特許第6243591号(P6243591)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6243591プログラム作成システム及びそのシミュレーションシステム並びにその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243591
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】プログラム作成システム及びそのシミュレーションシステム並びにその方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/00 20060101AFI20171127BHJP
   B25J 9/22 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   B25J13/00 Z
   B25J9/22 A
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-63229(P2012-63229)
(22)【出願日】2012年3月21日
(65)【公開番号】特開2013-193169(P2013-193169A)
(43)【公開日】2013年9月30日
【審査請求日】2015年1月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】中野 勇一
【審査官】 影山 直洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−263135(JP,A)
【文献】 特開2002−082710(JP,A)
【文献】 特開平08−132368(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00−21/02
B21J 5/00− 9/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを掴み変えるための掴み変え手段を備えた曲げ加工機に対してワークをアプローチするロボットのロボットプログラムを作成するプログラム作成システムにおいて、
前記ワークを前記ロボットの把持手段が把持した状態で前記ワークに生じるたわみ量を生成するたわみ量生成手段と、前記ロボットプログラムを前記たわみ量を考慮して作成する作成手段とを備え、前記たわみ量に応じて前記把持手段の高さを、受け渡し基準高さからマイナスに補正して、前記掴み変え手段に把持されたワークの掴み変えを行い、前記たわみ量に応じて前記アプローチの基準高さを算出し、前記たわみ量および前記アプローチの基準高さに応じて前記把持手段のアプローチ高さを、基準高さからプラスに補正することを特徴とするプログラム作成システム。
【請求項2】
前記たわみ量を、把持位置、大きさ、材質及び板厚を含むワーク付随条件に応じて生成することを特徴とする請求項1に記載のプログラム作成システム。
【請求項3】
ワークを掴み変えるための掴み変え手段を備えた曲げ加工機及びワークをアプローチするロボットのシミュレーションを実行するシミュレータにおいて、
前記ワークを前記ロボットの把持手段が把持した状態で前記ワークに生じるたわみ量を生成するたわみ量生成手段と、前記ロボットのロボットプログラムを前記たわみ量を考慮して作成する作成手段とを備え、前記たわみ量に応じて前記把持手段の高さを、受け渡し基準高さからマイナスに補正して、前記掴み変え手段に把持されたワークの掴み変えを行い、前記たわみ量に応じて前記アプローチの基準高さを算出し、前記たわみ量および前記アプローチの基準高さに応じて前記把持手段のアプローチ高さを、基準高さからプラスに補正したシミュレーションを行うことを特徴とするシミュレータ。
【請求項4】
ワークを掴み変えるための掴み変え手段を備える曲げ加工機に対して前記ワークをアプローチするロボットのロボットプログラムを作成するプログラム作成方法において、
