特許第6243601号(P6243601)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243601
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】流動性材料の塗布のための機器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/00 20060101AFI20171127BHJP
   B05B 11/00 20060101ALI20171127BHJP
   B65D 83/76 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   B65D83/00 M
   B65D83/00 J
   B05B11/00 101D
   B65D83/76 120
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-557045(P2012-557045)
(86)(22)【出願日】2011年3月10日
(65)【公表番号】特表2013-522126(P2013-522126A)
(43)【公表日】2013年6月13日
(86)【国際出願番号】US2011000448
(87)【国際公開番号】WO2011112257
(87)【国際公開日】20110915
【審査請求日】2014年3月3日
【審判番号】不服2016-1153(P2016-1153/J1)
【審判請求日】2016年1月27日
(31)【優先権主張番号】12/723,428
(32)【優先日】2010年3月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500106743
【氏名又は名称】エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ, ジェフェリー, エー.
(72)【発明者】
【氏名】クリンクハマー, マイケル, イー.
(72)【発明者】
【氏名】ザック, スティーブン, エー.
(72)【発明者】
【氏名】ワートレイ, ラッセル, ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ライス, ウィリアム, ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ジャイチャンドラ, ドライスワミ
(72)【発明者】
【氏名】デュネス, マーク, ディ.
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャンセン, ケイス, シー.
(72)【発明者】
【氏名】バトラー, ジェフェリー, イー., ジュニア.
(72)【発明者】
【氏名】バン デュク, トマス
(72)【発明者】
【氏名】ディマール, デイビッド, エー.
(72)【発明者】
【氏名】チャーリーズ, ローランド
(72)【発明者】
【氏名】キエリー, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】アナスタシアディス, ジョン
【合議体】
【審判長】 久保 克彦
【審判官】 谿花 正由輝
【審判官】 井上 茂夫
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭49−115342(JP,U)
【文献】 実開昭64−050714(JP,U)
【文献】 特表2009−500254(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/105232(WO,A1)
【文献】 特表2011−513509(JP,A)
【文献】 実開昭60−175249(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D83/00
B65D83/76
B05C11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動性材料の塗布のための機器であって、前記機器が、
長手方向軸、底部、頂部、および流動性製品を格納し得る第1の内部容積を規定する取り囲まれた境界を含む第1のセクションであって、前記第1のセクションが、外側表面、および前記外側表面から延びる隆起をさらに含む、第1のセクションと、
底部、頂部、および第2の内部容積を規定する実質的に取り囲まれた境界を含む第2のセクションであって、前記第1のセクションの少なくとも一部が前記第2の内部容積内に嵌合するように前記第1のセクションがサイズ設定され、前記第2のセクションがスロットをさらに備える、第2のセクションと、
を備え、
前記隆起が、前記第2のセクション中の前記スロットの少なくとも一部分を通って嵌合するように、前記第1のセクション上に提供され、
前記スロットが直線状ではなく、
前記直線状ではないスロットは、少なくとも2つのエレメント、および隣する前記エレメントの間に形成された少なくとも1つの角部を備え、
前記第1のセクションが、前記第2のセクションに対してスライド可能であり、
前記第2のセクションが、前記第2のセクションの前記取り囲まれた境界の内側に向いた表面に取り付けられた押出し部材をさらに備え、
前記押出し部材は、前記第2の内部容量の少なくとも一部分を通って延びる機器。
【請求項2】
