特許第6243609号(P6243609)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243609
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】トンネル施工方法
(51)【国際特許分類】
   E21D 9/06 20060101AFI20171127BHJP
【FI】
   E21D9/06 311Z
   E21D9/06 301B
【請求項の数】1
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-26420(P2013-26420)
(22)【出願日】2013年2月14日
(65)【公開番号】特開2014-156691(P2014-156691A)
(43)【公開日】2014年8月28日
【審査請求日】2015年12月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001317
【氏名又は名称】株式会社熊谷組
(74)【代理人】
【識別番号】100080296
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】芳賀 宏
(72)【発明者】
【氏名】岩永 茂治
(72)【発明者】
【氏名】金田 則夫
【審査官】 神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−081584(JP,A)
【文献】 特開2007−132047(JP,A)
【文献】 特開昭59−154294(JP,A)
【文献】 特開2007−247327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管の先端側に掘削手段を備えた複数の管が掘削すべきトンネルの外周縁に沿って互いに隣り合うように配置されて当該複数の管で囲まれた筒内空間を有した筒状の外殻を形成し、当該筒状の外殻の先端側に設けられた複数の掘削手段で地山を掘削させるとともに当該筒状の外殻の後方から推進手段で当該筒状の外殻を前方へ押圧することによって当該筒状の外殻を推進させ地山に設置する外殻設置ステップと、
外殻設置ステップにより地山に設置された筒状の外殻で囲まれて当該筒状の外殻の外側の地山と縁切りされた当該筒状の外殻の内側の土砂を掘削する掘削ステップと、
掘削ステップによる掘削の終了した部分の筒状の外殻を推進させる外殻推進ステップと、
筒状の外殻の内側の土砂が掘削され当該筒状の外殻が推進した後の当該筒状の外殻の後方に位置するトンネル壁面に支保を形成する場合に、掘削ステップで筒状の外殻の内側の土砂を掘削した際の土砂の状態から判断される地山の状態に応じた支保を形成する支保形成ステップと、
を備えたことを特徴とするトンネル施工方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状の外殻を推進工法にて形成して切羽前方の地山に挿入し、外殻の内側の土砂を建設機械で掘削しながら外殻を推進させてトンネルを構築するトンネル施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
掘削すべきトンネルの外周縁に沿ってスキンプレートを形成するドーナツリング状のシールド本体と、このシールド本体のリング方向に沿って取付けられた複数の円形シールド機と、を備えたシールド掘削機を用い、ドーナツリング状の筒状掘削を行った後にシールド本体のドーナツ形状内部に残留する地山コア部分(土砂)を建設機械により掘削するトンネル施工方法が知られている(特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−81584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したトンネル施工方法によれば、シールド掘削機で地山を掘削するとともに外殻を構成するシールド本体で囲まれた土砂を建設機械で掘削することになるが、建設機械により掘削する部分はシールド本体で構成された外殻で囲まれた部分だけであるため、シールド掘削機が破砕帯を通過した場合、切羽が崩落してシールド本体で囲まれた部分の土砂も崩れる可能性が高くなり、建設機械による掘削作業を安全に行えない可能性があるという問題点があった。
本発明は、建設機械により掘削する土砂を囲む筒状の外殻の筒の中心軸線に沿った方向の長さを長くすることが可能となり、建設機械による掘削作業を安全に行えるようにできるトンネル施工方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るトンネル施工方法によれば、管の先端側に掘削手段を備えた複数の管が掘削すべきトンネルの外周縁に沿って互いに隣り合うように配置されて当該複数の管で囲まれた筒内空間を有した筒状の外殻を形成し、当該筒状の外殻の先端側に設けられた複数の掘削手段で地山を掘削させるとともに当該筒状の外殻の後方から推進手段で当該筒状の外殻を前方へ押圧することによって当該筒状の外殻を推進させ地山に設置する外殻設置ステップと、外殻設置ステップにより地山に設置された筒状の外殻で囲まれて当該筒状の外殻の外側の地山と縁切りされた当該筒状の外殻の内側の土砂を掘削する掘削ステップと、掘削ステップによる掘削の終了した部分の筒状の外殻を推進させる外殻推進ステップと、筒状の外殻の内側の土砂が掘削され当該筒状の外殻が推進した後の当該筒状の外殻の後方に位置するトンネル壁面に支保を形成する場合に、掘削ステップで筒状の外殻の内側の土砂を掘削した際の土砂の状態から判断される地山の状態に応じた支保を形成する支保形成ステップと、を備えたので、推進工法によって、筒状の外殻を推進させることで、建設機械により掘削する土砂を囲む筒状の外殻の筒の中心軸線に沿った方向の長さを長くすることが可能となり、建設機械によって外殻の内側の土砂を掘削する掘削作業を安全に行えるようになるとともに、推進させた外殻の後方に地山の状態に応じた適切な支保を形成することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】トンネル施工方法の概要を示す図。
図2】外殻と推進手段との関係を示す側面図。
図3】外殻と推進手段との関係を示す斜視図。
図4】外殻の先端を示す正面図。
図5】外殻の先端を示す正面図。
図6】管推進装置の断面図。
図7】管の推進方法を示す図。
図8】掘削機械揺動駆動装置を備えた管推進装置を示す断面図。
図9】(a)は先頭管の先頭部分を示した斜視図、(b)一対の第2の掘削ビット群の関係を示す断面図。
図10】(a)は回転掘削体の掘削時の状態を示す図、(b)は回転掘削体の回収時の姿勢状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態によるトンネル施工方法は、外殻設置ステップと、掘削ステップと、外殻推進ステップと、支保形成ステップと、を備える。
【0008】
図1乃至図5に示すように、外殻2Cは、先端側にそれぞれ掘削手段を備えた複数の管2;2…(以下、先頭管6という)が掘削すべきトンネルの外周縁に沿って互いに隣り合うように配置されて当該複数の先頭管6;6…で囲まれた筒内空間を有した先頭筒状体2Aと、当該先頭筒状体2Aを構成する各先頭管6;6…の後方に複数の管2;2…を順次連結していくことで形成される複数の管2;2…(以下、後続管7という)で囲まれた筒内空間を有した後続筒状体2Bと、により構成される。尚、外殻2Cは、先頭筒状体2Aと1つ以上の後続筒状体2Bとにより構成される。