前記ワークを前記ロボットの把持手段が把持した状態で前記ワークに生じるたわみ量を生成するたわみ量生成工程と、前記ロボットプログラムを前記たわみ量を考慮して作成する作成工程とを含み、前記たわみ量に応じて前記把持手段の高さを、受け渡し基準高さからマイナスに補正して、前記掴み変え手段に把持されたワークの掴み変えを行い、前記たわみ量に応じて前記アプローチの基準高さを算出し、前記たわみ量および前記アプローチの基準高さに応じて前記把持手段のアプローチ高さを、基準高さからプラスに補正することを特徴とするプログラム作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム作成システム及びシミュレータ並びにプログラム作成方法に関し、詳細には曲げ加工機に対してワークをアプローチするロボットのロボットプログラムを作成する際にワークのたわみ量を考慮するプログラム作成システム及びシミュレータ並びにプログラム作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の曲げロボット及び搬入搬出ロボットの自動プログラミング装置及びシミュレータには、ワークとダイとの干渉を表示する機能はあるが、ロボットの把持位置よりのワークのたわみを考慮されていない。すなわち、金型(ダイ)に対して水平表示である。
【0003】
例えば、図6に示すように把持されたワークWaは水平であり、ダイDaあるいはパンチPaに干渉していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−82710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ロボットの把持位置よりのワークのたわみが考慮されていないため、実機運転時にワークが金型(ダイ)に干渉してしまうことがあるという問題がある。例えば、図7に示すように、把持されたワークWbの実際のたわみ量によりダイDbに干渉している。
【0006】
よって、ワークのたわみ量によっては、ロボットのティーチング作業が必要となる。さらに、搬入搬出ロボットから曲げロボットへワークを受け渡す場合などにもティーチング作業が必要となるという問題がある。
【0007】
本願発明の目的は、曲げロボット及び搬入搬出ロボットの自動プログラミング装置及びシミュレーションにワークのたわみを考慮したものにすることで、実機運転時にロボットのティーチング作業を不要とすることである。(全自動運転の可能性が高まる)
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上述の問題を解決するためのものであり、本発明の特徴は、ワークを掴み変えるための掴み変え手段を備えた曲げ加工機に対してワークをアプローチするロボットのロボットプログラムを作成するプログラム作成システムにおいて、前記ワークを前記ロボットの把持手段が把持した状態で前記ワークに生じるたわみ量を生成するたわみ量生成手段と、前記ロボットプログラムを前記たわみ量を考慮して作成する作成手段とを備え、前記たわみ量に応じて前記把持手段の高さを、受け渡し基準高さからマイナスに補正して、前記掴み変え手段に把持されたワークの掴み変えを行い、前記たわみ量に応じて前記アプローチの基準高さを算出し、前記たわみ量および前記アプローチの基準高さに応じて前記把持手段のアプローチ高さを、基準高さからプラスに補正することである。
【0009】
本発明の他の特徴は、前記たわみ量を、把持位置、大きさ、材質及び板厚を含むワーク付随条件に応じて生成することである。
【0010】
本発明の他の特徴は、ワークを掴み変えるための掴み変え手段を備えた曲げ加工機及びワークをアプローチするロボットのシミュレーションを実行するシミュレータにおいて、前記ワークを前記ロボットの把持手段が把持した状態で前記ワークに生じるたわみ量を生成するたわみ量生成手段と、前記ロボットのロボットプログラムを前記たわみ量を考慮して作成する作成手段とを備え、前記たわみ量に応じて前記把持手段の高さを、受け渡し基準高さからマイナスに補正して、前記掴み変え手段に把持されたワークの掴み変えを行い、前記たわみ量に応じて前記アプローチの基準高さを算出し、前記たわみ量および前記アプローチの基準高さに応じて前記把持手段のアプローチ高さを、基準高さからプラスに補正したシミュレーションを行うことである。
【0011】