前記隣接するエレメントが約15度〜約90度の相対角度で並べられている、請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記相対角度が約45度〜約90度である、請求項2に記載の機器。
【請求項4】
前記少なくとも2つのエレメントが同じ長さである、請求項1に記載の機器。
【請求項5】
前記第1のセクションが、前記第1のセクションの中央から外向きの広がるリップをさらに備える、請求項1に記載の機器。
【請求項6】
前記第1のセクションが製品ガイド部をさらに備え、前記製品ガイド部が、前記第1のセクションの前記取り囲まれた境界の前記内部表面内に移動可能に配置され、前記製品ガイド部および前記押出し部材は、前記製品ガイド部が前記押出し部材に係合し得るように提供される、請求項に記載の機器。
【請求項7】
前記第1のセクションの前記内部容積に製品が格納され、前記製品が、前記押出し部材に係合する前記製品ガイド部の反対側に格納される、請求項に記載の機器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2009年2月29日出願の米国特許出願第12/388,588号の優先権を主張し、本出願は当該特許出願の一部継続出願である。
【0002】
いくつかの実施形態では、本開示は、経済的に配慮した、ユーザフレンドリーな製品塗布器である。
【背景技術】
【0003】
清浄用途で使用するための自己粘着性化合物は、新しく刺激的な技術である。たとえば、エス.シー.ジョンソン アンド サン,インコーポレイテッド(米国ウィスコンシン州ラシーン)によって製造および販売されるScrubbing Bubbles(登録商標)トイレ用ゲル製品は、ケージ、またはケージをサポートするための他の道具を使用することなく、ユーザのトイレを洗浄し、きれいにする方法をユーザに提供する。現在、トイレ用ゲル製品は、前方に押す動作と同時に押し下げられ得るボタンを有する塗布器を使用して分注される。この塗布器は、米国特許第7,520,406号に記載されている。
【0004】
大きな商業的成功を収めているが、発明者らは、驚くべきことに、この製品が幅広い魅力を有しているわけではないということに気付いたが、これは、一部の潜在的な顧客は、ゲル製品の適用性にのみ基づくのではなく、塗布器(アプリケータ)の使用の適切な方法が分かりづらいことを理由に、この製品を敬遠することが場合があることが分かったからである。既存の塗布器はこの製品を比較的均一で安定的な一定量を出しているにもかかわらず、そのように認識されていることは、さらに驚くべきことである。
【0005】
この新たに発見された問題に対処するために、改良された分注システムについて、本明細書で説明する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7,520,406号公報
【特許文献2】米国意匠登録第D423,639号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2008−0190457号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2009−0325839号明細書
【特許文献5】米国特許第6,667,286号公報
【特許文献6】国際公開第2009/105233号
【特許文献7】米国特許出願公開第2007/0007302号明細書
【発明の概要】
【0007】
第1の非限定的な実施形態では、自己粘着性製品の塗布のための機器(デバイス)は、少なくとも第1のステップおよび第2のステップで動作し得、第1のステップおよび第2のステップは、時間的に離れている。
【0008】
第2の非限定的な実施形態では、自己粘着性製品の塗布のための機器がユーザによって動作され得、(a)ユーザは、1つの手とその1つの手の1つの親指とを有し、(b)ユーザが1つの手の少なくとも1つの親指を使用することなく、機器が動作され得る。
【0009】
第3の非限定的な実施形態では、流動性材料の塗布のための機器は、(a)長手方向軸、底部、頂部、および流動性製品を格納し得る第1の内部容積を規定する取り囲まれた境界を含む第1のセクションと、(b)底部、頂部、および第2の内部容積を規定する実質的に取り囲まれた境界を含む第2のセクションであって、第1のセクションの少なくとも一部が前記第2の内部容積内に嵌合するように第1のセクションがサイズ設定される、第2のセクションとを含み得、(c)第1のセクションが、外側表面と、その外側表面から延びる隆起とをさらに備え、(d)第2のセクションがスロットをさらに備え、隆起は、第2のセクション中のスロットの少なくとも一部分を通って嵌合するように第1のセクション上に設けられ、スロットは連続し、第1のセクションが第2のセクションに対してスライド可能である。
【0010】
具体的な非限定的な実施形態に関する以下の詳細な説明は、同様の構造が同様の参照番号で示される以下の図面と一緒に読むと最もよく理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】機器の非限定的な実施形態の斜視図である。
図2】(A)は、機器の第1のセクションの非限定的な実施形態の斜視図であり、(B)は、機器の第2のセクションの非限定的な実施形態の斜視図である。
図3】線3−3に沿って切り取られた図2(A)の第1のセクションの断面図である。
図4】線4−4に沿って切り取られた図2(B)の第1のセクションの断面図である。