即ち、先頭筒状体2Aの先端側に設けられた複数の掘削手段で地山10を掘削させるとともに先頭筒状体2Aの後方から推進手段4で先頭筒状体2Aを前方へ押圧することによって先頭筒状体2Aを地山10に推進させ、さらに、推進させた先頭筒状体2Aの後方に順次後続管7を連結して複数の管で囲まれた筒内空間を有した筒状の外殻2Cを形成し、掘削手段及び推進手段4を作動させて当該外殻2Cを地山10に推進させる推進工法によって、外殻2Cが形成されて地山10に設置される。
管2は、例えば、円弧を描くように曲がって延長するように形成された管(管の中心軸線(中心線)が曲線である曲管)、あるいは、真っ直ぐに延長する管(管の中心軸線(中心線)が直線である直管)、あるいは、管の互いに平行に対向する一方の一対の側壁が合同な台形に形成され、当該側壁の台形の互いに平行な辺縁が管2の中心軸線(中心線)と平行である側壁台形状に形成された管(管の中心軸線(中心線)が直線である側壁台形直管)であって、管の中心軸線と直交する面で管を切断した場合の断面形状が例えば後述する弧状四角形状(図4参照)又は台形形状(図5参照)等の管により形成される。
管2としては例えば鋼製の管が用いられる。
【0009】
外殻2Cは、例えば、図3;4に示すように管2の延長方向に沿った中心軸線と直交する断面形状が弧状四角形状の管2を掘削すべきトンネルの外周縁に沿って互いに隣り合うように配置して構成された円筒形状の筒状体に形成されるか、又は、図5に示すように管の延長方向に沿った中心軸線と直交する断面形状が台形形状の管2を掘削すべきトンネルの外周縁に沿って互いに隣り合うように配置して構成された円筒に近似した多角形筒形状の筒状体に形成される。
外殻2Cは、筒の周方向に沿って互いに隣り合うように配置された管2;2…同士が互いに面接触した筒形状に形成される。例えば、図3;4に示した円筒形状の外殻2Cの場合、互いに隣り合う断面弧状四角形状の管2の側面2s;2s同士を互いに面接触させて構成され、図5に示した円筒に近似した多角形筒形状の外殻2Cの場合、互いに隣り合う断面台形形状の管2の側面2s;2s同士を互いに面接触させて構成される。このように、筒の周方向に沿って互いに隣り合うように配置された管2;2…同士が互いに面接触した筒形状の外殻2Cに形成されるので、地山10の圧力を複数の管2で支え合う強固な構造の外殻2Cを構成できる。
即ち、外殻2Cは、複数の管2;2…が掘削すべきトンネルの外周縁に沿って互いに隣り合うように配置されて互いに隣り合うように配置された管2;2…同士が互いに面接触することにより構成されたアーチ状の断面形状を有した筒体に形成されればよい。
【0010】
外殻設置ステップ、及び、外殻推進ステップにおいて、先頭筒状体2A、あるいは、先頭筒状体2Aと1つ以上の後続筒状体2Bとが連結されて構成された連結筒状体、あるいは、先頭筒状体2Aと1つ以上の後続筒状体2Bとが連結されて外殻2Cを構成する筒状体(以下、これらをまとめて筒状体という)を推進工法によって推進させる筒状体推進装置は、先頭筒状体2Aを構成する各先頭管6;6…毎にそれぞれ設けられた掘削装置3と、推進手段4とを備える。
掘削装置3は、例えば、後述する基板25と、掘削手段の一例としての掘削機械26と、駆動源27と、水供給機構75と、排泥機構76とを備えた構成である。
先頭筒状体2Aを構成する複数の先頭管6;6…の先端側にそれぞれ設けられた掘削手段の一例としての掘削機械26は、例えば、後述する2つの回転掘削体46;46(ツインヘッダー)を備えた構成である。
推進手段4は、例えば、筒状体を押圧するための複数の油圧ジャッキ62;62…と、複数の油圧ジャッキ62;62…の押圧力を筒状体に伝達するための推進力伝達装置70と、筒状体の推進の際に複数の油圧ジャッキ62;62…に加わる推進反力を受ける支圧体62Aと、を備えた構成である。
推進力伝達装置70は、例えば、後述する推進力伝達棒状体71と推進力伝達用の当て材72と基板25と水密性能維持部材35と管側推進力受け部21とを備えた構成である。
推進力伝達用の当て材72は、例えば、筒状体の環状の後端面を構成する各管2;2…の後端より後方に突出する複数の推進力伝達棒状体71;71…に当てられる環状板に形成されたものを用いることによって、筒状体を一気に推進させることができる。
尚、外殻設置ステップにおいては、油圧ジャッキ62及び支圧体62Aは、立坑等により構成された発進基地100に設置され、外殻推進ステップにおいては、油圧ジャッキ62及び支圧体62Aは、推進させる筒状体の後方に配置される。
【0011】
トンネル施工方法の各ステップについて説明する。
外殻設置ステップにおいては、外殻2Cを推進工法によって地山10に設置する。まず、発進基地内に設置された先頭筒状体2Aを発進基地内から地山10に推進させる。即ち、先頭筒状体2Aを構成する各管2;2…の先端側に設けられた各掘削機械26;26…及び先頭筒状体2Aの後方に位置された複数の油圧ジャッキ62;62…を駆動させて先頭筒状体2Aを先頭筒状体2Aの各先頭管6;6…の先端側から地山10に向けて推進させる。そして、推進させた先頭筒状体2Aの各先頭管6;6…の後方にそれぞれ後続管7を発進基地内で連結し、各掘削機械26;26…及び先頭筒状体2Aの後方に位置された複数の油圧ジャッキ62;62…を駆動させて前後に連結された先頭筒状体2A及び後続筒状体2Bにより構成された連結筒状体を地山10に推進させる。以後、後続筒状体2Bの後方に順次後続の後続筒状体2Bを発進基地内で連結して上記と同様に各掘削機械26;26…及びその時点で最後方に位置する後続筒状体2Bの後方に位置された複数の油圧ジャッキ62;62…を駆動させていくことによって、先頭筒状体2Aと当該先頭筒状体2Aの後ろに接続された一つ以上の後続筒状体2Bとにより構成された外殻2Cが形成され、当該外殻2Cが地山10に設置される。
以後、外殻推進ステップにおいて、外殻2Cの先頭側に配置された各掘削機械26;26…及び外殻2Cの後方に配置された複数の油圧ジャッキ62;62…を駆動させて外殻2Cを前方に推進させていく。
掘削ステップにおいては、外殻2Cが地山10に設置された後、外殻2Cで囲まれて外殻2Cの外側の地山10と縁切りされた外殻2Cの内側に残存する地山10の土砂10A等をバックホウ等の建設機械11を用いて掘削する掘削作業を行う。
支保形成ステップにおいては、外殻2Cの内側に残存する土砂等が掘削され、かつ、外殻2Cを推進させた後の外殻2Cの後方に位置するトンネル壁面に支保12を形成する。
【0012】
例えば、外殻2Cを地山10に設置した後において、外殻2Cの内側の土砂等を掘削して、外殻2Cを前方に推進させた後の外殻2Cの後方に露出するトンネル壁面に支保12を形成するとともに、推進させた外殻2Cの内側の土砂を掘削する掘削作業を行うという施工手順を、繰り返していくことによって、トンネルを施工する。
この場合、外殻2Cの内側の土砂を掘削する掘削ステップでの掘削作業と外殻2Cの後方に露出するトンネル壁面に支保12を形成する支保形成ステップでの支保形成作業とを同時に行うことが可能となり、掘削ステップでの掘削作業と支保形成ステップでの支保形成作業とを同時に行うことによってトンネル施工作業の効率化が図れ、トンネル施工期間を短縮することが可能となる。
【0013】
実施形態1では、推進工法によって、先頭筒状体2A、及び、先頭筒状体2Aと1つ以上の後続筒状体2Bとが連結されて構成された連結筒状体を地山に推進させることで外殻2Cを形成するので、建設機械11により掘削する土砂を囲む筒状の外殻の筒の中心軸線に沿った方向の長さを長くすることが可能となり、建設機械11によって外殻2Cの内側の土砂を掘削する掘削作業を安全に行えるようになる。言い換えれば、建設機械11で掘削する地山10の切羽から外殻2Cの先端までの距離を長くすることが可能となり、例えば外殻2Cの先端が破砕帯を通過しても破砕帯の影響が建設機械11で掘削する地山10の切羽にまで及び難くなり、建設機械11で掘削する地山10の切羽が崩落し難くなるので、建設機械11による掘削作業を安全に行えるようになる。