本発明の他の特徴は、ワークを掴み変えるための掴み変え手段を備える曲げ加工機に対して前記ワークをアプローチするロボットのロボットプログラムを作成するプログラム作成方法において、前記ワークを前記ロボットの把持手段が把持した状態で前記ワークに生じるたわみ量を生成するたわみ量生成工程と、前記ロボットプログラムを前記たわみ量を考慮して作成する作成工程とを含み、前記たわみ量に応じて前記把持手段の高さを、受け渡し基準高さからマイナスに補正して、前記掴み変え手段に把持されたワークの掴み変えを行い、前記たわみ量に応じて前記アプローチの基準高さを算出し、前記たわみ量および前記アプローチの基準高さに応じて前記把持手段のアプローチ高さを、基準高さからプラスに補正することである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ロボットのプログラム作成システム及びシミュレーシタはワークのたわみを考慮したもの(ソフトウェア)になり、たわみの考慮されたロボットプログラムが作成される。このため実機運転時にロボットのティーチング作業が不要となり、ワークの加工効率が上がるという効果を奏する。さらに、ワーク形状によっては、全自動運転が可能となる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】曲げ加工システムの概略を示す概略図である。
図2】自動プログラミングシステムの構成を説明する説明図である。
図3】自動プログラミングシステムの動作を示すフローチャートである。
図4】自動プログラミングシステムの動作を説明する説明図である。
図5】自動プログラミングシステムの動作を説明する説明図である。
図6】従来の技術を示す従来図である。
図7】従来の技術を示す従来図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の曲げ加工システムの実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
図1を参照する。本実施の形態に係わる曲げ加工機としての例えばプレスブレーキ1は、立設されたサイドフレーム3,5を備えており、このサイドフレーム3,5の上部前面には上部テーブル7が設けられており、この上部テーブル7の下部にはパンチ装着部としての中間板9にパンチPが着脱可能に装着されている。一方、サイドフレーム3,5の下部前面には下部テーブル11が設けられている。この下部テーブル11の上のダイ装着部にはダイDが着脱可能に装着されている。
【0017】
また、プレスブレーキ1は上部、下部テーブル7,11の一方が昇降可動してパンチPとダイDとの協働によりワークWに折曲げ加工が行われるよう構成されている。なお、本実施の形態では例えば下部テーブル11がラムシリンダにより昇降するよう構成されている。
【0018】
さらに、プレスブレーキ1には、前後方向(Y軸方向)のワークWの位置決めを行うためのバックゲージ(図示省略)が前後方向へ移動位置決め自在に設けられている。
【0019】
また、プレスブレーキ1にはロボットグリッパ19にてワークWをクランプしてプレスブレーキ1の曲げ加工線に対してワークWを自動的にアプローチ及び位置決め自在とするワーク移動装置としての例えばロボット21が下部テーブル11をX方向に移動自在に設けられている。なお、上記のロボット21には所望の曲げ加工線に対してワークWをアプローチ及び位置決め自在とするロボットグリッパ19がプレスブレーキ1に対して前後方向(Y方向)及び上下方向(Z方向)に移動自在に設けられている。
【0020】
ロボット21は、本実施の形態においては昇降自在な下部テーブル11に一体的に取付けたベースプレート23に装着されている。
【0021】
より詳細には、ベースプレート23はダイDの長手方向に沿うX軸方向に延伸されており、このベースプレート23の前面に第1移動台25がX軸方向に移動自在に支承されている。この第1移動台25には、ベースプレート23の備えたX軸方向のラック27に噛合したピニオン(図示省略)が第1モータ29により回転駆動自在に設けられている。なお、前記第1モータ29にはエンコーダのごとき位置検出装置が備えられているので、第1移動台25のX軸方向の移動位置を検知することができる。
【0022】
また、第1移動台25には、上部側がY軸方向に拡大した扇形状部31が設けられており、この扇形状部31の上部には後側よりも前側が低くなるように湾曲した円弧状のガイド部材としてラック部材33が設けられている。このラック部材33には、ラック部材33に沿ってY軸方向に移動自在の第2移動台35が支承されている。この第2移動台35には、ラック部材33に噛合したピニオンが第2モータ37により回転駆動自在に設けられている。なお、前記第2モータ37には第1モータ29と同様にエンコーダのごとき位置検出装置が備えられているので、第2移動台35のX軸方向の移動位置を検知することができる。
【0023】
