特許第6243589号(P6243589)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フクダ電子株式会社の特許一覧
特許6243589生体情報測定機器および生体情報測定システム
<>
  • 特許6243589-生体情報測定機器および生体情報測定システム 図000008
  • 特許6243589-生体情報測定機器および生体情報測定システム 図000009
  • 特許6243589-生体情報測定機器および生体情報測定システム 図000010
  • 特許6243589-生体情報測定機器および生体情報測定システム 図000011
  • 特許6243589-生体情報測定機器および生体情報測定システム 図000012
  • 特許6243589-生体情報測定機器および生体情報測定システム 図000013
  • 特許6243589-生体情報測定機器および生体情報測定システム 図000014
  • 特許6243589-生体情報測定機器および生体情報測定システム 図000015
  • 特許6243589-生体情報測定機器および生体情報測定システム 図000016
  • 特許6243589-生体情報測定機器および生体情報測定システム 図000017
  • 特許6243589-生体情報測定機器および生体情報測定システム 図000018
  • 特許6243589-生体情報測定機器および生体情報測定システム 図000019
  • 特許6243589-生体情報測定機器および生体情報測定システム 図000020
  • 特許6243589-生体情報測定機器および生体情報測定システム 図000021
  • 特許6243589-生体情報測定機器および生体情報測定システム 図000022
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243589
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】生体情報測定機器および生体情報測定システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/24 20120101AFI20171127BHJP
【FI】
   G06Q50/24
【請求項の数】3
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2011-288723(P2011-288723)
(22)【出願日】2011年12月28日
(65)【公開番号】特開2013-137676(P2013-137676A)
(43)【公開日】2013年7月11日
【審査請求日】2014年9月17日
【審判番号】不服-8938(P-8938/J1)
【審判請求日】2016年6月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000112602
【氏名又は名称】フクダ電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105050
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲田 公一
(72)【発明者】
【氏名】井上 智紀
(72)【発明者】
【氏名】三輪 芳久
(72)【発明者】
【氏名】岡田 歩
(72)【発明者】
【氏名】井上 真希
(72)【発明者】
【氏名】森 勝弘
【合議体】
【審判長】 佐藤 智康
【審判官】 金子 幸一
【審判官】 宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−213321(JP,A)
【文献】 特開2009−32145(JP,A)
【文献】 特開2004−200889(JP,A)
【文献】 特開2001−291045(JP,A)
【文献】 特開2001−357150(JP,A)
【文献】 特開2011−136105(JP,A)
【文献】 特開2008−134871(JP,A)
【文献】 特開2006−260305(JP,A)
【文献】 特開2007−114959(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q50/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者から少なくとも1種類以上の生体情報を取得する生体情報測定機器であって、
本体と、
患者から生体情報を取得して入力する生体情報取得部と、
上記入力された生体情報を表示する表示部と、
上記表示部に表示された上記生体情報を確定する入力を行うための操作部と、
ネットワークを介して上記本体の外部と通信する通信部と、
この生体情報測定機器が病院内で各患者を巡回する医療従事者によって持ち運ばれて各患者を巡回して使用されるための巡回モードを実行する巡回モード制御部とを備え、
上記巡回モード制御部は、
上記医療従事者を特定するための医療従事者IDを取り込んで認証する医療従事者ID認証部を含み、上記医療従事者ID認証部によって上記医療従事者IDが認証された時、過去に取得した生体情報と患者IDを初期化し、
上記医療従事者IDが認証された後、患者を特定するための患者IDを取り込んで認証する患者ID認証部を含み、上記患者ID認証部によって上記患者IDが認証された時、過去に取得した生体情報を初期化し、
上記患者IDが認証された後、上記生体情報取得部に上記患者から上記生体情報を取得して入力させるとともに、上記表示部に上記入力された生体情報の表示およびその表示された生体情報が妥当であるか否かの確認を促す表示をする制御を行う測定表示制御部と、
上記表示部に表示された上記生体情報が上記操作部に対する入力によって確定されたとき、上記生体情報とこの生体情報が確定されたことを表す確定情報と上記患者IDとを対応付けて通信データとして、上記通信部によって上記本体の外部へ送信する制御を行う送信制御部とを含むことを特徴とする生体情報測定機器。
【請求項2】
患者から少なくとも1種類以上の生体情報を取得する生体情報測定機器であって、
本体と、
患者から生体情報を取得して入力する生体情報取得部と、
上記入力された生体情報を表示する表示部と、
上記表示部に表示された上記生体情報を確定する入力を行うための操作部と、
ネットワークを介して上記本体の外部と通信する通信部と、
この生体情報測定機器が病院内で各患者を巡回する医療従事者によって持ち運ばれて各患者を巡回して使用されるための巡回モードを実行する巡回モード制御部とを備え、
上記巡回モード制御部は、
上記医療従事者を特定するための医療従事者IDを取り込んで認証する医療従事者ID認証部と、