また、建設機械11によって掘削される外殻2Cの内側の土砂は、一般発生土となることから、シールド工法で発生する発生土に比べて発生土の処理を少なくできる。
尚、外殻2Cを構成する筒の中心軸線に沿った方向の長さ(外殻2Cの延長長さ)は地山10の地質状態に応じて適宜決めればよい。
【0014】
また、外殻2Cによって地山10が支保されている状態で外殻2Cの内側の土砂を掘削する掘削作業を行えることから、ボーリング等による先行調査を行うことなく、掘削作業によって地山10の地質情報を正確に把握することができる。
そこで、支保形成ステップにおいては、掘削ステップで外殻2Cの内側の土砂を掘削した際の土砂の状態から掘削した部分の地山10の状態を判断して、当該地山10の状態に応じた支保12を形成する。即ち、地山10が軟弱地盤である場合はセグメントのような強固な支保12が必要であるとか、地山10が安定地盤である場合は吹き付けコンクリート等による簡易な支保12を形成すればよい、というようなことを判断できるようになるので、地山10の地質変化の状態に応じた適切な支保12を施工できる。例えば、外殻2Cの先端が破砕帯を突破した場合、後に外殻2Cの内側を掘削すると破砕帯があるということが分かるので、破砕帯に対応した場所には破砕帯に対応した強固な支保12を形成でき、また、地山10が安定している場合には吹き付けコンクリート等による簡易な支保12を形成できるので、従来のシールド工法のようにトンネルの全長に亘ってセグメントによる支保を形成する場合に比べて、支保の施工コストを低減させることができる。
【0015】
また、地山10から外殻2Cに加わる荷重を計測する図外の計測器を外殻2Cに設置しておく。このように計測器を外殻2Cに設置しておけば、地山10から支保12に加わる荷重を正確に把握することができるので、当該荷重に耐えることができる適切な支保12を適切な場所に形成することが可能となる。
【0016】
また、外殻2Cは、断面形状が弧状四角形状の管2を掘削すべきトンネルの外周縁に沿って互いに隣り合うように配置して管2;2…同士が互いに面接触した構成の円筒形状の筒状体に形成されるか、又は、断面形状が台形形状の管2を掘削すべきトンネルの外周縁に沿って互いに隣り合うように配置して管2;2…同士が互いに面接触した構成の円筒に近似した多角形筒形状の筒状体に形成されたので、地山10の圧力を複数の管2で支え合う強固な構造の外殻2Cを構成できる。この場合、大口径で強固な構造の外殻2Cを構成することも可能となるので、大口径トンネルを構築することが可能となる。
【0017】
また、掘削ステップでの掘削作業と支保形成ステップでの支保形成作業とを同時に行うので、トンネル施工作業の効率化が図れ、トンネル施工期間を短縮することが可能となる。
【0018】
尚、外殻推進ステップにおいて、支保12がセグメントやライナー等であれば当該セグメントやライナー等の支保12を支圧体62Aとして使用して外殻2Cを推進させればよい(図2参照)。支保12が吹き付けコンクリートであれば、図外の例えばグリッパー等を支圧体62Aとして使用して外殻2Cを推進させればよい(図1参照)。
【0019】
上述した筒状体を推進工法によって推進させる筒状体推進装置の一部を構成する管推進装置1の一例を図6及び図7に基づいて説明する。当該管推進装置1は、管2の先端側に掘削手段を備えて掘削すべきトンネルの外周縁に沿って互いに隣り合うように配置された複数の先頭管6;6…の1つ1つと当該1つ1つの先頭管6;6…の後方にそれぞれ連結された複数の後続管7;7…とにより形成された前後に延長する複数の管列のうちの1つ以上の管列を他の管列とは別に推進させることを可能とする構成である。
図6に示すように、管推進装置1は、上述した掘削装置3と推進手段4とを備える。尚、以下、図6における上側を先頭管6や管推進装置1の先頭あるいは前側と定義し、図6における下側を先頭管6や管推進装置1の後側と定義し、図6における左右側を先頭管6や管推進装置1の左右側と定義し、図6の紙面と直交する方向の上下側を先頭管6や管推進装置1の上下側と定義して説明する。
【0020】
先頭管6は、管の先端側に案内刃部を備えた構成であり、例えば、図6に示すように、管6xと、管6xの先端に設けられた案内刃部として機能する案内刃管9とで形成される。案内刃管9は、管の一方の開口端縁13が鋭利に形成された刃部14を備えた管である。
先頭管6は、案内刃管9の他方の開口端部と管6xの先端の開口端部8とが接続されて形成される。この場合、例えば、案内刃管9の管の外径寸法が管6xの管の外径寸法よりも大きく、案内刃管9の他方の開口端面15側には、開口端面15における管の内周面側が削られて、段差が設けられることで、管6xの先端の開口端部8を嵌め込む嵌合孔16が形成された構成とする。そして、案内刃管9の他方の開口部17に設けられた嵌合孔16内に管6xの先端の開口端部8を嵌め込み、かつ、これら両者が、ボルト接合,溶接などの図外の接続手段によって接続されることで、案内刃管9の他方の開口端部と管6xの先端の開口端部8とが接続された構成とする。このように、案内刃管9の他方の開口部17に設けられた嵌合孔16内に管6xの先端の開口端部8を嵌め込んで、案内刃管9が管6xの先端開口端面18を覆うように取付けられた構成としたことで、管6xの推進の際に、管6xの先端開口端面18が地山10の抵抗を受けず、推進抵抗を少なくできる。また、管6xの先端の開口端部8を嵌め込む嵌合孔16が形成された構成としたことで、管6xの先端に容易に案内刃管9を設置でき、先頭管6を形成するための管6xと案内刃管9との組み立てを容易とすることができる。この場合、先頭管6の矩形外周面において管6xと案内刃管9との間で段差が生じるが、この段差は、管2の矩形外周面と出発口の内周面とに設けられる水密性能維持部材により止水性能を維持できるように小さく(例えば、1cm程度)形成される。
【0021】
尚、案内刃管9と管6xとの外径寸法を同径とし、案内刃管9の他方の開口端面と管6xの先端開口端面18とを突き合わせた状態でこれらの境界部分を全周溶接、又は、点溶接することで先頭管6を形成してもよい。
また、管の先端側が案内刃管9として機能する案内刃部に形成された管を先頭管6として用いてもよい。
このようにすれば、先頭管6の矩形外周面の段差を小さくできるか、段差が生じないので、管2の矩形外周面と出発口の内周面とに設けられる水密性能維持部材による止水性能を良好に維持できる。
【0022】
先頭管6の管の内面20において、管の延長方向(管の中心線に沿った方向)の中央部よりも先頭側の位置には、管側推進力受け部21が設けられる。管側推進力受け部21は、後述する掘削装置3に設けられた基板25を介して推進手段4からの推進力を受けて先頭管6を推進させる。管側推進力受け部21は、先頭管6の断面(先頭管の中心線と直交する面で先頭管を切断した場合の断面)の内面を一周した矩形形状に対応した矩形枠外周寸法に形成された矩形枠体22により形成され、矩形枠体22の外周面23と先頭管6の管の内周面20aとが対応するように設置された状態で矩形枠体22が先頭管6の管の内周面20aに溶接、ボルト・ナットなどの図外の接続手段により固定される。
【0023】
掘削装置3は、基板25と、掘削機械26と、駆動源27と、水供給機構75と、排泥機構76とを備える。