また、上記の第2移動台35には、第2移動台35の移動方向に対して直交する上下のZ軸方向に移動自在な昇降支柱39が支承されている。この昇降支柱39には上下方向のラックが形成されており、このラックと噛合したピニオンが第3モータ41により回転駆動自在に設けられている。なお、前記第3モータ41には第1モータ29と同様にエンコーダのごとき位置検出装置が備えられているので、昇降支柱39は第3モータ41の駆動によって上下動され、且つ上下動位置は前記位置検出装置により検知される。
【0024】
第2移動台35がラック部材33に沿って前側へ移動されたときには、昇降支柱39は前側へ傾斜した状態になり、斜めに昇降するものであり、上昇時には下部テーブル11からワークWを離反するように機能するものとなる。
【0025】
また、昇降支柱39の上部には、Y軸方向に延伸したアーム43が適宜に固定されている。このアーム43の先端部にはワークWの一側縁部を把持自在なロボットグリッパ(把持手段)19が装着されている。
【0026】
より詳細には、ロボットグリッパ19はX軸と平行なB軸を中心として上下方向に回動自在に設けられており、上記のB軸と直交するA軸を中心として旋回自在に設けられている。また、上記A軸を中心としてロボットグリッパ19を旋回するための第4モータ45及びB軸を中心としてロボットグリッパ19を上下に回動するための第5モータ47が上記アーム43に装着されている。上記の第4,第5モータ45,47は、制御装置17に接続されており、前述した第1モータ29と同様にエンコーダのごとき位置検出装置を備えているものである。
【0027】
また、下部テーブル11あるいはベースプレート23の一側部には、ワークWを一時的に把持自在なつかみ換えグリッパ53が装着されており、サイドゲージ装置55が適宜のブラケットを介して装着されている。
【0028】
上記のつかみ換えグリッパ53には、ワークWを把持するための上部ジョー57と下部ジョー59が備えられている。
【0029】
サイドゲージ装置55は、ロボットグリッパ19に把持されたワークWの一側縁との位置関係を検知するときに使用されるもので、側方センサ61が備えられている。側方センサ61の出力値は制御装置17に入力される。
【0030】
したがって、ロボットグリッパ19に把持されたワークWの一側縁が側方センサ61に当接され、この側方センサ61の出力値が所定の出力値であるときに、ロボット21のX軸方向の位置が第1モータ29に備えられた位置検出装置の検出値で制御装置17に読込まれる。そして、ワークWを把持していない時の基準位置の位置検出値と比較することにより、ロボットグリッパ19に把持されたワークWの一側縁とロボット21とのX軸方向の位置的関係が検出される。よって、サイドゲージ装置55を基準として、パンチP、ダイDに対してワークWのX軸方向の位置決めが正確に行われる。
【0031】
制御装置17にはプログラム作成システム(自動プログラミング装置等)13がLAN15を介し接続されており、上記のプログラム作成システム(自動プログラミング装置等)13の本体13aには、制御部13bに種々のデータを入力するための入力手段としての例えばキーボード13d、マウス13eのごとき入力装置と、種々のデータを表示せしめるCRTのごとき表示装置13cが接続されている。
【0032】
図2を参照する。ロボットプログラム(ロボット21を動作を制御するためのプログラムをいう)を作成するプログラム作成システム(自動プログラミング装置等)13は、以下の機能を備える。すなわち、たわみ量算出モジュール13fとシミュレータ13gとグラフィック表示モジュール13hである。たわみ量算出モジュール13fは、ワークWのロボットグリッパ(把持位置)19とワークWの大きさ、材質(抗張力)、板厚などの条件よるたわみ量を記憶したテーブル(データベース化)から、必要な情報を検索し(例えば、これから加工を行うワークWと同じ条件のデータを検索する)、たわみ量を算出(生成)する機能を有する。シミュレータ13gは、作成されたロボットプログラムに基づきプレスブレーキ1、ロボット21等のシミュレーションを行う。グラフィック表示モジュール13hはシミュレーションを画面に表示させるためのものである。なお、これらの機能は制御装置17に備えられていてもよい。
【0033】
すなわち、制御部13bは、ワークWをロボット21のロボットグリッパ(把持手段)19が把持した状態でワークWに生じるたわみ量を生成するたわみ量生成手段と、ロボットプログラムをたわみ量を考慮して作成する作成手段とを備え、ロボットグリッパ(把持手段)19のアプローチ高さ(ワークWを挿入する高さ)をパンチP、ダイDに干渉しないように補正する。