上記医療従事者IDが認証された後、患者を特定するための患者IDを取り込んで認証する患者ID認証部と、
上記患者IDが認証された後、上記生体情報取得部に上記患者から上記生体情報を取得して入力させるとともに、上記表示部に上記入力された生体情報の表示およびその表示された生体情報が妥当であるか否かの確認を促す表示をする制御を行う測定表示制御部と、
上記表示部に表示された上記生体情報が上記操作部に対する入力によって確定されたとき、上記生体情報とこの生体情報が確定されたことを表す確定情報と上記患者IDとを対応付けて通信データとして、上記通信部によって上記本体の外部へ送信する制御を行う送信制御部とを含み、
上記巡回モード制御部は、上記表示部に表示された上記生体情報が上記操作部に対する入力によって確定されたとき、上記送信制御部による上記通信データの送信の後、上記医療従事者ID認証部によって上記医療従事者IDが認証された後の上記患者ID認証部による患者IDの認証を再び行うように制御を戻す一方、上記表示部に表示された上記生体情報が上記操作部に対する入力によって確定されないとき、過去に取得した生体情報と患者IDを初期化することを特徴とする生体情報測定機器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の生体情報測定機器において、
医療従事者、患者からそれぞれ医療従事者ID、患者IDを読み取るためのID読取部を、上記本体と一体に又は上記本体に対して着脱可能に備えたことを特徴とする生体情報測定機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は生体情報測定機器に関し、より詳しくは、患者から少なくとも1種類以上の生体情報を取得し、取得した生体情報をネットワークを介して送信する生体情報測定機器に関する。
【0002】
また、この発明は、そのような生体情報測定機器と、上記生体情報測定機器からの通信データを中継する中継サーバと、患者を特定するための患者ID(識別番号)と上記患者の生体情報とを対応付けて電子カルテ情報として記録する病院情報サーバとを備えた生体情報測定システムに関する。
【背景技術】
【0003】
近年、医療機関では患者の容態や治療過程を記録するカルテの電子化が進んでいる。電子カルテを導入している医療機関が増加する中、血圧や体温、SpO(動脈血酸素飽和度)といった患者の生体情報測定(いわゆるスポットチェック)の際には、通常1日に2〜3回看護師が測定してメモをとり、その後電子カルテに手作業で入力・転記している。このため、看護師の入力作業の業務負担が重く、また、データの転記ミス・入力間違い・入力漏れが発生するという問題がある。
【0004】
また、ペン型のポインティングデバイス等で入力された医療情報を保存するシステムが提案されているが(特許文献1の段落[0075]、[図14])、入力者が誤記をすれば、誤記を含む情報がそのまま保存されてしまうといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−171528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そのような状況下で、本出願人は、先に、患者の生体情報を、簡単な入力作業で効率よく確実に記録することが可能な生体情報測定システムを提案した(特願2011−154665号)。それに限られず、そのようなシステムを、さらに病院での業務形態に応じたものにするのが望ましい。
【0007】
そこで、この発明の課題は、患者の生体情報を、病院での業務形態に応じて簡単な入力作業で効率よく確実に記録することが可能な生体情報測定機器を提供することにある。
【0008】
また、この発明は、そのような生体情報測定機器と、上記生体情報測定機器からの通信データを中継する中継サーバと、患者を特定するための患者IDと上記患者の生体情報とを対応付けて電子カルテ情報として記録する病院情報サーバとを備え、患者の生体情報を、病院での業務形態に応じて簡単な入力作業で効率よく確実に電子カルテに記録することが可能な生体情報測定システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
病院では、看護師などの医療従事者が生体情報測定機器を持ち運びながら各患者を巡回して生体情報測定を行う業務形態がある。
【0010】
そこで、この発明の生体情報測定機器は、
患者から少なくとも1種類以上の生体情報を取得する生体情報測定機器であって、
本体と、
患者から生体情報を取得して入力する生体情報取得部と、
上記入力された生体情報を表示する表示部と、
上記表示部に表示された上記生体情報を確定する入力を行うための操作部と、
ネットワークを介して上記本体の外部と通信する通信部と、
この生体情報測定機器が病院内で各患者を巡回する医療従事者によって持ち運ばれて各患者を巡回して使用されるための巡回モードを実行する巡回モード制御部とを備え、
上記巡回モード制御部は、
上記医療従事者を特定するための医療従事者IDを取り込んで認証する医療従事者ID認証部を含み、上記医療従事者ID認証部によって上記医療従事者IDが認証された時、過去に取得した生体情報と患者IDを初期化し
上記医療従事者IDが認証された後、患者を特定するための患者IDを取り込んで認証する患者ID認証部を含み、上記患者ID認証部によって上記患者IDが認証された時、過去に取得した生体情報を初期化し
上記患者IDが認証された後、上記生体情報取得部に上記患者から上記生体情報を取得して入力させるとともに、上記表示部に上記入力された生体情報の表示およびその表示された生体情報が妥当であるか否かの確認を促す表示をする制御を行う測定表示制御部と、
上記表示部に表示された上記生体情報が上記操作部に対する入力によって確定されたとき、上記生体情報とこの生体情報が確定されたことを表す確定情報と上記患者IDとを対応付けて通信データとして、上記通信部によって上記本体の外部へ送信する制御を行う送信制御部とを含むことを特徴とする。
【0011】
本明細書で、「生体情報」とは、血圧、体温、SpO(動脈血酸素飽和度)など、患者の生体に関する情報を広く指す。
【0012】
「病院」とは、医院、保健センタなどの名称を問わず、医療に関する診断や治療を行う医療機関を広く指す。
【0013】
「医療従事者」とは、看護士、医師、ME(Medical Engineer)などを広く指す。
【0014】
また、「ネットワーク」とは、有線または無線を問わず、ローカルエリアネットワーク(LAN)やワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネットなどのネットワークを広く指す。
【0015】