基板25は、先頭管6の中心線と基板25の中心線とが一致するように配置されて先頭管6内を前後方向に移動可能に設けられる。基板25は、先頭管6の断面の内面を一周した矩形形状に対応した矩形板30により形成される。当該矩形板30の大きさは、先頭管6の断面の内面を一周した矩形の寸法よりも小さく、かつ、上記管側推進力受け部21を形成する矩形枠体22の矩形枠内周寸法よりも大きい。即ち、基板25を形成する矩形板30の前面39fにおける矩形周縁面33と、上記管側推進力受け部21を形成する矩形枠体22の枠後面32とが対向するように形成される。尚、基板25を形成する矩形板30の前面39fにおける矩形周縁面33と管側推進力受け部21を形成する矩形枠体22の枠後面32との間には例えば弾性体により形成された水密性能維持部材(パッキン)35が設けられる。水密性能維持部材35は、例えば、基板25を形成する矩形板30の前面39fにおける矩形周縁面33、又は、管側推進力受け部21を形成する矩形枠体22の枠後面32に取付けられる矩形枠体36により形成される。したがって、基板25に伝達された推進力が水密性能維持部材35を介して管側推進力受け部21に伝達されることにより、管2と掘削機械26とが一緒に推進する。
基板25の前面39fの中央部には、掘削機械26の支持部40の一端が固定される。
また、基板25の中央部には後述する耐圧ホース56を貫通させる貫通孔38aが形成される。
【0024】
掘削機械26は、支持部40と、回転部41とを備える。
支持部40は、1つの支柱42と2つの分岐支柱43とが組合されたT字状の中空支柱により形成される。支柱42の一端部には例えば図外の取付フランジが設けられ、この取付フランジがボルト及びナットのような固定具などによって基板25の前面39fの中央に着脱可能に固定されることによって支柱42の一端が基板25の前面39fの中央に固定され、支柱42が基板25の前面39fに対して直交する方向に延長する。2つの分岐支柱43は、支柱42の先端部(他端部)より支柱42の延長方向と直交する一直線上において互いに離れる方向に延長する。即ち、支持部40のT字状の中空路と貫通孔38aとが連通するように支柱42の一端が基板25に固定される。分岐支柱43の先端には、それぞれモータマウント44を備える。
【0025】
回転部41は、回転機構部45と、回転掘削体46とを備える。
回転機構部45は、例えばモータ47により構成される。各モータマウント44;44には、モータ47のケーシング48が固定される。
2つのモータ47;47の回転軸49;49は、支柱42の先端部より支柱の延長方向と直交する一直線上において互いに離れる方向に延長する。
回転掘削体46は、一端開口他端閉塞の筐体50と、筐体50の外周面51に設けられた複数の掘削ビット(掘削刃)52とを備える。
【0026】
モータ47は、例えば、流体圧により作動するモータ、あるいは、電気で作動するモータを用いる。例えば油圧モータ(以下、油圧モータ47とする)を用いる場合、駆動源27としての油圧源55と油圧モータ47のケーシング48内とが圧油供給路56a及び油帰還路56bを形成する耐圧ホース56で繋がれる。即ち、耐圧ホース56は貫通孔38a及び支持部40のT字状の中空路を介して油圧モータ47のケーシング48に接続される。油圧モータ47は、耐圧ホース56を介してケーシング48内に供給される圧油によって回転軸49が回転するように構成される。
【0027】
例えば、回転掘削体46の筐体50の他端閉塞内面(筐体の内底面)53の中心と回転軸49の回転中心とが一致するように、筐体50の他端閉塞内面53と油圧モータ47により回転する回転軸49の先端に設けられた連結板54とがねじ等の連結具57により連結される。
即ち、2つの回転掘削体46が2つの回転軸49;49に共通の1つの回転中心線Lを回転中心として回転するように構成される。つまり、先頭管6の推進方向と直交する回転中心線Lを回転中心として回転する2つの回転掘削体46;46を備える。このような2つの回転掘削体46;46を備えた構成は、ツインヘッダーと呼ばれる。先頭管6の推進方向と直交する回転中心線Lを回転中心として回転する2つの回転掘削体46;46を備えた所謂ツインヘッダーを用いた場合、推進方向と直交する面内における回転掘削体46の掘削幅を大きくできるので、掘削幅に応じた矩形幅の管2を容易に地山10に設置できるようになる。尚、管推進装置1としては、管2の推進方向と交差する回転中心線Lを回転中心として回転する回転掘削体46;46を有した掘削機械26を備えた構成であればよい。
【0028】
尚、回転掘削体46;46の前後位置は、管側推進力受け部21の設置位置を前後に変えることにより適宜調整すればよい。
例えば、図6に示すように、掘削ビット52の先端80と案内刃管9の刃先81とが案内刃管9の中心線と直交する1つの平面上に位置するように回転掘削体46;46を設置したり、図示しないが、掘削ビット52の先端80が案内刃管9の刃先81よりも前方側に突出するように回転掘削体46;46を設置したり、掘削ビット52の先端80が先頭管6内に位置するように回転掘削体46;46を設置する。
【0029】
掘削ビット52の先端80を案内刃管9の刃先81よりも前方側に突出させて回転掘削体46;46の掘削動作を行えば、案内刃管9の刃先よりも前方に位置する地山10を掘削ビット52により確実に掘削できるので、案内刃管9の刃先81が硬質の地山10に衝突して先頭管6を推進できなくなるような事態を少なくできる。例えば、回転中心線Lと案内刃管9の刃先81とが同一平面上に位置するように、掘削ビット52の先端80を案内刃管9の刃先81よりも前方側に突出させて回転掘削体46;46による掘削動作を行えば、案内刃管9の刃先よりも前方に位置する地山10を掘削ビット52によりさらに確実に掘削できるようになり、管2をより推進させやすくなるので、管2の設置作業をよりスムーズに行える。
【0030】
また、掘削ビット52の先端80を先頭管6内に位置させた状態で先頭管6の推進動作及び回転掘削体46;46の掘削動作を行えば、地山10に突刺された案内刃管9の刃先の内側に入り込んだ地山部分のみが掘削ビット52により掘削されるので、地山10の余掘り部分が少なくなり、地盤沈下等、地山10に与える影響を少なくすることができる。
【0031】
回転掘削体46;46の間には固定掘削体77を備える。
固定掘削体77は、分岐支柱43よりも前方に突出するように2つの分岐支柱43;43の境界部分の前方外周面に溶接又はボルト、ナット等の固定手段によって固定状態に取付けられる。
固定掘削体77は、例えば、上下間の中央部が案内刃管9の刃先81側に膨出する湾曲形状に形成され、この湾曲面の左右幅間の中心が湾曲面の周方向に沿って連続する鋭利な刃形状となるように形成された構成である。
このように、固定掘削体77は、上下間の中央部が案内刃管9の刃先81側に膨出する湾曲形状に形成された構成としたので、先頭管6が推進する際の地山10の抵抗を減らすことができ、先頭管6をよりスムーズに推進させることができるようになる。
【0032】
上記固定掘削体77が設けられていない場合には、掘削された土砂が回転掘削体46;46の間に詰まってしまう可能性があるが、回転掘削体46;46の間に固定掘削体77を設けた場合には、固定掘削体77が、先頭管6の推進により地山10に衝突することによって、地山10を削ったり、衝突した地山10部分にある土砂や岩を左右に振り分けて左右の回転掘削体46;46に仕向けたりするといった役割を果たすので、先頭管6をよりスムーズに推進させることができるようになる。
例えば、図6に示すように、固定掘削体77の上下間の中央と回転掘削体46の掘削ビット52と案内刃管9の刃先81とが先頭管6の中心線と直交する同一平面上に位置するように構成される。