図5】(A)は、スロットの非限定的な実施形態の上面図であり、(B)はスロットの非限定的な実施形態の上面図であり、(C)はスロットの非限定的な実施形態の上面図である。
図6】(A)は、使用時の機器の例示的な実施形態を示す図であり、(B)は、使用時の機器の例示的な実施形態を示す図であり、(C)は、使用時の機器の例示的な実施形態を示す図であり、(D)は、使用時の機器の例示的な実施形態を示す図であり、(E)は、使用時の機器の例示的な実施形態を示す図である。
図7】(A)は、使用時の機器の例示的な実施形態を示す図であり、(B)は使用時の機器の例示的な実施形態を示す図であり、(C)は、使用時の機器の例示的な実施形態を示す図である。
図8】(A)はスロットの例示的な実施形態を示す図であり、(B)はスロットの例示的な実施形態を示す図である。
図9】スロットの例示的な実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[定義]
本明細書で使用する場合、「自己粘着性製品」とは、表面に粘着し得る、あるいは表面からの自立を提供し得る、任意のゲル、ペースト、ワックス、固体などを指す。自立とは、製品が、定位置に製品を維持する、および/または支持する、ならびに/あるいは懸架するための任意の追加の機器または他の機械的手段を必要としないことを意味する。いくつかの実施形態では、製品に対して作用する重力が存在し得る。たとえば、製品は、縁の下方の便器の側面に粘着されることが意図され得る。いくつかの実施形態では、表面は、便器またはシンクのようなセラミック表面である。他の非限定的な実施形態では、表面は、ガラス、金属、プラスチック、石などであり得る。いくつかの実施形態では、自己粘着性製品は、明示的に、糊の独立した層を含まない。表面への粘着のための手段を提供するために使用することができる多くの糊は、表面に望ましくない残留物を残すと考えられている。いくつかの他の実施形態では、自己粘着性製品は、表面に残留物を残すことなく、粘着した表面から洗い流すことができる。他の実施形態では、製品の組成は、全体に、実質的に均一とすることができる。1つの実施形態では、製品は、1回または複数回水洗した後に、表面から洗い流され得る。
【0013】
特定の実施形態では、自己粘着性製品は、1つまたは複数の界面活性剤を備え得る。他の実施形態では、自己粘着性製品は、機械的支持ユニット中に配置されなくてもよい。他の実施形態ではさらに、自己粘着性製品は、トイレケア製品であり得る。トイレケア用途に使用することができる例示的な自己粘着性製品は、エス.シー.ジョンソン アンド サン,インコーポレイテッド(米国ウィスコンシン州ラシーン)から入手可能なScrubbing Bubbles(登録商標)トイレ用ゲル製品である。例示的な機械的支持ユニットは、米国意匠登録第D423,639号に記載されている。いくつかの実施形態では、分注されるおよび/または任意の有益な効果を奏する製品は、製品を提供する、および/または送達する、ならびに/あるいはその有益な効果を奏するときに、支持機器内に配置される、あるいは支持機器と連携して使用されなければならないので、機械的支持ユニットは、塗布器および/またはアプリケーションデバイス(「機器」)とは区別され得る。
【0014】
[自己粘着性製品:粘着および使用特性]
単純化された例示的な実施形態において、自己粘着性製品は、機械的機器を使用しない第1の構成では、便器の内側表面のような非水平表面に付着され、水洗の水などからの偶発的な力にさらされるにもかかわらず、第1の構成おいて実質的に維持され得る任意の製品とすることができる。
【0015】
1つの実施形態では、自己粘着性製品は、本明細書に記載される「耐水洗試験」を受けたときに、少なくとも約5回の水洗にわたって便器の表面に粘着する任意の製品であり得る。別の実施形態では、自己粘着性製品は、少なくとも約100回超の水洗にわたって便器の表面に粘着する。さらに別の実施形態では、自己粘着性製品は、約500回超の水洗にわたって便器の表面に粘着する。さらに別の実施形態では、自己粘着性製品は、約5〜約1000回の水洗にわたって便器の表面に粘着する。異なる実施形態ではさらに、自己粘着性製品は、約100〜約1000回の水洗にわたって便器の表面に粘着する。別の実施形態では、自己粘着性製品は、約100〜約500回の水洗にわたって便器の表面に粘着する。
【0016】
放出あるいは消費され得る自己粘着性製品の量に関して、いくつかの実施形態では、耐水洗試験によれば、自己粘着性製品は、1回の水洗あたり初期製品重量の約0.5%〜約2%を損失する製品である。
【0017】
当該製品は、初期サイズ、初期形状、初期重量、初期密度を有し、かつ、意図された目的に好適な任意の製品分布を有し得ることが、当業者には了解できよう。1つの非限定的な実施形態では、自己粘着性製品の初期重量は、約2g〜約15gであり得る。別の非限定的な実施形態では、当該製品の初期重量は、約5g〜約10gであり得る。いくつかの実施形態では、自己粘着性製品の形状は、対称形、非対称形、丸型、正方形、星形、ハート型、三角形、ドーム型、円形、楕円形、四角形、八角形、六角形、五角形など、およびそれらの組合せからなるグループから選択され得る。
【0018】
[自己粘着性製品:製品プレゼンテーション]
