(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記算出部は、既知である前記材料の含水比と、既知である乾燥状態の前記材料の全重量と、既知である乾燥状態の前記材料の粒径区分ごとの加積通過率と、に基づいて、湿潤状態の前記材料の粒径区分ごとの重量を算出し、粒径区分ごとの前記合計面積と、湿潤状態の前記材料の粒径区分ごとの前記重量と、に基づいて粒径区分ごとの前記重量換算係数を算出する
ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の重量換算係数算出システム。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。以下の実施形態では、本発明の画像撮影装置を、コンクリートの製造工程において、材料の粒度分布を測定するための粒度分布測定システムに適用した場合について説明する。
【0021】
実施形態の粒度分布測定システム1は、流下する材料3の撮影画像に基づいて粒度分布を測定するシステムであり、粒度分布を測定する前段階においては、粒径区分ごとの重量換算係数を算出する重量換算係数算出システムとして機能する。粒度分布測定システム1は、
図1に示すように、材料3を流下させる材料流下部2と、材料流下部2の下流側に設けられたスクリーン30と、スクリーン30を照らす照明部40と、スクリーン30の前側の空間を流下する材料3を撮影する撮影部50と、撮影部50から得られた材料3の撮影画像に基づいて、材料3の粒度分布を算出する算出部60と、流下した材料3が収容されるホッパ80と、算出された粒度分布を表示する表示部90と、ユーザの操作に基づいて算出部60へデータを出力する入力部100と、材料3の含水比を検出するマイクロ波水分計110と、を備えている。
【0022】
材料流下部2は、材料3を搬送するベルトコンベア10と、ベルトコンベア10の下流側に設けられた傾斜板20と、傾斜板20の下流側に設けられた流下方向変換部70と、を備えている。材料3は、粒状の材料であって、粗粒材(骨材等)及び細粒材(土砂等)を含有する混合材料である。
【0023】
ベルトコンベア10は、材料3を後記する傾斜板20に供給するためのものである。ベルトコンベア10は、上流側及び下流側のプーリ11と、両プーリ11に掛け回された無端ベルト12と、上流側のプーリ11を回転させるモータ13と、モータ13の回転速度を変更するためのインバータ14と、を備えている。
【0024】
傾斜板20は、平板であり、上流側(後側)から下流側(前側)に向けて材料3が流下する表面20aを有している。また、傾斜板20は、表面20aの幅方向両縁部に立設された一対の側壁21,21と、表面20aに形成された複数の突起22と、を備えている(
図2参照)。
傾斜板20の上流側の縁部は、無端ベルト12の下流側の端部の下方に配置されている。傾斜板20は、表面20aが上流側から下流側に向かうに従って下がるように傾斜しており、無端ベルト12から排出された材料3は、表面20aに沿って前側に流下する。
【0025】
一対の側壁21は、
図2に示すように、傾斜板20の表面20aの幅方向両縁部に立設された壁であり、表面20a上を流れ落ちる材料が横にこぼれるのを防ぐものである。また、一対の側壁21の下流側の端部は、傾斜板20の下流側の縁部よりも下流側に突出している。
【0026】
突起22は、傾斜板20の表面20aに着脱自在に立設された三角錐型(△型)突起であり、三角錐の底面の一の頂点が上流側を向く姿勢で、表面20aの上下方向に段階的(本実施形態では四段)に配置されている。複数の突起22は、表面20a上を流れ落ちる材料を広く薄く分散させるとともに、材料を整流させるものである。各突起22の間隔は、各突起22の間を材料が詰まらずに通過するように設定されている。
【0027】
流下方向変換部70は、傾斜板20の下流側に配置され、傾斜板20の下流側(前側)の縁部に取り付けられた前後二つの鉛直板71,72を有している。鉛直板71,72は、表面20aの下流側(前側)の縁部の幅と同じ幅に形成された平板であり、前後の面の法線方向が水平方向となるように配置されている。後側の鉛直板72の上端縁部は、表面20aの下流側(前側)の縁部に蝶番(図示せず)によって取り付けられ、前側の鉛直板71の上端縁部は、両側壁21の下流側(前側)の縁部に蝶番71cによって取り付けられている。