また、「ID」とは、人や物(機器)を識別するための符号を指す。IDは、数字のみに限られるものではなく、アルファベットや記号を含んでいても良い。
【0016】
この発明の生体情報測定機器では、この生体情報測定機器が病院内で各患者を巡回する医療従事者によって持ち運ばれて各患者を巡回して使用されるための巡回モードの処理が、巡回モード制御部によって、次のように実行される。まず、医療従事者ID認証部が、上記医療従事者を特定するための医療従事者IDを取り込んで認証する。上記医療従事者IDが認証された後、患者ID認証部が、患者を特定するための患者IDを取り込んで認証する。上記患者IDが認証された後、測定表示制御部が、上記生体情報取得部に上記患者から上記生体情報を取得して入力させるとともに、上記表示部に上記入力された生体情報の表示およびその表示された生体情報が妥当であるか否かの確認を促す表示をする制御を行う。上記医療従事者は、上記表示部に表示された上記確認を促す表示を見て、表示された生体情報(測定値)が妥当であるか否かの確認を促され、また、上記表示部に表示された生体情報(測定値)を見て、その測定値が妥当であるか否かを判断することができる。上記医療従事者は、その測定値が妥当であると判断したとき、上記操作部に対する入力によってその測定値を確定する。上記表示部に表示された上記生体情報が上記操作部に対する入力によって確定されたとき、送信制御部は、上記生体情報とこの生体情報が確定されたことを表す確定情報と上記患者IDとを対応付けて通信データとして、上記通信部によって上記本体の外部へ送信する制御を行う。例えば、病院内で電子カルテを管理しているサーバがこの通信データを受信することで、患者の生体情報を電子カルテに記録することができる。したがって、この発明の生体情報測定機器によれば、患者の生体情報を、病院での業務形態に応じて簡単な入力作業で効率よく確実に電子カルテに記録することができる。
【0017】
【0018】
また、この生体情報測定機器では、上記巡回モード制御部は、上記医療従事者ID認証部によって上記医療従事者IDが認証された時、過去に取得した生体情報と患者IDを初期化するとともに、上記患者ID認証部によって上記患者IDが認証された時、過去に取得した生体情報を初期化する。したがって、過去の出所不明な生体情報(異なる患者等の測定値など)が、機器外部へ送信されるような事態を防止できる。
【0019】
別の局面では、この発明の生体情報測定機器は、
患者から少なくとも1種類以上の生体情報を取得する生体情報測定機器であって、
本体と、
患者から生体情報を取得して入力する生体情報取得部と、
上記入力された生体情報を表示する表示部と、
上記表示部に表示された上記生体情報を確定する入力を行うための操作部と、
ネットワークを介して上記本体の外部と通信する通信部と、
この生体情報測定機器が病院内で各患者を巡回する医療従事者によって持ち運ばれて各患者を巡回して使用されるための巡回モードを実行する巡回モード制御部とを備え、
上記巡回モード制御部は、
上記医療従事者を特定するための医療従事者IDを取り込んで認証する医療従事者ID認証部と、
上記医療従事者IDが認証された後、患者を特定するための患者IDを取り込んで認証する患者ID認証部と、
上記患者IDが認証された後、上記生体情報取得部に上記患者から上記生体情報を取得して入力させるとともに、上記表示部に上記入力された生体情報の表示およびその表示された生体情報が妥当であるか否かの確認を促す表示をする制御を行う測定表示制御部と、
上記表示部に表示された上記生体情報が上記操作部に対する入力によって確定されたとき、上記生体情報とこの生体情報が確定されたことを表す確定情報と上記患者IDとを対応付けて通信データとして、上記通信部によって上記本体の外部へ送信する制御を行う送信制御部とを含み、
上記巡回モード制御部は、上記表示部に表示された上記生体情報が上記操作部に対する入力によって確定されたとき、上記送信制御部による上記通信データの送信の後、過去に取得した生体情報と患者IDを初期化する一方、上記表示部に表示された上記生体情報が上記操作部に対する入力によって確定されないとき、上記医療従事者ID認証部によって上記医療従事者IDが認証された後の上記患者ID認証部による患者IDの認証を再び行うように制御を戻すことを特徴とする。
【0020】
この発明の生体情報測定機器では、上記巡回モード制御部は、上記表示部に表示された上記生体情報が上記操作部に対する入力によって確定されたとき、上記送信制御部による上記通信データの送信の後、過去に取得した生体情報と患者IDを初期化する。したがって、過去の出所不明な生体情報(異なる患者等の測定値など)が、機器外部へ送信されるような事態を防止できる。一方、上記巡回モード制御部は、上記表示部に表示された上記生体情報が上記操作部に対する入力によって確定されないとき、上記医療従事者ID認証部によって上記医療従事者IDが認証された後の上記患者ID認証部による患者IDの認証を再び行うように制御を戻す。したがって、上記医療従事者は、次に巡回すべき患者の生体情報測定を円滑に進めることができる。
【0021】
一実施形態の生体情報測定機器では、医療従事者、患者からそれぞれ医療従事者ID、患者IDを読み取るためのID読取部を、上記本体と一体に又は上記本体に対して着脱可能に備えたことを特徴とする。
【0022】
この一実施形態の生体情報測定機器では、医療従事者、患者からそれぞれ医療従事者ID、患者IDを読み取るためのID読取部を、上記本体と一体に又は上記本体に対して着脱可能に備える。したがって、上記医療従事者IDの認証や上記患者IDの認証のための作業が容易になる。
【0023】
この発明の生体情報測定システムでは、
上記発明の生体情報測定機器と、
患者を特定するための患者IDと上記患者の生体情報とを対応付けて電子カルテ情報として記録する病院情報サーバと、
上記生体情報測定機器および上記病院情報サーバとネットワークを介して通信可能に接続され、上記生体情報測定機器からの通信データを中継する中継サーバとを備え、
上記中継サーバは、上記生体情報測定機器からの上記通信データを受けて、上記通信データが上記確定情報を含むとき、上記通信データを上記病院情報サーバへ送信する一方、上記通信データが上記確定情報を含まないとき、上記通信データを保留することを特徴とする。
【0024】
この一実施形態の生体情報測定システムでは、上記中継サーバは、上記生体情報測定機器からの上記通信データを受けて、上記通信データが上記確定情報を含むとき、上記通信データを上記病院情報サーバへ送信する。上記病院情報サーバは、上記通信データが上記確定情報を含むとき、上記通信データに含まれた上記生体情報とそれに対応する上記患者IDとを用いて、患者の生体情報を電子カルテに記録することができる。一方、上記中継サーバは、上記通信データが上記確定情報を含まないとき、上記通信データを保留する。したがって、出所不明な生体情報(異なる患者等の測定値など)が、上記病院情報サーバへ送信されるのを防止できる。この結果、上記病院情報サーバで混乱が生じるのを防止できる。