自己粘着性製品は、意図された用途に好適な任意の製品形態または製品状態で提供され得る。いくつかの実施形態では、自己粘着性製品は固体であり得る。固体形態の場合、自己粘着性製品は、押出し成形の結果物であり得る。この製品は、展性のものであり得る。この製品は、表面に強力に粘着することができる。本明細書に記載される「硬度試験」によれば、この製品の硬度は、約50〜約150×1/10ミリメートルであり得る。固体形態の例示的な自己粘着性製品は、米国特許公開第2008−0190457号に記載されている。
【0019】
他の実施形態では、自己粘着性製品はゲルであり得る。ゲルは、熱溶融製法(ホットメルトプロセス)によって形成され得る。ゲルの溶融温度は、摂氏約50度〜摂氏約80度であり得る。ゲルの粘度は、円錐平板粘度計によって測定した場合に、約150,000cps〜約400,000cpsであり得る。いくつかの実施形態では、ゲル形態の自己粘着性ゲル製品は、湿潤表面と乾燥表面の両方に自己粘着することができる。例示的な自己粘着性製品が米国特許出願公開第2009−0325839号に、記載されている。
【0020】
[製品プレゼンテーション:表面拡散]
前述のように、開示された組成物は、とりわけ、移動性、活性成分輸送性、および安定性の向上という、既存の組成物を上回る予測しなかった利益を提供する。詳細な説明にしたがって例示的な組成物を作製し、以下に記載する「表面拡散試験」を使用して、その組成物の表面拡散について試験する。
【0021】
驚くべきことに、界面活性剤を添加すると、組成物の輸送性が著しく向上することがわかった。1つの実施形態では、組成物は、55秒未満の輸送速度因子を提供する。別の実施形態では、組成物は、約50秒未満の輸送速度因子を提供する。さらに別の実施形態では、組成物は、約0秒〜約55秒の輸送速度因子を提供する。別の実施形態では、組成物は、約30秒〜約55秒の輸送速度因子を提供する。さらに別の実施形態では、組成物は、約30〜約50秒の輸送速度因子を提供する。さらに別の実施形態では、組成物は、約30秒〜約40秒の輸送速度因子を提供する。
【0022】
[製品プレゼンテーション:粘着性]
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される製品は、比較的過酷な状況下で固体表面に粘着することができる。驚くべきことに、以下に記載する「粘着性試験」によって測定した場合に、この製品は、有利にも、少なくとも5時間の期間にわたって表面に粘着することができることがわかった。1つの実施形態では、この製品の最小粘着性は、約8時間超である。別の実施形態では、この製品の最小粘着性は、約8時間〜約70時間である。
【0023】
[塗布器(アプリケータ)]
米国特許第7,520,406号に記載される機器と同様に、制御された単位用量の自己粘着性化合物、流動性材料および/または流動性自己粘着性材料を表面に正確に塗布するために、本出願の塗布器10の多くの実施形態が使用され得る。1つの実施形態では、制御された用量の洗浄する、殺菌する、および/または芳香する流動性の粘着性ゲルを、トイレ、小便器、浴槽、シャワーなどの表面に塗布するために、塗布器10を使用することができる。米国特許第6,667,286号に例示的な自己粘着性製品が記載されている。国際公開第2009/105233号に、自己粘着性製品の代替例が記載されている。米国特許第6,667,286号および国際公開第2009/105233号に記載された製品もまた、流動性であると見なすことができる。いくつかの実施形態では、材料が、当該材料および製品の1つまたは複数の側部、および/または面、および/または部分に沿った最小限の力によって変位し得る場合、その材料は流動性であると見なすことができる。そのような材料の別の非限定的な例が、米国特許出願公開第2007/0007302号に記載されている。記載された実施形態では、この製品は、少なくとも150,000cpsの粘度を有するように記載されている。他の実施形態では、この製品の粘度は、約150,000cps〜約400,000cpsである。
【0024】
本明細書に記載されるように、本明細書に開示されたいくつかの実施形態は、自己粘着性製品用の塗布器に関する。図1に、塗布器10の1つの非限定的な実施形態を示す。例示された実施形態では、第1のセクション13と第2のセクション17とが存在する。第1のセクションは、第2のセクションの内部容積内に第1のセクション17が嵌合する、あるいは並ぶように設計され、サイズ設定され得る。図示された実施形態では、第1のセクション13の外側表面から延びた隆起20が存在する。隆起20は、第2のセクション17のスロット25の少なくとも一部分を通って隆起20が嵌合し得るように設計され、サイズ設定され得る。いくつかの実施形態では、スロット25は連続し得る。他の実施形態では、スロット25は、直線状でなくてもよい。
【0025】
図2(A)に、第1のセクション13の例示的な実施形態の斜視図を示す。第1のセクションは、長手方向軸と、底部12bと、頂部12aと、取り囲まれた境界12cとを備える。第1のセクション13は、そこから外向きに延びた隆起20をさらに備え得る。図示された実施形態では、第1のセクション13は、製品ガイド部30が第1のセクションの内側表面から延び得るように第1のセクション13の内部容積の少なくとも一部を占めるように並べられた製品ガイド部30をさらに備える。製品ガイド部30はスライド可能とすることができ、それにより、第2のセクション17または何らかの他の部品は、第1のセクション13に対して製品ガイド部30を押す、あるいは、第1のセクション13に対する製品ガイド部30の運動を開始することができる。製品ガイド部30のこの運動により、ディスペンサ10からゲル製品を分注するための1つの可能な手段(図1)を提供し得る。このスライド運動および/または相互作用のより詳細な説明について、以下に説明する。