【0028】
図1に示すように、両鉛直板71,72は、前後方向に間隔を空けて平行に配置されており、傾斜板20から前側に向けて流下した材料3は、両鉛直板71,72の間に流入する。前側の鉛直板71は、傾斜板20から流下した材料3が前側に飛び出ないように、後側の鉛直板72の上端縁部よりも上方に延ばされている。両鉛直板71,72の間隔は限定されるものではないが、両鉛直板71,72の間に流入した材料3が、両鉛直板71,72の間をスムーズに流れるように、両鉛直板71,72の間隔が設定されている。
【0029】
前側の鉛直板71の後面71a及び後側の鉛直板72の前面72aには、複数の突起71b,72bが形成されている。突起71b,72bは、後面71a及び前面72aに水平方向に突設された円形断面の棒状部材である。後面71a及び前面72aには、複数の突起71b,72bが、上下方向及び幅方向に間隔を空けて配置されている。両鉛直板71,72の間隔及び複数の突起71b,72bの間隔は、材料3について想定される最大粒径等を考慮して設定されている。
【0030】
両鉛直板71,72の間に流入した材料3は、両鉛直板71,72の間を通過する。このとき、前側の鉛直板71の後面71a及び後側の鉛直板72の前面72aに材料3が接触し、材料3の前後方向への移動が規制されることで、材料3の水平方向の速度成分が消失し、材料3の流下方向が鉛直下向きになる。これにより、流下方向変換部70を通過した材料3は、鉛直下向きに直線状の軌道(軌線)で流下するようになる。
【0031】
なお、含水量が大きい土砂などの材料3である場合には、粗粒物に複数の細粒物が付着して団子状に固まった状態となる。このような材料3を両鉛直板71,72の間に通過させた場合には、材料3が複数の突起71b,72bに接触することで、粗粒物と細粒物とを分離させることができる。
【0032】
スクリーン30は、
図1に示すように、流下方向変換部70の下流側に設けられた平板である(
図2参照)。このスクリーン30は、両鉛直板71,72に対して平行に配置されている。さらに、スクリーン30は、前側の鉛直板71に対して前側にオフセットされており、前側の鉛直板71とスクリーン30との間に前後方向の隙間が形成されている。
なお、スクリーン30は、両鉛直板71,72の間から流下した材料3が、スクリーン30の表面30aに接触しないように、材料3の軌道(軌線)から離れた位置に配置されている。
【0033】
照明部40は、スクリーン30の表面30aを照らす光源(ライト)であり、前側の鉛直板71とスクリーン30との間に形成された隙間から表面30aに光を照射するように構成されている。つまり、照明部40は、
図1に示す前後方向において、スクリーン30の表面30aと流下する材料3との間に配置されている。
【0034】
ホッパ80は、スクリーン30の表面30a側の空間を通過した材料3を収容するものである。ホッパ80の上側の開口部は、スクリーン30の下流側の端部の下方に配置されている。
【0035】
撮影部50は、スクリーン30の表面30a側の空間を通過する材料3を、
図1に示す後側から表面30aを背景として撮影し、撮影結果を後記する算出部60に出力するカメラである。撮影部50は、鉛直下向きに流下する材料3を水平方向から撮影するように設定されている。すなわち、撮影部50の撮像素子の撮像面は、鉛直方向に平行な平面に配置されている。なお、撮影部50としては、デジタル画像を取得可能なビデオカメラ又は高解像度のデジタルカメラが好適である。
【0036】
算出部60は、CPU(Central Processing Unit)60A、ROM(Read Only Memory)60B、RAM(Random Access Memory)60C(
図3参照)等からなるコンピュータであり、撮影部50の撮影画像を取得し、この撮影画像に基づいて、材料3の粒径区分ごとの重量換算係数を算出、あるいは、粒度分布を算出する。算出された重量換算係数は記憶部62に記憶され、算出された粒度分布は表示部90へ出力される。算出部60の詳細な構成、算出部60による重量換算係数及び粒度分布の算出手法については、後で詳細に説明する。
【0037】
表示部90は、粒度分布を表示するディスプレイ等である。入力部100は、ユーザの操作に基づいて、重量換算係数を算出するための既知の数値を算出部60の重量換算係数算出部64へ出力するキーボード、マウス等である。