【0025】
また、上記中継サーバが保留した上記通信データから、例えば、患者が生体情報測定機器を操作した履歴がわかるので、この履歴に基づいて患者の行動を分析できる。
【0026】
一実施形態の生体情報測定システムでは、医療従事者、患者からそれぞれ医療従事者ID、患者IDを読み取るためのID読取部を、上記生体情報測定機器と、上記病院情報サーバまたはこの病院情報サーバに通信可能に接続されたコンピュータとの少なくとも一方に対して、一体に又は着脱可能に備えたことを特徴とする。
【0027】
この一実施形態の生体情報測定システムでは、医療従事者、患者からそれぞれ医療従事者ID、患者IDを読み取るためのID読取部を、上記生体情報測定機器と、上記病院情報サーバまたはこの病院情報サーバに通信可能に接続されたコンピュータとの少なくとも一方に対して、一体に又は着脱可能に備える。したがって、上記医療従事者IDの認証や上記患者IDの認証のための作業が容易になる。
【発明の効果】
【0028】
以上より明らかなように、この発明の生体情報測定機器によれば、患者の生体情報を、病院での業務形態に応じて簡単な入力作業で効率よく確実に記録することができる。
【0029】
また、この発明の生体情報測定システムによれば、そのような生体情報測定機器と、上記生体情報測定機器からの通信データを中継する中継サーバと、患者を特定するための患者IDと上記患者の生体情報とを対応付けて電子カルテ情報として記録する病院情報サーバとを備え、患者の生体情報を、病院での業務形態に応じて簡単な入力作業で効率よく確実に電子カルテに記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】この発明の一実施形態の生体情報測定システムの構成を示す図である。
図2】上記生体情報測定システムに含まれる生体情報測定機器の構成を示すブロック図である。
図3】上記生体情報測定システムに含まれる中継サーバの構成を示すブロック図である。
図4】上記生体情報測定システムに含まれる病院情報サーバの構成を示すブロック図である。
図5】上記生体情報測定システムに含まれる病院端末の構成を示すブロック図である。
図6】上記生体情報測定機器の外観を示す斜視図である。
図7】上記生体情報測定機器の表示部を示す図である。
図8】上記生体情報測定機器の制御部による巡回モードの処理フローを示す図である。
図9】上記生体情報測定機器の制御部による固定モードの処理フローを示す図である。
図10】上記病院端末の制御部による入床処理のフローを示す図である。
図11】上記生体情報測定機器の制御部による入床処理のフローを示す図である。
図12】上記中継サーバの制御部による処理のフローを示す図である。
図13】上記病院情報サーバの制御部による処理のフローを示す図である。
図14】上記生体情報測定機器の表示部に測定値が表示された状態を示す図である。
図15】上記生体情報測定機器、上記中継サーバ、上記病院情報サーバの間の通信データの流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0032】
図1は、この発明の一実施形態の生体情報測定システム(全体を符号90で示す。)のシステム構成を示している。この生体情報測定システム90は、生体情報測定機器100と、中継サーバ200と、病院情報サーバ300と、病院端末400とを、ネットワーク900を介して互いに通信可能に備えている。なお、生体情報測定機器100と病院端末400は、それぞれ複数台接続されていても良い。
【0033】
このネットワーク900を介した通信は、無線、有線のいずれでも良い。この実施の形態において、ネットワーク900は、病院内LAN(Local Area Network)であるが、これに限定されず、インターネットを介したネットワークのような他の種類のネットワークであってもよいし、USB(Universal Serial Bus)ケーブルなどを用いた1対1の通信であってもよい。
【0034】
図2に示すように、生体情報測定機器100は、本体100Mと、この本体100Mに搭載された、制御部110と、メモリ120と、操作部130と、表示部140と、生体情報取得部としての測定部150と、通信部190とを含む。
【0035】
操作部130は、操作ボタン・操作キーなどの操作デバイス(詳しくは後述する。)が操作者によって操作されたことに応じて、操作された内容に応じた操作信号を制御部110に入力する。
【0036】
測定部150は、血圧を測定するためのカフ151と血圧測定部154とを含む血圧計100A、サーミスタまたは赤外線検知回路を内蔵する検温部を含む体温計100B、発光部と受光部とを備えてSpO(動脈血酸素飽和度)を測定するためのパルスオキシメータ100C、および無線通信により生体情報を取り込むためのRFID(Radio Frequency IDenditification)センサ153(図6参照)を含む部分である。血圧計100Aや、RFIDセンサ153を介して体温計100B、パルスオキシメータ100Cから取得された生体情報は、制御部110に入力される。
【0037】
メモリ120は、生体情報測定機器100を制御するためのプログラムのデータ、生体情報測定機器100を制御するために用いられるデータ、生体情報測定機器100の各種機能を設定するための設定データ、および、測定結果のデータなどを記憶する。また、メモリ120は、プログラムが実行されるときのワークメモリなどとして用いられる。
【0038】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)を含み、メモリ120に記憶された生体情報測定機器100を制御するためのプログラムに従って、操作部130からの操作信号に応じて、測定部150からの検知信号に基づいて、メモリ120、表示部140、および、通信部190を制御する。特に、この制御部110は、操作部130を介した設定にしたがって、巡回モード制御部111として働いて巡回モードの処理を実行し、または固定モード制御部112として働いて固定モードの処理を実行する。
【0039】
表示部140は、ディスプレイおよびインジケータ等を含み、制御部110からの制御信号に従って所定の情報を表示する(詳しくは後述する。)。
【0040】
通信部190は、制御部110によって制御されて所定の情報を、ネットワーク900を介して外部の装置に送信したり、外部の装置からの情報を、ネットワーク900を介して受信して制御部110に受け渡したりする。
【0041】