【0026】
図2(A)に示されるように、第1のセクション13aは、第1のセクション13の中央から外向きに広がったリップ13aを有し得る。このリップセクションを使用して、ゲル製品を形成および/または成型し得る区域が提供され得る。
【0027】
図2(B)に、第2のセクション17の斜視図を示す。第2のセクション17は、特に、底部14bと、頂部14aと、その間の実質的に取り囲まれた境界14cとを備える。第2のセクション17は、長手方向のアクセスをさらに含む。第2のセクション17はまた、隆起、または第1のセクション13(図2(A))などの対合構成要素を制御された相対的なスライド関係にすることができる手段を受けるようにサイズ設定され得る少なくとも1つのスロット25を含む。図示された実施形態では、第2のセクション17は、第1の部分13(図2(A))の少なくとも一部を受け入れ得る、実質的に中空の内部容積43を提供する。
【0028】
図3に、線3−3に沿って切り取られた図2(A)の第1のセクション13の断面図を示す。第1のセクション13は、第1のセクション13の内部容積から分注される製品50を受け得るリップ13aを備える。使用中、第1のセクション13と第2のセクション17とが接続されると、押出し部材(60、図4)は、製品ガイド部30と係合し得る。たとえば、第1のセクション13の隆起20が第2のセクション(17、図4)のスロット(25、図4)と整列し、第1のセクション13と第2のセクション17とがスライド関係にある実施形態では、押出し部材60は、次いで、(ユーザが押したことによって提供される)通常の力を製品ガイド部30に与え、それにより、製品50を第1のセクション13の内部容積からリップ区域13aの内部容積に動かすことができる。
【0029】
図4に、線4−4に沿って切り取られた図2(B)の第1のセクション17の断面図を示す。上記で論じたように、図示された実施形態では、第2のセクション17は、第1のセクション(13、図3)の製品ガイド部(30、図3)と係合し得る押出し部材60をさらに備える。
【0030】
[スロット設計]
連続するスロット25(図1)を提供することによって、特定のスロット形状に応じて、2ステップ方法、または1つの連続する動作、または「親指を使用しない」動作のいずれかでディスペンサ10を使用し得るので、製品の分注が劇的に簡単になると考えられる。
【0031】
図5(A)に、スロット25の例示的な実施形態を示す。水平エレメント26aと垂直エレメント26bとが存在するようにスロットが提供される。水平エレメントは、X軸と実質的に平行であり得る。水平エレメントは、X軸と実質的に平行であり得る。ユーザは、「係止」位置(すなわち、隆起(25、図1)が第2のセクション17(図1)の本体の一部分とy方向に整列するように整列している)から、「非係止」位置(すなわち、隆起がスロット25とy方向に整列するように整列している)まで隆起を動かすための第1のツイスト動作を実行し得るので、そのようなスロット構成により比較的容易な2ステップ塗布方法が可能になると考えられる。非係止位置になると、ユーザは、塗布器10に力を加えて、第1のセクション13と第2のセクション17とを互いに対して動かすことができ、その運動は、隆起およびスロットによって実質的にガイドされる。
【0032】
本明細書に開示されたいくつかの実施形態において、「2ステップ作動」とは、少なくとも、第2のステップとは時間的に区別される第1のステップを必要とする、製品の塗布および/または作動プロセスを指す。つまり、ユーザは、この塗布および/または作動プロセスにおいて、異なる複数の物理的動作および/または機能を分離することが可能であり得る。たとえば、ユーザは、ボタンを押し(第1のステップ)、同時に、機器を押し下げる、あるいは動作させ(第2のステップ)なくてもよい。
【0033】
2ステップ作動を必要とすることによって、作動させるために、ボタンを押しながら、同時に機器を押さなければならない場合(すなわち、米国特許第7,520,406号)において消費者に起こり得る混乱が回避されると考えられる。
【0034】
図5(B)に、スロット25の代替実施形態を示す。図5(A)に例示された実施形態では、水平エレメント26aと垂直エレメント26bとが存在するようにスロットが提供される。水平エレメントは、水平エレメントは、X軸と実質的に平行であり得る。水平エレメントは、X軸と実質的に平行であり得る。非係止位置になると、ユーザは、塗布器10に力を加えて、第1のセクション13と第2のセクション17とを互いに対して動かすことができ、その運動は、隆起およびスロットによって実質的にガイドされる。
【0035】
図5(C)にスロット25の一実施形態を示し、スロット25は、複数の対角線上に配向されたエレメント26cを備える。対角線上に配向されたエレメント26cは、1つのエレメントから別のエレメントに動かすために必要とされる力および/または動きが最大となるように、互いから一定の角度で提供され得る。図5(C)に示された実施形態では、対角線上に配向されたエレメント26cは、約90度の相対角度で配向される。いくつかの実施形態では、エレメント(26a〜c)間の相対角度は、約15度〜約90度であり得る。いくつかの他の実施形態では、エレメント(26a〜c)の相対角度は、約45〜約90度であり得る。