【0034】
さらに、制御部13bでは、ワークWを掴み変えるためのつかみ換えグリッパ(掴み変え手段)53に対し、たわみ量に応じてロボットグリッパ19の高さを補正して掴み変えを制御するロボットプログラムを作成する。また、たわみ量をワークWのロボットグリッパ19と、ワークWの大きさ、材質、板厚を含むワーク付随条件に応じて生成する。
【0035】
図3を参照し、プレスブレーキ1に対してワークWをアプローチするロボット21のロボットプログラムを作成する動作を説明する。
【0036】
初めに、ステップSA01では、新たに加工するワークWであるロボット加工部品の選択を行う。
【0037】
ステップSA03では、プログラム作成システム(自動プログラミング装置等)13の制御部13bが自動プログラミングを行う。詳細には、[1]ワークWを供給するためのローディングとして、ワークWを受け渡す際のロボットグリッパ19の高さの算出を行う。ここで、(受け渡し基準高さ)−(たわみ量)として算出する。これにより、新たに加工するワークWをロボット21のロボットグリッパ19はワークWに干渉無く把持することができる。[2]曲げアプローチにおいて、ダイD上面へのアプローチ基準高さの算出を行う。具体的には、(アプローチ基準高さ)+ (たわみ量)を算出する。これにより、ワークWとダイDとの干渉を回避できる。[3]掴み換えにおいてのワークWを受け渡す高さの算出を行う。すなわち、(受け渡し基準高さ)−(たわみ量)として算出する。これにより、ワークWとロボットグリッパ19との干渉を回避できる。
【0038】
なお、制御部13bはワークWの把持位置とワークWの大きさ、材質(抗張力)、板厚などの条件によるたわみ量のテーブルを参照する(ステップSA05参照)。
【0039】
図4を参照する。ロボットグリッパ(把持手段)19に把持されたワークWをプレスブレーキ1に加工のためアプローチする場合の高さ補正を示す。すなわち、ワークWが水平の場合におけるZ1(基準高さ)はダイ高さ(ダイの先端の高さ)+α(例えば、数ミリ以上)であり、Z2はZ1にたわみ量だけ高さをプラスして補正したものである。
【0040】
図5を参照する。掴み変えグリッパ(掴み変え手段)53に把持されたワークWをロボットグリッパ(把持手段)19が掴み変える場合の高さ補正を示す。すなわち、ワークWが水平の場合における基準高さはZ1である。補正後の高さZ2はZ1にたわみ量だけマイナスする補正をしたものである。
【0041】
なお、便宜上、図4におけるZ1、Z2と図5におけるZ1、Z2は異なるものとして使用している。
【0042】
ステップSA07では、制御部13bが加工可否の判断を行う。加工可と判断した場合に処理はステップSA09に進む。加工不可と判断した場合に処理はステップSA11に進む。
【0043】
ステップSA09では、制御部13bがロボットプログラムの作成を行う。ステップSA11では、不可理由を出力する。
【0044】
ステップSA13では、シミュレータ13gがシミュレーションを行う。
【0045】
ステップSA15では、制御部13aはロボットプログラムの保存を行う。具体的にはテーブルへの保存を行い以後データベースとして使用する。
【0046】
ステップSA17では、実機としてのプレスブレーキ1が生産加工を行う。
【0047】
なお、テーブルを使用しないで、ステップSB01で、たわみ量を算出モジュール13fを使用し、たわみ量を自動算出し、ステップSB03でグラフィックモジュール13hを利用してシミュレーションを行っても良い。
【0048】
この発明は前述の発明の実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことにより、その他の態様で実施し得るものである。
【符号の説明】
【0049】
1 プレスブレーキ(曲げ加工機)
3 サイドフレーム
5 サイドフレーム
7 上部テーブル
9 中間板
11 下部テーブル
13 プログラム作成システム(自動プログラミング装置等)
15 LAN
17 制御装置
19 ロボットグリッパ(把持手段)
21 ロボット
53 掴み変えグリッパ(掴み変え手段)
P パンチ
D ダイ
W ワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7