この例では、本体100Mに、ID読取部としてのバーコードリーダ152が、本体100Mに対してUSBケーブルを介して着脱可能に接続されている。バーコードリーダ152は、医療従事者や患者が携行するIDカードやリストバンド(バーコードが表示されている)からそれぞれ医療従事者ID、患者IDを読み取るために用いられる。バーコードリーダ152は本体100Mと一体に設けられていても良い。代わりに、IDカードに認証用のICチップが埋め込まれていれば、医療従事者ID、患者IDを、本体100Mと一体に設けられたRFIDセンサ153によって読み取っても良い。
【0042】
図3に示すように、中継サーバ200は、制御部210と、記憶部220と、操作部230と、表示部240と、通信部290とを含む。この中継サーバ200は、汎用のコンピュータ装置に、後述の中継モードの処理を行わせるようにプログラム(ソフトウェア)をインストールしたものである。
【0043】
制御部210は、CPU(Central Processing Unit)およびその補助回路を含み、サーバ200の各部を制御し、記憶部220に記憶されたプログラムおよびデータに従って所定の処理を実行し、操作部230、および、通信部290から入力されたデータを処理し、処理したデータを、記憶部220に記憶させたり、表示部240で表示させたり、通信部290から出力させたりする。
【0044】
記憶部220は、制御部210でプログラムを実行するために必要な作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)と、制御部210で実行するための基本的なプログラムを記憶するためのROM(Read Only Memory)とを含む。また、記憶部220の記憶領域を補助するための補助記憶装置の記憶媒体として、磁気ディスク(HD(Hard Disk)、FD(Flexible Disk))、光ディスク(CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blu-ray Disc))、光磁気ディスク(MO(Magneto-Optical disk))、または、半導体メモリ(メモリカード、SSD(Solid State Drive))などが用いられてもよい。
【0045】
操作部230は、キーボードおよびマウスで構成され、ユーザによる操作を示す操作信号を制御部210に入力する。また、操作部230は、キーボードおよびマウスに替えて、または、加えて、タッチパネルなどの他の操作デバイスで構成されるようにしてもよい。
【0046】
表示部240は、ディスプレイ(たとえば、LCD(Liquid Crystal Display))を含む。表示部240は、制御部210によって制御されて、所定の映像をディスプレイに表示させる。
【0047】
通信部290は、制御部210からの情報をネットワーク900を介して他の装置に送信するとともに、他の装置からネットワーク900を介して送信されてきた情報を受信して制御部210に受け渡す。
【0048】
図12は、中継サーバ200の制御部210による中継モードの処理のフローを示している。まず、通信部290を介して受信される通信データを待ち(ステップS501)、受信された通信データ(受信データ)があれば(ステップS501でYES)、受信データを記憶部220に一旦記憶する(ステップS502)。次に、受信データに後述の確定情報または入床情報が含まれていれば(ステップS503でYES)、その受信データを病院情報サーバ300へ送信する(ステップS504)。一方、受信データに確定情報または入床情報が含まれていなければ(ステップS503でNO)、その受信データを保留する。
【0049】
図4に示すように、病院情報サーバ300は、制御部310と、記憶部320と、操作部330と、表示部340と、通信部390とを含む。この病院情報サーバ300は、汎用のコンピュータ装置に、後述の電子カルテの管理を行わせるように市販の電子カルテのプログラム(例えば、富士通製電子カルテシステム「HOPE/EGMAIN−EX」(登録商標))をインストールしたものである。この病院情報サーバ300の制御部310、記憶部320、操作部330、表示部340、通信部390のそれ自体の構成および機能は、基本的に、上述の中継サーバ200の制御部210、記憶部220、操作部230、表示部240、通信部290の構成および機能と同様である。ただし、記憶部320には、上記電子カルテのプログラムがインストールされ、また、電子カルテ情報を記憶するための電子カルテ情報記憶部321が存在する点が異なる。
【0050】
電子カルテ情報記憶部321には、患者名と患者IDとその患者の生体情報とを対応づけて記録した電子カルテが記憶されている。
【0051】
電子カルテは、例えば次のようなものである。
(電子カルテ)
[患者ID 1001 患者名 オムロン 太郎]
【0052】
電子カルテ情報記憶部321には、このような電子カルテが患者(患者ID)毎に記憶されている。
【0053】
さらに、記憶部320には、この例では、病院で働く医療従事者名と医療従事者IDとを対応付けて記録した医療従事者一覧リストと、病院が受付をした患者名と患者IDとを対応付けて記録した患者一覧リストと、病院内のベッド番号と患者名と患者IDとを対応付けて記録した入床患者一覧リストとが記憶されている。
【0054】
医療従事者一覧リストは、例えば次のようなリストである。
(医療従事者一覧リスト)
【0055】
患者一覧リストは、例えば次のようなリストである。
(患者一覧リスト)
【0056】
入床患者一覧リストは、例えば次のようなリストである。
(入床患者一覧リスト)
【0057】
図13は、病院情報サーバ300の制御部310による電子カルテの管理のフローを示している。まず、通信部390を介して受信される通信データを待ち(ステップS601)、受信された通信データ(受信データ)があれば(ステップS601でYES)、受信データを記憶部320に一旦記憶する(ステップS602)。次に、受信データに後述の確定情報または入床情報が含まれていれば(ステップS603でYES)、その受信データに基づいて、電子カルテに生体情報を記録するか、または入床情報を記録する(ステップS604)。一方、受信データに確定情報または入床情報が含まれていなければ(ステップS603でNO)、記録することなく、その受信データを保留する。
【0058】
なお、電子カルテに生体情報を記録するとは、上に例示したような電子カルテに新規の内容を書き込み、または内容を更新することを意味する。
【0059】
また、入床情報を記録するとは、上に例示したような入床患者一覧リストに新規の内容を書き込み、または内容を更新することを意味する。
【0060】
