示物が正当に掲示されていたか否かの判定結果を登録する手段である。本実施形態では、判断手段64を用いて、画像情報登録手段62を介して登録された画像情報(画像)を画像解析して、確認コードの有無や掲示物への破損の有無等を確認して掲示の正当性を判断し、判断結果を登録している。掲示結果登録手段63は、例えば、判断手段64による画像解析での判断手法に替え、又は加え、画像情報登録手段62を介して登録された画像情報(画像)を広告主端末9に送り、広告主に判断を行わせ、広告主端末9からの判定結果の入力を受け付け、この判断結果を踏まえて掲示の正当性の判断を行う構成としても構わない。
【0067】
画像情報登録手段62は、掲示物の掲示を証明する為にユーザが撮影した画像情報の登録を受け付ける。また、例えば証明対象となった掲示を指定する情報(掲示番号等)等、必要に応じて、画像以外の情報も受け付け、画像情報として登録する。登録された画像情報は、画像情報記憶部35に記憶される。
【0068】
図6は、掲示物を掲示した掲示板の一例を示す図である。掲示板B1には、その他の掲示物Pnと、広告主より受け取った掲示物Pと、確認コードACと、が張り付けられている。掲示板B1には、画像から掲示板を識別するための掲示板コードBCが設けられている。掲示板コードBCは、例えば、シール等の接続手段を介して、掲示板の縁に設けられる。また、掲示物Pには、掲示物コードPCが設けられている。
【0069】
図7は登録する画像データの一例を示す図である。図7(a)は、掲示板B1の全体を撮影した画像I1を示す図である。また、図7(b)は、掲示物Pの一部と、確認コードACの部分を撮影した画像I2を示す図である。本実施形態では、ユーザは、画像情報登録手段62を介して、2点の画像を登録する。画像は、1の判断に際して、本例のように複数登録する構成を採用してもよいし、1点のみ登録される構成を採用してもよい。画像は、ユーザ端末8カメラを用いて撮影されてもよいし、デジタルカメラ等、他の装置で撮影した画像を登録してもよい。
【0070】
判断手段64は、画像情報登録手段62によって登録された画像情報に基づいて、掲示物が正当に掲示されているか否を登録する。本実施形態では、判断手段64は、登録された画像データを画像解析し、画像に含まれた確認コードAC、掲示板コードBC、掲示物コードPCの組み合わせが正しいか否かを、掲示の正当性の判断に用いる。なお、掲示板コードBC、掲示物コードPCは、必ずしも使用される必要はない。また、画像に含まれたメタ情報を判断に利用してもよい。
【0071】
また、掲示物に破れや汚れがある場合等、掲示の正当性が疑われる場合、必要に応じて広告主端末9に画像を送付するなどして、広告主に対して登録された画像を確認させ、有効性の判断の登録を受けるようにしてもよい。
【0072】
図8を用いて、確認コードの配布と判断の流れについて説明する。掲示期間内に、確認コードを送付する処理及び画像情報を受け付ける処理を複数回行い、掲示結果登録手段63は、各回で受け付けた画像情報を用いて、判断を行う。本例では、掲示期間は、確認コードの登録に応じて更新される複数の期間を有し、1週間ずつ確認コードの発行と判断を行い、合計3週間にわたって掲示物を掲示する場合について例示する。
【0073】
まず、1週間目、掲示物管理サーバ2から掲示物Pがユーザに送付され、1回目の確認コードACの画像フォーマットがユーザ端末8に送信される(確認コード送付手段61)。ユーザは、1回目の確認コードACを印刷して掲示物Pと共に掲示板に貼り付け、その様子を撮影して画像化し、掲示物管理サーバ2に送る(画像情報登録手段62)。掲示物管理サーバ2は、受け取った画像データを画像解析し、正当に掲示されているか判断する(判断手段64)。
【0074】
2週間目、掲示物管理サーバ2から2回目の確認コードACの画像フォーマットがユーザ端末8に送信される(確認コード送付手段61)。ユーザは、2回目の確認コードACを印刷して掲示物Pと共に掲示板に貼り付け、その様子を撮影して画像化し、掲示物管理サーバ2に送る(画像情報登録手段62)。掲示物管理サーバ2は、受け取った画像データを画像解析し、正当に掲示されているか判断する(判断手段64)。
【0075】
3週間目、掲示物管理サーバ2から3回目の確認コードACの画像フォーマットがユーザ端末8に送信される(確認コード送付手段61)。ユーザは、3回目の確認コードACを印刷して掲示物Pと共に掲示板に貼り付け、その様子を撮影して画像化し、掲示物管理サーバ2に送る(画像情報登録手段62)。掲示物管理サーバ2は、受け取った画像データを画像解析し、正当に掲示されているか判断する(判断手段64)。
【0076】