【0038】
マイクロ波水分計110は、材料3の含水比を検出する含水比検出部の一例であって、本実施形態では、ベルトコンベア10上における材料3の含水比を検出して算出部60へ出力する。
【0039】
ここで、算出部60による粒度分布の算出方法について説明する。
図1に示す撮影部50では、スクリーン30の表面30aを背景として、上流側から下流側に向けて流れる材料3を撮影する。このとき、前後方向においてスクリーン30の表面30a側の空間を通過する材料3とスクリーン30との間から、スクリーン30の表面30aが照明部40によって照らされているため、スクリーン30の表面30aのみが明るくなり、材料3は黒い影として撮影される。そして、算出部60は、撮影画像を二値化処理して材料3の大きさ(粒径)を算出するとともに、かかる粒径に基づいて粒度分布を算出する。
【0040】
より詳細には、算出部60は、
図3に示すように、機能部として、合計面積算出部61と、記憶部62と、粒度分布算出部63と、重量換算係数算出部64と、ベルトコンベア制御部65と、含水比監視部66と、を備える。かかる機能部のうち、記憶部62は、CPU60AのワークエリアであるRAM60C内に具現化される。また、合計面積算出部61、粒度分布算出部63、重量換算係数算出部64、ベルトコンベア制御部65及び含水比監視部66は、CPU60A内に具現化されている。すなわち、CPU60Aは、ROM60Bに格納された粒度分布測定及び重量換算係数算出のためのプログラム67を読み出して実行することによって、合計面積算出部61、粒度分布算出部63、重量換算係数算出部64、ベルトコンベア制御部65及び含水比監視部66として機能する。
【0041】
合計面積算出部61は、撮影画像における材料3の粒径区分ごとの合計面積を算出し、算出結果を粒度分布算出部63及び重量換算係数算出部64へ出力するとともに、撮影画像における材料3の全ての合計面積(総合計面積)を算出し、ベルトコンベア制御部65へ出力する。本実施形態において、粒径区分は、混合材料である材料3の粒径に関して、5[mm]以下、5[mm]よりも大きく10[mm]以下、10[mm]よりも大きく20[mm]以下、20[mm]よりも大きく40[mm]以下、40[mm]よりも大きく80[mm]以下、の5つの区分として設定されている(
図4(d)参照)。
【0042】
記憶部62には、撮影画像における所定面積あたりの重量である重量換算係数が粒径区分ごとに記憶されている。
【0043】
粒度分布算出部63は、合計面積算出部61から出力された材料3の粒径区分ごとの合計面積を取得するとともに、粒径区分ごとの重量換算係数を記憶部62から読み出し、材料3の粒径区分ごとの前記合計面積と前記重量換算係数とに基づいて、粒度分布を算出し、算出結果を表示部90へ出力する。
【0044】
重量換算係数算出部64は、粒度分布を算出する前段階において、合計面積算出部61から出力された材料3の粒径区分ごとの合計面積と、入力部100からの各種データ(重量換算係数を算出するための既知の数値)と、を取得し、取得された合計面積及び各種データに基づいて、粒径区分ごとの重量換算係数を算出して記憶部62に記憶させる。重量換算係数の較正手法については、後で詳細に説明する。
【0045】
ベルトコンベア制御部65は、材料3の流下量を変更するように材料流下部2を制御する材料流下部制御部の一例であって、本実施形態では、合計面積算出部61から出力された材料3の全ての合計面積を取得し、取得された材料3の全ての合計面積に基づいて、インバータ14を介してモータ13の回転速度を制御することによって、材料3の流下量を変更する。材料3の流下量の変更手法については、後で詳細に説明する。
【0046】
含水比監視部66は、マイクロ波水分計110によって検出された材料3の含水比を取得して粒度分布算出部63へ出力する。本実施形態において、粒度分布算出部63は、含水比監視部66から出力された含水比を取得し、取得された含水比が大きいほど重量換算係数が大きくなるように当該重量換算係数を変更して粒度分布を算出する。重量換算係数の変更手法については、後で詳細に説明する。
【0047】
<重量換算係数の較正手法>