この例では、上述の医療従事者一覧リスト、患者一覧リスト、入床患者一覧リストは、病院情報サーバ300から中継サーバ200へ転送されて、中継サーバ200の記憶部220に記憶されている。
【0061】
図5に示すように、病院端末400は、本体400Mと、この本体400Mに搭載された、制御部410と、メモリ420と、操作部430と、表示部440と、通信部490とを含む。この病院端末400は、市販のノート型パーソナルコンピュータからなり、病院情報サーバ300にアクセスして、電子カルテ情報を記録又は更新するために用いられる。
【0062】
この例では、本体400Mに、ID読取部としてのバーコードリーダ431が、本体400Mに対してUSBケーブルを介して着脱可能に接続されている。バーコードリーダ431は、医療従事者、患者が携行するIDカード(図示せず)からそれぞれ医療従事者ID、患者IDを読み取るために用いられる。
【0063】
図6は、生体情報測定機器100の外観を示している。この生体情報測定機器100は、本体100Mの前部に、測定/停止ボタン1と、メニュー/確定ボタン2と、設定操作キー3と、トレイ4とを備えている。また、本体100Mの左側部にNIBP(非観血式;Non Invasive Blood Pressure)コネクタ5を備えている。本体100Mの右側部に、電源コネクタ6と、USBコネクタ7と、LANコネクタ8とを備えている。さらに、本体100Mの上部に表示部140を備えている。また、本体100Mの内部には、既述の測定部150を構成するRFIDセンサ153が内蔵されている。
【0064】
測定/停止ボタン1は、電源スイッチであり、電源が切れているときに押されると、血圧測定が開始される。血圧測定中に押されると、血圧測定が停止する。
【0065】
メニュー/確定ボタン2は、この機器100の各種メニューを表示部140に表示させるとともに、測定値を確定するために用いられる。
【0066】
設定操作キー3は、上キー3a、下キー3b、左キー3c、右キー3dを含む。これらのキー3a,3b,3c,3dは、表示部140の画面を切り替えたり、各種設定を入力するために用いられる。
【0067】
これらのメニュー/確定ボタン2および設定操作キー3は、既述の操作部130を構成する。
【0068】
トレイ4は、専用の電子体温計(この例では、オムロン電子体温計MC−1600−HP)を収納するための収容部4aと、専用のパルスオキシメータ(この例では、パルスオキシメータHPO−1600−FP)を収納するための収容部4bとを備えている。
【0069】
NIBPコネクタ5は、血圧測定のためのカフ151につながるチューブ・エアホースを本体100Mに接続するために用いられる。
【0070】
電源コネクタ6は、AC(交流)アダプタを本体100Mに接続するために用いられる。このACアダプタは、本体100Mに内蔵されたバッテリ(図示せず)を充電するために用いられる。
【0071】
USBコネクタ7は、この例ではバーコードリーダ152(図2参照)を本体100Mに接続するために用いられる。
【0072】
LANコネクタ8は、この例では、この生体情報測定機器100をネットワーク900に接続するために用いられる。
【0073】
図7に示すように、表示部140は、測定値や各種設定入力を促す表示を行うための測定値表示部21と、ベッド番号を表示するベッド番号表示部22と、患者の氏名を表示する患者名表示部23と、ID認証した医療従事者の氏名を表示する医療従事者名表示部24と、充電の有無を示す充電インジケータ25と、体温測定値を入力したときに点灯する体温入力表示部26と、SpO測定値を入力したときに点灯するSpO入力表示部27と、巡回モード時に点灯する巡回モード表示部28と、現在の時刻を表示する時刻表示部29と、バッテリの残量を表示するバッテリ残量表示部30と、無線LAN通信の有無を表示する無線LAN表示部31と、USB通信の有無を表示するUSB通信表示部32と、未送信データの有無を表示する未送信データ表示部33と、メニュー/確定ボタン2や設定操作キー3を操作したときの遷移先などを知らせる遷移先表示部34とを含んでいる。
【0074】
さて、病院で生体情報測定機器100が使用される場合、医療従事者(例えばME)が操作部130を選択部として操作することによって、巡回モードと固定モードとのいずれかが選択される。巡回モードは、病院で、看護師などの医療従事者が生体情報測定機器100を持ち運びながら各患者を巡回して生体情報測定を行う業務形態に適応する。一方、固定モードは、入院している各患者毎(ベッド周辺)にそれぞれ生体情報測定機器100を固定して配置しておき、その生体情報測定機器100を用いて患者の生体情報測定を行う業務形態に適応する。
【0075】
巡回モードと固定モードとのいずれかの選択は、具体的には、次のようにして行われる。例えば、医療従事者がメニュー/確定ボタン2および設定操作キー3を操作すると、表示部140に、デフォルトでは、次のように巡回・固定選択を促す表示欄(1)が表示される。
巡回・固定選択: 固定 …(1)
【0076】
この表示は、デフォルトでは、固定モードが選択されていることを示している。ここで、医療従事者が上キー3aまたは下キー3bを押すことによって、例えば次の(2)のように表示欄が切り替えられる。
巡回・固定選択: 巡回 …(2)
【0077】
この表示は、巡回モードが選択されたことを示している。
【0078】
このようにして、医療従事者が操作部130を操作することによって、巡回モードと固定モードとのいずれかが選択される。
【0079】
巡回モードが選択された場合、生体情報測定機器100の巡回モード制御部111が図8のフローに示す処理を実行する。
【0080】
まず、巡回モード制御部111が医療従事者ID認証部として働いて、医療従事者(例えば看護士)を特定するための医療従事者IDを取り込んで認証する(ステップS101)。続いて、巡回モード制御部111は、生体情報(以下、適宜「測定値」という。)と患者IDを初期化する(ステップS102)。したがって、過去の出所不明な生体情報(異なる患者等の測定値など)が、機器外部へ送信されるような事態を防止できる。
【0081】
この後、巡回モード制御部111が患者ID認証部として働いて、患者を特定するための患者IDを取り込んで認証する(ステップS103)。なお、医療従事者ID、患者IDの取り込みには、この例ではバーコードリーダ152を用いる。したがって、医療従事者IDの認証や患者IDの認証のための作業が容易になる。続いて、巡回モード制御部111は、測定値を初期化する(ステップS104)。したがって、過去の出所不明な測定値などが、機器外部へ送信されるような事態を防止できる。
【0082】