このように固定掘削体77の上下間の中央と回転掘削体46の掘削ビット52と案内刃管9の刃先81とが先頭管6の中心線と直交する同一平面上に位置するように構成した場合は、上述したような、固定掘削体77が掘削に先立って地山10にひび割れを誘発させることにより掘削しやすくなるといった効果が得られるとともに、固定掘削体77が地山10に衝突してしまって先頭管6が推進しなくなるといったことも防止できる。
【0033】
尚、固定掘削体77の上下間の中央が回転掘削体46の掘削ビット52と案内刃管9の刃先81よりも後方又は前方に位置するように構成してもよい。
固定掘削体77の上下間の中央が回転掘削体46の掘削ビット52と案内刃管9の刃先81よりも前方に位置するように構成された場合、固定掘削体77が掘削に先立って地山10にひび割れを誘発させることにより掘削しやすくなるといった効果も得られる。
逆に、固定掘削体77の上下間の中央が回転掘削体46の掘削ビット52と案内刃管9の刃先81よりも後方に位置するように構成された場合は、地山10が硬質の場合において掘削ビット52や案内刃管9の刃先81よりも先に固定掘削体77が地山10に衝突してしまって先頭管6が推進しなくなるといったことを防止できる。
【0034】
また、固定掘削体77の先端形状は、先頭管6の推進により地山10に衝突することによって、地山10を削ったり、衝突した地山10部分にある土砂や岩を左右に振り分けて左右の回転掘削体46;46に仕向けたり、掘削に先立って地山10にひび割れを誘発させて掘削しやすいようにするという役割を達成できる形状に形成されていればよい。例えば、上述したように前方先端が鋭利な刃先状に形成されたものでもよいし、前方先端が面状に形成されたものでもよく、地山10の地質によって、地山10を掘削して崩しやすい形状のものを選択すればよい。
【0035】
また、回転掘削体46の筐体50は案内刃管9の左右の内面と接触しないように案内刃管9の左右の内面から離れて設置されるので、筐体50と案内刃管9の左右の内面との間の地山10が掘削されにくい可能性がある。
そこで、先頭管6の中央側に位置される掘削ビット52を筐体50の中心線(中心線L)と直交する方向に延長するように設け、かつ、先頭管6の左側に位置される掘削ビット52a(52)をできるだけ案内刃管9の左の内面に近付く位置まで先頭管6の左側に延長させて設け、さらに、先頭管6の右側に位置される掘削ビット52b(52)をできるだけ案内刃管9の右の内面に近付く位置まで先頭管6の右側に延長させて設けることによって、先頭管6の左右側に位置される掘削ビット52a;52bで先頭管6の左右の角部に位置する地山10をより効果的に掘削できるようにした。
【0036】
水供給機構75は、水貯留タンク75aと、基板25の前面39fと後面39とに貫通する水供給孔75bと、例えば蛇腹管や鋼管等により構成された水供給管75cと、送水用のポンプ75d、連結管75eとを備える。
基板25の前面39fと先頭管6の内面20とで囲まれた空間69内に水供給管75cの一端開口が連通するように、例えば、水供給孔75bの内側に水供給管75cの一端がねじ嵌合されることによって水供給孔75bと水供給管75cの一端とが結合される。そして、水供給管75cの他端開口と送水用のポンプ75dの吐出口とが連通可能に連結され、送水用のポンプ75dの吸込口と水貯留タンク75aとが連結管75eにより連通可能に連結される。
【0037】
排泥機構76は、基板25の前面39fと後面39とに貫通する排泥孔76aと、例えば蛇腹管や鋼管等により構成された排泥管76bと、排泥用のポンプ76cと、排泥タンク76dと、連結管76eとを備える。
空間69内に排泥管76bの一端開口が連通するように、例えば、排泥孔76aの内側に排泥管76bの一端がねじ嵌合されることによって排泥孔76aと排泥管76bの一端とが結合される。そして、排泥管76bの他端開口と排泥用のポンプ76cの吸込口とが連通可能に連結され、排泥用のポンプ76cの吐出口と排泥タンク76dとが連結管76eにより連通可能に連結される。
【0038】
尚、水貯留タンク75a及び排泥タンク76dは、水貯留タンク75aと排泥タンク76dとが一体となった集合タンク75Xにより構成される。即ち、集合タンク75Xの内部に仕切体75wを設けて集合タンク75Xの内部を2つの領域に区切り、一方の領域を水貯留タンク75aとして使用し、他方の領域を排泥タンク76dとして使用する。
つまり、最初に一定量の水を集合タンク75X内に満たしておき、送水用のポンプ75dを駆動して空間69内に水を圧送すると、空間69内に圧送された水と掘削機械26により掘削された土砂とが混ざって泥水となる。そして、排泥用のポンプ76cを駆動することにより、空間69内の泥水が排泥タンク76dに排出される。排泥タンク76dに排出された泥水中の泥が排泥タンク76dの底に沈殿するとともに、仕切体75wを越えて水貯留タンク75aに入り込んだ泥水が再び送水用のポンプ75dによって空間69内に圧送される。即ち、泥水を循環させて空間69内に供給できるようになるので、水の使用量を減らすことができる。また、水よりも比重が大きい泥水を空間69内に供給できるので、地山10及び地下水の圧力に抵抗できて、地山10及び地下水の圧力と空間69内の圧力とを均等にしやすくなるので、地盤沈下等、地山10に与える影響を少なくすることができる。また、空間69内が泥水化するので、排泥をスムーズに行えるようになり、掘削しやすくなる。
【0039】
また、水供給孔75bと水供給管75cの一端との結合構造、排泥孔76aと排泥管76bの一端との結合構造は、次のような結合構造であってもよい。基板の後面39に孔(水供給孔75b、排泥孔76a)に連通する図外の管部を形成しておいて、当該管部の開口端面と管(水供給管75c、排泥管76b)の一端開口端面とを互いに突き合わせた状態で環状ジョイント部材を当該突合せ部分に被せることにより管部と管とを結合したり、管の一端開口を介して管内に管部を嵌め込んだ状態で管の一端開口部の外周面を環状クリップ部材で締め付けることにより管部と管とを結合する。
尚、最初から泥水を集合タンク75X内に満たしておき、送水用のポンプ75dを駆動して空間69内と集合タンク75X内との間で泥水を循環させるようにしてもよい。
【0040】
推進手段4は、管2を押圧するための油圧ジャッキ62と、油圧ジャッキ62の押圧力を管2に伝達するための推進力伝達装置70と、管2の推進の際に油圧ジャッキ62に加わる推進反力を受ける支圧体62Aと、を備えた構成である。油圧ジャッキ62のピストンロッド63の先端には押圧板64が設けられる。
【0041】
推進力伝達装置70は、推進力伝達棒状体71と、推進力伝達用の当て材72と、上述の基板25と、上述の水密性能維持部材35と、上述の管側推進力受け部21とを備える。
推進力伝達棒状体71は、一端71aから他端71bまでの長さが基板25の後面39と先頭管6の後端面102eとの間の最短距離よりも長い寸法の棒状体71xと、棒状体71xの他端71b側より突出させた傾き防止部71cとを備える。棒状体71xは例えばH形鋼を用い、傾き防止部71cは例えば棒状体71xを形成するH形鋼に溶接又はボルトなどの接続手段で結合された鋼材を用いる。尚、傾き防止部71cは、先頭管6の左内側面6aや右内側面6bに面接触する面を有した面体71dを備える。
推進力伝達棒状体71は、棒状体71xの中心線が先頭管6の中心線と同一方向を向くように設置され、かつ、面体71dの面と先頭管6の左内側面6aや右内側面6bとが面接触するように、一端71aと基板25の後面39とが溶接又はボルトなどの接続手段で結合される。