【0036】
[スロットおよび隆起設計]
図8(A)にスロット25および隆起20の例示的な実施形態を示し、スロット25および隆起20は、互いに対して1つのセクションで偶発的に動かないようするためのロックアンドキー構成を備え、その構成は、ロックアンドキー構成を備えていないことがある無認可リフィルの使用を防止するのにも役立つ。
【0037】
図8(B)に、スロット25および隆起20の代替的な例示的実施形態を示し、隆起20は、隆起が水平セクションの同調しているセクションの下に、多くの実施形態では、スロット25の最後の部分にはまり、したがって、第2のセクションから第1のセクショが比較的容易に分離するように成形されている
【0038】
図8(C)に、図8(B)に記載された隆起20の実施形態の斜視図を示す。隆起20は傾斜した、あるいは窪んだ面を有し得、その面は、第2のセクションの同調して鍵を掛けられた部分と接触し得る。
【0039】
[塗布器(アプリケータ)の使用]
[2ステップ]
上述のように、開示された分注システムの1つの予期しない恩恵は、ユーザが自分の親指を使用せずにこの機器を使用することが可能であり得る点である。驚くべきことに、比較的優れた運動技能の使用を必要とする機器を使用するとき、使用には比較的高いレベルの混乱および/または困難が存在し得る。たとえば、驚くべきことに、ボタンを押すために親指を使用しなければならないことがある機器の一部のユーザは、機器を適切におよび/または簡単に作動させるために必要な強さを有していないことがあることが分かった。本明細書に開示された実施形態のうちのいくつかは、連続するスロットを提供することによってこの問題に対処し、ユーザは、この機器から任意の組成物を分注するために、塗布器に単に力を加えるだけでよい。図5(A)〜図5(C)に示された実施形態では、垂直セクション(26b)および/または対角セクション(26c)間に一定の距離を提供することによって、特に計量された用量を提供することができる。したがって、ユーザは、連続するスロット構成を備える機器10(図1)を把持し、それを装填し(すなわち、隆起が垂直セクションと整列するように、第1のセクションを第2のセクションに対して動かす)、次いで、機器に力を加えることによって、機器を作動させることが可能であり得る。
【0040】
図6(A)〜図6(E)に、そのような機器の使用時における例示的な実施形態を示す。図6(A)は、ユーザ5が保持し得る際の例示的な機器10を示す。図6Aに示された実施形態では、機器10は、第1のセクション13および第2のセクション17が、スロット25内の第2の可能な位置(始動位置)に隆起がセットされるような関係となるように提供される。図示の実施形態では始動位置は、スロットが水平セクション26aと整列するように提供される。水平セクション26aを始動位置にすることによって、機器10は、偶発的には作動できない。
【0041】
図6(B)に、「装填」後の図6(A)の機器の例示的な図を示す。例示的な実施形態では、第1のセクション13および第2のセクション(17)は、隆起が垂直セクション26bと整列するように隆起20がスロット25内に提供されるように、互いに対して回転し得る。これにより、ユーザ5に単純な方法が提供され、その方法によって、ユーザ5は、第1のステップで、機器を使用するために「装填」する、あるいは換言すると、機器を準備することができる。
【0042】
図6(C)は、作動後の図6(A)および図6(B)の機器の例示的な図を示す。例示的な実施形態では、ユーザ5は、表面1に垂直な成分を有する力を機器10に加え、第1のセクション13に対して第2のセクション17動かし、構成要素50を第1のセクション13から押し出して、それが粘着し得る表面1に接触させることができる図6(D)は、第2のステップ(通常の力の印加)が実行された後の機器10の例示的な図を示す。図6(A)〜図6(D)に示された実施形態では、機器10の背面10aに力が加えられる。
【0043】
驚くべきことに、2つの部分ではあるが単一のステップの塗布を困難だと感じ得る消費者は、本明細書に開示された様々な実施形態に例示されるような2ステップ塗布による製品を、非常に高いレベルで適切に使用することに成功した。別々の時間単位に複数の部分(すなわち、2つ以上のステップ)を行えば、ユーザは使用中に混乱しないことと考えられる。
【0044】
[片手による親指を使用しない動作]
さらに驚くべきことに、本明細書に開示された、いくつかの実施形態の予期しない恩恵は、この機器が親指を使用しない動作で作動され得ることであることが分かった。つまり、消費者は、任意のボタンを押すために、親指を使用する必要がない。消費者にとって特に喜ばしいことは、機器を作動させながら、ボタンを押すという同時のアクションである。
【0045】
図7(A)〜図7(C)に、図6(C)に示されたものと同様のスロット25の構成を使用するディスペンサ10の例示的な実施形態を示す。図7(A)に示された実施形態では、ディスペンサ10は、連続するスロット25を備え、連続するスロットは、1つまたは複数の対角セクション26cで構成される。そのような機器を提供することによって、ユーザは、単一の押出し動作で、第1のセクション13および第2のセクション17を互いに対して動かし得る。図示された実施形態では、隆起20は、スロット25の対角セクション26cを通してガイドされ、機器を片手で動作させることが可能になる。つまり、力を加えた後に、計量された用量の製品をディスペンサ10から放出することができる。