続いて、粒径区分ごとの重量換算係数を予め算出するための較正手法について説明する。ここで、粒度分布測定システム1は、粒径区分ごとの重量換算係数を算出する重量換算係数算出システムとして機能し、詳細には、合計面積算出部61及び重量換算係数算出部64の組み合わせが、撮影された材料3の粒径区分ごとの重量換算係数を算出する算出部として機能する。
【0048】
まず、採掘された材料3に関して、湿潤状態における粒径区分ごとの含水比と、乾燥状態における粒径区分ごとの加積通過率と、乾燥状態における全体の重量と、を測定する。続いて、かかる材料3、すなわち、粒度分布が既知な混合材である材料3(乾燥状態の重量S[g])のをベルトコンベア10に均一に載せる。かかる材料3は、傾斜板20及び流下方向変換部70を介して流下する。撮影部50は、流下する材料3を撮影する。
【0049】
ここで、材料3の粒度分布が既知であるとは、湿潤した材料3の粒径区分ごとの重量が既知であることを意味する。本実施形態では、乾燥状態の材料3の粒径区分ごとの加積通過率(すなわち、重量)、乾燥状態の全ての材料3の重量と、粒径区分ごとの含水比と、が既知であって、算出部60の重量換算係数算出部64は、入力部100から出力されたこれら既知のデータを取得し、乾燥した材料3の粒径区分ごとの重量、乾燥状態の全ての材料3の重量と、粒径区分ごとの含水比と、に基づいて、湿潤した材料3の粒径区分ごとの重量を算出することができる。
【0050】
続いて、算出部60の合計面積算出部61が、材料3が流下中のM[枚]の撮影画像を用いて、粒径区分ごとの合計面積[pix]を算出する。
【0051】
まず、合計面積算出部61は、
図4(a)に示す撮影画像を撮影部50から取得する。続いて、合計面積算出部61は、予め設定された閾値を用いて撮影画像を二値化処理することによって、
図4(b)に示す二値化画像を生成する。
図4(b)では、二値化処理によって輪郭が明確になった材料を白抜きで描いている。
【0052】
続いて、合計面積算出部61は、二値化画像を用いて画像中の材料3の粒径を算出するとともに、算出された粒径に基づいて材料3を粒径区分ごとに分類し(
図4(c)参照)、材料3の粒ごとの面積を算出するとともに、材料3の粒ごとの粒径及び面積に基づいて、粒径区分ごとの合計面積を算出し、算出結果を重量換算係数算出部64へ出力する。
【0053】
続いて、算出部60の重量換算係数算出部64が、1[枚]の撮影画像に撮影されている材料3の重量[g]を算出する。ここで、1[枚]の撮影画像に撮影されている材料3の重量[g]としては、理論値が用いられる。
【0054】
ここで理論値を用いるのは、
図5に示すように、撮影部50による撮影タイミングの関係上、流下する材料3の全てを撮影するように設定するよりも、理論値を用いる方が容易であるためである。
図5に示すように、撮影部50による撮影タイミングの関係上、材料3が撮影される範囲P1→材料3が撮影されない範囲Q1→材料3が撮影される範囲P2→材料3が撮影されない範囲Q2→材料3が撮影される範囲P3→…と、定期的な間隔で材料3が撮影されない範囲が存在する。すなわち、ベルトコンベア10に敷き並べられた材料3の全てを撮影することはできず、また、撮影画像に含まれる材料3の重量を直接計測することは困難である。
【0055】
また、撮影部50による撮影タイミングを流下する材料3の全てを撮影するように設定することも可能であるが、設定に失敗した場合には、隣接する材料3が撮影される範囲同士が重なってしまうことがあり、この場合には、重複して撮影された材料3に関する処理が困難である。
【0056】
理論値は、ベルトコンベア10上の材料3を均一に敷き並べることによって単位時間当たりの流下量F[g/s]を決定するとともに、材料3が撮影画像の撮影範囲内を通過する通過時間[s]をハイスピードカメラによって動画撮影してその動画を分析することで算出することができる。
【0057】
流下量Fに関しては、材料3の重量(乾燥状態)がH[g]、かかる材料3がベルトコンベア10に敷き並べられた長さがY[m]、ベルトコンベア10の速度がV[m/s]である場合には、流下量F[g/s]は、F=H・V/Yによって算出される。
【0058】