即ち、左の推進力伝達棒状体71Aの棒状体71xの中心線が先頭管6の中心線と同一方向を向くように設置され、かつ、左の推進力伝達棒状体71Aの面体71dの面と先頭管6の左内側面6aとが面接触するように、左の推進力伝達棒状体71Aの棒状体71xの一端71aと基板25の後面39とが溶接又はボルトなどの接続手段で結合される。また、右の推進力伝達棒状体71Bの棒状体71xの中心線が先頭管6の中心線と同一方向を向くように設置され、かつ、右の推進力伝達棒状体71Bの面体71dの面と先頭管6の右内側面6bとが面接触するように、右の推進力伝達棒状体71Bの棒状体71xの一端71aと基板25の後面39とが溶接又はボルトなどの接続手段で結合される。
左右の推進力伝達棒状体71A;71Bの一端71a;71aは、基板25の上下縁間の中央部に結合される。
【0042】
そして、当て材72を、先頭管6の後端面102eより後方に突出する左右の推進力伝達棒状体71A;71Bの他端71b;71b間に跨るように設置して他端71b;71bに図外のボルトや万力装置などで連結し、当て材72における先頭管6の中心線が位置する部分を油圧ジャッキ62の押圧板64で押圧することにより、油圧ジャッキ62による押圧力が、当て材72、左右の推進力伝達棒状体71A;71B、基板25、管側推進力受け部21を介して先頭管6及び回転掘削体46;46に伝達されるので、案内刃管9及び先頭管6が前方に推進するとともに回転掘削体46;46が前方に推進する。
即ち、一方の推進力伝達棒状体である左の推進力伝達棒状体71Aを基板25の後面39の左側縁側における上下縁間の中央部に結合するとともに、他方の推進力伝達棒状体である右の推進力伝達棒状体71Bを基板25の後面39の右側縁側における上下縁間の中央部に結合し、これら左右の推進力伝達棒状体71A;71Bを油圧ジャッキ62で押圧して管2を推進させる構成としたので、管2の左右に均等に押圧力を加えることができるようになる。
【0043】
次に、図7を参照して管推進装置1による地山10への管2の推進方法を説明する。
掘削機械26と推進力伝達棒状体71と水供給管75cと排泥管76bとが取付けられた基板25を先頭管6の内側に設置する。つまり、基板25を形成する矩形板30の前面39fにおける矩形周縁面33が、先頭管6の内側に管側推進力受け部21を形成する矩形枠体22の枠後面32に水密性能維持部材35を介して突き付けられた状態となるように設置する。これにより、管2を、発進基地100から地山10に設置する場合に、先に地山10に入れる先頭管6の先端開口6t側の内側に掘削機械26が設置される。
そして、当て材72を、先頭管6の後端面102eより後方に突出する左右の推進力伝達棒状体71A;71Bの他端71b;71b間に跨るように設置する。また、掘削機械26の耐圧ホース56の他端を油圧源55に接続する。そして、先頭管6の先端の案内刃管9の刃先81をエントランス口101に押し付けた状態で油圧ジャッキ62を設置し、縮退したピストンロッド63の先端に設けられた押圧板64を当て材72における先頭管6の中心線が位置する部分に位置させる。
そして、送水用のポンプ75dを駆動して空間69内に泥水を供給し、空間69内と集合タンク75X内との間で泥水を循環させるとともに、制御装置65による制御によって、油圧源55から油圧モータ47に圧油を供給して回転掘削体46を回転させながら、油圧ジャッキ62のピストンロッド63を伸ばして当て材72における後続管7の中心線が位置する部分を押圧すると、推進力伝達装置70を介して先頭管6に伝達される推進力と回転掘削体46の回転に伴う地山10掘削とによって先頭管6が前方に推進し、先頭管6が地山10に設置される。
【0044】
先頭管6の後端面102eを残して先頭管6が地山10に設置された後、図7(b)に示すように、先頭管6の後端面102eに後続管7を溶接、又は、ボルト等の固定具により接続し、さらに、図7(c)に示すように、先頭の推進力伝達棒状体71の他端71bと後続の推進力伝達棒状体71の一端71aとをボルト、又は、溶接により結合することにより、先頭の推進力伝達棒状体71の後ろに後続の推進力伝達棒状体71を継ぎ足すとともに、また、耐圧ホース56の他端に図外の延長耐圧ホースを継ぎ足し、水供給管75cの他端に図外の延長水供給管を継ぎ足し、排泥管76bの他端に図外の延長排泥管を継ぎ足していく。
そして、図7(d)に示すように、当て材72を、後続管7の後端縁より後方に突出する左右の推進力伝達棒状体71A;71Bの他端71b;71b間に跨るように設置して、当て材72における後続管7の中心線が位置する部分を油圧ジャッキ62のピストンロッド63で押圧しながら、掘回転掘削体46;46を回転駆動することにより、回転掘削体46が掘削を行いながら先頭管6が推進し、後続管7が地山10に設置される。
尚、回転掘削体46;46が地山10を掘削した土砂は空間69内で水と混ざって泥水となって排泥タンク76dに排出される。
以後、同様に、前の後続管7の後端縁に後の後続管7を順次連結して地山10に設置していく。
【0045】
以上説明した管推進装置1を、先端側に掘削手段を備えて掘削すべきトンネルの外周縁に沿って互いに隣り合うように配置された複数の先頭管6;6…毎に設けることによって、1つ1つの先頭管6;6…と当該1つ1つの先頭管6;6…の後方にそれぞれ連結された複数の後続管7;7…とにより形成された前後に延長する複数の管列を個別に推進させることが可能となり、1つ以上の管列を他の管列とは別に推進させることが可能となる。例えば、外殻2Cを分割して推進させることが可能となる。また、外殻2Cの延長方向に沿った前後に延長する複数の管列の長さが異なるように構成された外殻2Cを形成することも可能となる。
このように、複数の先頭管6;6…毎に管推進装置1を設ければ、例えば、外殻2Cを推進させる際の地山10からの推進反力が大きい場合に、外殻2Cを構成する外殻2Cの延長方向に沿った前後に延長する複数の管列を別々に推進させたり、外殻2Cの延長方向に沿った前後に延長する複数の管列の長さが異なるように構成された外殻2Cを形成することが可能となる。即ち、管2の先端側に掘削手段を備えて掘削すべきトンネルの外周縁に沿って互いに隣り合うように配置された複数の先頭管6;6…の1つ1つと当該1つ1つの先頭管6;6…の後方にそれぞれ連結された複数の後続管7;7…とにより形成された前後に延長する複数の管列のうちの1つ以上の管列を他の管列とは別に推進させることにより、外殻2Cを推進させる際の推進反力を低減させることができ、外殻2Cの形成、及び、外殻2Cの推進を容易に行わせることが可能となる。
【0046】
管推進装置の別の一例について説明する。
図8に示すように、回転掘削体46の回転中心線Lを、先頭管6の互いに平行に対向する一対の外側面と平行で、かつ、先頭管6の推進方向と直交する面と直交以外の状態で交差する状態に設定する掘削機械揺動駆動装置250を備えたことによって、先頭管6の進行に先立って先頭管6の前方において先頭管6の断面積よりも幅の広い断面積を掘削でき、先頭管6の前方での余堀が可能な管推進装置1Xを用いてもよい。例えば、図8(a);(b)に示すように、回転掘削体46が掘削進行方向の左右に揺動可能な構成を備える。
以下、管推進装置1Xの一例について説明するが、実施形態1の管推進装置1で説明した構成と同一構成部分については同一符号を付し、詳説を省略する。
実施形態5の管推進装置1Xは、実施形態1で説明した管推進装置1の掘削装置3の構成である基板25、管側推進力受け部21の代わりに掘削機械揺動駆動装置250を備えた構成である。
掘削機械揺動駆動装置250は、揺動基板300と、揺動基板300の案内部材310と、揺動基板駆動手段320とを備える。