【0046】
本明細書に開示された実施形態のうちの多くの1つの特に驚くべき恩恵は、ユーザの親指を使用することなく、ディスペンサ10を使用し得ることである。たとえば、2ステップ塗布を必要とする実施形態では、ユーザは、第1および/または第2のステップ、ならびに/あるいは適切な作動に必要であり得る任意の他のステップを実装するために、自分の両手の親指を使用しなくてもよい。
【0047】
同様に、機器10を作動させるために単一の動作が必要な実施形態では、ユーザは、機器10を作動させるために、自分の両手の親指を使用しなくてもよい。
【0048】
[塗布器の使用:セクションサイズの考察]
図9に、水平セクション26aと垂直セクション26bとを有するスロット25の非限定的な例示的実施形態を示す。図示された実施形態の垂直セクション26bの幅は可変である。1つの実施形態では、隆起20の幅(Wpro)は、垂直セクション26bの底端部の幅(Wbottom)よりも小さくし得る。隆起の幅(Wpro)は、垂直セクションの頂端部の幅Wtopよりも大きくし得る。実際には、ユーザは、機器の材料が、セクション26aおよび26bの周囲にいくらかの可撓性があるように選択され得る場合、隆起20を垂直セクション26bの頂端部を通して押し出させるために最小量の力を与えなければならない。特定の実施形態では、垂直セクション26bは、垂直面が隆起20に対して凹むように提供され得る。凹部は、隆起が垂直セクション26bを通って押されるときに、機器が比較的スムーズで均等に撓曲するように提供される。さらに、隆起20が始動位置から終了位置まで動く際に、機器は「クリック」音または何らかの種類の可聴キューを生成する。
【0049】
[試験方法]
[耐水洗試験]
標準的な配管セットに取り付けられた大容量の便器(アメリカンスタンダード カデットモデル、アメリカンスタンダード社、米国ニュージャージー州ピスカタウェイ)を使用する。使用する水温は華氏約80度である。この水は、CaCo 約12 ppmの「中」硬度である。約7〜約10gの本製品を計量し、初期重量を記録する。次いで、上縁から約2インチ下の便器の内側表面に、本製品を粘着させる。トイレを、ほぼ等間隔で約96分ごとに72回水洗する。最後の水洗から約30分後に、残留している製品を取り除き、残留している製品の重量を記録する。最終重量と初期重量との差を測定および記録し、次いで、水洗回数で除算する。得られた数値を「1回の水洗による損失」として記録する。次いで、「1回の水洗による損失」を初期重量で除算し得る。得られた数値は、「1回の水洗による初期製品の損失」として記録され得る。
【0050】
[硬度試験]
クレンジングブロックの硬度を評価するために使用される方法は「硬度試験」である。硬度測定値は、押出物の表面への針入度を1/10ミリメートル単位で表す。したがって、測定値150は、150×1/10ミリメートル針入度、すなわち、15ミリメートル針入度である。使用した機器20は、23度角で重量102.4グラムの大口径コーンを装備し、スピンドルの頂部に重量150グラムを荷重したプレシジョンペネトロメーター(シリアル番号10−R−S、米国イリノイ州シカゴ、プレシジョンサイエンティフィック社(Precision Scientific Co)製)であった。試験の方法ステップは、以下の通りであった。(1)試料は「X」インチ圧でなければならない。(2)試料を機器の台に置く。(3)試験試料の頂面および底面は比較的平坦でなければならない。(4)機器のメモリをゼロにセットし、コーンおよびスピンドルを上向き位置に戻してロックする。材料が残っている場合には、次の読取りのためにリセットする前に、コーンおよび先端からその材料をふき取る。(5)手動輪を使用して、コーンの先端が試料の表面に接触するまで、コーンを備えた機器のヘッド全体を下げる。(6)ゼロを再確認し30、コーンおよびスピンドルのリリースをつまむ。(7)10秒間リリースハンドルを保持し、ハンドルを放す。(8)ダイアルの数を読み取り、記録する。(9)試験試料の表面の異なる場所で、ステップ4〜8を3回繰り返す。(10)3つの記録された数を加算し、3で除算して平均を出す。この結果が、試験された試料の硬度である。
【0051】
この「硬度試験」では、上述の5試験方法を使用すると、硬度の単位は1/10ミリメートル単位の針入度であるので、数値が大きいほど、製品が軟らかいことを示す。クレンジングブロックが柔らかすぎる(すなわち、硬度の数値が高い)場合、製品の可鍛性が高すぎるので、ブロックの様な形状に製造するのは困難である。製品が硬すぎる(すなわち、硬度の数値が低い)場合、表面にクレンジングブロックを押すためにより大きな圧力が必要となり、粘着性がいくらか失われる。典型的には、乾燥表面に塗布されるクレンジングブロックについては、約20〜約160×1/10ミリメートル針入度の硬度が好ましい。典型的には、湿潤表面に塗布されるクレンジングブロックについては、50×1/10ミリメートル針入度よりも大きな硬度が好ましい。
【0052】
[粘着性試験]
以下に記載するように、例示的な硬い表面に粘着するための組成物の能力を測定する。華氏約86度〜華氏約90度の温度の作業スペースを準備する。作業スペースの相対湿度を約40%〜約60%に設定する。
【0053】
プレクシグラスに(ボンド接合およびグラウト注入された)3(y方向)×4(x方向)構成で配列された、12個の4.25インチ×4.25インチの標準的なグレードであるが、光沢のあるセラミックタイルボードを準備する。