3週目の期間満了後(4週間目)、掲示物管理サーバ2から4回目の確認コードACの画像フォーマットがユーザ端末8に送信される(確認コード送付手段61)。ユーザは、4回目の確認コードACを印刷して掲示物Pと共に掲示板に貼り付け、その様子を撮影して画像化し、掲示物管理サーバ2に送る(画像情報登録手段62)。掲示物管理サーバ2は、受け取った画像データを画像解析し、正当に掲示されているか判断する(判断手段64)。すべての期間(本例における3週目までの期間)の判断がなされ、正当に掲示が行われていたと判断された場合、掲示物管理サーバ2は、承認完了の通知を広告主端末9に送付し、ユーザへの対価の支払いと、ユーザ端末8への掲示物の破棄の許可を出す。
【0077】
ここで、判断の結果、正当に掲示がなされていないと判断された場合、広告主に対してその旨を通知する。そして、対価算出手段73は、これまでの掲示の期間に応じて、掲示の対価を算出する。例えば、3週間目に3回目の確認コードが含まれた画像において、掲示物が正当に掲示されていないと判断された場合、それまで正当に掲示されていたであろう期間(例えば、2週目の撮影の時点)をもって、対価を返金、減額等する。
【0078】
図9を用いて、本実施形態における掲示物の掲示の流れについて説明する。ステップS1において、掲示板へ掲示する掲示物を募集するユーザは、ユーザ端末8を用いて掲示板情報を登録する。ステップS2では、ユーザは、掲示物募集手段51を用いて、入札ページを公開して広告主の募集を行い、自身の管理する掲示板への掲示物を募集する。掲示物の募集を行う為の入札ページ(画面W)が生成され、広告主端末9から閲覧可能となる。
【0079】
ステップS3では、入札ページ(画面W)を閲覧した広告主は、予め掲示物情報登録手段43で登録しておいた自身の掲示物を当該掲示板に掲示する為、入札手段52を用いて入札する。入札期間が終了すると(ステップS4でYes)、掲示物決定手段53によって掲示板に掲示される掲示物(掲示権を落札した広告主)が決定される。
【0080】
広告主には、落札した旨の通知が行われ、広告費の支払要求がなされる。ステップS9において、支払い要求を受け、広告主は、広告費の支払いを行う。また、掲示物を、当該掲示物の掲示を行うユーザに対して送付する。
【0081】
ユーザは、受け取った掲示物を掲示板に掲示する。また、ステップS6において、掲示物管理サーバ2よりユーザ端末8に対して、確認コードが送付される。ユーザは、掲示物管理サーバ2より受け取った確認コードを印刷して、掲示物を掲示した掲示板に、併せて掲示する。
【0082】
ステップS7において、ユーザは、画像情報登録手段62を介して、確認コードが撮影された画像を掲示物管理サーバ2に登録し、掲示結果登録手段63による掲示結果の登録を受ける。掲示結果登録手段63によってコードの読取りができないと場合(ステップS8でYes)、ステップS9において、画像情報の再登録要求を行い、ステップS7に戻る。掲示結果登録手段63によってコードの読取りができたなら(ステップS8でNo)、ステップS10に進む。なお、ユーザは、画像情報が登録出来たならば、掲示板に貼り付けた確認コードを破棄して構わない。
【0083】
掲示結果登録手段63において正当に掲示されていると判断された場合(ステップS10でNo)、期間中に正当に掲示されていたことを承認し(ステップS11)、ステップS12に進む。呈示期間が満了していない場合は、ステップS6に戻って新たな確認コードを発行する。掲示期間が満了したなら、ステップS14において、対価支払手段72は、掲示物を掲示したユーザに対して、対価をユーザに支払う。
【0084】
掲示結果登録手段63において正当に掲示されていないと判断された場合(ステップS10でYes)、ステップS13において、対価算出手段73を用いて広告主への返金額を算出する。そして、ステップS14において、対価支払手段72は、掲示物を掲示したユーザに対して、残りの対価をユーザに支払う。
【0085】
<実施形態2>
以下、図面を用いて、本発明の実施形態2に関る掲示物管理システム1について説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同様の符号を付してその説明を省略する。
【0086】
本実施形態では、確認コード送付手段61は、ユーザ情報として登録されたメールアドレスに対して、テキストとして確認コードを提供する。なお、確認コードは、テキスト以外に、画像、動画像、機械音声などの形で提供されても構わない。例えば、掲示物管理システム1は、ユーザの電話番号に発信し、自動音声によって確認コードを伝える処理を行ってもよい。
【0087】
図10は、掲示物を掲示した掲示板の一例を示す図である。掲示板B2は、掲示板本体(掲示器具本体)と一体に構成された確認コード入力部C1を備える。確認コード入力部C1は、ユーザの操作に応じて表示する文字列を変化させ、確認コードACを表示させことができる。本実施形態では、ダイヤルDを操作することで確認コード入力部C1に現れる文字が変化し、確認コードACを表示させる。確認コード入力部C1に現れる文字を変化させる方法は、ダイヤル式に限らず、スイッチ等任意の方法を採用することができる。また、確認コード入力部C1における文字の表示方法は、アナログ式、デジタル式、何れでも構わない。