この後、医療従事者(または患者)による操作部130に対する測定開始の入力に応じて、巡回モード制御部111が測定表示制御部として働いて、測定部150に測定値を取得させるとともに、表示部140に取得された測定値を表示させる制御を行う(ステップS105)。この段階で表示部140に表示される画面は、例えば図14に示したようなものである。医療従事者は、表示部140に表示された測定値を見て、その測定値が妥当であるか否かを判断することができる。医療従事者はその測定値が妥当であると判断したとき、操作部130(具体的には、メニュー/確定ボタン2)に対する入力によって測定値を確定する。
【0083】
表示部140に表示された測定値が操作部130に対する入力によって確定されたとき(ステップS106でYES)、巡回モード制御部111が送信制御部として働いて、測定値とこの測定値が確定されたことを表す確定情報と患者IDとを対応付けて通信データとして、通信部190によってネットワーク900を介して中継サーバ200へ送信する制御を行う(ステップS107)。
【0084】
なお、測定完了後、測定値が確定されることなく一定期間が経過したとき、巡回モード制御部111は、図8のフローから離れて、確定情報なしで、測定値と患者IDとを対応付けて通信データとして、通信部190によってネットワーク900を介して中継サーバ200へ送信する制御を行う。ただし、患者IDが特定されていない測定値は、送信されることなく、生体情報測定機器100に保留される。
【0085】
なお、この実施形態では、この巡回モードのフロー(図8)および後述の固定モードのフロー(図9)において、医療従事者IDの認証および患者IDの認証は、
i) 生体情報測定機器100が取り込んだ医療従事者IDまたは患者IDを中継サーバ200へ送信し、
ii) 中継サーバ200において、制御部210が、受信した医療従事者IDまたは患者IDと記憶部220に記憶されている医療従事者一覧リスト、患者一覧リストに挙げられている医療従事者ID、患者IDとを対比し、
iii) 中継サーバ200が互いに一致する医療従事者ID、患者IDが存在するか否かを表す情報を生体情報測定機器100へ返信する
ことによって行われる。
【0086】
ただし、生体情報測定機器100が取り込んだ医療従事者IDまたは患者IDを直接病院情報サーバ300へ送信し、病院情報サーバ300において、制御部310が、受信した医療従事者IDまたは患者IDと記憶部320に記憶されている医療従事者一覧リスト、患者一覧リストに挙げられている医療従事者ID、患者IDとを対比することによって、認証を行っても良い。
【0087】
また、医療従事者一覧リスト、患者一覧リストを生体情報測定機器100の記憶部120に記憶させておき、生体情報測定機器100において、制御部110が、バーコードリーダ152によって取り込んだ医療従事者IDまたは患者IDと記憶部120に記憶されている医療従事者一覧リスト、患者一覧リストに挙げられている医療従事者ID、患者IDとを対比することによって、認証を行っても良い。
【0088】
一方、固定モードが選択される場合、病院では、生体情報の測定の前に、患者とベッド番号とを対応づける入床処理が行われる。
【0089】
例えば図10は、病院端末400を用いて入床処理を行うフローを示している。
【0090】
医療従事者は、病院端末400の動作状態で、病院端末400に接続されたバーコードリーダ431を用いて、まず医療従事者(この例では看護士)を特定するための医療従事者IDを取り込んで認証する(ステップS301)。続いて、医療従事者は、操作部430によって、患者IDとその患者に割り当てられたベッド番号とを特定する。すると、病院端末400の制御部410が、患者に割り当てられたベッド番号をその患者の患者IDと対応付けて表す入床情報を入力する(ステップS302)。入力された入床情報は、患者名とともに、制御部410からの制御信号によって、例えば
というように表示部440に表示される。続いて、病院端末400は、この入床情報を、通信部490によってネットワーク900を介して病院情報サーバ300へ送信する(ステップS303)。すると、病院情報サーバ300は、図13に示したフローに基づいて、その入床情報を記録する。
【0091】
また、図11は、病院端末400に代えて、生体情報測定機器100を用いて入床処理を行うフローを示している。
【0092】
医療従事者は、生体情報測定機器100の動作状態で、生体情報測定機器100に接続されたバーコードリーダ152を用いて、まず医療従事者(この例では看護士)を特定するための医療従事者IDを取り込んで認証するとともに(ステップS401)、患者を特定するための患者IDを取り込んで認証する(ステップS402)。続いて、医療従事者は、操作部130を用いて、患者に割り当てられたベッド番号を特定する。すると、生体情報測定機器100の制御部110が入床情報入力部として働いて、患者に割り当てられたベッド番号をその患者の患者IDと対応付けて表す入床情報を入力する(ステップS403)。入力された入床情報は、患者名とともに、制御部110からの制御信号によって、例えば
というように表示部140に表示される。続いて、生体情報測定機器100は、この入床情報を、通信部190によってネットワーク900を介して中継サーバ200へ送信する(ステップS404)。すると、中継サーバ200は、図12に示したフローに基づいて、その入床情報を病院情報サーバ300へ送信する。病院情報サーバ300は、図13に示したフローに基づいて、その入床情報を記録する。
【0093】
このように、図10または図11のいずれかのフローによって入床処理が行われる。
【0094】
さて、固定モードが選択された場合、生体情報測定機器100の固定モード制御部112が図9のフローに示す処理を実行する。
【0095】
まず、固定モード制御部112が患者ID認証部として働いて、患者を特定するための患者IDを取り込んで認証する(ステップS201)。なお、患者IDの取り込みには、この例ではバーコードリーダ152を用いる。したがって、患者IDの認証のための作業が容易になる。続いて、固定モード制御部112は、測定値を初期化する(ステップS202)。したがって、過去の出所不明な生体情報(異なる患者等の測定値など)が、機器外部へ送信されるような事態を防止できる。
【0096】
この後、患者による操作部130に対する測定開始の入力に応じて、固定モード制御部112が測定表示制御部として働いて、測定部150に測定値を取得させるとともに、表示部140に取得された測定値を表示させる制御を行う(ステップS203)。この段階で表示部140に表示される画面は、例えば図14に示したものと同様である。このステップS203を許容している理由は、比較的元気な患者であれば、患者自ら生体情報の測定を行うことができ、医療従事者がわざわざ測定を行わなくても、患者自らの測定による測定値を利用できるからである。