また、通過時間に関しては、測定対象の材料3の1つの粒を粒度分布測定時と同一条件で流下させ、撮影範囲内を何コマで通過するかを分析し、フレームレートから分かる1コマ当たりの時間と通過コマ数とに基づいて算出される。フレームレートJ[s/コマ]で材料3の1つの粒が撮影範囲を落下するコマ数(通過コマ数)がK[コマ]である場合には、通過時間は、J・K[s]である。撮影画像1枚当たりの材料3の重量(乾燥状態)G[g/枚]は、G=F・J・K[g/枚]となり、撮影画像M[枚]に撮影される材料3の合計重量(乾燥状態)S[g]は、S=G・Mによって算出される。
【0059】
例えば、フレームレートが240[fps]、通過コマ数が28[コマ]であれば、通過時間は、28÷240≒0.117[s]となる。材料3の単位時間当たりの流下量が4300[g/s]であれば、理論上、1コマ(画像1枚)当たりに撮影される材料3の重量は、0.117×4300=503[g]となる。
【0060】
続いて、算出部60の重量換算係数算出部64が、表1に示す重量換算係数の一般化計算式の各パラメータ(入力部100からの既知のデータ、及び、合計面積算出部61からの算出結果)に基づいて、粒径区分ごとの重量換算係数を算出する。
【0062】
加積通過率A,B,C,D,1(×100[%])(換言すると、乾燥した材料3の粒径区分ごとの重量百分率)と、乾燥した材料3の全ての粒径区分の合計重量S[g]と、粒径区分ごとの含水比w1,w2,w3,w4,w5[%]とは、較正を行う前の段階で既知であり、また、撮影画像の合計枚数M[枚]と、粒径区分ごとの画像面積a,b,c,d,e[pix]は、較正作業によって得られて既知となる。
【0063】
ここで、一例として、粒径区分5[mm]以下の場合における重量換算係数の算出手法について説明する。かかる粒径区分では、乾燥状態の材料3の粒径区分別重量百分率Aは加積通過率Aと同じ値であり、粒径区分別乾燥重量S1は、下記式によって求められる。
S1=S・A
【0064】
湿潤状態の材料3の含水比w1は既知であるため、湿潤状態の材料3の重量は、S1・(1+w1)となる。
【0065】
一方、湿潤状態の材料3の重量は、材料3の合計面積aと、重量換算係数X1と、を用いてa・X1となるため、下記式が成立する。
a・X1=S1・(1+w1)
【0066】
したがって、粒径区分5[mm]以下の場合における重量換算係数X1は、下記式によって求められる。
X1=S1・(1+w1)/a
【0067】
かかる較正方法を用いて実際に重量換算係数を算出した例を表2に示す。
【0069】
算出部60の重量換算係数算出部64は、表2の粒径区分と重量換算係数とを関連付けて記憶部62に記憶させる。
【0070】
図6は、表2の例に基づいて算出された粒度分布を示すグラフである。ここでは、粒度分布を算出するにあたって、後記する材料の流下量の調整手法及び重量換算係数の変更手法は行われていない。
図6に示す粒度分布において、JIS法によって得られる粒度分布との間における加積通過率の誤差は、撮影画像の平均枚数が200[枚]の場合、概ね±3[%]であり、粒度分布測定システム1が粒度分布を高精度で測定することができることがわかる。
【0071】
<従来の重量換算係数の算出手法>
比較例として、従来の重量換算係数の算出手法について説明する。従来は、以下の1〜4のステップによって重量換算係数が算出されている。
1.粒径区分ごとに材料を床に並べて撮影する。
2.撮影された画像を解析して、材料の粒径区分ごとの合計面積を算出する。
3.材料の粒径区分ごとの合計重量を測定する。
4.材料の粒径区分ごとの合計重量を材料の粒径区分ごとの合計面積で割ることによって、粒径区分ごとの重量換算係数を算出する。
【0072】
従来の手法によって算出された重量換算係数を用い、本実施形態に係る粒度分布測定システム1によって粒度分布を測定しようとした場合には、各粒径区分を混合した材料(混合材料)を流下させた状態で撮影するので、小さい材料が大きい材料の影になったり、材料同士がくっついてしまったりと、床に並べられた状態とは異なる状態で材料を撮影して粒度分布を算出するので、算出精度が落ちてしまうという問題が生じる。
【0073】
これに対し、本実施形態の粒度分布測定システム1は、流下する材料3を撮影した撮影画像から得られた重量換算係数を用いて粒度分布を測定するので、粒度分布を高精度で測定することができる。
【0074】
<材料の流下量の調整手法>
続いて、撮影画像における材料3の全ての合計面積を用いて材料3の流下量を調整する手法について説明する。
【0075】
本実施形態において、