管推進装置1Xは、筒状の案内部材310の筒の中心線と先頭管6の管の中心線とが一致するように案内部材310が先頭管6の先端開口6t側の内側に設置されて案内部材310の筒の外周面330と先頭管6の内周面6sとの間の水密性がゴムパッキン等の水密性能維持部材340によって保たれ、かつ、揺動基板300は先頭管6の互いに平行に対向する一対の外側面間の中心を回転中心としての左右の側壁301;302側が前後に揺動可能なように案内部材310に取付けられて揺動基板300の外周面390と案内部材310の筒の内周面350との間の水密性がゴムパッキン等の水密性能維持部材120によって保たれた構成とされる。先頭管6の先端開口6t側の内側における案内部材310の前方には推進力受け部630が設けられ、当該推進力受け部630は、先頭管6の先端開口6t側の内側に設置された案内部材310の筒の前端面311に接触して案内部材310の前方への移動を規制するとともに推進力伝達装置70を介して案内部材310に伝達された推進力を先頭管6に伝達することができるように、先頭管6の先端開口6t側の内周面6sに溶接、ボルト・ナット等の固定手段で固定されている。また、揺動基板300には、揺動基板300の平板を前後に貫通する支柱保持貫通孔130、排泥管保持貫通孔140、水供給管保持貫通孔150が形成され、支柱保持貫通孔130には、掘削機械26の支持部40の支柱42が貫通した状態で固定状態に保持され、排泥管保持貫通孔140には、排泥管76cの先端部が貫通した状態で固定状態に保持され、水供給管保持貫通孔150には、水供給管75cの先端部が貫通した状態で固定状態に保持される。そして、複数の掘削ビット(掘削刃)52を備えた掘削機械26の回転掘削体46が先頭管6の先端開口6tよりも前方に位置されて回転掘削体46を支持する支柱42が揺動基板300に支持されている。
管推進装置1Xによれば、先頭管6の前方の地山10を回転掘削体46で掘削する際に、油圧ジャッキのような揺動基板駆動手段320が揺動基板300における一対の側壁301;302側の後面を押圧及び引き戻して前後に移動させることで、回転掘削体46の回転中心線Lが、先頭管6の推進方向と直交する面及び先頭管6の互いに平行に対向する一対の外側面(例えば先頭管6の上下の外側面)と平行な第1の状態、及び、先頭管6の互いに平行に対向する一対の外側面(例えば先頭管6の上下の外側面)と平行で、かつ、先頭管6の推進方向と直交する面と直交以外の状態で交差する第2の状態(図8(a);(b)参照)に設定される。
即ち、管推進装置1Xは、先頭管6の前方において回転掘削体46を先頭管6の左右方向に揺動させるための掘削機械揺動駆動装置250を備えるので、先頭管6の前方の地山10を回転掘削体46で掘削する際に揺動基板駆動手段320により揺動基板300を駆動して回転掘削体46を例えば左右方向に揺動させることができ、回転掘削体46が左右方向に揺動しない場合と比べて、掘削可能な左右幅を大きくできる。つまり、管推進装置1Xを用いれば、先頭管6の進行に先立って先頭管6の前方において先頭管6の例えば左右幅間隔よりも幅の広い左右幅間隔で地山10を掘削でき、先頭管6の前方において先頭管6の左右幅方向での余堀が可能となるので、先頭管6の前方の硬質地盤層を掘削でき、地山10が硬質地盤層である場合でも管2を地山10においてスムーズに推進させることができる。
【0047】
当該掘削機械揺動駆動装置250を備えた管推進装置1Xを用いて管2を地山10に設置する場合においては、先頭管6の前方において先頭管6の断面積よりも幅の広い断面積を掘削できる。即ち、先頭管6の前方の地山10において先頭管6の例えば左右側の地山10の余堀が可能となるので、管2を地山10においてスムーズに推進させることができる。
【0048】
図9及び図10に示すように、回転掘削体は、筐体50の外周面51より突出するように設けられた掘削刃としての第1の掘削ビット8e及び第2の掘削ビット8fとを備えた構成の回転掘削体46Aを用いてもよい。
複数個の第2の掘削ビット8fが筐体50の回転中心線Lに沿った方向に並べられて第2の掘削ビット群810が構成される。
筐体50の外周面51には複数のビット取付部83が点在するように設けられる。第1の掘削ビット8eは、筐体50の外周面51に設けられた個々のビット取付部83に1つ1つ個別に着脱可能に取り付けられる。第2の掘削ビット8fは、筐体50の外周面に設けられた複数のビット取付部83に着脱可能に取り付けられるビット設置板84に設けられる。即ち、第2の掘削ビット群810は、ビット取付部83に取り付けられて筐体50の回転中心線Lに沿って筐体50の外周面51の周面幅(回転中心線Lに沿った方向の幅、即ち、筐体50の回転中心線Lに沿った方向の両方の端面)に亘って延長するビット設置板84のビット設置面84aに、複数の第2の掘削ビット8fが回転中心線Lに沿った方向に並ぶように着脱可能又は固定的に設けられた構成である。
1つ1つの回転掘削体46Aにおいて、第1の掘削ビット8eは、筐体50の外周面51の周方向に互いに180°離れた位置にそれぞれ設けられる。第2の掘削ビット群810は、筐体50の外周面51上において第1の掘削ビット8eが設けられていない部分に設けられる。
図9(b)に示すように、筐体50の外周面51上で周方向に互いに180°離れた位置に設けられた各第2の掘削ビット群810;810の各掘削ビット8fの先端は、筐体50の回転中心線Lと直交する同一の面85e上に位置しないように設定されている。つまり、一方の第2の掘削ビット群810において互いに隣り合う各掘削ビット8f間で掘削されない地山10部分を他方の第2の掘削ビット群810の各掘削ビット8fで掘削できるように構成されている。要するに、1つ1つの回転掘削体46Aは、一方の第2の掘削ビット群810で掘削できない地山10部分を他方の第2の掘削ビット群810で掘削できるようにした相補的な一対の第2の掘削ビット群810;810を備えた構成である。
そして、図10(a)に示すように、筐体50の回転中心線Lから回転中心線Lと直交する線上を経由した第1の掘削ビット8eの先端までの第1距離80x(即ち、第1の掘削ビット8eによる掘削半径)と筐体50の回転中心線Lから回転中心線Lと直交する線上を経由した第2の掘削ビット8fの先端までの第2距離81x(即ち、第2の掘削ビット8fによる掘削半径)とが異なる。
つまり、第1距離80xを掘削半径とした第1の掘削ビット8eによる掘削径が、先頭管6の上下の内壁面6c;6d間(先頭管6の一方の一対の壁面の内壁面間)の寸法9xよりも小さく設定され、かつ、第2距離81xを掘削半径とした第2の掘削ビット8fによる掘削径が、先頭管6の先頭管6の上下の内壁面6c;6d間の寸法9xよりも大きく設定されていることにより、回転掘削体46Aが先頭管6の先端開口6tを介して先頭管6の前方及び先頭管6の内側に移動可能に構成されている。
即ち、第1距離80xは、回転掘削体46Aが先頭管6の内側で回転中心線Lを回転中心として回転可能な回転半径寸法に設定されたことによって、回転掘削体46Aが管2内を通過可能となり、掘削機械26を出発側の発進基地100に引き戻して回収できる。
また、第2距離81xは、回転掘削体46Aが先頭管6の内側で回転中心線Lを回転中心として回転不可能で、かつ、回転掘削体46Aが先頭管6の先端開口6tの前方に位置された場合に回転可能な回転半径に設定される。
即ち、回転掘削体46Aが先頭管6の先端開口6tの前方に位置された状態で回転駆動されることによって第1の掘削ビット8e及び第2の掘削ビット8fが先頭管6の先端開口6tの前方位置の地山10を掘削可能であり、かつ、回転掘削体46Aが管2(先頭管6及び後続管7)内を通過して管2を出発させた発進基地100に回収可能に構成される。
以上のような回転掘削体46Aを備えたことにより、先頭管6の先端開口6tの前方において先端開口6tの断面よりも例えば上下幅の大きい断面積の孔を掘削できるので、先頭管6の先端開口縁が地山10に衝突する前に地山10を掘削できて、管2をよりスムーズに推進させることができる。