【0097】
次に、固定モード制御部112が医療従事者ID認証部として働いて、医療従事者を特定するための医療従事者IDを取り込んで認証する(ステップS204)。なお、医療従事者IDの取り込みには、この例ではバーコードリーダ152を用いる。したがって、医療従事者IDの認証のための作業が容易になる。
【0098】
この段階で表示部140に測定値が表示されていなければ(ステップS205でNO)、その医療従事者は、操作部130に対する測定開始の入力を行う(ステップS206)。すると、固定モード制御部112が測定表示制御部として働いて、測定部150に測定値を取得させるとともに、表示部140に取得された測定値を表示させる制御を行う(ステップS206)。
【0099】
ステップS205またはステップS206の結果、表示部140に測定値が表示されれば、医療従事者は、表示部140に表示された測定値を見て、その測定値が妥当であるか否かを判断することができる。医療従事者はその測定値が妥当であると判断したとき、操作部130(具体的には、メニュー/確定ボタン2)に対する入力によって測定値を確定する。
【0100】
表示部140に表示された測定値が操作部130に対する入力によって確定されたとき(ステップS207でYES)、固定モード制御部112が送信制御部として働いて、測定値とこの測定値が確定されたことを表す確定情報と患者IDとを対応付けて通信データとして、通信部190によってネットワーク900を介して中継サーバ200へ送信する制御を行う(ステップS208)。
【0101】
なお、測定完了後、測定値が確定されることなく一定期間が経過したとき、固定モード制御部112は、図9のフローから離れて、確定情報なしで、測定値と患者IDとを対応付けて通信データとして、通信部190によってネットワーク900を介して中継サーバ200へ送信する制御を行う。
【0102】
このようにして、この生体情報測定機器100によれば、巡回モードと固定モードとのいずれが選択された場合であっても、表示部140に表示された測定値が操作部130に対する入力によって確定されたとき、測定値と確定情報と患者IDとが対応付けられて通信データとして、中継サーバ200へ送信される。一方、測定完了後、測定値が確定されることなく一定期間が経過したとき、確定情報なしで、測定値と患者IDとが対応付けられて通信データとして、中継サーバ200へ送信される。なお、患者IDが特定されていない測定値は、送信されることなく、生体情報測定機器100に保留される。確定情報がないデータについては、次回の確定時に合わせて送付してもよい。
【0103】
この結果、図15中に示すように、中継サーバ200は、ネットワーク900を介して通信データとして、確定情報を含む通信データ(これを「通信データA」と呼ぶ。)と、確定情報を含まない通信データ(これを「通信データB」と呼ぶ。)とのいずれかを受信する。中継サーバ200は、図12のフローにしたがって、確定情報を含む通信データAを病院情報サーバ300へ送信する一方、確定情報を含まない通信データBを保留する。
【0104】
図15中に示す例では、通信データAの項目としては、患者ID、医療従事者ID、血圧(最高)、血圧(最低)、脈拍数、体温、SpO、および確定情報としての確定日時を含むことができる。通信データBの項目としては、患者ID、血圧測定日時、血圧(最高)、血圧(最低)、脈拍測定日時、脈拍数、体温測定日時、体温、SpO測定日時、およびSpOを含むことができる。通信データBは、医療従事者ID、確定日時を含まない点が注目される。
【0105】
次に、病院情報サーバ300は、ネットワーク900を介してその通信データAを受信する。そして、病院情報サーバ300は、上の例では受信した通信データAに確定情報が含まれているので、図13のフローにしたがって、その通信データAに含まれた測定値と患者IDとを対応付けて電子カルテに記録する。
【0106】
このようにして、生体情報測定機器100および/またはそれを備えた生体情報測定システム90によれば、患者の生体情報を、病院での業務形態に応じて簡単な入力作業で効率よく確実に電子カルテに記録することができる。確定情報を含まない通信データBは、中継サーバ200に保留されている(ログとして利用できる)。したがって、出所不明な生体情報(異なる患者等の測定値など)が、病院情報サーバ300へ送信されるのを防止でき、病院情報サーバ300で混乱が生じるのを防止できる。
【0107】
また、中継サーバ200に保留した通信データBから、例えば、患者が生体情報測定機器100を操作した履歴がわかるので、この履歴に基づいて患者の行動(再測定の回数など)を分析できる。さらに、測定データとともに、機器のIDを送付して管理することで、機器の測定回数を把握でき、機器のメンテナンス時期なども把握できる。
【0108】
なお、医療従事者は、中継サーバ200に保留されている通信データBにアクセスして、測定した時期とは別の時期に事後的に、測定値を確認して確定しても良い。そのように、通信データBに含まれた測定値が事後的に確定されたとき、通信データBは、通信データCに変更されて病院情報サーバ300へ送られる。この通信データCの項目は、通信データAの項目と同じになる。したがって、医療従事者が妥当であると判断した生体情報を生体情報測定機器100からだけでなく、中継サーバ200からも病院情報サーバ300へ送信することができる。
【0109】
ここで、中継サーバ200に保留されている通信データBに対するアクセスは、例えば医療従事者IDの認証を条件として、中継サーバ200の操作部230、病院情報サーバ300の操作部330または病院端末400の操作部430のいずれからでも行うことができる。それらの場合、医療従事者は、それぞれ中継サーバ200の表示部240、病院情報サーバ300の表示部340または病院端末400の表示部440に表示された測定値を見て、その測定値が妥当であるか否かを判断することができる。
【0110】
以上の実施形態では、生体情報測定機器100が測定する「生体情報」は、主に血圧、体温、SpOであるものとした。当然ながら、この発明はこれに限られるものではなく、この発明の生体情報測定機器は、その他に脈拍、呼吸数など、患者の生体に関する情報を広く測定するものであっても良い。
【0111】
また、中継サーバ200と病院情報サーバ300とは、物理的に一体の筐体に収容されていてもよい。
【符号の説明】
【0112】
100 生体情報測定機器
200 中継サーバ
300 病院情報サーバ
400 病院端末
900 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15