【0088】
ユーザは、確認コード入力部C1を介してメールで通知された確認コードを入力し、撮影した画像を画像情報として掲示物管理サーバ2に登録する。
【0089】
図11(a)は、掲示物を掲示した掲示板の別の一例を示す図である。図11(b)は、確認コード入力部C2の一例を示す図である。掲示板B3は、掲示板本体と分離可能に形成された確認コード入力部Cを備える。
【0090】
確認コード入力部C2は、貼付部や針部等、接続手段を介して掲示板に装着される。確認コード入力部C2は、確認コードACを表示させる。本実施形態では、ダイヤルDを操作することで確認コード入力部C2に現れる文字が変化し、確認コードACを表示させる。確認コード入力部Cに現れる文字を変化させる方法は、ダイヤル式に限らず、スイッチ等任意の方法を採用することができる。また、確認コード入力部Cにおける文字の表示方法は、アナログ式、デジタル式、何れでも構わない。
【0091】
ユーザは、確認コード入力部C2を介してメールで通知された確認コードを入力し、撮影した画像を画像情報として掲示物管理サーバ2に登録する。
【0092】
本発明によれば、確認コードをユーザに付与して画像の撮影を行わせることで、他所の画像等を流用した不正な画像の登録を防止し、現実に掲示器具に掲示された掲示物の撮影を促すことが可能となり、掲示物が正当に掲示されることを一定程度担保することができる。
【0093】
また、掲示期間中、ユーザに複数回画像情報の登録を行わせることができ、掲示物が正当に掲示されることを一定程度担保することができる。その際、過去に登録した画像の流用を防ぎ、現実に掲示器具に掲示された掲示物の撮影を経時的に促すことが可能となるため、掲示物が正当に掲示されることを一定程度担保することができる。
【0094】
また、掲示期間中に掲示物が破損した場合等、広告の価値を果たしていないと認められる場合に、ユーザに支払われる対価の減額等を行うことができる。
【0095】
ユーザは、確認コードを印刷するのみで準備することができ、容易に画像の撮影、登録を行うことができる。また、人手により掲示の正当性を判断する際に、画像に映り込む確認コードの鮮明度を一定程度担保することができ、作業負担を軽減することができる。また、画像認識によって機械的に掲示の正当性を判断する際には、読取りの精度を高めることができる。
【0096】
また、掲示板コード(掲示器具コード)や掲示物コードを利用することで、掲示物が張り付けられた掲示器具や張り付けられた掲示物自体を特定することができ、掲示の正当性の判断に活用することができる。
【符号の説明】
【0097】
1 掲示物管理システム
2 掲示物管理サーバ
201 CPU
202 RAM
203 記録部
204 通信部
205 入力部
206 出力部
207 OS
208 掲示物管理プログラム
3 記憶部
31 ユーザ情報記憶部
32 掲示場所記憶部
33 掲示物情報記憶部
34 掲示情報記憶部
35 画像情報記憶部
36 対価記憶部
4 登録手段
41 ユーザ情報登録手段
42 掲示板情報登録手段
43 掲示物情報登録手段
5 募集手段
51 掲示物募集手段
52 入札手段
53 掲示物決定手段
6 結果登録手段
61 確認コード送付手段
62 画像情報登録手段
63 掲示結果登録手段
64 判断手段
7 支払手段
71 広告費支払手段
72 対価支払手段
73 対価算出手段
8 ユーザ端末
9 広告主端末
N ネットワーク
W 画面
W1 情報表示領域
W2 掲示場所情報表示領域
W3 入札領域
B1、B2、B3 掲示板
BC 掲示板コード
P 掲示物
PC 掲示物コード
Pn その他の掲示物
AC 確認コード
C1、C2 確認コード入力部
D ダイヤル
【要約】
【課題】掲示物が正当に掲示器具に掲示されたことを担保し、掲示器具を介して広告を提供するための掲示物管理システムを提供することを課題とする。
【解決手段】掲示器具に掲示された掲示物の管理を行う為の掲示物管理システムであって、掲示物の掲示場所に関する掲示器具情報を登録する掲示器具情報登録手段と、前記掲示器具情報登録手段で登録された掲示器具に掲示する掲示物の掲示物情報を登録する掲示物情報登録手段と、前記掲示器具情報及び掲示物情報に基づいて、掲示器具及び当該掲示器具に掲示する掲示物、掲示期間が紐づいた掲示情報を登録する掲示情報登録手段と、掲示物の掲示を行うユーザに対して、確認コードの送付する為の確認コード送付手段と、掲示の正当性の判断を行う為に、ユーザによって撮影され、前記掲示器具及び掲示物、確認コードが撮影された画像を含む画像情報を受け付ける画像情報登録手段と、前記画像情報を用いて、前記掲示期間内に、前記掲示物が正当に掲示されていたか否かの判定を行う為の掲示結果登録手段と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11