【0054】
セルローススポンジを使用して、温かい(華氏約75度〜華氏約85度)水道水でボードを濯ぐ。次いで、温かい水道水で、再度、ボードを十分に濯ぐ。イソプロパのールで飽和させた、けば立ちのない布(たとえば、キムワイプ(登録商標)、キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポイテッド(米国ウィスコンシン州ニーナ))を使用して、タイルボード全体をふき取る。
【0055】
ボードを水平位置に(すなわち、ボードの平面が床または実験台上に倒すように)並べる。
【0056】
試料の底部が、ボードの最上部に水平に配向された(すなわち、x方向の)グラウト線に接触するように、直径が約1.5インチで重量が約5.5g〜約8.0gの試料をボードの表面に提供する。試料を互いに約2インチ離隔させる。永久マーカーを使用して、最上部のグラウトラインより約0.75インチ下に(x方向と平行な)直線を描く。
【0057】
次いで、ボードを垂直位置に(すなわち、ボードの平面が床または実験台と垂直となるように)並べる。垂直位置までボードを動かす間、タイマーを始動させる。タイルを試料の直径の約1.5倍の距離だけ試料が滑り落ちるのにかかる時間を測定し、「試料粘着時間」として記録する。
【0058】
[表面拡散方法]
「輸送速度因子」を以下に記載するように測定する。
【0059】
12インチ×12インチのつや消しガラスまたはエッチングガラスを、ガラスパネルを支持するのに十分な大きさの平底たらいに装着する。このたらいには、周囲条件下で摂氏約22度の室温で実験を実施している間にガラスパネルの表面に水が溜まらないように排水手段が設けられている。4インチ×4インチのセラミックタイルをガラスパネルの底縁部の各側で1つずつ使用して、水のたらいの底部の上にガラスパネルを支持する。ガラスパネルの中央の4インチは底部に接触しておらず、それにより、ガラスパネルから水が流れ落ちる。ガラスパネルがたらいの底部と約39度の角度になるように、ガラスパネルを並べる。
【0060】
ガラスパネルには、第1の縁部から対向する縁部まで0.5インチの測定マーカーが設けられている。
【0061】
ガラスパネルの9インチマークよりも約3.5インチ上方に、ガラス漏斗(40mm長×15mm ID出口、含有量>100ml)が設けられる。
【0062】
ガラスパネルを室温の水で清浄して、痕跡量の表面活性化剤を除去する。パネル上に広がった波が観察できなくなるまで、清浄されたガラスパネルを濯ぐ。
【0063】
約7gの組成物の試料(ゲルの場合、約1.5インチ直径の円)を、ガラスパネルの0マークの位置に塗布する。ビーカー4個分(各々が約200mL)の水をガラスパネルの頂部の上に高さ9インチの点までゆっくりと注ぎ、ガラスパネルに水を流して、組成物を調整することができる。
【0064】
約1分後、漏斗を塞ぎ、約100mLの水を入れる。さらに100mLの水を、約9インチマーカーまで、ガラスパネルにゆっくりと注ぐ。約10秒後、栓を取り除き、漏斗中の水がガラスパネルに排水される間、タイマーを始動させる。
【0065】
組成物よりも上を流れる水の膜の表面の波がガラスを上昇するのを観察し、組成物が5インチマーカーに達した時間を記録する。
【0066】
この試験を10回繰り返し、秒単位の時間を平均化し、「輸送速度因子」(秒単位の時間)として報告する。
【0067】
本明細書に開示された例示的な実施形態は、排他的であること、または本発明の範囲を必要以上に限定することを意図するものではない。例示的な実施形態は、当業者が特許請求された主題を実施することができるように、選択され、記載される。当業者に明らかであるように、前述の説明の範囲内で様々な変更を行うことができる。当業者に想定できるそのような変更も添付の特許請求の範囲に含まれるものである。
【0068】
本明細書において、「詳細には」、「好ましくは」、「典型的には」、「一般的に」、および「しばしば」のような用語は、特許請求の範囲を限定する、またはある特定の特徴が、特許請求された主題の構造または機能にとって決定的である、必須である、または重要であるということを示唆するために用いられるものではない。むしろ、本明細書において、これらの用語は、本明細書に開示された具体的な実施形態で利用しても、利用しなくもよい代替的な特徴なまたはさらなる特徴を強調することを意図するものにすぎない。また、本明細書において、「実質的に」および「約」のような用語は、任意の量的比較、値、測定、または他の記述に起因し得る本質的な不確実性の程度を表すために利用される。
【0069】
本明細書に開示された寸法および値は、記載されている正確な数値に厳密に限定されると理解されるべきではない。実際には、特段の記載がない限り、そのような寸法は各々、記載されている値と、その値の周辺の機能的に同等な範囲の両方を意味することが意図される。例えば、「50mm」と開示される寸法は「約50mm」を意味することが意図される。
【0070】
詳細な説明に引用されているすべての文書は、関連する部分について、参照として本明細書に組み込まれる。いかなる文書の引用も、それが先行技術であると認めるものと解釈されるべきではない。本明細書中の用語の意味または定義が、参照として組み込まれた文書中の用語の任意の意味または定義と矛盾する場合、本明細書中の用語に割り当てられた意味または定義が優先されるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9