また、掘削機械26の回収時には、図10(b)に示すように、第2の掘削ビット群810の第2の掘削ビット8fの先端が、先頭管6の上下の内壁面6c;6dと同一平面を示す位置より上方に位置しない状態にしてから、回転掘削体46Aを管2内に引き戻して掘削機械26を出発側の発進基地100に回収する。
【0049】
即ち、筐体50の回転中心線Lから回転中心線Lと直交する線上を経由した第1の掘削ビット8eの先端までの第1距離80x(即ち、第1の掘削ビット8eによる掘削半径)と筐体50の回転中心線Lから回転中心線Lと直交する線上を経由した第2の掘削ビット8fの先端までの第2距離81x(即ち、第2の掘削ビット8fによる掘削半径)とが異なるように設定され、第1距離80xを掘削半径とした第1の掘削ビット8eによる掘削径が、先頭管6の案内刃管9の上下の内壁面6c;6d間の寸法9xよりも小さく、第2距離81xを掘削半径とした第2の掘削ビット8fによる掘削径が、先頭管6の上下の内壁面6c;6d間の寸法9xよりも大きく設定された回転掘削体46Aを備えた。このため、先頭管6の先端開口6tより前方に位置する回転掘削体46Aを回転させて掘削ビット8e;8fが地山10を掘削することにより、先頭管6の先端開口6tの前方において、先頭管6の管の中心を中心とした四角断面であって先頭管6の先端開口6tの四角断面の幅寸法(回転掘削体46Aの径方向に対応する幅寸法、例えば、先頭管6の上下の内壁面6c;6d間の寸法9x)より幅寸法の大きい四角断面の孔を掘削できる。よって、先頭管6の先端開口縁が地山10に衝突する前に、先頭管6の先端開口6tよりも前方に位置する地山10を掘削ビット8e;8fにより確実に掘削できるので、先頭管6の先端開口縁が硬質の地山10に衝突して先頭管6を推進できなくなるような事態を防止でき、地山が硬質地山10である場合でも、管2をよりスムーズに推進させることができる。
【0050】
また、筐体50の外周面51上で周方向に互いに180°離れた位置に設けられた各第2の掘削ビット群810;810の各掘削ビット8fの先端位置が、筐体50の回転中心線Lと直交する同一の面85e上に位置しないように設定されている。つまり、筐体50の外周面51上で周方向に互いに180°離れた位置に設けられた一対の第2の掘削ビット群810;810は、回転掘削体46Aの回転により一方の第2の掘削ビット群810で掘削できない地山10部分を他方の第2の掘削ビット群810で掘削できるように構成されているので、先頭管6の先端開口6tの四角断面の幅寸法より幅寸法の大きい四角断面の孔を効率的に掘削でき、管2をよりスムーズに推進させることができる。
また、各第2の掘削ビット群810を、回転中心線Lを中心として筐体50の外周面51上で例えば等間隔に配置することで、回転掘削体46Aの回転重心を一定に保てるようになり、回転掘削体46Aの回転がスムーズになって効率的に掘削できて、管2をよりスムーズに推進させることができる。
また、第2の掘削ビット8f及び第1の掘削ビット8eを備えたので、第2距離81xを掘削半径とした掘削径の孔を第2の掘削ビット8f及び第1の掘削ビット8eによってより効率的に掘削できるようになる。
【0051】
尚、第2の掘削ビット群810は、筐体50の外周面51に設けられた個々の取付部83に個々に取付けられた第2の掘削ビット8fの集合体により構成されてもよい。
また、筐体50の外周面51上において筐体50の回転中心線Lに沿った方向の両方の端面に跨って回転中心線Lに沿った方向に直線状又は非直線状に個々の第2の掘削ビット8fが個々に並ぶように配置されていたり、筐体50の外周面51上において筐体50の回転中心線Lに沿った方向の両方の端面に跨って回転中心線Lに沿った方向に直線状又は非直線状に延長する1つの掘削刃を有した第2の掘削ビット8fを備えた構成の回転掘削体46Aであって、回転掘削体46Aが管2の内側で回転中心線Lを中心として回転不可能で、かつ、先頭管6の先端開口6tの前方位置で回転可能なように構成されていればよい。
また、第2の掘削ビット群810;810が筐体50の外周面51上で周方向に互いに180°離れた位置に設けられていなくてもよい。
要するに、回転掘削体46Aは、回転中心線Lから回転中心線Lと直交する線上を経由した第1の掘削ビット8eの先端までの第1距離80xが、回転掘削体46Aが管6の内側で回転中心線Lを中心として回転可能な回転半径に設定され、回転中心線Lから回転中心線Lと直交する線上を経由した第2の掘削ビット8fの先端までの第2距離81xが、回転掘削体46Aが管2の内側で回転中心線Lを中心として回転不可能で、かつ、回転掘削体46Aが先頭管6の先端開口6tの前方に位置された場合に回転中心線Lを中心として回転可能な回転半径に設定されればよい。
【0052】
また、回転掘削体は、第1の掘削ビット8eを備えない構成としてもよい。即ち、掘削ビットとして第2の掘削ビット8fのみを有した回転掘削体を用いてもよい。
要するに、回転掘削体が第1の掘削ビット8eを備えない構成の場合において、回転中心線Lから回転中心線Lと直交する線上を経由した回転掘削体の筐体50の外周面51までの最短距離である第1距離が、回転掘削体が管6の内側で回転中心線Lを中心として回転可能な回転半径に設定され、回転中心線Lから回転中心線Lと直交する線上を経由した第2の掘削ビット8f(掘削ビット)の先端までの第2距離81xが、回転掘削体が管2の内側で回転中心線Lを中心として回転不可能で、かつ、回転掘削体が先頭管6の先端開口6tの前方に位置された場合に回転中心線Lを中心として回転可能な回転半径に設定されればよい。
つまり、第1距離を半径とした筐体50の直径が、先頭管6の上下の内壁面6c;6d間の寸法よりも小さく設定され、かつ、第2距離81xを掘削半径とした第2の掘削ビット8fによる掘削径が、先頭管6の先頭管6の上下の内壁面6c;6d間の寸法9xよりも大きく設定されていることにより、回転掘削体46Aが先頭管6の先端開口6tを介して先頭管6の前方及び先頭管6の内側に移動可能に構成される。
以上によれば、第2の掘削ビット8fによる掘削によって、先頭管6の前方において先頭管6の例えば上下の内壁面6c;6d(先頭管6の一方の一対の壁面)と直交する方向である先頭管6の上下幅間隔よりも広い上下幅間隔で地山10を掘削できるようになり、先頭管6の前方において先頭管6の上下幅方向での余堀が可能となるので、図1に示すように地山10と管2との間に隙間850を形成でき、地山10が硬質地山10である場合でも管2をよりスムーズに推進させることが可能となる。
【0053】
尚、上述した掘削機械揺動駆動装置250と回転掘削体46Aとを備えた装置構成の管推進装置を用いれば、先頭管6の前方の地山10において先頭管6の上下左右側の地山10の余堀が可能となることから、折曲管を地山10においてスムーズに推進させることができ、効果的である。
【0054】
管2は、管の中心軸線と直交する面で管を切断した場合の断面形状が円形形状の管であってもよい。
また、上記では、管2の推進方向と交差する回転中心線Lを回転中心として回転する回転掘削体46;46を有した掘削機械26を備えた構成の管推進装置を例示したが、管2の中心軸線と同じ又は平行な回転中心線を回転中心として回転する回転掘削体を有した掘削手段を備えた構成の管推進装置を用いてもよい。また、所謂ウォータジェット噴射により地山10を掘削する掘削手段を備えた構成の管推進装置を用いてもよい。
【符号の説明】
【0055】
2 管、2A 先頭筒状体、2C 外殻、4 推進手段、6 先頭管(管)、
7 後続管(管)、10 地山、12 支保、26 掘削機械(掘削手段)。
図1
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