図3に示す合計面積算出部61は、撮影画像における材料3の全ての合計面積を算出してベルトコンベア制御部65へ出力する。ベルトコンベア制御部65は、合計面積算出部61から出力された材料3の全ての合計面積を取得し、取得された材料3の全ての合計面積に基づいて、材料3の全ての合計面積が大きいほど、流下量が小さくなるように材料流下部を制御する。
【0076】
ここで、撮影画像における材料3の全ての合計面積の基準値R[pix]は、重量換算係数を算出する際に使用される複数の撮影画像における材料3の全ての合計面積の平均値(1[枚]当たりの合計面積)に基づいて設定される。
【0077】
本実施形態において、ベルトコンベア制御部65は、複数(例えば、50〜100[枚]の撮影画像を1セットとして材料3の全ての合計面積を算出する。そのため、基準値R[pix]は、前記平均値に1セット分の枚数を掛けた値となる。
【0078】
図7に示すように、ベルトコンベア制御部65は、基準値Rを基に許容範囲を設定しており、材料3の全ての合計面積を時系列で監視する。材料3の全ての合計面積が許容範囲から外れたら(下限値R
D未満となった場合、又は、上限値R
Uを超えた場合)、ベルトコンベア制御部65は、材料3の流下量を調整して基準値Rに近づけるようにインバータ14を制御する。ここで、撮影画像における材料3の全ての合計面積の現在の値をR
N、モータ13の回転速度の現在の値をV
Nとしたとき、ベルトコンベア制御部65は、モータ13の目標回転速度V
PをV
P=V
N・R/R
Nによって算出し、モータ13の回転速度が目標回転速度V
Pとなるようにインバータ14を制御する。
図7の例では、時刻t1以降において、ベルトコンベア制御部65は、モータ13の回転速度を小さくすることによって、材料3の全ての合計面積を基準値Rに近づける。
【0079】
このように、本実施形態の粒度分布測定システム1は、材料3の全ての合計面積に基づいて材料3の流下量を調整することによって、適正な流下量の下で粒度分布を測定することができる。
【0080】
<重量換算係数の変更手法>
続いて、材料3の含水比を用いて重量換算係数を変更する手法について説明する。
【0081】
本実施形態において、
図3に示す含水比監視部66は、マイクロ波水分計110によって検出された材料3の含水比を取得して粒度分布算出部63へ出力する。粒度分布算出部63は、含水比監視部66から出力された含水比を取得し、取得された含水比に基づいて、含水比が大きいほど重量換算係数が大きくなるように当該重量換算係数を変更して粒度分布を算出する。
【0082】
本実施形態では、重量換算係数算出部64は、含水比と重量換算係数とを関連付けて記憶部62に記憶させており、
図8に示すように、記憶部62に記憶された重量換算係数は、含水比が大きいほど段階的に大きくなるように設定されている。含水比が一定の範囲では重量換算係数が同じ値としたのは、含水比の小さい変動は質量換算係数に与える影響が小さいことが実験によってわかっているためであり、このようにすることで、重量換算係数の更新頻度を下げることができる。粒度分布算出部63は、マイクロ波水分計110によって検出された含水比に応じた粒径区分ごとの重量換算係数を記憶部62から読み出し、読み出された粒径区分ごとの重量換算係数に基づいて粒度分布を算出する。
【0083】
なお、重量換算係数は、必ずしも、含水比が大きいほど当該重量換算係数が大きくなるとは限らず、含水比が大きいほど重量換算係数が小さくなるように設定される場合もある。
【0084】
また、粒度分布算出部63は、マイクロ波水分計110の検出位置と撮影部50による撮影位置との距離とモータ13の回転速度とを考慮して、重量換算係数の適用タイミングを設定することも可能である。
【0085】
このように、本実施形態の粒度分布測定システム1は、含水比の変動に対応して粒度分布を好適に測定することができる。
【0086】
以上説明したように、本実施形態の粒度分布測定システム1は、流下する材料3を撮影した撮影画像から得られた重量換算係数を用いて粒度分布を測定するので、粒度分布を高精度で測定することができる。
【0087】
また、本実施形態の粒度分布測定システム1は、複数の撮影画像に材料3が好適に撮影されるので、粒度分布の算出が容易であるとともに、多めの材料3を用いて粒度分布の測定誤差を抑えることができる。
【0088】
また、以上のような粒度分布測定システム1では、
図1に示すように、材料3を傾斜板20の表面20aに沿って流下させることで、材料3を拡散させることができる。
さらに、流下方向変換部70を通過した材料3は、スクリーン30から離れた位置を通過するため、スクリーン30の表面30aが材料3によって汚れるのを防ぐことができる。
これにより、撮影部50が材料3を撮影したときに、材料3が重なることなく、また、スクリーン30の汚れも撮影されなくなるため、撮影画像上の材料3を正確に認識することができる。
【0089】
また、傾斜板20から流下した材料3は、水平方向の速度成分を有した状態で、流下方向変換部70に流入するが、流下方向変換部70を通過することで、水平方向の速度成分が消失し、鉛直下向きに直線状に流下する。これにより、流下方向変換部70を通過した材料3は、撮影部50の撮像素子の撮像面に平行な平面に沿って流下することになる。
スクリーン30の前側を通過する材料3に水平方向の速度成分が含まれていると、材料3の落下軌道が放物線となり、撮像面から撮影領域内の各材料3までの距離が、撮影領域の上側と下側とで一定にならないため、算出部60において空間分解能に差異が生じてしまう。これに対して、本実施形態の粒度分布測定システム1では、撮像面から撮影領域内の各材料3までの距離が一定になるので、撮影画像上で材料3の大きさを正確に測定することができる。
【0090】
また、スクリーン30の表面30a側の空間を通過する材料3よりもスクリーン30の表面30a側からスクリーン30の表面30aを照らすことで、スクリーン30が明るくなり、材料3は黒い影として撮影される。これにより、材料3に模様がある場合でも、撮影画像上で材料3の外形を明確に認識することができる。
【0091】
したがって、本実施形態の粒度分布測定システム1では、材料3の撮影画像に基づいて、粒度分布を正確に測定することができる。
【0092】
また、粗細粒の分離装置を用いた従来の設備構成に比べて、流下方向変換部70を設けることで、粒度分布測定システム1の設備構成を小型化することができる。
【0093】
また、本実施形態の粒度分布測定システム1は、材料3の全ての合計面積に基づいて材料3の流下量を調整することによって、適正な流下量の下で粒度分布を測定することができる。
【0094】
また、本実施形態の粒度分布測定システム1は、含水比の変動に対応して粒度分布を好適に測定することができる。
【0095】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
例えば、材料3の流下量の調整手法を行わない場合には、インバータ14及びベルトコンベア制御部65は、省略可能である。
また、重量換算係数の変更手法を行わない場合には、マイクロ波水分計110及び含水比監視部66は、省略可能である。
また、撮影部50による撮影間隔は、複数の撮影画像に材料3が重複して撮影されることなく、かつ、全ての材料3を撮影可能な間隔であって、撮影範囲の上端における材料3の落下速度と、撮影範囲の上下方向の撮影幅と、に基づいて設定されていてもよい。この場合には、
図5に示す範囲Q1,Q2が存在しないので、前記した材料3の重量(既知の値)H[g]と重量(理論値)S[g]とが等しくなる。ここで、撮影範囲の上端における材料3の落下速度は、材料3の材料流下部2からの落下初速度と、材料流下部2の下端と撮影範囲の上端との距離と、に基づいて算出することが可能である。
また、材料流下部2に対するスクリーン30、照明部40及び撮影部50の位置関係は、
図1の前後方向において反転していてもよい。
【0096】
また、材料流下部2は、前記したものに限定されない。例えば、流下方向変換部70は、省略可能である。
【0097】
また、傾斜板20の突起22の形状は、前記した三角錐型(△型)に限定されず、フィン型(I型)、ピン型(○型)、折り曲げ板の折り曲げ部分を上に向けた型(∧型)等を用いることができる。さらに、これらの複数の形状の突起を組み合わせてもよい。
【0098】
また、鉛直板71,72の突起71b,72bの形状は、前記した円形断面の棒状部材(ピン型)に限定されず、円錐形状や板状等の形状を用いることができる。さらに、これらの複数の形状の突起を組み合わせてもよい。
【0099】
また、傾斜板20の傾斜角度、並びに、突起22の高さや向きは、材料3の大きさ等に応じて適宜に設定されるものである。